第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの事業を取り巻く環境は、資源価格及び原材料価格の高騰の慢性化、米国による関税政策等の影響を受け、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

このような事業環境のなか、当社グループとしましては、中核事業であるウォーターサーバー事業の分野での更なる成長及び拡大に向けて引き続き経営資源を投下し、日本国内におけるウォーターサーバーの認知度及び普及率をより一層向上させ、多くのお客様に当社グループの宅配水サービスの認知度及び普及率をより一層向上させ、多くのお客様に当社グループのサービスをご利用いただけることで、日本国内の価値のある高品質な天然水を広めてまいります。

そのために、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)マーケットシェアの拡大と収益性の向上

 中核事業であるウォーターサーバー事業においては保有契約件数の純増を維持すること及びお客様一人当たりの収益を向上させることが当社グループの安定的かつ持続的な成長のために必要不可欠であると考えております。これに対応するべく、主に以下の点に取り組んでまいります。

① 営業人員の増強や販売手法及び販売チャネルの多様化及び強化、当社グループのサービスの取扱企業の拡大をはじめとする外部企業に対するアライアンスの推進を通じた、ウォーターサーバー事業におけるサービスの潜在的な需要の掘り起こし

② お客様の需要に応じたウォーターサーバー等やプランの拡充に加え、多様性のある商品・サービスの提供、宅配水サービスの継続率や宅配水の消費量の向上等に繋がる各種キャンペーンを通じたお客様の満足度及びお客様一人当たりの収益性の向上

③ お客様に対する営業部門及びカスタマー部門の対応品質の更なる向上、お客様の需要に応じた代替商品・サービスの提供等による当社グループのお客様の離脱(解約)抑止

(2)製造・調達コスト等の低減化

 ウォーターサーバーの調達、宅配水の製造並びにこれらの配送の安定化と各種費用の増加抑止は、当社グループの収益基盤を確保するうえで必要不可欠となります。社会的情勢の変化等に対応しつつ、取引先の多様化に加え、原材料の使用量の削減をはじめとする宅配水の製造体制等の効率化や商品の効率的な配送網の構築等を図ることを目指しております。

(3)人材基盤の強化

 当社グループの持続的な成長のためには、優秀な従業員の確保とグループ内の統一的な人事制度のもとでの教育・指導等を通じた従業員の育成を推進することが必要不可欠であると考えております。従業員の確保に向けて定期的な新卒採用と業務分野ごとに能力ある人材の中途採用を実施するとともに、当社グループの各種研修等を通じた従業員への経営理念等の浸透と技術・能力等の拡充に努めてまいります。

(4)顧客管理システム及び情報管理体制の強化

 今後予想される保有契約件数の増加ペースに対応しつつ効率的に業務を運営するため、当社グループの顧客管理システムをはじめとする基幹システムの改修等を進めてまいります。また、お客様の情報は重要な資産であるとの認識のもと、お客様の情報の毀損や漏えいを防止するためにセキュリティーの強化及び情報管理体制の強化を図ってまいります。

(5)内部管理体制等の充実

 当社グループの持続的な成長のためには、今後の事業戦略の展開とともに、多様化するビジネスリスクに対応できる強固な内部管理体制が必要となります。コーポレート・ガバナンス体制をさらに充実させるとともに、内部統制システムに基づき、特に各種研修等を通じたコンプライアンス意識の醸成と更なる浸透、リスク管理部門による活動を通じた適正な業務運営を引き続き実施してまいります。

 

(6)ESG経営の強化

 当社グループでは、昨今のグローバルな社会的課題の解決に向けた動向及び価値観の変容に留意しつつ、企業価値の向上と持続可能な社会の実現のため、カーボンニュートラルへの貢献やプラスチック資源循環型モデルの実現、労働環境の更なる改善等に取り組んでまいります。環境保全と利益創出の同時実現をビジョンの一つと捉え、天然水という日本の資源を継続的に守ってこれを育むための取組みを行い、水資源を使用する者の責任として特にSDGs(持続可能な開発目標)の達成やESG(環境・社会・ガバナンス)に留意した経営の実践に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは「水を守り、人を育むこと」を掲げ、サステナビリティを企業の成長と価値創造の重要な要素と考えております。環境、地域・社会、ガバナンス、社員の四つの側面をバランス良く考慮し、さまざまな社会課題を解決するため、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)を定め、長期的な持続可能性を追求する経営を展開しております。また、ステークホルダーとの信頼関係を築きながら、社会的な課題への積極的な取組みを通じて、持続可能な社会の構築に貢献していくことを目指しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

プレミアムウォーターホールディングスグループのマテリアリティ

 

<環境を守り育むことで自然を豊かに>

・カーボンニュートラル工場を軸とした脱炭素社会の実現を目指します。

・適切な涵養活動により水資源の保全に取り組んでまいります。

・プラスチックの適正処理を推進するため、ペットボトルの正しい分別を啓蒙いたします。

・容器・資材のサステナブル資材含有率の向上、製品の完全循環型モデルを目指します。

・採水地での森林保全活動を推進してまいります。

・再生可能エネルギーの導入やCO2をはじめとする温室効果ガスの排出量の削減に努めます。

 

<地域と共生し人々の暮らしを豊かに>

・当社グループの水源がある地域を中心に、環境保全を含めた地域課題に取組み、地方創生を推進いたします。

・自治体との災害協定締結によって災害時の飲料水の提供を実現いたします。

・災害時における飲料水供給や義援金寄付、被災地支援品の寄贈を通じて、復興支援活動に努めます。

・子ども食堂へのお米、天然水の寄付を通じて、日本の貧困問題解決のサポートを推進いたします。

・水の価値を伝える教育や子どもたちへの出張授業を通じて、水資源の大切さを伝えてまいります。

・福祉施設へ天然水やウォーターサーバーの提供を行い、支援してまいります。

 

<公正で透明かつ潤いのある組織を>

・公正で透明かつ潤いのある組織を目指し、ガバナンスの徹底をいたします。

・コンプライアンス経営の徹底、リスクマネジメントの強化、監査体制の充実を推進いたします。

 

<多様性を尊重し働きがいのある環境で社員の人生を豊かに>

・ダイバーシティ&インクルージョンの推進による多様な人材の活躍の場を創造いたします。

・社員一人ひとりが公私ともに充実感をもち、企業として働きがいを感じる環境づくりをいたします。

・健康経営の実現のため、心身ともにいきいきと働ける職場環境を提供いたします。

 

 

 

≪ガバナンス≫

当社グループは、企業価値の継続的向上を目的に、経営の透明性と健全性の確保及び環境の変化に迅速・適切に対応できる経営機能の強化がコーポレート・ガバナンスの重要な目的であると考えています。今後も適切なコーポレート・ガバナンス体制の強化に努め、経営における意思決定及び業務執行の効率化・透明性を向上させることを基本方針に、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上に努めています。

 

[サステナビリティ委員会の設置]

サステナビリティ委員会は、経営管理本部を管掌する執行役員を委員長とし、サステナビリティに関する議論を集約し体系的に取り組んでいく役割を担います。同委員会においてサステナビリティに関する方針の策定をはじめ、取組み状況のモニタリングや進捗の管理、評価等を行い、その結果を取締役会に報告・提言し、取締役会がこれを監督します。

 

 

≪戦略≫

当社グループのサステナビリティ戦略は、経済的な成長と環境・社会的な貢献を両立させることを目指しています。また、持続可能な未来を目指して4つのテーマを定め、重点的に取り組んでまいります。

 

重点取組みテーマ

取組み内容

環境

環境を守り育むことで自然を豊かに

水資源の保全

プラスチック資源循環型モデルの実現

CO2削減によるカーボンニュートラルへの貢献

地域・社会

地域と共生し人々の暮らしを豊かに

地域コミュニティの発展

地域環境の保全

地域経済圏の構築

ガバナンス

公正で透明かつ潤いのある組織を

企業統治の実効性・透明性の向上に向けた法令等の遵守

適時適切な情報開示等を通じたコーポレート・ガバナンスの強化

社員

多様性を尊重し働きがいのある環境で社員の人生を豊かに

ダイバーシティ&インクルージョンの推進による多様な人材の活躍の場を創造

社員の働きがいの向上

心身ともにいきいきと働ける職場環境の実現

 

 

<人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略>

当社グループは、自社の活動を通じて人々の生活を豊かにしていきたいと考えています。お客様や地域・自治体の皆様はもちろんのこと、従業員が活躍できるよう多様性と向き合います。また従業員の心と体の健康づくりにも取り組んでいきます。

① 心と体の健康づくりを促進し、維持できる環境をつくる

② 多様性を尊重・包摂し、一人ひとりが活躍できる環境をつくる

③ 従業員一人ひとりが公私ともに充実感をもち、企業として働きがいを感じる環境をつくる

 

<取組み事例>

ⅰ.教育制度の整備

当社グループでは、個人の成長を促す目的で全社員が学べる教育環境を提供しています。受講推奨カリキュラムを明確にすることで評価される知識やスキルを明示し、階層別に必要な知識を高めながら、仕事の質の向上に取り組んでいます。

 

ⅱ.キャリアステップ

社員のモチベーション向上と組織の活性化を図ることを目的として、半年に一度キャリア面談によるキャリアアップの機会を設けています。また、若手社員が経営幹部主体の営業会議やマネジメント研修等に参加することができる制度も設けております。

 

 

ⅲ.人的資本経営プロジェクト

当社グループでは上記方針・戦略に則り、「人的資本経営プロジェクト」を発足し、社員の働き方の検討を定期的に実施しています。
 

目的

企業の持続的な価値向上を図る

目標

既存従業員の労働環境の改善及び人材確保のための企業価値向上

実績
(2025年3月期までに反映された取決め事項の一部)

[労務規定に関するもの]
 ・出勤時間の選択制を導入
 ・育児時短勤務期間を、「小学校入学まで」から「中学校入学まで」へ延長
 
[採用に関するもの]
 ・本店所在地である山梨県内での知名度の向上施策による、現地採用の促進
 ・新卒採用者を対象とした、奨学金の代理返済制度施行
 
[その他]
 ・評価制度の見直し
  当社グループでは統一の人事評価制度であったが、グループ各社ごとの実情や

  規定に合わせて再評価を実施。
 ・職場つみたて NISA の導入

 

 

≪リスク管理≫

当社グループは、ガバナンス体制のもと、リスク低減と事業機会創出を確実に行うため、リスク管理を強化しております。リスク管理においては、リスクの重要性をリスク管理委員会で定期的にモニタリングしています。その中でも経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクに関しては経営幹部会で識別・評価を行い、リスク管理委員会で進捗を管理しております。各部門やグループ会社で管理可能なリスクについては、各組織が中心となって対応ができる危機管理体制の強化と整備を行っております。

 

≪指標及び目標≫

当社グループはサステナビリティの推進のため、CO2排出量(scope1,2及びscope3)、製品におけるプラスチック使用量を重要な指標としております。具体的な取組み等につきましては2024年9月に公表しました「プレミアムウォーターホールディングス サステナビリティレポート2024」をご参照ください。

https://premiumwater-hd.co.jp/sdgs/img/report/ssr2024.pdf

 

<人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、

 指標及び目標>

当社グループは、人材の育成と社内環境整備の評価の指標として、研究カリキュラムへの参加者数やダイバーシティ&インクルージョン指標(女性管理職比率等)を使用しています。

また、2030年までに管理職に占める女性労働者の割合を30%にすることを目標としつつ、人材の育成と社内環境整備に必要な検討を進めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)水源に関するリスク(自社水源)

① 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーターの生産拠点は、山梨県富士吉田市のほか、岐阜県本巣郡北方町、兵庫県朝来市、静岡県富士市、長野県大町市、奈良県吉野郡吉野町、島根県浜田市、熊本県阿蘇郡南阿蘇村があります。富士吉田工場の毀損や水源の枯渇、天災等により工場の操業が長期にわたり停止した場合であっても、代替拠点にて生産・出荷する等の措置が可能です。しかしながら、富士吉田工場は当社グループの重要な生産拠点として位置付けていることから、このような事態が発生した場合には当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーターの品質につきましては、飲用水における水質の評価基準の一例として、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の含有量(水道水の上限で10mg/ℓ)について、当社グループ富士吉田工場においては0.08mg/ℓと極めて良質な状態を維持しており、また、保健所の指示や自主的な判断に基づいた定期的な水質検査を実施し、水質の維持管理にも努めております。
 営業許可については、自社工場である富士吉田工場及び朝来工場、岐阜北方工場での生産活動において必要不可欠であり、現時点では許可の取消や営業停止事由(食品衛生法第55条・第56条)に該当するような事実は存在しておりません。しかしながら、3工場が同法第55条に定める禁止条件や規定に違反しているとみなされた場合、同法第56条に定める基準に違反しているとみなされた場合、食品衛生管理者が不在となった場合、天災・人災等の影響によりその水質が食品衛生法に適合しないほど大幅に変化した場合には営業許可の取消しや一定期間の営業停止処分を受けることがあり、その場合には当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 なお、営業許可の概要は次のとおりであります。

許認可等の取得者名

取得年月・許認可等の
名称及び所管官庁等

許認可等の内容
及び有効期限

プレミアムウォータープロダクツ株式会社(富士吉田工場)

2019年11月
営業許可
厚生労働省・消費者庁

富士吉田工場の営業許可
山梨県指令    
富東福 第6559号
有効期間
2019年12月1日から
2025年11月30日まで

プレミアムウォータープロダクツ株式会社(朝来工場)

2014年11月
営業許可
厚生労働省・消費者庁

朝来工場の営業許可
兵庫県指令

但馬(朝健)第119-2号

有効期限
2024年11月26日から
2031年11月30日まで

プレミアムウォータープロダクツ株式会社(岐阜北方工場)

2022年2月
営業許可
厚生労働省・消費者庁

岐阜北方工場の営業許可
岐阜県指令

岐保本第1号-90

有効期限
2022年2月7日から
2027年5月31日まで

 

 

③ 当社グループの水源については、例えば富士吉田の水源の場合、株式会社地球科学研究所によって60年以上前に富士山に降雨した水が浸透し、濾過されて地下水となって採取されていると推定されており、過去60年間において富士山の降水状況は安定的であること等、各水源において地下水の水量についての調査を行い、長期にわたり安定的に推移するものと当社グループは想定しておりますが、地層等の大幅な変化などによって水脈の流れに大幅な変化が発生した場合、水脈が枯渇し水の採取が不可能となる可能性があります。

 

④ 当社グループの所有・使用している井戸のうち富士吉田市内にあるものについては、富士吉田市の定める富士吉田市地下水保全条例第3条及び同条例附則第2項に基づき、富士吉田市より井戸設置許可を受け1日966tの揚水が許可されております。現時点では許可の取消事由(同条例第13条)に該当するような事実は存在しておりません。しかしながら、富士吉田市に井戸が許可の基準(同条例第4条)に適合していないとみなされ、かつ、是正勧告に従わない等の重大な不法行為が発生した場合、取水許可が取り消され生産活動ができなくなるため、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

   なお、井戸設置許可の概要は次のとおりであります。

 

許認可等の取得者名

取得年月・許認可等の
名称及び所管官庁等

許認可等の内容
及び有効期限

1号井戸

富士ウォーター株式会社

2007年3月
地下水の利用に関する協定
富士吉田市
 

井戸の設置にあたり地下水の有効かつ適正な利用を図るための協定
(地下水採取量 630t/日)

(注)1
有効期限 なし

2号井戸

プレミアムウォータープロダクツ株式会社(富士吉田工場)

2011年2月
井戸設置許可並びに地下水の利用に関する協定
富士吉田市
 

井戸の設置許可及び井戸の設置に当たり地下水の有効かつ適正な利用を図るための協定
(地下水採取量 966t/日)
有効期限 なし

 

      (注)1.2010年9月に、富士吉田市との間で地下水採取量を966t/日に変更した協定を締結しております。

         2.4号井戸については2020年2月に売却しております。

 

(2)工場に関するリスク(自社工場)

① 当社グループの富士吉田工場は、FSSC22000に基づく運用を行い、品質管理等を厳正に行う体制を整えており、また工場設備につきましてもスペアパーツの保有等損傷発生時に対する対策も行っておりますが、工場又は井戸が罹災することで重大な被害が発生した場合、操業の停止を余儀なくされ、当社グループの生産体制に重要な影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループの富士吉田工場では、厳密な品質管理の下、ナチュラルミネラルウォーターを製品として生産・出荷しております。現在は3本の生産ラインが稼働しており月間約130万本の生産が可能でありますが、2ラインとも何等かの不具合が発生した場合や天災等の事由により長期間電力供給が途絶した場合には、操業停止を余儀なくされ、当社グループの生産体制や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 当社グループの富士吉田工場の揚水装置及び製造ラインは全て電力によって稼働しており、現状安定した電力供給を受けておりますが、天災等の事由により長期間電力供給が途絶した場合、操業の停止を余儀なくされ、当社グループの生産体制に重要な影響を及ぼす可能性があります。 

④ 当社グループの富士吉田工場では、水の充填までの工程において外気に接触することなく、充填工程はクラス1000相当(FED-STD-209 米国連邦規格で制定されたクリーンルームの清浄度の単位)のクリーンルームで人の手を介することなく行われており、送水パイプにつきましても毎日の操業前に洗浄が行われております。また、水の殺菌工程のフィルターにつきましても定期的に交換を行っておりますが、殺菌工程のフィルター4基が同時に機能不全に陥るなどの重大な事故が発生した場合、水に異物が混入する等の事象が発生し操業に影響が出る可能性があります。

(3)OEM供給元に関するリスク

  当社グループの主力製品のうち静岡県富士市、長野県大町市、奈良県吉野郡吉野町、島根県浜田市、熊本県阿蘇郡南阿蘇村を主水源とした製品は、OEM契約に基づきナチュラルミネラルウォーターのOEM供給を受けております。OEM供給元とはOEM契約を締結するにあたり、当社グループの基準と同レベルの水質検査や生産体制の確認、企業調査等を実施し、現在も良好な取引関係を築いておりますが、OEM供給元の水質や工場設備等に重大な問題が発生した場合、業績不振や予期せぬ契約の打切りが行われた場合には、生産体制や当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (4)製品に関するリスク

① 当社グループの製品は、毎日定期的な水質検査と月に1回の放射線物質検査を実施しており、厳格な品質管理を行っておりますが、生産途中あるいは輸送中における毒物混入や放射能被ばくなどが発生した場合、当社グループの製品に重大な瑕疵が発生する可能性があります。

② 当社グループの製品ボトルは、一般的に安全性が高いとされるPETボトルを使用しておりますが、将来の研究においてその有害性が検証された場合、当社グループの製品ボトルの素材変更が必要となるため、当社グループ製品の製造に重大な影響が発生する可能性があります。 

③ 当社グループは、定期配送による販売を行っております。当社グループは味と鮮度にこだわったナチュラルミネラルウォーターを販売するために製品の劣化を最小限に止めるため、製品の出庫期限は原則1ヶ月以内とし、それに合わせた生産体制をとっております。しかしながら、何らかの要因で工場の生産に支障が生じ製品在庫がなくなった時には、定期配送を行うことができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)製造コストが上昇した場合のリスク

当社グループが提供する製品は、安心・安全な天然水でありますが、これは水質がよく、水量の豊富な水源に依存しております。従って、天災や災害などにより、水質が飲用に適さなくなった場合、あるいは一定の水量が確保できなくなった場合には、中長期にわたって製品供給が不可能になることや、代替水源は確保しているものの新たな水源の確保や工場の建設、設備投資が必要になり、製造コストが大きく上昇する可能性があります。

また、当社グループの製品は、特殊な構造・機能をもったボトルにボトリングして販売しておりますが、当該ボトルの原材料である石油価格の高騰により、原価高の要因となる可能性があります。当社グループが今後これらの不測の事態や市場環境の変化に対応できず、コスト増を生産の合理化や販売価格への転嫁で補えなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)ウォーターサーバーに関するリスク

① 当社グループのウォーターサーバーは電気用品安全法に基づくPSE検査及び食品衛生法にも適合した商品であり、また、製造にあたっても厳格な検査を行っておりますが、製造工程に重大な欠陥があった場合や将来の法改正によって不適合となった場合、リコールが発生し、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループのウォーターサーバーのうち主要なものは、現在海外3社のメーカーに製造を委託しております。なんらかの事由によりメーカーとの契約が解除された場合や、天災や不慮の事故等によりウォーターサーバー製造工場の操業が困難になった場合、代替するメーカーの選定を行う間、ウォーターサーバーの納入が受けられなくなる可能性があります。

③ 当社グループのウォーターサーバーの決済の一部は、米ドル建およびウォン建で行っております。将来の為替レートが大幅に円安となった場合、当社グループのウォーターサーバー購入代金が上昇し当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)物流に関するリスク

① 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーター及び商品であるウォーターサーバーにつきましては、宅配事業者に委託して当社グループ顧客宅に配送しておりますが、宅配業者の同時操業停止の事象により配送ができなくなった場合、代替する事業者を選定するまでの間当社グループの製品・商品の配送が困難になる可能性があります。

② 当社グループの製品であるナチュラルミネラルウォーター及び商品であるウォーターサーバーの配送ルートが、天災や不慮の事故等により長期に渡り不通となった場合、再開・正常化するまでの間、当社グループの製品・商品の配送が困難になる可能性があります。

③ 当社グループの商品であるウォーターサーバーのうち主要なものは海外にて製造しており、天災や国内の騒乱、戦争等の事象により輸送ができなくなった場合、顧客に対しウォーターサーバーの納入ができなくなる可能性があります。

④ 物流コストの上昇傾向が続く中で、生産の合理化や販売価格への転嫁で補えなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、配送料金の値上げによる物流コストの上昇を販売価格へ転嫁した場合、解約率の悪化を招き、保有契約件数が減少する可能性があります。

 

(8)水の販売に関するリスク

① 当社グループでは、顧客基盤の拡大・維持を図るため、徹底的なマーケティングを行い、顧客ニーズのリアルタイムな把握及びアフターサービスの充実、商品ラインナップの多様化など競合他社との差別化に取組んでおります。従来からの主たる販売手法であるデモンストレーション販売に加えてテレマーケティングや法人営業も新たな営業手法として取り入れておりますが、事業計画通りに新規顧客獲得が進まない、また、既存顧客の解約率が事業計画以上に高く推移した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループによるデモンストレーション販売において、販売会場提供元である取引先とは良好な取引関係を保ち、販売スタッフや営業代行会社への研修においてもルール・マナーの遵守を徹底しておりますが、競合他社による独占的な会場占有や販売スタッフのルール・マナー違反が恒常的に行われる等の事由により、デモンストレーション会場の提供が受けられなくなった場合、販売の機会が減少するため当社グループの業績及び財政状態に影響が発生する可能性があります。

③ 当社グループは、顧客の勧誘に際して、特定商取引に関する法律の適用を受けております。当社グループでは、デモンストレーション販売や訪問販売等による契約の勧誘においては、事実を誤認させるような行為や押し売りにより困惑させるような行為を一切禁止しております。また、契約に際しては書面交付を義務付け、その内容の説明を適切に行うとともに、顧客本人が十分納得していただいた場合のみ契約を締結しております。

  当社グループでは、販売に関する一連のルール・手続きを定め、社員・営業代行会社に対して、定期的にコンプライアンス研修を開催し、ルールの徹底を図っております。さらに、代理店等に対しても、本法の趣旨を十分理解させるとともに、定期的に指導しております。

  このように、当社グループでは、本法に抵触するような事実が発生しないように万全の体制を構築しておりますが、万一本法に抵触する、又はそのように誤認される行為があった場合には、行政機関による指導や業務停止命令の対象となる可能性があります。また、将来において、本法が改正又は新たな法令等が制定され、当社グループが適切に対応できない場合には、事業の業務遂行に支障をきたす可能性があります。従って、このような状況が起こった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 多くの宅配水製造・販売事業者の業務運営において重大な法令違反や犯罪行為が行われる等業界全体に対する世論の不信感が発生した場合、当社グループの販売に対する風評被害が発生し当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(9)ITへの依存に関するリスク

① 当社グループは当社業務に合わせて開発された基幹販売管理システムを使用し、受注・出荷・請求・在庫管理を一括して行っておりますが、システム改修等の際の不具合の発生やシステムダウンなどが発生した場合、当社グループの業務遂行に重大な影響が発生する可能性があります。

② 当社グループのシステムはインターネット・データセンターに格納されており、その安全性は検証済でありますが、天災のほかサイバーテロ等の事由によりデータセンターが機能不全に陥った場合、あるいはインターネット自体に問題が生じ通信に重大な影響が発生した場合、当社グループの業務遂行に重大な影響が発生する可能性があります。

(10)親会社との関係に関するリスク

  株式会社光通信(東証プライム 証券コード9435)グループは、当連結会計年度末日において、当社の発行済株式総数の69.4%(間接保有分を含む)を保有している親会社であり、当社は株式会社光通信を中核とする企業グループ(以下「光通信グループ」といいます)に属しております。
 当社グループは、光通信グループの中において宅配水の製造・販売という異色の事業を行っており、独立した経営体制をとっておりますが、将来光通信グループの経営方針に変更が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。

(11)個人情報保護に関するリスク

当社グループは、当社グループの直接販売顧客のみならず、代理店やOEM先の顧客についてもその住所、氏名等の個人情報を保有しております。当社グループは当社グループの規程に基づき、その情報管理は徹底しておりますが、顧客情報の紛失、サイバー攻撃等不測の事態が発生し、保険適用額を超えたコストが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響が発生する可能性があります。

 

(12)知的財産所有権に関するリスク

当社グループはPETボトルに関する特許(特許第5253085号)及びウォーターサーバーに関する特許(特許第4681083号等)を取得しており、当社グループのPETボトル及びウォーターサーバーは外気の入りにくい構造を構築しておりますが、これらの特許が侵害された場合やさらに優れた発明がなされた場合、当社グループの差別化要因の一部が損なわれることになり、顧客獲得に関して影響を及ぼす可能性があります。
 また、ウォーターサーバー等の開発に際し、当社グループはあらかじめ他社の知的財産所有権侵害の可能性の有無を調査しておりますが、商品化・販売開始以降に侵害が発覚した場合には、商品販売中止のほか、損害賠償請求訴訟が提起され損害賠償金の支払いが生じる可能性もあり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。

(13)自然災害、事故等に関するリスク

当社グループの主要な事業拠点は、富士吉田工場、西桂工場、ロジスティクス及びお客様サービスセンターの所在する山梨県、岐阜北方工場の所在する岐阜県、朝来工場の所在する兵庫県、本社所在地である東京都であります。当該地区において大地震、台風、大雪、噴火等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

(14)有利子負債に関するリスク

当社グループの有利子負債残高(リース債務を含む)は、2025年3月期末において67,770百万円であり、有利子負債依存度は60.5%となっております。そのため金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により借換えが困難になった場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。財務制限条項に抵触した場合、貸付人の請求があれば期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金が必要になり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

(15)感染症の流行に関するリスク

  当社グループが事業展開を行う地域において、新型ウイルス等の感染症が大流行し、当社グループの事業活動に支障が出る場合、また、人的被害が拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)東京証券取引所「スタンダード市場」の上場維持基準に適合しないリスク

  当社は、株式会社東京証券取引所にて2022年4月適用の新市場区分についてスタンダード市場を選択しておりますが、当社のスタンダード市場の上場維持基準への適合状況は、移行基準日時点(2021年6月30日)において、流通株式比率については基準を充たしていないことから、2021年12月27日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を株式会社東京証券取引所に提出しております。上場維持基準を充足するため、必要な対策を講じてまいりますが、当社の努力にもかかわらず当該要件を満たすことができない場合には、上場維持基準に適合していない場合の改善期間とされている2026年3月期末までにスタンダード市場の上場維持基準を充足できない可能性があります。

(17)製品及び商品の原材料の調達に関するリスク

当社グループは、安定的な品質の製品をお届けするため、ウォーターサーバーをはじめとする原材料の中には、特定の仕入先に依存しているものがあります。世界的な資源不足や需要の急増による原材料不足、天災地変等により調達に重大な支障をきたした場合、あるいは仕入価格が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)人材確保に関するリスク

当社グループは、優秀な人材の確保及び育成により継続的な成長を実現してまいりましたが、国内の労働人口の減少に伴い、当社グループが必要とする人材の確保が困難になった場合、業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・

フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績

等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善等を背景に、国内では個人消費が増加し、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方、緊迫した世界情勢や資源価格及び原材料価格の高騰の慢性化、米国による関税政策等の影響を受け、先行きは依然として不透明な状態が続いています。

こうした状況下、当社グループでは、お客様に安心・安全で高品質な飲料水を安定的に提供できる体制の構築に努めており、ウォーターサーバーを新たなライフスタイルの提案と位置付け、ウォーターサーバーの認知度向上を図ってまいりました。「冷温水が簡単に利用できる」、「日本の良質な天然水が定期的に自宅まで配達される」等の利便性に加えて、飲料水の水質や安全性に対する消費者の意識が一層高まっており、災害時の備蓄水としても活用できることから当社グループの事業環境へ好影響を及ぼしています。このような社会的ニーズを踏まえ、商品ラインナップの拡充やサービス品質の向上にも取り組んでおります。

また、当社グループでは、脱炭素社会を目指すということをはじめとする環境保全と利益創出の同時実現をビジョンの一つと捉え、天然水という日本の資源を継続的に守り、育むための取組みを行っております。水資源を使用する者の責任として、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて取組み範囲を拡大させ、積極的に社会的責任を果たしてまいります。

 

当連結会計年度における当社グループの営業活動については、デモンストレーション販売の実施やテレマーケティング、WEB等によって多くの新規顧客を獲得し、積極的な営業活動を展開しました。また、長期にわたる宅配水の定期配送サービスの利用が安定的な収益基盤の構築に繋がることから、長期契約プランの提供等の販売戦略強化を行い、顧客基盤の安定化に取り組んでまいりました。加えて、既存顧客の継続率の向上及びお客様満足度向上のため、各種付帯サービスの提供を推進し、当連結会計年度末の保有契約件数は173万件となりました。

一方で、販売促進費等の増加が当社グループの利益押下げ要因となっているものの、顧客獲得に係るコストの効率化や各工場設備の稼働率の向上等による製造原価の低減、物流網の構築による物流費の安定化等、各種費用の低減に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度における連結業績につきましては、売上収益は76,895百万円(前期比4.6%減)、営業利益は11,482百万円(前期比21.7%増)、税引前当期利益は9,086百万円(前期比13.2%増)、及び親会社の所有者に帰属する当期利益は5,631百万円(前期比2.5%減)となりました。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

(金額:百万円)

セグメントの名称

生産高

前年同期比(%)

ホーム・オフィス・デリバリー事業

6,043

95.2

合計

6,043

95.2

 

 (注)1.金額は製造原価によっております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 

 

b. 受注状況

当社グループは、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

(金額:百万円)

セグメントの名称

販売高

前年同期比(%)

ホーム・オフィス・デリバリー事業

 

(1)ナチュラルミネラルウォーター販売

 

 

 

   直接販売・取次店

44,785

97.8

 

   代理店・特約店・OEM

4,091

98.6

 

(1)小計

48,877

97.9

 

(2)ウォーターサーバー販売

1,504

38.1

 

(3)ウォーターサーバーレンタル

14,057

121.7

 

(4)その他

9,320

105.1

 

(1)~(4)合計

73,759

99.3

その他

3,136

49.9

 

総合計

76,895

95.4

 

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

(2) 財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,670百万円増加し、112,076百万円となり

ました。

(資産)

流動資産は47,324百万円(前連結会計年度末比2,523百万円の増加)となりました。これは、主に現金及び現金同等物が増加したことによるものであります。非流動資産は64,751百万円(前連結会計年度末比10,146百万円の増加)となりました。これは、主に投資有価証券が増加したことによるものであります。

(負債)

流動負債は43,076百万円(前連結会計年度末比14,819百万円の増加)となりました。これは、主に有利子負債が増加したことによるものであります。非流動負債は、43,927百万円(前連結会計年度末比4,452百万円の減少)となりました。これは、主に有利子負債が減少したことによるものであります。

(資本)

当連結会計年度末の資本は25,073百万円(前連結会計年度末比2,303百万円の増加)となりました。これは、主に親会社の所有者に帰属する当期利益が増加した一方で、配当金の支出により利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は31,900百万円と前連結会計年度末(30,561百万円)に比べ1,338百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、20,659百万円(前連結会計年度は19,669百万円)となりました。そ

の主な要因は、キャッシュアウトを遅らせる施策を実施したことによる未払金の増加によるものであり

ます。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、12,774百万円(前連結会計年度は5,001百万円)となりました。その

主な要因は、工場関連設備の投資実施による支出が発生したこと及び関係会社株式の取得、投資有価証

券の取得による支出が発生したことであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、6,541百万円(前連結会計年度の財務活動により使用した資金は、

9,882百万円)となりました。その主な要因は、銀行借入による長期有利子負債の収入があった一方で、

社債の償還による支出、及びリース債務の返済があったことであります。

 

 (4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、契約者へ貸与するウォーターサーバーの購入、各種

設備投資のほか、営業活動に係るものであります。資金需要を満たすための資金は、基本的には営業活

動によるキャッシュ・フローを財源としますが、多額の資金需要に対応する場合は、円滑な事業活動に

必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、金融機関からの借入及び社債

発行等にて対応しております。将来の資金需要の可能性を踏まえ、自己資本比率や流動比率等の指標へ

の影響度等を総合的に勘案し、必要な資金を確保できる体制を整えてまいります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の

規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思

われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1

 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計

上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

 

(1) 主要な製造・業務提携等に関する契約

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

コスモライフ株式会社

日本

飲料ディスペンサ用カートリッジの

特許技術に関する通常実施権の使用

許諾契約

2006年10月17日

2007年10月16日

 

※自動更新

寧波澳成電気製造有限公司

中国

ウォーターサーバーの製造委託契約

2012年2月9日

 

2013年2月8日

※自動更新

株式会社ケイ・エフ・ジー

日本

製品のOEM取引に関する基本契約

2014年11月1日

2017年10月31日

 

※自動更新

ハイコムウォーター株式会社

日本

製品のOEM取引に関する基本契約

2014年12月1日

2019年11月30日

 

※自動更新

株式会社富士山の天然水

(旧商号:株式会社アイケアジャパン)

日本

製品のOEM提供に関する基本契約

2016年12月27日

2028年3月31日

 

※自動更新

エア・ウォーター株式会社

日本

宅配水事業に関する包括的な業務

提携契約

2018年3月30日

 

2021年3月29日

※自動更新

WONBONG Co., Ltd.

韓国

ウォーターサーバーの売買に関する

契約

2020年3月1日

 

2022年3月31日

※自動更新

株式会社HCMAアルファ

日本

ウォーターサーバーのレンタルに

関する契約

2021年10月1日

 

2022年3月31日

※自動更新

株式会社コア・コンサルティング・グループ

日本

ウォーターサーバーのレンタルに

関する契約

2023年7月1日

 

2024年3月31日

※自動更新

STAR JOHNS Co., Ltd.

韓国

ウォーターサーバーの製造委託契約

2024年11月11日

2027年11月10日

 

※自動更新

 

 

 (2) シンジケートローン契約の締結について

当社は、財務基盤の強化及び今後の設備投資資金の確保を図るため、各金融機関とのシンジケートローン契約について、以下のとおり、契約を締結いたしました。

 

  ① シンジケートローン契約の概要

 

 

貸出コミットメントライン契約

コミットメント期間付タームローン契約

金銭消費貸借契約

金銭消費貸借契約

契約金額

3,000百万円

5,000百万円

2,000万円

1,800百万円

契約締結日

2024年3月29日

2021年3月22日

2019年9月30日

2021年3月22日

借入実行日

2022年6月30日

2023年12月29日

2019年10月2日

2021年3月31日

最終返済日

2026年3月31日

2026年9月30日

2028年3月31日

担保状況

土地及び建物

アレンジャー

兼エージェント

株式会社みずほ銀行

参加金融機関

株式会社みずほ銀行

株式会社横浜銀行

株式会社りそな銀行

三井住友信託銀行

株式会社

株式会社みずほ銀行

株式会社横浜銀行

株式会社りそな銀行

他8行

株式会社みずほ銀行

株式会社横浜銀行

株式会社りそな銀行

株式会社みずほ銀行

株式会社横浜銀行

 

 

  ② 財務制限条項

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 17.有利子負債(5)財務制限条項」に記載のとおりです。

 

 

6 【研究開発活動】

 当社グループの研究開発は、より安心で安全な水を顧客に提供するために、当社独自の設計であるウォー

ターサーバーについて、新技術の開発や既存技術の改良に鋭意取り組んでおります。また、宅配水ボトルの

内製化によるコスト削減のために、PET容器について製造技術の開発や資材品質の改良に力を入れており、

研究開発体制としては、連結子会社プレミアムウォーター株式会社の生産・開発本部における技術部、及び

品質保証部において推進されております。

当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は30百万円となっております。これはナチュラルミネ

ラルウォーターを宅配するホーム・オフィス・デリバリー事業に係るものであります。