近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円(※1)規模と推定されており、海外においてもBtoB卸売分野でのユニコーン企業が誕生するなど、新たな潮流を観測しています。また、SDGs(※2)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、国内でも年間約22兆円(※3)規模に達すると試算しております。さらにはEC化率の増加に伴い、返品市場も今後拡大すると考えられております。
※1 経済産業省 2021年7月30日発表 電子商取引に関する市場調査より推察
※2 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※3 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
当社グループは卸売市場におけるSMB(中小企業・個人事業主)を中心としたデジタルトランスフォーメーション(DX)化の遅れに注目し、本事業年度は廃棄ロスの削減を課題とした取り組みを進めてまいりました。
具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化する在庫価値ソリューション、SMB(中小企業・個人事業主)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援する商品流通プラットフォームを用いて、在庫流動化支援ソリューションを展開してまいりました。卸売市場では今後DX化が必要不可欠であることを再認するとともに、廃棄ロス市場ではリバースロジスティクス(返品物流)分野におけるリーディングカンパニーとなる絶好の機会と捉え、次期以降の伸長に向け事業の選択と集中を進めております。
当社グループが対処すべき課題は、次のとおりです。
① 卸売市場のDX化
当社グループでは、オークション等価格比較メディア「オークファン(aucfan.com)」をはじめとする在庫価値ソリューション及びBtoBマーケットプレイス「NETSEA」をはじめとする商品流通プラットフォームの提供により、卸売市場におけるDX化を含む市場の発展を推進してまいりましたが、なお、卸売市場におけるDX化の遅れを再認しており、その推進が急務となっています。
そのため、当社グループでは、その強みがあるSMB(中小企業・個人事業主)向け事業への選択と集中を進め、更なるDX化の推進及び市場の発展のため、サービス及び利用者の拡大並びに利便性の向上を図ってまいります。
② システム技術・情報セキュリティの継続的な強化
当社グループの事業は、インターネット上でのサイト運営を中心としており、サービス提供に係るシステムを安全・安定に稼働させることが重要な課題であると認識しております。そのため、利用者数増加に伴う負荷分散や利用者満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、引き続き設備の先行投資を継続的に行ってまいります。
③ 多様な売買データの整備・拡充
当社グループが保有するネットオークション・ネットショッピングを中心とする約10年分の売買データは、分析・加工を経て当社グループユーザに利用されております。これらのデータは個人・法人を問わず、利用者の増加とともに、その利用方法も多岐にわたってきております。当社グループでは、これらのユーザニーズの多様化に応えられる分析ノウハウ・加工技術を加速度的に向上させるため、引き続き専門部署においてこれらのデータの整備を積極的に進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、インターネットを活用したEC関連市場及びインターネットメディア事業を主たる事業領域としていることから、インターネットの更なる普及が成長のための基本的な条件と考えております。
日本国内におけるインターネット利用人口は継続的に増加し、今後も一層増加するものと想定されますが、今後の動向は不透明な部分があります。急激な普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因等によって、インターネットの利用者数やインターネット市場規模が順調に成長しない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社はヤフー株式会社等が運営するインターネットオークション市場の商品情報及び価格情報の提供をユーザー向けに行っており、課金による収入を主たる事業としております。したがって、インターネットオークション市場運営者の動向により当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
インターネット業界は、技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて早いことが特徴の一つであり、新たなテクノロジーを基盤としたサービスの新規参入が相次いで行われております。当社グループは、このような急速に変化する環境に柔軟に対応すべく、オープンソースを含む先端的なテクノロジーの知見やノウハウの蓄積、更には高度な技能を習得した優秀な技術者の採用を積極的に推進していく方針であります。
しかしながら、先端的なテクノロジーに関する知見やノウハウの蓄積、技術者の獲得に困難が生じる等、技術革新に関する適切な対応が遅れ、当社グループの技術的優位性やサービス競争力の低下を招いた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、複数のマーケットプレイスの運営をしており、主たる収益はマーケットプレイスの収入であります。2021年9月期における売上高(8,384,968千円)に占める比率は60.1%(5,043,092千円)であり、マーケットプレイス収入への依存度が高い状況にあります。今後、新たな法的規制の導入や予期せぬ事象の発生等により、サイトの利便性の低下による利用者数の減少や、サイト運営が困難となった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、利用者のニーズに対応するため、当社グループが運営する各サイトの機能の拡充を進めております。
しかしながら、今後、有力コンテンツの導入や利用者のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充ができず利用者に対する訴求力が低下した場合には、サイト利用者数の減少により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが運営するサービスの利用者の多くは、特定の検索エンジンからの集客、又はインターネット広告からの訪問であり、今後も検索エンジンからの集客施策及びインターネット広告の配信を実施していく予定です。
しかしながら、検索結果を表示する検索エンジンのアルゴリズムが大幅に変更される等の事象が発生した場合、検索エンジンからのユーザー集客が減少すること及び適切なインターネット広告の配信が出来なくなる可能性が発生し、これらに対応するため追加的な費用等の発生や当社グループが運営する各サイトへの集客数が減少し、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの課金サービスについては、その利用料金の回収を回収代行業者に委託しております。当社は特定の回収代行業者に依存しているわけではありませんが、特にGMOペイメントゲートウェイ株式会社への委託が大きく、売上に占める割合も高くなっているため、今後取引条件等に変更があった場合、委託先のシステムトラブルにより決済に支障が生じた場合、委託先の経営状況や財政状態が悪化した場合、その他何らかの理由により委託先との取引関係が継続できない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
『aucfan.com』において利用者に提供している価格等の商品情報及び価格情報は、各ECサイトから公開されている商品情報及び価格情報を整理統合し、統計学的補正を施したものです。当社では、各ECサイトとは良好な関係を築いており本書提出日現在当社との関係において問題はないと認識しておりますが、今後、各ECサイトの戦略方針の変更等何らかの理由により商品情報及び価格情報の取得が困難になる場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、インターネットメディア事業やEC事業を展開しておりますが、当該分野においては、大手企業を含む多くの企業が事業展開していることもあり、競合が現れる可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのサービス提供では、サーバーを経由して当社グループが運営するサイトの利用者にサイト機能やサービスを提供しております。また、サーバー運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を外部に委託するとともに、クラウド上のサーバーを併用しております。
しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウィルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバーへの過剰負荷、人為的ミス等あらゆる原因によりサーバー及びシステムが正常に稼働できなくなった場合、あるいは当社グループが過去に蓄積してきた商品情報及び価格情報が消失した場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。
当社グループでは上記のような場合に備え、当社内においても商品情報及び価格情報を保存しており、当社及びデータセンターで保存することで対策を図っております。
当社グループでは上記のような対策を行っておりますが、それにもかかわらず何らかのシステム障害・通信トラブルにより当社グループのサービスが停止した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、継続的なサーバー等のシステムインフラへの設備投資が必要であると認識しております。設備投資によりシステムインフラを増加したものの、想定していた利用者数及びアクセス数を下回った場合には、稼働率の低下となり、減価償却費等の費用の増加を吸収できず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、インターネット上の事業展開において各種法的規制等を受けており、その主な内容は以下のとおりであります。
同法におけるアクセス管理者として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。
営利団体等が、個人(送信に同意した者等を除く。)に対し、広告・宣伝の手段として電子メールを送信する場合に、一定の事項を表示する義務等が課されております。当社グループは、会員向けメールマガジン等の配信においては、その送信につき事前に同意した会員等に対してのみ配信する方針を取っております。
当社グループの事業に関わる法的規制として、消費者保護に関して「特定商取引に関する法律」があり、規制を受けております。
同法における関係事業者の責務として、青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくするための措置を講ずるとともに、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に資するための措置を講ずるよう努めることが課せられております。
上記以外にも、一般消費者を対象とした「消費者契約法」の適用を受けるほか、有料会員の募集及び広告の取扱いに際して「不当景品類及び不当表示防止法」の適用を受けております。
近年、インターネット上のトラブル等への対応として、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されている状況にあり、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等による規制や既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、その場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業運営に際して、当社グループのサービスを利用する会員にIDの登録を依頼しており、当社グループのデータベースサーバーには、個人情報がデータとして蓄積されております。
これらの情報については、当社グループにおいて守秘義務があります。このため当社においては個人情報の保護の徹底を図るべく、個人情報に関する個人情報管理基本規程を作成し、当社が取得・保有する個人情報の取扱方法、個人情報データベースへのアクセス制限及びアクセスログの管理について定めるとともにISMSの取得を行うなど、個人情報の漏出を防止するための方策を実施しております。具体的には、当社が知り得た情報については、当社のシステム部門を中心に、データへアクセスできる人数の制限等の漏洩防止策が講じられております。
しかしながら、当社が実施している上記方策にもかかわらず、当社からの個人情報の漏出を永久かつ完全に防止できるという保証はありません。
今後、当社グループの保有する個人情報データベースへの不正侵入や人為的ミス等を原因として、当社グループが保有する個人情報が万が一社外に漏出した場合には、当社グループの風評の低下による当社グループを経由した売買件数及び会員数の減少、当該個人からの損害賠償請求等を招く可能性があり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、知的財産権の保護をコンプライアンスの観点から重要な課題であると認識しております。
当社では管理部門である経営管理部により、知的財産権の管理体制を強化しておりますが、当社グループの知的財産権が侵害された場合、解決までに多くの時間及び費用が発生する等、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの属する市場がさらに成長し、ITの進展とあいまって、事業活動が複雑多様化するにつれ、競合も進み、知的財産権をめぐる紛争件数が増加する可能性があります。このような場合、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求、又は当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは小規模組織であり、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制となっております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいて優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であります。新入社員及び中途入社社員に対する研修の実施をはじめ、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたし、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は2007年6月に設立され、未だ業歴が浅く成長途上にあります。したがって過去の財務情報だけでは今後の事業及び業績を予測するうえで十分な判断を提供しているとは言えない可能性があります。
当社代表取締役である武永修一は、事業の立案や実行等会社運営において重要な役割を果たしております。当社グループといたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが展開する事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の悪影響を即時かつ直接的に受けることは極めて限定的であり、本書提出日現在、事業及び業績に大きな影響を及ぼす事項はございません。しかしながら新型コロナウイルス感染症の終息時期は依然として不透明であり、最終的な影響については予測が非常に困難であること、世界経済がより深刻な状況へ悪化した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の調達資金の使途については、主に運営するBtoB並びにBtoCサイトにおける仕入れ、プロモーション活動等による広告宣伝費、データ・ユーザー数増加のためのサーバー機器等の増設、サイト機能向上のためのソフトウエア開発、及び事業の拡大にかかる人材採用費等に充当する計画となっております。しかしながら、インターネット関連業界その他事業環境の変化に対応するために、調達した資金が計画どおり使用されない可能性があります。また、計画どおりに使用された場合でも、想定どおりの効果を得られず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社は本書提出日現在、成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先するとともに、当期につきましては新型コロナウイルス感染症に伴う急激な市場の変化が発生した場合に備えたこともあり、創業以来2021年9月期まで無配当としてまいりました。
現在は内部留保の充実に努めておりますが、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を実施する方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
当社グループは、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が行使された場合には、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、2019年11月28日開催の取締役会において、当社取締役(社外取締役を除く)、当社執行役員及び従業員並びに当社子会社の取締役、執行役員及び従業員に対して譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議いたしました。
譲渡制限付株式報酬制度は、現時点において株式を割当てておりませんが、これらの株式が新株式発行により付与された場合、ストックオプション制度と同様に当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日の前月末(2021年11月30日)現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、593,400株であり、発行済株式総数10,549,400株の5.6%に相当します。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、当社と連結子会社4社で構成されております。当社グループは「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティとし、社会の様々な「RE」を統合した唯一無二のインフラを構築していくという考えのもと、祖業である価格比較メディア(aucfan.com)の運営から、BtoBの卸プラットフォーム(NETSEA)、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援サービス(ReValue(※1))など、「RE」に関わるサービスにて事業拡大してまいりました。
近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円(※2)規模と推定されており、海外においてもBtoB卸売分野でのユニコーン企業が誕生するなど、新たな潮流を観測しています。
また、SDGs(※3)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、国内でも年間約22兆円(※4)規模に達すると試算しております。さらにはEC化率の増加に伴い、返品市場も今後拡大すると考えられております。
これに対して、オークファングループは卸売市場におけるSMB(中小企業・個人事業主)を中心としたデジタルトランスフォーメーション(DX)化の遅れに注目し、本事業年度は廃棄ロスの削減を課題とした取り組みを進めてまいりました。
具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化する在庫価値ソリューション、SMB(中小企業・個人事業主)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援する商品流通プラットフォームを用いて、在庫流動化支援ソリューションを展開してまいりました。卸売市場では今後DX化が必要不可欠であることを再認するとともに、廃棄ロス市場ではリバースロジスティクス(返品物流)分野におけるリーディングカンパニーとなる絶好の機会と捉え、事業を推進しております。
当連結会計年度では、商品流通プラットフォーム事業の中核であるNETSEA、NETSEオークションがコロナ特需後もGMV(流通額)の高成長が続き、今後も成長が継続されることを考え、事業の選択と集中並びに注力事業への先行投資を実施いたしました。
「在庫価値ソリューション事業」は、データを基にAI技術を活用し在庫の価値を可視化することにより、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』となり、主たる収益源は有料課金収入となります。その他、EC販売支援サービス『タテンポガイド』の提供、2021年2月には、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』の提供を新たに開始しております。なお、小売業の経営課題を解決する在庫管理AIソリューション『zaicoban(ざいこばん)』は、ターゲットとする大手企業への導入にリードタイムを要し売上見込が遅延していることを受け、当社グループの強みであるSMB(中小企業・個人事業主)向けに活用する戦略に変更し、サービスを終了しております。これらの結果、売上高1,816,119千円(前年同期比6.0%減)、営業利益338,714千円(前年同期比7.9%減)となりました。
「商品流通プラットフォーム事業」は、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、複数のマーケットプレイスの運営や流通を加速させる人材育成スクールの運営等を実施しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 リバリューBtoBモール)』、副業・複業として物販ビジネスを行なう事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』がございます。主たる収益源は、NETSEAでは流通手数料収入及び有料課金収入、NETSEAオークションでは商品販売収入となります。なお、当期より顧客ターゲットを当社グループの強みであるSMB(中小企業・個人事業主)向けに変更したことに伴い、寄付型ショッピングサイト「otameshi(オタメシ)」はサービス運営を終了いたしました。
『NETSEA(ネッシー)』及び『NETSEAオークション(旧 リバリューBtoBモール)』を中心として、流通量・利用者の増加が好調に推移しており、さらなる流通額最大化を狙った営業・開発体制の強化及びプロモーションを実施いたしました。また、法人向け卸販売において、債権未回収等の一時的な費用が発生いたしました。
これらの結果、売上高5,043,092千円(前年同期比15.0%増)、営業損失259,441千円(前年同期は282,895千円の営業利益)となりました。
「インキュベーション事業」は、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益、投資先企業へのコンサルティング収益となります。なお、当セグメントでは将来成長の基盤となる新規事業の開発等も実施しております。営業投資有価証券の売却及び投資先企業へのコンサルティング等を実施した結果、売上高1,708,458千円(前年同期比34.5%増)、営業利益874,969千円(前年同期比73.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は8,384,968千円(前年同期比12.7%増)、営業利益は578,667千円(前年同期比25.8%減)、経常利益は621,226千円(前年同期比22.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は177,553千円(前年同期比58.0%減)となりました。当連結会計年度の自己資本当期純利益率に関しましては2.6%(前年同期比4.9ポイント減)となりました。
※1 2021年8月より、サービスの一部である「ReValueBtoBオークション」を「NETSEAオークション」に名称変更
※2 経済産業省 2021年7月30日発表 電子商取引に関する市場調査より推察
※3 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※4 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
資産の部
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、7,638,182千円(前連結会計年度末は11,918,031千円)となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金が391,879千円増加した一方で、受取手形及び売掛金が214,860千円減少、投資先株式の時価評価等により営業投資有価証券が4,298,410千円減少した結果であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、849,102千円(前連結会計年度末は1,213,044千円)となりました。主な要因といたしましては、ソフトウエアが189,816千円減少、のれんが89,256千円減少、繰延税金資産が24,278千円減少した結果であります。
負債の部
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、2,241,972千円(前連結会計年度末は2,651,702千円)となりました。主な要因といたしましては、未払金が123,857千円増加した一方で、未払法人税等が368,893千円減少、買掛金が87,308千円減少、短期借入金が133,332千円減少した結果であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、787,270千円(前連結会計年度末は2,389,861千円)となりました。主な要因といたしましては、投資先株式の時価評価により繰延税金負債が1,280,797千円減少、長期借入金が319,976千円減少した結果であります。
純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、5,458,041千円(前連結会計年度末は8,089,511千円)となりました。主な要因といたしましては、利益剰余金が177,553千円増加した一方で、投資先株式の時価評価によりその他有価証券評価差額金が2,766,127千円減少した結果であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より391,879千円増加し、3,096,874千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益359,412千円、減価償却費232,139千円、減損損失275,657千円、売上債権の減少額222,222千円、営業投資有価証券の減少額276,795千円、貸倒引当金の増加額272,698千円などの計上に対し、仕入債務の減少額83,597千円、法人税等の支払額599,726千円などにより、営業活動の結果獲得した資金は1,125,821千円(前年同期は788,225千円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
貸付金の回収による収入11,125千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入5,902千円などの計上に対し、無形固定資産の取得による支出265,922千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出20,435千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出19,969千円などにより、投資活動の結果使用した資金は276,757千円(前年同期は287,410千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の返済による支出133,332千円、長期借入金の返済による支出327,786千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出43,200千円などの計上に対し、太陽光発電及び蓄電池に関する取引による手数料の受取額49,894千円により、財務活動の結果使用した資金は456,389千円(前年同期は849,145千円の獲得)となりました。
なお、当社グループの運転資金及び設備投資資金は自己資金並びに借入金等により充当しております。当連結会計年度末の有利子負債残高は1,704,406千円となり、前連結会計年度末に比べ472,197千円減少しており、自己資本比率は64.2%と依然として高い水準を維持しております。
資金の流動性に関しましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,096,874千円と十分な流動性を確保しております。
当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループでは概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
3.営業投資有価証券の売却による売上金額を記載しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
当連結会計年度における売上高は8,384,968千円(前年同期比12.7%増)、営業利益は578,667千円(前年同期比25.8%減)、経常利益は621,226千円(前年同期比22.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は177,553千円(前年同期比58.0%減)となりました。
なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
当社グループにおける運転資金需要の主なものは、仕入費用、販売費及び一般管理費の営業費用による営業資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達となります。
当社グループの事業に関連するEC市場規模については、消費者向け(BtoC-EC)及び企業間(狭義BtoB-EC)市場規模においても好調な拡大が今後も継続的に見込まれるものと思われます。
近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円(※1)規模と推定されており、海外においてもBtoB卸売分野でのユニコーン企業が誕生するなど、新たな潮流を観測しています。
また、SDGs(※2)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、国内でも年間約22兆円(※3)規模に達すると試算しております。さらにはEC化率の増加に伴い、返品市場も今後拡大すると考えられております。
2021年9月期においては、商品流通プラットフォーム事業の中核であるNETSEA・NETSEAオークションにて、コロナ特需後もGMV(流通額)が前期比136%(※4)と高成長を続けており、この成長を一層加速させるため、当社グループの強みであるSMB(中小企業/個人事業主)をターゲットとした「NETSEA」、「NETSEAオークション」「aucfan」を注力事業とし、大企業向け・個人向けのサービスからは撤退いたしました。
2022年9月期もさらなる積極投資を継続し、BtoB卸売市場、リバースロジスティクス分野にて圧倒的な地位を確立するべく、事業を推進してまいります。
当社グループの成長モデルとして、商品流通プラットフォーム事業ではGMV(流通額)及び売上総利益、在庫価値ソリューション事業ではARR(課金額)及び売上総利益を重要指標として定め、各々を伸ばしてまいります。
今後もサプライヤー成長コンサルティング、海外バイヤーとの連携による新市場の開拓、物流関連業務の提供、グループ間シナジーの強化及び在庫流動化ソリューションサービスの提供により、更なる成長を図ります。また、創業来オークファンが蓄積し続けてきた膨大な商品実売データも活用し、企業のもつ滞留在庫・余剰在庫の価値を可視化し、より積極的に市場再流通を促すことで、当社グループ経由の流通額の拡大を図ってまいります。
商品流通プラットフォームにおきましては各サービスにおける流通高の増加をKPIとしており、掲載商品数の増加(サプライヤーの開拓)を図るべく各種プロモーション強化施策を展開することにより、更なる成長を図ります。
在庫価値ソリューション領域におけるメディア『aucfan.com』においてはUV(ユニーク・ビジター)及び会員数がKPIであります。今後も引き続きプロモーション強化施策、SEO対策、ECサイト各社とのアライアンス強化などによるユーザー(オークファンプロPlus会員数含む)の拡大、運営ノウハウの提供により更なる成長を図ります。
各種商品関連データ蓄積においては、取得件数と対応マーケットプレイス数がKPIであります。今後も引き続きクローリング/スクレイピング技術、データマイニング技術、機械学習などを活かした分析ツールの提供により、更なる成長を図ります。
インキュベーション領域では投資利回り及び情報収集がKPIであります。今後もベンチャー企業を中心とした投資を進めるとともに、当社グループを取り巻く市場環境の最新テクノロジー等の情報を収集してまいります。
当社グループは「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティとし、社会の様々な「RE」を統合した唯一無二のインフラを構築していくという考えのもと、事業を推進しております。「RE」とは、すでにあるものを捉え直し、より良く組み替え、再構成するという意味を含んでおり、当社グループは「RE」に関する様々な機能を繋げ統合することで、モノとそれに関わるヒトの価値を、再配分・最適配分し、廃棄ロスという深刻な社会問題を解決することにより、当社グループのサービス利用者及び顧客の満足度向上を図り、企業価値・株主価値の向上を目指しております。
※1 経済産業省 2021年7月30日発表 電子商取引に関する市場調査より推察
※2 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※3 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
※4 NETSEA・NETSEAオークションにおける流通額。感染症対策グッズ流通を除く実力値にて計算
該当事項はありません。
在庫価値ソリューション事業は、700億件を超える「商品売買の実売価格」に基づく多面的なデータ解析を行なっており、ユーザーにとって有益な情報を提供するため、日々研究を続けております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動に関わる費用の総額は、