文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針と経営戦略
当社は、昭和23年の創業以来、「我等、人間の使命である進化と向上を企業経営を通じて具現し、社会に貢献する」という経営信条、及び「一、誠意を込めつくして対応しよう 一、創意に満ちあふれた商品にしよう 一、熱意を燃し続けて成果をみよう」という経営指針を実現するために、小さくても志を持ち、こだわりを持って、独自のものを創造していくという「ヨコタDNA」に基づく特許製品のポンプ・バルブ等の用水機器及びそれを支える特殊素材の開発、製造、販売を行っております。
この経営信条及び経営指針のもと、当社は部門間の連携を強化し、ニッチ市場での相対的優位性を更に高めることを中期の目標として掲げ、業務用ポンプ・バルブのメーカーとして社会に必要とされる企業として貢献し、時代を超えて永続する企業を目指しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、経常利益、自己資本利益率であり、令和2年3月期の目標値は売上高1,760,000千円、経常利益270,000千円、自己資本利益率8.6%であります。
(3) 会社の対処すべき課題
当社はポンプ・バルブを中心に、水を中心とした流体に関する様々なご要望を自社独自の技術・ノウハウによって具現化する「水ソリューション企業」として、お客様に支持される高付加価値製品を提供し続けるため、以下の課題に取り組んでまいります。
① 競争優位の源泉となるコア技術の開発力強化
当社は、昭和23年の創業以来、「創意に満ちあふれた商品にしよう」を経営指針の一に掲げ、お客様の様々なご要望を具現化した製品を開発してまいりましたが、今後更なる発展を考えた場合、競争優位の源泉となるコア技術の開発力及び応用力の強化が必要不可欠と考え、これに必要な優秀な人材の確保と育成に努めてまいります。
② マーケティング機能強化
当社は、当社営業担当者とお客様との接点を持つことが重要であると考え、ホームページ、広告宣伝、展示会出展等によるわかりやすい情報の発信に注力してまいります。
当社及び当社の技術・ノウハウによる製品に、より一層の関心を持って頂けるよう、お客様との関係を密にし、水や流体に関する様々なご要望を傾聴し、「誠意を込めつくして対応しよう」という当社の経営指針をさらに強化してまいります。
③ コストの削減
当社の主要原材料であるステンレス材をはじめとする金属材料の価格は、外部要因の影響による価格変動が激しく、それにより当社の製造原価は少なからず影響を受けます。
当社はIT(情報技術)を活用し、徹底した省力化及び省人化並びに部材購入品の洗い直し、業務の改善合理化を推進し、固定費を圧縮させるなどの経費削減を行い、これら価格変動による製造原価への影響を極力抑え、今後も安定した利益の確保を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、本項中の記載内容については、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境について
当社が事業活動を行う主な市場は、日本国内の発電所・工場の給排水設備、プラント内配水設備、公共の上下水道設備等の水処理関連設備、食品、鉄・非鉄、電子機器等各種製造関連設備の各需要分野にわたっております。当社の経営成績及び財政状態は、これらの業界の需要の変動の影響を受ける可能性があります。
(2) 原材料価格の変動について
当社の製品は、主材料としてステンレス材等鋼材を使用しており、その仕入価格は外国為替レートや原材料など市場動向の変動の影響を受けるため、原材料価格が上昇した場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製造拠点の集中について
当社の製品は、全て広島市中区の本社工場において製造しております。当社は、製造工場が台風や地震等の自然災害や火災等の人的災害を被った場合に備えて、火災保険や利益補償保険等の損害保険契約を締結しておりますが、これらの災害を被った場合に、多額の修繕費等の発生や生産設備の機能停止による製造停止により生じた損失金額が、これらの保険契約の保険金等で補填しきれない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品の品質管理について
当社は、社内生産体制に関してはもちろんのこと、主たる外注加工先に対しても品質保持の協力要請をしながら、総合的な品質保証体制と継続的な改良・改善体制の運用に努めるとともに、製造物賠償に関しては生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しております。現時点におきましては、重大なクレームや製造物責任を問われる事態が想定される事象は発生しておりません。しかしながら、万一かかる事態が発生した場合には、当社の社会的な信用が低下するとともに、クレームに対する補償や対策費用が生産物賠償責任保険により補填しきれない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 競合の状況について
当社は、創業以来長年にわたり技術・ノウハウを蓄積していることや、当社製品の需要先がニッチな市場であることから、当社製品については実質的な競合会社が少なく、用途によっては既に高い市場シェアを有していると考えられるものもあります。しかしながら、今後他社による新製品の開発と当該製品の低価格化により当社製品の優位性が失われた場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 売上債権の貸倒れによるリスク
当社は、現金での早期回収による売上債権残高の縮減や与信管理の徹底による貸倒れリスクの低減を図っておりますが、取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、貸倒損失の計上や個別引当金の計上が必要となる可能性があります。かかる場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 特定取引先への依存について
当社製品の主要部品である鋳物部品に関しては、その製造工程の一部を特定の取引先に依存しております。このため、これらの取引先の経営施策や取引方針に変更があった場合や各社の経営成績及び財政状態が悪化した場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 工業所有権等の知的財産権の侵害について
当社は、創業以来ユーザーのニーズを具体化し、他社にはない差別化製品を提供することを目標に研究開発を行っており、ポンプ及びバルブ装置に関して国内及び海外に特許権を有しております。しかしながら、当社が保有する知的財産権が第三者に不正に利用され、結果として当社製品の優位性が損なわれ、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方、当社は、製品開発において第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しておりますが、万一当社が第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、損害賠償や使用権差し止め等の請求を受け経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 研究開発体制について
当社は、水や流体に関する様々な課題を独自の技術・ノウハウによって具現化する「水ソリューション企業」として刻々変化する市場環境の変化や顧客のご要望に対応するため、研究開発を継続していく必要があります。今後、研究開発体制に必要となる資金の調達や人材が確保できなかった場合や、当社の人材が社外に流出した場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 小規模組織であることについて
当社は、比較的小規模な組織で運営されており、内部管理体制も規模に応じた人員を配置しております。現状の規模においては組織的に対応し得る人員であると考えております。しかしながら、小規模組織で人的資源に限りがあるなか、今後業務の急激な拡大が発生した場合等において、人材の採用及び育成の充実が図れず、十分な人的・組織的な対応ができない場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 情報システム関連のセキュリティ管理について
当社は、業務の遂行を円滑・安全に行うため、ハードウェア・ソフトウェアの障害防止、コンピュータウイルス等による基幹情報の障害・破壊に備え万全の対策を期しておりますが、システムサーバーのダウン、ハッカーによる侵入、コンピュータウイルスによる情報の破壊等の影響を受ける可能性があります。当社情報システムに重大なトラブルが発生した場合には、受注、生産活動、販売活動に支障が起こり、当社の社会的評価・信用が低下するとともに経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) コンプライアンス、内部統制関係について
当社は、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保をはじめとする目的達成のために、適切な内部統制システムを構築し、運用していますが、常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はなく、また、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。このため、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。また、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守のための費用が増加し当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 環境関連法令への対応について
当社は、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求が厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が更に追加される可能性があります。当社は、現状これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過年度分を含む事業活動に関して、過失の有無にかかわらず環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 自然災害等について
当社は、生命・安全を最優先に、安全性確保のために最大限の配慮を払い業務を遂行しておりますが、自然災害、テロ、事故、その他の不測の事態(当社がコントロールできないものを含みます。)が発生し、工場が操業停止になった場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
当事業年度におけるわが国の経済は、日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、米中の貿易摩擦や海外経済の減速などが景況感の悪化につながり、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業ではプラス12となり前回12月調査から7ポイントの下落となっております。
このような状況のもと、当社は相対的優位性のある既存領域を確保しつつ、技術開発力を高め、既存製品の改良や性能向上による差別化により新たな需要分野への展開・進出を図り、適正な人員配置と組織改革による生産性の向上とコスト削減に注力することにより採算重視の経営に努めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の受注は、1,877,077千円(前期比8.4%増)となりました。売上につきましては、1,759,698千円(同0.8%増)となりました。また、営業損益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、材料費と経費の増加に伴う売上原価率の悪化によって、263,291千円(同6.7%減)の営業利益となりました。経常損益は、営業外収益に補助金収入10,000千円を計上したものの、営業利益の減少によって、275,756千円(同1.5%減)の経常利益となりました。この結果、当事業年度の当期純利益は、189,057千円(同1.6%減)となりました。
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、経常利益、自己資本利益率であります。当事業年度の予算は、売上高1,750,000千円、経常利益270,000千円、自己資本利益率8.0%であり、すべて達成することができました。当社が事業活動を行う主な市場は、日本国内の発電所・工場の給排水設備、プラント内排水設備、公共の上下水道設備等の水処理関連設備、食品、鉄・非鉄、電子機器等各種製造関連設備の非常に広範な需要分野にわたっており、幅広い需要分野から継続的に受注を獲得していることが予算達成の主な要因と考えております。
当社は、ポンプ及びバルブの製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
単一セグメント内の製品別の受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
受注は、電力関連企業や機械・電子関連企業からの受注が増加したことなどにより、974,870千円(前期比24.5%増)となりました。売上につきましては、電力関連企業や食品関連企業への売上が増加したことなどにより、837,486千円(同4.3%増)となりました。
受注は、機械・電子関連企業からの受注が増加したことなどにより、261,647千円(前期比6.3%増)となりました。売上につきましては、官公需の売上が減少したことなどにより、247,917千円(同3.3%減)となりました。
受注は、電力関連企業からの受注が減少したことなどにより、640,559千円(前期比8.8%減)となりました。売上につきましては、電力関連企業への売上が減少したことなどにより、674,293千円(同1.9%減)となりました。
単一セグメント内の生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当事業年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当事業年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度末の資産は、前事業年度末と比較して124,205千円増加し、2,550,833千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加127,546千円、機械及び装置(純額)の増加22,200千円、工具、器具及び備品(純額)の減少13,509千円によるものであります。
負債につきましては、前事業年度末と比較して8,650千円減少し、416,855千円となりました。これは主に、未払法人税等の減少10,332千円によるものであります。
また、純資産は、前事業年度末と比較して132,856千円増加し、2,133,978千円となりました。これは主に、当期純利益の計上189,057千円、剰余金の配当56,201千円によるものであります。
当事業年度末における自己資本比率は83.7%であり、有利子負債の残高はありません。今後も引き続き、財務基盤の充実を図り、無借金経営を継続してまいります。
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して127,546千円増加し、1,212,733千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、258,811千円(前期は180,087千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上275,756千円、減価償却費の計上69,170千円、法人税等の支払98,226千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、75,138千円(前期は61,481千円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入250,000千円、定期預金の預入による支出250,000千円、有形固定資産の取得による支出74,467千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は、56,126千円(前期は48,790千円の減少)となりました。これは、配当金の支払56,126千円によるものであります。
当社の主な資金需要は、製品製造に必要な運転資金と設備資金、営業や管理に必要な活動資金であり、これらについては現在手許資金で賄っております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、当社は、決算日における資産及び負債の報告数値並びに報告期間における収益及び費用の報告数値について、会計上の見積りを必要とする事象及びその見積りに影響を及ぼす要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定を設定し、その仮定に基づいて適切な情報収集を行うことにより見積り金額を計算しております。
当社では、各種引当金及び法人税等に関する見積りや判断に関して継続的に評価を行っております。具体的内容につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び判断に関しては、過去の実績や状況に応じて合理的であると考えられる様々な要因に基づき実施しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、見積り金額と相違する場合があります。
該当事項はありません。
当社の研究開発活動は、開発部が中心となって行っており、顧客ニーズに対応する製品を提供するため、特許技術や独自のノウハウを応用した付加価値の高い製品の開発に取り組んでおります。
当事業年度における主な活動は次のとおりです。
(1) 脱泡・脱気装置の性能改良のための試作・研究
脱泡・脱気装置は、これまでに食品分野や洗剤・塗料等の化成品などの分野でご使用をいただいておりますが、より高いレベルの脱泡・脱気性能をもった装置にするための試作・研究を引き続き推進しております。また、腐食性液、摩耗性液、高粘性液といった特殊な液質にも対応できるような研究も並行して進めております。
更に、市場でのデモ機によるテスト等を通じて把握したニーズ及び分析結果等を製品改良につなげるため、営業部門(脱泡・脱気システムグループ)と連携の上、各種テスト機材及び研究開発力等のノウハウを活用して製品改良に資するデータの蓄積を行うなど研究を進めております。
(2) 改良型自吸式ポンプの試作・研究
当社のコア技術である自吸ポンプの用途拡大のために、食品分野などのサニタリー仕様にも対応できる高い洗浄性と高い自吸性能を備えた改良型自吸式ポンプ及び大口径の自吸式ポンプについて、試作・研究を推進しており、実用レベルのテストと改良を続けております。
(3) 微細気泡発生装置の研究・開発
殺菌、洗浄、廃水処理など様々な分野で応用が期待されている微細気泡(マイクロバブル)に関して、当社のコア技術である自吸ポンプを利用したものをはじめとして、多様な方式の装置について研究を続けており、特許も取得いたしました。
(4) パイプライン低圧化システムの構築
パイプラインに当社の無水撃逆止弁や減圧弁を設置しラインの低圧化を図ることで、施設の大幅な規模縮小とコストダウンが可能となります。これを実証するために大学等の研究機関とともに実際のパイプラインを使ったテストを実施してきました。当社ではそのテストに基づき、効果予測の技法を確立するための研究を進めております。
なお、当事業年度における研究開発費の総額は、