第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は「水を通じて健康づくりに貢献する」という経営理念に基づき、スイミングスクールの運営を中心とした経営を行っております。スクール会員の構成は子供会員が88.4%、大人会員が11.6%となっております。中でも大人の殆どが中高齢者となっております。

 そこで、これらのことを見据え、子供に関してはスクールの全ての活動を教育事業の一環と捉え、装置産業化したフィットネスクラブとは異なる成長を目指しております。また、大人に関しましては水の物理的特性を生かした水中マシンの開発と水中マシンプログラムの制作を進め、水中運動をより楽しく、効果の高いものにすることにより、シニア会員の拡大を図りたいと考えております。

 

(2)経営戦略等

 当社は、日本の経済成長戦略の一環として示されたいわゆる「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨を踏まえ、同コードの基本原則で示された事項について、ひとつひとつ真摯に取締役会を中心に議論を行い、企業の持続的成長と株主価値の向上を図ってまいる所存です。

 具体的な中期戦略としましては、1年後に開催されます東京オリンピックの競泳、飛び込み競技に複数の選手を送り込み、1つでも多くのメダルが獲得出来るように更なる選手強化を図りたいと考えております。

 また、シニア会員の増員を図るべく、水中マシンの開発や、水中マシンを使ったプログラムの制作、また、水中ウォーキングプログラムの質的向上を図ることにより、少子高齢化社会への対応を進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、企業価値向上のためには、財務の健全性を維持しながら資本の効率性を高めていくことが重要だと考えております。中長期的には、内部留保を新規事業所の設備投資に充当し、利益の最大化を目指してまいりますが、同時に資本効率を高め、企業価値の向上を図ることを基本方針としております。

 したがって、株主資本利益率いわゆるROEと配当性向を経営上目標とする重要な経営指標としてまいります。

 また、上記重要な経営指標を実現するため、当社売上高の約8割が会費売上高であり、収益性指標として会員数を具体的な経営指標とし、既存事業所の会員数の底上げと新規出店により会員数の増大を図ってまいります。

 

(4)経営環境

 スイミングスクール業界の経営環境は、財務体質の弱い企業の施設の閉鎖は今後も続いて行くと思われます。

 しかし、現在の様な不確実な社会においては子供の育成に対する意識の高まりによって、少子化による影響があったにせよ、潜在会員の大きな落ち込みはないと思われます。

 このようなことから、スイミングスクール施設の減少は業界規模において多少の縮小を招きますが、この10年余りは明らかにオーバーストア状態であり、需要と供給の面から見れば正常な状態に戻っていると見ることができると思われます。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社におきましては、新型コロナウイルスの感染症拡大により、年度末より当社の運営する事業所のスクールの休館を余儀なくされ、新規会員の集客は疎か、多くの退会者を出すに至りました。この様な状況下において、売上の大幅な減少は避けられないものと考えており、この様な課題に対処するために下記の経営施策を行ってまいります。

① ローコストによる社員教育の推進とサービスの向上

 当社の事業所は全国に点在しており、時間的制約と移動コストが大きな課題であります。
これらの問題点を改善するべく、Web会議システムの導入を進めてまいります。

② 積極的な人材の確保

 将来に向けた新規店舗の拡充を推し進めるため、若手社員の求人活動を強化してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項であっても、投資家の投資判断上又は当社の事業をより理解していただく上で重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において入手した情報を基に当社が判断したものであります。

 

(1)当社の事業について

① 経済状況等の影響について

 当社は、スイミングスクールの運営を主たる業務としております。

 売上高の多くは直営事業所のスイミングスクール会員の会費、民間・公共施設からの運営受託に伴う受託料及びスキースクール等の企画課外売上収入であり、その合計金額は2020年3月期8,035百万円と、売上高の94.8%を占めております。

 スイミングスクールの対象顧客は一般個人であることから、経済状況、雇用情勢、嗜好の変化や、消費税増税による買い控え、あるいはゆとり教育の見直しによる授業時間の増加による習い事時間(余暇時間)の減少などが生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による政府からの緊急事態宣言の発令を受け、当社におきましても、事業所で営業休止や縮小が発生したことから今後も当社の業績および財務状況にも影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視してまいります。当社では、感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底を実施しております。

② 会員数の動向と会員の構成について

 当社は子供会員に対する指導教本及び水中健康運動教本等の創業以来の指導経験を織り込んだ各種マニュアルや教本に基づく専門的な指導が強みであるため、子供会員の構成比が88.4%と高いことが特徴となっています。一方、総務省の発表による人口推計(2020年4月1日現在の概算値)によると、子供(0歳から14歳)の数は1,512万人であり、総人口に占める割合は12.0%と最低を更新しております。このような状況の中、当社の子供会員数は近年増加傾向ではありますが、大人会員数については水泳指導のないフリー会員からより単価の高いスクール会員へのシフトを進めたこともあり減少しております。

 今後、会員の獲得及び収益力の向上のために様々な施策を実施していきますが、子供人口の減少及び予測しない事態の発生による信用の失墜等により、当初想定していた会員数の獲得ができなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 競合等の影響について

 高齢化社会と医療費削減の流れの中で、生活習慣病などに対する国民の健康意識の高まりとともに、フィットネス業界における施設数は近年増加しておりますが、異業種からの参入や多店舗展開などその競争はより厳しいものになってきております。当社は、他のスポーツクラブと差別化を図るため、スイミングスクールに特化した事業戦略と地域密着型・教育重視の経営を行っておりますが、当社施設の地域内に競合施設が進出した場合や顧客ターゲットの重複など競争の激化によっては、売上高の低下又は販売活動・広告宣伝費の増加によるコストアップが収益の悪化を招き、当該施設の撤退など当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業所の出店について

 当社は、2020年3月末日現在、直営事業所63事業所、受託事業所21事業所を開設しております。今後も地域に密着した、低コストでコンパクトタイプのスイミングスクール施設等を基本として開設を行う方針でありますが、当社の希望する開設予定地が確保できない場合や、事業所の地代家賃、建物等の建設費用の上昇により出店コストが上昇した場合、開業後の新規事業所の収支が計画通りに進まない場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新規事業所の開設が特定の時期に集中するような場合には、開業経費等の計上が先行して発生するため業績へ影響を及ぼす可能性があります。

(3)施設の補修修繕や広告宣伝について

 事業所については集客力の向上と会員サービスの更なる充実を図るために、施設のリニューアルや広告宣伝等を随時実施する方針であります。しかしながら、当社の資金的制約や、受託事業所はオーナーの意向や経営状況により、集客に必要な施設の補修修繕や広告宣伝等の施策が進まない場合や、受託料等の債権の回収が進まない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、施設のリニューアル工事が特定の時期に集中するような場合にも、修繕維持費等の費用が増加し業績へ影響を及ぼす可能性があります。

(4)電力料金や燃料価格について

 スイミングスクールの施設の空調や、プール水温等の管理、会員の送迎バスの運行に係る費用等は、電力料金や燃料価格の影響を受けるため、これらの料金や価格が上昇した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)課外活動について

 スイミングスクールの会員に対して行っているスキースクール等の課外活動は学校の長期休暇のある夏季、冬季に集中して実施しているため、これらの時期に天候不順や災害等発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)特定地域への依存について

 当社は全国を営業エリアとしておりますが、関西地区での売上高が全体の約四分の一を占めているため、特に関西地区で大規模災害、流行性疾患等の感染症が発生した場合や、大規模な震災等の発生により事業所の業務を停止せざるを得ない状況や、建物や設備が損傷し、その修復に多大な費用が必要となった場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(7)法的規制について

① 事業に関する法的規制について

 当社はスイミングスクールを開設、営業するに際して、消防法、浄化槽法、下水道法、建築基準法、道路交通法等の法令並びに地方自治体の条例、各種行政指導による規制を受けております。また、事業所などにおける水着等の商品販売は、不当景品類及び不当表示防止法の規制を受けております。

 当社においては、これらの法令等の遵守を徹底しており、厳格な業務マニュアルに基づいて運営を行っており、現在までに重大な事故、訴訟、行政等の指導を受けた事実はありません。しかしながら、法令違反が起きた場合は営業停止等の行政処分によって、当社の業績に大きな影響が出ることが予想されます。

 また、これらの規制が強化された場合、自主的な規制を促す風潮が強まったりした場合等においては、当社が負担すべきコストが上昇し、業績へ影響が及ぶ可能性もあります。

② スイミングスクールの開設に際しての規制等について

 スイミングスクールの開設に関しましては、行政当局からの許認可が必要であるほか、各種の公的許認可書、申請書が必要であります。

 開設に際しては当局に対して十分に事前の打合せ、問い合わせを行い、開設準備を進めておりますが、万が一、営業許可が下りなかった場合、もしくは承認が長引いた場合は、当初の出店計画の修正を余儀なくされる可能性があります。

 また、これらの規制は都道府県、市町村などの条例に基づく行政指導として行われることが多いため指導内容は地域ごとに異なり、統一した基準、指導が必ずしも見られません。したがって、その内容については物件ごとに対応せざるを得ない場合が多く、その対応によって営業開始時期がずれ込んだり、事業所施設の内容に制限が加えられる可能性があります。

③ プールの安全衛生に関する規制について

 プールは、利用者が遊泳等を楽しみながら、心身の健康の増進を期待して利用する施設であり、そのようなプールが安全であることは、利用者にとって当然の前提となっております。プールの安全確保は当社の責任で行われるものでありますが、プールの排(環)水口に関する安全確保の不備による事故をはじめとしたプール事故を防止するため、プールの施設面、管理・運営面で配慮すべき基本的事項等について、2007年3月に文部科学省及び国土交通省が「プールの安全標準指針」として統一的に指針を示しております。また、本指針を受け2007年5月に厚生労働省より通達された「遊泳用プールの衛生基準について」で衛生面を中心に統一的指針がなされております。当社では、これらの規制のもと水質基準・施設基準・維持管理基準を遵守する必要があります。

 当社はコンプライアンスの重要性を十分認識し、従業員への法令遵守の教育を徹底するとともに、リスク管理規程に基づき取締役会の直属機関として当社代表取締役が委員長を勤めるリスク管理委員会を設置し、リスク管理の推進及びコンプライアンスの徹底を図っておりますが、当社の事業を規制するその他関係法令等を根拠として損害賠償請求等の訴訟を提起されたり、これらの規制の違反により施設の営業停止などの処分を受けた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

④ 旅行業登録について

 当社は、スイミングスクール会員に対する課外活動としてスキースクール、キャンプ等を行っているため、旅行業登録を行っております。当社では、当該登録の諸条件や各法令の遵守に努めており、現時点において、登録の取消事由に該当する事実はないと認識しております。

 しかしながら、万一法令違反等によって登録が取り消された場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(8)人材の確保について

 当社は、今後も積極的に事業を拡大していく方針であり、これに伴いスイミングを指導する人材の確保が必要であると認識しております。新卒採用はもとより即戦力となる中途採用についても積極的に行うとともに、今後は教育研修等による人材の育成についても注力していく方針であります。しかしながら、計画通りに優秀な人材の確保や育成ができなかった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(9)有利子負債への依存について

 当社は、出店のための設備投資の一部を主に金融機関からの借入により調達しております。2020年3月期末の総資産6,701百万円に対し有利子負債の合計1,874百万円、総資産に対する有利子負債の割合は28.0%となっております。

 今後の事業展開によってはさらに借入金残高が増加することも予想され、金利の上昇等の金融情勢や取引金融機関の方針等に変化が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(10)固定資産の減損処理について

 当社は、事業所の建物等の有形固定資産やのれん等の固定資産を保有しておりますが、会員数の減少など事業所の収益性の低下により投資額の回収が見込まれず、固定資産の減損を認識する必要があると判断した場合や、一部保有している遊休資産の時価が下落した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(11)敷金・保証金について

 2020年3月期末の敷金及び保証金の金額は693百万円となっております。今後の新規出店にあたっては、極力土地・建物の所有を行わず、賃貸借契約に基づく出店を考えておりますが、賃貸人の経営状況により敷金・保証金の回収に疑義が生じた場合、貸倒引当金の計上や貸倒損失が発生する可能性があります。

 また、当社側の理由により土地建物賃貸借契約を中途解約した場合に全額返還されない敷金及び保証金は2020年3月31日現在で19事業所で233百万円あり、これらの契約を契約期間満了前に解約した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)個人情報管理について

 当社は業務上の必要により、会員の氏名、住所、電話番号等の個人情報を保有し管理しております。これらの個人情報の取扱いについては、個人情報の保護に関する法律に基づき「個人情報保護規程」を定め、アクセス管理をするなど管理体制の充実に細心の注意を払っております。

 しかしながら、外部からの不正アクセスや社内管理体制の不手際等から個人情報が外部に漏洩し、会員等に何らかの損害が発生した場合や従業員等により個人情報の不正利用が行われた場合、個人情報の保護に関する法律に基づく勧告、命令、罰則等を受けるような事態が生じた場合には、当社への損害賠償請求や社会的信用の低下により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)事業所内や課外活動中の安全性及び健全性について

 事業所内や課外活動中に事故及び学童保育時の食中毒や食品アレルギーが発生した場合、賠償請求を受ける可能性があります。当社は賠償責任保険に加入しておりますが、賠償額が保険金額を上回るような重大な事故や従業員、業務委託先等による不適切な行為、もしくは企業倫理に反する行為等が発生した場合には直接業績に影響を及ぼすとともに、信用毀損やネガティブな風評の発生により二次的に業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 (1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における我が国の経済は、輸出、生産が軟調であった一方、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり緩やかな回復基調となったものの、2019年10月の消費税増税後は消費動向に力強さを欠く状態が続きました。さらに、期末にかけては新型コロナウイルス感染症の拡大により急速で大幅な下押し局面に入り、先行きは極めて不透明な状態となりました。

 この様な状況の中、当社におきましては例年より特典を充実した入会キャンペーンによる会員集客の強化を図り、入会者獲得が順調に推移したことで、前期に減少した在籍者数の回復を成し遂げたものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による急激な市場環境の悪化により再び減少することとなりました。

 その他営業施策としましては、特許出願中である水中の特性を活かした関節等体への負担が少ない形でトレーニングができる自社開発の水中バイクについて、新たに開発した当器具を使った水中プログラムとともに直営事業所22校へ導入し、その他直営事業所にも順次展開するべく準備を進めました。

 選手強化面におきましては、2019年7月に韓国・光州で開催された第18回世界水泳選手権大会において、競泳の瀬戸大也選手(ANA/JSS毛呂山)が金2つ、銀1つのメダルを獲得、飛び込み競技の荒井祭里選手(JSS宝塚/武庫川女子大学)が入賞し、両選手ともに2021年7月から8月までに掛けて開催される東京オリンピックの代表選手に内定する結果となりました。

 事業所につきましては、2020年5月に新築移転を予定するJSSスイミングスクール出雲(島根県出雲市)の工事が予定通り進行しました。

 また、2020年3月には日本テレビホールディングス株式会社と業務資本提携契約を締結し、同社の100%子会社で関東エリアを中心に全国173店舗(2020年4月1日現在)のフィットネスジムを運営する株式会社ティップネスを含む、両社の強みを活かした協業を進めることとしました。

 このような営業施策に取り組みましたが、前述の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、全国の事業所で営業休止や縮小、既存会員の休会や退会が増加したことで、当事業年度末の会員数は97,144人(前期比1.3%減)となりました。子供、大人別会員内訳では、子供会員数が85,876人(前期比1.1%減)、大人会員数が11,268人(前期比2.9%減)となっております。

 以上の結果、当事業年度の売上高は8,480百万円(前期比2.9、営業利益は374百万円(前期比20.8%減)、経常利益は390百万円(前期比19.6%減、当期純利益は185百万円(前期比41.6%減)となりました。

 なお、当社はスイミングスクール運営事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。

 

 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ15百万円減少し、6,701百万円となりました。これは主に、有形固定資産が44百万円減少したことによるものであります。

 負債合計は、前事業年度末に比べ86百万円減少し、3,832百万円となりました。これは主に、固定負債の長期借入金が188百万円減少した一方で、未払金が89百万円増加したことによるものであります。

 純資産合計は、前事業年度末に比べ71百万円増加し、2,868百万円となりました。これは主に、利益剰余金が当期純利益の計上等により122百万円増加した一方で、自己株式の取得により51百万円減少したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、39百万円増加し、当事業年度末は640百万円となりました。当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動により得られた資金は630百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益287百万円、減価償却費257百万円によるものであります。また、前事業年度に比べ得られた資金は111百万円増加しておりますが、主に未払金の増減額が91百万円増加したことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動により使用した資金は303百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出304百万円によるものであります。また、前事業年度に比べ使用した資金は118百万円減少しておりますが、主に有形固定資産の取得による支出が117百万円減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動により使用した資金は287百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済
による支出が397百万円、配当金の支払額が63百万円となった一方で、長期借入れによる収入が190百万円となったことによるものであります。また、前事業年度に比べ使用した資金は277百万円増加しておりますが、主に長期借入れによる収入が290百万円減少したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社は、スイミングスクールの運営を主たる事業としているため、生産及び受注の実績については記載しておりません。

a. 販売実績

当社は、スイミングスクール運営事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。

 

 

売上種類別

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

 

 

 

 

 

直営事業収入      (千円)

6,515,630

99.0

受託事業収入      (千円)

755,142

97.9

企画課外売上収入    (千円)

478,099

93.9

スイミングスクール運営収入(千円)

7,748,872

98.6

 

 

 

 

 

直営商品売上      (千円)

286,797

84.5

その他商品売上     (千円)

384,904

81.5

商品売上         (千円)

671,702

82.8

 

  その他の営業収入     (千円)

59,804

106.0

 

合計(千円)

8,480,379

97.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、事業年度末における財政状態、報告期間における経営成績及び開示に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社はこれらの見積り・予測について、過去の実績や現在の状況を考慮し、合理的と考えられる基準に基づき判断しております。しかしながら、見積り・予測は不確実性が伴うため、実際の結果と大きく異なる可能性があります。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

(繰延税金資産)

 当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損損失)

 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 ② 財政状態の分析

a. 流動資産

 当事業年度末における流動資産の残高は、935百万円となり、前事業年度末と比べて20百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が39百万円増加したことによるものであります。

b. 固定資産

 当事業年度末における固定資産の残高は、5,765百万円となり、前事業年度末と比べて35百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産が44百万円減少したことによるものであります。

c. 流動負債

 当事業年度末における流動負債の残高は、2,198百万円となり、前事業年度末に比べて136百万円の増加となりました。これは主に、未払金が89百万円、未払消費税等が66百万円増加したことによるものであります。

d. 固定負債

 当事業年度末における固定負債の残高は、1,634百万円となり、前事業年度末に比べて223百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金が188百万円減少したことによるものであります。

e. 純資産

 当事業年度末における純資産の残高は、2,868百万円となり、前事業年度末に比べて71百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が当期純利益の計上等により122百万円増加した一方で、自己株式の取得により51百万円減少したことによるものであります。

 ③ 経営成績の分析

a. 売上高

 当事業年度における売上高は、8,480百万円となり、前事業年度と比べて248百万円の減少となりました。これは主に、商品売上高が139百万円、スイミングスクール運営収入が112百万円減少したことによるものであります。

b. 売上原価

 当事業年度における売上原価は7,108百万円となり、前事業年度と比べて174百万円の減少となりました。これは主に、商品売上原価が110百万円減少したことによるものであります。

c. 売上総利益

 上記の結果、当事業年度における売上総利益は、前事業年度と比べて74百万円減少し、1,372百万円となり、売上高総利益率は16.2%となりました。

d. 販売費及び一般管理費

 当事業年度における販売費及び一般管理費は998百万円となり、前事業年度と比べて23百万円の増加となりました。これは主に、給料及び手当が14百万円増加したことによるものであります。

e. 営業利益

 上記の結果、当事業年度における営業利益は374百万円となり、前事業年度と比べて98百万円の減少となりました。

f. 営業外収益

 当事業年度における営業外収益は23百万円となり、前事業年度と比べて0百万円の増加となりました。これは主に、貸倒引当金戻入額が3百万円増加した一方で、退職給付引当金戻入額が2百万円減少したことによるものであります。

g. 営業外費用

 当事業年度における営業外費用は6百万円となり、前事業年度と比べて2百万円の減少となりました。これは主に、支払利息が1百万円減少したことによるものであります。

h. 経常利益

 上記の結果、当事業年度における経常利益は390百万円となり、前事業年度と比べて95百万円の減少となりました。

i. 当期純利益

 減損損失103百万円等を計上した結果、特別利益が0百万円、特別損失が103百万円となり、税引前当期純利益は287百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税121百万円、法人税等調整額△19百万円を計上しております。

 以上の結果、当事業年度における当期純利益は185百万円となり、前事業年度と比べて132百万円の減少となりました。

 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の主力であるスイミングスクール事業については、医療制度改革の中で2008年4月から健診・保健指導の義務化が実施されるなど、国民の健康意識の高まりとともにスイミングに対するニーズも拡大する方向にありますが、国内経済動向、個人消費、流行、原油価格等の外的要因が変動することにより大きく影響を受けます。

 また、同業他社による多店舗展開、異業種からの参入など競争はより激しくなってきており、出店地域における当社の優位性の確保状況により影響を受けます。

 ⑤ 経営戦略の現状と見通し

 当社は、総合フィットネスを展開する同業他社と差別化を図るため、スイミングスクール事業を「教育」として指導教本及び水中健康運動教本等の創業以来の指導経験を織り込んだ各種マニュアルや教本に基づく専門性の高い指導を実施し、当社ブランド力の強化と各事業所の収益力向上を進めております。今後の見通しについては、直営事業所として低コスト運営が可能なコンパクトタイプ施設(会員数1,000名程度)の展開を進め、買収、合併等を利用した事業譲受や既存施設の新築移転も含め、年間2事業所程度の出店を計画しております。

 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要の主なものは、スイミングスクール事業の指導者の人件費、水道光熱費等の販売費及び一般管理費であり、また、設備資金需要としては新規事業所の開設費用及びプール施設の維持管理に関する設備投資資金であります。

 そのような資金需要を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。

 また、資金の流動性に関しては、現在の複数の金融機関からの借入は円滑に行われており、十分な借入余力があり、流動性の補完にも対応が可能となっております。

 当事業年度における資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは630百万円の現金及び現金同等物を得ております。投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に有形固定資産の取得による支出304百万円がありました。財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に長期借入金の返済による支出397百万円、長期借入れによる収入190百万円がありました。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は640百万円となり、前事業年度末と比べて39百万円増加しました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、日本テレビホールディングス株式会社(東証一部、本社:東京都港区、代表取締役会長:大久保好男、代表取締役社長:小杉善信、以下、「日本テレビホールディングス」といいます。)と2020年3月13日に資本業務提携契約(以下、「本提携」といいます。)を締結いたしました。

(1)本提携の背景及び理由

 当社は、1976年7月「ジャパンスイミングサービス株式会社」として設立され、スイミングスクールの受託運営事業を開始いたしました。1979年9月には、JSS宝塚スイミングスクール(兵庫県宝塚市)において直営事業を開始し、1980年4月にはアディダステニススクール(現 JSSジャンボインドアテニススクール(新潟県新潟市))においてテニススクールを開始し、また、1990年9月には、株式会社トーメン(現 双日株式会社)と合弁で子会社株式会社リプルを設立し、フィットネスクラブウェイビー喜連を開設しました(リプルは2010年12月に清算)。1991年6月には、商号を「株式会社ジェイエスエス」に変更し、スイミングスクールを全国に展開してまいりました。

 当社では、スイミングスクール会員における子供会員の構成比が9割近いことに特色があり、保護者の高い教育志向をとらえ、優れた指導ノウハウ及び施設運営力を生かして着実なスクール事業展開をおこなっており、オリンピック選手の育成・輩出にも貢献する等、高い信頼と実績を築いております。

 当社は、当社の強みである指導教本及び水中健康運動教本等の創業以来の指導経験を織り込んだ各種マニュアルや教本に基づく指導プログラムと住宅地中心の事業所展開を図ることで、事業所数を増やしてまいりました。2019年3月31日現在で大阪府、兵庫県を中心として、北は北海道から南は沖縄まで直営事業所63箇所、受託事業所21箇所を運営しております。

 今後も青少年の健全育成を願うとともに、21世紀の高齢化社会、健康志向、余暇の有効利用という社会問題や社会の要請に取り組んでいくことで地域社会に貢献することがミッションと考え、近年、大人会員の拡充や、スイミングのみならず健康運動への取り組みも進めております。

 一方、日本テレビホールディングスと子会社及び関連会社から構成される企業グループ(以下「日本テレビホールディングスグループ」といいます。)は、2019年に『テレビを超えろ』を標榜した「日本テレビグループ中期経営計画2019-2021」を策定し、投資枠1,000億円を設定した積極的な戦略的投資の方針、即ち「非放送収入比率50%超」及び「グループ外からの収入比率を高める」を打ち出しています。

 これに基づき、生活・健康事業領域の倍化戦略およびその一環としての日本テレビホールディングスグループの株式会社ティップネスの事業領域の補完・拡大施策を検討してきたということです。

 株式会社ティップネスでは、東京、神奈川、埼玉、千葉等の関東エリアを中心に、全国173店舗(2020年4月1日現在)のフィットネスジムを運営していますが、従前よりキッズスイミングに着目し、幾つかの総合店において新たにキッズスイミングの展開を図るなどの事業拡大に努めてまいりました。今後も有望な成長分野たるキッズを中心とするスイミングスクールの分野においては、会員様の安全・安心な環境を整え、実績・技術のあるコーチによる質の高いサービスを提供することが何よりも重要であることから、当該分野で豊富な経験と実績を有し、確立したブランドを有するパートナーとの協業が有用かつ不可欠であるとの認識に至り、最適なパートナーとの協業を検討していたということです。

 このような状況の中、当社の筆頭株主であり前資本業務提携契約の相手先であったニチイ学館において、2019年以降に教育事業構造改革が実施されることとなり、それに伴い、同社より、前資本提携契約の解消と同社の保有する当社株式の譲渡の意向が示され、同年6月頃に譲渡先として日本テレビホールディングスの紹介を受けたことから、当社は、同年7月頃から、日本テレビホールディングスグループとの間で、協業の可能性を探って参りました。

 その結果、当社は、日本テレビホールディングスのブランド力やメディア事業及び生活健康関連事業に関する知見を活用して、大人会員の拡充を図るとともに、相互にノウハウや経営資源を持ち寄ることで、両社の企業価値向上に資する効果的なシナジーの創出を期待できるのではないかと考え、業務資本提携をするに至りました。

(2)本提携の相手先の概要

a.商号       日本テレビホールディングス株式会社

b.代表者      代表取締役会長 大久保好男

代表取締役社長 小杉善信

c.所在地      東京都港区東新橋一丁目6番1号

d.事業内容     メディア・コンテンツ事業、生活・健康関連事業、不動産賃貸事業、その他

(3)業務提携の内容

 日本テレビホールディングスのメディア事業及び生活健康関連事業に関する知見と当社の有する水泳指導の実績及びノウハウをはじめとする両社のノウハウ・経営資源を相互に提供・活用してシナジーを創出してまいります。

 具体的には、以下の様な効果が見込まれると考えております。

・当社及び日本テレビホールディングスグループの経営資源を持ち寄ることによる新規店舗の開発

・当社が展開する施設周辺の遊休地や施設内の空きスペース等の日本テレビホールディングスグループによる有効活用

・両社グループが強みを持つ商品・プログラムの相互提供

・両社のブランドを活用した人材採用

・両社グループの会員による相互利用制度の導入

(4)資本提携の内容

 日本テレビホールディングスは2020年3月23日に当社のその他の関係会社であったニチイ学館から市場外の相対取引により、当社の普通株式1,000,000株(発行済株式数比24.84%、議決権所有割合25.86%)を取得いたしました。

 この結果、日本テレビホールディングスは当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社となります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。