第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)企業理念

 

「人と地球がよろこぶ住まい」

当社グループでは“住まい”と“暮らし”にまつわる困りごとを一緒になって解決しながら、一生のパートナーとして住まい方の変化にも対応しつつ、人々の安全・安心と地球環境保全に努め、社会に貢献する会社を目指しております。その思いをこのフレーズに込めました。

 

経営理念(Vision)

私たちは、住まいづくりのプロとして、お客様のウォンツを満たし、「快適空間の創造」と「退屈しない人生の提案」により、顧客満足のさらなる向上を図る

 

 上記の経営理念を具現化するため、私たちは家を単なる“住むための器”ではなく、“住む方の人生を演じる舞台”ととらえ、あらゆるお客様の住生活の顕在化している要求(ニーズ)だけではなく、ウォンツに対しても“プロとして”の提案を行うと同時に、より高いレベルで、いつまでも満足していただけるよう事業展開を図っております。また、地球環境を守り、人々の住生活の安心・安全をお届けすることで、社会に貢献する会社でありたいと願っております。

 

経営指針(Mission)

「For the best life」~総合「住生活」提案企業

 

 お客様のライフサイクルやさまざまなライフステージにおける如何なる住まい方に対しても、“お客様だけのオンリーワン”のくらしを実現します。また一度顧客となったお客様に対し、当社の持つネットワーク、顧客管理システムにより“住生活の一生のパートナー”としての役割を果たしてゆきます。2010年には「NEXT・STAGE-2020」を発表し、お客様の「For the best life」を実現するために“ソフト・サービス”を含めた「くらし」を提案する企業への進化を加速してまいります。

 

事業コンセプト(Value)

「エコ&セーフティ」~環境・安全・安心~

 

 地球温暖化対策、少子高齢化という日本が直面する課題に対し、これまでの当社の取り組みを活かし、他社に先駆け、一歩先を行く取り組みを実施します。環境面(エコ)では、光熱費とCO2ゼロを実現し、安心・安全(セーフティ)では、創業以来培ってきたどこにも負けない構造の強さと耐久性を進化させます。更にこれらの技術を株主様との総合力で発展させてまいります。また住宅の高い品質を従来の“坪単価”ではなく“年単価”という発想でお客様に伝え、より良いものを長く、大切に使っていただくことで、価格メリットも高く、資産価値の高い住宅を創ってまいります。

 

行動規範

 

 サンヨーホームズグループは、「お客様満足の向上」を経営理念とし、「クリーン」「誠実」「顧客指向」に基づいた「行動規範」のもとオリジナルカルチャーを醸成し、人権の尊重、法令遵守の精神の徹底を図り、社会的倫理や良識に従い、より良い社会の構築と、誠実に社会責任を果たすことを目指して、積極的に行動します。

 

1.お客様の信頼

 安全で質の高い技術・サービスの提供により、お客様の信頼と満足を追求し、社会に貢献します。

 

2.法令遵守

 事業活動に関わる関係法令およびその精神を遵守し、誠実で健全に業務を遂行します。

 

3.人権の尊重

 社内外を問わず、すべての人の人権とプライバシーを尊重し、人権侵害を行いません。

 

4.公正な取引

 適正な評価基準により、厳正かつ自由な競争のもと公正な取引を行います。

 

5.安全で快適な職場作り

 相互信頼が図られた安全で健康的な職場環境の維持向上に努めます。

 

6.環境への配慮

 人と地球が喜ぶ住まいづくりを通して、地球環境の保全に、積極的に尽力し、持続的な発展が可能な社会の実現を目指します。

 

7.地域社会との共生

 地域住民の声に耳を傾け、密接なコミュニケーションを図り、より良い社会づくりに貢献します。

 

8.反社会的勢力の排除

 社会の秩序や安全を脅かす勢力や団体に対しては、毅然とした態度でこれを排除し、一切の関係を持ちません。

 

9.説明責任の履行

 適切な情報開示とクリーン・誠実・顧客指向を目指す企業経営により、全てのステークホルダーの理解と支持を得て、良好な関係を構築します。

 

サンヨーホームズグループでは、「経営の基本理念(Vision)」「経営指針(Mission)」「事業コンセプト(Value)」そして「行動規範」の4つを合わせて「企業理念」としております。

 

(2)対処すべき課題

次期の住宅業界は、外的要因として貿易摩擦問題や為替相場の影響等、内的要因としてマンションの在庫調整や相続税対策の一巡といった懸念材料はあるものの、企業業績や雇用・所得環境が引き続き改善する見込であり、政府による住宅取得支援策及び税制優遇措置の拡大、住宅ローンの低金利水準の継続、消費税増税の影響により、需要は堅調に推移するものと推測しております。

このような中、当社グループは、社会課題を企業の事業戦略と一体のものとして扱い、企業の持つスキルなどを提供しつつ、事業活動としての利益を得ながら、社会課題を解決し、企業と社会の双方が共通の価値を生み出していく「CSV(Creating Shared Value)経営」を目指します。また、政府が提唱する「Society5.0」の実現に向けて、AI・IoTを活用したスマートライフに対応するサービスの提供、ZEH標準対応商品の販売促進、保育園事業の拡大や地方創生への取り組み等により、お客様に「快適空間の創造」を提案することで、収益性の向上を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業等に関して、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境変化に関するリスク

 当社グループの事業は、事業に係る市場の動向のほか、原材料・資材価格、地価の変動、金利・住宅税制や消費税増税の動向、雇用状況等の影響を受ける事業であり、外部的要因の不確実性から当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)不動産、固定資産価値の下落に関するリスク

 当社は、四大都市圏において、マンション用地の取得、開発、販売等のマンション事業を行っており、国内の不動産市況が悪化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、時価及び賃貸価格の下落が生じた場合、当社が保有する不動産の取得価額を評価減する必要が生じる可能性があります。

 不動産のほか、当社グループが所有する固定資産についても、減損のリスクがあり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)原材料価格、資材価格の高騰に関するリスク

 当社グループにおいて、住宅を構成する主要部材である鉄鋼、木材等の急激な高騰等の局面では、原材料及び資材等の仕入価格が上昇し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)有利子負債残高に関するリスク

 当社グループは、マンション事業の積極的な展開により、不動産開発等におけるたな卸資産の増加に伴う資金需要に対して、金融機関からの借入金による資金調達を行った結果、当連結会計年度末の有利子負債残高(リース債務除く)は16,400百万円と総資産の34.1%を占めております。

 借入金による資金調達に当たっては、金利上昇リスクを勘案して短期・長期の借入金にて対応していますが、支払金利の上昇による資金調達コストの増加は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(5)土壌汚染に関するリスク

 土地の所有者等は、「土地汚染対策法」により、法令の規定によって特定有害物質による土壌汚染の状況の調査、報告及び汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。

 当社グループでは、事業用地の取得に当たり、予め履歴調査、汚染調査を実施しており、汚染が確認された場合には、当該用地の取得中止または専門業者による汚染の除去等を実施しております。しかし、上記の調査による土壌汚染の状況について、事前に全てを認識できないことや、土壌汚染が発見されても売主がその瑕疵担保責任を負担できないことがあります。そのため、取得した用地に土壌汚染が発見された場合、当初の事業スケジュールの変更や追加費用の発生、資産除去債務の追加計上等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6)業績の季節変動に関するリスク

 戸建請負は工事進行基準により、また分譲マンションは、顧客への引渡基準により売上を計上しております。完成引渡については、顧客の希望に対応して8~9月及び2~3月に引渡しすることが多いため、売上の計上時期が第2・第4四半期に集中する傾向があります。

  なお、平成29年3月期及び平成30年3月期の各四半期の当社連結業績は以下のとおりです。

(単位:千円)

 

 第21期連結会計年度

(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

 売上高

6,624,101

21,068,030

11,025,397

16,786,925

55,504,455

 営業利益又は営業損失(△)

△1,037,304

1,856,224

△204,723

903,560

1,517,757

 経常利益又は経常損失(△)

△1,041,070

1,904,695

△215,498

906,758

1,554,885

 親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

△704,360

1,304,063

△184,598

557,330

972,434

                                                                          (単位:千円)

 

 第22期連結会計年度

(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

 売上高

6,579,514

14,857,593

8,309,904

24,370,111

54,117,123

 営業利益又は営業損失(△)

△919,722

1,280,957

△581,417

2,115,091

1,894,908

 経常利益又は経常損失(△)

△924,135

1,252,093

△600,684

2,184,299

1,911,573

 親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

△649,801

865,469

△426,863

1,454,312

1,243,115

 

(7)品質保証等に関するリスク

 当社グループにおいて、住宅事業における品質管理は工業化住宅性能認定やISO9001認証に基づき万全を期していますが、想定されない瑕疵担保責任等が発生した場合には、多額の補修費用や当社グループの評価を大きく毀損することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8)自然災害等に関するリスク

 地震や台風等の大規模な自然災害が発生した場合、当社グループにおいて、被災した自社保有設備の修理に加え、建物の点検や応急措置等の初期活動や支援活動等により、多額の費用が発生し、また被災設備の復旧に相当の期間を要することで、生産活動に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)法的規制等に関するリスク

 当社グループは、主要な許認可として、建設業許可、宅地建物取引業者免許及び建築士事務所登録を受けて事業活動を行っているほか、環境・リサイクル関連の法規制や消費者生活用製品安全法改正に伴う製品事故情報の報告義務規制の適用を受けております。また、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の施行による保険または供託金の制度が課せられております。

 これらの規制を遵守するためにコーポレート・ガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化しておりますが、今後、これらの法令の改廃や新たな法的規制が設けられた場合、若しくは万一法令違反が生じた場合には、事業活動が制限され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の免許取消条項に抵触しておりません。

(許認可の状況)

許認可の名称

会社名

許認可番号/有効期間

規制法令

免許取消条項

建設業許可

 

サンヨーホームズ㈱

国土交通大臣許可(特-28)第19226号

平成33年8月5日(5年毎の更新)

建設業法

建設業法第29条に定められている条項に抵触した場合

 

サンヨーリフォーム㈱

国土交通大臣許可(特-28)第26529号

平成34年1月29日(5年毎の更新)

 

宅地建物取引業者免許

サンヨーホームズ㈱

国土交通大臣免許(4)第6105号

平成32年12月19日(5年毎の更新)

宅地建物取引業法

宅地建物取引業法第66条、第67条に定められている条項に抵触した場合

 

サンヨーリフォーム㈱

大阪府知事免許(1)第56900号

平成35年3月7日(5年毎の更新)

 

 

サンヨーホームズコミュニティ㈱

大阪府知事免許(1)第57517号

平成31年3月6日(5年毎の更新)

 

建築士事務所登録

サンヨーホームズ㈱

大阪府知事登録(ニ)第18657号他

平成32年9月19日(5年毎の更新)

建築士法

建築士法第26条に定められている条項に抵触した場合

 

サンヨーリフォーム㈱

大阪府知事登録(ハ)第20219号

平成35年5月20日(5年毎の更新)

 

 

サンヨーホームズコミュニティ㈱

大阪府知事登録(ロ)第23994号

平成34年5月24日(5年毎の更新)

 

マンション管理業者登録

サンヨーホームズコミュニティ㈱

国土交通大臣許可(2)第063480号

平成30年12月11日(5年毎の更新)

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

マンションの管理の適正化の推進に関する法律第33条に定められている条項に抵触した場合

 

(10)個人情報保護に関するリスク

 当社グループは、事業の特性上、大量の顧客情報等の個人情報を取り扱っており、個人情報保護には、全社的な対策を継続的に実施しておりますが、万一個人情報の漏洩等が発生した場合、信用を大きく毀損することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11)マンション事業の建築に関するリスク

 当社グループは、コンプライアンス体制の整備及びその運用等により訴訟及びクレーム等の発生の回避に努めており、現時点において業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。

 しかしながら、マンション分譲事業等において、当社グループが建築に際して近隣住民からのクレーム等に起因する訴訟、その他の請求が発生したことがあり、今後においても発生する可能性があり、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、企業業績の改善や堅調な雇用・所得情勢による底堅い個人消費を背景に、景気は回復基調で推移しております。

住宅業界においては、日銀の金融緩和政策の継続による住宅ローンの低金利維持、政府の所得拡大促進税制の改正等により住宅取得需要が下支えられたものの、平成29年度の新設住宅着工戸数は、前年度比持家3.3%減・貸家4.0%減・分譲住宅0.3%減となり、全体では946千戸と3年ぶりに前年度比2.8%の減少となりました。

このような中、当社は、「人と地球がよろこぶ住まい」をキャッチフレーズに、社会環境と経済情勢の変化に対応した事業ポートフォリオに基づいた経営戦略により、“住まい”と“暮らし”に関わるお客様のウォンツを満たす取り組みを推進しております。

当連結会計年度においては、平成29年11月に株式会社日立製作所と協創の第一ステップとして、当社の屋内移動支援ロボットと、日立製作所のIoT技術及び画像解析システムを活用した実証実験を開始し、平成30年1月には同社と「協創パートナーシップ」を締結し、今後、高齢者が介護に頼らない自立した暮らしの実現を支援してまいります。

当連結会計年度の受注状況につきましては、マンション事業における受注が好調に推移し、受注高は63,745百万円(前年同期比17.5%増)となり、この受注高の増加により、受注残高は31,397百万円(前年同期比44.2%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績については、売上高については、住宅事業の減収により54,117百万円(前年同期比 2.5%減)となりましたが、利益面では売上原価率及び販管費率の改善等により、営業利益は1,894百万円(前年同期比 24.8%増)、経常利益は1,911百万円(前年同期比22.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,243百万円(前年同期比 27.8%増)となりました。

 

(セグメント別の概況)

  事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

 

①住宅事業

戸建住宅におきましては、経営理念である「快適空間の創造」と「退屈しない人生の提案」に基づき、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)標準対応の一環として、電気自動車からの給電が可能な「V2H(Vehicle to Home)」を搭載した住宅の販売や新たな安全・安心ニーズへの対応として、天災等の際には防災用・通常時には多目的空間として利用できるシェルターを活用した暮らしの提案等の拡充を図りました。また、当社のZEH標準仕様の戸建住宅商品「life style KURASI’TE(2016年モデル)」が第三者機関からも高い評価を受け、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2017」において、鉄骨系住宅メーカー(※)で唯一「特別優秀賞」を受賞し「優秀企業賞」とともに2冠を達成いたしました。

賃貸・福祉住宅では、提案力と業務効率の向上のため、コミュニティ(ペット、楽器などの同じ趣味や子育て等の共通の価値観)をテーマとしたコンセプト型賃貸住宅の販売やRC造壁+軽量鉄骨の「ハイブリッド構造」の提案体制の構築等を行ないました。また、不動産投資による賃貸経営をご検討の方向けの投資型収益物件「サンインキューブ」の積極的な受注活動等も行なっております。

リフォーム事業では、4月にサンヨーリフォーム株式会社に当社グループのリフォーム部門を統合し、販売体制の強化に努めるとともに、スマートウェルネス住宅等補助金制度の利用を積極的に推進し受注拡大に努めました。

リニューアル流通(既存住宅流通)では、国土交通省による「安心R住宅」のラベリング制度や、宅地建物取引業法の一部改正が平成30年4月から行われる事を背景に、「住まいのドック」(当社のインスペクションシステム)を活用し、より一層の取扱件数増加のための強化を図ってまいります。

この結果、当連結会計年度の住宅事業の業績は、戸建住宅の売上高減少により、売上高22,534百万円(前年同期比11.4%減)、営業損失118百万円(前年同期比350百万円の悪化)となりました。

(※)一般社団法人プレハブ建築協会正会員

 

②マンション事業

マンション事業では、都心部に富裕層をターゲットとした「ザ・サンメゾン表参道」(東京都渋谷区・21戸)、「ザ・サンメゾン京都御所西」(京都市上京区・18戸)、「ザ・サンメゾン日本橋馬喰町」(東京都中央区・22戸)、郊外型ファミリーマンションでは「サンメゾン京田辺駅前ユニハイム」(京都府京田辺市・84戸)等が完売したほか、「サンメゾン緑地公園アベニュー」(大阪府吹田市・153戸)、「サンメゾン春日」(福岡県春日市・82戸)等が竣工いたしました。

また、当期における新規販売開始物件として、都心の富裕層向け「ザ・サンメゾン文京小石川」(東京都文京区・24戸)、郊外型ファミリーマンション「サンメゾン古城堀端公園」(熊本市中央区・58戸)等の販売を開始しております。このほか、賃貸マンションを買い取った後に耐震性・劣化状態調査およびリノベーションを実施し、安全・安心という価値を付加したリノベーションマンション「サンリーノ北浦和」(さいたま市浦和区・40戸)や「サンリーノ浦安」(千葉県浦安市・37戸)の販売にも取り組み、住宅ストックを活用したリノベーションマンション市場での流通戸数拡大と認知度向上を図りました。

なお、当連結会計年度のマンション事業における受注高は、都心大型リノベーション物件の受注や好調な販売活動を背景に37,295百万円(前年同期比34.6%増)、受注残高は、19,299百万円(前年同期比79.0%増)となり、大幅な増加となりました。

この結果、当連結会計年度のマンション事業の業績は、売上高28,777百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益2,293百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

 

③その他

エコ・エネルギー設備、鉄骨構造躯体等の販売や海外展開を担うフロンティア事業では、大型太陽光発電設備を販売したほか、ベトナムのホーチミン市内において、現地企業との合弁により開発中である分譲マンションの着工を開始いたしました。

マンション管理、介護・保育施設運営等を担うライフサポート事業では、特に「女性の活躍推進と働き方改革」をサポートし地域貢献を向上するべく、「サンフレンズ保育園」を運営しております。平成30年4月には新たに4施設を開園し計10園となりました。また、当社のグループ力を活かし、自社運営で培ったノウハウと賃貸・福祉住宅での建築工事請負実績により、建築から運営までを行なう企業主導型保育所の運営を開始しております。

これまで開発に取り組んできた「寄り添いロボット」については、第一号の受注・売上があり、今後も病院等の医療施設、介護・福祉施設、一般家庭へと導入を進める予定です。

地方創生の分野においては、平成30年3月に当社、岡山県備前市及び公立大学法人岡山県立大学との三者で、「健康と暮らしの向上のためのまちづくり産学官包括連携協定」を締結いたしました。これに基づき、当社は、これまでのノウハウや協力事業者も含めたオープンイノベーションを推進し、AI・IoT等の活用による健康と暮らしの向上を目的とした地方創生に取り組んでまいります。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,805百万円(前年同期比131.4%増)、営業利益642百万円(前年同期比832百万円の改善)となりました。

 

  (2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは7,671百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは236百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは7,366百万円の減少となり、前連結会計年度末に比べ68百万円増加し、当連結会計年度末には5,136百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは7,671百万円の増加(前年同期は604百万円の増加)となりました。その主な内訳は税金等調整前当期純利益1,874百万円、たな卸資産の減少3,195百万円、仕入債務の増加1,945百万円、前受金の増加1,541百万円、法人税等の支払額572百万円、未払消費税等の減少455百万円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは236百万円の減少(前年同期は456百万円の増加)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出179百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは7,366百万円の減少(前年同期は484百万円の減少)となりました。その主な内訳は、長短期借入金7,190百万円の返済(純額)、配当金の支払189百万円等であります。

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における実績状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

住宅事業

23,645,013

93.4

12,098,483

110.1

マンション事業

37,295,552

134.6

19,299,152

179.0

その他

2,805,031

231.4

合計

63,745,597

117.5

31,397,636

144.2

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.「その他」は売上高と同額を受注高としており、受注残高はありません。

 

 地域別受注高については、次のとおりであります。

                                         (単位:千円)

関東地方

中部地方

近畿地方

九州地方

合計

25,756,042

8,667,682

20,494,988

8,826,884

63,745,597

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

住宅事業

22,534,526

88.6

マンション事業

28,777,565

99.7

その他

2,805,031

231.4

合計

54,117,123

97.5

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 地域別販売高については、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

関東地方

中部地方

近畿地方

九州地方

合計

16,061,678

8,464,641

21,970,319

7,620,483

54,117,123

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度における売上高は、住宅事業の減収により、前連結会計年度と比較して1,387百万円減少の54,117百万円(前年同期比2.5%減)となりました。

 住宅事業における売上高は、戸建住宅の減少により、前連結会計年度と比較して2,886百万円減少の22,534百万円(前年同期比11.4%減)となりました。

 マンション事業における売上高は、前連結会計年度と比較して93百万円減少の28,777百万円(前年同期比0.3%減)となりました。

 

② 営業利益

 当連結会計年度における営業利益については、売上原価率及び販管費率の改善等により1,894百万円(前年同期比24.8%増)となりました。住宅事業における営業損失は118百万円(前年同期は営業利益232百万円)と前連結会計年度と比較して350百万円の減少、マンション事業における営業利益は2,293百万円(前年同期比6.6%減)と前連結会計年度と比較して161百万円減少しましたが、大型太陽光設備の販売等によりその他の営業利益は642百万円(前年同期は営業損失190百万円)と前連結会計年度と比較して832百万円の改善となりました。

 

③ 経常利益

 当連結会計年度における経常利益については、営業外収益については、違約金収入が前連結会計年度比71百万円の減少等により、前連結会計年度と比較し39百万円減少の205百万円(前年同期比16.1%減)となり、営業外費用については、前連結会計年度比19百万円の減少(前年同期比9.2%減)となりましたが、営業利益の増加により、前連結会計年度と比較し356百万円増加の1,911百万円(前年同期比22.9%増)となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失が37百万円と前連結会計年度比89百万円減少及び経常利益の増加により税金等調整前当期純利益は1,874百万円(前年同期比29.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,243百万円(前年同期比27.8%増)となりました。

 

(3)財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末の総資産額は48,056百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,619百万円の減少となりました。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等410百万円の増加、販売用不動産1,824百万円、不動産事業支出金1,310百万円の減少等によるものです。

 

② 負債

負債総額は31,113百万円となり、前連結会計年度末と比較し3,746百万円の減少となりました。主な要因は、支払手形・工事未払金等1,945百万円、前受金1,541百万円の増加、長短期借入金7,190百万円の減少等によるものです。

 

③ 純資産

純資産総額は16,943百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,126百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金1,053百万円、退職給付に係る調整額65百万円の増加等によるもので、この結果により自己資本比率は35.2%となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。

 

② 財務方針

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、マンション事業における開発土地及び建築資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当該事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループは、経営理念及び指針に基づき、当社住宅のブランド「KURASiTE」として、それぞれの顧客の暮らし方に応じて、より満足を得る舞台(生活を演じる)を提案することを基本としています。それぞれの家族構成で、どのようなライフスタイルを送りたいのかを把握することで、お客様の希望を反映した住まいを提案することが当社の使命であると考えます。お客様が持つお困り事を解決し、暮らし満足の向上と、地球環境に配慮した高性能・高品質・高付加価値な住宅の供給を目指しており、その実現のため、暮らし提案力・デザイン力・工業化技術力に基づく品質の向上及びコスト削減を目的に研究開発活動を行っております。

 事業コンセプトである「エコ&セーフティ」を主軸に置いた独自の技術開発をベースに、長寿命で環境性能に優れた住宅を供給することが重要であり、そのためには永きに渡り美しく快適で住む人に愛される建築物にすることが必要であると考えております。長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)(注1)を普及、促進させ、質の高い築古建築が価値を持つ日本となることを目標として、独自技術の研究開発に取り組んでおります。

 本年度につきましては、国策でもある平成32年までに新築戸建住宅の過半数をZEH化するという目標を背景に、ZEH基準である外皮平均熱貫流率(以下「Ua値」という)0.6(当社販売エリア)よりも高い性能値であるUa値0.5(モデルプラン)として平成28年度より市場導入しております。更に平成29年度は、ZEH提案に加え、太陽光発電した電気を電気自動車に蓄え、万が一の停電などの非常時には電気自動車の蓄電池より宅内に電力を供給する「V2Hで変わる暮らし」(注2)を市場導入しました。定置型蓄電池とは異なり、電気自動車は、普段は家族の足としての移動手段に使え、万が一の災害時の停電などには蓄電池として活用できる等、付加価値の高い提案となりました。これらの高スペックの仕様設定は、光熱費効果だけでなく家全体の温熱環境改善や、PM2.5・アレルゲン排除機能搭載、更に、不測の事態への配慮も含めた総合的な提案により、快適で健康的な暮らしを実現できる住まいを提供しています。その結果、一般財団法人日本地域開発センターが主催し、優れた省エネルギー住宅を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2017」において鉄骨系住宅メーカーで唯一「特別優秀賞」を受賞しました。本年度を含め、3年連続での受賞となり、これにより「優秀企業賞」を受賞することとなりました。

 更に、家族を守る基本性能である耐震性能や耐風性能、防火性能などの基本性能に加え、これまでの想定を超える天災や近隣諸国の脅威に対して、個人住宅においてもより高い安全・安心へのニーズが高まっています。当社はそのようなお客様のニーズへの対応として、様々な要求レベルや設置条件等に応じて対応できる防災用シェルターを市場導入しました。人生を楽しむための暮らし提案として、普段は地下空間を多目的な空間として利用し、有事の際は防災用シェルターとして利用できることから、家族を守る「安全・安心」だけでなく、限られた敷地を有効活用する付加価値の高い提案となります。

 また、多様化した住宅市場が潜在化してきていることに対応するために、顧客層に応じた「暮らしの提案」をビジュアル化する「life style KURASI'TE」を導入することで、顧客に住まいに対する「気づき」と「購買意欲」を高めるだけでなく、お客様満足を満たし、経営理念である「快適空間の創造」と「退屈しない人生の提案」の実現を図っております。

 研究開発の方針については、市場環境の変化や住生活へのニーズ・ウォンツの変化に対応すべく、適時見直しを行っております。研究体制としては、平成29年10月から経営戦略本部商品部として、商品の企画立案から部材設計・施工・品質、設計統括部門及び建築統括部門までの一気通貫体制とし、暮らし提案から始まり、着工、お引渡し、アフターサービスに至るまでのお客様対応を担当し、住宅の基本部位である柱・梁・床等の建築構造、基本性能についてはP&F本部開発部が担当することで、市場の変化に対応しやすい体制としています。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は102,426千円であり、主として住宅事業に関する研究開発活動でありますが、マンション事業に展開可能なものについては展開しており、セグメントに分類することができません。

 

 

 主要課題としては、以下のとおりであります。

1.エコロジー

 (1)創エネルギー

  ①太陽光発電と連動した蓄電池や太陽熱利用等、自然エネルギー自給住宅の開発

  ②設置コストを低減し経済性に優れた太陽光発電システムの開発

 (2)省エネルギー

  ①高断熱・高気密技術の導入によるZEH住宅の開発

  ②HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を用いた先進住宅の開発

 

2.セーフティ

 (1)安全

  ①30年後・60年後と強さが変わらない鉄骨軸組工法による高耐震、制震住宅の開発

  ②ライフサイクル変化に対応できる長寿命住宅の開発

 (2)安心

  ①快適な温熱環境、音環境、防犯など住まいの基礎技術の開発

  ②見守り・健康介護・ヘルスケアなどライフサポートの提案

 

3.くらし提案

  ①ライフスタイルの変化に応じた住まい方提案

  ・住まう方の主観的価値を訴求する暮らし方提案

  ・コミュニティ賃貸住宅の提案

  ②シニア市場への対応

  ・高齢者居住商品(福祉施設、サービス付高齢者向住宅)

  ・既存住宅へのリニューアル、点検、保証などセット提案による価値の提案

  ③健康住宅の提案

  ・バリアフリー、ユニバーサルデザインの研究

  ・PM2.5対策など室内空気質の改善提案

  ・アンチエイジング提案

  ・健康素材の研究

 

(注1)住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロ以下となる住宅

(注2)Vehicle to Homeの略称:電気自動車(EV)が蓄電池に蓄えた電力を家庭用電力として利用すること