第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループでは、当社グループのミッションとして「未来をつくろう / Discover Something New.」を掲げ、お客様の成功に向かい、事業・マーケティング上の課題の抽出、解決策の企画、実行案の提示等、ゴールに向かうための未来をつくるグループとして、事業運営しております。また、ビジョンとして「やればいいじゃん! / Just go for it!」を、グループとしてチャレンジをし続けるために目指すべき姿として掲げております。

その実行にあたり、社員には「Road of Growth」として、信念・考え方・行動指針を記し、その実現を目指して推進しております。

その上で、顧客、株主、従業員、社会などあらゆるステークホルダーから常に信頼される経営を行い、持続的な成長をし続けることによって、広く社会に貢献する事業やサービスを通して「未来をつくる」企業グループを目指します。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループでは、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでの収益力を図ることができるROE(自己資本当期純利益率)を、最も重要な経営指標として位置付けております。同時に、当社グループが成長段階であるとの認識に立ち、株主の収益成長期待に応えるべく、売上高成長率、営業利益率を意識した経営に取り組んでおります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2021年8月12日に公表いたしました中期経営計画「DX Action 2024」(以下、本中期経営計画)を中長期的な会社の経営戦略として事業を推進しております。

長期ビジョンとしては、「我々の目指す姿は、我々の強みである「生活者のWhy(なぜ)の解明」を通して、マーケティング領域において戦略立案からマーケティング施策の実践までを支援し、「パートナー」としてお客様のビジネスを成功に導くグループであること」と設定しております。

その上で、本中期経営計画におきましては「マーケティングDXパートナー」になることを指針として「我々は、デジタルの力を使い生活者に纏わるあらゆるデータの分析による“生活者理解”“Whyの解明”を通し、顧客のマーケティングソリューションの実践、及びマーケティングプロセス変革までを支援し、戦略立案から実行までワンストップサービスで顧客ビジネスを成功に導いていきます。」といたしました。

その上で、長期ビジョン及び中期経営計画の達成に向けて、当社グループで保有する資産・インフラを有機的・効率的に活用する仕組みと体制構築を推進し、各種事業の強化、投資、M&Aを通じてグループ全体の成長の加速を目指すこととしており、パネルネットワークのグループ共有化、新ビジネスモデルの構築、顧客基盤の活用、データアナリスト組織の活用、DX化、AIのビジネス活用等を推進してまいります。

事業セグメント毎の施策としては、成長を継続しており、市場規模の拡大が見込める事業領域での積極的な事業展開を軸に、デジタルマーケティング事業においては、サービスと業務のDX化推進するとともに、現在提供出来ていない領域へのサービス拡充等を適宜推進してまいります。データマーケティング事業においては、既存ビジネスモデルの高度化やクラウドBIツール提供のサービス標準化等、DXを軸にしたサービスの改善・強化を推進してまいります。インサイト事業においては、コンサル型リサーチサービスの提供、LTV(Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略、日本語訳は「顧客生涯価値」。一人、あるいは一社の顧客が、特定の企業と取り引きを始めてから終わりまでの期間内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの。)メソッドの開発への投資や官公庁、学校法人等への販売チャネルの拡大を進めてまいります。また、新規事業、M&Aの実施も想定しており、新規事業開発としては、小規模の新規事業を複数起ち上げながら、一定規模への拡大が見込めそうなタイミングで追加投資をし、グループ全体の成長につなげていく予定としております。M&Aについては、事業セグメント毎に目的・対象となる企業を想定しながら、積極的に投資の検討を実施してまいります。また、グローバル戦略としては、既存拠点の統廃合等を実施することで効率化を進めるとともに、最大市場であるアメリカ合衆国での成長投資を実施するとともに、現時点での未展開エリアについてもアジア、欧州を中心に展開可能性を模索してまいります。

本中期経営計画の数値目標として、2024年6月期終了時点において、時価総額300億円、連結売上高300億円、連結営業利益30億円を設定いたしました。上記記載の施策・取り組みを推進していくことで、数値目標の達成を目指してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、顧客、株主、従業員、社会などあらゆるステークホルダーとの良好な関係を維持するとともに、更なる成長に繋げるため、以下の施策を実行してまいります。

 

(人材の確保、育成)

当社グループの手がけるデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業は、技術及び業界基準の急速な変化に左右される状況にあり、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想され、適時適切に対応する必要があります。また、当社グループの事業については大きな参入障壁がないことから、類似する事業を提供している事業者の事業規模の拡大が進み、今後も激しい競争下におかれるものと考えております。

当社グループがかかる課題を解決し、今後も更なる成長を遂げるためには、営業力、企画力、構想力、開発力、統計知識など様々な能力を有する優秀な人材を確保し、育成していくことが急務であると考えております。

人材採用については、優秀な即戦力を確保するため、新卒採用、中途採用を積極的に行ってまいります。また、海外への進出にあたり、ビジネス開発や各エリアにおける事業開発・管理統括を担う人材の採用も進めております。

さらに人材育成については、スキルアップのための全社員に対するマーケティングに関する研修の実施や、各部門において必要な専門的な研修を引き続き実施していくとともに、人事評価制度や給与制度を当社グループの組織規模に合せて適宜見直しすることで、社員のモチベーションの向上を図ってまいります。

また、執行役員制度を導入し、責任と権限を委譲しながら次世代の経営層の育成を行っていくとともに、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を確保することを目的として、経営トップの後継者計画についても、取締役会を中心としながら、グループ全体として適切に計画を立案し、実行してまいります。

 

(コーポレートガバナンス、内部管理体制の強化について)

当社グループが継続的な成長を実現させるためには、海外の拠点、子会社を含むグループ全体におけるコーポレートガバナンス機能、内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。

当社のコーポレートガバナンスについては、内部監査による定期的なモニタリングの実施と監査等委員や監査法人との連携を図ることにより適切に実施しておりますが、各ステークホルダーに対して経営体制における適切性、健全性を確保しつつ、外部環境等の変化に適切に対応するため、意思決定の機動性確保や事業展開に応じた組織体制の整備を進めることにより、グループ全体として内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

(グループシナジーの発揮及びマネジメント体制の強化について)

当社グループは2022年6月30日時点で連結子会社30社、関連会社4社からなる企業集団として拡大してまいりました。これまでは全体の成長を推進していくために、グループ各社の部分最適を優先しながら各種施策の実施・強化を推進している面もありましたが、今後当社グループが成長をさらに加速させていくためには、グループシナジーを発揮し、全体最適を目指すために、マネジメントの意識の変化や体制・連携を強化・推進していくことが重要な課題であると認識しております。そのため、マネジメント人材の育成・強化やグループを横断したコミュニケーションの活性化等を通じて、当社グループの成長の加速、中長期的な企業価値の向上に向けて取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの手がけるデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に記載しております。

 

a.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

① システム開発について

当社グループは、システムに関わる投資を定期的に行っております。システム開発にかかわる他社の知的財産の侵害につきましては、事前調査の徹底、オープンソースの利用徹底など十分注意を払っており、業績に影響を与えるリスクはきわめて低いと考えておりますが、システム開発の遅延・トラブル等が発生した場合、開発コストが増大するなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② のれんの減損について

当社グループが実施しているM&A等においては、将来にわたり安定的な収益力を確保できることを十分に検討し買収しておりますが、将来、計画通りに収益を確保出来ない場合には、のれんに係る減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。

③ 為替レートの変動リスクについて

当社グループの海外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されるため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。また今後、外貨建ての取引が増加し、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

④ 自然災害、感染症等の発生について

当社グループは、自然災害や突発的な事故または新型コロナウイルス感染症など重篤な感染症が流行した場合には、本社、各グループ会社等の拠点の事業活動に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、国内・海外において渡航制限、行動制限が発生した場合には、営業活動、案件実査の実施等が困難な状況になること等により、業績に影響を与える可能性があります。

 

b.特定の取引先・製品・技術等への依存

⑤ サービスの陳腐化について

当社グループの手がける各事業は、商業活動に関連する技術及び業界基準の急速な変化に左右される状況にあります。また、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想されます。これらの状況変化に対し、当社グループが適時適切に対応できなくなった場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑥ 競合について

当社グループの手がける各事業においては、当社グループと類似する事業を提供している事業者の事業拡大や参入が相次いでいる一方、データマーケティング事業、インサイト事業においては調査案件の大型化や価格競争に対応するため、M&Aを含めた事業者の統合が進行しています。かかる状況は、当社グループの事業につき、大きな参入障壁がないことが一因となっており、今後も激しい競争下におかれるものと予想されます。当社グループの目論見どおり業績が推移しない場合、かつ効率的に対応できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑦ システム障害について

当社グループの事業はインターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等のシステム障害が発生する可能性があります。その場合、当社グループの営業は不可能となります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的損害が生じるほか、当社グループのサーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引の停止等については、当社グループのシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 登録モニターの活用について

データマーケティング事業、インサイト事業において、関連会社である㈱リサーチパネルの登録モニターを主に利用しており、現時点におきましては、当社は当該登録モニターを独占的に利用しております。㈱リサーチパネル及びその親会社である㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)とは、事業及び資本提携を通じて信頼関係を築いておりますが、何らかの事情により、㈱リサーチパネルの登録モニターの利用が困難な状態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.特有の法的規制・取引慣行・経営方針

⑨ 人材確保について

当社グループの人材採用にあたっては、各業務分野における専門能力、及び組織マネジメントの観点から、良好な対人関係を構築する能力を極めて重視しております。また、育成・評価制度の充実により、社員の能力向上とモチベーションの向上を重要施策として掲げております。経済環境好転に伴う人材獲得競争の激化や人材育成が順調に進まない等の理由により、当社グループの事業の成長が阻害される可能性があります。

⑩ 海外展開におけるリスクについて

当社グループは、積極的に海外市場における事業の拡大をはかっており、海外展開におきましては、各地域特性によるビジネスリスクに加え、知的財産権に関するリスク、為替リスクなど多岐にわたり存在します。これらのリスクを最小限にすべく充分な検証を行うとともに、組織体制を整え、対策を講じたうえで海外展開を進めておりますが、各国における政治的要因、経済的要因及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 個人情報の流出の可能性及び影響について

当社グループの手がけるデータマーケティング事業、インサイト事業においては、アンケート回答者の個人情報を取得することがあります。個人情報の適切な取得・管理・運用を行うため、㈱クロス・マーケティング、㈱リサーチパネル及び㈱メディリードは(財)日本情報処理開発協会が運営するプライバシーマーク制度の認定事業者となっております。

⑫ 配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題のひとつとして認識しております。配当による株主への利益還元を安定的に継続しながら、現在の旺盛な資金需要、今後の事業投資計画等に鑑み、「連結配当性向15%前後を目安に継続的な増配を実施」することとしております。

しかしながら、本リスク情報に記載のない事項を含め、事業環境の変化、キャッシュ・フローの状況等により、当社の業績が悪化した場合には、継続的に配当を行えない可能性があります。

 

d.重要な訴訟事件等の発生

⑬ 訴訟等に関するリスクについて

当社グループの手がけるデジタルマーケティング事業においては、顧客からシステム開発、ウェブサイトやモバイルサイトの制作を受託し、契約内容に従い定められた期日までにサービスを完了し納品する事業を行っております。

しかしながら、開発や制作の遅れによる納期の遅延や、納品後の瑕疵が生じた場合には、費用が増大する可能性や当社グループの責めに帰する場合には違約金等損害賠償が発生する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

e.役員・大株主・関係会社等に関する重要事項

⑭ 事業拡大における重要な関係会社の異動について

当社グループは、継続的な成長を目指すに当たり、主に海外への事業展開をM&Aや新規子会社設立等により推進しております。M&A等における資金調達については、自己資金または金融機関からの借入金等を利用しており、借入金の残高が増加する可能性があります。また、M&A等により重要な関係会社の異動があった場合、当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。

 

f.その他

該当事項はありません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

なお、当社は前連結会計年度において、決算期を12月31日から6月30日へ変更しており、前連結会計年度は2021年1月1日から2021年6月30日までの6ヶ月間となっております。そのため、前期比較は行っておりません。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ一部で持ち直しの動きがみられたものの、年度後半にかけては新たなウイルス変異株による感染再拡大、緊迫状態が続くロシア・ウクライナの情勢、原材料価格の高騰や急激な為替レートの変動等により、不透明な状態が継続しました。

当社グループの事業領域であるデジタルマーケティング市場、マーケティングリサーチ市場は、お客様企業によるDX(デジタルトランスフォーメーション)への旺盛な投資を背景に堅調に推移しており、今後も中期的な成長が予想されます。一方で、消費者ニーズ調査の多様化、消費者の購買行動の多様化に合わせたプロモーション手法等の最適化や進化が加速し、競争環境の激化が想定されます。

こうした経営環境のもと、当社グループは持続的な成長の実現のため、中期経営計画「DX Action 2024」の指針である「マーケティングDXパートナー」の実現へ向けた様々な取り組みを通じて、グループのビジネスモデルの進化と各事業における対応領域の拡大を推進しました。

その結果、当連結会計年度における売上高は24,899百万円、営業利益は2,522百万円、経常利益は2,498百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,559百万円となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高が38百万円減少し、売上原価が33百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ4百万円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルマーケティング事業)

当連結会計年度におけるデジタルマーケティング事業は、主に国内のグループ各社が、デジタル領域に軸足を置き、販促支援メディアの運営、プロモーション・マーケティング支援、システムの受託開発及び保守・運用、人材供給等、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる総合的なITソリューションを提供しております。

2021年1月から連結を開始し、主に販促支援メディア関連領域で事業を展開する株式会社ドゥ・ハウス他1社は、高い収益成長を実現しグループ全体の収益拡大に貢献しました。また、主にプロモーション関連領域で事業を展開する株式会社ディーアンドエム他関連会社は、お客様企業のマーケティング戦略のデジタルシフト化進展に対応し、サービス領域の幅を広げながら受注・売上共に好調に推移しました。また、株式会社クロス・コミュニケーションを中核子会社とするITソリューション領域は、堅実に成長いたしました。

その結果、デジタルマーケティング事業の売上高は10,475百万円(外部顧客に対する売上高は10,083百万円)、セグメント利益(営業利益)は655百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は38百万円減少し、セグメント利益(営業利益)は4百万円減少しております。

 

(データマーケティング事業)

当連結会計年度におけるデータマーケティング事業は、国内外のグループ各社において、マーケティングリサーチにおけるオンライン・オフラインでのデータ収集を中心にサービスを提供しております。株式会社クロス・マーケティングを中心とする国内の事業会社においては、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、オンラインサービスの需要は引き続き堅調で、売上高は着実に成長いたしました。また、継続的に実施しているアウトソーシング拠点活用等の生産性向上施策の効果により、収益性が向上しております。海外の事業会社も、コロナ禍からの経済活動の回復に合わせ、主に米国、インド拠点の収益拡大が業績を牽引しました。

その結果、データマーケティング事業の売上高は9,157百万円(外部顧客に対する売上高は8,366百万円)、セグメント利益(営業利益)は2,473百万円となりました。

 

(インサイト事業)

当連結会計年度におけるインサイト事業は、国内外のグループ各社において、各種マーケティングデータの複合的な分析、消費者インサイトの発掘、レポート作成などを通じ、お客様企業のマーケティング戦略における意思決定への支援を行っております。

株式会社クロス・マーケティングを中心とする国内事業会社では、新型コロナ感染症拡大による定性的リサーチサービスのオンライン化ニーズに迅速に対応するとともに、業務プロセス自動化等の生産性向上施策に取り組み、収益成長を実現いたしました。

また、海外の事業会社についても、一部で新型コロナウイルス感染症の変異株による再拡大の影響がみられるものの、経済活動の回復に伴う需要拡大を捉え、主にインドネシアや英国拠点の売上回復が牽引するとともに、継続的な費用効率化の効果により、収益回復が顕著でした。

その結果、インサイト事業の売上高は6,521百万円(外部顧客に対する売上高は6,449百万円)、セグメント利益(営業利益)は1,268百万円となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は、資産については、流動資産が10,715百万円(前連結会計年度末比1,159百万円増)となりました。主な項目としては、現金及び預金5,542百万円、売掛金3,203百万円となっております。固定資産は2,418百万円(同198百万円増)となりました。主な項目としては、ソフトウェア498百万円、のれん381百万円、繰延税金資産277百万円となっております。その結果、総資産は13,133百万円(同1,358百万円増)となりました。

負債については、流動負債が5,036百万円(前連結会計年度末比15百万円減)となりました。主な項目としては、買掛金1,325百万円、1年内返済予定の長期借入金703百万円、未払金846百万円となっております。固定負債は1,961百万円(同424百万円減)となりました。主な項目としては、長期借入金1,674百万円となっております。その結果、負債は6,998百万円(同439百万円減)となりました。

純資産は6,136百万円(前連結会計年度末比1,796百万円増)となりました。主な項目としては利益剰余金が4,537百万円となっております。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が15百万円増加しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,504百万円(前連結会計年度末比364百万円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は、1,951百万円となりました。主な要因は、法人税等の支払額773百万円、棚卸資産の増加額400百万円などの減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益2,318百万円の計上、仕入債務の増加額166百万円の計上、減価償却費196百万円の計上などによる増加要因があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、900百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入1,396百万円などの増加要因があった一方で、投資有価証券の取得による支出1,644百万円、有形・無形固定資産の取得による支出319百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出250百万円などの減少要因があったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、777百万円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出903百万円、配当金の支払額163百万円などの減少要因があったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社グループでは、販売実績のほとんどが生産実績であることから、記載を省略しております。

 

b. 受注実績

当社グループでは、概ね受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

デジタルマーケティング事業

10,083,329

データマーケティング事業

8,366,361

インサイト事業

6,449,436

合計

24,899,126

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

3.決算期変更に伴い、前連結会計年度は6ヶ月決算となっております。そのため、前年同期比については記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

当社は前連結会計年度において決算期変更を実施しており、前連結会計年度は6ヶ月決算となっておりますが、前年同期比等に使用する前期業績については、便宜上、前年同期間(2020年7月~2021年6月)の累計損益及び2021年6月末残高を使用しております。また、前年同期のROE(自己資本当期純利益率)27.2%は、前年同期間累計の親会社株主に帰属する当期純利益(975百万円)を、前年同期間の期首期末単純平均自己資本(3,578百万円)で除した値を使用しております。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループでは、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでの収益力を図ることができるROEを、最も重要な経営指標として位置付けております。同時に、当社グループが成長段階であるとの認識に立ち、株主の収益成長期待に応えるため、売上高成長率、営業利益率を重視した事業経営に取り組んでおります。

 〔売上高成長率について〕

当連結会計年度の売上高成長率は、30.8%(前年同期は9.0%)となりました。売上高成長率が前年同期比で顕著に上昇した主因は、1)株式会社ドゥ・ハウスの連結効果が通年寄与したこと、2)プロモーションサービス等の既存事業の成長、3)コロナ禍でマイナス影響を受けていたインサイト事業やデータマーケティング事業の復調、等によるものです。

今後、株式会社ドゥ・ハウスの連結効果やコロナ禍からの回復効果は徐々に剥落すると認識しておりますが、一方で株式会社ドゥ・ハウスのサービスと既存事業とのシナジー効果発現に取り組むほか、高い成長が期待できる事業領域においてM&Aを含む成長投資を適切に継続し、連結売上高全体として10%以上の売上高成長率を中期的に確保するための取り組みを実行してまいります。

 〔営業利益率について〕

当連結会計年度の営業利益率は10.1%(前年同期は9.6%)となりました。営業利益率が前年同期比で改善した主因は、1)上述の増収効果に加え、継続的に取り組んだサービス提供プロセスの自動化やBPOセンターの活用による原価改善施策等により売上高総利益率が前年同期比1.1%ポイント改善の41.5%となったこと、2)成長領域への積極的な投資等により販管費は前期比で19億円増加したものの売上高の拡大(前期比59億円増)により売上高販管費比率が前年同期比0.5%ポイント低減できたこと、によるものであります。

今後も、提供サービスの高度化に合わせた原価改善の取り組みを推し進めるとともに、売上高販管費比率を適切に保ちながら、営業利益率改善に取り組んでまいります。

〔ROEについて〕

当連結会計年度のROEは、31.9%(前年同期は27.2%)となりました。ROEが前年同期比で上昇した要因は、1)売上高当期純利益率、2)総資産回転率がそれぞれ上昇し、3)財務レバレッジの低下をカバーしたためです。以下、要素項目ごとに説明いたします。

1)売上高当期純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益÷売上高)は6.3%となり、前年同期の5.1%から1.2%ポイント上昇しました。これは、上述のとおり営業利益率が上昇したことに加え、特別損益が前期比0.9億円改善したこと、子会社の統合等に伴い法人税等費用が1.0億円抑制されたことなどによるものです。

2)総資産回転率(売上高÷期首期末単純平均総資産)は2.0回となり、前年同期の1.7回から上昇しました。主な要因として、752万人に及ぶパネルネットワークを全事業セグメントにおける各サービスで有効活用する等、当社の事業資産を効率的に活用した売上拡大戦略が奏功したものであります。

3)財務レバレッジ(期末総資産÷期末自己資本)は2.3倍となり前年同期末の2.9倍から低下しました。これは、利益拡大により自己資本が積み上がる中、借入金の一部返済を進めた結果であります。

 

当連結会計年度末の財政状態は、資産については、流動資産が10,715百万円(前連結会計年度末比1,159百万円増)となりました。主な項目としては、現金及び預金5,542百万円、売掛金3,203百万円となっております。

固定資産は2,418百万円(同198百万円増)となりました。残高の主な項目は、ソフトウェア498百万円、のれん381百万円、繰延税金資産277百万円となっております。その結果、総資産は13,133百万円(同1,358百万円増)となりました。

負債については、流動負債が5,036百万円(同15百万円減)となりました。主な項目としては、買掛金1,325百万円、1年内返済予定の長期借入金703百万円、未払金846百万円となっております。固定負債は1,961百万円(同424百万円減)となりました。主な項目としては、長期借入金1,674百万円となっております。その結果、負債は6,998百万円(同439百万円減)となりました。

純資産は6,136百万円(同1,796百万円増)となりました。主な項目としては利益剰余金が4,537百万円となっております。

なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が15百万円増加しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュフローの状況)

当連結会計年度においては、持続的な成長の実現のため、中期経営計画「DX Action 2024」の指針である「マーケティングDXパートナー」の実現へ向けた様々な取り組みを通じて、グループのビジネスモデルの進化と各事業における対応領域の拡大を推進しており、税金等調整前当期純利益を2,318百万円計上いたしましたことから、営業活動によるキャッシュ・フローは1,951百万円の資金の増加となりました。

また、下記「(資本の財源)」に記載のとおり、長期借入金について903百万円の資金を返済しており、財務活動によるキャッシュ・フローは777百万円の資金の減少となりました。

その結果、現金及び現金同等物の期末残高が364百万円増加しております。

2022年度については、現段階の計画において大規模な資本的支出の予定は無く、今後の資金需要については、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を実施いたします。

その他については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源)

当連結会計年度においては、一時的な資金需要に対応するため、短期借入金1,800百万円を調達いたしましたが、全額返済しております。また、金融機関からの調達環境も安定しており、好条件での調達も実施できているため、資金需要が増加した場合にも機動的に対応出来ると考えております。なお、当連結会計年度においては、長期借入金を903百万円返済しております。

(資金の流動性)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,504百万円(前年同期比364百万円増)であり、有利子負債は主に金融機関からの借入金であります。なお、流動比率は212.8%であります。グループ全体として、一定の流動性は確保しており、現時点において懸念される点は無いと認識しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産及び負債、連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a. 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

 

b. 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損の検討にあたり、管理会計上の区分を基礎として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

固定資産の回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しており、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の再拡大や緊迫状態が続くロシア・ウクライナ情勢などは、当社グループの事業活動へ直接的・間接的な影響が想定されますが、事業の継続性を維持するための不要不急の支出の削減やリモートワーク環境の整備状況等、従来の状況から鑑みて、今後の業績への影響は限定的なものであると仮定して、当連結会計年度の連結財務諸表ののれん及びその他の固定資産、並びに繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

また、現在入手可能な情報に基づいて会計上の見積り・判断を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況やロシア・ウクライナ情勢の影響については不確定要素が多いため、その状況によっては今後の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、今後当社の連結業績に影響を与えるリスクとして特に注視すべき不透明な要因として、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しのほか、緊迫状態が続くロシア・ウクライナの情勢、原材料価格の高騰や急激な為替レートの変動などが挙げられます。これらの要因が当社の顧客の企業活動に影響をもたらし、顧客企業の新商品・サービス開発投資、マーケティングDX投資、販売促進活動等が想定以上に急激に変更(加速または縮減)された場合、当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

経営上の重要な契約等は、以下のとおりであります。

契約会社名

相手先

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱クロス・マーケティング

(連結子会社)

㈱CARTA

HOLDINGS

(旧:㈱VOYAGE GROUP)
㈱リサーチパネル
(三者契約)

事業提携契約書

㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)は自社会員を㈱リサーチパネルの運営するアンケートモニターサイトへ誘導を行い、㈱リサーチパネルは登録モニターの受付及びアンケートモニターサイトの運営を行う。当社はその登録モニターに対してアンケートを実施し、その対価として㈱リサーチパネルに対し当社の調査売上高に応じたモニター募集委託手数料を支払う契約

2006年12月1日から
2007年12月31日まで
(以降1年ごと自動更新)

㈱クロス・マーケティング

(連結子会社)

㈱クレディセゾン
㈱リサーチパネル
(三者契約)

リサーチ事業
提携基本契約書

㈱クレディセゾンは自社カード会員を㈱リサーチパネルの運営するアンケートモニターサイトへ誘導を行い、㈱リサーチパネルは登録モニターの受付及びアンケートモニターサイトの運営を行う。当社はその登録モニターに対してアンケートを実施し、その対価として㈱リサーチパネルに対し当社の調査売上高に応じたモニター募集委託手数料を支払う契約

2008年5月23日から
2011年5月22日まで
(以降2年ごと自動更新)

 

 

(子会社株式の譲渡)

当社は、当社連結子会社であるMarkelytics Solutions India Private Limited、MedePanel Online Inc.、Markelytics Solutions Asia Pte. Ltd.、Medical World Panel Asia Pte. Ltd.の4社について保有する全株式の譲渡を完了いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(子会社株式の取得)

当社は、新たにスキップ株式会社、株式会社REECH、ノフレ食品株式会社及びノフレコミュニケーションズ株式会社の全株式を取得しました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(株式需給緩衝信託の設定について)

当社は、2022年2月14日開催の取締役会において、当社の流通株式時価総額向上ならびにコーポレート・ガバナンス強化を目的とする株式需給緩衝信託®(以下「本信託」という。)の設定を決議し、野村信託銀行株式会社と本信託に関する契約を締結いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。