第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は「美容業界を変える」というスローガンと、「美容業界に新しい価値を創造し、サロンビジネスの繁栄に貢献する」という使命のもと、以下の課題に取り組んでまいります。

 

(2)中長期的な経営戦略

「IT」と「物流」、そして「多面的なソリューションサービス」を最大限磨き上げることで、美容サロン向けBtoB流通の圧倒的No.1プラットフォーマーの地位を確立していきます。

 

(3)対処すべき課題

① ECサイトのさらなる進化・改善

当社は、BtoB美容業界向けECプラットフォームとして、早期に国内で圧倒的No.1の地位を確立することを目指しております。今後、一層の美容業界のデジタル化が加速する過程で業界内での競争激化、他業界からの新規参入などが見込まれる中、ECサイトにおけるUI/UXの一層の進化を行い続けることで、ロイヤル顧客の拡大と一顧客あたりの年間ご利用額の増加を目指してまいります。

 

② 化粧品・材料メーカー様との取引口座開設の推進

サロン様にとって「欲しいものが何でも揃う」という商品ラインナップの拡充が、業容拡大に向けて最も重要な課題の一つであると認識しております。年々着実に取引口座が増加しておりますが、旧来型の商慣行の影響から、当社ではいまだ取扱販売の出来ない有名化粧品ブランドが僅かではありますがございます。更なる競争力の強化、地道な営業活動と、当社ビジネスの本質の理解促進を図る事によって信頼を獲得し、化粧品・材料メーカー様との口座開設を推進してまいります。

 

③ ロジスティックス面での進化

美容業界の商材流通においては、物流サービスの強化が市場シェア獲得のために大変有効であると考えております。当社では、千葉県柏市、兵庫県尼崎市の東西2拠点で自社で物流センターを運営しておりますが、既に発表しておりますように第三ディストリビューションセンターの開設準備を始めております。物流面での更なる生産性向上、顧客の利便性向上を目指してまいります。

 

④ 原材料・輸送費高への対応、円安への対応

今後、原材料高・輸送コストの上昇、円安の進行といった厳しい事業環境が続くことも想定されます。そのような想定の中で、当社は業務効率の改善やスケールメリットの創出によって価格競争力の維持や提供サービスのレベルアップを図り、BtoB美容業界向けECプラットフォーマーとしての圧倒的な地位を確立してまいりたいと考えております。

 

⑤ 新規事業、新サービスの収益化

当社は、鍼灸・整骨院向け業界参入やフィットネス/スポーツジム業界向け商材流通事業、SaaS型の美容サロン向けネットショップ構築支援サービス等の新規事業、新サービスの着実な成長と収益化を目指してまいります

 

⑥ サステナビリティ経営の強化

当社は、持続可能な社会の実現のために、成長を維持しながら地球環境、美容業界のサステナビリティに貢献していきたいと考えております。今後は人的資本に関する取り組みも含め、サステナビリティ経営の強化に努めてまいります。

 

⑦ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みの強化

当社は、更なる企業価値向上のため、「高い成長性の継続」と「利益率の改善」が鍵だと考えております。資本コストや株価について、継続的に分析を行いながら、「高い成長性の継続」実現に向けて、新中期経営計画の策定、戦略的な成長投資、事業領域の拡大、「利益率の改善」実現に向けて、市場シェアNo.1の早期確立、製品開発力の強化、業務効率向上とスケールメリット創出に取り組んでまいります。

 

(4)目標とする経営指標

当社がサロン開業と繁盛を総合支援するコンシェルジュとして、美容業界に新しい価値を創造し、サロンビジネスの繁栄に貢献するためには、売上高の増加及び適正な利益を確保しつつ適切な投資による事業拡大を図り企業を継続的に成長させていく必要があると考えております。このため、当社では事業の成長性の指標として、売上高成長率、経常利益率、ROE(自己資本当期純利益率)を重視し、一方財務基盤の強化を図る観点では、自己資本比率、流動比率を重視しております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般に関する考え方

①基本方針

当社は、旧態依然とした美容業界に常に新しい価値創造を行うことで変革をもたらし、サロンビジネスの繁栄に大きく貢献していくことで、結果として美容業界でもっとも必要とされる会社となることを目指しております。当社にとってのサステナビリティとは、このような活動を通して、サステナブルな当社、美容業界、そして社会全体を作り上げていくことであると考えております。

当社グループは、①「IT」と「物流」と「ソリューションサービス」を最大限活用すること、②美容サロンの開業を全面的に支援することを通じて、美容業界の活性化に貢献出来るよう努力してまいります。

 

②ガバナンス

当社は、2021年に代表取締役CEO兼COOを中心にプロジェクトを立ち上げ、サステナビリティに関する活動を推進しております。プロジェクトメンバーは全社横断メンバーで構成されており、IRを通じて投資家からの意見も吸い上げながら活動の推進・強化に努めております。また、社外取締役から頂く助言はガバナンスの観点に加えて、サステナビリティ経営全般における意思決定において重要な役割を果たしております。

 

③リスク管理

  サステナビリティ全般が世の中の変化が速く、一定の追加コスト負担が生じる一方で、今後の事業機会にも繋がるため、取締役会やプロジェクトメンバーを中心に定期的にリスクの測定に努めると共に新たな事業機会創出についても検討を重ねております。

 

④指標及び目標

  当社は、サステナビリティ活動の中でも特に地球環境の保護を重要視しております。中古理美容機器の流通促進やデジタル化推進による環境負荷の軽減、カラー剤容器(アルミチューブ)の回収を通じた資源リサイクルの促進といった3R活動、サステナビリティ活動を通じて得た収益の植樹活動への寄付、社用車への電気自動車の導入等CO2排出量削減に取り組んでまいりました。環境負荷について、定量的に把握するため、当連結会計年度よりCO2排出量の算出を始めました。

 今後、グループ全体でのCO2削減の取り組みを強化すると共に、メーカー、サロンを巻き込んだ取り組みも模索していく予定です。また、継続的にCO2排出量を算出すると共に削減目標、その開示方法についても検討を進めてまいります。

 

(2)環境保護に関する基本方針

当社は、創業当時よりリユース市場創出を通じて、循環型経済サイクルの浸透に貢献してきた背景もあり、今後も環境保護に関して、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。社内プロジェクトメンバーを中心に環境保護に繋がる商品開発、廃棄商品の削減(梱包資材・物流資材の改善含む)、カラー剤空き容器の回収・リサイクル等3R活動に注力してまいります。

 

 

(3)人的資本に関する基本方針

当社にとっての一番の資産は人であると考えております。当社は多様な人材が集まり、そして社員一人ひとりの持続的な成長をサポートしながら、その力を最大限発揮出来る環境作りに注力してまいります。

①人材育成方針

当社は、人材の多様性(ダイバーシティ)を重視しております。特に女性の活躍促進に繋がるライフステージに合わせた各種制度・施策の整備に努めながら中期的な目標として、当社グループ全体として2030年6月末時点で女性管理職比率を1/3以上とする目標に向けて取り組んでまいります。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

女性の管理職比率

2030年6月末までに1/3以上

26.3

 

 

また、当社では婚姻・育児・介護等のライフステージに合わせて柔軟な働き方を可能とする下記制度を採用しております。

 

a.社員の多様な働き方を可能とする制度

時差出勤制度・短時間勤務制度を導入しており、時間に縛られない働き方が可能となっております。

b.社員の成長を促進する制度・施策

ジョブチャレンジ制度・社内ベンチャー制度・サバティカル休暇の導入や、副業・兼業の許可、全社的な新規事業企画コンテストの開催など所属部署の枠を超えて、様々な仕事に挑戦することが出来、社員の更なる成長を促しております。

c.社員の働く意欲を高める制度

業務に関連する資格取得を応援する資格手当の付与、会社への貢献度に応じたMVP表彰等各種表彰制度の採用などにより該当社員の働く意欲を高めると共に他社員の成長意欲を喚起しております。

 

②社内環境整備方針

人材の多様性を尊重する企業方針のもと、性別・年齢・国籍等を問わず、個人個人が能力や個性を最大限発揮出来る職場づくりや制度・施策作りに努めており、多様性のある働きやすい環境構築に注力しております。また、目標として、男女間の賃金格差の是正に向けて取り組んでまいります。

 

指標

目標

全従業員

正社員・契約社員

アルバイト

男女間賃金格差

(当事業年度)

維持ないしは是正

56.1

73.8

85.6

 

 

男女間賃金格差について、勤務時間ベースでの賃金格差を除外した実質の数値は下記となります。

指標

目標

全従業員

正社員・契約社員

アルバイト

修正後男女間賃金格差

(当事業年度)

是正

62.5

76.1

91.9

 

注:時短勤務やアルバイト採用の従業員について、フルタイム換算して算出した数値となります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 品質管理及び不良品について

当社が物販事業において販売する商品には、お客様が直接・間接的に身体へ接触させ使用する商品が含まれます。そのため、当社では、お客様の身体に危害が生じることがないよう細心の注意を払い、商品のチェックを行い、かつ取扱方法の適切な表示を心がけております。
 しかしながら、今後商品の不具合が発生した場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合について

当社グループは、理美容室、エステサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン等のビューティサロンに対し、プロ向け美容器具・機器・化粧品等をインターネットや店舗等を通じて販売する物販事業、美容室をはじめとした独立開業を目指す顧客向けにトレンドを捉えたデザイン性の高い店舗設計の提案を行う店舗設計事業、ビューティサロンの開業準備から開業後の経営に関わる各種サービスを提供するその他周辺ソリューション事業の3事業を独自のビジネスモデルで運営しております。

本ビジネスモデルにおける直接の競合は現段階では存在しておりませんが、物販事業、店舗設計事業、その他周辺ソリューション事業と個別の事業毎でみると競合企業は存在しており、特に売上規模の大きい物販事業では、美容サロン向けECプラットフォームを展開していく上で、競合企業及び今後新たに参入する企業との間で競合が激化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 法的規制について

当社グループは、化粧品製造業及び化粧品製造販売業として薬機法、中古理美容機器の買取・販売を行っているため古物営業法、電気美容機器の販売を行っているため電気用品安全法、ビューティサロンの居抜き物件を中心とした不動産仲介を行っているため宅地建物取引業法、ビューティサロン等の店舗設計・工事管理等を行う一級建築士の建築士法及び店舗工事を行う建設業法等の法的規制を受けております。また、当社グループはインターネット上の「BEAUTY GARAGE Online Shop」やサロン業務用総合カタログの「BG STYLE」において特定商取引に関する法律、不正競争防止法等の規制を受けております。

当社グループ内においてコンプライアンスマニュアルを定め、新規事業及び既存事業において法令遵守がなされているかを法務担当部門により適宜点検を行うと共に各事業担当部門においては、該当する法令について自己点検を行い、内部管理体制も整えておりますが、法令の改正に対し当社グループが適切に対応できない場合や新たな法令が制定された場合には、当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 個人情報管理について

当社グループでは、理美容商材の販売・買取及び周辺サービスの提供を行っているため、顧客の個人情報を多数保有しております。当社グループでは、個人情報に関する法律をはじめとする法令諸規則を遵守すべく、個人情報の取扱いに際し、「個人情報取扱規程」を制定し、遵守することで個人情報を適正に保護管理するための社内体制を構築し、更に強化する方針を有しております。

しかしながら、体制強化にも関わらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合には、当社グループのイメージ悪化、金銭的な補償の発生等により、当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 為替変動リスクについて

当社は、オリジナルブランド商品の多くを海外のメーカー・工場から仕入れております。為替の変動により仕入価格が変動することから、為替予約を行う等、為替変動の影響について軽減に努めておりますが、海外通貨に対し円安方向に進行した場合には、仕入価格が上昇し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 特定人物への依存について

当社の代表取締役CEO兼COOである野村秀輝は、経営ビジョン・方針の提示やそれに基づいた事業戦略の策定をはじめ、中期経営計画の立案及び推進、新規事業の立案及び推進の中心的な役割を担っております。

当社グループは事業拡大に応じて、代表取締役CEO兼COOに過度に依存しない経営体制を構築すべく権限の委譲等を進めておりますが、何らかの理由により代表取締役CEO兼COOの業務継続が困難となった場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 業界環境の変化について

当社グループの物販事業における成長のメインエンジンであるプロ向け美容商材インターネット通販サイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」による売上高の伸び率は、今後のEC市場の動向あるいは各ビューティサロンにおけるデジタル化の高まりが鍵を握るものと思われます。現在のところEC市場の成長を阻害する社会構造及び業界環境の変化はないと考えられますが、EC市場の成長が止まるあるいは縮小するような場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 配当政策について

当社は、企業価値の向上を目的として財務体質強化及び更なる事業拡大に対する投資の必要性を勘案した上で株主に対する適切な利益還元を行うことを基本方針としておりますが、配当政策が業績に連動しているため、業績が悪化した場合、これにともなって配当が減少もしくは実施をしない可能性があります。

 

(9) システム障害におけるリスクについて

当社グループは、プロ向け理美容商材インターネット通販サイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」による物販事業が重要な役割を担っており、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。しかしながら、地震、火災などの自然災害、事故、停電など予期せぬ事態の発生によって、当社設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合は、当社の営業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社もしくはインターネット・サービス・プロバイダーのサーバーが何らかの原因によって作動不能となったり、外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入などの犯罪や役職員の過誤によるネットワーク障害が発生する可能性があります。これらの障害が発生した場合には、当社に直接的損害が生じるほか、当社に対する訴訟や損害賠償請求が生じるなど、当社の事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 知的財産権に係る訴訟リスクについて

当社グループは、事業戦略上重要な商品に関しては、商標権・意匠権申請などにより、積極的に権利の保全を図っております。しかし、諸外国においては、知的財産権保護が不完全である国もあり、当社グループ製品・技術が模倣または解析調査などされることを防止できない可能性があります。

また、当社グループは、第三者からの訴訟提起や権利侵害の主張を受ける事態を未然に防止するため、仕入部門が新商品を仕入れる際には、インターネットを通じた調査を実施したり、必要に応じ弁理士事務所を通じた調査を行っております。

しかし、第三者の権利を侵害していないことを完全に調査し確認することは極めて困難です。現時点において当社グループが認識していない第三者の特許等の知的財産権の侵害の事実が存在する可能性は完全には否定できず、また今後、当社グループが第三者から意匠権その他知的財産権の侵害を理由に各種請求を受けないという保証はありません。仮に当社グループが第三者から請求や訴訟提起等を受けた場合には、当社グループとしましては専門家と相談のうえ、慎重に対応を行っていく方針でありますが、その場合、多大な費用と時間を要する可能性があります。その結果によっては、当社グループのその後の事業戦略や、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 関連当事者取引について

当社グループは一部事業所の賃借について、本書提出日現在、代表取締役CEO兼COO野村秀輝の債務保証を受けております。なお、債務保証に伴う保証料は支払っておりません。今後は事業所の賃借先との交渉により当該債務保証を解消していく方針であります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の増加や日経平均の史上最高値の更新、賃上げの浸透、個人消費の持ち直しなど明るい話題もありましたが、過度の円安進行やインフレの継続、中国・欧米の経済の減速、能登半島地震の発生など引き続き厳しい景況感で推移致しました。

 美容サロン業界におきましては、来店客数の増加や値上げを伴う顧客単価の上昇など、緩やかではありますが回復基調が続いております。

 そのような状況下、当社グループではサロンビジネスの繁栄に貢献するべく、取扱カテゴリーや商品数の拡大、利便性の向上、提供サービスの強化等に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は29,840百万円(前年同期比12.9%増)、売上総利益は7,500百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は1,700百万円(前年同期比25.3%増)、経常利益は1,719百万円(前年同期比27.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,084百万円(前年同期比25.4%増)となりました。

セグメント別の経営成績等は次のとおりであります。

 

(a)物販事業

物販事業におきましては、インターネット通販サイト「BEAUTYGARAGE Online Shop」、全国主要都市のショールーム&ストア+法人営業チーム、各グループ会社を通して、理美容機器や化粧品・消耗品等のプロ向け美容商材を、理美容室、エステサロン、リラクゼーションサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン等のいわゆる美容サロン向けに提供しております。

当連結会計年度におきましては、商品ラインナップ拡充とECサイトの更なる進化・改善に努めるとともに、ChatGPTによるEC問合せのAI対応の開始、鍼灸院・整骨院向け商材の取扱い開始等、美容商材流通のプラットフォーマーとしての役割を強化してまいりました。

この結果、物販事業全体としての売上高は24,534百万円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益は1,470百万円(前年同期比32.2%増)となりました。

 

(b)店舗設計事業

店舗設計事業におきましては、連結子会社である株式会社タフデザインプロダクトにより、東京・金沢・名古屋・大阪・福岡の5拠点において店舗設計・工事施工管理を提供しております。トレンドを捉えたデザイン性の高い店舗設計の提案を行うことで美容サロンにおける独立開業を目指す顧客から高い支持を得ております。

当連結会計年度におきましては、若手デザイナー達の育成に伴う戦力化や業績連動報酬制度の強化も寄与し、美容サロン・クリニックを中心に、順調に案件を獲得することが出来ました

この結果、当事業の売上高は3,376百万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は197百万円(前年同期比6.1%増)となりました。

 

 

(c)その他周辺ソリューション事業

その他周辺ソリューション事業におきましては、ビューティサロンの開業と経営に必要なサポートとして、開業プロデュース、居抜き物件仲介、決済支援、集客支援、講習・アカデミー、損害保険、システム導入支援、店舗リース、M&A仲介、提携ビジネスカード、低コスト電力の供給、マーケティング支援サービス等の各種ソリューションサービスを、各種専門WEBサイトと全国主要都市のショールームと法人営業部隊、各グループ会社を通して提供しております

当連結会計年度におきましては、AI開業相談を開始することで開業相談対応の質の向上を図るとともに、各種ソリューションサービスへの誘導強化を図ってまいりました。また、当連結会計年度末にはメディア事業を強化すべく美容業界専門出版社の株式会社女性モード社の子会社化を実施致しました。当事業の売上高は1,929百万円(前年同期比21.8%増)、セグメント利益は251百万円(前年同期比1.8%増)となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ143百万円増加し、3,506百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

営業活動の結果増加した資金は、581百万円(前年同期は998百万円の資金増加)となりました。これは、主に棚卸資産の増加があったものの、税金等調整前当期純利益の計上及び仕入債務の増加があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

投資活動の結果使用した資金は、592百万円(前年同期は197百万円の資金減少)となりました。これは、主に無形固定資産の取得及び敷金・保証金の差入れ、投資有価証券の取得によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 

財務活動の結果増加した資金は、134百万円(前年同期は102百万円の資金減少)となりました。これは、借入債務の返済による支出及び配当金の支払による支出があったものの、長期借入による収入があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

店舗設計事業

2,918,571

+8.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は製造原価によっております。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

物販事業

20,242,411

+15.8

その他周辺ソリューション事業

1,271,515

+24.8

合計

21,513,926

+16.3

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は仕入価格によっております。

 

c. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

店舗設計事業

3,514,924

+12.4

476,166

+41.0

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

物販事業

21,725,440

24,534,541

12.9

 

理美容機器

8,894,035

9,524,748

7.1

 

化粧品等

12,272,810

14,524,970

18.4

 

金属スチール家具

558,594

484,821

△13.2

店舗設計事業

3,119,308

3,376,555

8.2

その他周辺ソリューション事業

1,584,797

1,929,804

21.8

合計

26,429,547

29,840,901

12.9

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて12.1%増加し、10,921百万円となりました。これは、主に売上債権と棚卸資産の増加があったことによるものであります。

 

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べて16.3%増加し、2,703百万円となりました。これは、主に有形・無形固定資産の償却による減少があったものの、投資その他の資産の増加があったことによるものであります。

 

(流動負債)

前連結会計年度末に比べて2.9%増加し、4,594百万円となりました。これは、主に仕入債務と1年内返済予定の長期借入金の増加によるものであります。

 

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べて39.4%増加し、1,890百万円となりました。これは、主に長期借入金と契約負債の増加があったことによるものであります。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて14.3%増加し、7,139百万円となりました。これは、主に配当金の支払に伴い利益剰余金の減少202百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金の増加1,084百万円があったことによるものであります。

 

 ③ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度における売上高は29,840百万円(前年同期比12.9%増)となりました。これは、主に顧客基盤の拡大や取扱メーカーの拡充を図ったこと等により、物販事業の売上高が24,534百万円(前年同期比12.9%増)と大幅に伸長したことによるものであります。

 

(営業利益)

当連結会計年度における売上総利益は7,500百万円(前年同期比11.6%増)となりましたが、円安や原材料・輸送費の高騰により売上総利益率は25.1%(前年同期は25.4%)と低下しました。また、販売費及び一般管理費は5,800百万円(前年同期比8.1%増)となりました。主な増加原因は、人員増に伴う人件費の増加と、売上増加によるカード決済手数料の増加であります。

その結果として、当連結会計年度における営業利益は1,700百万円(前年同期比25.3%増)となり、営業利益率は5.7%と前年同期とほぼ同じ比率となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度においては、営業外収益として38百万円(前年同期比71.2%増)、営業外費用として18百万円(同26.2%減)を計上しております。これは、主に為替差益及び受取手数料の計上と、支払利息及びチャージバック損失を計上したことによるものであります。その結果、当連結会計年度における経常利益は1,719百万円(前年同期比27.0%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度におきましては、特別損失として関係会社株式売却損27百万円及び減損損失14百万円を計上したため、税金等調整前当期純利益は1,677百万円(前年同期比28.6%増)となりました。税効果会計適用後の法人税等負担額は569百万円(前年同期比25.3%増)、非支配株主に帰属する当期純利益は23百万円となり、その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,084百万円(前年同期比25.4%増)となりました。

 

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、事業運営上必要な流動性を常に確保し、高い財務健全性を担保することを基本方針としております。必要な運転資金については、手元資金及び事業により創出されるフリーキャッシュ・フローによることを基本としておりますが、成長領域への投資において追加的に資金が必要な場合に備え、金融機関からの借入による資金調達を実施しております。

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資資金、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。そのうち、運転資金としては、物販事業における商品ラインナップ拡充のための資金、店舗リース事業における投資資金などがあり、また設備投資資金としては新規出店や集客力アップのためのリニューアルなどの店舗投資、EC・基幹システムへの投資、物流関連への投資など、そのほかにM&Aのための資金などの需要があります。

資金の流動性や調達手段に関しましては、当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するとともに、成長を加速させることを目的としながらも、自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全性指標やROEを注視しながら、最適な選択を実施して参ります。

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,506百万円、有利子負債の残高は1,637百万円となっており、当面の手元流動性について問題はないと考えております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。