文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において、当社が判断したものであります。
当第2四半期累計期間(2018年7月1日から2018年12月31日)において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を進めてまいりました。
当社では、2018年12月31日現在、94のプログラムが進行しております(2018年9月末比5プログラム増加)。下表は、各研究開発ステージにおけるプログラム数を2018年9月末時点のものと比較したものです。
【プログラム数の推移】
1つ目の事業戦略であるPDPSを活用した国内外の製薬企業との創薬共同研究開発契約については、2018年11月16日に、当社は旭化成ファーマ株式会社(以下 旭化成ファーマ)との間で実施している創薬共同研究開発において、見出された特殊環状ペプチドが、リードペプチドとして設定していたクライテリア(共同研究開発先とそれぞれ合意している生物活性及び活性等の基準の総称)を満たしたことを発表いたしました。本マイルストーン達成に伴い、当社は旭化成ファーマからマイルストーンフィーを第2四半期に受領いたしました(金額は非公開)。このプログラムは、前臨床試験対応化合物のステージに入っており、臨床候補化合物の同定に向けて研究開発を進めております。
2018年12月3日に、当社は米国メルク社との間で実施している創薬共同研究開発において、3つのプログラムで、あらかじめ設定していたクライテリアを満たしたことを発表いたしました。本マイルストーン達成に伴い、当社は米メルク社からマイルストーンフィーを第2四半期に受領いたしました(金額は非公開)。3つのうち2つは、両社が創薬共同研究開発を開始してから4つ目および5つ目のプログラムにおいて見出された特殊環状ペプチドがヒット化合物のクライテリアを達成したものです。これら2つのプログラムは、Hit-to-Leadのステージに入っております。もう1つのプログラムは、リード化合物として設定していたクライテリアを達成したものです。このプログラムは、前臨床試験対応化合物のステージに入っており、臨床候補化合物の同定に向けた研究開発を進めております。
また、第2四半期においても創薬共同研究開発契約企業から複数のプログラムに対し研究開発支援金を受領いたしました。当社は、現在進行しているプログラムにおいて、さらなるマイルストーンが達成され、パートナー企業の許諾を得た上で、新たな進捗の報告をできるものと考えております。加えて、当社は創薬共同研究開発に関心のある複数の企業と新たな契約締結に向けた交渉を進めております。
2つ目の事業戦略であるPDPSの技術ライセンスについては、2018年12月20日に、当社は米メルク社への技術移転の第1ステージを順調に完了し、2回目の技術ライセンス料を第2四半期に受領いたしました(金額は非公開)。
2018年12月20日に、当社はミラバイオロジクス株式会社(以下 ミラバイオロジクス)との間で、PDPS 技術の特許の一部に関する実施許諾契約を締結いたしました。ミラバイオロジクスは、従来技術では作成が困難である複数の抗原に対して高い特異性を備えた抗体様化合物をもとに、次世代バイオ医薬品の開発を目指す創薬ベンチャーです。ペプチドリームの共同創業者である菅裕明東京大学大学院教授が創業者の1人として参画しております。これら抗体様化合物の作成には、標的タンパク質に対して強い親和性を有する天然アミノ酸からなるペプチド配列が用いられることから、当社からのPDPS技術の一部ライセンスに関して、両社は協議を行ってまいりました。本契約に伴い、当社はミラバイオロジクスより契約一時金を第2四半期に受領いたしました(金額は非公開)。また、事業の進捗に応じてあらかじめ設定しているクライテリアを達成した場合にマイルストーンフィー、および製品化後は売上金額に応じたロイヤルティーが当社に支払われます。
2018年12月31日現在、7社;米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(2013年)、スイス・ノバルティス社(2015年)、米国リリー社(2016年)、米国ジェネンテック社(2016年)、塩野義製薬(2017年)、米国メルク社(2018年)、ミラバイオロジクス(2018年)と非独占的なライセンス許諾契約を締結しております。同事業については、技術移管先企業がマイルストーンを達成するまでは、どのような発見が行われ、開発が進んでいるかについて当社は知らされませんが、これらライセンス先企業から技術ライセンス料とともに開発プログラムの進捗ごとのマイルストーンフィーが当社に支払われます。また、当社はPDPSの非独占的ライセンス許諾に関心をもつ複数の企業との交渉を継続的に進めております。
3つ目の事業戦略は、世界中の特別な技術を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図ることです。この事業は当社の将来の業績をけん引するものと予想しております。当社は新しい本社・研究所が神奈川県川崎市に完成し、2017年8月に移転したことで、必要とされていた研究スペースや新たな設備に関するボトルネックが解消し、当社の同事業のプログラム数は大きく拡大いたしました。同事業の目標は、当社の強力な製薬企業とのネットワークを活用して、これらのプログラムを少なくとも第Ⅰ相に入る段階もしくは、第Ⅰ相に入った後、可能であれば第Ⅱ相に入った後まで開発することにより、通常の開発候補品よりも収益性の高い契約条件で大手製薬企業にライセンスアウト(導出)することです。当社では、PDPS技術を用いて同定したヒット化合物を、①特殊ペプチド医薬品、②ペプチド-薬物複合体(PDC医薬品)、③低分子医薬品という3カテゴリーの医薬品群として開発する創薬能力を拡充しております。戦略的パートナーの独自の技術・ノウハウと当社の技術を組み合わせることで生まれたプログラムでは、開発費用を両社で負担することにより、開発に成功した場合には、通常の創薬共同研究プログラムと比べてより高い比率の売上ロイヤルティーが支払われます。
自社創薬については、ヘマグルチニン(HA)を標的タンパク質とした抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチド「PD-001」に加えて、抗自己免疫疾患・抗アレルギー性炎症(関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、喘息、ドライアイなど)に関与するインターロイキン-17(IL17)を標的タンパク質とした特殊環状ペプチドを用いた医薬品の研究開発など、複数のプログラムが進行しております。当社が研究開発を進めるIL17阻害ペプチドについては、経口剤、塗り薬、吸入剤などの投与経路を採用できる可能性があり、既存の抗体医薬品の投与経路が静脈注射であることに比べて、患者さんの利便性向上につながりうるものと期待しております。
戦略的提携による創薬については、当社はこれまで4社(JCRファーマ株式会社、モジュラス株式会社、英国Heptares Therapeutics社、米国Kleo Pharmaceuticals社)との戦略的提携を発表しております。また、川崎医科大学とは難治性希少疾患に対するペプチド創薬に関する共同研究を実施し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団からは結核及びマラリア感染症の新規治療薬に関する研究開発助成金を受領しております。
2018年12月18日に、当社は日本メジフィジックス株式会社(以下 NMP)との間で、特殊ペプチドにラジオアイソトープ(RI:放射性同位元素)を標識した治療薬および診断薬の創製に向けた戦略的共同研究開発および商業化の枠組みに関して基本合意に至り、覚書を締結いたしました。当社はPDPS技術を活用し、特殊ペプチドを用いたペプチド-薬物複合体(PDC)の研究開発を進めております。またNMPは「治療と診断の融合(セラノスティクス)」の実用化を目指しており、治療用および診断用の放射性医薬品を開発するための新たな研究製造拠点の整備に着手しています。今回の覚書締結を機に、当社が持つ特殊ペプチドにNMPが持つ放射性核種を標識する技術を組み合わせることにより、セラノスティクスの実現につながる新たな治療薬および診断薬の創製を進めてまいります。本取組みによって得られるRI標識ペプチドの開発および製品化の技術は両社で共有し、日本を含むアジア、ならびに欧米等において共同開発またはライセンスの導出を進めてまいります。
JCRファーマ株式会社(以下「JCRファーマ」)とは、血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)通過を可能とするキャリアペプチドの創製を行っております。開発されたペプチドに低分子医薬品やペプチド医薬品、抗体医薬品を中心とするタンパク製剤などを結合することにより、これまでBBBを通過できなかった薬を脳内に届けることが可能となり、神経疾患や骨格筋疾患における新たな治療薬開発の加速につながるものと期待しております。現在、疾患モデル動物等を用いた試験によって安全性や有効性の評価を進めており、評価を確認でき次第、製薬企業等へのライセンスアウトを進めていく計画です。BBB通過を可能とするキャリアペプチドに関心を持つ企業からは既に数多く問い合わせを受けており、今後、JCRファーマとの間でライセンスアウト戦略に関する詳細検討を進めてまいります。
モジュラス株式会社(以下 モジュラス)とは、これまで開発が難しかった創薬ターゲットに対する低分子医薬品候補化合物の開発を進めております。モジュラスは最先端の計算科学を駆使した高速かつ効率的な低分子医薬品候補化合物のデザインに関する技術を有するベンチャー企業です。両社は開発コストを分担し、得られた成果も両社で共有いたします。当社はPDPSを用いてキナーゼの変化の影響を受けないATP-非競合型インヒビター(アロステリックインヒビター)であるキナーゼ阻害剤の候補となるヒットペプチドをすでに数多く同定しております。両社は得られたヒットペプチドの立体構造情報から計算科学を用いて低分子医薬品候補化合物をデザインする能力を高める取組みを進めております。また、当社は2018年8月、モジュラスの資金調達(シリーズA)において2億円を出資いたしました。
英国Heptares Therapeutics社(以下 ヘプタレス)とは、疼痛、がん、炎症性疾患など複数の適応症において既に検証されているGタンパク質共役受容体(GPCR)として知られるプロテアーゼ活性化受容体(PAR2)を標的として新規治療薬の研究開発・商業化を目的とした戦略的共同研究を行っております。この共同研究では、両社のもつ業界屈指のプラットフォーム技術を融合いたします。両社で選択したGPCRターゲットに対して、ヘプタレス社のStaRプラットフォームを用いて安定化し、当社のPDPSを用いてヒット化合物を得ることで、新たな治療薬の開発を進めてまいります。本契約のもと、両社はコストを分担し、得られたすべての成果を共有いたします。2018年5月に報告いたしましたとおり、両社はPAR2に対し、高い親和性と選択性を有するペプチド・アンタゴニストを同定しており、このプログラムは現在、Hit-to-Leadのステージに入っております。
米国Kleo Pharmaceuticals(クリオ・ファーマシューティカル、以下 クリオ)とは、複数の適応症でがん免疫治療薬の共同研究開発を行っております。クリオが選択した複数のがん細胞表面及び免疫細胞表面の受容体ターゲットに対して当社のPDPSを用いて特殊環状ペプチドを同定し、最適化を実施いたします。それらとクリオが有するAntibody Recruiting Molecules(ARMs)、Synthetic Antibody Mimics(SyAMs)およびMonoclonal Antibody Therapy Enhancers(MATEs)という新たながん免疫療法のプラットフォーム技術を用いてPDC医薬品候補化合物を創製いたします。当社は製品開発の貢献度に応じて、すべての製品から生じる一定の収益を得る権利を有しております。両社はすでにいくつかの有望なリード化合物の合成を完了しております。また、当社は2018年11月7日、クリオの資金調達(シリーズB)において10百万米ドル(約11億円)を出資いたしました。クリオは、今回の調達資金を当社と共同研究開発を進めている医薬品候補化合物の臨床開発入り(2020年を予定)を加速する目的に使用する計画です。
川崎医科大学とは、難治性希少疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対するペプチド医薬品の共同研究開発を行っております。DMDは進行性の筋力低下を特徴とする遺伝疾患であり、いまだ有効な治療法が確立されておりません。共同研究開発では、マイオスタチンを標的タンパク質としたペプチド医薬品候補化合物がDMDのモデル動物に投与した際に筋力低下を有意に改善することが確認されており、革新的な筋萎縮阻害剤の開発につながりうるものと期待しております。現在、前臨床試験を進めており、近い将来に臨床試験を実施できるよう全力で取り組んでまいります。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下 ゲイツ財団)とは、世界の最貧国において大きな問題となっている2つの感染症である結核及びマラリアを治療するための新規特殊環状ペプチドを見出すことを目的とした複数のプログラムにつき、ゲイツ財団からの助成金による研究開発を行っております。この助成金により開発される治療薬は、ゲイツ財団との合意に基づき、貧しい国においては安価で提供されることになっております。一方、先進国においては、ペプチドリームが自社での製品化及び自由なライセンス活動の権利を有しております。
当社は今後も特定の分野で世界をリードする優れた技術を有するバイオベンチャー企業やアカデミア等の研究機関との戦略的提携を通じて、次世代のファーストインクラス(first-in-class)及びベストインクラス(best-in-class)となる優れた治療薬の開発に向けた取組みをさらに加速してまいります。
当社は塩野義製薬、積水化学工業株式会社と合弁で特殊ペプチド原薬の製造プロセスに関する研究開発、製造及び販売を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)・ペプチスター株式会社(以下 ペプチスター)を設立いたしました。ペプチスターは国内の様々な会社が有する技術を融合し、高品質、高純度でしかも製造コストを大幅に低減する最先端技術を開発、提供することを目指しております。ペプチスターは当社の創薬共同研究開発企業だけでなく、戦略的提携により自社開発品の製造も請け負うことが予想されます。同社の工場は大阪府摂津市に建設を進めており、2019年秋から商業生産を開始する計画です。
当社はサステイナビリティへの取り組み(ESG)に関して、当社の基本方針、重点取組み、主要データ/指標についての情報開示を目的に、自社WEBサイト上に専用ページを開設しております。当社は地球環境への配慮、社会・従業員に関する取り組み、企業統治(ガバナンス)に関して業界トップクラスの水準を目指して引き続き取り組んでまいります。
2018年12月3日に、当社はパラリンピック公式種目のウィルチェアーラグビーのアスリート選手である羽賀理之氏の採用を発表したしました。当社においては、2018年1月に入社した田邊耕一選手に続き、2人目のアスリート選手の入社となります。ウィルチェアーラグビーは、2000年のシドニーパラリンピックから公式種目となっており、日本代表は 2016 年のリオパラリンピックで銅メダルを獲得し、羽賀選手は代表選手として出場いたしました。
当社の従業員は2018年12月31日現在で100名(派遣を含む。女性社員比率は約4割)となります(2018年9月末比4人増)。取締役7名を含めると総勢107名の体制となりました。なお、中国でアミノ酸や低分子化合物の合成や製造等を委託しているCRO内では当社専属で15名が勤務しております。
以上の結果、当第2四半期累計期間における売上高は2,019,202千円(前年同四半期比1,105,918千円増加)、営業利益555,513千円(前年同四半期は営業損失895,820千円)、経常利益802,485千円(前年同四半期は経常損失764,407千円)、四半期純利益608,302千円(前年同四半期は四半期純損失534,412千円)となりました。
なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当第2四半期会計期間の総資産は16,228,668千円となり、前事業年度末と比べて273,596千円減少しました。その主な要因は、投資有価証券が1,309,998千円増加したものの、売掛金1,903,124千円減少したこと等によるものです。
負債は929,152千円となり、前事業年度末と比べて864,397千円減少しました。その主な要因は、未払法人税等が433,467千円、未払費用が248,669千円、前受金が73,880千円減少したこと等によるものです。
純資産は15,299,516千円となり、前事業年度末と比べて590,800千円増加しました。その主な要因は、四半期純利益により利益剰余金が608,302千円増加したこと等によるものです。
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ987,626千円増加し、4,492,975千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額555,133千円等があったものの、税引前四半期純利益802,485千円の計上、売掛債権の減少額1,903,124千円等により、2,343,115千円の収入(前年同四半期は741,317千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出1,336,298千円等により、1,460,839千円の支出(前年同四半期比978,420千円の支出減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入8,991千円等により、8,841千円の収入(前年同四半期比51,537千円の収入減少)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発費の総額は、466,221千円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
該当事項はありません。