文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、当社グループのミッションとして「未来をつくろう / Discover Something New.」を掲げ、お客様の成功に向かい、事業・マーケティング上の課題の抽出、解決策の企画、実行案の提示等、ゴールに向かうための未来をつくるグループとして、事業運営しております。また、ビジョンとして「やればいいじゃん! / Just go for it!」を、グループとしてチャレンジをし続けるために目指すべき姿として掲げております。
その実行にあたり、社員には「Road of Growth」として、信念・考え方・行動指針を記し、その実現を目指して推進しております。
その上で、顧客、株主、従業員、社会などあらゆるステークホルダーから常に信頼される経営を行い、持続的な成長をし続けることによって、広く社会に貢献する事業やサービスを通して「未来をつくる」企業グループを目指します。
当社グループでは、持続的な企業価値向上が株主に対する責任であり、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでのROEを最重要経営指標として位置付けておりますが、現在は成長段階であり、株主の成長期待に応えるべく、売上高成長率、経常利益率をも意識した経営に取り組んでまいります。
当社グループは、2020年に発生・拡大した新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、「デジタルトランスフォーメーション」をキーワードにデジタルマーケティング領域を中心に投資を実施し、先行きが不透明な状況を乗り切るとともに、今後の更なる成長に向けた体制を整備してまいりました。
その上で、2021年以降につきましては、グループ全社におけるデジタルシフトを推進するため、「DX ACTION」として、データマーケティングソリューションサービスの強化、業務プロセス、システム等の見直しによる生産性の向上、外部企業とのデジタルマーケティング分野における業務提携の推進、インバウンド・セールスデータのリアルタイム分析、新領域として取り組んでいるD2Cビジネス支援サービスの強化、顧客のデジタル課題に特化して対応する専門部署の設置等、積極的に各施策に取り組むことで、ビジネスモデルの進化、事業領域の拡大を推進してまいります。
また、2021年1月に子会社化した株式会社ドゥ・ハウスと消費者ネットワークの連携等によるデジタルマーケティング領域の事業連携を推進してまいります。
さらに、2021年2月15日に開示しております「事業セグメント変更に関するお知らせ」のとおり、2021年につきましては、市場環境の急速な変化の中、当社グループの事業領域の中で成長領域を「デジタルマーケティング事業」と明確化することで、総合マーケティング企業として、さらなる企業価値の向上を進めてまいります。
その結果、2021年1月~12月の業績見通しにつきましては、売上高21,500百万円(当期比34.5%増)、営業利益1,250百万円(同26.8%増)、経常利益1,235百万円(同14.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益757百万円(同62.2%増)を見込んでおります。
なお、2021年2月15日に開示しております「決算期(事業年度の末日)の変更及び定款一部変更に関するお知らせ」に記載のとおり、決算期を毎年12月31日から毎年6月30日へ変更を行うこととしております。しかしながら、次期2022年6月までの業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症の影響等の今後の見通しが不透明な中、12ヶ月を超える期間において合理的な業績見通しを積み上げることが困難なため、現時点においては公表しておりませんが、合理的な検討・策定が可能になった段階で公表することとしております。その上で、現時点におきましては2021年1月~12月の業績見通しについて記載しております。
当社グループは、顧客、株主、従業員、社会などあらゆるステークホルダーとの良好な関係を維持するとともに、更なる成長に繋げるため、以下の施策を実行してまいります。
(人材の確保、育成)
当社グループの手がけるリサーチ事業・ITソリューション事業は、技術及び業界基準の急速な変化に左右される状況にあり、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想され、適時適切に対応する必要があります。また、当社グループの事業については大きな参入障壁がないことから、類似する事業を提供している事業者の事業規模の拡大が進み、今後も激しい競争下におかれるものと考えております。
当社グループがかかる課題を解決し、今後も更なる成長を遂げるためには、営業力、企画力、構想力、開発力、統計知識など様々な能力を有する優秀な人材を確保し、育成していくことが急務であると考えております。
人材採用については、優秀な即戦力を確保するため、新卒採用、中途採用を積極的に行ってまいります。また、海外への進出にあたり、ビジネス開発や各エリアにおける事業開発・管理統括を担う人材の採用も進めております。
さらに人材育成については、スキルアップのための全社員に対するマーケティングに関する研修の実施や、各部門において必要な専門的な研修を引き続き実施していくとともに、人事評価制度や給与制度を当社グループの組織規模に合せて適宜見直しすることで、社員のモチベーションの向上を図ってまいります。
また、執行役員制度を導入し、責任と権限を委譲しながら次世代の経営層の育成を行っていくとともに、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を確保することを目的として、経営トップの後継者計画についても、取締役会を中心としながら、グループ全体として適切に計画を立案し、実行してまいります。
当社グループが継続的な成長を実現させるためには、海外の拠点、子会社を含むグループ全体におけるコーポレートガバナンス機能、内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
当社のコーポレートガバナンスについては、内部監査による定期的なモニタリングの実施と監査等委員や監査法人との連携を図ることにより適切に実施しておりますが、各ステークホルダーに対して経営体制における適切性、健全性を確保しつつ、外部環境等の変化に適切に対応するため、意思決定の機動性確保や事業展開に応じた組織体制の整備を進めることにより、グループ全体として内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
以下において、当社グループの手がけるリサーチ事業、ITソリューション事業等の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に記載しております。
a.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動
① システム開発について
当社グループは、システムに関わる投資を定期的に行っております。システム開発にかかわる他社の知的財産の侵害につきましては、事前調査の徹底、オープンソースの利用徹底など十分注意を払っており、業績に影響を与えるリスクはきわめて低いと考えておりますが、システム開発の遅延・トラブル等が発生した場合、開発コストが増大するなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② のれんの減損について
当社グループが実施しているM&A等においては、将来にわたり安定的な収益力を確保できることを十分に検討し買収しておりますが、将来、計画通りに収益を確保出来ない場合には、のれんに係る減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。
③ 為替レートの変動リスクについて
当社グループの海外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されるため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。また今後、外貨建ての取引が増加し、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 自然災害、感染症等の発生について
当社グループは、自然災害や突発的な事故または新型コロナウイルス感染症など重篤な感染症が流行した場合には、本社、各グループ会社等の拠点の事業活動に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、国内・海外において渡航制限、行動制限が発生した場合には、営業活動、案件実査の実施等が困難な状況になること等により、業績に影響を与える可能性があります。
b.特定の取引先・製品・技術等への依存
⑤ サービスの陳腐化について
当社グループの手がける各事業は、商業活動に関連する技術及び業界基準の急速な変化に左右される状況にあります。また、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想されます。これらの状況変化に対し、当社グループが適時適切に対応できなくなった場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 競合について
当社グループの手がける各事業においては、当社グループと類似する事業を提供している事業者の事業拡大や参入が相次いでいる一方、リサーチ事業においては調査案件の大型化や価格競争に対応するため、M&Aを含めた事業者の統合が進行しています。かかる状況は、当社グループの事業につき、大きな参入障壁がないことが一因となっており、今後も激しい競争下におかれるものと予想されます。当社グループの目論見どおり業績が推移しない場合、かつ効率的に対応できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑦ システム障害について
当社グループの事業はインターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等のシステム障害が発生する可能性があります。その場合、当社グループの営業は不可能となります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的損害が生じるほか、当社グループのサーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引の停止等については、当社グループのシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 登録モニターの活用について
リサーチ事業において、関連会社である㈱リサーチパネルの登録モニターを主に利用しており、現時点におきましては、当社は当該登録モニターを独占的に利用しております。㈱リサーチパネル及びその親会社である㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)とは、事業及び資本提携を通じて信頼関係を築いておりますが、何らかの事情により、㈱リサーチパネルの登録モニターの利用が困難な状態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.特有の法的規制・取引慣行・経営方針
⑨ 人材確保について
当社グループの人材採用にあたっては、各業務分野における専門能力、及び組織マネジメントの観点から、良好な対人関係を構築する能力を極めて重視しております。また、育成・評価制度の充実により、社員の能力向上とモチベーションの向上を重要施策として掲げております。経済環境好転に伴う人材獲得競争の激化や人材育成が順調に進まない等の理由により、当社グループの事業の成長が阻害される可能性があります。
⑩ 海外展開におけるリスクについて
当社グループは2012年12月期の中国(上海)進出以降、積極的に海外市場における事業の拡大をはかっております。海外展開におきましては、各地域特性によるビジネスリスクに加え、知的財産権に関するリスク、為替リスクなど多岐にわたり存在します。これらのリスクを最小限にすべく充分な検証を行うとともに、組織体制を整え、対策を講じたうえで海外展開を進めておりますが、各国における政治的要因、経済的要因及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 個人情報の流出の可能性及び影響について
当社グループの手がけるリサーチ事業においては、アンケート回答者の個人情報を取得することがあります。個人情報の適切な取得・管理・運用を行うため、㈱クロス・マーケティング、㈱リサーチパネル及び㈱メディリードは(財)日本情報処理開発協会が運営するプライバシーマーク制度の認定事業者となっております。
⑫ 配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題のひとつとして認識しております。事業投資やキャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案しながら、配当による株主への利益還元に努めることを基本方針としております。
しかしながら、本リスク情報に記載のない事項を含め、事業環境の変化、キャッシュ・フローの状況等により、当社の業績が悪化した場合には、継続的に配当を行えない可能性があります。
d.重要な訴訟事件等の発生
⑬ 訴訟等に関するリスクについて
当社グループの手がけるITソリューション事業においては、顧客からウェブサイトやモバイルサイトの制作を受託し、契約内容に従い定められた期日までにサービスを完了し納品する事業を行っております。
しかしながら、開発や制作の遅れによる納期の遅延や、納品後の瑕疵が生じた場合には、費用が増大する可能性や当社グループの責めに帰する場合には違約金等損害賠償が発生する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
e.役員・大株主・関係会社等に関する重要事項
⑭ 事業拡大における重要な関係会社の異動について
当社グループは、継続的な成長を目指すに当たり、主に海外への事業展開をM&Aや新規子会社設立等により推進しております。M&A等における資金調達については、自己資金または金融機関からの借入金等を利用しており、借入金の残高が増加する可能性があります。また、M&A等により重要な関係会社の異動があった場合、当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。
f.その他
該当事項はありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、それに伴う緊急事態宣言発令等制限措置により歴史的な落ち込みを記録し、緊急事態宣言が解除された後は徐々に経済活動が再開されたものの、同感染症の再拡大や収束時期が不透明なことから厳しい状況で推移しました。世界経済におきましても、徐々に経済活動を再開した地域もあるものの、海外主要都市の多くで経済活動が大幅に制限され、国内外ともに厳しい経済環境となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは同感染症の影響を踏まえ、全てのステークホルダーの安全と事業の継続性の確保を最優先とし、リモートワーク環境の整備等の推進、不要不急の支出の削減を実施するとともに、持続的な成長を実現するため、各セグメントにおけるデジタルシフトの推進、成長領域における事業拡大、収益力強化に向けた投資、さらなるグループシナジー追求等を継続して行いました。
その結果、当連結会計年度における売上高は15,985百万円(前年比14.0%減)、営業利益は986百万円(同22.2%減)、経常利益は1,078百万円(同6.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は467百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純損失477百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度のリサーチ事業の国内・海外の事業会社は、新規顧客開拓及び既存顧客の深耕を進め、各種マーケティングリサーチサービスの提供を行いました。国内子会社におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大や、それに伴う緊急事態宣言発令により、顧客企業の事業活動が制限されたことからオフライン調査を中心に調査案件数が大幅に減少したものの、緊急事態宣言解除後、第3四半期以降は徐々に回復いたしました。その結果、国内リサーチ事業の当連結会計年度の売上高は前年同期を下回る結果となりました。
海外子会社におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う都市封鎖等の措置も一部地域で経済活動が再開されたものの、多くの各国主要都市で都市封鎖措置・外出規制等が継続して実施され、海外拠点の多くで営業活動、事業活動が大きく制限されました。その結果、海外子会社の売上高は前年同期を大きく下回る結果となりました。
リサーチ事業全体の売上高としては、国内・海外ともに減少したことにより、セグメント利益についても前年を下回る結果となりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は12,481百万円(前年同期比16.5%減)、セグメント利益は(営業利益)2,039百万円(前年同期比9.3%減)となりました。
(ITソリューション事業)
ITソリューション事業については、主力の株式会社クロス・コミュニケーション(以下、CC社)を中心に、新型コロナウイルス感染症の影響がある中、案件受注活動を進めるとともに、外部企業との業務提携等を積極的に行い、新領域へのサービス拡大に努めました。そのような環境の中、CC社においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や大型案件へのリソース集中や、上期における受注活動が一部制限された等により、厳しい状況が続いたものの、第3四半期以降は案件受注も堅調に推移し、第4四半期については前年を上回る売上高を計上いたしました。また、IT系人材ビジネスを行う株式会社Fittioにおいては登録者数の増加により、同社における売上高・利益はともに前年同期を上回る結果となりました。
ITソリューション事業全体の売上高については、前年同期とほぼ同水準の結果となったものの、セグメント利益(営業利益)につきましては、上期の大型案件対応等の影響により、前年を下回りました。
その結果、当連結会計年度における売上高は3,458百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益(営業利益)は194百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業は、「プロモーション事業」を行っている株式会社ディーアンドエムを中心にプロモーションサービスの販売・提供をしております。同事業においては、リサーチ事業、ITソリューション事業とのグループ内連携及び営業体制の強化、並びに前期から継続して行っているWEBマーケティング・プロモーション関連サービスを提供している企業との業務提携・サービス連携を推進するとともに、既存商品の強化に努めました。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、既存の営業手法による営業活動が厳しい状況にあることから、WEBセミナー等を活用したコンテンツマーケティングやインバウンド営業の強化に努めました。また、同感染症の影響により顧客のネットシフトが加速した結果、同事業の売上高は前年同期を上回る結果となりました。
セグメント利益につきましては、短期的な広告市場の過熱により媒体出稿単価(原価)が上昇したものの、売上高の増加もあり、前年同期とほぼ同水準となる結果となりました。
その結果、当連結会計年度におけるその他の事業の売上高は797百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益(営業利益)は103百万円(前年同期比2.3%減)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、資産については、流動資産が9,327百万円(前連結会計年度末比1,547百万円増)となりました。主な項目としては、現金及び預金5,218百万円、受取手形及び売掛金3,122百万円となっております。固定資産は2,089百万円(同58百万円減)となりました。残高の主な項目は、ソフトウェア319百万円、敷金587百万円、のれん169百万円となっております。その結果、総資産は11,416百万円(同1,489百万円増)となりました。
負債については、流動負債が4,995百万円(同222百万円増)となりました。主な項目としては、買掛金1,384百万円、短期借入金812百万円、1年内返済予定の長期借入金834百万円となっております。固定負債は2,827百万円(同1,094百万円増)となりました。主な項目としては、長期借入金2,642百万円となっております。その結果、負債は7,823百万円(同1,315百万円増)となりました。
純資産は3,594百万円(同174百万円増)となりました。主な項目としては利益剰余金が2,648百万円となっております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,218百万円(前連結会計年度末比2,505百万円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は、1,638百万円(前連結会計年度比1,001百万円増)となりました。主な要因は、法人税等の支払額402百万円の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益919百万円の計上、売上債権の減少額652百万円の計上、減価償却費175百万円の計上、助成金の受取額161百万円の計上による増加要因があったことによります。
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、366百万円(前連結会計年度は、302百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出291百万円、無形固定資産の取得による支出188百万円の減少要因があったことによります。
当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は、1,272百万円(前連結会計年度は、222百万円の減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出707百万円、配当金の支払額120百万円、自己株式の取得による支出100百万円の減少要因があった一方で、長期借入れによる収入2,200百万円の増加要因があったことによります。
当社グループでは、販売実績のほとんどが生産実績であることから、記載を省略しております。
当社グループでは、概ね受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績として、売上高は15,985百万円(前年同期比14.0%減)、営業利益は986百万円(同22.2%減)、経常利益は1,078百万円(経常利益率6.7%、前年同期比6.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は467百万円(前年同期は477百万円の損失を計上)、ROE(自己資本当期純利益率)は13.6%(前期は当期純損失計上のため数値無し)となりました。当社グループでは、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでのROEを最重要経営指標として位置付けておりますが、成長段階であることを鑑みて、売上高成長率、経常利益率を意識した経営に取り組んでおります。
2020年12月期における業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、日本国内においても緊急事態宣言が発出されるとともに、世界各地で都市封鎖等が実施されたため、経済活動の一時的な停滞がみられ、各事業において大きな影響を受けることとなりました。そのため、2020年12月期の業績予想は2020年6月30日に未定として修正することとしており、当初見通しに対する経営成績の分析は記載をせず、前年までの業績に対する分析といたします。
当社グループとして最重要経営指標として位置付けているROE(自己資本当期純利益率)は13.6%となりました。前期はKadenceグループ各社等にかかるのれんを減損損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失として477百万円となりました。当期については、一定の利益計上が出来ておりますが、2018年12月期が14.0%、2017年12月期も当期純損失の計上となっており、ROEの過去最高水準の計上となった2016年12月期の20.7%と比較すると水準値としては低下しております。しかしながら、コロナ禍での事業運営という外部環境を踏まえると、10%を超える水準となっており、一定の評価が出来ると考えております。
現在の当社グループのステージを踏まえて、売上高成長率についても重要指標としており、2020年12月期は前年比14.0%減となり、連結業績としては、前年を下回る結果となりました。国内リサーチ事業につきましては前年比7.1%減、ITソリューション事業は前年比1.3%減、その他の事業は4.3%増となりました。海外リサーチ事業を除く各事業は、一部、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、売上高が前年を下回る期間もありましたが、概ね堅調な進捗で推移し、日本国内における緊急事態宣言が解除された下期(2020年7月以降)については、回復傾向となりました。
しかしながら、海外リサーチ事業については、各国・各拠点において、日本と比較しても新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、都市封鎖を伴う措置が複数回にわたるなど、経済に与える影響も大きいものとなりました。このような状況において、顧客の獲得、案件の実施等を推進し、第2四半期については大型案件の売上計上により、前年同期並みの売上高となりましたが、2020年通期の同事業の売上高は前年比42.1%減と前年を大きく下回る結果となりました。
連結売上高15,985百万円(前年同期比14.0%減)という結果については、コロナ禍という特殊な外部環境において、堅調に推移した国内の各事業を踏まえても海外リサーチ事業が大きく減少したことを避けられなかったことについては、一定の課題として認識すべきと判断しております。今後の継続的なグループ全体での成長に向けては、海外リサーチ事業の各拠点の立て直しを進めるとともに、今後の成長の軸となる事業を適切に捉え、継続的な投資を実行していくことが必要であると判断しております。
売上高成長率とともに成長段階である状況を鑑みて、経常利益率も重要指標として位置付けており、2020年12月期の経常利益は1,078百万円(前年同期比6.2%減)、経常利益率は6.7%(前年同期比0.6pt増)となり、前年を上回る結果となりました。売上高については、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外リサーチ事業が大きく減収となったことを主な理由として前年を下回る水準となりましたが、経常利益は1,078百万円と前年をやや下回る結果となったものの、国内各事業の堅調な進捗と回復に加え、コロナ禍における対応として不要不急の支出の削減を進めたことにより、販売費及び一般管理費が前年同期と比較して552百万円削減(前年同期比9.4%減)出来たこと等により、経常利益率は6.7%(前年同期比0.6pt増)と一定の評価できる水準を残すことが出来たと考えております。
当連結会計年度末の財政状態は、資産については、流動資産が9,327百万円(前連結会計年度末比1,547百万円増)となりました。主な項目としては、現金及び預金5,218百万円、受取手形及び売掛金3,122百万円となっております。新型コロナウイルス感染症拡大に柔軟に対応していくため、借入の実行を行い、財務基盤の安定化を図ったことにより、現金及び預金が前期末と比較して2,505百万円増加(前期末比92.3%増)いたしました。安定的な財務水準になったことにより、継続的な成長のための投資を実行していく事ができる状況になったと考えております。
固定資産は2,089百万円(同58百万円減)となりました。残高の主な項目は、ソフトウェア319百万円、敷金587百万円、のれん169百万円となっております。その結果、総資産は11,416百万円(同1,489百万円増)となりました。連結子会社において収益見通しが見積もれなくなった固定資産・のれんについて、減損損失85百万円を計上したことにより、固定資産が前期末と比較して減少することとなりました。
負債については、流動負債が4,995百万円(同222百万円増)となりました。主な項目としては、買掛金1,384百万円、短期借入金812百万円、1年内返済予定の長期借入金834百万円となっております。固定負債は2,827百万円(同1,094百万円増)となりました。固定負債の主な項目としては、長期借入金2,642百万円となっております。その結果、負債は7,823百万円(同1,315百万円増)となりました。固定負債の減少の内、38百万円については、退職給付に係る負債の減少となっており、当該減少はリサートアンドデイベロプメント社がクロス・マーケティング社と合併したことにより、リサートアンドデイベロプメント社の退職金制度の終了に伴う打ち切り支給を実施したことによるものです。固定負債の増加については、資産の説明に記載のとおり、安定的な財務体制の維持と継続的な成長のための投資を実行していくために短期及び長期借入を実行いたしました。そのため、今期末時点の借入金(有利子負債)は4,288百万円と前期末と比較して1,467百万円増加(前期末比52.0%増)となりましたが、国内の事業会社を中心に安定的な営業キャッシュフローの獲得が出来ており、今後の返済・資金繰りについては問題無いと考えております。
純資産は3,594百万円(同174百万円増)となりました。主な項目としては利益剰余金が2,648百万円となっております。2020年3月に実施した自己株式の取得に伴い100百万円の減少はあるものの、当期の純利益の稼得による利益剰余金は増加しており、当連結会計年度末の自己資本比率は30.9%と前期末から2.5pt低下はしているものの、一定の水準で維持しており、財政状態において特段問題無いと判断しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により売上高が減少したものの、不要不急の支出の削減を実施した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,638百万円の資金の増加となりました。
また、下記「(資本の財源)」に記載の通り、長期借入金及び短期借入金合わせて2,700百万円の資金調達を実施した結果、財務活動によるキャッシュ・フローは1,272百万円の資金の増加となりました。
その結果、現金及び現金同等物の期末残高が2,505百万円増加しております。
2021年度については、現段階の計画において大規模な資本的支出の予定は無く、今後の資金需要については、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を実施いたします。
その他については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、当社グループのキャッシュフロー上、直ちに当該借入が必要な状況ではないものの、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による影響を鑑み、財務基盤の安定化を図るとともに、グループとして事業基盤を維持し、継続的な成長のための投資を実行していくことを目的として、長期借入金及び短期借入金合わせて2,700百万円を調達いたしました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,218百万円(前年同期比2,505百万円増)であり、有利子負債は主に金融機関からの借入金であります。なお、流動比率は186.7%であります。グループ全体として、一定の流動性は確保しており、現時点において懸念される点は無いと認識しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産及び負債、連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損の検討にあたり、管理会計上の区分を基礎として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しており、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえて、事業の継続性を維持するため、不要不急の支出の削減、リモートワーク環境の整備等を推進してまいりました。緊急事態宣言が再発令され、当社グループの事業活動への影響も想定されますが、前回の緊急事態宣言発令後の状況から鑑みて、今後の業績への影響は限定的なものであると仮定して、当連結会計年度の連結財務諸表ののれん及びその他の固定資産、並びに繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
また、現在入手可能な情報に基づいて会計上の見積り・判断を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況や影響については不確定要素が多いため、その状況によっては今後の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、特に注視すべき要因としては、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しがあると認識しております。日本をはじめとする先進国においては、2021年においてワクチンの接種等が進むとの予測されているものの、世界レベルでのワクチン接種時期については、一定の時間を要すると見込まれており、今後の経済に与える影響が不透明な状況となっております。そのため、収束時期等によって、今後連結業績に与える影響・リスクは一定程度存在すると認識しております。
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
経営上の重要な契約等は、以下のとおりであります。
(共通支配下の取引について)
当社の連結子会社である株式会社クロス・マーケティングは2020年10月1日付にて同じく当社の連結子会社である株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントを吸収合併いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(株式取得による企業結合について)
当社は、2020年12月24日開催の取締役会において、株式会社ドゥ・ハウスの株式及び新株引受権を取得し、事業連携する旨を決議し、同日付で株式譲渡契約・新株引受権売買契約いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。