第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した国内外の製薬企業との共同研究開発活動は順調に進捗しております。

当社は、平成27年9月14日、仏国サノフィ社との間で、複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製する創薬共同研究開発契約を締結いたしました。平成27年9月28日には帝人ファーマ株式会社との間で、平成27年11月5日には杏林製薬株式会社との間で、複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製する創薬共同研究開発契約を締結いたしました。続いて平成27年12月21日には米国ジェネンテック社及び同社の親会社であるスイス・F.ホフマン・ラ・ロシュ社との三者間で複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製する創薬共同研究開発契約を締結いたしました。さらには、平成28年2月5日には塩野義製薬株式会社との間で、平成28年3月28日には旭化成ファーマ株式会社との間で、複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製する創薬共同研究開発契約を締結いたしました。これらの結果、創薬共同研究開発契約の締結先は、国内製薬企業6社、海外製薬企業10社となりました。他方で、平成27年12月18日にスイス・ノバルティス社と平成22年に始まり平成24年及び平成26年に延長した共同研究開発契約をさらに延長することといたしました。

PDPSを非独占的にライセンス許諾する契約については、米国リリー社との間で平成28年3月4日に非独占的なライセンス許諾契約を合意しました。これにより、米国リリー社は自社内において特殊環状ペプチドの創製を行うことが可能になりました。スイス・ノバルティス社への技術移転に関しましては、平成28年6月にすべて順調に終了しました。

平成27年8月には株式会社ファルマデザインからの事業譲受けを完了させ、社内に本格的な「バイオインフォマティクス」、「モレキュラー・モデリング」、「メディシナルケミストリー」の機能(以下「最適化機能」といいます。)を有することになり、当社の創薬開発基盤技術を強化いたしました。この最適化機能は、当社独自のPDPSと組み合わせることによって、パートナーとの、また自社での創薬候補化合物(リード化合物)の素早い探索と最適化を可能にし、より効率的な研究開発が可能となりました。加えて、特殊ペプチドの物質的特性は、これまで発見できなかった標的分子の新しい作用点を発見・特定する能力が優れているため、特殊ペプチドの特性、標的分子と特殊ペプチドの結合状態の解析(共結晶構造解析)、最適化機能を組み合わせることによって、「特殊ペプチド医薬品の創製」のみならず、「新しい低分子医薬品候補物質の創製」を促進することができるようになりました。

また、当社のPDPSでは、天然の20種類のアミノ酸だけではなく、特殊(非天然型)アミノ酸(以下、アミノ酸・特殊アミノ酸を総称して「特殊アミノ酸等」といいます。)を環状ペプチドの中に自由自在に組み込めることが当社のPDPSの強みであり、そのためには多種多様な特殊アミノ酸等の安定的な入手並びに必要に応じた新規特殊アミノ酸の製法の確立及びそのスケールアップが極めて重要になります。そのため、平成28年5月に渡辺化学工業株式会社と特殊環状ペプチドの創製に必要不可欠なアミノ酸・特殊(非天然型)アミノ酸等の供給に関して戦略的提携を開始しました。これにより、当社は渡辺化学工業株式会社の有する広範な特殊アミノ酸等の製造に関する経験及び多岐にわたるアミノ酸調達先に当社がアクセスできることになり、特殊環状ペプチドの創製に必要不可欠な特殊アミノ酸等が迅速かつ安価に入手できるようになります。

平成28年2月24日には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」といいます。)と、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟を利用した高品質タンパク質結晶生成実験を包括的に実施する契約を締結しました。JAXAと当社が包括的に連携することにより、従来の取り組みと比べ、より短期間で効率的に創薬標的タンパク質と医薬品候補化合物の構造情報を取得することができ、また従来の構造情報よりも精緻な情報を入手できるようになりました。

自社創薬については、抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチドの前臨床試験に向けた準備を引き続き進めており、このたび前臨床試験の準備を開始いたしました。

 

また、特殊ペプチドの強い結合力と特異性、選択性を活かして特殊ペプチドを誘導体として利用するミサイル療法(Peptide Drug Conjugate、以下「PDC」といいます。)の研究開発も多くのパートナーとともに進めております。「届けたい薬物などを選択的に届けたい場所(特定の細胞や臓器)へ」というPDCのコンセプトに合致する研究開発の一つとして、平成28年2月22日にJCRファーマ株式会社(以下「JCRファーマ社」といいます。)との間で共同研究契約を締結いたしました。今後、JCRファーマ社と共同で、JCRファーマ社が有する独自の血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB、以下「BBB」といいます。)通過技術に関する知見と、当社のPDPSによる特殊環状ペプチド創製技術を用いて、BBB通過を可能とするキャリアーとなる特殊環状ペプチドを見出し、BBB通過能を付与したい薬剤にこれを付加することで、新たに脳内での薬効を持つ医薬品の開発が可能になることが期待されます。

以上の結果、当事業年度における売上高は4,327,878千円(前年同期比1,853,379千円増加)、営業利益2,548,080千円(前年同期比1,156,953千円増加)、経常利益2,372,312千円(前年同期比875,896千円増加)、当期純利益1,581,288千円(前年同期比577,123千円増加)となりました。

なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ2,229,530千円増加し、6,909,149千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額733,130千円、売上債権の増加額1,054,111千円などがあったものの、当事業年度における税引前当期純利益の計上2,365,811千円、 前受金の増加額458,273千円等により、1,533,057千円の収入(前年同期比146,913千円の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入1,200,000千円があったものの、 有形固定資産の取得による支出1,947,890千円、 事業譲受による支出105,000千円等により、981,920千円の支出(前年同期は961,723千円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,742,856千円により、1,742,856千円の収入(前年同期比1,698,489千円の増加)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社は生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当社のアライアンス事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  平成27年7月1日

至  平成28年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

アライアンス事業

 4,327,878

74.9

合計

 4,327,878

74.9

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  平成26年7月1日

至  平成27年6月30日)

販売高

(千円)

割合

(%)

A社

 1,491,424

60.3

B社

 582,007

23.5

C社

357,480

14.4

 

 

相手先

当事業年度

(自  平成27年7月1日

至  平成28年6月30日)

販売高

(千円)

割合

(%)

ア社

 1,280,318

29.6

イ社

 1,141,824

26.4

ウ社

 515,753

11.9

 

 (注)当社顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。

 

3 【対処すべき課題】

当社は、独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用して、国内外の製薬企業と共同研究開発契約を締結し、特殊ペプチドを活用した創薬を進めています。さらに、PDC(Peptide Drug Conjugate)という独自の創薬システムを開発しております

当社では、当社が継続企業(ゴーイングコンサーン)として成長し続けるために対処しなければならない課題を以下のように考えております。

 

(営業活動における課題)

当社は、国内外の製薬企業と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約も見込まれています。滞りのない共同研究開発体制を維持・拡大するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。

 

(研究開発活動における課題)

当社は、創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、PDPSより創出される特殊ペプチドの活用は大きな可能性を秘めております。当社は、自社技術の優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び研究機関等との共同研究を推進しつつ、自社内における研究開発体制の強化を進める所存であります。

 

(内部管理・統制における課題)

当社は、継続企業(ゴーイングコンサーン)としての企業体質を構築するためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の一つであると認識しております。経営の効率化を図り、経営の健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株式価値を向上させることが、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考え、俊敏さも兼ね備えた全社的に効率化された組織についても配慮しながらも業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努める所存であります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また、以下の記載内容は当社のリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

① 特殊ペプチドの医薬品としての可能性について

当社の特殊ペプチドは、タンパク質の合成に利用される20種類のL体のアミノ酸のみならず、特殊アミノ酸と呼ばれるD体のアミノ酸やNメチルアミノ酸等を含んでいます。この性質により、当社は多様性のある特殊ペプチドのライブラリーを作製することができ、その中からターゲットタンパクに対して強い結合力・特異性を有し、高い生体内安定性を保ち、細胞膜透過性をも有する特殊ペプチドを創製することができます。

このような特質から、当社の特殊ペプチドは、新たな医薬品候補物質として期待されており、製薬会社との契約に結びついております。

当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)が稼働を開始したのは、平成22年であります。医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するまでに、通常、多大な開発費用と10年以上の長い年月を必要とします。当社の特殊ペプチド創薬開発技術は、まだ生まれて日が浅いため、当社の特殊ペプチドからこれまでに新薬が承認された実績はありません。(ただし、自然界に存在する特殊アミノ酸を組み込んだ有機化合物から新薬が承認された実績があります。たとえば、昭和58年(1983年)にスイスのSandoz(サンド)社から発売された免疫抑制剤「Sandimmun(サンディミュン)」は、ノルウェー南部のハルダンゲル高原の土壌から発見された真菌が産生していた特殊な構造のペプチド(シクロスポリン)から作られています。)

将来において、当社の特殊ペプチドによる新薬開発実績が生み出せなかった場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)は、特殊ペプチドを医薬品候補物質として運用するために必要となる一連の技術((A)特殊ペプチドを創製し、(B)低分子医薬及び抗体医薬を超える多様性を持ったライブラリーを構築し、(C)高速でスクリーニングを行う技術。)を組み込んでおり、この(A)から(C)のいずれの技術をとってみても、同じくペプチドを医薬品候補物質として扱っている他社の技術と比べ、優位性を保っているものと考えております。

しかしながら、技術は日々進歩するものであり、当社の特許技術に抵触しない技術をもって当社PDPSを上回る技術が開発されることも考えられます。

当社としては、PDPSを継続的に発展させるため、研究開発を積極的に実施し、PDPSに必要な知的財産権の確保に努めていく方針でありますが、当社PDPSを上回る技術が開発された場合には、当社の競争優位性が低下する結果、当社の希望する条件でクライアントとの間で契約を締結することができなくなる可能性が増加するなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に由来するリスク

① 特殊ペプチド医薬をベースにした事業であることについて

当社は、従来、特殊ペプチド医薬に特化して事業を展開しておりました。そのため、当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)により創製される特殊ペプチドは、新規性・進歩性を有するオリジナリティの高いものであり、容易に代替技術が生まれて当社の存在価値が危ぶまれるような事態になることは想定し難いと考えておりますが、特殊ペプチドに対する製薬企業の評価が変化した場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

近時は特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることがわかっており、PDPSの応用範囲が以前に比べて大幅に広がっております。そのため、特殊ペプチドに特化していた事業内容が変わりつつあり、特殊ペプチドをベースとしてPDPSを創薬研究開発の基盤として当業界に広めていき、特殊ペプチドのみならず低分子医薬の開発にも活用していこうという展開を試みています。こうした、低分子医薬の開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 複数の製薬企業との共同研究開発を実施していることについて

本書提出日現在、当社の共同研究開発契約先は16社(国内6社、海外10社)あります。それぞれの製薬会社は、独自の創薬開発ターゲットを保有しており、当社はその研究開発について提案を受けて推進していくことになりますが、まれに各製薬企業間で創薬開発ターゲットが競合してしまうことがあります。競合が生じたときは、当社が各製薬企業との間に立って差配することにより、トラブルを未然に防止しており、現在までにトラブルが生じた事例はありません。

しかし、今後、その調整が困難になる事態が生じた場合、当社は新たな共同研究開発契約や新たなターゲットタンパクが獲得できないなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 収益計上について

当社の共同研究開発契約に係る売上カテゴリーは、原則として(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)に始まり順次、(B)研究開発支援金、(C)追加研究開発支援金、(D)創薬開発権利金、(E)各種目標達成報奨金(マイルストーン)、(F)売上ロイヤルティ、(G)売上達成報奨金で構成されております。

(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)、(B)研究開発支援金及び(C)追加研究開発支援金は当社の事業活動に依拠する部分が大きいものの、特に(B)及び(C)について、クライアントの方針転換等の影響を受けてプロジェクトが終了し、それ以降の収益が計上できないことがあります。また、(A)は、相対的に(B)及び(C)よりも額が大きく、一度に売上が計上されるため、当社の経営成績は(A)の計上に少なからず影響を受けることになります。

(D)創薬開発権利金や(E)各種目標達成報奨金に至っては、クライアントにおける業務の進行状況に大きく依存するものであり、当社でのコントロールは極めて困難な売上カテゴリーであります。

そのため、当社の計画に対してクライアントにおける研究開発の進捗が遅れた場合やクライアントの研究開発方針に変更等があった場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的な紛争の可能性について

当社は、事業を展開する上で、第三者の権利若しくは利益を侵害した場合又は侵害していない場合でも相手側が侵害したと考える場合には、損害賠償等の訴訟を提起されるなど法的な紛争が生じる可能性があります。

本書提出日現在、法的な紛争は生じておりませんが、海外のバイオベンチャー企業1社から当社の事業が同社の特許権に抵触する旨の主張がなされており、将来的には同社と法的な紛争に至る可能性があります。また、当社の側から、同社の特許の無効化を図るために先制的に法的な手続きをとる可能性も否定できません。今後、当社と第三者との間に法的な紛争が生じた場合、紛争の解決に労力、時間及び費用を要するほか、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされる可能性があり、その場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、これまでのところ当社が製薬企業と共同研究開発した特殊ペプチド医薬品が上市にまで至った事例は未だありませんが、今後、万が一、当社が共同研究開発に携わった医薬品において健康被害が引き起こされた場合には、そのネガティブなイメージにより、当社及び当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 経営上の重要な契約について

当社の事業展開上、重要と思われる契約が、当該契約が解除又はその他の事由に基づき終了した場合又は契約の相手方の経営方針が変更された場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、共同研究開発契約に係る金員(当社から見たときは売上に該当)は、原則として当社が前金として受領しており、これらの金員について当社は契約が中途終了する場合でも返還義務を負っておりません。その反面、共同研究開発契約先は、契約の解除について任意(自由)に実行することができる契約内容となっております。

 

⑥ 共同研究開発契約先への依存について

当社アライアンス事業における収益は、ほとんどが共同研究開発契約先(クライアント)からのものでありますが、今後、これらのクライアントとの間で新たな標的分子に係る共同研究開発が開始されない場合や、共同研究開発の結果がクライアントの要求水準を満たせない場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社がライセンスアウトしたリード化合物は、クライアントが主体となって臨床試験及び承認申請を行うことになりますが、その進捗と結果が当社の事業戦略及び経営成績に大きな影響を及ぼします。当社は、ライセンスアウト後もクライアントをサポートしますが、臨床試験及び承認申請はクライアントが行うものであって、当社でコントロールすることはできません。したがって、臨床試験及び承認申請の進捗が当社の予期しない事由により遅滞したり、臨床試験及び承認申請が断念される等の可能性があります。

さらに、製造販売承認後の販売計画はクライアントに依存しており、クライアントの経営方針や販売計画の変更、経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等の可能性があります。

そのほか、医薬品の研究開発には多額の資金が必要となることから、当業界においては組織再編やM&Aが盛んであり、クライアントが組織再編を行ったり、競合他社を買収する(競合他社から買収される)など、業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性があります。こうした大規模な企業組織再編が当社のクライアントに生じた場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 自社パイプライン(自社創薬)について

当社では、特殊ペプチドの特性を活かした自社パイプライン(自社創薬)の研究開発を進めています。

現在のところ、開発の方向性としては、特殊ペプチドを医薬品として活用するアプローチと特殊ペプチドの持つ優れた選択性を活かして他の薬剤を誘導するPDC(Peptide Drug Conjugate)薬剤を開発するアプローチをとっております。また、特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることから、自社パイプラインにおいても低分子医薬品の開発に着手しております。

特殊ペプチドを医薬品として活用する取り組みの成果として平成26年4月に新しい抗インフルエンザ剤に係る取り組みについて公表し、平成27年2月にはその進捗状況について公表いたしました。その後、平成28年6月に従前の特殊環状ペプチドの薬剤活性と体内動態を飛躍的に改良した開発ナンバー「PD-001」を新たな開発候補特殊環状ペプチドと定め、GLPに準拠した原体の入手に伴ってGLP準拠の前臨床試験を行う旨公表しております。

PDCについては、平成28年6月期から本格的に着手し、すでに複数の製薬企業と共同研究を進めております。

自社パイプラインについては、研究開発が順調に進展し、臨床試験まで当社の負担で実施する場合には、多額の開発費用を要する状態になる可能性があります。また、自社パイプラインの研究開発が順調に進展しない場合には、将来の事業化のオプションを一部失う可能性があります。

 

⑧ 他社との戦略的提携・企業買収等の成否について

当社は、競争力の強化及び事業分野の拡大等のため、他社の事業部門の譲受け、他社の買収、他社との業務提携、合弁会社の設立、他社への投資等の戦略的提携など(以下「戦略的提携等」といいます。)を行うことがあります。こうした戦略的提携等については、パートナー企業との思惑に相違が生じて提携・統合が円滑に進まない可能性や当初期待していた効果が得られない可能性、投資した金額の全部又は一部が回収できない可能性等があります。また、パートナー企業が当社の利益に反する決定を行う可能性があり、パートナー企業が事業戦略を変更した場合など、当社は戦略的提携等の関係を維持することが困難になる可能性があり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 知的財産権について

① 特許の取得・出願状況について

当社は事業において様々な発明及び特許権を実施しておりますが、これらは当社、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学により登録済みになっているものと審査中のものがあります。

しかしながら、出願中の発明すべてについて特許査定がなされるとは限りません。また、特許権を設定登録した場合でも、特許異議申立制度により請求項が無効化される可能性があります。また、特許権侵害訴訟の提起や特許無効審判が請求されるなど特許権に係る法的な紛争が生じ、当社が実施する権利に何らかの悪影響が生じる可能性があります。本書提出日現在、当社が実施権を有する特許の1つについて特許異議の申立てがされています。また、当社が実施する特許権を上回る優れた技術の出現により、当社が有する特許権に含まれる技術が陳腐化する可能性があります。こうした事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

そのほか、当社は、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学が出願人である発明又は特許権に関して、契約により第三者サブライセンス権付き独占実施・許諾権を獲得しておりますが、当該契約の内容が変更されたり、期間満了や解除等により契約が終了した場合等にも、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 職務発明に対する社内対応について

当社が職務発明の発明者である役職員等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は特許法に定める「相当の対価」を支払うことになります。当社では、その取扱いについて社内規則等でルールを定めており、これまでに発明者との間で問題が生じたことはありません。しかしながら、職務発明の取扱いにつき、相当の対価の支払請求等の問題が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 医薬品の研究開発事業一般に関するリスク

① 医薬品開発の不確実性について

一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物であっても、前臨床試験や臨床試験の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定どおりに進行せず、開発の延長や中止を行うことがあります。開発を延長した場合には、追加の資金投入が必要になるほか、特許権の存続期間満了までの期間が短くなり、投資した資金の回収に影響を及ぼします。また、開発を中止した場合には、それまでに投じた研究開発資金が回収できなくなることになります。

 

② 副作用発現に関するリスクについて

医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 薬事法その他の薬事に関する規制について

医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法及びその他の関連法規等により、様々な規制を受けております。

現在のところ、当社のパイプラインは研究開発段階にあり、わが国の厚生労働省、アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)等から上市のための認可は受けておりませんが、今後、各国の薬事法等の諸規制に基づいて医薬品の製造販売承認申請を行い、承認を取得することを目指しております。

そのため、自社のパイプラインについて上記の規制をクリアするための体制整備が求められることになります。また、各国の薬事法及びその他の関連法規等は随時改定がなされるものであり、これらの変化が当社の生み出す特殊ペプチドにとって有利又は不利に働いたり、さらなる体制の整備・変更を求められることが考えられます。

こうした規制への対応が当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼすことになります。

 

 

④ 製造物責任について

医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在しています。将来、開発したいずれかの医薬品が健康障害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な事象が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、製造物責任賠償請求がなされることによるネガティブなイメージにより、当社及び当社の医薬品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 人材及び組織に由来するリスク

① 小規模組織であることについて

当社は役員8名(取締役(監査等委員である取締役を除く)5名、監査等委員である取締役3名)、従業員47名(平成28年6月30日現在)と小規模であり、内部管理体制も相応の規模となっております。当社においては、業務上必要な人員の増強及び内部体制の充実を図っていく方針でありますが、人材流出が生じた場合及び代替要員の不在等の問題が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保について

当社は、創薬基盤技術の深化、創薬研究開発の進展を図るには、研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保が必要であると考えております。

当社の想定した人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) その他に由来するリスク

① 社歴が浅いことについて

当社は、平成18年7月に設立された社歴が浅い会社であることから、業績の期間比較を行うための十分な財務数値が得られておりません。したがって、過年度の経営成績及び財政状態だけでは今後の当社の業績を判断する材料としては十分な期間とは言えないものと考えます。

なお、アライアンス事業は第5期(平成23年6月期)から本格的に開始したものであり、特殊ペプチド医薬品が上市にまで至った事例はありません。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、役員、従業員及び取引先等に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。平成28年6月30日現在、権利行使が可能な状態にある新株予約権による潜在株式数は8,564,400株であり、発行済株式数及び潜在株式数の合計の13.17%に相当しております。

 

③ 配当政策について

当社は配当による株主様への利益還元も重要な経営課題だと認識しております。

当社は、将来においても安定的な収益の獲得が可能であり、かつ、研究開発資金を賄うに十分な利益が確保できる場合には、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当についても検討してまいります。

 

④ 情報管理について

当社の事業は、クライアントである製薬企業からターゲットタンパクの情報を預かる立場にあります。そのため、当社は、当社の従業員との間において顧客情報を含む会社の情報に係る誓約書を徴求し、会社情報の漏えいの未然防止に努めております。

しかしながら、万一顧客の情報を含む会社の情報が外部に漏えいした場合は、当社の信用低下を招き、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 外国為替相場の変動について

当社のクライアントには海外の製薬企業が多いことから、売上高の多くが外国通貨建て(主に米ドル建て)となっており、為替変動の影響を受けます。したがって、為替相場が変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことになります。

 

⑥ 自然災害等の発生

当社は、東京都目黒区に本社及びラボを設置しており、事業活動や研究開発活動に関する設備及び人員が現所在地に集中しております。このため、現所在地の周辺地域において、地震、噴火等の自然災害、大規模な事故、テロ等が発生し、当社設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 新研究所の建設と本店移転について

当社は、事業の拡大及び研究開発機能の強化のため、新たに神奈川県川崎市川崎区殿町に研究所を建設し、平成29年夏季に現在の施設から移転する予定です。新研究所への移行については万全を期して行う予定ですが、新研究所の工期の延長や研究機材の納入の遅れ、移転作業中の事故、研究資材の破損、新規導入設備の運用トラブル、現施設からの退去に伴うトラブル等が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 風説・風評の発生

当社や当社の関係者、当社の取引先等に対する否定的な風説や風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える可能性があります。当社や当社の関係者、当社の取引先等に対して否定的な風説・風評が流布した場合には、そのネガティブなイメージにより、当社に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)  基盤技術に関する独占ライセンス契約

相手先の名称

ニューヨーク州立大学

国立大学法人東京大学

契約名称

Patent License Agreement(独占ライセンス契約)

独占ライセンス契約

主な契約内容

①許諾内容

第三者に対する再実施権を含めた独占実施・許諾権

②対象となる特許・発明

下表参照

③契約期間

下表参照

①許諾内容

第三者に対する再実施権を含めた独占実施・許諾権

②対象となる特許・発明

下表参照

③契約期間

下表参照

 

 

 

 

対象発明の名称

出願者

出願日

登録日

登録番号

契約期間

Catalytic RNAs with Aminoacylation Activity

ニューヨーク州立大学

平成12年11月22日
平成11年11月24日
平成12年11月22日

平成12年11月22日

平成23年5月20日

平成18年2月21日

平成20年6月4日

平成23年2月8日

特許第4745577号

US 7,001,723 B1

EP 1232285 B1

CA 2391433

平成19年3月21日

から特許権の存続

期間終了の日まで

Ribozymes with Broad tRNA Aminoacylation Activity

ニューヨーク州立大学

平成15年2月18日
平成14年2月15日
平成15年2月18日

平成15年2月18日

平成22年2月26日

平成21年11月24日

平成21年7月29日

平成24年4月17日

特許第4464684号

US 7,622,248 B2

EP 1483282 B1

CA 2476425

平成19年3月21日

から特許権の存続

期間終了の日まで

多目的アシル化触媒とその用途

国立大学法人東京大学

平成17年12月6日
平成18年12月5日
平成18年12月5日

平成24年11月2日
平成24年5月28日
平成24年8月1日

特許第5119444号
US 8,188,260 B2
EP 1964916

平成18年12月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

N末端に非天然骨格をもつポリペプチドの翻訳合成とその応用

国立大学法人東京大学

平成18年11月17日
平成19年11月13日
平成19年11月13日

平成25年2月22日

平成25年10月15日

平成25年8月21日

特許第5200241号
US 8,557,542

EP 2088202

平成18年12月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

環状ペプチド化合物の合成方法

国立大学法人東京大学

平成19年3月26日
平成20年3月26日平成20年3月26日

平成26年9月5日

平成27年7月28日

特許第5605602号

US 9,090,668

EP 2141175

平成20年2月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

新規人工翻訳合成系

国立大学法人東京大学

平成22年8月27日
平成23年8月26日

平成27年4月10日

特許第5725467号
CN201180052318.9
PCT/JP2011/069251

平成23年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

N-メチルアミノ酸及びその他の特殊アミノ酸を含む特殊ペプチド化合物ライブラリーの翻訳構築と活性種探索法

国立大学法人東京大学

平成22年9月9日
平成23年9月8日

平成27年10月9日

特許第5818237号
PCT/JP2011/070439

平成23年3月10日

から特許権の存続

期間終了の日まで

安定化された二次構造を有するペプチド、及びペプチドライブラリー、それらの製造方法

国立大学法人東京大学

平成22年12月3日
平成23年12月5日
平成23年12月5日


平成27年11月25日

特願2010-270958
CN 201180058284.4
PCT/JP2011/078028

平成23年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

ペプチドライブラリーの製造方法、ペプチドライブラリー、及びスクリーニング方法

国立大学法人東京大学

平成23年12月5日

特願2012-546969
PCT/JP2011/078029

平成23年3月10日

から特許権の存続

期間終了の日まで

アゾリン化合物及びアゾール化合物のライブラリー、並びにその製造方法

国立大学法人東京大学

平成24年3月9日

特願2013-503634

PCT/JP2012/056181

平成23年3月10日

から特許権の存続

期間終了の日まで

pH依存的に標的分子に結合するペプチドのスクリーニング方法

国立大学法人東京大学

平成24年6月6日

 

特願2012-129056

PCT/JP2013/065689

 

平成24年8月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

MATE活性阻害ペプチド

国立大学法人東京大学

平成24年7月31日

特願2012-170144

PCT/JP2013/070779

平成25年3月8日

から特許権の存続

期間終了の日まで

 

 

対象発明の名称

出願者

出願日

登録日

登録番号

契約期間

ヘテロ環を含む化合物の製造方法

国立大学法人東京大学

平成25年3月7日

特願2013-045888

PCT/JP2014/056069

平成25年3月8日

から特許権の存続

期間終了の日まで

大環状ペプチド、その製造方法、及び大環状ペプチドライブラリを用いるスクリーニング方法

国立大学法人東京大学

平成25年8月26日

特願2013-174906

PCT/JP2014/072338

平成25年8月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

 

c-Metタンパク質アゴニスト

国立大学法人東京大学

平成25年10月15日

特願2013-214771

PCT/JP2014/077437

平成26年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

アゾール誘導体骨格を有するペプチドの製造方法

国立大学法人東京大学

平成26年2月3日

特願2014-018847

PCT/JP2015/052961

平成26年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

 

(注) 上記契約の対価として一定料率のロイヤルティを支払っております。

 

(2) アライアンス(共同研究開発)契約

相手先の名称

相手先の
所在地

契約締結日

契約終了日

契約内容

 

Cambridge Antibody Technology Ltd.→MedImmune Ltd.→AstraZeneca Plc.

(注)

英国

1次 平成19年5月25日
2次 平成21年3月31日
3次 平成24年9月28日

いずれも左記契約日を始期として終期の定めなし

1次 共同技術研究開発契約

2次 フィージビリティー契約

3次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Bristol-Myers Squibb Company

米国

平成22年10月15日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

AMGEN Inc.

米国

1次 平成22年11月30日
2次 平成24年12月17日

いずれも左記契約日を始期として終期の定めなし

1次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約
2次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

田辺三菱製薬株式会社

日本

平成22年12月13日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Novartis Pharma AG

スイス

1次 平成22年7月1日
2次 平成24年11月9日

いずれも左記契約日を始期として終期の定めなし

1次 フィージビリティー契約
2次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

第一三共株式会社

日本

平成24年7月8日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

GlaxoSmithKline Plc.

英国

平成24年9月14日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

IPSEN,S.A.S

仏国

1次 平成25年3月22日
2次 平成25年10月7日

左記契約日を始期として終期の定めなし

1次 PDPSを用いた共同創薬研究契約
2次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Eli Lilly and Company

米国

平成25年12月19日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Merck Sharp and Dohme

米国

平成27年4月29日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Sanofi S.A.

仏国

平成27年9月14日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

 

 

相手先の名称

相手先の
所在地

契約締結日

契約終了日

契約内容

帝人ファーマ株式会社

日本

平成27年9月28日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

杏林製薬株式会社

日本

平成27年11月5日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Genentech, Inc.

米国

平成27年12月21日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

塩野義製薬株式会社

日本

平成28年2月5日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

旭化成ファーマ株式会社

日本

平成28年3月28日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

 

(注) Cambridge Antibody Technology Ltd.及びMedImmune Ltd.は、AstraZeneca Plc.の子会社であります。1次契約はCambridge Antibody Technology Ltd.と、2次契約はMedImmune Ltd.と、3次契約はAstraZeneca Plc.と締結しております。

 

(3) 技術ライセンス契約(技術貸与)

相手先の名称

相手先の
所在地

契約締結日

契約終了日

契約内容

Bristol-Myers Squibb Company

米国

平成25年9月16日

左記契約日を始期として終期の定めなし

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

Novartis Pharma AG

スイス

平成27年4月1日(効力発生日)

左記効力発生日を始期として終期の定めなし

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

Eli Lilly and Company

米国

平成28年3月4日

左記効力発生日を始期として終期の定めなし

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

 

(注)平成28年7月にGenentech, Inc.(米国ジェネンテック社)とPDPS技術ライセンス契約を締結(技術貸与の実施)をしております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社の研究開発部門は、3つのグループ(創薬開発グループ、合成グループ、先端開発グループ)によって構成されています。創薬開発グループの役割は、クライアントと協働しながら当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を駆使して特殊ペプチドを探索し、最適なヒットペプチドを見つけ出すことにあります。合成グループは、PDPSによって見出されたヒットペプチドの合成や精製・品質管理等の業務を担うと共に特殊ペプチド(ヒットペプチド)の特性より得られる情報を元に新しい低分子医薬品の開発も担っています。

先端開発グループでは、PDCを中心とした自社創薬に係る研究開発を実施しておりますが、当社の研究開発費は同グループにおける発生費用を対象にしています。当事業年度における研究開発費は、228,212千円となっています。

自社創薬に係る研究開発の例として、当社では、下記の事項に取り組んでいます。

まず、特殊ペプチドを医薬品として活用するアプローチ(特殊ペプチド創薬)として、抗インフルエンザ特殊ペプチドPD-001に関する研究開発が挙げられます。マウス及びカニクイザルにおける動物実験の結果、PD-001は従来の抗インフルエンザウイルス製剤では効果がなかった変異型インフルエンザにも対応することができる可能性が示されました。さらに、PD-001の各種非臨床試験の結果、薬剤の溶解度、体内動態、投与法、投与タイミング等の薬剤の開発に欠かせないデータの取得が完了したため、GLPに準拠した前臨床試験を開始しました。

また、当社では、特殊ペプチドの持つ優れた選択性を活かして他の薬剤を誘導するPDC(Peptide Drug Conjugate)薬剤を開発するConjugate創薬にも取り組んでいます。従来のミサイル療法はモノクローナル抗体を誘導体として利用するADC(Antibody Drug Conjugate)が中心でしたが、ADCは多くの課題を抱えており開発が難しいと考えられています。当社は、特殊ペプチドを誘導体として利用することにより、こうしたADCの多くの課題を解決しようとConjugate創薬の研究開発を進めています。ペプチドコンジュゲート(*39)技術によって、特殊ペプチドを誘導体として利用して、低分子医薬(毒性の強い抗がん剤など)と結合させたり、siRNA(*40)と結合させたりするなど新しい治療薬の可能性を切り拓いていく予定です

 

<用語解説>

*39

ペプチドコンジュゲート

ペプチドコンジュゲート 特異性の高いペプチドを道案内として、他の分子(低分子医薬品やsiRNA)を特定のタンパクや細胞に誘導させるために必要なペプチド加工技術。当社の特殊ペプチドは非常に多機能でありペプチドコンジュゲートには最適である。

*40

siRNA

siRNA 特殊な二本鎖構造をした短いRNAが、特定のRNAの機能を抑制することが知られている。これをRNA干渉という。RNA干渉を起こす短い二本鎖RNAをsiRNAといい、これを用いていろいろな遺伝子の機能を解析し、病気の治療に応用することができる。

 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたりまして、当事業年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積もりを必要としております。この見積もりに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

 (資産)

当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ、4,217,959千円増加し、11,956,402千円となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加1,029,530千円、売掛金の増加1,054,111千円、有形固定資産の増加1,776,520千円等によるものであります。

 (負債)

負債は前事業年度末に比べ、887,634千円増加し、1,713,645千円となりました。この主な要因は、前受金の増加458,273千円、未払法人税等の増加220,172千円等によるものであります。

 (純資産)

純資産は前事業年度末に比べ、3,330,325千円増加し、10,242,756千円となりました。この主な要因は、資本金の増加879,847千円、資本剰余金の増加879,847千円、利益剰余金の増加1,581,288千円等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照ください。

 

(4) 経営成績の分析

経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照ください。

 

(5) 戦略的現状と見通し

当社は独自の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)を活用して、国内外の製薬企業との共同研究開発活動(アライアンス事業)を推進してまいりました。バイオベンチャー企業を取り巻く経営環境の厳しい中、順調な売上を計上しております。

今後も、現在進捗中のアライアンス事業の成果を出していくことにより、さらなる売上、契約の獲得ができるものと考えております。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は、技術主導型企業として知的財産の獲得及び特許ポートフォリオの形成に注力してまいりました。その結果、独自の知財及び特許戦略を構築することができ、当社事業の基盤となっております。しかしながら、技術革新は日進月歩であります。現在の好調な事業進捗に甘んじることなく、最新技術の動向を把握しつつ、合理的かつ迅速な戦略構築に努める所存であります。

一方、創薬の研究開発には、長い時間と多額の開発資金が必要になります。当社はそのリスクを軽減する意味からも、事業の柱としてアライアンス事業を推進してまいりました。

今後の方針については、平成28年8月24日に当社のウェブサイトに公表している「2016年6月期決算説明会資料_成長戦略 第3章」をご参照ください。