本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループでは独自の経皮製剤技術であるILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)やNCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)、並びにマイクロニードルアレイ技術を用いて、低分子から高分子に至る様々な有効成分の経皮吸収性を飛躍的に向上させることにより、新しい付加価値を持った医薬品を開発することを事業の中核に据え、MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)、MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)、MRX-1OXT:中枢性鎮痛貼付剤(オキシコドンテープ剤)、MRX-5DML:アルツハイマー治療薬(ドネペジル・メマンチン含有貼付剤)の4つのパイプラインについて製品化に向けた開発を推し進めるとともに、後続パイプラインの研究開発及び提携候補先との契約交渉を行うなど、事業の拡大を図ってきました。
MRX-4TZTについては、平成29年4月に、インドの製薬会社 Cipla Ltd.(インド マハーラーシュトラ州ムンバイ、CEO:Umang Vohra、以下「Cipla」という。)の米国100%子会社であるCipla USA Inc.(米国デラウエア州ウィルミントン、CEO:Nikhil Lalwani)との間で、MRX-4TZTに関する世界的な開発・販売ライセンス契約(ただし、東アジアを除く)を締結しています。平成29年9月より、第Ⅰ相臨床試験の追加試験(P1a')を開始しました。このP1a'試験では、第Ⅲ相臨床試験及び新薬承認申請(NDA:New Drug Application)に向けた開発計画の一環として、MRX-4TZTの薬剤特性に関する有用な情報を得ることを期待しています。提携先のCiplaは、P1a'試験を実施した後、第Ⅲ相臨床試験を開始することを計画しています。MRX-5LBTについては、平成28年5月に第Ⅰ相臨床試験の結果が判明し、米国においてピーク時年商約1,200億円であったリドカインパップ剤Lidoderm®と比較して皮下組織により早くより多くのリドカインを浸透させることを示唆する結果を得ており、早期の新薬承認申請を目指して開発に注力しております。オピオイド貼付剤における乱用及び誤用の抑制・防止を目的として開発した当社独自の新たな経皮吸収型製剤技術AMRTS®(Abuse and Misuse Resistant Transdermal System)を用いたMRX-1OXTについて、平成29年4月に、米国規制当局であるアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)と、治験許可申請(Investigational New Drug application)に先立って行う面談会議(pre IND meeting)を実施し、協議の結果、当社の開発方針がFDAによって確認され、平成29年10月より第Ⅰ相臨床試験を開始しました。米国では、オキシコドンを始めとする強い鎮痛作用を有するオピオイド鎮痛剤が大きな市場(2014年 4,470億円、出所:TPCマーケティングリサーチ㈱)を形成しています。その一方で、オピオイド鎮痛剤の乱用から2014年には200万人が薬物依存に陥り、オピオイド鎮痛剤の過量摂取により1999年から2015年にかけて18万人以上が死亡、また、幼児が使用後のオピオイド貼付剤を誤って咀嚼したり貼付することで死亡する等、オピオイドの乱用及び誤用事故が大きな社会問題となっており、米国政府・規制当局は重点的にその対策に取り組んでいます。当社は、オピオイド貼付剤における乱用及び誤用事故の抑制・防止を目的としてAMRTS®を開発しました。AMRTS®を用いたMRX-1OXTは、より安全で安定した疼痛管理をもたらすものと期待しています。MRX-5DMLについても、早期の臨床試験開始を目指して、非臨床試験を実施していく計画です。また、当社の上市製品である褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「ヨードコート軟膏」等の製品を提携先の製薬会社を通じて販売してきました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は19百万円(前年同四半期は22百万円)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は828百万円(前年同四半期は1,065百万円)を計上しました。営業損失は813百万円(前年同四半期は1,050百万円)、営業外収益に受取賃貸料3百万円等、営業外費用に在外子会社の財務諸表項目の換算により生じた為替差損7百万円等により経常損失は817百万円(前年同四半期は1,019百万円)、特別利益として経済産業省の「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」助成金、公益財団法人かがわ産業支援財団の平成28年度中小企業知的財産活動支援事業費補助金及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成27年度追加実証・用途開拓研究支援事業~サンプルづくり支援事業」助成金の助成金収入41百万円、退職した従業員に係る新株予約権失効による新株予約権戻入益2百万円、持分法適用関連会社であった株式会社ケイ・エム トランスダームの全株式を売却したことによる関係会社株式売却益99百万円、特別損失として株式会社ケイ・エム トランスダームへの貸付金に対する貸倒引当金繰入34百万円等により、親会社株主に帰属する四半期純損失は712百万円(前年同四半期は996百万円)となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
当第3四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度に比べて800百万円減少し、2,278百万円となりました。これは主に現金及び預金が782百万円減少したこと等によるものであります。
流動資産は1,969百万円となりました。主な内容は、現金及び預金1,857百万円等であります。固定資産は308百万円で、主な内容は建物及び構築物160百万円、機械装置及び運搬具35百万円、工具器具備品36百万円等であります。
負債は、前連結会計年度に比べて100百万円減少し、471百万円となりました。これは主に持分法適用に伴う負債の減少64百万円、未払金の減少32百万円等によるものであります。
流動負債は66百万円となりました。主な内容は未払金38百万円、未払法人税等16百万円等であります。固定負債は405百万円となりました。主な内容は転換社債型新株予約権付社債394百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度に比べて699百万円減少し、1,806百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失712百万円により利益剰余金のマイナスが712百万円拡大したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度の79.0%から75.5%となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は615百万円であります。