文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は、1948年の創業以来、「我等、人間の使命である進化と向上を企業経営を通じて具現し、社会に貢献する」という経営信条、及び「一、誠意を込めつくして対応しよう 一、創意に満ちあふれた商品にしよう 一、熱意を燃し続けて成果をみよう」という経営指針を実現するために、小さくても志を持ち、こだわりを持って、独自のものを創造していくという「ヨコタDNA」に基づく特許製品のポンプ・バルブ等の用水機器及びそれを支える特殊素材の開発、製造、販売を行っております。
(2) 長期・中期経営方針、経営戦略及び経営環境
当社は経営の基本方針に基づき、次のとおり長期・中期経営方針及び経営戦略を定めております。
① 長期経営方針
② 中期経営方針
③ 経営戦略
当社の属する業務用ポンプ・バルブ業界は、社会インフラの土台ともいえる業界であり、多方面の分野で使用されております。
当社は、ポンプやバルブといった個々の製品を単に製造する企業ではございません。水にまつわる様々な問題に対し、ハード・ソフトを含めたソリューションを提供することが当社のビジネスの本質です。このビジネスで最も大切なことは独自性であり、当社はニッチ市場に特化することによって同業他社との差別化を図り、高い収益力を維持することが可能と考えております。
当社を支える主力製品はいずれも、自社開発の新技術を使って水にまつわる様々な問題の解決を図った結果、生まれてきたものです。今後も当社は、この独自のスタイルにこだわり続け、時代を超えて永続する企業を目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、経常利益、自己資本利益率であります。2021年3月期の目標値につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を合理的に算定することが困難であるため非開示としております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社はポンプ・バルブを中心に、水を中心とした流体に関する様々なご要望を自社独自の技術・ノウハウによって具現化する「水ソリューション企業」であります。
当社がお客様に支持される高付加価値製品を提供し続けるために、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 競争優位の源泉となるコア技術の開発力強化
当社は、1948年の創業以来、「創意に満ちあふれた商品にしよう」を経営指針の一に掲げ、お客様の様々なご要望を具現化した製品を開発してまいりましたが、今後更なる発展を考えた場合、競争優位の源泉となるコア技術の開発力及び応用力の強化が必要不可欠と考え、これに必要な優秀な人材の確保と育成に努めてまいります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大は、産業構造の変化や新しい価値観の発生をもたらしつつあります。当社は時代を超えて永続する企業となるために、変化し続ける経営環境に適応できる仕組みづくりにも注力してまいります。
② マーケティング機能強化
当社は、当社営業担当者とお客様との接点を持つことが重要であると考え、ホームページ、広告宣伝、展示会出展等によるわかりやすい情報の発信に注力してまいります。
当社及び当社の技術・ノウハウによる製品に、より一層の関心を持って頂けるよう、お客様との関係を密にし、水や流体に関する様々なご要望を傾聴し、「誠意を込めつくして対応しよう」という当社の経営指針をさらに強化してまいります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、当社はテレワーク営業を導入いたしました。テレワーク営業は従来の対面式営業と異なり、テレビ電話などを活用しますので、従来と遜色のない営業を行うためにはどのような工夫が必要なのか検討してまいります。
③ コストの削減
当社の主要原材料であるステンレス材をはじめとする金属材料の価格は、外部要因の影響による価格変動が激しく、それにより当社の製造原価は少なからず影響を受けます。
当社はIT(情報技術)を活用し、徹底した省力化及び省人化並びに部材購入品の洗い直し、業務の改善合理化を推進し、固定費を圧縮させるなどの経費削減を行い、これら価格変動による製造原価への影響を極力抑え、今後も安定した利益の確保を図ってまいります。
なお、テレワーク営業の導入により業務効率が一時的に低下しますが、中長期的な観点からみるとテレワーク営業の導入は業務の改善合理化をもたらし、更なるコストの削減に繋がるものと考えております。
④ 新型コロナウイルスの感染拡大による財務リスクへの対応
今後の見通しにつきましては、現時点における新型コロナウイルスの感染拡大による影響を合理的に算定することは困難でありますが、定性的な影響として得意先からの申し出による当社製品の納期延長が発生しております。
一方で、当事業年度末における受注残高は下記のとおり前期比40.4%増と大きく伸びておりますので、翌事業年度の受注高が減少した場合でも売上高の減少は一定程度緩和されるものと予想しております。
なお、当社は、流動比率571.0%、自己資本比率81.5%、総資産現預金比率55.7%であり、新型コロナウイルスの感染拡大によって業績が悪化した場合でも、当面の資金繰りに与える影響は限定的と考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 製品需要の減少
関連するリスク・・・事業規模の縮小、資金繰りの悪化
(2) 研究開発体制の弱化
関連するリスク・・・製品の優位性の喪失、知的財産権の侵害
(3) 組織的対応力の低下
関連するリスク・・・内部統制の無効化、コンプライアンス違反の発生
(4) 品質管理体制の弱化
関連するリスク・・・ブランドイメージの悪化、特定仕入先への依存、法令改正への対応不足
(5) 自然災害等の発生
関連するリスク・・・製造拠点の集中、情報システムへのサイバー攻撃、感染症拡大への対応不足
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国の経済は、日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、新型コロナウイルスの感染拡大で世界の経済活動が停滞しており、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業ではマイナス8となり5四半期連続の悪化となっております。
このような状況のもと、当社は相対的優位性のある既存領域を確保しつつ、技術開発力を高め、既存製品の改良や性能向上による差別化により新たな需要分野への展開・進出を図り、適正な人員配置と組織改革による生産性の向上とコスト削減に注力することにより採算重視の経営に努めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の受注は、1,898,819千円(前期比1.2%増)となりました。売上につきましては、1,733,848千円(同1.5%減)となりました。また、営業損益は、減価償却費の減少などで売上総利益が増加したものの、人件費の増加や東京支店の移転費用が発生したことなどで販売費及び一般管理費が増加したため、247,517千円(同6.0%減)の営業利益となりました。経常損益は、営業利益の減少などによって、249,008千円(同9.7%減)の経常利益となりました。この結果、当事業年度の当期純利益は、177,094千円(同6.3%減)となりました。
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、経常利益、自己資本利益率であります。当事業年度の予算は、売上高1,760,000千円、経常利益270,000千円、自己資本利益率8.6%でありましたが、すべて未達となりました。
当社が事業活動を行う主な市場は、日本国内の発電所・工場の給排水設備、プラント内排水設備、公共の上下水道設備等の水処理関連設備、食品、鉄・非鉄、電子機器等各種製造関連設備の非常に広範な需要分野にわたっており、幅広い需要分野から継続的に受注を獲得しているため、売上高につきましては予算比1.5%減にとどまりましたが、上記のとおり販売費及び一般管理費の増加などによって、経常利益は予算比7.8%減となりました。自己資本利益率につきましても、利益水準の低下などによって0.5ポイント低下し8.1%となりました。
当社は、ポンプ及びバルブの製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
単一セグメント内の製品別の受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
[ポンプ製品]
受注は、機械・電子関連企業、電力関連企業からの受注が減少したものの、食品関連企業、石油・化学関連企業、海外企業からの受注が増加したことなどにより、975,496千円(前期比0.1%増)となりました。売上につきましては、食品関連企業、石油・化学関連企業、海外企業への売上が増加したものの、機械・電子関連企業、電力関連企業への売上が減少したことなどにより、833,213千円(同0.5%減)となりました。
[バルブ製品]
受注は、官公需の受注が増加したものの、機械・電子関連企業からの受注が減少したことなどにより、249,111千円(前期比4.8%減)となりました。売上につきましては、官公需の売上が減少したものの、機械・電子関連企業への売上が増加したことなどにより、251,000千円(同1.2%増)となりました。
[部品・サービス]
受注は、機械・電子関連企業からの受注が減少したものの、電力関連企業、海外企業からの受注が増加したことなどにより、674,212千円(前期比5.3%増)となりました。売上につきましては、官公需の売上、海外企業への売上が増加したものの、電力関連企業、機械・電子関連企業への売上が減少したことなどにより、649,634千円(同3.7%減)となりました。
単一セグメント内の生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当事業年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当事業年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度末の資産は、前事業年度末と比較して203,943千円増加し、2,754,776千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加71,480千円、受取手形の減少12,668千円、売掛金の増加14,680千円、仕掛品の増加74,876千円、原材料及び貯蔵品の増加13,151千円、繰延税金資産の増加37,779千円によるものであります。
負債につきましては、前事業年度末と比較して92,417千円増加し、509,272千円となりました。これは主に、買掛金の増加18,523千円、未払金の増加109,748千円、未払法人税等の増加23,070千円、預り金の減少27,999千円、役員退職慰労引当金の減少27,867千円によるものであります。
また、純資産は、前事業年度末と比較して111,526千円増加し、2,245,504千円となりました。これは主に、当期純利益の計上177,094千円、剰余金の配当65,568千円によるものであります。
当事業年度末における自己資本比率は81.5%であり、有利子負債の残高はありません。今後も引き続き、財務基盤の充実を図り、無借金経営を継続してまいります。
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して71,480千円増加し、1,284,213千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、184,634千円(前期は258,811千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上249,008千円、減価償却費の計上47,009千円、役員退職慰労引当金の減少27,867千円、たな卸資産の増加85,016千円、仕入債務の増加18,523千円、未払金の増加109,505千円、預り金の減少27,999千円、法人税等の支払87,306千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、47,561千円(前期は75,138千円の減少)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出250,000千円、定期預金の払戻による収入250,000千円、有形固定資産の取得による支出45,442千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は、65,592千円(前期は56,126千円の減少)となりました。これは、配当金の支払65,592千円によるものであります。
このように当社は、営業活動で得られたキャッシュ・フローを財源として、設備投資などの投資活動、配当金の支払などの財務活動を行うことを基本としております。また、当社の主な資金需要は、製品製造に必要な運転資金と設備資金、営業や管理に必要な活動資金、株主還元のための資金であり、これらについて営業活動で得られたキャッシュ・フローが不足する場合は、手許資金で賄うこととしております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度における課税所得を、第68期中期経営計画の数値をもとに見積っております。当該見積りは、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を予測して行っておりますが、売上高の著しい減少など新型コロナウイルスの感染拡大による重要な影響は想定しておりません。
これは「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ④ 新型コロナウイルスの感染拡大による財務リスクへの対応」に記載のとおり、翌事業年度の受注高が減少した場合でも売上高の減少は一定程度緩和されるものと予想しているためであります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社の研究開発活動は、技術部が中心となって行っており、顧客ニーズに対応する製品を提供するため、特許技術や独自のノウハウを応用した付加価値の高い製品の開発に取り組んでおります。
当事業年度における主な活動は次のとおりです。
(1) 脱泡・脱気装置の性能改良のための試作・研究
脱泡・脱気装置は、これまでに食品分野や洗剤・塗料等の化成品などの分野でご使用をいただいておりますが、より高いレベルの脱泡・脱気性能をもった装置にするための試作・研究を引き続き推進しております。また、腐食性液、摩耗性液、高粘性液といった特殊な液質にも対応できるような研究も並行して進めております。
更に、市場でのデモ機によるテスト等を通じて把握したニーズ及び分析結果等を製品改良につなげるため、営業部門(機器システムグループ)と連携の上、各種テスト機材及び研究開発力等のノウハウを活用して製品改良に資するデータの蓄積を行うなど研究を進めております。
(2) 改良型自吸式ポンプの試作・研究
当社のコア技術である自吸ポンプの用途拡大のために、食品分野などのサニタリー仕様にも対応できる高い洗浄性と高い自吸性能を備えた改良型自吸式ポンプ及び大口径の自吸式ポンプについて、試作・研究を推進しており、高性能化のための改良を続けております。
(3) 微細気泡発生装置の研究・開発
殺菌、洗浄、廃水処理など様々な分野で応用が期待されている微細気泡(マイクロバブル)に関して、当社のコア技術である自吸ポンプを利用したものをはじめとして、多様な方式の装置について研究を続けており、特許も取得いたしました。
(4) パイプライン低圧化システムの構築
パイプラインに当社の無水撃逆止弁や減圧弁を設置しラインの低圧化を図ることで、施設の大幅な規模縮小とコストダウンが可能となります。これを実証するために大学等の研究機関とともに実際のパイプラインを使ったテストを実施してきました。当社ではそのテストに基づき、効果予測の技法を確立するための研究を進めております。
なお、当事業年度における研究開発費の総額は、