第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度において、当社グループではイオン液体を利用した独自の経皮製剤技術ILTS®(Ionic Liquid
Transdermal System)を用いて、低分子から高分子に至る様々な有効成分の経皮吸収性を飛躍的に向上させることにより、新しい付加価値を持った医薬品を開発することを事業の中核に据え、当社グループの最重要パイプラインである消炎鎮痛貼付剤 ETOREAT®(エトドラクテープ剤)を始めとする4つのパイプラインについて製品化に向けた開発を推し進めるとともに、後続パイプラインの研究開発及び提携候補先との契約交渉を行うなど、事業の拡大を図ってきました。ETOREAT®については、米国の規制当局であるFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)と承認申請に必要な追加臨床試験などについて協議をしてまいりました結果、急性疼痛の一種としてFDAと合意したDOMS(Delayed Onset Muscle Soreness、遅発性筋肉痛)に関する病態モデルでの臨床試験を実施することを決定しております。追加臨床試験1本目の結果判明は平成28年7~8月、2本目の結果判明は平成28年後半を見込んでおります。中等度から重度の疼痛に対する中枢性鎮痛薬MRX-1OXT(オキシコドンテープ剤)につきましては、米国での臨床試験を実施するための非臨床試験を開始し、米国における治験薬製造についてThe Tapemark Company(以下「Tapemark社」という)に製造を委託する契約を締結いたしました。後続パイプラインについての臨床開発の米国展開拠点として、平成27年4月に当社100%出資の連結子会社 MEDRx USA INC.(以下、「MUS」という)を設立いたしましたが、子会社管理の一元化及び効率化、業務運営コストの削減を行うことを目的として、当社100%連結子会社 IL Pharma Inc.(米国マサチューセッツ州)を平成27年10月1日をもって MUS に吸収合併しております。平成27年12月には、ETOREAT®、MRX-1OXTに続く新規パイプラインとして、帯状疱疹後の神経疼痛治療薬MRX-5LBT(リドカインテープ剤)及び痙性麻痺治療薬MRX-4TZT(チザニジンテープ剤)について、臨床試験を実施する開発ステージへの移行を決定し、同時に、当該2つのパイプラインの今後の開発に必要な資金を確保することを目的として、Evolution Biotech Fund を割当先とする第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)を発行いたしました。また、当社の上市製品である褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「ヨードコート軟膏」等の製品を提携先の製薬会社を通じて販売してきました。

当連結会計年度においては、当社グループの3つの研究開発テーマについて公的助成事業による助成金をいただきました。平成27年3月には「ナノコロイド含有液型貼付技術を応用した偏頭痛治療薬の製剤開発」について、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」より79百万円、「生分解樹脂製マイクロニードルアレイのディスポーザブル型装着技術の開発」について経済産業省の「平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業」より32百万円、5月には「イオン液体技術を応用した新規骨粗鬆症治療貼付剤の開発」プロジェクトについて公益財団法人かがわ産業支援財団の「平成26年度かがわ中小企業応援ファンド事業」より5百万円の助成金を受けております。

このような取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は37百万円(前連結会計年度比143.1%)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,025百万円(前連結会計年度比100.5%)を計上し、営業損失は999百万円(前連結会計年度は1,003百万円の損失)、営業外収益に受取研究開発負担金20百万円、営業外費用に第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の発行にかかる弁護士費用等の営業外支払手数料4百万円と新株予約権の権利行使による新株発行にかかる登録免許税等の株式交付費0.4百万円、在外子会社の財務諸表項目の換算により生じた為替差損0.4百万円、持分法適用関連会社の研究開発投資が先行していることによる持分法投資損失8百万円の計上により経常損失は990百万円(前連結会計年度は1,012百万円の損失)、特別利益として国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から79百万円、経済産業省の「平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業」から32百万円、公益財団法人かがわ産業支援財団の「平成26年度かがわ中小企業応援ファンド事業」から5百万円、総額116百万円の助成金収入により当期純損失は878百万円(前連結会計年度は1,016百万円の損失)となりました。

 

<ETOREAT®:消炎鎮痛貼付剤(エトドラクテープ剤)>

当社グループの最重要パイプラインとして、ILTS®を活用した最初の完成製剤である「消炎鎮痛貼付剤ETOREAT®(エトドラクテープ剤)」の米国での開発を推し進めています。100%子会社MUSを開発拠点とし、軽度から中等度の急性疼痛を適応症とする医療用医薬品としての製造販売承認取得を目指しており、平成26年に腰を対象とした第Ⅲ相臨床試験(試験番号1009)を実施し、FDAと承認申請に必要な追加臨床試験などについて協議をしてまいりました結果、急性疼痛の一種としてFDAと合意した病態モデルでの臨床試験を実施することを決定しております。追加臨床試験1本目の結果判明は平成28年7~8月、2本目の結果判明は平成28年後半を見込んでおります。

 

<開発コード MRX-1OXT:中枢性鎮痛貼付剤(オキシコドンテープ剤)>

ETOREAT®に続く自社開発パイプラインとして、ILTS®を用いて、中枢性鎮痛薬であるオキシコドンのテープ型貼付剤の製剤開発を推し進めています。オキシコドンは、4,000億円超の米国オピオイド市場において最大シェアを占める薬物です(出所:㈱総合企画センター大阪)。ILTS®によって、経皮難吸収性のオキシコドンの経皮浸透度を飛躍的に高めると同時に、皮膚に対する安全性も満たすテープ型貼付剤であり、平成27年11月に米国での臨床試験を実施するための非臨床試験を開始し、平成27年12月に米国における治験薬製造について Tapemark社に製造を委託する契約を締結いたしました。

 

<開発コード MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)>

ILTS®を用いて局所麻酔剤であるリドカインのテープ型貼付剤を製剤開発したもので、既に米国での特許を取得しており、非臨床試験も実施済みです。米国においてピーク時年商約1,200億円であったリドカインパップ剤Lidoderm®と同様の特性を示すこと等により、早期の新薬承認申請を計画しています。ILTS®を用いることで、Lidoderm®と同様の特性を示すだけでなく、使用時の利便性や安全性が向上した製品となることを期待しています。

 

 <開発コード MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)>

ILTS®を用いて中枢性筋弛緩薬であるチザニジンのテープ型貼付剤を製剤開発したものです。約1,000億円超である筋弛緩薬の米国市場(出所:Optio Biopharma)に、持続的な効果発現と肝障害や眠気等の副作用低減が期待できる初の経皮製剤を投入したいと考えています。現在、非臨床試験を実施中であり、平成28年に臨床試験を開始する計画です。

 

<上市製品>

当社グループでは、褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「ヨードコート軟膏」等の製品を提携先の製薬会社を通じて販売しており、当連結会計年度の製品売上として37百万円を計上しました。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ717百万円減少し、2,062百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、789百万円(前連結会計年度は931百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が874百万円となったこと、特別利益として公的助成事業による助成金の受取額が116百万円あったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは43百万円(前連結会計年度は119百万円の使用)となりました。これは主に研究開発用の設備投資として有形固定資産の取得による支出38百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは、113百万円(前連結会計年度は99百万円の支出)となりました。これは主に第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の権利行使による株式の発行による収入108百万円等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループの製品は、すべて製造委託しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

事業の名称

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

医薬事業(製品売上高)

35,248

△2.4

9,379

△17.3

合計

35,248

△2.4

9,379

△17.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

事業の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

医薬事業(製品売上高)

37,212

+41.6

医薬事業(研究開発等収入)

400

合計

37,612

+43.1

 

(注) 1.  前連結会計年度における医薬事業(研究開発等収入)の販売高はありません。

2.  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本新薬株式会社

18,086

68.8

26,553

71.4

株式会社マリーヌ

3,717

14.1

6,988

18.8

 

3.  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) ETOREAT®の開発推進、米国における製造販売承認の取得

当社グループの最重要パイプラインであるETOREAT®の開発を、製品化(=米国における製造販売承認の取得)に向けて着実に進めていくことが、当社グループ経営上の最重要課題であると認識しています。当社と100%子会社MUS間での連携を密にして開発に臨んでいます。

 

(2) 新規パイプラインの拡充

ILTS®に代表される当社グループの経皮吸収型製剤技術を大きな事業価値として具現化するためには、ETOREAT®に続くパイプラインの開発推進、即ち、ILTS®、NCTSを活用した製剤開発、非臨床試験及び臨床試験に取り組んでいくことが今後の課題と認識しています。

 

(3) 製薬会社等とのパートナーシップの構築

当社グループは、現時点では研究開発に特化した業態であることから、製薬会社等との事業提携も重要課題であると認識しています。パイプライン毎に、開発権や販売権のライセンスアウトを通じて、win-winの関係を構築できるパートナーから収益を得て、財務基盤の強化、持続的な企業成長を図っていく方針です。

 

(4) 人材の採用・育成、企業風土の醸成

当社グループの事業活動は、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。当社グループが持続的な成長を果たすためには、人的陣容強化が欠かせないと認識しており、常に優秀な人材の確保と育成に努めています。また、研究開発推進の背骨となる多様性とチャレンジ精神を尊重する企業風土を培い続けていく所存です。

 

(5) 内部統制の強化

当社グループでは、企業規模・業容に応じた内部管理体制を整備し機能させることが重要であると考えています。業務執行の妥当性や効率性のチェック機能を有効に働かせ、取締役5名、監査役3名(社外監査役2名を含む)及び従業員25名の小規模組織(平成27年12月31日現在)に応じた内部管理体制を敷いています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図っていく方針です。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社グループの事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。

当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

Ⅰ. 医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク

(1) 新薬開発の不確実性

医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要しますが、臨床試験で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、日本国内はもとより、海外市場への展開においては、各国の薬事関連法規等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性、及び品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市ができず延期になる、または上市を断念する可能性があります。これは当社グループのパイプラインを他社にライセンスアウトした場合も同様であり、当社グループが研究開発を行った医療用医薬品候補及び他社にライセンスアウトした医療用医薬品候補の上市が延期または中止された場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) 薬事関連法規等の規制

当社は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という)」等の薬事関連法規の厳格な規制を受けており、事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可等を受けています。

許認可等の
名称及び所管官庁

許認可等の内容
及び有効期限

主な許認可取消
又は業務停止事由

第一種医薬品製造販売業許可証
所管官庁:厚生労働省、香川県

医薬品医療機器等法第12条第1項の規定により許可された第一種医薬品製造販売業者であること。
有効期限:平成31年2月8日
(5年毎の更新)

医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき(医薬品医療機器等法第75条第1項)

第二種医薬品製造販売業許可証
所管官庁:厚生労働省、香川県
 

医薬品医療機器等法第12条第1項の規定により許可された第二種医薬品製造販売業者であること。
有効期限:平成31年2月8日
(5年毎の更新)

同上

 

 

これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生していません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、規制の対象となる製品を回収し、またはその販売を中止することが求められる可能性及び対象事業を継続できない可能性があり、当社グループの運営に支障をきたし事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、将来において各国薬事法等の諸規制に大きな変化が生じた場合にも、同様に、当社グループの運営に支障をきたし事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 副作用発現、製造物責任

医薬品には、臨床試験段階から更には上市後以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社グループは、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入しておりますが、最終的に当社グループが負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社グループ及び当社グループの製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があるとともに、社会的信頼の失墜を通じて当社グループの事業展開にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競合

医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による激しい競争状態にあり、その技術革新は急速に進んでいる状況です。これら競合相手との競争において必ずしも当社が優位性をもって継続できるとは限らず、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(5) 医療費抑制策

当社グループの第一パイプライン「消炎鎮痛貼付剤(商品名:ETOREAT®)」の最重要ターゲットである米国において、医療保険改革法案等による先発医薬品への価格引下げ圧力のほか、低価格のジェネリック医薬品の使用促進も進んでいます。また、我が国においても、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費の伸びを抑制していく方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用促進等が進んでいます。今後の医療費政策の動向が当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ.事業遂行上のリスク

(1) 特定のパイプライン/製品に関する提携契約への依存、収益の不確実性

当社グループは、米国にて開発中の「消炎鎮痛貼付剤(商品名:ETOREAT®)」に関する、製薬会社等との提携契約による収益を中心とした事業収益計画を有しています。

しかしながら、このような提携契約は、相手先企業の経営方針の変更や経営環境の極端な悪化等の、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性があります。ETOREAT®の提携契約において、提携先である興和株式会社は、科学的又は経済上の理由により本製品の販売を開始又は継続することが困難であると合理的に判断した場合、その判断が本製品の販売前である場合は当社に対し当該理由の詳細な説明と共に3ヶ月前に通知することにより違約金なしで本契約を解除することができ、当該判断が本製品の販売開始後である場合は6ヶ月前に通知することにより違約金なしで本契約を解除することができます。なお、現時点ではこれら解除事由となる状況は発生していませんが、本契約が解除された場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、製品上市前の収益として、所定の成果達成に基づくマイルストン収益を見込んでいますが、この発生時期は開発の進捗に依存した不安定で予測困難なものであり、開発に遅延が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に、現在実施中のETOREATの第Ⅲ相臨床試験において有効性を確認できなかった場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性が高いと考えられます。

なお、当社グループでは今後、後続パイプラインによる収益化に努め、ETOREAT関連の収益への依存度を低減していく方針ですが、それらの収益化についても、開発の進捗に依存した不安定で予測困難なものであり、これらの開発に遅延が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) 小規模組織、少数の事業推進者への依存、業務委託及び提携先への依存

当社グループは、提出日現在、取締役6名、監査役3名(非常勤監査役2名を含む)及び従業員25名の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針です。

また、当社グループの事業活動は、当社創業者であり設立当時からの代表取締役社長である松村眞良をはじめとする現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当社グループでは、研究開発、製造及び販売に関して、業務委託及び業務提携することにより、比較的少人数による事業推進を可能にしています。しかしながら、何らかの理由により、業務受託又は業務提携先との関係が解消された場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 知的財産権

当社グループでは研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。

下表に製薬会社等と提携済みの当社グループの代表的なパイプラインに関する重要な特許の状況について記載します。

<提携済みパイプラインに関連する主な特許の状況>

商品名・
開発コード

発明の名称

出願国、権利化の状況

権利者・
出願人

ライセンスアウトの状況

ETOREAT

消炎鎮痛外用剤

米国、日本、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、スペイン、ベルギー、オランダ、スウェーデン、アイルランド、オーストリア、トルコ、中国、オーストラリア、韓国、南アフリカ、カナダで登録

当社

 

①  興和株式会社に米国における独占的販売権を許諾

②  株式会社ケイ・エム トランスダームに独占的製造権を許諾

イオン液体化したエトドラクのテープ剤

米国、日本、中国、オーストラリア、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、カナダ、韓国で登録

 

 

しかし、当社が保有している現在出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常在しています。当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは他社の特許権の侵害を未然に防止するため特許調査を実施しており、これまでに、当社グループの開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社グループのような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ.業績等に関するリスク

(1) 社歴の浅さ

当社は平成14年1月に設立された社歴の浅い企業であり、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、今後、未だ経験していない事業上のトラブルが発生する可能性は否定できず、将来の不確実要因も多いと考えられます。

(2) マイナスの繰越利益剰余金の計上

当社グループは、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業です。医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社グループも創業以来継続的に営業損失及び当期純損失を計上しています。

当社グループは、ETOREAT®を始めとするパイプラインの開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指しています。しかしながら、設立以来当期純損失を計上しており、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社事業が計画通りに進展せず当期純利益を獲得できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

(3) 収益計上が大きく変動する傾向

当社グループは、上市済み製品による売上を計上しているもののその額は微々たるものであり、当社グループの売上高は、ETOREAT®を始めとする現在開発中のパイプラインのライセンスアウト時の契約一時金及び開発進捗に伴うマイルストン収入に大きく影響されるため、過年度の売上高、当期純利益(損失)は不安定に推移しています。この傾向は、ETOREAT®を始めとする現在開発中のパイプラインが上市され安定的な収益基盤となるまで続くと見込まれます。

 

(4) 資金繰り

当社グループは、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とし、また研究開発費用の負担により長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社も営業キャッシュ・フローのマイナスが続いており、かつ現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。

このため、先行投資期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針です。なお、平成25年2月13日に東京証券取引所マザーズへの上場に伴う2,347百万円の資金調達により、今後の研究開発活動を積極的に展開するための資金を確保しております。また、平成25年9月3日に行使価額修正条項付き第6回新株予約権(第三者割当て)を発行し、平成25年11月12日には全ての権利行使が完了して総額2,292百万円の資金調達を行っております。さらに、平成27年12月7日にMRX-5LBT(帯状疱疹後の神経疼痛治療薬)、MRX-4TZT(痙性麻痺治療薬)等の後続パイプラインの開発に必要となる資金を確保する目的で第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)を発行し、原則として概ね6ヶ月の期間にわたり割当先が段階的に権利行使することをコミットしていることから、現在、新株予約権の権利行使による資金調達が進行中です。これらの資金調達により、現在、必要な事業資金については確保できております。

当社グループでは、こうした方針を今後も継続していく予定ですが、将来的に必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。

(5) 為替変動リスク

当社グループの収入及び支出(計画を含む)には米国ドル建決済が含まれていますが、特段の為替リスクヘッジは行っておりません。大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(6) 調達資金使途

上場時の公募増資及びその後現在に至るまでの新株予約権の権利行使により調達した資金は、医薬品の研究開発を中心とした事業費用に充当する計画です。但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。

(7) 新株発行による資金調達

当社グループは際限ない成長意欲を有しており、将来の急速な事業規模の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

(8) ストック・オプション

当社は、当社取締役、監査役、従業員、社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、監査役、従業員、当社子会社従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っています。

平成27年12月31日現在における当社の発行済株式総数は6,889,700株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに116,700株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

なお、平成28年2月12日に、当社及び子会社の取締役及び監査役に対し、第9回新株予約権(有償)5,700個(普通
株式570,000株 新株予約権1個当たり100株)を発行すること、及び、当社の従業員及び子会社の取締役に対し、
第 10 回新株予約権(無償)1,200個(普通株式120,000株 新株予約権1個当たり100株)を付与することを決議して
おり、これらすべての新株予約権が発行又は付与され、権利行使された場合は、さらに690,000株の新株式が発行さ
れ、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

(9) 配当政策

医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資回収も長期に及ぶ傾向にあり、当社も創業以来継続的に営業損失及び当期純損失を計上しています。このような状況下においては、積極的な開発推進によって企業価値を高めることこそが、株主利益の最大化に繋がると考えています。

平成27年12月期末においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。

株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、ETOREAT®をはじめとする現在開発中の新薬が上市され、その販売によって当期純利益が計上される時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、配当による利益還元の実施を検討したいと考えております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

契約書名
(対象パイプ
ライン)

契約先
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

独占的販売権許諾契約書
(ETOREAT®)

興和株式会社
(平成23年3月10日)

締結日から、
本製品のテリ
トリーにおけ
る発売開始か
ら15年或いは
本特許の最も
遅い有効期限
のいずれか遅
い日まで

①  当社は、米国及びプエルトリコにおける、エトドラク・リドカイン塩含有貼付剤の販売に関する独占的実施権を興和株式会社に許諾する。

②  当社は、その対価として、以下の契約一時金・マイルストンを受領する。

a.本契約の締結時:5億円

b.本承認申請受理時:10.5億円

c.本販売承認取得時:15億円

その他、単年における本製品の正味販売高が予め段階的に定めた額を達成した際、各々その予め定めた額の5%を受領する。

③  当社は、本製品を興和株式会社に独占的に供給するとともに、売上に応じた販売ロイヤルティを受領する。

共同開発及び実施許諾契約
(ETOREAT®他)

株式会社ケイ・エム
トランスダーム、
株式会社カネカ
(平成21年9月28日)

締結日から、
本発明に係わ
る権利が全て
消滅する日ま

①  当社は、株式会社ケイ・エム トランスダームにエトドラク医薬品関連特許の製造及び販売会社への卸売に関する独占的実施権を許諾する。

②  当社は、その対価として、総額6億円をエトドラク医薬品の米国での開発進捗等に応じて2億円ずつ3回に分けて受領する。(注)

製造委受託等に関する契約
(ETOREAT®)

祐徳薬品工業株式会社
株式会社ケイ・エム
トランスダーム
(平成21年12月16日)

上市後10年が
経過する日、
或いは本製品
関連特許期間

エトドラク含有貼付剤の米国市場向け全需要のうち、年間5,000万枚までは、祐徳薬品工業株式会社へ優先的に製造委託する。

 

(注) 3回いずれも実施及び受領済み

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、イオン液体の特徴を利用したILTS®による経皮吸収型医薬品に関する研究開発を中心に研究開発活動を行っています。平成27年12月31日現在、当社グループの研究開発人員数は15名であり、当連結会計年度における研究開発費は716百万円です。

 

(1)製剤開発

製剤開発については当社研究部(香川県東かがわ市)を拠点としています。

当社グループ独自の経皮吸収型製剤技術であるILTS®、NCTSを基に、対象薬物候補における高い経皮浸透性、皮膚安全性等の実用化基準を満たす経皮吸収型製剤の開発を、当社グループ独自で、あるいは、製薬会社等と共同で実施しています。

 

(2)臨床開発

ETOREAT®及び後続パイプラインの米国における臨床開発に関しては、100%子会社のMUSを拠点とし、現地CROや米国薬事及びFDA対応に関する知識や経験の豊富なコンサルタントとの緊密な提携関係により、機動的に臨床試験を運営しています。

 

研究開発活動に関する詳細は、第1企業の概況  3事業の内容に記載していますのでご参照下さい。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて707百万円減少し、2,977百万円となりました。12月に発行した第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ54百万円増加しておりますが、当期純損失878百万円を計上したこと等により現金及び預金が717百万円減少しております。

流動資産は2,204百万円となりました。主な内容は、現金及び預金2,062百万円等であります。固定資産は773百万円で、主な内容は投資有価証券416百万円、建物及び構築物178百万円、機械装置及び運搬具71百万円であります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べて34百万円増加し、205百万円となりました。これは未払金の増加31百万円、持分法適用に伴う負債の増加3百万円等によるものであります。

流動負債は109百万円となりました。主な内容は未払金89百万円、未払法人税等11百万円等であります。固定負債は95百万円となりました。主な内容は持分法適用に伴う負債79百万円等であります。 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて741百万円減少し、2,772百万円となりました。当期純損失878百万円の計上に伴い、利益剰余金が減少したことによるものであります。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の94.9%から91.8%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度において、当社グループではイオン液体を利用した独自の経皮製剤技術ILTS®(Ionic LiquidTransdermal System)を用いて、低分子から高分子に至る様々な有効成分の経皮吸収性を飛躍的に向上させることにより、新しい付加価値を持った医薬品を開発することを事業の中核に据え、当社グループの最重要パイプラインである消炎鎮痛貼付剤 ETOREAT®(エトドラクテープ剤)を始めとする4つのパイプラインについて製品化に向けた開発を推し進めるとともに、後続パイプラインの研究開発及び提携候補先との契約交渉を行うなど、事業の拡大を図ってきました。また、当社の上市製品である褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「ヨードコート軟膏」等の製品を提携先の製薬会社を通じて販売してきました。

当連結会計年度においては、当社グループの3つの研究開発テーマについて公的助成事業による助成金をいただきました。平成27年3月には「ナノコロイド含有液型貼付技術を応用した偏頭痛治療薬の製剤開発」について、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」より79百万円、「生分解樹脂製マイクロニードルアレイのディスポーザブル型装着技術の開発」について経済産業省の「平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業」より32百万円、5月には「イオン液体技術を応用した新規骨粗鬆症治療貼付剤の開発」プロジェクトについて公益財団法人かがわ産業支援財団の「平成26年度かがわ中小企業応援ファンド事業」より5百万円の助成金を受けております。

このような取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は37百万円(前連結会計年度比143.1%)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,025百万円(前連結会計年度比100.5%)を計上し、営業損失は999百万円(前連結会計年度は1,003百万円の損失)、営業外収益に受取研究開発負担金20百万円、営業外費用に第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の発行にかかる弁護士費用等の営業外支払手数料4百万円と新株予約権の権利行使による新株発行にかかる登録免許税等の株式交付費0.4百万円、在外子会社の財務諸表項目の換算により生じた為替差損0.4百万円、持分法適用関連会社の研究開発投資が先行していることによる持分法投資損失8百万円等により経常損失は990百万円(前連結会計年度は1,012百万円の損失)、特別利益として国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から79百万円、経済産業省の「平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業」から32百万円、公益財団法人かがわ産業支援財団の「平成26年度かがわ中小企業応援ファンド事業」から5百万円、総額116百万円の助成金収入により当期純損失は878百万円(前連結会計年度は1,016百万円の損失)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ717百万円減少し、2,062百万円となりました。これは、営業活動により使用したキャッシュ・フロー789百万円と、研究開発用の設備投資として有形固定資産の取得等による投資活動により使用したキャッシュ・フロー43百万円及び第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の権利行使による株式の発行等による財務活動により獲得したキャッシュ・フローが113百万円となったためです。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に対して中期的に重要な影響を与える最大の要因は、ETOREAT®開発の成否です。米国にて実施中の第Ⅲ相臨床試験において有効性が示され、米国の規制当局であるアメリカ食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)に医療用医薬品としての製造販売承認取得のための申請を行って、製造販売承認を取得することにより、独占的販売権許諾契約に従ってマイルストンフィーを受領することができます。

 

(5) 経営戦略の現状とその見通し

上記(4)で挙げた、当社グループの最重要パイプラインであるETOREAT®の開発を、製品化(=米国における製造販売承認の取得)に向けて着実に進めていくことが、当社グループ経営上の最重要課題であると認識しており、当社と100%子会社MUS間での連携を密にして開発に臨んでいます。特に、臨床開発に関しては、MUSを拠点とし、現地CROや米国薬事及びFDA対応に関する知識や経験の豊富なコンサルタントとの緊密な提携関係により、機動的に臨床試験を運営しています。

平成26年に腰を対象とした第Ⅲ相臨床試験(試験番号1009)を実施し、FDAと承認申請に必要な追加臨床試験などについて協議をしてまいりました結果、急性疼痛の一種としてFDAと合意したDOMS(Delayed Onset Muscle Soreness、遅発性筋肉痛)に関する病態モデルでの臨床試験を実施することを決定しております。追加臨床試験1本目の結果判明は平成28年7~8月、2本目の結果判明は平成28年後半を見込んでおります。

MRX-1OXTについては、早期に米国での臨床試験を開始すべく、現在実施している非臨床試験とTapemark社への製造技術移転を推し進めてまいります。MRX-5LBTについては、平成28年2月にFDAに治験許可申請(Investigational New Drug application)を提出しました。早期の新薬承認申請(New Drug Application)を目指して臨床開発を進めてまいります。MRX-4TZTについては、平成28年中に臨床第Ⅰ相試験を開始する計画です。また、上記以外のパイプラインについても研究開発を推進し、開発提携やライセンスアウト等による収益化に努めてまいります。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

ILTS®に代表される当社グループの経皮吸収型製剤技術を大きな事業価値として具現化するためには、後続パイプラインの開発推進、即ち、ILTS®、NCTSを活用した製剤開発、非臨床試験及び臨床試験に取り組んでいかねばなりません。今後も研究開発推進の背骨となる多様性とチャレンジ精神を尊重する企業風土を培い続けていく所存です。