第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

当社は、シロアリ対策・地震対策でお客様に安全・安心を提供し、既存住宅の長寿命化を推進することによって、住宅問題や環境問題等の社会課題解決にも貢献します。

 

(1)経営方針

(コンプライアンス優先の経営)

出来るだけ多くのステークホルダーから、より厚い信頼を得るため、コンプライアンス優先の経営を行ないます。

(内部統制システム体制の強化とコーポレートガバナンスの充実)

経営機能を公正かつ効果的に発揮して、持続的成長と中長期的な企業価値の向上に努めます。

(農協等との協働による事業展開)

地域ブランド力のある農協等との関係を強化し、地域社会に密着した事業を推進します。

(優秀な人材の確保と人材の育成)

優秀な人材を採用し育成することによって、事業全体の質を向上します。

(技術力の向上)

サービス品質の向上のために、技術力の向上を図ります。

(環境・社会課題への取り組み)

当社の事業目的である既存住宅の長寿命化を進めることによって、環境・社会課題に取り組みます。

 

(2)目標とする経営指標

平成31年3月期を初年度とする中期経営計画において、平成33年3月期に売上高165億円、営業利益28億円、当期純利益19億円を目標としております。

 

(3)対処すべき課題

当社市場におきましては、引き続き労働需給の逼迫が予想され、人材獲得競争は激化するものと思われます。また、国策により既存住宅の長寿命化とメンテナンスに対する意識は一層高まり、潜在需要規模は変わらず膨大に存在するものと見ております。

そのような事業環境において、当社は今後も安定的・持続的な成長を実現するための基盤を構築するべく、採用体制並びに教育体制の更なる強化と営業エリアの拡大を図るとともに、コンプライアンスを一層強化してお客様満足の向上に努めてまいります。

そして「人と技術を育て、人と家と森を守る」という経営理念の実現に向け、以下の4項目の課題に取り組んでおります。

 

(優秀な人材の確保と教育体制の強化)

当社の事業拡大には優秀な人材の増強が必須となります。労働需給の逼迫が続き人材獲得競争が激化する中で、更なる成長の実現に向けた基盤の構築を目指し、採用体制及び教育体制を一層強化してまいります。

(営業効率の向上)

人員の増加並びに多様化を推進しながら高水準の利益率を維持するため、営業・施工・管理における効率を一層向上する体制の整備や基盤の構築、並びに営業企画、販促企画の展開に注力してまいります。

(コーポレートガバナンスの深化)

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的とし、より実効性の高いガバナンス体制を構築することで、経営課題の共有と適宜適切な経営判断を行ない、課題解決に努めてまいります。

(コンプライアンス強化とお客様満足の向上)

当社を取り巻く事業環境として、これまで以上のコンプライアンスの向上が求められております。当社の競争優位性を維持向上し、全社的なコンプライアンス管理の運用を一層強化して、仕事のクオリティを高めることにより、当社の社会的信頼とお客様満足の向上に努めてまいります。 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1)市場について

当社の主力商品である白蟻防除施工等のサービスは、全国に26百万戸以上現存する木造戸建住宅を主な販売対象としておりますが、ユーザーが日常生活を営む上で目に付き難いところで被害を及ぼす白蟻の防除を主目的としているため、その需要の多くは潜在化しております。そして、当社のユーザーの大半が個人顧客であるため、個人の消費マインド低下、可処分所得の減少等によっても需要が顕在化し難くなる場合があります。したがって、これら個人顧客向けサービスの販売動向は、国内並びに地方における経済状況、景気動向、雇用環境等により大きく変動いたします。これらの諸要因が当社にとって有利に作用しない場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)業績の季節的変動について

当社の業績(特に利益)は、第2四半期累計期間に偏重する傾向があります。これは、例年5月をピークとして4月から7月頃まで、白蟻の活動が活発化し、白蟻防除関連の受注件数が増加するためであります。当社では、季節変動の比較的少ない他サービスの受注拡大に注力するなどして業績の平準化に努めておりますが、業績の季節性変動は今後も続くと見込んでおり、該当期間の販売動向が当社の通期業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)農協等との業務提携について

当社は、農協等との間で販売等に関する業務提携を行ない、当該提携先農協等の指定業者として営業活動を行なっております。提携先農協等の管轄エリア内において、これらの提携が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社に不利な契約内容の改定が行なわれた場合には、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法規制について

当社は、商取引、建築、薬品取扱、個人情報保護、金融取引、労務並びに内部統制上、各種法律の規制を受けております。また、当社は訪問販売による営業活動を行なっていることから、特定商取引に関する法律の規制を受けております。同法は主に、訪問販売等の特定の販売形態を公正にし、消費者が受けることのある損害の防止を図ることにより、消費者の利益を保護することを目的として制定された法律であります。当社は福島県、静岡県に総合研修センターを設置し、集合研修による社員教育並びに実際の業務を通しての職場内教育(OJT)を組み合わせ、高いレベルのコンプライアンス体制の構築に努めております。しかしながら、万が一、当社が各種法規制に抵触した場合、または改廃、新たな法令等の制定があった場合には、当社の財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)情報の流出について

当社は事業活動において、お客様同意のもと、個人情報やプライバシーに関する情報を入手することがあります。これらの情報の取り扱いについては規程に基づき厳重に管理・運用を行なっておりますが、万一これらの情報が誤って外部に流出した場合、損害賠償責任を負う可能性がある上、当社の社会的信用を失うことにより、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する営業上、技術上の情報が、不正に、または過失により流出する可能性を完全に防止することは困難であり、その結果、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)業界イメージの低下について

当社は、訪問販売による営業活動を行なっております。かつて同業大手企業において法令違反による業務停止処分等が発生したり、昨今でも一部の業者による悪質な訪問販売手法が報道で取り上げられております。当社では従来より社員教育を充実させ、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおりますが、悪質リフォーム報道等による業界の信用低下があった場合、当社の業績等にも影響が及ぶ可能性があります。

 

(7)クレームについて

当社の事業は、営業形態や取扱商品の性質上、クレームの発生を避けては通ることができない業態であります。このため、全てのお客様から信頼される営業姿勢と法令を遵守した営業活動の徹底はもちろんのこと、提携先農協等との連携体制強化、お客様相談室を中心とした対応・再発予防体制の強化、消費生活センター等との関係強化、公益社団法人日本訪問販売協会からの情報収集により、クレームの減少と早期対応に努めております。しかしながら、重要なクレーム或いは訴訟等が発生した場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8)人材確保と育成について

当社にとって、「優秀な人材の確保と育成」は経営基盤の維持、拡大の上で不可欠であります。そのため、当社では新卒・中途採用活動や能力・成果主義を基軸とした人事制度、各種社員教育等に積極的に取り組んでおります。また、当社の営業活動は訪問販売を主とすることから、コンプライアンスについて徹底した人材育成と質の向上を図っております。しかしながら、今後、労働需給関係の逼迫等により人材獲得競争が激化し、必要とする優秀な人材を確保できない場合には、事業展開が制約され、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)施工事故について

当社は、施工中の事故を防止するため、各種施工における安全教育を徹底するとともに、安全装備の点検を定期的に実施しております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険にも加入しております。しかしながら、重大な施工事故を発生させてしまった場合は、補償や対策費用の発生に加え、社会的信用が低下し、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)退職給付債務について

当社は、一定の受給資格を満たす従業員を対象として、外部積立による退職年金制度を設けております。退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される割引率や長期期待運用収益率に基づいて算定され、未認識数理計算上の差異は発生時の翌事業年度から1年で償却しております。今後、割引率及び実際の運用利回りが低下した場合には、想定以上の未認識数理計算上の損失が発生し、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)会計制度について

将来、当社が予期しない会計基準や税制の導入・変更により、財政状況及び業績等に影響が及ぶ可能性があります。

 

(12)減損会計について

将来、保有資産の時価の下落や将来キャッシュ・フローの状況により、減損会計の適用を受けた場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。個人消費においては、消費マインドは持ち直してきたものの、賃金の伸び悩みや物価上昇への懸念から、生活防衛意識は依然高く、消費の大幅な回復には至りませんでした。

当社市場におきましては、既存住宅の流通、リフォーム市場の拡大に向けた住宅政策は一層推進され、住宅の維持管理に対する意識、及び当社業界の社会的な認知度は高まっているものの、消費者の節約志向は根強く、特に新規開拓面の環境は厳しいものとなりました。

このような状況下において、当社はコンプライアンス体制の強化と営業プロセスの改革に取り組むとともに、営業・施工・管理スキルの向上のため、教育体制の更なる強化を図りました。

販促活動としては、「シロアリバスターズ®」をメインとしたCM、新聞折込、WEB広告を白蟻防除のピークシーズンに合わせて集中投下しました。また、シロアリ探知犬・トコジラミ探知犬を積極的に活用し、メディアへの露出やマスコミ向けプレスセミナーの開催などのPRも充実させることで、当社の認知度向上を図り、白蟻対策や地震対策の必要性を社会に訴求してまいりました。その結果、上半期には白蟻防除等の見積調査依頼が増加するなど、市場からの反響が得られました。

 

①財政状態の状況

当事業年度末における資産は、前期末比1,065百万円増加し、15,214百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加821百万円、売掛金の増加334百万円であります。

負債は、前期末比246百万円増加し、3,547百万円となりました。主な要因は、未払金の増加151百万円、未払法人税等の増加142百万円であります。

純資産は、前期末比818百万円増加し、11,666百万円となりました。主な要因は、当期純利益1,411百万円、剰余金の配当592百万円であります。

この結果、自己資本比率は前期末と同率の76.7%となりました。また、1株当たり純資産は前期末比66円34銭増加し、945円29銭となりました。

 

②経営成績の状況

既存顧客向け営業が順調に推移したことに加え、第4四半期には新規顧客向け営業も増収基調へ転じたことにより、総売上高は前期比137百万円増加(1.0%増)の13,990百万円となりました。

売上原価は、労務費が主に退職給付費用の前期比44百万円減少により同55百万円減少(3.7%減)したことにより、総額で同43百万円減少(1.1%減)しました。これにより、売上総利益は同181百万円増加(1.9%増)し、売上総利益率は同0.6ポイント上昇しました。

販売費及び一般管理費は、人件費が主に退職給付費用の前期比200百万円減少により同225百万円減少(4.2%減)した他、求人費、修繕費等の減少もあり、総額で同267百万円減少(3.3%減)し、販売費及び一般管理費率は同2.5ポイント低下しました。

この結果、営業利益は前期比448百万円増加(26.7%増)の2,131百万円となり、営業利益率は同3.1ポイント上昇して15.2%となりました。経常利益は同468百万円増加(27.8%増)の2,155百万円となりました。当期純利益は同145百万円増加(11.5%増)の1,411百万円となり、当期純利益率は同0.9ポイント上昇して10.1%となりました。

なお、売上高に占める労務費と人件費の合計(総人件費)の割合(総人件費率)は、退職給付費用の減少を主要因として前期比2.5ポイント低下して47.0%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前期末比821百万円増加して7,450百万円となりました。

営業活動により増加した資金は1,655百万円(前期は1,411百万円増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益2,155百万円、主な減少要因は、法人税等の支払額613百万円であります。

投資活動により減少した資金は47百万円(前期は55百万円減少)となりました。主な減少要因は、固定資産の取得による支出41百万円であります。

財務活動により減少した資金は786百万円(前期は883百万円減少)となりました。主な減少要因は、借入金の純減額177百万円、配当金の支払額592百万円であります。

 

 

④生産、受注及び販売の状況

ⅰ)生産実績

当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

HA事業

306,992

83.8

合計

306,992

83.8

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅱ)受注実績

当社の施工は、受注から施工完了まで通常短期間で完了し、各事業年度末における受注残高の金額が僅少なため記載を省略しております。

 

ⅲ)販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

HA事業

13,756,821

101.1

その他

233,199

97.4

合計

13,990,020

101.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上に影響を及ぼす見積り及び予測を必要としております。経営者は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行なっておりますが、見積り及び予測には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

②当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社市場におきましては、引き続き労働需給の逼迫が予想され、人材獲得競争は激化するものと思われます。また、国策により既存住宅の長寿命化とメンテナンスに対する意識は一層高まり、潜在需要規模は変わらず膨大に存在するものと見ております。

そのような事業環境において、当社は今後も安定的・持続的な成長を実現するための基盤を構築するべく、採用体制並びに教育体制の更なる強化と営業エリアの拡大を図るとともに、コンプライアンスを一層強化してお客様満足の向上に努めてまいります。

当社は、平成31年3月期を初年度とする中期経営計画において、平成33年3月期に売上高165億円、営業利益28億円、当期純利益19億円を目標としております(当社の中期経営計画は、毎期見直すローリング方式)。

当社の事業活動に必要な資金は、営業キャッシュ・フローを源泉とし、必要に応じて銀行等の金融機関より借入を行なうこととしております。

  

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)販売等に関する提携

当社は、全国農業協同組合連合会をはじめとする農協等と業務提携をしております。

当事業年度末における契約の状況については次のとおりであります。

契約先

全国農業協同組合連合会

全国農業協同組合連合会県本部

協同会社(全国農業協同組合連合会県本部関係会社)

農業協同組合

生活協同組合

主な契約内容

期間:1ヵ年間若しくは2ヵ年間の自動更新となっております。

内容:1)農協等は、当社が農協等の管轄地域内等において農協等の名称を使用して営業活動を行なうことを許諾する。

2)当社がお客様に対して施工を行ない、農協等は、お客様から施工代金を受領する。

3)お客様が施工代金の支払を遅滞したときは、農協等は当社に対し、同債権の回収業務に対する協力を依頼することができる。

4)農協等は、当社発行の請求書に基づいて施工費用を精算する。

 

(2)割賦業務提携契約

当社は、お客様に対する施工代金の割賦業務に関する契約を締結しております。

当事業年度末における契約の状況については次のとおりであります。

契約先

㈱オリエントコーポレーション

㈱セディナ

主な契約内容

期間:㈱オリエントコーポレーションについては、特に契約期間の定めはありません。

      ㈱セディナについては、1ヵ年間の自動更新となっております。

内容:1)当該契約先による信用調査を経て、承認されたお客様に対して施工を行なう。

2)当該契約先はお客様に代わり、施工代金を立替えて当社に支払う。

3)お客様は、当該契約先に、分割等、契約時に取り決めた方法により支払いを行なう。

 

5 【研究開発活動】

当社における研究開発活動につきましては、安全性及び環境負荷の軽減、効果を兼ね備えた施工方法並びに製品・商品の開発を目指しております。そうしたことにより、お客様の多様なニーズに的確に対応したサービスの提供を行ない、業界においてリーダーシップを発揮していくことを、研究開発を行なう上での基本方針としております。

研究開発活動につきましては、研究開発室が主体となり研究開発テーマごとに各部門と協働して推進する開発体制をとっております。

この結果、当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は6百万円となりました。

なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

研究開発課題

具体的な内容

成果

無筋基礎補強の開発

無筋基礎開口部に金物を取り付けることにより、鉄筋基礎と同等の耐力まで耐震補強をする方法の開発。

一般財団法人日本建築総合試験所への申請に向け、強度試験中。