新型コロナウイルスの感染の世界的な拡大による各国の経済活動の停滞や外出自粛による個人消費の動向等、その影響の予測が難しいリスクが存在し、先行きの不透明感は増しております。
このような状況のなか、当社グループは、「100年続く会社であるために、当社グループの活動を通じて人々の生活を豊かにし、世界で一番愛される会社となること」を当社グループの将来あるべき姿であると定めたうえで、その実現の重要なステップとして、2019年5月9日に公表しました中期経営計画(2020年3月期から2024年3月期まで)の実現に努めてまいります。
そのために当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。
(1)安定的な商品配送網の構築
人員不足等を背景とする主要配送業者による商品の配送数量等の各種制限や運賃値上げの要請圧力は依然として止まない状態にあります。当社グループの収益基盤が損なわれることなくお客様に対する安定的な配送を実現するため、主要配送業者との協業関係を維持しつつ、商品の提供方法の効率化や地域別に独自の配送網を構築することを推進してまいります。
(2)マーケットシェアの拡大と収益性の向上
中核事業である宅配水事業においては宅配水サービスの保有契約件数を順調に積み上げておりますが、今後も継続的にこの保有契約件数を積み上げることとお客様一人当たりの収益を向上させることが当社グループの安定的かつ持続的な成長のために必要不可欠であると考えております。これに対応するべく、主に以下の点に取り組んでまいります。
ア.パートナー企業の開拓、販売手法及び販売チャネルの多様化、営業人員の増強を通じた当社グループの潜在的なお客様へのアプローチの機会等の拡大
イ.お客様対応の質の向上や、強力な営業を支える従業員や取次店(パートナー)に対する営業活動時のコンプライアンスをはじめとする各種教育を徹底することを起点とした当社グループとお客様との間のサービス契約の維持(解約抑止)
ウ.「お客様の身の回りの生活を豊かにする」ことをコンセプトに宅配水サービスの提供を起点にした生活関連消費財をはじめとする多様性のある商品・サービスの提供とその内容の充実化
なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、宅配水サービスの主要な販売手法であるセールスプロモーション(催事会場における営業活動)においては、催事会場の営業自粛や在宅要請に伴う来訪客の減少等の影響が予想されますが、他方で、上記(ⅰ)で言及するとおり、テレマーケティング営業など在宅中のお客様層向けのセールスプロモーション以外の多様な営業手法の実施に引き続き注力することで保有契約件数の増加に努めてまいります。また、在宅時間等の増加などお客様のライフスタイルに大きな変化の兆しがあることを活かして、生活インフラの一部として更なる普及を図るための宣伝活動やお客様による宅配水サービスの継続率や宅配水の消費量の向上等に繋がる各種キャンペーンを実施してまいります。
(3)システム基盤の刷新
今後予想される保有契約件数の増加ペースに対応しつつ効率的に業務を運営するためには、当社グループの顧客管理システムなどの基幹システムの大幅な刷新が必要となります。中期的な視点のもとで計画的に基幹システムをはじめとする各種システムの刷新を図ることで当社グループの業務運営の更なる効率化を目指してまいります。
(4)人材基盤の強化
当社グループの持続的な成長のためには、優秀な従業員の確保と確固たる人事制度のもとでの教育・指導等を通じた従業員の育成を推進することが必要不可欠であると考えております。従業員の確保に向けて定期的な新卒採用と業務分野ごとに能力ある人材の中途採用を実施するとともに、当社グループの統一的な人事制度のもとでの各種研修等を通じた従業員への経営理念等の浸透と技術・能力等の拡充に努めてまいります。
(5)内部管理体制等の充実
各種研修等を通じたコンプライアンス遵守の意識の更なる浸透、個人情報の管理をはじめとする各種分野におけるリスクマネジメントの徹底、リスク管理部門の強化をはじめとする当社グループのビジョンの実現に向けた方針の策定とその実践に努めることにより、当社グループの持続的な成長を可能とする各種内部管理体制の強化・拡充に取り組んでまいります。
以下において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業展開その他に関して、リスク要因となる可能性のある主な事項について記載しております。
(1)水源に関するリスク(自社水源)
① 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーターの生産拠点は、富士吉田市のほか、朝来市、長野県大町市、島根県浜田市、熊本県阿蘇郡南阿蘇村があります。富士吉田工場の毀損や水源の枯渇、天災等により工場の操業が長期にわたり停止した場合であっても、代替拠点にて生産・出荷する等の措置が可能となりました。しかしながら、富士吉田工場は当社グループの重要な生産拠点として位置付けていることから、このような事態が発生した場合には当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーターの品質につきましては、飲用水における水質の評価基準の一例として、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の含有量(水道水の上限で10mg/ℓ)について、当社グループ提供のナチュラルミネラルウォーターの場合0.08mg/ℓと極めて良質な状態を維持しており、また、保健所の指示に基づき定期的な水質検査を実施し、水質の維持管理にも努めております。
営業許可については、自社工場である富士吉田工場及び朝来工場での生産活動において必要不可欠であり、現時点では許可の取消や営業停止事由(食品衛生法第55条・第56条)に該当するような事実は存在しておりません。しかしながら、両工場が同法55条に定める禁止条件や規定に違反しているとみなされた場合、同法第56条に定める基準に違反しているとみなされた場合、食品衛生管理者が不在となった場合、天災・人災等の影響によりその水質が食品衛生法に適合しないほど大幅に変化した場合には営業許可の取消しや一定期間の営業停止処分を受けることがあり、その場合には当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、営業許可の概要は次のとおりであります。
③ 当社グループの水源については、株式会社地球科学研究所によって60年以上前に富士山に降雨した水が浸透し、濾過されて地下水となって採取されていると推定されており、過去60年間において富士山の降水状況は安定的であることから、地下水の水量についても安定的に推移するものと当社グループは想定しておりますが、地層等の大幅な変化などによって水脈の流れに大幅な変化が発生した場合、水脈が枯渇し水の採取が不可能となる可能性があります。
④ 当社グループの所有・使用している井戸のうち富士吉田市内にあるものについては、富士吉田市の定める富士吉田市地下水保全条例第3条及び同条例附則第2項に基づき、富士吉田市より井戸設置許可を受け1日966tの揚水が許可されております。現時点では許可の取消事由(同条例第13条)に該当するような事実は存在しておりません。しかしながら、富士吉田市に井戸が許可の基準(同条例第4条)に適合していないとみなされ、かつ、是正勧告に従わない等の重大な不法行為が発生した場合、取水許可が取り消され生産活動ができなくなるため、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、井戸設置許可の概要は次のとおりであります。
(注)1.2010年9月に、富士吉田市との間で地下水採取量を966t/日に変更した協定を締結しております。
2.4号井戸については2020年2月に売却しております。
(2)工場に関するリスク(自社工場)
① 当社グループの富士吉田工場は、FSSC22000に基づく運用を行い、品質管理等を厳正に行う体制を整えており、また工場設備につきましてもスペアパーツの保有等損傷発生時に対する対策も行っておりますが、工場又は井戸が罹災することで重大な被害が発生した場合、操業の停止を余儀なくされ、当社グループの生産体制に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループの富士吉田工場では、厳密な品質管理の下、ナチュラルミネラルウォーターを製品として生産・出荷しております。現在は2本の生産ラインが稼働しており月間約115万本の生産が可能でありますが、2ラインとも何等かの不具合が発生した場合や天災等の事由により長期間電力供給が途絶した場合には、操業停止を余儀なくされ、当社グループの生産体制や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社グループの富士吉田工場の揚水装置及び製造ラインは全て電力によって稼動しており、現状安定した電力供給を受けておりますが、天災等の事由により長期間電力供給が途絶した場合、操業の停止を余儀なくされ、当社グループの生産体制に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社グループの富士吉田工場では、水の充填までの工程において外気に接触することなく、充填工程はクラス1000相当(FED-STD-209 米国連邦規格で制定されたクリーンルームの清浄度の単位)のクリーンルームで人の手を介することなく行われており、送水パイプにつきましても毎日の操業前に洗浄が行われております。また、水の殺菌工程のフィルターにつきましても定期的に交換を行っておりますが、殺菌工程のフィルター4基が同時に機能不全に陥るなどの重大な事故が発生した場合、水に異物が混入する等の事象が発生し操業に影響が出る可能性があります。
(3)OEM供給元に関するリスク
当社グループの主力製品のうち富士吉田市、長野県大町市、島根県浜田市、熊本県阿蘇郡南阿蘇村を主水源とした製品は、OEM契約に基づきナチュラルミネラルウォーターのOEM供給を受けております。OEM供給元とはOEM契約を締結するにあたり、当社グループの基準と同レベルの水質検査や生産体制の確認、企業調査等を実施し、現在も良好な取引関係を築いておりますが、OEM供給元の水質や工場設備等に重大な問題が発生した場合、業績不振や予期せぬ契約の打切りが行われた場合には、生産体制や当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品に関するリスク
① 当社グループの製品は、1日に10数回に及ぶ自主的な検査と定期的な放射線物質の検査を実施しており、厳格な品質管理を行っておりますが、生産途中あるいは輸送中における毒物混入や放射能被ばくなどが発生した場合、当社グループの製品に重大な瑕疵が発生する可能性があります。
② 当社グループの製品ボトルは、一般的に安全性が高いとされるPETボトルを使用しておりますが、将来の研究においてその有害性が検証された場合、当社グループの製品ボトルの素材変更が必要となるため、当社グループ製品の製造に重大な影響が発生する可能性があります。
③ 当社グループは、定期配送による販売を行っております。当社グループは味と鮮度にこだわったナチュラルミネラルウォーターを販売するために製品の劣化を最小限に止める、という経営方針により、製品の出庫期限は原則1ヶ月以内とし、それに合わせた生産体制をとっております。しかしながら、何らかの要因で工場の生産に支障が生じ製品在庫がなくなった時には、定期配送を行うことができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製造コストが上昇した場合のリスク
当社グループが提供する製品は、安心・安全な天然水でありますが、これは水質がよく、水量の豊富な水源に依存しております。従って、天災や災害などにより、水質が飲用に適さなくなった場合、あるいは一定の水量が確保できなくなった場合には、中長期にわたって製品供給が不可能になることや、代替水源は確保しているものの新たな水源の確保や工場の建設、設備投資が必要になり、製造コストが大きく上昇する可能性があります。
また、当社グループの製品は、特殊な構造・機能をもったボトルにボトリングして販売しておりますが、当該ボトルの原材料である石油価格の高騰により、原価高の要因となる可能性があります。当社グループが今後これらの不測の事態や市場環境の変化に対応できず、コスト増を生産の合理化や販売価格への転嫁で補えなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)ウォーターサーバーに関するリスク
① 当社グループのウォーターサーバーは電気用品安全法に基づくPSE検査及び食品衛生法にも適合した商品であり、また、製造にあたっても厳格な検査を行っておりますが、製造工程に重大な欠陥があった場合や将来の法改正によって不適合となった場合、リコールが発生し、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループのウォーターサーバーのうち主要なものは、現在海外3社のメーカーに製造を委託しております。なんらかの事由によりメーカーとの契約が解除された場合や、天災や不慮の事故等によりウォーターサーバー製造工場の操業が困難になった場合、代替するメーカーの選定を行う間、ウォーターサーバーの納入が受けられなくなる可能性があります。
③ 当社グループのウォーターサーバーの決済は、中国製のものは米ドル建、韓国製のものはウォン建で行っております。将来の為替レートが大幅に円安となった場合、当社グループのウォーターサーバー購入代金が上昇し当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(7)物流に関するリスク
① 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーター及び商品であるウォーターサーバーにつきましては、宅配事業者に委託して当社グループ顧客宅に配送しておりますが、宅配業者の同時操業停止の事象により配送ができなくなった場合、代替する事業者を選定するまでの間当社グループの製品・商品の配送が困難になる可能性があります。
② 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーター及び商品であるウォーターサーバーの配送ルートが、天災や不慮の事故等により長期に渡り不通となった場合、再開・正常化するまでの間、当社グループの製品・商品の配送が困難になる可能性があります。
③ 当社グループの商品であるウォーターサーバーのうち主要なものは海外にて製造しており、天災や国内の騒乱、戦争等の事象により輸送ができなくなった場合、顧客に対しウォーターサーバーの納入ができなくなる可能性があります。
④ 物流コストの上昇傾向が続く中で、生産の合理化や販売価格への転嫁で補えなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、配送料金の値上げによる物流コストの上昇を販売価格へ転嫁した場合、解約率の悪化を招き、保有契約件数が減少する可能性があります。
(8)水の販売に関するリスク
① 当社グループでは、顧客基盤の拡大・維持を図るため、徹底的なマーケティングを行い、顧客ニーズのリアルタイムな把握及びアフターサービスの充実、商品ラインナップの多様化など競合他社との差別化に取組んでおります。従来からの主たる販売手法であるデモンストレーション販売に加えてテレマーケティングや法人営業も新たな営業手法として取り入れておりますが、事業計画通りに新規顧客獲得が進まない、また、既存顧客の解約率が事業計画以上に高く推移した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループによるデモンストレーション販売において、販売会場提供元である取引先とは良好な取引関係を保ち、販売スタッフや営業代行会社への研修においてもルール・マナーの遵守を徹底しておりますが、競合他社による独占的な会場占有や販売スタッフのルール・マナー違反が恒常的に行われる等の事由により、デモンストレーション会場の提供が受けられなくなった場合、販売の機会が減少するため当社グループの業績及び財政状態に影響が発生する可能性があります。
③ 当社グループは、顧客の勧誘に際して、特定商取引に関する法律の適用を受けております。当社グループでは、デモンストレーション販売や訪問販売等による契約の勧誘においては、事実を誤認させるような行為や押し売りにより困惑させるような行為を一切禁止しております。また、契約に際しては書面交付を義務付け、その内容の説明を適切に行うとともに、顧客本人が十分納得していただいた場合のみ契約を締結しております。
当社グループでは、販売に関する一連のルール・手続きを定め、社員・営業代行会社に対して、定期的にコンプライアンス研修を開催し、ルールの徹底を図っております。さらに、代理店等に対しても、本法の趣旨を十分理解させるとともに、定期的に指導しております。
このように、当社グループでは、本法に抵触するような事実が発生しないように万全の体制を構築しておりますが、万一本法に抵触する、又はそのように誤認される行為があった場合には、行政機関による指導や業務停止命令の対象となる可能性があります。また、将来において、本法が改正又は新たな法令等が制定され、当社グループが適切に対応できない場合には、事業の業務遂行に支障をきたす可能性があります。従って、このような状況が起こった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 多くの宅配水製造・販売事業者の業務運営において重大な法令違反や犯罪行為が行われる等業界全体に対する世論の不信感が発生した場合、当社グループの販売に対する風評被害が発生し当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)ITへの依存に関するリスク
① 当社グループは当社業務に合わせて開発された基幹販売管理システムを使用し、受注・出荷・請求・在庫管理を一括して行っておりますが、システム改修等の際の不具合の発生やシステムダウンなどが発生した場合、当社グループの業務遂行に重大な影響が発生する可能性があります。
② 当社グループのシステムはインターネット・データセンターに格納されており、その安全性は検証済でありますが、天災のほかサイバーテロ等の事由によりデータセンターが機能不全に陥った場合、あるいはインターネット自体に問題が生じ通信に重大な影響が発生した場合、当社グループの業務遂行に重大な影響が発生する可能性があります。
(10)親会社との関係に関するリスク
株式会社光通信(東証第一部 証券コード9435)グループは、当連結会計年度末日において、当社の発行済株式総数の74.4%(間接保有分を含む)を保有している親会社であり、当社は株式会社光通信を中核とする企業グループ(以下「光通信グループ」といいます)に属しております。
当社グループは、光通信グループの中において宅配水の製造・販売という異色の事業を行っており、独立した経営体制をとっておりますが、将来光通信グループの経営方針に変更が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。
(11)個人情報保護に関するリスク
当社グループは、当社グループの直接販売顧客のみならず、代理店やOEM先の顧客についてもその住所、氏名等の個人情報を保有しております。当社グループは当社グループの規程に基づき、その情報管理は徹底しておりますが、顧客情報の紛失、サイバー攻撃等不測の事態が発生し、保険適用額を超えたコストが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響が発生する可能性があります。
(12)知的財産所有権に関するリスク
当社グループはPETボトルに関する特許(特許第5253085号)及びウォーターサーバーに関する特許(特許第4681083号等)を取得しており、当社グループのPETボトル及びウォーターサーバーは外気の入りにくい構造を構築しておりますが、これらの特許が侵害された場合やさらに優れた発明がなされた場合、当社グループの差別化要因の一部が損なわれることになり、顧客獲得に関して影響を及ぼす可能性があります。
また、ウォーターサーバー等の開発に際し、当社グループはあらかじめ他社の知的財産所有権侵害の可能性の有無を調査しておりますが、商品化・販売開始以降に侵害が発覚した場合には、商品販売中止のほか、損害賠償請求訴訟が提起され損害賠償金の支払いが生じる可能性もあり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。
(13)自然災害、事故等に関するリスク
当社グループの主要な事業拠点は、富士吉田工場、西桂工場、ロジスティクス及びお客様サービスセンターの所在する山梨県と本社所在地である東京都であります。当該地区において大地震、台風、大雪、噴火等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
(14)有利子負債に関するリスク
当社グループの有利子負債残高(リース債務を含む)は、2020年3月期末において26,230百万円であり、有利子負債依存度は61.8%となっております。そのため金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により借換えが困難になった場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。財務制限条項に抵触した場合、貸付人の請求があれば期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金が必要になり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(15)感染症の流行に関するリスク
当社グループが事業展開を行う地域において、新型ウイルス等の感染症が大流行し、当社グループの事業活動に支障が出る場合、また、人的被害が拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況は以下のとおりであります。
① 財政状況及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が堅調に推移し、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費の持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続きました。その一方で、米中貿易摩擦の長期化や海外経済の減速に加え、2020年1月以降の新型コロナウィルスの感染拡大の影響による投資の先送りや企業活動の自粛などが世界経済全体に大きな影響を与え、国内景気においてもマイナス成長に転じる懸念が強まっております。
当社グループの中核事業である宅配水事業の分野においては、飲料水に対する「安心」・「安全」・「安定供給」を求める消費者意識の高まりを背景に、宅配水の認知度は着実に上昇し、宅配水市場は緩やかに成長しております。しかしながら、宅配水事業を含むウォータービジネス全体での競争は活発に行われており、また、人手不足を背景とした人件費や物流費の上昇傾向が依然として継続するなど、当社グループを取り巻く経営環境は予断を許さない状況にあります。
このような状況のなか、当社グループは、2019年5月9日に公表しました中期経営計画(2020年3月期から2024年3月期まで)のもと、宅配水事業においては、お客様が宅配水の定期配送サービスを長期にわたって継続的に利用していただくことで安定的な収益基盤の構築に繋がることから、新規契約の獲得に向けて販売チャネルの多様化や経営資源の投下を推し進める一方、各種付帯サービスの提供率の向上、お客様満足度のためのキャンペーンの実施等の各種施策を通じて1契約当たりの継続率及び収益性の向上に努めてまいりました。
また、物流費、販売促進費等の増加が当社グループの利益の押下げ要因となっているものの、各工場設備の稼働率の向上による製造原価の低減、物流費の安定化につながる物流網の構築の推進やカスタマー部門による運営の効率化をはじめとする商品の製造及び出荷からお客様対応までの宅配水サービス事業上の主要な業務運営に関わる各種費用の削減に努めてまいりました。
その結果、当社グループの重要経営指標のなかの一つである宅配水サービスに係る当連結会計年度末の保有契約件数は1,002,466件(※)となり、当該事業の収益基盤はより強固なものとなりました。
また、当連結会計年度における連結業績につきましては、売上収益は45,453百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益は1,859百万円(前年同期比128.4%増)、税引前利益は1,472百万円(前年同期比244.0%増)となる一方で、当社グループの連結子会社の業績回復及び今後の業績動向等を勘案して回収可能性のある部分について繰延税金資産を計上したことに伴い、法人所得税費用(△は益)を△393百万円計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,866百万円(前年同期は312百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
(※)当社グループにおきましては、株主及び投資家の皆様に対して、積極的な先行投資中の当社グループの成長の推移を迅速にお伝えする指標として、当社グループの重要業績評価指標の中から、当社グループの主力事業である宅配水事業の保有契約件数等を選択して公表してまいりました。しかしながら、現在に至るまで顧客基盤の拡充が順調に進み、保有契約件数から得られる利益が獲得コスト等を十分かつ持続的に上回る体制にまで成長することができたこと、また、当社グループの保有契約の内訳等が多様的になり、保有契約件数等のみでは利益面等の当社グループ収益に与える影響が読み取れず、かえって、皆様の投資判断において誤解を招くおそれがあると判断しました。そのため、保有契約件数等の公表は、当連結会計年度末の数値の公表をもって終了させていただくことにいたしました。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
また、財政状態については以下のとおりとなります。
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ10,606百万円増加し、42,454百万円となりました。
(資産)
流動資産は18,097百万円(前連結会計年度末比5,609百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、現金及び現金同等物の増加3,503百万円、営業債権及びその他の債権の増加922百万円であります。非流動資産は24,357百万円(前連結会計年度末比4,997百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、有形固定資産の増加1,317百万円、繰延税金資産の増加1,459百万円及び新規契約の獲得に向けた各種営業費用の増加に伴う契約コストの増加1,429百万円であります。
(負債)
流動負債は18,891百万円(前連結会計年度末比5,754百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、営業債務及びその他の債務の増加1,925百万円及び有利子負債の増加2,897百万円であります。非流動負債は16,871百万円(前連結会計年度末比70百万円の増加)となりました。主な増減要因としては、有利子負債の減少95百万円があった一方で、引当金の増加99百万円があったことであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は6,691百万円(前連結会計年度末比4,781百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、親会社の所有者に帰属する当期純利益1,866百万円の計上及びA種優先株式の内容変更に伴う資本金及び資本準備金の増加各1,400百万円であります。
(A種優先株式の取扱いに関する補足説明)
当社が2017年9月27日付で発行いたしましたA種優先株式につきましては、日本基準のもとでは純資産(IFRSのもとでは資本に相当)に分類されておりましたが、IFRSのもとでは金融負債(有利子負債)に分類されることになります。そのため、IFRSを適用して組み替えた前連結会計年度末ではA種優先株式の券面額2,800百万円が負債として計上されることとなります。しかしながら、2019年6月26日開催の第13期定時株主総会の決議及び会社法第325条が準用する同第319条第1項に基づくA種優先株主総会のみなし決議により、A種優先株式の内容を変更したことに伴い、第1四半期連結会計期間末においてA種優先株式の券面額2,800百万円を負債から資本に振り替えたため、前連結会計年度末との比較に際して負債及び資本の2項目で大幅な増減が生じております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は10,238百万円と前連結会計年度末(6,734百万円)に比べ3,503百万円増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、6,659百万円と前連結会計年度(4,781百万円)に比べ1,877百万円の増加となりました。その主な要因は、契約コスト1,429百万円による資金の流出、営業債権及びその他の債権の増加935百万円等があった一方で、税引前当期利益1,472百万円の計上、資金の支出を伴わない減価償却費及び償却費6,148百万円による資金の増加、営業債務及びその他の債務の増加2,653百万円等があったことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、1,334百万円と前連結会計年度(1,195百万円)に比べ139百万円の増加となりました。その主な要因は、ウォーターサーバーの取得数の増加及び工場関連設備の投資実施に伴い、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出1,259百万円が発生したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、1,831百万円と前連結会計年度(1,907百万円)に比べ75百万円の減少となりました。その主な要因は、返済に伴う長期有利子負債の支出8,695百万円があった一方で、金融機関等からの調達による短期有利子負債の収入2,000百万円及び長期有利子負債の収入4,800百万円があったことです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
(金額:千円)
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当社グループは、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(金額:千円)
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、経営統合を起点とするグループ会社の再編を経て実現した営業体制の強化と効率化を背景に、主要事業となる宅配水事業においては、お客様が宅配水の定期配送サービスを長期にわたって継続的に利用していただくことで安定的な収益基盤の構築に繋がることから、新規契約の獲得に向けて引き続き経営資源を投下する一方、お客様に対する提供価額の見直し、各種付帯サービスの提供率の向上、お客様満足度のためのキャンペーンの実施等の各種施策を通じて1契約当たりの継続率及び収益性の向上に努めてまいりました。その結果、当社グループの重要経営指標のなかの一つである宅配水サービスに係る当連結会計年度末の保有契約件数は1,002,466件となり、当該事業の収益基盤はより強固なものとなりました。
また、売上収益は45,453百万円、売上総利益は37,974百万円となりました。物流費や販売促進費等が依然として当社グループの利益の押下げ要因となっておりますが、販売費及び一般管理費については36,137百万円となったため、売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を吸収し、営業利益は1,859百万円を確保いたしました。
他方、収益基盤の拡大に向けた資金調達額の増加に伴う支払利息の増加等により税引前利益は1,472百万円となりましたが、当社グループの連結子会社の業績回復及び今後の業績動向等を勘案して回収可能性のある部分について繰延税金資産を計上したことに伴い、法人所得税費用(△は益)を△393百万円計上した結果、繰延税金資産の追加計上により法人税等調整額(益)が増加したため、親会社の所有者に帰属する当期利益1,866百万円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による当期の業績への影響は軽微であると判断しております。
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(連結範囲の変更)
寧波普瑞咪雅水業有限公司は新規設立に伴い、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
(持分法の適用に関する事項)
前連結会計年度において持分法適用関連会社であった株式会社Bestライフソリューションについては、保有株式を売却したことにより、株式会社Patchについては、当社の保有する同社株式が議決権を有しない種類株式のみとなったため、また、Premium Water Million Club株式会社は清算手続きが完了したため、持分法の適用範囲から除外しております。
(会計方針の変更)
「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」(実務対応報告第36号2018年1月12日。以下「実務対応報告第36号」という。)等を2018年4月1日以後適用し、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引については、「ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号2005年12月27日)等に準拠した会計処理を行うことといたしました。ただし、実務対応報告第36号の適用については、実務対応報告第36号第10項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、実務対応報告第36号の適用日より前に従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与した取引については、従来採用していた会計処理を継続しております。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(連結範囲の変更)
前連結会計年度において連結子会社であった深圳日商沃徳管理諮詢有限公司は、2019年5月で清算結了となったため、連結の範囲から除外しております。また、株式取得によりアンドウォーター株式会社を子会社化したため、連結の範囲に含めております。
(持分法の適用に関する事項)
前連結会計年度において持分法適用関連会社であった株式会社SPScorporationについては、保有株式を売却したことに伴い、持分法の適用範囲から除外しております。
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2018年3月30日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2018年3月30日)が2018年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方針を適用し、当事業年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんど全ての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。
なお、当該会計基準の適用が連結財務諸表に及ぼす影響は軽微です。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「35.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたってのれんを規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却をせず、減損テストを実施しております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が29,073千円減少しております。
当社グループの研究開発は、より安心で安全な水を顧客に提供するために、当社独自の設計であるウォーターサーバーについて、新技術の開発や既存技術の改良に鋭意取り組んでおります。また、宅配水ボトルの内製化によるコスト削減のために、PET容器について、製造技術の開発や資材品質の改良に力を入れており、研究開発体制としては、連結子会社プレミアムウォーター株式会社の生産・開発本部における技術部及び品質保証部において推進されております。
当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は