(1) 経営方針
当社は、PDPSを活用し、特殊環状ペプチドによる創薬を完成させることにより、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ有効な治療方法がない医療ニーズ)に応え、世界中にいる疾病で苦しむ方々に貢献することを目的とし、「低分子医薬品」、「抗体医薬品」に次ぐ第三の「特殊環状ペプチド医薬品」市場の創成に寄与し、世界の医療の進歩に貢献してまいります。
(2) 経営戦略等
当社独自のPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPS技術ライセンス、③戦略的提携/自社創薬の拡充を進めてまいりました。現在は、非臨床ステージにおける自社ケイパビリティ拡張によって、自社パイプラインの開発を加速させるとともに、より一層、パートナー企業の多様なニーズに応えることができる体制を構築しております。また、医薬品やPDC領域での有望な自社独自ターゲットを含めて、自社の強みを活かせる領域において戦略的、選択的に面の拡大を進めてまいります。特殊環状ペプチドの可能性については、従来の医薬品や診断薬の領域のみならず、広くヘルスケア領域全般で期待が寄せられており、当社ビジネスモデルとフィットの観点から優先順位を付けつつ、その可能性を最大化してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上高、営業利益及び営業利益率を重視しております。2022年12月期は売上高13,000百万円以上、営業利益6,500百万円以上、売上高営業利益率50.0%を目標としております。
(4) 会社の対処すべき課題
当社は、PDPSを活用して、国内外の製薬企業と共同研究開発契約を締結し、特殊環状ペプチドを活用した創薬を進めております。
当社では、当社が継続企業(ゴーイングコンサーン)として成長し続けるために対処しなければならない課題を以下のように考えております。
(営業活動における課題)
当社は、国内外の製薬企業と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約も見込まれています。滞りのない共同研究開発体制を維持・拡大するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。
(研究開発活動における課題)
当社は、創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、PDPSより創出される特殊ペプチドの活用は大きな可能性を秘めております。現在、当社では特殊ペプチド医薬品とともに、特殊ペプチドを基にしたPDC (Peptide Drug Conjugate: ペプチド-薬物複合体)や低分子医薬品の開発を進めております。当社は、自社技術の優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。
(内部管理・統制における課題)
当社は、継続企業(ゴーイングコンサーン)としての企業体質を構築するためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の一つであると認識しております。経営の効率化を図り、経営の健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株式価値を向上させることが、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考え、俊敏さも兼ね備えた全社的に効率化された組織についても配慮しながらも業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。
当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はございません。また、以下の記載内容は当社のリスクすべてを網羅するものではございませんのでご留意ください。
なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性もございます。
当社のリスク管理体制は以下のとおりです。

詳細については、 「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b リスク管理体制」をご参照ください。
経営者が経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している主要な事業等のリスクは下記のとおりであります。各リスクについて発生可能性、影響度の観点から評価した結果を一元的に管理するために、同一のリスクマップに掲載しております。
<主要な事業等のリスク一覧> ※当社見解に基づく/当社作成
<主要な事業等のリスクマップ> ※当社見解に基づく/当社作成

当社の特殊ペプチドは、タンパク質の合成に利用される20種類のL体のアミノ酸のみならず、特殊アミノ酸と呼ばれるD体のアミノ酸やNメチルアミノ酸等を含んでいます。この性質により、当社は多様性のある特殊ペプチドのライブラリーを作製することができ、その中からターゲットタンパクに対して強い結合力・特異性を有し、高い生体内安定性を保ち、細胞膜透過性をも有する特殊ペプチドを創製することができます。
このような特質から、当社の特殊ペプチドは、新たな医薬品候補物質として期待されており、製薬会社との契約に結びついております。
当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)が稼働を開始したのは、2010年であります。医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するまでに、通常、多大な開発費用と10年以上の長い年月を必要とします。当社の特殊ペプチド創薬開発技術は、まだ生まれて日が浅いため、当社の特殊ペプチドからこれまでに新薬が承認された実績はございません。(ただし、自然界に存在する特殊アミノ酸を組み込んだ有機化合物から新薬が承認された実績があります。たとえば、1983年にスイスのSandoz(サンド)社から発売された免疫抑制剤「Sandimmun(サンディミュン)」は、ノルウェー南部のハルダンゲル高原の土壌から発見された真菌が産生していた特殊な構造のペプチド(シクロスポリン)から作られています。)
将来において、当社の特殊ペプチドによる新薬開発実績が生み出せなかった場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)は、特殊ペプチドを医薬品候補物質として運用するために必要となる一連の技術((A)特殊ペプチドを創製し、(B)低分子医薬及び抗体医薬を超える多様性を持ったライブラリーを構築し、(C)高速でスクリーニングを行う技術。)を組み込んでおり、この(A)から(C)のいずれの技術をとってみても、同じくペプチドを医薬品候補物質として扱っている他社の技術と比べ、優位性を保っているものと考えております。
しかしながら、技術は日々進歩するものであり、当社の特許技術に抵触しない技術をもって当社PDPSを上回る技術が開発されることも考えられます。
当社としては、PDPSを継続的に発展させるため、研究開発を積極的に実施し、PDPSに必要な知的財産権の確保に努めていく方針でありますが、当社PDPSを上回る技術が開発された場合には、当社の競争優位性が低下する結果、当社の希望する条件でクライアントとの間で契約を締結することができなくなる可能性が増加するなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、従来、特殊ペプチド医薬に特化して事業を展開しておりました。そのため、当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)により創製される特殊ペプチドは、新規性・進歩性を有するオリジナリティの高いものであり、容易に代替技術が生まれて当社の存在価値が危ぶまれるような事態になることは想定し難いと考えておりますが、特殊ペプチドに対する製薬企業の評価が変化した場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
近時は特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることがわかっており、PDPSの応用範囲が以前に比べて大幅に拡がっております。そのため、特殊ペプチドに特化していた事業内容が変わりつつあり、特殊ペプチドをベースとしてPDPSを創薬研究開発の基盤として当業界に広めていき、特殊ペプチドのみならず低分子医薬の開発にも活用していこうという展開を試みています。こうした、低分子医薬の開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社の共同研究開発契約先の製薬会社は、それぞれ独自の創薬開発ターゲットを保有しており、当社はその研究開発について提案を受けて推進していくことになりますが、まれに各製薬企業間で創薬開発ターゲットが競合してしまうことがございます。競合が生じた際は、当社が各製薬企業との間に立って差配することによって、トラブルを未然に防止しており、現在までにトラブルが生じた事例はございません。
しかし、今後、その調整が困難になる事態が生じた場合、当社は新たな共同研究開発契約や新たなターゲットタンパクが獲得できないなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社の共同研究開発契約に係る売上カテゴリーは、原則として(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)に始まり順次、(B)研究開発支援金、(C)追加研究開発支援金、(D)創薬開発権利金、(E)非臨床・臨床開発マイルストーンフィー、(F)売上ロイヤルティー、(G)販売マイルストーンフィーで構成されております。
(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)、(B)研究開発支援金及び(C)追加研究開発支援金は当社の事業活動に依拠する部分が大きいものの、特に(B)及び(C)について、クライアントの方針転換等の影響を受けてプロジェクトが終了し、それ以降の収益が計上できないことがございます。また、(A)は、相対的に(B)及び(C)よりも額が大きく、一度に売上が計上されるため、当社の経営成績は(A)の計上に少なからず影響を受けることになります。(D)創薬開発権利金や(E)各種マイルストーンフィーに至っては、クライアントにおける業務の進行状況に大きく依存するものであり、当社でのコントロールは極めて困難な売上カテゴリーです。
そのため、当社の計画に対してクライアントにおける研究開発の進捗が遅れた場合やクライアントの研究開発方針に変更等があった場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、事業を展開する上で、第三者の権利若しくは利益を侵害した場合又は侵害していない場合でも相手側が侵害したと考える場合には、損害賠償等の訴訟を提起されるなど法的な紛争が生じる可能性がございます。
本書提出日現在、法的な紛争は生じておりませんが、今後、当社と第三者との間に法的な紛争が生じた場合、紛争の解決に労力、時間及び費用を要するほか、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされる可能性があり、その場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、これまでのところ当社が製薬企業と共同研究開発した特殊ペプチド医薬品が上市にまで至った事例は未だございませんが、今後、万一、当社が共同研究開発に携わった医薬品において健康被害が引き起こされた場合には、そのネガティブなイメージにより、当社及び当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社の事業展開上、重要と思われる契約が、当該契約が解除又はその他の事由に基づき終了した場合又は契約の相手方の経営方針が変更された場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
なお、共同研究開発契約に係る金員(当社から見たときは売上に該当)は、原則として当社が前金として受領しており、これらの金員について当社は契約が中途終了する場合でも返還義務を負っておりません。その反面、共同研究開発契約先は、契約の解除について任意(自由)に実行することができる契約内容となっております。
当社アライアンス事業における収益は、ほとんどが共同研究開発契約先(クライアント)からのものでありますが、今後、これらのクライアントとの間で新たな標的分子に係る共同研究開発が開始されない場合や、共同研究開発の結果がクライアントの要求水準を満たせない場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
また、当社がライセンスアウトしたリード化合物は、クライアントが主体となって臨床試験及び承認申請を行うことになりますが、その進捗と結果が当社の事業戦略及び経営成績に大きな影響を及ぼします。当社は、ライセンスアウト後もクライアントをサポートいたしますが、臨床試験及び承認申請はクライアントが主体となって実施するものであり、当社でコントロールすることはできません。したがって、臨床試験及び承認申請の進捗が当社の予期しない事由により遅滞することや、臨床試験及び承認申請が断念される等の可能性がございます。
さらに、製造販売承認後の販売計画はクライアントに依存しており、クライアントの経営方針や販売計画の変更、経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等の可能性がございます。
そのほか、医薬品の研究開発には多額の資金が必要となることから、当業界においては組織再編やM&Aが盛んであり、クライアントにおいて組織再編が実施されることや、競合他社を買収する(競合他社から買収される)ことなど、業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性がございます。こうした大規模な企業組織再編が当社のクライアントに生じた場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社では、特殊ペプチドの特性を活かした自社パイプライン(自社創薬)の研究開発を進めております。
現在のところ、開発の方向性としては、特殊ペプチドを医薬品として活用するアプローチと特殊ペプチドの持つ優れた選択性を活かして他の薬剤を誘導するPDC(Peptide Drug Conjugate)薬剤を開発するアプローチをとっております。また、特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることから、自社パイプラインにおいても低分子医薬品の開発に着手しております。
自社パイプラインについては、研究開発が順調に進展し、臨床試験まで当社の負担で実施する場合には、多額の開発費用を要する状態になる可能性がございます。また、自社パイプラインの研究開発が順調に進展しない場合には、将来の事業化のオプションを一部失う可能性がございます。
当社は、競争力の強化及び事業分野の拡大等のため、他社の事業部門の譲受け、他社の買収、他社との業務提携、合弁会社の設立、他社への投資等の戦略的提携など(以下「戦略的提携等」といいます。)を行うことがございます。こうした戦略的提携等については、パートナー企業との思惑に相違が生じて提携・統合が円滑に進まない可能性や当初期待していた効果が得られない可能性、投資した金額の全部又は一部が回収できない可能性等がございます。また、パートナー企業が当社の利益に反する決定を行う可能性があり、パートナー企業が事業戦略を変更した場合など、当社は戦略的提携等の関係を維持することが困難になる可能性もあり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は事業において様々な発明及び特許権を実施しておりますが、これらは当社、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学により登録済みになっているものと審査中のものがございます。
しかしながら、出願中の発明すべてについて特許査定がなされるとは限りません。また、特許権を設定登録した場合でも、特許異議申立制度により請求項が無効化される可能性がございます。また、特許権侵害訴訟の提起や特許無効審判が請求されるなど特許権に係る法的な紛争が生じ、当社が実施する権利に何らかの悪影響が生じる可能性がございます。また、当社が実施する特許権を上回る優れた技術の出現により、当社が有する特許権に含まれる技術が陳腐化する可能性がございます。こうした事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
その他、当社は、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学が出願人である発明又は特許権に関して、契約により第三者サブライセンス権付き独占実施・許諾権を獲得しておりますが、当該契約の内容が変更される場合や、期間満了や解除等により契約が終了した場合等にも、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社の役職員等が創出した職務発明について特許を受ける権利を取得したときは、当社は、当該職務発明の発明者である役職員等に対し、特許法に定める「相当の利益」を支払うことになります。当社では、その取扱いについて社内規則等でルールを定めており、役職員等への周知及び運用を強化しております。しかしながら、職務発明の取扱いにつき、相当の利益の支払請求等の問題が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物であっても、前臨床試験や臨床試験の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断をされることがございます。開発を延長した場合には、追加の資金投入が必要になるほか、特許権の存続期間満了までの期間が短くなり、投資した資金の回収に影響を及ぼします。また、開発を中止した場合には、それまでに投じた研究開発資金が回収できなくなることになります。
医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性がございます。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法(わが国においては「医薬品医療機器等法」)及びその他の関連法規等により、様々な規制を受けております。
現在のところ、当社のパイプラインは研究開発段階にあり、わが国の厚生労働省、アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)等から上市のための認可は受けておりませんが、今後、各国の薬事法等の諸規制に基づいて医薬品の製造販売承認申請を行い、承認を取得することを目指しております。
そのため、自社のパイプラインについて上記の規制をクリアするための体制整備が求められることになります。また、各国の薬事法及びその他の関連法規等は随時改定がなされるものであり、これらの変化が当社の生み出す特殊ペプチドにとって有利又は不利に働くことや、さらなる体制の整備・変更を求められる可能性が考えられます。
こうした規制への対応が当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼすことになります。
医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在しています。将来、開発したいずれかの医薬品が健康障害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な事象が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
また、製造物責任賠償請求がなされることによるネガティブなイメージにより、当社及び当社の医薬品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
医療用医薬品の販売価格は、日本及びその他各国政府の薬価に関する規制の影響を受けます。当社では、これまでのところ自社で臨床試験を実施したことがなく、早期に開発候補化合物をクライアントに導出する方針を採用しております。そのため、当社は薬価戦略についてはクライアントに依存しており、日本及びその他各国政府の薬価政策の影響を間接的に受ける立場にあります。当社の開発候補化合物が上市された場合において、当該医薬品にとってネガティブな薬価改定やその他の医療保険制度の改定があった場合は、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、創薬基盤技術の深化、創薬研究開発の進展を図るには、研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保が必要であると考えております。
当社の想定した人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、役員及び従業員に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性がございます。本書提出日現在、権利行使が可能な状態にある新株予約権による潜在株式数はございません。
当社は配当による株主様への利益還元も重要な経営課題だと認識しております。
当社は、将来においても安定的な収益の獲得が可能であり、かつ、研究開発資金を賄うに十分な利益が確保できる場合には、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当についても検討してまいります。
当社の事業は、クライアントである製薬企業からターゲットタンパクの情報を預かる立場にあります。そのため、当社は、当社の従業員との間において顧客情報を含む会社の情報に係る誓約書を徴求し、会社情報の漏えいの未然防止に努めております。
しかしながら、万一顧客の情報を含む会社の情報が外部に漏えいした場合は、当社の信用低下を招き、当社の事業等に影響を及ぼす可能性がございます。
近年、サイバー攻撃はこれまで以上に技術が高度化し、攻撃手法も多様化・巧妙化しております。このような状況を踏まえ、当社はサイバーセキュリティに関するリスクを最重要リスクの一つと認識し、ネットワーク及び設備の監視を始めとする各種サイバー攻撃対策を実施し、その管理には万全を期しております。
しかしながら、これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃やそれに伴う深刻なシステム障害等により実質的に当社事業が中断する等、当社の事業等に影響を及ぼす可能性がございます。
当社のクライアントには海外の製薬企業が多いことから、売上高の多くが外国通貨建て(主に米ドル建て)となっており、為替変動の影響を受けます。したがって、為替相場が変動した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことになります。
当社は、事業活動や研究開発活動に必要な設備及び機能が本社・研究所に集中しており、在宅勤務等へのシフトによって本社研究所以外の場所で継続できる業務が一部のオフィス業務に限定されます。感染症対策としてオフィス内の衛生管理の強化や「密な接触機会」の回避を図る取り組みを継続して実施すること等により、社員およびすべての関係取引先、並びにそのご家族の皆様の感染リスク軽減に引き続き努めておりますが、指定感染症等が発生し、本社・研究所の一時閉鎖等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社の研究開発の過程等で使用する化学物質の中には、人体や環境に悪影響を与える物質が含まれております。当社は、研究開発活動で使用する環境汚染物質のモニタリングを実施しておりますが、万が一、汚染物質による人への暴露、土壌汚染、大気汚染、水質汚染等が発生した場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社は、神奈川県川崎市川崎区殿町に本社・研究所を設置しており、事業活動や研究開発活動に関する設備及び人員が現所在地に集中しております。周辺には多摩川が流れており、気候変動に伴う洪水や津波などの水害等の自然災害が発生し、当社設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、2017年9月に塩野義製薬株式会社・積水化学工業株式会社とともに合弁会社としてCDMO(商号:「ペプチスター株式会社 」。以下「ペプチスター」といいます。)を大阪府摂津市に設立いたしました。
現在、特殊ペプチド医薬品の研究開発が国内外の製薬企業において進められていますが、高品質な特殊ペプチド原薬を低コストで安定供給できるCDMOが世界的に見ても存在しておりません。こうした状況のもと、特殊ペプチド医薬品について専門的な技術を持つCDMOを設立することは、当社の事業の推進に、ひいては特殊ペプチド医薬品市場の拡大に貢献できるものと考えております。合弁事業に参画する各国内企業が持つ最先端技術をこのペプチスターに戦略的に結集することで、特殊ペプチド医薬品の開発・販売に係るボトルネックの解消を目指してまいります。
当社は、ペプチスターに対し19億円の出資をしており、また、当社はペプチスターの債務に対して債務保証をしております。そのため、当社が投資時点において想定したとおりにペプチスターが事業を展開できない場合、株式の減損処理が発生するなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社では、共同研究開発を加速させる目的で投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は、株式発行会社の財政状態・経営成績等の状況によって判断されるため、実質価額の低下により減損処理を行うこととなった場合には、投資有価証券評価損の計上により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当社や当社の関係者、当社の取引先等に対する否定的な風説や風評が、マスコミ報道、アナリストレポートやインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える可能性がございます。当社や当社の関係者、当社の取引先等に対して否定的な風説・風評が流布した場合には、そのネガティブなイメージにより、当社に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
当事業年度において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPS技術ライセンス、③戦略的提携/自社創薬の拡充を進めてまいりました。
1つ目の事業戦略であるPDPSを活用した国内外の製薬企業との創薬共同研究開発契約については、2021年2月17日に、当社はBayer社との間で進行中の創薬共同研究開発プログラムにおいて、2つ目のプログラムがヒットペプチドとして設定されていたクライテリア(共同研究開発先と合意している生物活性及び物性等の基準の総称)を達成したことを発表いたしました。
2021年4月5日に、当社はBayer社との間で進行中の創薬共同研究開発プログラムにおいて、1つ目のプログラムがリードペプチドとして設定されていたクライテリアを達成したことを発表いたしました。
2021年7月27日に、当社は武田薬品工業株式会社の米国子会社である武田ファーマシューティカルズUSA社との間で、両社の共同研究及び独占的ライセンス契約の枠組みを拡大し、慢性神経変性疾患において重要な役割を担う複数の中枢神経系(CNS)ターゲットについてペプチド-薬物複合体(PDC医薬品)の創製に向けた取組みを進めることを発表いたしました。
2021年7月30日に、当社はAlnylam Pharmaceuticals社(以下 Alnylam社)と、肝臓以外の組織へRNAi治療薬をデリバリーする複数のペプチド-siRNA複合体の創製・開発に関する共同研究開発契約を締結いたしました。当社とAlnylam社は低分子干渉RNA(small interfering RNA、siRNA)を様々な細胞や組織に選択的にデリバリーするため、ターゲットとなる細胞表面の受容体に特異的に結合するペプチドの同定及び最適化を共同で実施いたします。
2つ目の事業戦略であるPDPSの技術ライセンスについては、2021年12月31日現在、10社;Bristol-Myers Squibb社(2013年)、Novartis社(2015年)、Ely Lilly社(2016年)、Genentech社(2016年)、塩野義製薬株式会社(2017年)、Merck社(2018年)、ミラバイオロジクス株式会社(2018年)、大鵬薬品工業株式会社(2020年)、Janssen社(2020年)、小野薬品工業株式会社(2021年)との間で非独占的なライセンス許諾契約を締結しております。
2021年3月1日に、当社は小野薬品工業株式会社(以下 小野薬品)との間で、PDPSの自動化プラットフォームを用いた運用に関して、小野薬品に対する非独占的ライセンス許諾契約(以下 技術ライセンス契約)を締結いたしました。小野薬品はPDPSの技術ライセンス契約としては10社目となりますが、PDPSの自動化プラットフォームを用いた運用に特化した技術ライセンス契約としては2社目となります。
2021年9月29日に、Janssen社よりマイルストーンフィーを受領しました。Janssen社とは、2020年12月にPDPSの非独占的ライセンス・技術移転許諾契約を締結しております。
3つ目の事業戦略は、世界中の高い技術力を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図ることが狙いです。当社はこれまで11社(JCRファーマ株式会社、モジュラス株式会社、Sosei Heptares、Biohaven Pharmaceuticals社、日本メジフィジックス株式会社、ポーラ化成工業株式会社、JSR株式会社、三菱商事株式会社(ペプチグロース株式会社)、RayzeBio社、ペプチエイド株式会社、Amolyt Pharma社)及び川崎医科大学、ビル&メリンダ・ゲイツ財団との戦略的提携を発表しております。
三菱商事株式会社とは、2021年7月29日に、ペプチグロースからの第一号製品として、HGFと同等レベルの受容体に対する活性と細胞増殖の特性を示すHGF代替ペプチド(PG-001)の販売を開始いたしました。また、2021年11月より第二号製品としてTGFβ1阻害ペプチド(PG-002)の販売を開始いたしました。ペプチグロースは、同時並行で複数の代替ペプチドの開発を進めており、2022年12月期第1四半期にはPG-003の販売開始を予定しております。
RayzeBio社とは、2021年6月10日に複数のプログラムが進捗し医薬品候補化合物が選定されたことに伴って2回目のマイルストーンフィーを当社が受領したことを発表いたしました。2022年12月期第2四半期には、最初の臨床候補化合物について発表できるものと考えております。
ペプチエイド株式会社(以下 ペプチエイド)は、2021年11月に新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補品であるPA-001)に関する非臨床試験を完了させ、2022年2月より、臨床研究法に基づく早期探索的臨床研究を開始いたしました。当社とペプチエイドは、PA-001に関心をもつ製薬企業との間でパートナリングや導出の可能性を積極的に協議しております。
Amolyt Pharma社(以下 Amolyt社)とは、2021年9月9日に、Amolyt社が成長ホルモン受容体拮抗薬(GHRA)候補ペプチド化合物に関するライセンスオプションを行使し、当社は、Amolyt社に対して全世界を対象とする開発・商業化の権利をライセンスいたしました。最適化に成功した先端巨大症に対する治療薬候補化合物(AZP-3813)は、既存薬であるソマトスタチンアナログによる治療で十分な効果が得られない患者さんに対して、同剤との併用を想定した開発が実施されます。Amolyt社は、IND準備試験を開始しており、2022年中の臨床入りを目標にしています。
以上の結果、当事業年度における売上高は9,365,964千円(前年同期比2,311,289千円減少)、営業利益4,418,143千円(前年同期比2,573,180千円減少)、経常利益4,774,477千円(前年同期比2,201,799千円減少)、当期純利益3,606,407千円(前年同期比841,949千円減少)となりました。
当事業年度の業績は、2021年2月10日に公表した業績予想に対して、当事業年度中に見込んでおりました新たな創薬共同研究開発契約の締結時期がずれ込んだこと等により、売上高、営業利益、経常利益については期初予想の達成に至りませんでした。一方、当期純利益につきましては、各種コスト削減等の積み重ねにより、期初の業績予想通りの結果となりました。
なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社は生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
当社のアライアンス事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)当社顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ、352,439千円増加し、26,619,168千円となりました。この主な要因は、売掛金が4,844,642千円減少したものの、現金及び預金が4,597,171千円、関係会社株式が943,265千円等増加したことによるものであります。
負債は前事業年度末に比べ、3,429,151千円減少し、1,620,573千円となりました。この主な要因は、未払金1,581,632千円、未払法人税等1,666,804千円等減少したことによるものであります。
純資産は前事業年度末に比べ、3,781,590千円増加し、24,998,595千円となりました。この主な要因は、当期純利益による利益剰余金が3,606,407千円等増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ4,597,171千円増加し、11,746,529千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額2,391,619千円等があったものの、税引前当期純利益の計上4,823,652千円、売上債権の減少額4,844,642千円等により、6,654,708千円の収入(前年同期比4,921,974千円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式の取得による支出943,265千円、有形固定資産の取得による支出1,185,973千円等により、2,283,450千円の支出(前年同期比1,083,424千円の支出増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入44,940千円、新株予約権の発行による収入21,490千円等により、66,067千円の収入(前年同期は237,244千円の支出)となりました。
財務政策につきましては、当社の事業活動の維持拡大に必要な資金は、手許資金で賄っております。
主な資金需要につきましては、運転資金として製造原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金として、研究開発のための設備投資等があります。
有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
投資有価証券の評価方法については、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しています。保有する有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っています。
この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しています。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症による当社への影響は、収束時期の見通しが不透明な状況であり、事業によってその影響や程度が異なるものの、提出日現在においては、当事業年度末の見積りに大きな影響を与えるものではないと想定しております。
今後の新型コロナウイルス感染症の広がりに伴う経済活動への影響等には不確定要素も多いため、想定に変化が生じた場合、当社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。
当事業年度においては、売上高11,000,000千円以上、営業利益5,000,000千円以上、売上高営業利益率45.5%以上を目標としておりましたが、売上高9,365,964千円、営業利益4,418,143千円、売上高営業利益率47.2%となり、売上高営業利益率は目標を上回る結果となったものの、売上高及び営業利益は目標を下回る結果となりました。引き続きこれらの指標について、向上できるよう努めてまいります。
(注) 上記契約の対価として一定料率のロイヤルティーを支払っております。
当社は、2021年9月2日開催の取締役会において、富士フイルム株式会社(以下、富士フイルム)から、富士フイルムの子会社であるFTP株式会社(現PDRファーマ株式会社)の全株式を取得して子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、本株式の譲渡は、2022年3月28日に実施する予定です。
当社の研究開発は、当社独自のPDPSを活用することによる自社創薬及び世界中の特別な技術を有する創薬企業、バイオベンチャー企業、アカデミア等と戦略的な提携を組むことで、自社のパイプライン拡充を図っております。
2018年以降、PDPSのヒット化合物の最適化やプロファイリング(*25)の機能を拡充し、自社においてヒット化合物の創出から前臨床試験の実施までを行える体制を整えてまいりました。
*25:医薬品候補化合物の薬効や毒性などの性質を細胞や動物を用いて確認すること
2021年10月、Biohaven Pharmaceuticals社と共同研究開発を行っている「BHV-1100(ARM)+ 自家NK細胞」が第1a/1b相臨床試験の最初の被検者への投与及び被験者登録を完了いたしました。この臨床試験では、造血幹細胞移植前に測定可能残存病変(MRD)が陽性である多発性骨髄腫の被検者において、安全性、忍容性、探索的有効性に関する評価を実施しております。これは、当社の戦略的提携による自社パイプラインにおける最初の臨床試験入りとなりました。
また、当社関連会社であるペプチエイド株式会社で新型コロナウイルス感染症に対する治療薬候補として研究開発を進めているPA-001に関して、2021年11月に非臨床試験を完了し、2022年2月より臨床研究法に基づく早期探索的臨床研究(以下、「臨床研究」)が実施されております。
自社創薬においては、PDC関連プログラムの拡大についても注力しております。2016年2月よりJCRファーマ株式会社と開始した共同研究において見出した、血液脳関門(BBB)を通過し脳組織及び筋肉組織へ医薬品候補化合物を届けることを可能とするトランスフェリン受容体(TfR)結合ペプチド(キャリアペプチド)について、武田薬品工業株式会社(以下 武田薬品)と2020年12月に神経筋疾患領域における包括的な共同研究及び独占的ライセンス契約したことに続き、2021年7月に中枢神経系(CNS)疾患における複数のターゲットに対する共同研究及び独占的ライセンスを実施いたしました。
自社パイプラインについての2021年の主な進捗は下表のとおりです。
*26:機能を有するペプチドの複数の組み合わせ
こうした活動の結果、当事業年度における研究開発費は