当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用の改善により緩やかな回復基調で推移しましたが、個人消費の回復の遅れ、株価や為替の変動などにより、景気の先行きについては不透明な状況となりました。
当社市場におきましては、既存家屋の保全意識は依然として高かったものの、消費者マインドの停滞と人材採用の競争激化が、当社にとって逆風となりました。
このような状況下、当社は平成27年4月に奈良支店を新規開設し、営業エリアを21都府県に拡大いたしました。そして、白蟻防除のトップシーズンに当たる第1四半期を中心に積極的な広告宣伝・販促活動を展開して、受注の増加に努めました。また、人員を増強するため、人事関連部門の再編を行ないました。ガバナンス強化につきましては、平成27年6月に社外取締役を増員いたしました。
以上の取組みにより、白蟻防除売上高が前期比3.7%増、床下等換気システム売上高が同5.0%増、基礎補修・家屋補強売上高が同6.7%増となり、総売上高は同604百万円増(4.8%増)の13,273百万円となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費につきましては、施工効率の向上による労務費率の低下とガソリン価格の下落に伴い、売上原価率が0.4ポイント低下しましたが、人件費率の上昇と、求人費並びに減価償却費等の増加により、販売費及び一般管理費率が0.9ポイント上昇しました。この結果、営業利益は前期比32百万円増(1.4%増)の2,332百万円となり、経常利益は営業外収益の減少により同9百万円減(0.4%減)の2,339百万円となりました。当期純利益は、同73百万円増(5.2%増)の1,485百万円となり、過去最高益となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前期末比1,135百万円増加し、6,156百万円となりました。当事業年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,648百万円の収入(前期は1,227百万円の収入)となりました。主な要因は、法人税等の支払額612百万円がありましたが、税引前当期純利益2,339百万円、減価償却費166百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、29百万円の支出(前期は833百万円の支出)となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出25百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、483百万円の支出(前期は328百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払額395百万円があったことによるものであります。
当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分 | 当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
HA事業 | 346,725 | 102.5 |
合計 | 346,725 | 102.5 |
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社企業グループの施工は、受注から施工完了まで通常短期間で完了し、各事業年度末における受注残高の金額が僅少なため記載を省略しております。
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分 | 当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
HA事業 | 13,032,886 | 104.9 |
その他 | 240,853 | 100.2 |
合計 | 13,273,740 | 104.8 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社は、経営理念並びに中期的な経営方針を実現し、以って持続的な成長と企業価値の向上を図るために、以下の対処すべき課題について具体的戦略・施策を立案、推進してまいります。
(1)コーポレートガバナンス強化と経営推進力向上
(2)ステークホルダーへの情報発信と対話の推進
(3)内部統制システム体制強化
(4)営業面での革新的企画の立案、推進
(5)新規営業力並びに顧客維持力の向上
(6)新規拠点、その他営業チャネルの獲得
(7)人員採用、育成並びに活性化
(8)管理業務の効率化並びに管理人員・コストの適正化
当社の事業に係るリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。但し、これらは当社に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、また、記載事項以外に予見しがたいリスクも存在いたします。当社は、これらリスクが発生する可能性と重要性を認識し、発生原因の解消並びに発生の予防に努めるとともに、発生した事項につきましては、その重要度に応じて適切な対応を図ることとしております。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の主力商品である白蟻防除施工等のサービスは、全国に26百万戸以上現存する木造戸建住宅を主な販売対象としておりますが、ユーザーが日常生活を営む上で目に付き難いところで被害を及ぼす白蟻の防除を主目的としているため、その需要の多くは潜在化しております。そして、当社のユーザーの大半が個人顧客であるため、個人の消費マインド低下、可処分所得の減少等によっても需要が顕在化し難くなる場合があります。したがって、これら個人顧客向けサービスの販売動向は、国内並びに地方における経済状況、景気動向、雇用環境等により大きく変動いたします。これらの諸要因が当社にとって有利に作用しない場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の業績(特に利益)は、第2四半期累計期間に偏重する傾向があります。これは、例年5月をピークとして4月から7月頃まで、白蟻の活動が活発化し、白蟻防除関連の受注件数が増加するためであります。当社では、季節変動の比較的少ない他サービスの受注拡大に注力するなどして業績の平準化に努めておりますが、業績の季節性変動は今後も続くと見込んでおり、該当期間の販売動向が当社の通期業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、平成28年3月期における四半期毎の業績概要は以下のとおりです。
| 平成28年3月期 | |||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 通期 | ||
売上高 | (百万円) | 3,897 | 3,451 | 3,078 | 2,846 | 13,273 |
営業利益 | (百万円) | 852 | 788 | 512 | 179 | 2,332 |
(注) 売上高には、消費税等は含まれておりません。
当社は、農協等との間で販売等に関する業務提携を行ない、当該提携先農協等の指定業者として営業活動を行なっております。提携先農協等の管轄エリア内において、これらの提携が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社に不利な契約内容の改定が行なわれた場合には、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、商取引、建築、薬品取扱、個人情報保護、金融取引、労務並びに内部統制上、各種法律の規制を受けております。また、当社は訪問販売による営業活動を行なっていることから、特定商取引に関する法律の規制を受けております。同法は主に、訪問販売等の特定の販売形態を公正にし、消費者が受けることのある損害の防止を図ることにより、消費者の利益を保護することを目的として制定された法律であります。当社は福島県、静岡県に総合研修センターを設置し、集合研修による社員教育並びに実際の業務を通しての職場内教育(OJT)を組み合わせ、高いレベルのコンプライアンス体制の構築に努めております。しかしながら、万が一、当社が各種法規制に抵触した場合、または改廃、新たな法令等の制定があった場合には、当社の財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は事業活動において、お客様同意のもと、個人情報やプライバシーに関する情報を入手することがあります。これらの情報の取り扱いについては規程に基づき厳重に管理・運用を行なっておりますが、万一これらの情報が誤って外部に流出した場合、損害賠償責任を負う可能性がある上、当社の社会的信用を失うことにより、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する営業上、技術上の情報が、不正に、または過失により流出する可能性を完全に防止することは困難であり、その結果、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、訪問販売による営業活動を行なっております。かつて同業大手企業において法令違反による業務停止処分等が発生したり、昨今でも一部の業者による悪質な訪問販売手法が報道で取り上げられております。当社では従来より社員教育を充実させ、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおりますが、悪質リフォーム報道等による業界の信用低下があった場合、当社の業績等にも影響が及ぶ可能性があります。
当社の事業は、営業形態や取扱商品の性質上、クレームの発生を避けては通ることができない業態であります。このため、全てのお客様から信頼される営業姿勢と法令を遵守した営業活動の徹底はもちろんのこと、提携先農協等との連携体制強化、お客様相談室を中心とした対応・再発予防体制の強化、消費生活センター等との関係強化、公益社団法人日本訪問販売協会からの情報収集により、クレームの減少と早期対応に努めております。しかしながら、重要なクレーム或いは訴訟等が発生した場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社にとって、「優秀な人材の確保と育成」は経営基盤の維持、拡大の上で不可欠であります。そのため、当社では新卒・中途採用活動や能力・成果主義を基軸とした人事制度、各種社員教育等に積極的に取り組んでおります。また、当社の営業活動は訪問販売を主とすることから、コンプライアンスについて徹底した人材育成と質の向上を図っております。しかしながら、今後、労働需給関係の逼迫等により人材獲得競争が激化し、必要とする優秀な人材を確保できない場合には、事業展開が制約され、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、施工中の事故を防止するため、各種施工における安全教育を徹底するとともに、安全装備の点検を定期的に実施しております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険にも加入しております。しかしながら、重大な施工事故を発生させてしまった場合は、補償や対策費用の発生に加え、社会的信用が低下し、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、一定の受給資格を満たす従業員を対象として、外部積立による退職年金制度を設けております。退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される割引率や長期期待運用収益率に基づいて算定され、未認識数理計算上の差異は発生時の翌事業年度から1年で償却しております。今後、割引率及び実際の運用利回りが低下した場合には、想定以上の未認識数理計算上の損失が発生し、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
将来、当社が予期しない会計基準や税制の導入・変更により、財政状況及び業績等に影響が及ぶ可能性があります。
将来、保有資産の時価の下落や将来キャッシュ・フローの状況により、減損会計の適用を受けた場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、全国農業協同組合連合会をはじめとする農協等と業務提携をしております。
当事業年度末における契約の状況については次のとおりであります。
契約先
全国農業協同組合連合会
全国農業協同組合連合会県本部
協同会社(全国農業協同組合連合会県本部関係会社)
農業協同組合
生活協同組合
主な契約内容
期間:1ヵ年間若しくは2ヵ年間の自動更新となっております。
内容:1)農協等は、当社が農協等の管轄地域内等において農協等の名称を使用して営業活動を行なうことを許諾する。
2)当社は、注文者(お客様)との間で当社を請負人とする請負契約を締結し、施工を行なう。
3)当社と農協等は、施工代金請求権が農協等に帰属することを確認する。
4)農協等は、自らの債権としてお客様からの施工代金を受領する。
5)お客様が施工代金の支払を遅滞したときは、農協等は当社に対し、施工代金請求権を譲渡するか、同債権の回収業務に対する協力を依頼することができる。
6)農協等は、当社発行の請求書に基づいて施工費用を精算する。
当社は、お客様に対する施工代金等の割賦業務に関する契約を締結しております。
当事業年度末における契約の状況については次のとおりであります。
契約先
㈱オリエントコーポレーション
㈱セディナ
主な契約内容
期間:㈱オリエントコーポレーションにつきましては、特に契約期間の定めはありません。
㈱セディナについては、1ヵ年間の自動更新となっております。
内容:1)当該契約先による信用調査を経て、承認されたお客様に対して役務の提供を行なう。
2)当該契約先はお客様に代わり、役務の提供代金を立替えて、当社に支払う。
3)お客様は、当該契約先に、分割等、契約時に取り決めた方法により立替えた代金を支払う。
当社における研究開発活動につきましては、安全性及び環境負荷の軽減、効果を兼ね備えた施工方法並びに製品・商品の開発を目指しております。そうしたことにより、お客様の多様なニーズに的確に対応したサービスの提供を行ない、業界においてリーダーシップを発揮していくことを、研究開発を行なう上での基本方針としております。
研究開発活動につきましては、研究開発室が主体となり研究開発テーマごとに各部門と協働して推進する開発体制をとっております。
また、上記とは別に、ミルボ委員会を設置しており、経済産業省のサービスロボット市場創出支援事業に係る再委託契約先であったMHIソリューションテクノロジーズ㈱(旧高菱エンジニアリング㈱)と開発活動を行なっております。
これらの結果、当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は8百万円となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
研究開発課題 | 具体的な内容 | 成果 |
無筋基礎補強の開発 | 無筋基礎開口部に金物を取り付けることにより、鉄筋基礎と同等の耐力まで耐震補強をする方法の開発。 | 一般財団法人日本建築総合試験所の申請に向け、強度試験中。 |
ロボット開発 | 「シロアリ防除ロボット」システムにより、「調査・施工の<見える>化」「困難な施工箇所の克服」「映像情報の共有化」を実現し、業務の信頼性向上による営業効率向上を可能とするロボットの開発。 | 「2015国際ロボット展」に出展 |
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上に影響を及ぼす見積り及び予測を必要としております。経営者は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行なっておりますが、見積り及び予測には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における資産は、前期末比1,276百万円増加し、14,025百万円となりました。このうち、流動資産は同1,286百万円増加し、8,427百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が1,135百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は同10百万円減少し、5,597百万円となりました。
(負債)
負債は、前期末比185百万円増加し、3,666百万円となりました。このうち、流動負債は同196百万円増加し、2,412百万円となりました。主な要因は、未払法人税等が231百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は同10百万円減少し、1,253百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前期末比1,090百万円増加し、10,359百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が1,090百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前期末の72.7%から73.9%となりました。また、1株当たり純資産は前期末の750円99銭から839円36銭となりました。
(3)経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
「1業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は前事業年度比44百万円減の38百万円となりました。主な要因は、受取保険金及び配当金が増加しましたが、前事業年度において保険積立金を一部解約したことによる保険解約返戻金59百万円があったことによるものであります。営業外費用は前事業年度比2百万円減の31百万円となりました。この結果、経常利益は前事業年度比9百万円減の2,339百万円となりました。
(当期純利益)
税引前当期純利益は前事業年度比10百万円増の2,339百万円となりました。
また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を計上した結果、当期純利益は前事業年度比73百万円増の1,485百万円となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(財務政策)
当社の事業活動に必要な資金は、営業キャッシュ・フローを源泉とし、必要に応じて銀行等の金融機関より借入を行なうこととしております。
(キャッシュ・フローについての分析)
「1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、経営理念「人と技術を育て、人と家と森を守る」のもと、総合ハウスメンテナンスサービスによって、お客様に「安全」「幸せ」「豊かさ」「快適性」を約束できる会社を目指しております。これが当社の使命であり、事業を積極的に展開することで家を長持ちさせ、木の文化を守るという社会的責任を果たしてまいります。
また、家を長持ちさせることで、建替えによる木材の使用量を減少させ、森林の過度な伐採を抑制し、また廃棄物の発生を抑える効果も期待できることから、環境保護の重要な要素につながるものと認識しております。
今後もこのような当社事業活動を通じた社会貢献に努めてまいります。