第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社は、独自の創薬プラットフォームシステムPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用し、特殊ペプチドによる創薬を完成させることにより、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ有効な治療方法がない医療ニーズ)に応え、世界中にいる疾病で苦しむ方々に貢献することを目的とし、「低分子医薬」、「抗体医薬」に次ぐ第三の「特殊ペプチド医薬」市場の創成に寄与し、世界の医療の進歩に貢献してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を進めてまいりました。現在は、前臨床ステージにおける自社ケイパビリティ拡張によって、自社パイプラインの開発を加速させるとともに、より一層、パートナー企業の多様なニーズに応えることができる体制を構築しております。また、医薬品やPDC(Peptide Drug Conjugate: ペプチド-薬物複合体)領域での有望な自社独自ターゲットを含めて、自社の強みを活かせる領域において戦略的、選択的に面の拡大を進めてまいります。特殊ペプチドの可能性については、従来の医薬品や診断薬の領域のみならず、広くヘルスケア領域全般で期待が寄せられており、当社ビジネスモデルとフィットの観点から優先順位を付けつつ、その可能性を最大化してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上高、営業利益及び営業利益率を重視しております。2019年12月期は決算期を6月末から12月末へ変更した影響から、売上高1,000百万円、営業損失900百万円を予想しておりますが、2020年12月期は売上高10,000百万円、営業利益5,300百万円、売上高営業利益率53.0%を目標としております。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社は、独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用して、国内外の製薬企業と共同研究開発契約を締結し、特殊ペプチドを活用した創薬を進めております。

当社では、当社が継続企業(ゴーイングコンサーン)として成長し続けるために対処しなければならない課題を以下のように考えております。

 

(営業活動における課題)

当社は、国内外の製薬企業と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約も見込まれています。滞りのない共同研究開発体制を維持・拡大するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。

 

(研究開発活動における課題)

当社は、創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、PDPSより創出される特殊ペプチドの活用は大きな可能性を秘めております。現在、当社では特殊ペプチド医薬とともに、特殊ペプチドを基にしたPDC(Peptide Drug Conjugate: ペプチド-薬物複合体)や低分子医薬の開発を進めております。当社は、自社技術の優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。

 

(内部管理・統制における課題)

当社は、継続企業(ゴーイングコンサーン)としての企業体質を構築するためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の一つであると認識しております。経営の効率化を図り、経営の健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株式価値を向上させることが、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考え、俊敏さも兼ね備えた全社的に効率化された組織についても配慮しながらも業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はございません。また、以下の記載内容は当社のリスクすべてを網羅するものではございませんのでご留意ください。

なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性もございます。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

① 特殊ペプチドの医薬品としての可能性について

当社の特殊ペプチドは、タンパク質の合成に利用される20種類のL体のアミノ酸のみならず、特殊アミノ酸と呼ばれるD体のアミノ酸やNメチルアミノ酸等を含んでいます。この性質により、当社は多様性のある特殊ペプチドのライブラリーを作製することができ、その中からターゲットタンパクに対して強い結合力・特異性を有し、高い生体内安定性を保ち、細胞膜透過性をも有する特殊ペプチドを創製することができます。

このような特質から、当社の特殊ペプチドは、新たな医薬品候補物質として期待されており、製薬会社との契約に結びついております。

当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)が稼働を開始したのは、2010年であります。医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するまでに、通常、多大な開発費用と10年以上の長い年月を必要とします。当社の特殊ペプチド創薬開発技術は、まだ生まれて日が浅いため、当社の特殊ペプチドからこれまでに新薬が承認された実績はございません。(ただし、自然界に存在する特殊アミノ酸を組み込んだ有機化合物から新薬が承認された実績があります。たとえば、1983年にスイスのSandoz(サンド)社から発売された免疫抑制剤「Sandimmun(サンディミュン)」は、ノルウェー南部のハルダンゲル高原の土壌から発見された真菌が産生していた特殊な構造のペプチド(シクロスポリン)から作られています。)

将来において、当社の特殊ペプチドによる新薬開発実績が生み出せなかった場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 技術革新について

当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)は、特殊ペプチドを医薬品候補物質として運用するために必要となる一連の技術((A)特殊ペプチドを創製し、(B)低分子医薬及び抗体医薬を超える多様性を持ったライブラリーを構築し、(C)高速でスクリーニングを行う技術。)を組み込んでおり、この(A)から(C)のいずれの技術をとってみても、同じくペプチドを医薬品候補物質として扱っている他社の技術と比べ、優位性を保っているものと考えております。

しかしながら、技術は日々進歩するものであり、当社の特許技術に抵触しない技術をもって当社PDPSを上回る技術が開発されることも考えられます。

当社としては、PDPSを継続的に発展させるため、研究開発を積極的に実施し、PDPSに必要な知的財産権の確保に努めていく方針でありますが、当社PDPSを上回る技術が開発された場合には、当社の競争優位性が低下する結果、当社の希望する条件でクライアントとの間で契約を締結することができなくなる可能性が増加するなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

 

(2) 事業内容に由来するリスク

① 特殊ペプチド医薬をベースにした事業であることについて

当社は、従来、特殊ペプチド医薬に特化して事業を展開しておりました。そのため、当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)により創製される特殊ペプチドは、新規性・進歩性を有するオリジナリティの高いものであり、容易に代替技術が生まれて当社の存在価値が危ぶまれるような事態になることは想定し難いと考えておりますが、特殊ペプチドに対する製薬企業の評価が変化した場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

近時は特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることがわかっており、PDPSの応用範囲が以前に比べて大幅に拡がっております。そのため、特殊ペプチドに特化していた事業内容が変わりつつあり、特殊ペプチドをベースとしてPDPSを創薬研究開発の基盤として当業界に広めていき、特殊ペプチドのみならず低分子医薬の開発にも活用していこうという展開を試みています。こうした、低分子医薬の開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 複数の製薬企業との共同研究開発を実施していることについて

本書提出日現在、当社の共同研究開発契約先は19社(国内7社、海外12社)ございます。それぞれの製薬会社は、独自の創薬開発ターゲットを保有しており、当社はその研究開発について提案を受けて推進していくことになりますが、まれに各製薬企業間で創薬開発ターゲットが競合してしまうことがございます。競合が生じた際は、当社が各製薬企業との間に立って差配することによって、トラブルを未然に防止しており、現在までにトラブルが生じた事例はございません。

しかし、今後、その調整が困難になる事態が生じた場合、当社は新たな共同研究開発契約や新たなターゲットタンパクが獲得できないなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

③ 収益計上について

当社の共同研究開発契約に係る売上カテゴリーは、原則として(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)に始まり順次、(B)研究開発支援金、(C)追加研究開発支援金、(D)創薬開発権利金、(E)各種目標達成報奨金(マイルストーン)、(F)売上ロイヤルティ、(G)売上達成報奨金で構成されております。

(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)、(B)研究開発支援金及び(C)追加研究開発支援金は当社の事業活動に依拠する部分が大きいものの、特に(B)及び(C)について、クライアントの方針転換等の影響を受けてプロジェクトが終了し、それ以降の収益が計上できないことがございます。また、(A)は、相対的に(B)及び(C)よりも額が大きく、一度に売上が計上されるため、当社の経営成績は(A)の計上に少なからず影響を受けることになります。

(D)創薬開発権利金や(E)各種目標達成報奨金に至っては、クライアントにおける業務の進行状況に大きく依存するものであり、当社でのコントロールは極めて困難な売上カテゴリーです。

そのため、当社の計画に対してクライアントにおける研究開発の進捗が遅れた場合やクライアントの研究開発方針に変更等があった場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

④ 法的な紛争の可能性について

当社は、事業を展開する上で、第三者の権利若しくは利益を侵害した場合又は侵害していない場合でも相手側が侵害したと考える場合には、損害賠償等の訴訟を提起されるなど法的な紛争が生じる可能性がございます。

本書提出日現在、法的な紛争は生じておりませんが、海外のバイオベンチャー企業1社から当社の事業が同社の特許権に抵触する旨の主張がなされていたこともあり、将来的には同社と法的な紛争に至る可能性があります。また、当社の側から、同社の特許の無効化を図るために先制的に法的な手続きをとる可能性も否定できません。今後、当社と第三者との間に法的な紛争が生じた場合、紛争の解決に労力、時間及び費用を要するほか、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされる可能性があり、その場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

さらに、これまでのところ当社が製薬企業と共同研究開発した特殊ペプチド医薬品が上市にまで至った事例は未だございませんが、今後、万一、当社が共同研究開発に携わった医薬品において健康被害が引き起こされた場合には、そのネガティブなイメージにより、当社及び当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑤ 経営上の重要な契約について

当社の事業展開上、重要と思われる契約が、当該契約が解除又はその他の事由に基づき終了した場合又は契約の相手方の経営方針が変更された場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

なお、共同研究開発契約に係る金員(当社から見たときは売上に該当)は、原則として当社が前金として受領しており、これらの金員について当社は契約が中途終了する場合でも返還義務を負っておりません。その反面、共同研究開発契約先は、契約の解除について任意(自由)に実行することができる契約内容となっております。

 

⑥ 共同研究開発契約先への依存について

当社アライアンス事業における収益は、ほとんどが共同研究開発契約先(クライアント)からのものでありますが、今後、これらのクライアントとの間で新たな標的分子に係る共同研究開発が開始されない場合や、共同研究開発の結果がクライアントの要求水準を満たせない場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、当社がライセンスアウトしたリード化合物は、クライアントが主体となって臨床試験及び承認申請を行うことになりますが、その進捗と結果が当社の事業戦略及び経営成績に大きな影響を及ぼします。当社は、ライセンスアウト後もクライアントをサポートいたしますが、臨床試験及び承認申請はクライアントが主体となって実施するものであり、当社でコントロールすることはできません。したがって、臨床試験及び承認申請の進捗が当社の予期しない事由により遅滞することや、臨床試験及び承認申請が断念される等の可能性がございます。

さらに、製造販売承認後の販売計画はクライアントに依存しており、クライアントの経営方針や販売計画の変更、経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等の可能性がございます。

そのほか、医薬品の研究開発には多額の資金が必要となることから、当業界においては組織再編やM&Aが盛んであり、クライアントにおいて組織再編が実施されることや、競合他社を買収する(競合他社から買収される)ことなど、業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性がございます。こうした大規模な企業組織再編が当社のクライアントに生じた場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑦ 自社パイプライン(自社創薬)について

当社では、特殊ペプチドの特性を活かした自社パイプライン(自社創薬)の研究開発を進めております。

現在のところ、開発の方向性としては、特殊ペプチドを医薬品として活用するアプローチと特殊ペプチドの持つ優れた選択性を活かして他の薬剤を誘導するPDC(Peptide Drug Conjugate)薬剤を開発するアプローチをとっております。また、特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることから、自社パイプラインにおいても低分子医薬品の開発に着手しております。

特殊ペプチドを医薬品として活用する取り組みの成果として2014年4月に新しい抗インフルエンザ剤に係る取り組みについて公表し、2015年2月にはその進捗状況について公表いたしました。その後、2016年6月に従前の特殊環状ペプチドの薬剤活性と体内動態を飛躍的に改良した開発ナンバー「PD-001」を新たな開発候補特殊環状ペプチドと定め、GLPに準拠した原体の入手に伴ってGLP準拠の前臨床試験を行う旨公表しております。

PDCについては、2016年6月期から本格的に着手し、すでに複数の製薬企業と共同研究を進めております。

自社パイプラインについては、研究開発が順調に進展し、臨床試験まで当社の負担で実施する場合には、多額の開発費用を要する状態になる可能性がございます。また、自社パイプラインの研究開発が順調に進展しない場合には、将来の事業化のオプションを一部失う可能性がございます。

 

⑧ 他社との戦略的提携・企業買収等の成否について

当社は、競争力の強化及び事業分野の拡大等のため、他社の事業部門の譲受け、他社の買収、他社との業務提携、合弁会社の設立、他社への投資等の戦略的提携など(以下「戦略的提携等」といいます。)を行うことがございます。こうした戦略的提携等については、パートナー企業との思惑に相違が生じて提携・統合が円滑に進まない可能性や当初期待していた効果が得られない可能性、投資した金額の全部又は一部が回収できない可能性等がございます。また、パートナー企業が当社の利益に反する決定を行う可能性があり、パートナー企業が事業戦略を変更した場合など、当社は戦略的提携等の関係を維持することが困難になる可能性もあり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(3) 知的財産権について

① 特許の取得・出願状況について

当社は事業において様々な発明及び特許権を実施しておりますが、これらは当社、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学により登録済みになっているものと審査中のものがございます。

しかしながら、出願中の発明すべてについて特許査定がなされるとは限りません。また、特許権を設定登録した場合でも、特許異議申立制度により請求項が無効化される可能性がございます。また、特許権侵害訴訟の提起や特許無効審判が請求されるなど特許権に係る法的な紛争が生じ、当社が実施する権利に何らかの悪影響が生じる可能性がございます。また、当社が実施する特許権を上回る優れた技術の出現により、当社が有する特許権に含まれる技術が陳腐化する可能性がございます。こうした事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

その他、当社は、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学が出願人である発明又は特許権に関して、契約により第三者サブライセンス権付き独占実施・許諾権を獲得しておりますが、当該契約の内容が変更される場合や、期間満了や解除等により契約が終了した場合等にも、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 職務発明に対する社内対応について

当社が職務発明の発明者である役職員等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は特許法に定める「相当の利益」を支払うことになります。当社では、その取扱いについて社内規則等でルールを定めており、役職員への周知及び運用を強化しております。しかしながら、職務発明の取扱いにつき、相当の利益の支払請求等の問題が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(4) 医薬品の研究開発事業一般に関するリスク

① 医薬品開発の不確実性について

一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物であっても、前臨床試験や臨床試験の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断をされることがございます。開発を延長した場合には、追加の資金投入が必要になるほか、特許権の存続期間満了までの期間が短くなり、投資した資金の回収に影響を及ぼします。また、開発を中止した場合には、それまでに投じた研究開発資金が回収できなくなることになります。

 

② 副作用発現に関するリスクについて

医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性がございます。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

③ 薬事法その他の薬事に関する規制について

医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法(わが国においては「医薬品医療機器等法」)及びその他の関連法規等により、様々な規制を受けております。

現在のところ、当社のパイプラインは研究開発段階にあり、わが国の厚生労働省、アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)等から上市のための認可は受けておりませんが、今後、各国の薬事法等の諸規制に基づいて医薬品の製造販売承認申請を行い、承認を取得することを目指しております。

そのため、自社のパイプラインについて上記の規制をクリアするための体制整備が求められることになります。また、各国の薬事法及びその他の関連法規等は随時改定がなされるものであり、これらの変化が当社の生み出す特殊ペプチドにとって有利又は不利に働くことや、さらなる体制の整備・変更を求められる可能性が考えられます。

こうした規制への対応が当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼすことになります。

 

④ 製造物責任について

医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在しています。将来、開発したいずれかの医薬品が健康障害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な事象が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、製造物責任賠償請求がなされることによるネガティブなイメージにより、当社及び当社の医薬品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑤ 医薬品行政について

医療用医薬品の販売価格は、日本及びその他各国政府の薬価に関する規制の影響を受けます。当社では、これまでのところ自社で臨床試験を実施したことがなく、早期に開発候補化合物をクライアントに導出する方針を採用しております。そのため、当社は薬価戦略についてはクライアントに依存しており、日本及びその他各国政府の薬価政策の影響を間接的に受ける立場にあります。当社の開発候補化合物が上市された場合において、当該医薬品にとってネガティブな薬価改定やその他の医療保険制度の改定があった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(5) 人材及び組織に由来するリスク

当社は、創薬基盤技術の深化、創薬研究開発の進展を図るには、研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保が必要であると考えております。

当社の想定した人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(6) その他に由来するリスク

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、役員、従業員及び取引先等に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性がございます。本書提出日現在、権利行使が可能な状態にある新株予約権による潜在株式数は4,700,000株であり、発行済株式数及び潜在株式数の合計の3.62%に相当しております。

 

② 配当政策について

当社は配当による株主様への利益還元も重要な経営課題だと認識しております。

当社は、将来においても安定的な収益の獲得が可能であり、かつ、研究開発資金を賄うに十分な利益が確保できる場合には、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当についても検討してまいります。

 

③ 情報管理について

当社の事業は、クライアントである製薬企業からターゲットタンパクの情報を預かる立場にあります。そのため、当社は、当社の従業員との間において顧客情報を含む会社の情報に係る誓約書を徴求し、会社情報の漏えいの未然防止に努めております。

しかしながら、万一顧客の情報を含む会社の情報が外部に漏えいした場合は、当社の信用低下を招き、当社の事業等に影響を及ぼす可能性がございます。

 

④ 外国為替相場の変動について

当社のクライアントには海外の製薬企業が多いことから、売上高の多くが外国通貨建て(主に米ドル建て)となっており、為替変動の影響を受けます。したがって、為替相場が変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことになります。

 

⑤ 自然災害等の発生

当社は、神奈川県川崎市川崎区殿町に本社・研究所を設置しており、事業活動や研究開発活動に関する設備及び人員が現所在地に集中しております。このため、現所在地の周辺地域において、地震、噴火、水害等の自然災害、大規模な事故、テロ等が発生し、当社設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑥ CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品製造受託機関)への出資について

当社は、2017年9月に塩野義製薬株式会社・積水化学工業株式会社とともに合弁会社としてCDMO(商号:「ペプチスター株式会社 」。以下「ペプチスター」といいます。)を大阪府摂津市に設立いたしました。

現在、特殊ペプチド医薬品の研究開発が国内外の製薬企業において進められていますが、高品質な特殊ペプチド原薬を低コストで安定供給できるCDMOが世界的に見ても存在しておりません。こうした状況のもと、特殊ペプチド医薬品について専門的な技術を持つCDMOを設立することは、当社の事業の推進に、ひいては特殊ペプチド医薬品市場の拡大に貢献できるものと考えております。合弁事業に参画する各国内企業が持つ最先端技術をこのペプチスターに戦略的に結集することで、特殊ペプチド医薬品の開発・販売に係るボトルネックの解消を目指してまいります。

当社は、2018年3月30日にペプチスターに対し18億円の追加出資をすることを発表しております。ペプチスターへの追加出資後の出資比率は当社、塩野義製薬、積水化学工業の3社ともに17.3%となります。また、当社はペプチスターの債務に対して債務保証をしていることから、ペプチスターは当社の関連会社となります。そのため、当社が投資時点において想定したとおりにペプチスターが事業を展開できない場合、株式の減損処理が発生するなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑦ 保有投資有価証券について

当社では、共同研究開発を加速させる目的で投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は、株式発行会社の財政状態・経営成績等の状況によって判断されるため、実質価額の低下により減損処理を行うこととなった場合には、投資有価証券評価損の計上により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑧ 風説・風評の発生

当社や当社の関係者、当社の取引先等に対する否定的な風説や風評が、マスコミ報道、アナリストレポートやインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える可能性がございます。当社や当社の関係者、当社の取引先等に対して否定的な風説・風評が流布した場合には、そのネガティブなイメージにより、当社に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を進めてまいりました。

1つ目の事業戦略であるPDPSを活用した国内外の製薬企業との創薬共同研究開発契約については、スイス・ノバルティス社(以下「ノバルティス社」)との間で、ペプチド-薬物複合体(Peptide Drug Conjugate、以下「PDC」)の共同研究開発に関する契約締結を発表いたしました。本契約に基づき当社は、ノバルティス社が選定した複数の標的分子に対し、PDPSを用いて、PDCとして使用する新たな特殊環状ペプチドの同定を進めてまいります。ノバルティス社は同定したペプチドを放射性核種または特定の低分子化合物と結合させたPDCを創製し、診断と治療の両方に使用する独占的な権利を有します。本契約の締結に伴い、当社はノバルティス社から契約一時金を受領いたしました。当期においても創薬共同研究開発契約企業から複数のプログラムに対し研究開発支援金を受領いたしました。当社は、現在進行しているプログラムにおいて、さらなるマイルストーンが達成され、パートナー企業の許諾を得た上で、新たな進捗の報告をできるものと考えております。

2つ目の事業戦略であるPDPSの技術ライセンスについては、塩野義製薬株式会社(以下塩野義製薬)への技術移転の第二ステップが順調に完了し、3回目の技術ライセンス料を受領いたしました。また、Merck & Co. Kenilworth, NJ, U.S.A(以下 米国メルク社)への技術移転の第二ステップが順調に完了し、3回目の技術ライセンス料を受領いたしました。

3つ目の事業戦略である世界中の特別な技術を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことによる自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充については、ポーラ化成工業株式会社(以下 ポーラ化成工業)と、ペプチドを用いた化粧品、医薬部外品および医薬品の研究開発、商業化に関する覚書を締結し、契約一時金を受領いたしました。当社のPDPS技術を活用することで、ポーラ化成工業における医薬部外品や化粧品の素材開発に拡大するとともに、ポーラ化成工業との協業により、皮膚に効果のある医薬品シーズの創出などに取り組んでまいります。

その結果、当事業年度における売上高は7,216,622千円(前年同期比789,731千円増加)、営業利益3,579,781千円(前年同期比668,801千円増加)、経常利益3,806,852千円(前年同期比652,362千円増加)、当期純利益2,770,141千円(前年同期比434,924千円増加)となりました。PDPSの技術ライセンス料や創薬共同研究開発の新規契約による契約一時金収入等がけん引し、売上高、利益ともに過去最高を更新いたしました。また、2018年8月に発表した通期業績予想に対して、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべての項目において業績予想通りの結果となりました。

なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当社は生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

② 受注実績

当社のアライアンス事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

アライアンス事業

7,216,622

+12.3

合計

7,216,622

+12.3

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  2017年7月1日

至  2018年6月30日)

販売高

(千円)

割合

(%)

イ社

2,539,980

39.5

ロ社

1,206,666

18.8

ハ社

1,130,339

17.6

 

 

相手先

当事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

販売高

(千円)

割合

(%)

A社

2,638,921

36.6

B社

1,883,333

26.1

C社

1,619,090

22.4

 

 (注)当社顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。

 

(2) 財政状態

当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ、3,537,940千円増加し、20,040,205千円となりました。主な要因としては、現金及び預金の増加3,347,801千円、売掛金の減少116,445千円、投資有価証券の増加1,277,898千円等がございます。

負債は前事業年度末に比べ、797,601千円増加し、2,591,150千円となりました。主な要因としては、未払法人税等の増加180,731千円、前受金の増加327,003千円、役員株式給付引当金の増加64,243千円等がございます。

純資産は前事業年度末に比べ、2,740,339千円増加し、17,449,054千円となりました。主な要因としては、利益剰余金の増加2,770,141千円、資本金の増加14,558千円、資本剰余金の増加14,558千円等がございます。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ3,347,801千円増加し、6,853,150千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額970,757千円等があったものの、当事業年度における税引前当期純利益の計上3,806,852千円、 減価償却費の計上501,224円、売上債権の減少額116,445千円等により、4,480,938千円の収入(前年同期比3,458,222千円の収入増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、補助金の受取額による収入272,647千円があったものの、投資有価証券の取得による支出1,336,298千円、有形固定資産の取得による支出152,909千円、無形固定資産の取得による支出42,110千円等により、1,258,726千円の支出(前年同期比2,986,667千円の支出減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入28,658千円等により、28,508千円の収入(前年同期比141,779千円の収入減少)となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

財務政策につきましては、当社の事業活動の維持拡大に必要な資金は、手許資金で賄っております。

主な資金需要につきましては、運転資金として製造原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金として、研究開発のための設備投資等があります。

有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております

 

(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。

当事業年度においては、売上高7,200,000千円以上、営業利益3,300,000千円以上、売上高営業利益率45.8%以上を目標としておりましたが、売上高7,216,622千円、営業利益3,579,781千円、売上高営業利益率49.6%となり、全ての目標を上回る結果となりました。引き続きこれらの指標について、向上できるよう努めてまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)  基盤技術に関する独占ライセンス契約

相手先の名称

ニューヨーク州立大学

国立大学法人東京大学

契約名称

Patent License Agreement(独占ライセンス契約)

独占ライセンス契約

主な契約内容

①許諾内容

第三者に対する再実施権を含めた独占実施・許諾権

②対象となる特許・発明

下表参照

③契約期間

下表参照

①許諾内容

第三者に対する再実施権を含めた独占実施・許諾権

②対象となる特許・発明

下表参照

③契約期間

下表参照

 

 

 

対象発明の名称

出願者

出願日

登録日

登録番号

契約期間

Catalytic RNAs with Aminoacylation Activity

ニューヨーク州立大学

2000年11月22日
1999年11月24日
2000年11月22日

2000年11月22日

2011年5月20日

2006年2月21日

2008年6月4日

2011年2月8日

特許第4745577号

US 7,001,723 B1

EP 1232285 B1

CA 2391433

2007年3月21日

から特許権の存続

期間終了の日まで

Ribozymes with Broad tRNA Aminoacylation Activity

ニューヨーク州立大学

2003年2月18日
2002年2月15日
2003年2月18日

2003年2月18日

2010年2月26日

2009年11月24日

2009年7月29日

2012年4月17日

特許第4464684号

US 7,622,248 B2

EP 1483282 B1

CA 2476425

2007年3月21日

から特許権の存続

期間終了の日まで

多目的アシル化触媒とその用途

国立大学法人東京大学

2005年12月6日
2006年12月5日
2006年12月5日

2012年11月2日
2012年5月29日
2012年8月1日

特許第5119444号
US 8,188,260 B2
EP 1964916 B1

2006年12月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

N末端に非天然骨格をもつポリペプチドの翻訳合成とその応用

国立大学法人東京大学

2006年11月17日
2007年11月13日
2007年11月13日

2013年2月22日

2013年10月15日

2013年8月21日

特許第5200241号
US 8,557,542 B2

EP 2088202 B1

2006年12月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

環状ペプチド化合物の合成方法

国立大学法人東京大学

2007年3月26日
2008年3月26日2008年3月26日

2014年10月15日

2015年7月28日

2016年7月27日

2017年5月3日

2017年6月28日

特許第5605602号

US 9,090,668 B2

EP 2141175 B1

EP 2990411 B1

EP 3012265 B1

2008年2月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

新規人工翻訳合成系

国立大学法人東京大学

2010年8月27日
2011年8月26日
2011年8月26日
2011年8月26日

2015年5月27日
2017年7月11日


2015年9月8日

特許第5725467号
US 9,701,993 B2
EP 2610348 A4
CN 103189522 B

2011年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

N-メチルアミノ酸及びその他の特殊アミノ酸を含む特殊ペプチド化合物ライブラリーの翻訳構築と活性種探索法

国立大学法人東京大学

2010年9月9日
2011年9月8日
2011年9月8日

2015年11月18日
2016年8月9日
2017年11月1日

特許第5818237号
US 9,410,148 B2
EP 2615455 B1

2011年3月10日

から特許権の存続

期間終了の日まで

安定化された二次構造を有するペプチド、及びペプチドライブラリー、それらの製造方法

国立大学法人東京大学

2010年12月3日
2011年12月5日
2011年12月5日
2015年9月8日

2016年10月5日
2017年5月23日

2019年2月27日

2015年11月25日

特許第6004399号
US 9,657,289 B2

US 20170247416 A1
EP 2647721 B1
CN 103328648 B

2011年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

ペプチドライブラリーの製造方法、ペプチドライブラリー、及びスクリーニング方法

国立大学法人東京大学

2010年3月12日
2011年12月5日
2011年12月5日

2017年10月4日
2019年2月5日

2019年6月19日

特許第6206943号
US 10,195,578 B2
EP 2647720 B1

2011年3月10日

から特許権の存続

期間終了の日まで

アゾリン化合物及びアゾール化合物のライブラリー、並びにその製造方法

国立大学法人東京大学

2012年3月9日
2012年3月9日
2012年3月9日

2018年5月11日

2019年4月26日

2019年2月5日

2018年12月5日

特許第6332965号

特許第6516382号

US 10,197,567 B2
EP 2684952 B1

EP 3460059 A9

2011年3月10日

から特許権の存続

期間終了の日まで

pH依存的に標的分子に結合するペプチドのスクリーニング方法

国立大学法人東京大学

2012年6月6日
2013年6月6日
2013年6月6日


2017年2月21日
2018年10月24日

特開2018-99129

US 9,574,190 B2
EP 2868744 B1

2012年8月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

MATE活性阻害ペプチド

国立大学法人東京大学

2012年7月31日

2017年11月15日

特許第6229966号

2013年3月8日

から特許権の存続

期間終了の日まで

 

 

対象発明の名称

出願者

出願日

登録日

登録番号

契約期間

ヘテロ環を含む化合物の製造方法

国立大学法人東京大学

2014年3月7日
2014年3月7日
2014年3月7日

2017年12月15日
2019年6月25日

2018年2月21日

特許第6257054号

US 10,329,558 B2
EP 2966174 B1

2013年3月8日

から特許権の存続

期間終了の日まで

大環状ペプチド、その製造方法、及び大環状ペプチドライブラリを用いるスクリーニング方法

国立大学法人東京大学

2013年8月26日
2014年8月26日
2014年8月26日

2019年3月19日

特開2015-042159

US 10,234,460 B2
EP 3040417 A4

2013年8月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

 

c-Metタンパク質アゴニスト

国立大学法人東京大学

2014年10月15日
2014年10月15日
2014年10月15日

2018年11月2日

2018年6月12日

特許第6426103号

US 9,994,616 B2
EP 3059244 A4

2014年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

アゾール誘導体骨格を有するペプチドの製造方法

国立大学法人東京大学

2015年2月3日
2015年2月3日
2015年2月3日

2017年10月10日

特願2015-560075

US 9,783,800 B2
EP 3103881 A4

2014年3月1日

から特許権の存続

期間終了の日まで

プレキシンの結合調節剤

国立大学法人東京大学、国立大学法人大阪大学

2016年6月16日

特願2018-524047

US 20190247457A1

EP 3473262 A1

2016年3月1日

から2022年3月31日まで

D-アミノ酸及びβ-アミノ酸の取り込みを増強するtRNAのD及びTアームの改変

国立大学法人東京大学

2018年8月28日

WO2019/077887

2018年3月1日から特許権の存続期間終了の日まで

 

(注) 上記契約の対価として一定料率のロイヤルティを支払っております。

 

(2) アライアンス(共同研究開発)契約

相手先の名称

相手先の
所在地

契約締結日

契約内容

Cambridge Antibody Technology Ltd.→MedImmune Ltd.→AstraZeneca Plc.

(注)1

英国

1次 2007年5月25日
2次 2009年3月31日
3次 2012年9月28日

1次 共同技術研究開発契約

2次 フィージビリティー契約

3次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Bristol-Myers Squibb Company

米国

2010年10月15日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

AMGEN Inc.

米国

1次 2010年11月30日
2次 2012年12月17日

1次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約
2次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

田辺三菱製薬株式会社

日本

2010年12月13日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Novartis Pharma AG

スイス

1次 2010年7月1日
2次 2012年11月9日

1次 フィージビリティー契約
2次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

第一三共株式会社

日本

2012年7月8日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

GlaxoSmithKline Plc.

英国

2012年9月14日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

IPSEN,S.A.S

仏国

1次 2013年3月22日
2次 2013年10月7日

1次 PDPSを用いた共同創薬研究契約
2次 PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Eli Lilly and Company

米国

2013年12月19日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Merck Sharp and Dohme Corp.

米国

2015年4月29日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Sanofi S.A.

仏国

2015年9月14日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

 

帝人ファーマ株式会社

日本

2015年9月28日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

杏林製薬株式会社

日本

2015年11月5日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

相手先の名称

相手先の
所在地

契約締結日

契約内容

Genentech, Inc.

米国

2015年12月21日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

塩野義製薬株式会社

日本

2016年2月5日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

旭化成ファーマ株式会社

日本

2016年3月28日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Janssen Pharmaceuticals, inc.

米国

2017年4月5日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

Bayer AG

ドイツ

2017年11月16日

PDPSを用いた共同創薬研究開発契約

参天製薬株式会社

日本

2018年9月25日

PDPSを用いた包括的創薬共同研究開発契約

塩野義製薬株式会社

日本

2019年1月23日

PDPSを用いたPDCに関する包括的共同研究契約

ポーラ化成工業株式会社

日本

2019年3月26日

PDPSを用いた化粧品、医薬部外品および医薬品の共同研究、共同開発および商業化に関する覚書

Novartis Pharma AG

スイス

2019年6月28日

PDPSを用いたPDCに関する共同研究開発契約

 

(注) 1.Cambridge Antibody Technology Ltd.及びMedImmune Ltd.は、AstraZeneca Plc.の子会社であります。1次契約はCambridge Antibody Technology Ltd.と、2次契約はMedImmune Ltd.と、3次契約はAstraZeneca Plc.と締結しております。

 

(3) 技術ライセンス契約(技術貸与)

相手先の名称

相手先の
所在地

契約締結日

契約内容

Bristol-Myers Squibb Company

米国

2013年9月16日

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

Novartis Pharma AG

スイス

2015年4月1日(効力発生日)

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

Eli Lilly and Company

米国

2016年3月4日

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

Genentech, Inc.

米国

2016年7月20日

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

塩野義製薬株式会社

日本

2017年6月12日

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

Merck Sharp and Dohme Corp.

米国

2018年6月29日

PDPS技術の非独占的実施許諾契約

ミラバイオロジクス株式会社

日本

2018年12月20日

PDPS技術の特許の一部に関する非独占的

実施許諾契約

 

 

5 【研究開発活動】

当社の研究開発は、当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを活用することによる自社創薬および世界中の特別な技術を有する創薬企業、バイオベンチャー企業、アカデミア等の研究機関と戦略的な提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図っております。

PDPSは、低分子医薬品や抗体医薬の利点を併せ持つ特殊ペプチドを用いた医薬品候補化合物を探索する創薬開発プラットフォームシステムとして開発され、開発後も性能向上に向けた基盤研究を継続して行っております。当事業年度においては、PDPSを用いた探索工程の自動化(オートメーション化)に着手いたしました。自動化が成功すれば、開発プログラムのスピード向上とともに、並行して実施するプログラム数の増加、取得できるヒット候補化合物の質の向上が期待されます。

PDPSを用いた創薬は「特殊ペプチド医薬品」に限らず、PDPSから見い出された特殊ペプチドから得られる情報(標的タンパク質のどこに、どのように結合しているか等)を用いて「低分子医薬品」の開発も行っております。また、特殊ペプチドの高い特異性と強い結合力という特性を生かし、標的タンパク質に薬物を届ける運び屋として使用するPDC(ペプチド-薬物複合体)を活用した「PDC医薬品」や診断薬の開発も行っております。

自社創薬については、ヘマグルチニン(HA)を標的タンパク質とした抗インフルエンザウイルス特殊ペプチド「PD-001」に加えて、抗自己免疫疾患・抗アレルギー性炎症(関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、喘息、ドライアイなど)に関与するインターロイキン-17(IL17)を標的タンパク質とした特殊環状ペプチドを用いた医薬品の研究開発など、複数のプログラムが進行しております。「PD-001」は、単剤での非臨床毒性試験はほぼ終了し、大きな問題がないことを確認しております。現在は、異なる作用機序をもつ薬剤との併用における有効性・安全性の確認等を進めております。

戦略的提携による創薬に関する主な進捗については、JCRファーマ株式会社と2016年2月に開始した共同研究において、血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)通過を可能とするキャリアとしての特殊ペプチドの創製に成功したことを2019年5月に発表しました。今回創製したキャリアペプチドは、様々な種類の薬物に対し、PDCとすることでBBB通過能を付与し、脳内への取り込み効率を向上させる効果を有します。このキャリアペプチドは、抗体を中心とするタンパク質、ペプチド、核酸、低分子化合物等、幅広い薬物への応用が可能ですが、既に抗体医薬のBBB通過において極めて有効であることが動物モデルで実証されております。また、低分子化合物を中心とした他の薬物への応用についても、体内動態を含む実証データの確認が進められています。また米国Kleo Pharmaceuticals(クリオ・ファーマシューティカル、以下 クリオ)とは、2017年7月に開始した両社の戦略的共同研究開発において、最初の臨床候補化合物が創製されたことを2019年6月に発表しました。今回創製された臨床候補化合物は、多発性骨髄腫を適応症とする「CD38-ARM」です。骨髄腫細胞表面に発現しているCD38を標的とし、PDPSを用いて特定された特殊ペプチドに、クリオ独自のがん免疫療法のプラットフォームであるARMを結合したPDC医薬品候補化合物です。両社は、今回の臨床候補化合物以外にもARMを用いた複数プログラムの研究開発を進めるとともに、クリオが有するARM以外のがん免疫療法のプラットフォーム技術であるSynthetic Antibody Mimics(SyAMs)、およびMonoclonal Antibody Therapeutic Enhancers(MATEs)を用いたプログラムの研究開発も進めております。

こうした活動の結果、当事業年度における研究開発費は1,141,795千円となりました。