第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「欲しかった暮らしを、しよう。」というスローガンに基づき、全国でマンション、戸建及びシニア向け住宅の企画・分譲事業を中心に事業を展開しております。

 住宅の企画・販売から入居後の管理・アフターサービスまで製・販・管一体の責任をもったサービスを行うことで、お客様との末永いお付き合いを実現し、全ての人の欲しかった暮らしを叶える企業グループであることを目指しております。

 今後につきましても、お客様の視点に立った考え方を徹底し、最高品質の住宅・サービスを提供し続けることで、お客様に信頼され、選んでいただける企業グループになるとともに、地域社会や日本の住環境の向上に貢献してまいる所存であります。

 

当社グループが掲げるコーポレートスローガンとコーポレートプロミス

 

「コーポレートスローガン」

欲しかった暮らしを、しよう。

 

「コーポレートプロミス」

お客様へ

ただひたすらお客様のことを見つめ、 お一人 お一人の個性を尊重し、そのお客様ごとのライフスタイルを共にデザイン致します。

 

私たちは

創業以来、郊外を中心に大規模・高品質なマンションをとことん価格にこだわって提供してまいりました。
新しい価値観に応え、「暮らしの質」をより豊かにしていく、お客様の「欲しかった暮らし」を共に創り出す企業でありたいと願います。

 

そして新たなステージへ

 住みやすさとは住んだ後の満足感。

 お住まいになった後もお客様と歩み続けます。

 「住まい」に関わるあらゆる分野でお客様のライフスタイルを提案し、共に成長し、貢献していきます。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

①経営環境の認識と中期経営計画

 足元の経営環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立がされる中で、新しい生活様式の浸透や住宅ニーズの多様化が進んだことにより、さまざまな居住ニーズに合った商品・サービスを提供する当社の強みが発揮できる状況の一方、建築資材価格の高騰懸念・金利上昇懸念なども強く、先行きは総じて不透明な状況にあります。

 このような環境のなか、当社は、創業以来の分譲マンションの強みを活かしながら、全ての事業を「住宅」をテーマに再構築し、安定的かつ持続的な成長の実現を基本戦略とした新たな中期経営計画(対象期間:2022年3月期~2026年3月期、以下「本計画」といいます。)を策定しています。本計画においては、前中期経営計画からの戦略キーワードである「地方」「シニア」「富裕層」を大方針として踏襲しつつ、以下の方針を掲げております。

 

 

分譲事業における安定供給/安定収益体制の確立

・地方及びシニア分譲マンションを核として全ての事業を「住宅」をテーマに再構築

・上記により安定的かつ持続的な成長を実現

・企業価値の源泉として徹底的に資本効率を向上

将来成長への挑戦

・不動産投資事業は、第2の柱として確立

・CCRC事業は、収益化が完了し第3の柱へ

・海外事業は、22/3月期より収益化し10年後の柱へ

 

事業戦略とESG戦略の融合

 

・事業を通じて社会課題解決に貢献

・継続的なガバナンス強化

・不確実性への対応/リスクマネジメント

全てのステークホルダーを意識した

企業価値の継続的向上

・財務基盤の継続的強化

・ROEの継続的向上

・株主還元の強化

 

 本計画においては、最終年度(2026年3月期)の利益計画を、連結経常利益100億円(経常利益率10%以上)、親会社株主に帰属する当期純利益65億円を達成することを目標とするほか、資本・財務方針としてROE15%以上、D/Eレシオ2.0倍程度維持、を掲げております。なお、過度な規模拡大は追わない方針のもと、最終年度(2026年3月期)の連結売上高は920億円程度を計画しております。

 

 

21年3月期

(実績)

22年3月期

(実績)

23年3月期

24年3月期

25年3月期

26年3月期

連結経常利益

46.1億円

56.9億円

65億円

75億円

85億円

100億円

親会社株主に帰属する

当期純利益

28.7億円

30.6億円

42億円

48億円

55億円

65億円

D/Eレシオ

2.3倍

1.9倍

2.0倍水準

ROE

8.1%

10.2%

10%以上

15%以上

※D/Eレシオ = 有利子負債 ÷ 純資産

※ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 期中(平均)自己資本 × 100

 

 本計画初年度の2022年3月期は、主力事業である不動産開発事業及びCCRC事業を中心に利益率の向上が進捗し、連結経常利益56.9億円(前期比23.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30.6億円(前期比6.6%増)を計上しており、本計画の利益目標に対し順調なスタートを切っております。

 

②中長期的な事業方針及びESGへの取り組み

■ESG基本方針とESGテーマ/グループ目標・方針

 当社グループは、ESGを意識した事業活動と地域・社会奉仕活動を通じて、社会課題の解決及び持続可能な社会の実現に貢献します。そして、これからもお客様や社会に選ばれる存在であり続けることで、永続的な企業価値の向上を目指します。また、新たな価値創造と社会貢献に向けたESG活動の推進体系として、3つの重点テーマ(「豊かなライフスタイル」「地域共創」「環境」)と2つの基本テーマ(「ウェルネス」「ガバナンス」)を設定し、事業戦略とESG戦略の一体推進を図ります。

 当社が掲げるESGテーマと、目標・方針は下記表のとおりです。

0102010_001.png

 

 上記グループ目標・方針のうち、「環境」についてはより具体的な目標を下記表のとおり設定しています。

0102010_002.png

 

■気候変動に関する当社グループの方針

昨今、気候変動が一因と考えられる異常気象が世界各地で発生し、人々の経済・社会活動に多大な影響を与えており、気候変動への対応は喫緊の課題となっています。そうしたなか、パリ協定を契機に、脱炭素化を企業経営に取り込む動きが世界的に加速しており、私たち民間セクターには積極的な気候変動対策を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献することが求められています。

当社グループは、中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)において、事業戦略とESG戦略の融合を掲げ、ESG経営を推進しています。今後は、パリ協定で示された2℃目標の達成に貢献すべく、気候変動対策をより一層加速させていきます。また、気候関連の財務情報開示の重要性を認識し、TCFDが推奨する情報開示の拡充に取り組んでいきます。

情報開示の内容については、当社ホームページをご参照下さい。

https://www.hoosiers.co.jp/csr/

■ESG推進体制

 当社は、持続可能な社会の実現に向けてグループ全体のESG経営を推進すべく、2021年4月にサステナビリティ推進室を新設しました。そして、2021年12月には、サステナビリティ委員会(委員長:会長執行役員、委員:執行役員、グループ子会社の社長等)を新設しました。

 サステナビリティ委員会は、気候変動への対応を含む、グループ全体におけるサステナビリティ戦略に関する基本方針・基本計画の決定や、社内推進体制の構築及び整備、サステナビリティ推進活動に係る進捗状況のレビューやリスク事案の管理等を行います。また、本委員会は、定期的にその活動内容を取締役会へ報告し、取締役会はその報告を通じてサステナビリティに関する各種施策の状況把握やリスク事案の監督を行い、必要に応じて経営陣に対する助言を行う体制を構築しています。

 

 さらに、当社は、委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会を設置し、監査等委員である取締役に取締役会における議決権を付与することで、取締役会の業務執行者に対する監督機能の強化、及び実効的な監査体制の確保を図るとともに、経営陣の迅速な業務執行体制の構築とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、2022年6月24日開催の第9期定時株主総会における定款変更議案の承認を頂き、今般、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。新たな役員体制では、取締役会の過半数を社外取締役で構成し、女性取締役を選任することにより、ダイバーシティを含むガバナンスの強化を実現します。

 

 これらの当社グループにおけるESGへの取り組みは、当社ホームページ及びサステナビリティレポートに詳細を記載しています。

 https://www.hoosiers.co.jp/csr/

 https://www.hoosiers.co.jp/files/csr/sustainability_report_2021.pdf

 

 当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「欲しかった暮らしを、しよう。」を念頭に、変化する事業環境、お客さまのニーズに機動的な対応が出来る組織体制の構築が重要であるという課題認識のもと、コーポレート・ガバナンスに関する諸施策を講じ、各事業の専門性を高め、より質の高い商品をお客様に提供することで企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

リスク項目

リスク説明

リスク対策

有利子負債への依存について

 当社グループの主力事業である不動産開発事業に係る事業用地取得費及び建築費、投資用不動産の取得資金等は、主に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産額に占める有利子負債の割合が高く、当社グループの経営成績及び財政状態は金利変動により影響を受ける可能性があります。

 日頃から金融機関と緊密な連絡を図り、金利動向や融資姿勢等を理解し迅速に対応するように努めております。

 また、D/Eレシオ等による総有利子負債及び現預金残高管理に基づき、機動的な資金確保、金融機関並びにその調達方法の多様化、借入返済期日の分散化、金融費用の削減等に努めております。

法的規制について

 当社グループの属する不動産業界は、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、国土利用計画法等により、法的規制を受けております。当社グループ各社は、事業に必要な「宅地建物取引業法」に基づく宅地建物取引業者の免許や「マンション管理適正化推進法」に基づくマンション管理業者の登録を受けており、法的規制を受けております。今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 関連法令の改廃情報及び監督官庁からの発信文書の内容をコンプライアンス・リスク管理委員会にて共有、協議し、課題等の早期把握や対応に努めております。また、法令順守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、順守すべき倫理規範等を「フージャースグループ行動指針」として制定し、当社グループにおける行動指針の順守並びに法令違反等の問題発生の予防に努めております。

経済情勢の変動について

 当社グループの主力事業である不動産開発事業は、購入者の需要動向に左右される傾向があります。購入者の需要動向は景気・金利・地価等の動向や住宅税制等に影響を受けやすく、所得見通しの悪化、金利の上昇等があった場合には、購入者の住宅購入意欲の減退につながり、販売期間の長期化や完成在庫の増大など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、事業遂行上必要な販売用不動産及び事業用不動産、投資用不動産等を保有しております。このため、不動産市況の動向その他の要因により不動産価格が下落した場合には、評価損や売却損が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、テロや戦争などによる世界情勢、経済情勢の変化は、事業用地の購入代金の上昇や建築資材の高騰要因となり、これらが悪化した場合には、当社グループの事業利益が圧迫され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともに、エリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット観の醸成、投資判断力の強化等により、リスクの低減に努めております。

カントリーリスクについて

 当社グループは、日本国内にとどまらず、海外事業も展開しております。為替リスクや対象国の政治・経済・社会情勢の変化、制度や慣習の違いにより、予期せぬ事象が発生する可能性があります。海外で事業を展開するにあたっては、合理的な範囲でリスクを検証しておりますが、予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの事業や業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 事業を展開している東南アジア、北米の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国法規制の情報を日々収集し、必要な対応を行っています。特に各国の不動産関連規制や各種関連規制の変更が当社グループに及ぼす影響に注視しております。

 

 

リスク項目

リスク説明

リスク対策

個人情報について

 当社グループは、各事業において、多くの個人情報を取扱っております。個人情報の取扱い及び管理については、個人情報保護規程を定め十分留意しておりますが、不測の事態によりこれが漏洩した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、個人情報保護規程を定め、従業員へ周知徹底しております。また、ソフトウエアや機器でのセキュリティ対策、社員教育や訓練を実施し、リスクが顕在化しないよう努めております。万が一情報漏えいが発生した場合には、その適切な対応を行うことは勿論のこと、原因解析や影響範囲の調査を行い、適切に再発防止策を講じることができるよう体制を整備しております。

訴訟等の発生について

 当社グループが設計、販売、管理をしているマンション等において、瑕疵などが生じ、損害賠償等による費用が発生した場合や、マンション管理事業やスポーツクラブ運営事業等に関し、訴訟その他の法的手続等の対象となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、瑕疵などによって当社グループの信用が失墜した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整備しております。

人材の確保について

 当社グループが中長期的な成長を続けていくには、優秀な人材の活躍が不可欠と考えております。しかしながら、計画通りに人材を確保できない、優秀な人材が社外に流出してしまう、人材育成が進まない等の事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、新卒だけでなく、専門性を持った中途の採用を推進しております。また、多様な働き方の提供、育成プロセスの強化、グローバル人材の確保、適性を重視した配置など社員のモチベーションを高める諸施策により、社員の定着・育成に注力しております。加えて、組織力の向上を図るべく社員意識調査を行い、評価制度・教育体系の整備を進めるなど、働きやすい環境づくりに努めております。

引渡しの遅れについて

 主力である不動産開発事業においては、顧客へのマンション引渡時に売上を計上しております。マンションの引渡は例年3月に集中することが多く、第4四半期における売上高が他四半期と比べ、高くなる傾向があります。従いまして、引渡の時期が当初予定していた時期より遅延した場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 引渡時期の平準化を図り、売上計上時期が第4四半期に極力集中しないよう努めております。また、グループ経営会議で、スケジュール等を確認し、当初計画通りに事業を遂行できるよう努めております。

資産について

 当社グループは、販売用不動産、投資用不動産等を多額に保有しております。経済情勢や不動産市況の悪化等により、当初計画どおりに販売が進まない場合、在庫として滞留する可能性があり、有利子負債の増加や、期末時点の正味売却価額が簿価または取得価額を下回って、評価損を計上する恐れがあります。また、賃貸用不動産、M&Aによって生じたのれんなど有形・無形問わず様々な資産を多額に保有しています。これらの資産が当初見込んでいた収益を生まず減損損失を認識した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 営業活動においては、過去の実績や経験等を活かして、人材配置や注力物件を検討し、在庫圧縮に努めております。また、不動産の仕入時においては、各地域での需要予測、近隣地域環境、お客様のニーズ等の分析を慎重に行い、物件を精査しております。M&Aを行う際は、事前に十分なデューデリジェンスを行い、対象企業を精査しております。投資実行後も四半期決算毎に業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認しております。

 

 

リスク項目

リスク説明

リスク対策

天災、感染症について

 地震、津波、洪水、落雷、噴火、戦争、テロなどの天災、人災によって、当社グループが保有する不動産が減失、劣化又は毀損した場合、その価値が影響を受ける可能性があります。また、感染病などの蔓延で社会的混乱が生じた場合、通常の業務遂行が困難になる可能性があります。

 

 不動産開発にあたって、各自治体が発行する災害予測であるハザードマップを確認し対策を講じることで、できる限り、不動産の価値下落が生じないように取り組んでおります。また、災害発生時には、従業員の安否を確認する仕組みとして、安否確認システムを導入し、また、過去の災害などにおける危機の経験を活かし、BCP(事業継続計画)を作成すること等で、災害時でも事業継続できる体制を整備しております。

気候変動について

 パリ協定をはじめとして、全世界で温室効果ガス排出量の削減に取り組む中、気候変動によるリスクは、当社グループの事業への影響を及ぼす可能性があります。炭素税などの税制、法規制の厳格化等の政策動向の変化、環境対応に遅れた企業に対する需要低下やレピュテーション悪化、異常気象の激甚化による建物被害や工事期間の延長によるコスト増などが実現した場合は、事業及び財政に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 ESG要素の1つである「気候変動」を重要な経営課題の一つと認識し、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に準拠したシナリオ分析の実施と情報開示について取り組んでまいります。また、気候変動による環境問題の深刻化という社会的課題に対する取組みは、当社グループの成長に繋がる機会とも捉えております。このため、これらの課題解決に適合する不動産の開発及び利活用にも注力してまいります。

 

リスク項目

リスク説明

リスク対策

新型コロナウイルスについて

 当社グループにおいて大規模な集団感染が発生した場合、通常の事業活動を継続することが困難になる可能性があります。また、新たな変異株の発生および感染拡大に伴い、国内の景気が大きく低迷した場合、消費者マインドが著しく低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、お客さまや従業員、お取引様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様の健康に配慮し、企業として積極的に感染拡大防止策を講じております。営業面では、室内換気やアルコール消毒の徹底など、十分な感染防止策を講じたうえで営業活動を行い、新型コロナウイルスの影響を極小化する体制を整備しております。また、労務管理面では、従業員が在宅勤務や時差出勤など柔軟な対応ができる環境や、感染者の情報共有体制を整備しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン接種が進展し、感染拡大防止と社会経済活動の両立がされる中で、景気が持ち直す動きも見られましたが、年始からの変異株の拡大に加え、原材料価格上昇や不安定な世界情勢も相まって、依然として不安定な状況が続きました。

 不動産業界におきましては、前期に引き続き、新しい生活様式の浸透や住宅ニーズの多様化が進んだこと等により、特に当社が主力とする地方中核都市における分譲マンション市場は堅調に推移しましたが、建築資材価格の高騰懸念・金利上昇懸念など、今後の事業環境は不透明な状況にあります。

 当社グループはこのような環境の下、主力事業である不動産開発事業及びCCRC事業を中心に利益率の向上が進捗し、2021年5月13日に公表した中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)に対し、順調なスタートを切っております。また、2022年3月25日付『「フージャースプライベートリート投資法人」運用開始に関するお知らせ』にて公表のとおり、住宅を中心に投資する私募リートの組成が完了し、不動産投資事業における出口戦略の多様化、収益力の向上に取り組んでいます。さらに、ホテル運営事業、スポーツクラブ運営事業及びPFI事業など、不動産事業と親和性のある周辺事業にも取り組み、人々の暮らしへの新たな付加価値の提供に注力しています。

 当連結会計年度におきまして、契約戸数は1,379戸17棟、引渡戸数は1,395戸18棟、当連結会計年度末の管理戸数は19,636戸となっております。その結果、当連結会計年度における業績として、売上高79,542百万円(前期比0.8%減)、営業利益6,694百万円(前期比23.2%増)、経常利益5,692百万円(前期比23.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,068百万円(前期比6.6%増)を計上いたしました。

 

 

 セグメントごとの業績を示しますと、次のとおりであります。

 

・不動産開発事業

 不動産開発事業の業績は、売上高36,436百万円(前期比34.1%減)、営業利益2,686百万円(前期比42.5%減)を計上いたしました。

 当社グループにおける中核事業である不動産開発事業では、主に地方創生の取組として地方中心市街地の分譲マンションの販売に注力し、堅調に推移いたしました。

 また、棚卸資産の減少により、在庫保有コストを圧縮し、利益率の改善を図りました。

 今後も多様化する顧客の居住ニーズと不動産市場の需給バランスを的確にとらえた商品開発に注力し、利益体質の強化と安定的成長の実現に向けて取り組んでまいります。

 

・CCRC事業

 CCRC事業の業績は、売上高20,539百万円(前期比79.1%増)、営業利益2,510百万円(前期比614.0%増)を計上いたしました。

 シニア向け分譲マンションの販売では、「所有権型・シニア専用」をテーマに超高齢社会の進展に伴う市場の拡大を見据えて事業を推進し、運営事業では、蓄積された運営ノウハウを活かし規模の拡大に注力しました。

 その結果、販売戸数・運営戸数ともに大幅に増加いたしました。

 

・不動産投資事業

 不動産投資事業の業績は、売上高16,143百万円(前期比117.9%増)、営業利益1,052百万円(前期比161.4%増)を計上いたしました。

 不動産投資事業では、需要が堅調なコンセプト型賃貸住宅の高収益での売却、私募リート組入対象物件の売却により、増収増益を実現いたしました。

 

・不動産関連サービス事業

 不動産関連サービス事業の業績は、売上高6,353百万円(前期比6.6%増)、営業利益259百万円(前期は営業損失71百万円)を計上いたしました。

 マンション管理事業は、コロナ禍の影響は限定的で、管理戸数が17,771戸と順調に増加し、安定収益を確保しております。

 マンション管理の豊富な実績と不動産開発事業等との事業間連携により、今後も成長を図ってまいります。

 スポーツクラブ・ホテル事業においては、コロナ禍において減少していた会員数・宿泊者数が回復の兆しを見せており、増収となりました。

 今後も、お客様と従業員の安全に十分に配慮した上での営業活動、徹底したローコストオペレーションを継続し、収益改善に取り組んでまいります。

 

・その他事業

 その他事業の業績は、売上高68百万円(前期比4.6%減)、営業利益20百万円(前期比150.9%増)を計上いたしました。

 PFI事業は、開発・維持管理・運営・マネジメントなど、グループ各事業と連携を図り、現在5案件において事業を展開しております。

 

生産、受注及び販売の実績

(1) 売上実績

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

前期比

(%)

セグメントの名称

売上高

(百万円)

売上高

(百万円)

(Ⅰ)不動産開発事業

 

 

 

① 不動産売上高

55,085

36,313

65.9

② その他収入

229

123

53.5

不動産開発事業合計

55,315

36,436

65.9

(Ⅱ)CCRC事業

 

 

 

① 不動産売上高

10,722

19,349

180.5

② その他収入

744

1,190

160.0

CCRC事業合計

11,466

20,539

179.1

(Ⅲ)不動産投資事業

 

 

 

① 不動産売上高

4,441

12,780

287.7

② 賃貸収入

2,437

2,708

111.1

③ その他収入

530

653

123.4

不動産投資事業合計

7,409

16,143

217.9

(Ⅳ)不動産関連サービス事業

 

 

 

① マンション管理収入

1,802

1,917

106.4

② スポーツクラブ運営収入

3,286

3,495

106.3

③ その他収入

870

941

108.2

不動産関連サービス事業合計

5,959

6,353

106.6

(Ⅴ)その他事業

72

68

95.4

合計

80,222

79,542

99.2

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 販売実績

区分

前連結会計年度

(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

期初契約数

期中契約数

期中引渡数

期末契約残

取扱高

取扱高

取扱高

取扱高

 

(前期比)

(前期比)

(前期比)

不動産

開発事業

719戸

-区画

-棟

1,180戸

7区画

-棟

1,397戸

7区画

-棟

502戸

-区画

-棟

26,430

百万円

48,515

百万円

55,085

百万円

19,860

百万円

 

 

(94.0

%)

(119.0

%)

(75.1

%)

CCRC事業

238戸

-区画

-棟

249戸

-区画

-棟

268戸

-区画

-棟

219戸

-区画

-棟

9,383

百万円

9,877

百万円

10,722

百万円

8,538

百万円

 

 

(80.8

%)

(124.2

%)

(91.0

%)

不動産

投資事業

2戸

-区画

-棟

28戸

-区画

13棟

29戸

-区画

10棟

1戸

-区画

3棟

82

百万円

6,203

百万円

4,441

百万円

1,844

百万円

 

 

(33.1

%)

(23.7

%)

(-

%)

合計

959戸

-区画

-棟

1,457戸

7区画

13棟

1,694戸

7区画

10棟

722戸

-区画

3棟

35,896

百万円

64,596

百万円

70,249

百万円

30,243

百万円

 

 

(78.3

%)

(95.4

%)

(84.3

%)

 

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

期初契約数

期中契約数

期中引渡数

期末契約残

取扱高

取扱高

取扱高

取扱高

 

(前期比)

(前期比)

(前期比)

不動産

開発事業

502戸

-区画

-棟

1,040戸

-区画

-棟

902戸

-区画

-棟

639戸

-区画

-棟

19,860

百万円

41,948

百万円

36,313

百万円

25,494

百万円

 

 

(86.5

%)

(65.9

%)

(128.4

%)

CCRC事業

219戸

-区画

-棟

331戸

-区画

-棟

484戸

-区画

-棟

66戸

-区画

-棟

8,538

百万円

13,844

百万円

19,349

百万円

3,034

百万円

 

 

(140.2

%)

(180.5

%)

(35.5

%)

不動産

投資事業

1戸

-区画

3棟

8戸

-区画

17棟

9戸

-区画

18棟

-戸

-区画

2棟

1,844

百万円

11,600

百万円

12,780

百万円

664

百万円

 

 

(187.0

%)

(287.7

%)

(36.0

%)

合計

722戸

-区画

3棟

1,379戸

-区画

17棟

1,395戸

-区画

18棟

705戸

-区画

2棟

30,243

百万円

67,393

百万円

68,443

百万円

29,193

百万円

 

 

(104.3

%)

(97.4

%)

(96.5

%)

(注) 取扱高は、マンション及び戸建住宅等の税抜販売価格の総額であり、共同事業物件におきましては、出資割合を乗じたのち小数点以下の端数を切り捨てた戸数及び取扱高を記載しております。

 

(2)財政状態の状況

 当連結会計年度におきまして、コロナ禍においても分譲マンション・戸建住宅の販売が堅調に推移し棚卸資産が減少したこと及び借入金残高が減少したこと等により、資産合計が127,905百万円(前連結会計年度末比6.0%減)、負債合計が88,945百万円(前連結会計年度末比10.8%減)、純資産合計が38,960百万円(前連結会計年度末比7.1%増)となりました。自己資本比率は24.4%、D/Eレシオは1.9倍となっております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におきまして、借入金の返済による支出等が増加したものの、棚卸資産の減少により収入が増加したこと等により、現金及び現金同等物が6,219百万円増加し、その残高が30,143百万円となりました。なお、開発用として資金使途に制約のある預金等1,892百万円を含め、現金及び預金残高は32,035百万円となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動において増加した資金は、20,259百万円(前年同期は、10,722百万円の増加)となりました。これは主として、主力事業である分譲マンション・戸建住宅の販売が堅調であり、棚卸資産が減少したこと等によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動において減少した資金は、4,172百万円(前年同期は、3,058百万円の減少)となりました。これは主として、有形及び無形固定資産の取得による支出及びその他の関係会社有価証券の取得による支出等によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動において減少した資金は、9,896百万円(前年同期は、15,077百万円の減少)となりました。これは主として、借入金の返済による支出等によるものであります。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、採用している重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 なお、連結決算日における資産・負債の報告数値、当該連結会計年度における収益・費用に影響を与える見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項 追加情報」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況の分析については、「3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの事業活動における資金需要は、主に各事業における事業用地取得、建築費支払の一部及び投資用不動産の取得に関するものであります。

 これらの所要資金は、自己資金に加え、金融機関からの借入及び社債の発行等により、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は73,740百万円、現金及び現金同等物の残高は30,143百万円となり、よってネット有利子負債は43,597百万円となりました。

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2022年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりです。

 売上高は計画比、3,542百万円増(4.7%増)、営業利益は994百万円増(17.5%増)、経常利益は692百万円増(13.9%増)となりました。これは主に、主力事業である分譲マンション及び分譲戸建事業における、販売が順調に推移したことに加え、売上原価、販売費及び一般管理費を抑制したためです。また、時価が下落した収益不動産の減損処理等により、特別損失を553百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は31百万円減(1.0%減)となりました。

 

指標

2022年3月期

(計画)

2022年3月期

(実績)

2022年3月期

(計画比)

売上高

76,000百万円

79,542百万円

+3,542百万円

(+4.7%)

営業利益

5,700百万円

6,694百万円

+994百万円

(+17.5%)

経常利益

5,000百万円

5,692百万円

+692百万円

(+13.9%)

親会社株主に帰属する当期純利益

3,100百万円

3,068百万円

△31百万円

(△1.0%)

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。