当第3四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において、当社が判断したものであります。
当第3四半期累計期間(2021年1月1日から2021年9月30日)において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を進めてまいりました。
当社では、2021年9月30日現在、123のプログラムが進行しております(2021年6月末比1プログラム増加)。
下表では、各創薬アプローチごとのプログラム数を記載しております。
下表では、各研究開発ステージにおけるプログラム数を2021年6月末時点のものと比較しております。
(注)上記のプログラム数は、PDPSの非独占的技術ライセンス先でのプログラムを含んでおりません。
1つ目の事業戦略であるPDPSを活用した国内外の製薬企業との創薬共同研究開発契約については、2021年7月27日に、当社は武田薬品工業株式会社(以下 武田薬品)の米国子会社である武田ファーマシューティカルズUSA社との間で、両社の共同研究及び独占的ライセンス契約の枠組みを拡大し、慢性神経変性疾患において重要な役割を担う複数の中枢神経系(CNS)ターゲットについてペプチド-薬剤複合体(PDC医薬品)の創製に向けた取組みを進めることを発表いたしました。当社と武田薬品は、2020年12月に神経筋疾患領域における複数のPDC医薬品の創製に関する包括的な共同研究及び独占的ライセンス契約を締結し、当社とJCRファーマ株式会社が開発したトランスフェリン受容体1(TfR1)結合ペプチドと武田薬品が選択した医薬品候補化合物の組み合わせによるPDC医薬品の創製に関して共同研究を進めてまいりました。今回の取組み拡大により、神経変性疾患に関連する複数のCNSターゲットに対してTfR1結合ペプチドリガンドとの複合体を創製し、医薬品候補化合物に血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB、以下「BBB」)通過能を付加する取組みを進めてまいります。治療薬のBBB通過能向上は、神経変性疾患に効果的な医薬品の開発において大きな課題となっています。TfR1結合ペプチド(キャリアペプチド)を各種の医薬品候補化合物に結合させることで、化合物のBBB通過能が向上しより多く脳内に取り込まれるため、医薬品としての機能が大きく向上いたします。このTfR1 BBBシャトルアプローチは、現在治療薬が限定的な数多くの神経変性疾患に対して、広い脳領域への薬物の生体内分布を可能にする可能性があり、またBBB通過がハードルになっている多くの治療薬の開発を加速する可能性があります。本契約の締結に伴い、当社は、武田薬品から契約一時金を受領いたしました。今後、当社は、本契約によって発生する契約一時金、ならびに今後の非臨床及び臨床試験の進捗、製品の発売及び製品の正味売上高に応じたマイルストーンフィーとして、総額で最大約35億ドル(約3,903億円、1ドル111.5円で換算)を受け取る可能性があります。また、当社は上記に加え、製品化後の正味売上高に応じたロイヤルティーを受領する権利を有しております。
2021年7月30日に、当社は米Alnylam Pharmaceuticals社(以下 Alnylam社)と、肝臓以外の組織へRNAi治療薬をデリバリーする複数のペプチド-siRNA複合体の創製・開発に関する共同研究開発契約を締結いたしました。当社とAlnylam社は低分子干渉RNA(small interfering RNA、siRNA)を様々な細胞や組織に選択的にデリバリーするため、ターゲットとなる細胞表面の受容体に特異的に結合するペプチドの同定及び最適化を共同で実施いたします。本提携では、Alnylam社がターゲットとなる受容体を複数選択し、当社がそれぞれの受容体に結合するペプチドの同定、最適化及び合成を行います。Alnylam社はそれらペプチドを用いてペプチド-siRNA複合体を合成し、最終的なペプチドを選択するための in vitro及び in vivo試験を実施いたします。本提携により、幅広い種類の組織において、mRNA転写物の異常と関連する疾患に対する新たな治療法の創出につながる可能性があります。本契約の締結に伴い、当社は、Alnylam社から契約一時金を受領いたしました。また、共同研究の実施期間において研究開発支援金を受領いたします。当社は、今後の開発、承認及び販売マイルストーンフィーとして、総額で最大約22億ドル(約2,440億円、1ドル110.9円で換算)を受け取る可能性があります。また、当社は製品化後の正味売上高に応じて、1桁台前半から中盤の比率でロイヤルティーを受領する権利を有しております。
当第3四半期においても、創薬共同研究開発を進めている複数のパートナー企業から研究開発支援金を継続的に受領しております。今後、現在進行しているプログラムについて、プログラムの進行に伴うさらなる開発マイルストーンフィー、販売マイルストーンフィー及び販売製品の売上高に応じたロイヤルティーの受領の可能性がございます。将来的に追加的なマイルストーンフィーを受領した際にはパートナー企業の許諾を得た上で、新たな進捗の報告をできるものと考えております。また、当社は創薬共同研究開発に関心のある複数の企業との間で新たな契約締結に向けた交渉を継続的に進めております。
2つ目の事業戦略であるPDPSの技術ライセンスについては、2021年9月29日に、米国ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE: JNJ)傘下ヤンセンファーマシューティカルグループ企業の一つであるJanssen Pharmaceutica NV社(以下、Janssen社)よりマイルストーンフィーを受領しました。Janssen社とは、2020年12月にPDPSの非独占的ライセンス・技術移転許諾契約を締結しております。
2021年9月30日現在、10社;米Bristol-Myers Squibb社(2013年)、スイスNovartis社(2015年)、米Ely Lilly社(2016年)、米Genentech社(2016年)、塩野義製薬株式会社(2017年)、米Merck社(2018年)、ミラバイオロジクス株式会社(2018年)、大鵬薬品工業株式会社(2020年)、Janssen社(2020年)、小野薬品工業株式会社(2021年)との間で非独占的技術ライセンス契約を締結しております。同事業においては、各ライセンス先企業から技術ライセンス料とともに開発プログラムの進捗ごとのマイルストーンフィーが当社に支払われます。なお、マイルストーンを達成するまでの間は、ライセンス先企業での研究内容や進捗について当社に知らされることはございません。また、当社はPDPSの技術ライセンス契約に関心をもつ複数の企業との交渉を継続的に進めております。
3つ目の事業戦略は、世界中の高い技術力を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図ることが狙いです。同事業においては、当社の強力な製薬企業とのネットワークを活用し、これらのプログラムを少なくとも第1相臨床試験に入る段階もしくは、第1相臨床試験に入った後、場合によっては第2相臨床試験まで開発を進めることにより、通常の開発候補品よりも収益性の高い条件で大手製薬企業にライセンスアウト(導出)することを目標にしております。当社では、PDPS技術を用いて同定したヒット化合物を起点に、①特殊ペプチド医薬品、②低分子医薬品、③ペプチド-薬物複合体(PDC医薬品)の3つのカテゴリーの医薬品開発を進めていくために必要な能力の拡充を進めております。同事業では、戦略的パートナーの独自の技術・ノウハウと当社の技術を組み合わせることでより高い価値のプログラムが生み出されることに加え、開発費用を両社で負担することにより、開発に成功した場合には、従来の創薬共同研究開発プログラムと比べてより高い比率で当社に収益が分配されます。また、自社創薬についても、複数の創薬プログラムが進行しており、今後、臨床開発に向けた新たな進捗の報告ができるものと考えております。
当社はこれまで11社(JCRファーマ株式会社、モジュラス株式会社、Sosei Heptares、米Biohaven Pharmaceuticals社、日本メジフィジックス株式会社、ポーラ化成工業株式会社、JSR株式会社、三菱商事株式会社(ペプチグロース株式会社)、米RayzeBio社、ペプチエイド株式会社、仏Amolyt Pharma社)との戦略的提携を発表しております。また、川崎医科大学とは難治性希少疾患に対するペプチド創薬に関する共同研究を実施し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団からは結核に対する新規治療薬開発に関する研究支援金を受領しております。
JCRファーマ株式会社(以下 JCRファーマ)とは、2016年2月に開始した共同研究において、血液脳関門(BBB)を通過し脳組織及び筋肉組織へ医薬品候補化合物を届けることを可能とするトランスフェリン受容体(TfR)結合ペプチド(キャリアペプチド)の創製に成功しています。多くの薬物はBBBを容易に通過することができず、脳内への取り込み効率の低さが中枢神経疾患の医薬品開発において大きな課題となっております。今回創製したキャリアペプチドは、抗体を中心とするタンパク質、ペプチド、核酸、低分子化合物等、様々な種類の治療薬と結合し、PDCとすることで脳内への取り込み効率を向上させる効果を有しております。また、本キャリアペプチドは共通するメカニズムを介して筋組織への効率的な治療薬の輸送も実現いたします。神経筋疾患の医薬品開発においては、全身に存在する筋肉内標的組織に治療薬を届けることが大きな課題となっており、本キャリアペプチドはこうした課題を解決する手段としても応用可能です。JCRファーマと当社は第三者へのライセンス活動に注力しており、契約締結からキャリアペプチドの供給まで当社が主導しております。2020年12月22日には、両社から最初の導出となる、武田薬品工業株式会社(以下 武田薬品)との間での神経筋疾患領域における包括的な共同研究及び独占的ライセンス契約の締結を発表いたしました。2021年7月27日には、武田薬品との共同研究及び独占的ライセンスの枠組みを中枢神経系(CNS)疾患にも拡大させました。両社は、キャリアペプチドと武田薬品が選択した医薬品候補化合物を組み合わせ、神経筋疾患領域、CNS領域で多くの医薬品を生み出していきたいと考えております。また、当社は、様々な企業とのさらなる共同研究やライセンス契約について引き続き協議しております。本キャリアペプチドのライセンス活動によって得られる収益は、当社とJCRファーマとの間で分配されます。
モジュラス株式会社(以下 モジュラス)とは、これまで開発が難しかった創薬ターゲットに対し、PDPSを用いて同定したヒットペプチド化合物を基に低分子医薬品候補化合物の開発を進めております。モジュラスは最先端の計算科学を駆使した高速かつ効率的な低分子医薬品候補化合物のデザインに関する技術を有する創薬企業です。両社は開発コストを分担し、得られた成果も両社で共有いたします。当社は複数のキナーゼに対して、変異の影響を受けにくいATP-非競合型インヒビター(アロステリックインヒビター)の候補となるヒットペプチドをすでに同定しております。ヒットペプチドと標的キナーゼとの複合体の結晶構造もすでに複数得られており、計算科学を用いて低分子医薬品候補化合物をデザインする取組みを進めております。この手法を用いて、両社は特定のキナーゼターゲットに対して高い選択的結合能を有する低分子リード化合物を同定し、リード化合物の有効性を検証するためのin vivo POC試験を完了いたしました。両社は、引き続き非臨床試験を共同で実施していくとともに、様々なパートナリングや導出の可能性を積極的に協議しております。
Sosei-Heptaresとは、疼痛、がん、炎症性疾患等への関与が既に検証されているGタンパク質共役受容体(GPCR)として知られるプロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)をターゲットとして新規治療薬の研究開発・商業化を目的とした戦略的共同研究を行っております。この共同研究では、両社のもつ業界屈指のプラットフォーム技術を融合いたします。両社で選択したGPCRターゲットに対して、Sosei-HeptaresのStaRプラットフォームを用いて安定化し、当社のPDPSを用いてヒット化合物を得ることで、新たな治療薬の開発を進めてまいります。本契約のもと両社はコストを分担し、得られたすべての成果を共有いたします。2021年5月12日に発表したとおり、両社は既にPAR2に対して高い親和性と選択性を有するペプチド・アンタゴニストを同定しておりましたが、その後の最適化により経口投与でも消化器内での安定性が見込まれるリード候補化合物の特定に成功いたしました。これらの候補化合物に基づき、炎症性腸疾患(IBD)をはじめとする消化器領域における炎症性・疼痛性の疾患に対する新たな経口ペプチド医薬品としての開発を目指し、非臨床試験を進めてまいります。両社は、引き続き非臨床試験を共同で実施していくとともに、様々なパートナリングや導出の可能性を積極的に協議しております。
米Biohaven Pharmaceuticals社(以下Biohaven社)とは、複数の適応症でがん免疫治療薬の共同研究開発を行っております。当社から2021年1月4日に発表いたしましたとおり、Biohaven社が当社の戦略的共同研究開発先であった米Kleo Pharmaceuticals社(以下Kleo社)と合併契約を締結したことで、当社がKleo社と進めていた、Kleo社が有するAntibody Recruiting Molecules(ARMs)やSynthetic Antibody Mimics(SyAMs)等の新たながん免疫療法のプラットフォーム技術を用いたPDC医薬品候補化合物の創製に関するすべての研究開発プログラムはBiohaven社によって承継されました。当社は製品開発の貢献度に応じて、すべての製品から生じる収益の一定割合を得る権利を有しております。Biohaven社は2つの臨床候補化合物(「BHV-1100 (KP1237、CD38-ARM) + 自家NK細胞」と「BHV-1100 (CD38-ARM)」)の開発についてもKleo社から引き継いでおります。いずれも骨髄腫細胞表面に発現しているCD38をターゲットとし、PDPSを用いて特定された特殊環状ペプチドにARMsを結合したPDC医薬品候補化合物(CD38-ARMs)で、多発性骨髄腫を適応症としております。ARMsは、体内に内在する抗体と結合し、その抗体が腫瘍細胞への高い殺傷能力を有する免疫細胞を誘導することで骨髄腫細胞を攻撃する作用メカニズムをその特徴としております。CD38は多発性骨髄腫のターゲットとして実証されていることに加えて、慢性リンパ性白血病やその他のがん細胞表面にも多く発現していることが知られております。「BHV-1100 (ARM) + 自家NK細胞」は短期間作用型の治療薬として、「BHV-1100 (ARM)」は長期間作用型としてダラツムマブ治療後の再発/難治性症例を含むより広い多発性骨髄腫患者向けに使用される治療薬として開発を進めております。「BHV-1100 (ARM) + 自家NK細胞」は2020年2月7日にIND(新薬臨床試験開始届)が米国FDA(食品医薬品局)から承認されており、2020年9月8日に米国FDAよりオーファンドラッグ(希少疾患用医薬品)指定を受けております。「BHV-1100 (ARM)」は、ジョンソン・エンド・ジョンソン社のダラツムマブと同等か又はそれ以上の活性を示す一方、CD38を発現している免疫エフェクター細胞を減少させないという大きな利点を有します。多発性骨髄腫の患者さんにとって多くの利点をもたらす治療法の開発が進んでいますが、依然として多くの患者さんががんの再発に苦しんでいる状況にあります。両社は、「BHV-1100 (ARM) + 自家NK細胞」がCD38を発現する多発性骨髄腫細胞を殺傷し、さらに患者さんが本来もっている免疫エフェクター細胞を誘導することで腫瘍の縮小を促進すると考えております。2021年10月27日には、「BHV-1100 (ARM)」と自己サイトカイン誘導記憶用(CIML)NK細胞を投与する第1a/1b相臨床試験の最初の被検者への投与及び被験者登録の完了について発表いたしました。この臨床試験では、造血幹細胞移植前に測定可能残存病変(MRD)が陽性である多発性骨髄腫の被検者において、安全性、忍容性、探索的有効性に関する評価を実施しております。
日本メジフィジックス株式会社(以下 NMP)とは、特殊環状ペプチドに放射性核種(RI:ラジオアイソトープ)を標識した治療薬及び診断薬の創製に向けた戦略的共同研究開発を行っております。当社はPDPS技術を活用し、特殊環状ペプチドを用いたPDCの研究開発を進めております。またNMPは「治療と診断の融合(セラノスティクス)」の実用化を目指しており、治療用及び診断用の放射性医薬品を開発するための新たな研究製造拠点の整備に着手しております。当社が持つ特殊環状ペプチドにNMPが持つ放射性核種を標識する技術を組み合わせることにより、セラノスティクスの実現につながる新たな治療薬及び診断薬の創製を進めてまいります。両社での共同開発をさらに進め、2022年中に臨床候補化合物の選定を完了することを目指しております。本取組みによって得られるRI標識ペプチドの開発及び製品化の技術は両社で共有し、日本を含むアジア、ならびに欧米等において共同開発及び導出を進めてまいります。
ポーラ化成工業株式会社(以下 ポーラ化成工業)とは、ペプチドを用いた化粧品、医薬部外品、及び医薬品の研究開発を行っております。当社のPDPS技術を活用することで、ポーラ化成工業における医薬部外品や化粧品の素材開発に拡大するとともに、ポーラ化成工業との協業により、皮膚に効果のある医薬品シーズの創出等に取り組んでまいります。両社は、in vitro及びex vivoモデルにおいて有効性が確認されている、複数の有望なリード化合物について取得を完了しております。
川崎医科大学とは、難治性希少疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する革新的マイオスタチン阻害剤の共同研究開発を行っております。DMDは、進行性の筋力低下を特徴とする遺伝性疾患である筋ジストロフィーの内、最も多くみられる型の疾患です。ジストロフィン遺伝子変異により、筋肉細胞の維持に重要なジストロフィンが欠損又は異常をきたし、主に幼少期から成長とともに急速な筋力低下、特に骨格筋や横隔膜の筋線維の変性・壊死と不完全再生から線維化・脂肪化が生じ、歩行困難や呼吸不全のため患者さんのQOLが著しく低下する難治性希少疾患です。これまで複数の作用機序に対する抗体薬や核酸薬等の研究開発が行われてきましたが、幅広い患者さんに提供可能でかつ高い有効性をもつ治療薬が存在せず、第一選択薬となる新たな治療薬の開発が期待されています。マイオスタチンは、健常時において横紋筋(横隔膜や四肢筋を含む)の肥大を抑制する因子(サイトカイン)として血液中及び筋組織内に多く分布しており、近年の研究では横紋筋の機能(筋力)の抑制に関与することが明らかになっています。DMDにおいて、こうした抑制をマイオスタチン阻害剤によって制御することができれば、筋肥大や筋肉の機能改善を促進する有効なアプローチとなり、またジストロフィン遺伝子変異部位に限定されない、幅広いDMD患者を対象にできることから、新たな第一選択薬としての可能性が期待されます。一方、マイオスタチン阻害剤の開発においては、血液中での安定性のみならず、筋組織への高い移行性が重要な鍵となることから、当社では中分子であるペプチドならではの特徴を活かした化合物の最適化を重ねてまいりました。今後、ペプチスター株式会社において原薬製造を進めるとともに、必要とされる長期の安全性試験を含む非臨床試験を完了し、2023年の臨床入りを予定しています。DMDは難病指定されている希少疾患であることから、優先審査等各種制度の活用による開発期間の短縮化を図ってまいります。また、複数のパートナー候補先との間で共同開発及び導出に向けた協議を進めております。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下 ゲイツ財団)とは、世界の最貧国において大きな問題となっている2つの感染症である結核、及びマラリアを治療するための新規特殊環状ペプチドを見出すことを目的としたプログラムにつき、ゲイツ財団からの研究支援金を受けて研究開発を進めております。2019年11月1日に、当社はゲイツ財団から結核に対する新規治療薬開発に関して第2回目の研究支援金を受領することを発表いたしました。2017年11月に受領した初回の研究支援金による取組みの結果、複数の有望なヒット候補化合物が特定されました。第2回目の研究支援金は、結核治療薬として最も有望なヒット化合物を、非臨床試験を視野に入れて最適化を行い、リード化合物として開発することに充当されます。現在開発を進めている結核治療薬のリード化合物では、経口剤として最適化することに注力しております。また、潜伏中の結核に対しても効果を有する可能性がある点は大きな優位性の1つと考えております。細菌感染は全世界の死因の中で上位に位置しており、結核は世界人口の約3分の1が潜伏感染しているといわれ毎年1,040万人の新規感染症例と180万人の死亡例が報告されております。今回の支援金により開発される治療薬は、ゲイツ財団との合意に基づき、低中所得国(LMIC)においては安価で提供されることになっております。一方、先進国においては、当社が自社での商業化及びライセンス活動の権利を有しております。
JSR株式会社(以下 JSR)とは、抗体医薬品等のバイオ医薬品の精製過程で用いられるアフィニティクロマトグラフィーに適用可能な特殊環状ペプチドの共同研究を開始しております。医療現場で広く使われている抗体医薬品等のバイオ医薬品の製造は大きく、1)CHO細胞等を培養し目的とするタンパク質を作る工程と、2)その産生細胞を除去し、多くの不純物から目的タンパク質を精製する工程に分類されます。この精製工程に用いられるクロマトグラフィーは、プロテインA等のタンパク質リガンドを用いたアフィニティクロマトグラフィーをはじめ、イオン交換クロマトグラフィー等、目的に応じて様々なクロマトグラフィーが使用されますが、特殊環状ペプチドを用いた新たなクロマトグラフィー担体の開発・商業化は、バイオ医薬品の精製プロセスの簡便化・低コスト化に貢献します。特殊環状ペプチドは化学合成が可能なため、従来のタンパク質リガンドと比べて均一な品質のリガンドをより安定的に大量製造できる利点があり、また物理的に小さい特殊環状ペプチドをリガンドとすることで精製効率そのものを向上させること、さらにこれまでアフィニティクロマトグラフィーでは精製が難しかったバイオ医薬品の精製も実現可能となります。
三菱商事株式会社(以下 三菱商事)とは、細胞治療・再生医療等製品の製造等に使用される、細胞培養向け培地の重要成分である、成長因子を代替するペプチド(以下 代替ペプチド)の開発・製造・販売を行う合弁会社・ペプチグロース株式会社(以下 ぺプチグロース)を設立いたしました。ペプチグロースに対する両社の出資比率は、三菱商事60.5%、ペプチドリーム39.5%となります。ペプチグロースは、両社が持つノウハウを利活用し、医薬品産業における細胞治療・再生医療等の発展に向け、取り組んでまいります。成長因子は、ヒトを含む動物の体内に広く存在し、細胞の成長・増殖や、またiPS細胞・ES細胞等の幹細胞を神経細胞や血液細胞等へと分化誘導させる際に重要な役割を担うタンパク質です。現在は、動物血清からの抽出物、あるいは遺伝子組み換え技術によって製造されたものが主に使用されていますが、不純物混入による安全性上のリスク、製造ロット間の品質のばらつき、高額な製造コスト等が、医薬品産業が直面する課題となっております。ペプチグロースは、当社のPDPSを用いて、成長因子と同等の機能を有する代替ペプチドを同定し、動物血清・遺伝子組み換え技術を用いない、化学合成による新規製造手法を開発いたします。また、商業ベースでの製造工程・体制を確立することで、品質面においては高純度で製造ロット間のバラつきも無くし、またコスト面の合理化も実現してまいります。現時点で数十種類を超える成長因子が知られており、完全ゼノフリー培地の実現を可能とする為には複数の成長因子を化学合成品によって代替していく必要があります。複数品目の成長因子について化学合成品(代替ペプチド)を包括的に開発する今回の取組みは、史上初であり、細胞治療・再生医療の普及拡大に必要不可欠なものと考えております。ペプチグロースは三菱商事グループが有する幅広いネットワーク・顧客基盤を活用することで、グローバル市場における代替ペプチドの販売及び市場拡大を図り、医薬品産業が抱える課題解決や細胞治療・再生医療の普及促進に貢献してまいります。2021年7月29日に、ペプチグロースからの第一号製品として、HGFと同等レベルの受容体に対する活性と細胞増殖の特性を示すHGF代替ペプチド(PG-001)の販売を開始いたしました。ペプチグロースは、同時並行で複数の代替ペプチドの開発を進めており、2021年11月中旬以降にTGFβ1阻害ペプチド(PG-002)を、2022年12月期第1四半期にはPG-003の販売開始を予定しております。また、その後も順次新たな製品の開発・上市を計画しております。
米RayzeBio社とは、2020年8月4日に、ペプチド-放射性核種薬物複合体(以下 ペプチド放射性医薬品)の創製に関する戦略的共同研究開発契約を締結いたしました。本契約に基づき当社は、両社で選定した複数のターゲット分子に対し、PDPSを用いて、PDCとして使用する新たなペプチドの同定及び最適化を行います。RayzeBio社は、それらペプチドを用いたペプチド放射性医薬品に関する全世界での開発及び商業化の独占的な権利を有し、ペプチド放射性医薬品の開発を進めます。当社は非臨床段階までの研究開発を主導し、RayzeBio社はその後のトランスレーショナルリサーチ、臨床開発及び商業化を主導いたします。本契約の締結に伴い、当社はRayzeBio社から契約一時金としてRayzeBio社の一部株式を受領いたしました。また今後、開発及び商業化の進捗に合わせてマイルストーンフィーや、製品化後は売上金額に応じたロイヤルティーが当社に支払われます。RayzeBio社は2020年10月に、4,500万ドルのシリーズAラウンドの資金調達の完了を、2020年12月に1億500万ドルのシリーズBラウンドの資金調達の完了を、また2021年6月15日には1億800万ドルのシリーズⅭラウンドの完了を発表いたしました。当社は2020年11月に、ペプチド放射性医薬品の開発の進捗に伴うマイルストーンフィーとしてRayzeBio社から同社の一部株式を受領いたしました。また、2021年6月10日には、複数のプログラムが進捗し医薬品候補化合物が選定されたことに伴って2回目のマイルストーンフィーを受領したことを発表いたしました。2022年12月期第2四半期には、最初の臨床候補化合物について発表できるものと考えております。
ペプチエイド株式会社(以下 ペプチエイド)は、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的として、2020年11月12日に富士通株式会社(以下 富士通)、株式会社みずほフィナンシャルグループの連結子会社であるみずほキャピタル株式会社(以下 みずほキャピタル)、株式会社竹中工務店(以下 竹中工務店)、及びキシダ化学株式会社(以下 キシダ化学)との間で設立した合弁会社です。当社は、PDPSを用いて、コロナウイルスがヒト細胞に侵入する際に必須となるスパイクタンパク質における複数の領域を創薬ターゲットとした、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の同定を多方面から行ってまいりました。新会社では、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の候補化合物について当社から譲渡を受け、非臨床試験からヒトでの有用性確認(Proof of Concept)に必要となる前期の臨床試験までを最短で実施することを目指しております。ペプチエイドは、2021年3月23日に、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の特定を完了し、開発候補品PA-001の非臨床試験を開始したことを発表いたしました。国立感染症研究所等と共同で化合物の評価を進めてまいりましたが、PA-001は従来型のSARS-CoV-2だけでなくアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の変異株(生ウイルス)に対しても同様に高い抗ウイルス活性を有することを確認しております。また、現在緊急使用許可承認を得ている新型コロナウイルス感染症治療薬との併用において、in vitro試験での高い相乗効果を確認しております。各種一般毒性、安全性薬理、遺伝毒性試験等から構成されるPA-001の非臨床試験が予定通りのスケジュールで完了し、PA-001の高い安全性が確認されました。今後は、早期での導出可能性を見据えつつ、また臨床開発に要する期間を最適化する観点から、臨床研究法に基づく早期探索的臨床研究(以下、「臨床研究」)による臨床データ取得を優先的に実施いたします。2021年11月中には臨床研究の実施に必要となる臨床研究審査委員会への申請を完了し、2022年1月には臨床研究を開始できる見通しです。当社とペプチエイドは、PA-001に関心をもつ製薬企業との間でパートナリングや導出の可能性を積極的に協議しております。ペプチエイドは、2021年9月に約8億円の増資を行い、当社の出資比率(2021年9月末時点)は39.4%となっております。
仏Amolyt Pharma社(以下 Amolyt社)とは、2020年12月8日に、内分泌系の希少疾患であり重篤な合併症を伴う先端巨大症を適応症とする新たな治療薬の開発を目的とした、成長ホルモン受容体拮抗薬(GHRA)候補ペプチド化合物の最適化に関する戦略的共同研究開発及びライセンスオプション契約を締結いたしました。Amolyt社は、将来的な臨床開発の実施にあたり、当該候補化合物のライセンス受否の選択権(オプション)を有することとなります。本契約の締結に伴い、当社は今後、GHRA候補ペプチド化合物に関し、Amolyt社からライセンスオプション行使フィー、開発及び商業化の進捗に応じたマイルストーンフィー、及び製品化後は売上金額に応じたロイヤルティーを受領する可能性があります。2021年9月9日に、Amolyt社がGHRA候補ペプチド化合物に関するライセンスオプションを行使し、当社は、Amolyt社に対して全世界を対象とする開発・商業化の権利をライセンスいたしました。最適化に成功した先端巨大症に対する治療薬候補化合物(AZP-3813)は、既存薬であるソマトスタチンアナログによる治療で十分な効果が得られない患者さんに対して、同剤との併用を想定した開発が実施されます。Amolyt社は、IND準備試験を開始しており、2022年中の臨床入りを目標にしています。また、2021年9月16日に、Amolyt社は80百万ドルのシリーズB資金調達を実施し、調達資金の一部をAZP-3813の開発に充てることを発表しております。
自社創薬品である、ヘマグルチニン(HA)を標的タンパク質とした抗インフルエンザ特殊環状ペプチド「PD-001」は、インフルエンザウイルスのエンベロープタンパク質であるHAのアミノ酸配列がよく保存されている領域に結合し、H5N1型を含む亜型に対して強力かつ幅広い有効性を示すこと、及びin vivo試験においてタミフル等の既存のインフルエンザ治療薬との併用において高い相乗効果を有することを確認しております。また、PD-001の前臨床試験において問題となる安全性プロファイルは確認されておりません。当社は、様々なパートナリングや導出の可能性を積極的に協議しております。
当社は、これまで様々な炎症性疾患に関して、IL17を含む複数の炎症誘導性サイトカインに対して高い選択的結合能を有するリード化合物候補を取得してきました。当社は、複数の炎症誘導性サイトカインを標的とする治療薬開発に向けて前臨床試験の準備を進めており、また、複数のリード化合物を併用した場合の効果についても検証を進めております。炎症を誘導することが分かっている複数の作用経路を同時に抑制するペプチド治療薬が、炎症性疾患に対する有効な治療法として、二重特異性抗体よりも優れた新たなモダリティ治療薬となることを期待しております。
当社は、がんや特定の組織/臓器を標的とした、数多くの当社独自のペプチド候補化合物と、放射性核種やsiRNA、低分子化合物等のペイロードを組み合わせたPDC医薬品の開発を積極的に行っております。当社は、様々な細胞膜/受容体に対して高い親和性、選択性、及び生体内安定性を有する有望な医薬品候補のパイプラインを拡大しており、目的のペイロードを効率的に標的部位に送達できることを検証するため、生体内バイオイメージングの開発にも注力しております。当社は、富士フイルム富山化学株式会社の放射線医薬品事業を取得したことにより、同事業が有する生体内バイオイメージング能力も活用し、有望な医薬品候補化合物についてより効率的に評価することが可能になるものと考えております。当社は、有望なペプチド-放射性核種複合体に関する複数のプログラムにおいて、2022年下期中に臨床候補化合物の選定を完了することを目指しております。また、ペプチド-放射性核種複合体において有効なペプチド化合物を取得できれば、放射性核種以外のペイロードと組み合わせたPDC医薬品についても、自社及び様々な既存/新規のパートナーとの共同開発により積極的に検討を行っていきたいと考えております。
2021年9月2日に、当社は、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社の全株式を取得して子会社とすることを決定し、富士フイルム株式会社との間で株式売買契約を締結いたしました。対象事業は、富士フイルム株式会社が展開するヘルスケア事業において、診断・治療領域の医薬品等の研究・開発・製造・販売を担っており、特に放射性医薬品領域においては国内の放射性医薬品リーディングカンパニーの一社としてSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)用診断薬、PET(Positron Emission Tomography)用診断薬、放射性治療薬を提供しております。放射性治療薬については、2021年6月23日に、富士フイルム富山化学が開発を進めてきた「ルタテラⓇ静注」が、神経内分泌腫瘍の新たな治療選択肢となる「ペプチド受容体放射性核種療法剤(Peptide Receptor Radionuclide Therapy; PRRT)」(ペプチド-放射性核種複合体)として国内初の製造販売承認を受けております。対象事業は、千葉・神奈川(川崎)・大阪(茨木)に生産・研究拠点を保有し、約500名の従業員(研究・開発・製造・販売機能)を有しております。また、現在、放射性診断薬として24製品、放射性治療薬として8製品を販売しており、2022年3月期の売上高は150億円程度を予想しております。当社はこれまで、独自の創薬開発プラットフォームPDPSを用い、PDC医薬品に用いる選択的特異性の高い特殊環状ペプチドを多く同定してまいりました。また当社は、放射性診断薬/放射性治療薬に用いるペプチド-放射性核種複合体に関して、Bristol-Myers Squibb社(放射性診断薬)やBayer社(放射性診断薬)、日本メジフィジックス社(放射性診断薬/放射性治療薬)、Novartis社(放射性診断薬/放射性治療薬)、RayzeBio社(放射性診断薬/放射性治療薬)との間で多くの研究開発プログラムを進めてきており、ペプチド-放射性核種複合体の創薬における主要プレーヤーの1社としての地位を確立してまいりました。さらに当社は、自社のPDCプログラムへの注力の一環として、ペプチド-放射性核種複合体の自社パイプライン拡充にも取り組んでおります。こうした事業活動を通じて、当社は、放射性核種を目的の細胞・組織に特異的にデリバリーするためのキャリアペプチドに関する技術・ノウハウを蓄積しており、一方で対象事業は、放射性核種の前臨床開発、臨床開発、製造、承認申請、販売能力、海外パートナーからの放射性医薬品の導入・商業化に関する高い技術・ノウハウを有しております。両社の強みを融合することにより、自社のペプチド-放射性核種複合体プログラムの研究開発を加速するのみでなく、高い付加価値を有する化合物を海外に導出するとともに、また双方向でのライセンス活動が可能であることの強みを活かして、有望な製品の国内への導入も強化できることを期待しております。また、評価モデルを用いた目的の細胞・組織へのデリバリーの検証は、ペイロードが放射性核種であるかどうかに関わらず、すべてのPDCプログラムにおいて重要であることから、本事業取得は、放射性医薬品分野における当社の地位を強化することのみならず、当社が注力しているPDCプログラム全体の価値最大化、加速にも貢献するものと考えております。本事業取得のクロージングを2022年3月に予定しており、事業取得完了後には、放射性医薬品事業の詳細について発表できるものと考えております。また、2021年10月26日に当社は、本事業取得に関わる資金のパーマネント化に関して、金融機関からの借入により資金調達を行う方向で検討を進めていることを発表しております。
当社は、今後も特定の分野で世界をリードする優れた技術を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関との戦略的提携を通じて、次世代のファーストインクラス(first-in-class)、及びベストインクラス(best-in-class)となる優れた治療薬の開発に向けた取組みをさらに加速してまいります。
当社は塩野義製薬株式会社、積水化学工業株式会社と合弁で特殊ペプチド原薬の製造プロセスに関する研究開発、製造及び販売を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)であるペプチスター株式会社(以下 ペプチスター)を2017年9月に設立いたしました。ペプチスターは国内の様々な会社が有する技術を融合し、高品質、高純度でしかも製造コストを大幅に低減する最先端技術を開発、提供することを目指しております。ペプチスターは当社の創薬共同研究開発企業だけでなく、戦略的提携により自社開発品の製造も請け負うことが予想されます。大阪府摂津市に建設を進めていた同社の工場は、当初の計画通り2019年10月から商業生産を開始しております。ペプチスターは2017年10月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と委託環境整備契約を締結した医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)における課題「特殊ペプチド原薬CMO創設」において計画通り供給体制の基盤構築を達成したことを2019年12月6日に発表しております。ペプチスターは2020年12月1日に、第三者割当増資を実施し、総額1,790百万円の資金調達を行いました。
当社はサステナビリティへの取組みに関して、当社の基本方針、重点取組み、主要ポリシー/データについて自社WEBサイト上に専用ページ(https://www.peptidream.com/esg/data.html)を開設し、積極的な情報開示を行っております。当社は地球環境への配慮、社会・従業員に関する取組み、企業統治(ガバナンス)に関して業界トップクラスの水準を目指して取り組んでまいります。当社は2021年6月15日に、これらの取組みを経営の中核に据えてさらに継続的に推進するため、「サステナビリティ・ガバナンス委員会」を設置し、中長期的視点からサステナビリティ及びガバナンスに関する課題を引き続き審議・モニタリングいたします。
当社はパリ協定における「2℃目標」の達成に向けて、これまで従業員一人当たりのGHG排出量(Scope 1及びScope 2)を2030年までに2018年6月期比で50%削減する目標を掲げておりましたが、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言内容に基づき、将来の気候変動について最も高位シナリオであるRCP8.5シナリオ(IPCC)を採用し、2026年まで中期的な視点から気候変動による影響について分析を実施いたしました。2026年までに自社事業活動の「カーボンニュートラル」を実現することを目標に、気候変動対策に関するガバナンスの強化や、リスク・機会の分析とその財務的な影響等を踏まえたシナリオ分析を進め、気候変動リスクと機会への対応及びさらなる情報開示の充実に取り組んでまいります。
当社は、2021年9月14日に、東京証券取引所の新市場区分に関して、「プライム市場」を選択し、東京証券取引所に対して申請を行うことを発表いたしました。
当社は、2021年9月17日に、独立行政法人都市再生機構が実施した川崎市殿町国際戦略拠点(キングスカイフロント)の川崎市川崎区殿町三丁目地区(2-11・2-12画地)の土地譲渡人の公募入札に参加し、落札いたしました。キングスカイフロントは、世界的な成長が見込まれるライフサイエンス分野を中心に、世界最高水準の研究開発から新産業を創出するオープンイノベーション拠点として「国家戦略特区」及び「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」として指定を受けております。今回落札された土地には、当社の本社・研究所の増設を予定しており、今後のさらなる事業拡大を見据えた研究開発機能の強化、拡充を計画しております。計画の具体的な内容につきましては、詳細が決定次第すみやかな公表を予定しております。また、今回の土地取得及び今後の建設に要する費用については、手元資金ならびに金融機関からの借入による充当を予定しております。
当社の従業員は2021年9月30日現在で169名(派遣を含む。女性社員比率は約4割)となっております(2021年6月末比1人増)。取締役7名を含めると総勢176名の体制となりました。なお、中国でアミノ酸や低分子化合物の合成や製造等を委託しているCRO内には当社専属で20名が勤務しております。
以上の結果、当第3四半期累計期間における売上高は7,763,092千円(前年同四半期比3,930,246千円増加)、営業利益4,416,596千円(前年同四半期比3,418,181千円増加)、経常利益4,719,477千円(前年同四半期比3,778,757千円増加)、四半期純利益3,363,003千円(前年同四半期比2,661,854千円増加)となりました。
なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当第3四半期会計期間の総資産は27,896,184千円となり、前事業年度末と比べて1,629,455千円増加しました。その主な要因は、売掛金が3,806,185千円減少したものの、現金及び預金が5,087,245千円増加したこと等によるものです。
負債は3,134,825千円となり、前事業年度末と比べて1,914,898千円減少しました。その主な要因は、前受金が241,060千円増加したものの、未払金が659,319千円、未払法人税等1,203,432千円減少したこと等によるものです。
純資産は24,761,358千円となり、前事業年度末と比べて3,544,353千円増加しました。その主な要因は、四半期純利益により利益剰余金が3,363,003千円増加したこと等によるものです。
当第3四半期累計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ5,087,245千円増加し、12,236,604千円となりました。
当第3四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額2,391,619千円の計上等があったものの、売上債権の減少額3,806,185千円、未収入金の減少額1,738,800千円の計上等により、6,622,237千円の収入(前年同四半期比4,714,614千円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入145,222千円等があったものの、関係会社株式の取得による支出506,000千円、関係会社貸付けによる支出414,097千円、有形固定資産の取得による支出1,054,846千円等により、1,702,519千円の支出(前年同四半期比950,754千円の支出増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入44,940千円等により、44,583千円の収入(前年同四半期は237,013千円の支出)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発費の総額は、1,064,902千円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
該当事項はありません。