当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
継続企業の前提に関する重要事象
当社グループは、世界的な販売網の確立に向けた先行投資をし、iPS細胞及び再生医療等の研究開発費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損失が発生しておりますが、当該状況を解消又は改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないものと判断しております。当該状況を解消又は改善するための対応策は、3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)に記載しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純損失」を「親会社株主に帰属する四半期純損失」としております。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府による経済政策や金融政策等を背景に企業業績や雇用環境が改善し、景気は緩やかな回復基調をもって推移いたしました。しかし、成長鈍化が顕著となった中国経済や不安定な欧州諸国情勢等、海外経済等の動向による国内景気への影響が懸念されております。
このような経済状況のもと、iPS細胞及び再生医療は政府の成長戦略の一つとして掲げられており、iPS細胞に関連した基礎及び臨床の研究者が増加しております。さらに、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」並びに「薬事法等の一部を改正する法律」が平成26年11月25日に施行されたことにより、大手製薬企業を含めた企業サイドによる再生医療の事業化に向けた取り組みが始まるなかで、当社グループも本格的な当該事業分野への進出に向け、事業化の準備を本格的に進めております。
このような状況の下、当社の主なグループ企業は、当社、Stemgent, Inc.(米国)、BioServe Biotechnologies, Ltd.(米国)、Reinnervate Limited(英国)の4社で構成されます。Stemgentは最先端のiPS細胞試薬を手掛け、BioServeはヒト生体試料のバンキング及び提供、Reinnervateは3次元培養デバイスの開発・製造・販売を行っております。グループ各社が一体となりiPS細胞事業を展開することで3つの優位性を際立たせることとなりました。第1の優位性は、iPS細胞製品の豊富な品揃えをワンストップで提供できることであり、競合との差別化と顧客利便性の向上を追求しております。第2に、東京大学や京都大学をはじめ、米国のハーバード大学・マサチューセッツ工科大学・英国のダーラム大学等との世界的な研究ネットワークを構築し、世界最先端の技術シーズを継続的に吸収して競争力の高い新製品を開発しています。また、第3として、日米欧にまたがる世界規模の販売チャネルと高効率のネット販売を活かし、各社製品の相互販売によるグローバル展開を推し進めております。
当第2四半期連結累計期間において、当社はこれまでに蓄積してまいりました世界最先端の技術力を結集して、競争力の高い複数の新製品の開発に成功し、グローバル市場で勝ち抜くための競争力を大きく強化いたしました。
具体的には、ヒトiPS細胞由来の高機能な神経細胞の作製を可能とする培養キット「ReproNeuro MQ Medium」、アルツハイマー病患者由来のiPS細胞から作製した疾患神経細胞「ReproNeuro AD-patient」等、付加価値の高い高機能製品を独自技術により新規開発し、販売を促進しております。
さらには、京都大学再生医学研究所(再生研)と共同で開発した高機能な細胞凍結保存液「ReproCryo DMSO free」の製品化、慶應義塾大学との「疾患型(遺伝子性の心臓病「QT延長症候群」)iPS細胞由来の心筋細胞に関する独占ライセンス契約」の締結、味の素株式会社製の再生医療用のヒトiPS細胞向け高機能培養液「StemFit® AK02N」における販売提携等、外部の研究機関・事業会社との実用段階での連携が拡大いたしました。こうした取り組みは短期的な収益化を狙うだけでなく、その延長線上に今後本格的な事業化が期待される再生医療領域への本格的な進出を企図しており、当該領域における世界的なプラットフォームを早期に構築してまいります。
また、国内外の未上場のiPS細胞・再生医療関連のバイオベンチャーを投資対象とする、新生銀行との共同ベンチャーファンド「Cell Innovation Partners, L.P.」により、優良な技術を保有する事業会社のiPS細胞・再生医療分野への参入支援を本格的に進めております。当社としましては、ファンド期間7年において投資案件を適切に選定し、事前に合意している出資額から都度資金を投じてまいります。
一方、臨床検査事業では、主力検査である抗HLA抗体検査の検査数を順調に伸ばすとともに、臨床試験に係わる臨床検査測定の受託業務にも取り組んでおります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は539,786千円(前年同四半期比354,488千円の増加)、営業損失は425,065千円(前年同四半期233,003千円の損失)、経常損失は406,728千円(前年同四半期127,284千円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は398,648千円(前年同四半期129,591千円の損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① iPS細胞事業
iPS細胞事業は、研究試薬製品・細胞製品・受託サービスの3つに分類されます。
研究試薬製品については、iPS細胞に関わる様々な研究試薬を大学や公的研究機関、製薬企業等に製造・販売しています。iPS細胞の研究に必要な、培養液・剥離液・凍結保存液・コーティング剤・抗体等のiPS細胞に最適化された各種研究試薬をはじめ、ヒトiPS細胞をより受精卵に近い理想的な状態にリプログラミングできる高品質iPS細胞用培養液「ReproNaïve TM」や、iPS細胞作製の高い効率性(従来比で100~1,000倍)と安全性に加えて、作業の容易性を格段に高めた新型「RNAリプログラミングキット」等を主力製品としてラインナップしております。さらに、当第2四半期連結累計期間において、既述のとおり、高機能な神経細胞培養キット「ReproNeuro MQ Medium」や、京都大学と共同開発した細胞凍結保存液「ReproCryo DMSO free」等が主力製品として新たに加わりました。大学及び公的研究機関を中心に継続的に販売実績を積み重ね、さらに新規顧客も増加傾向にあり、売上は堅調に推移しております。
一方、細胞製品については、製薬企業等による創薬を支援する製品として製造・販売し、製薬企業等において新薬候補化合物の薬効試験や毒性試験の実験材料として使用されます。iPS細胞の技術プロセスの上流から下流までを当社グループでカバーすることで豊富な品揃えを実現し、顧客利便性が大きく向上しています。当第2四半期連結累計期間においては、アルツハイマー病疾患神経細胞「ReproNeuro AD-patient」を新たに製品ラインアップに加えて販売を進めております。さらに当社は、ヒトDNA・組織・血清サンプルといったヒト生体試料やiPS細胞、さらにはiPS細胞由来の心筋・神経・肝臓の細胞等を取り扱っております。
また、受託サービスについては、カスタマイズした疾患モデル細胞製品の作製受託等、顧客の要望にきめ細かく対応するための様々な差別化されたサービスラインナップを提供しております。iPS細胞培養の受託サービスやDNA等の抽出・遺伝子型判定等を行う前臨床分子解析サービスを提供している他、アルツハイマー病やパーキンソン病等の患者から集めた生体試料をもとにカスタマイズした疾患型iPS細胞由来の細胞製品の受託培養等を行っております。
以上のように、グループ全体としてiPS細胞技術のプロセスの全てをカバーした他に類を見ないワンストップサービスの幅の広さと、世界最先端の技術を結集した機能・品質の高さを兼ね備えた創薬支援ツール・サービス群としての評価をいただき、製薬企業を中心に顧客層が着実に広がっております。
この結果、売上高は500,376千円、セグメント損失は68,624千円となりました。
② 臨床検査事業
肝臓移植や造血幹細胞移植の分野への適用の広がりを見せている抗HLA抗体検査(スクリーニング及びシング
ル抗原同定検査)を主力として、日本全国の100施設以上の病院から検査を受注しております。また、腎移植に
おける脱感作療法としての治験薬の有効性を確認することを目的として一般社団法人 日本血液製剤機構が実施
する臨床試験に係わる臨床検査測定の業務を受託しており、当社は本治験における脱感作確認(ドナーに対する抗体の有無)の検査を担当しております。こうした検査業務を通じ同一患者様の全ての検査をまとめて行うことにより、整合性のとれた確度の高いデータを提供することで顧客ニーズに応えることができました。以上の内容により、売上は堅調に推移しております。
この結果、売上高は39,409千円、セグメント利益は16,066千円となりました。
なお、管理部門にかかる費用など各事業セグメントに配分していない全社費用が354,169千円あります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末に比べて161,820千円増加し、5,521,329千円となりました。これは主に、現金及び預金が130,567千円増加したことなどによります。固定資産は前連結会計年度末に比べて173,492千円減少し、2,061,213千円となりました。これは主に、無形固定資産が203,586千円減少したことなどによります。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は前連結会計年度末に比べて25,341千円増加し、324,577千円となりました。これは主に、買掛金が63,701千円増加したことなどによります。固定負債は前連結会計年度末に比べて7,167千円減少し、202,644千円となりました。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比べて29,846千円減少し、7,055,321千円となりました。これは主に、資本金の増加199,165千円、資本剰余金の増加199,165千円、利益剰余金が483,360千円減少したことなどによります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて130,559千円増加し、4,055,795千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は224,100千円(前年同四半期は81,998千円の使用)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失406,728千円、のれん償却額66,487千円、無形固定資産償却費82,485千円、仕入債務の増加額62,542千円、未払金の減少額53,182千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は44,572千円(前年同四半期は1,662,423千円の使用)となりました。これは主に敷金及び保証金の差入による支出25,531千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果獲得した資金は398,217千円(前年同四半期は1,169,183千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入389,717千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、131,603千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 重要事象及び当該事象を解消しまたは改善するための対応策
当連結会計年度については、世界的な販売網の確立に向けた先行投資をし、iPS細胞及び再生医療等の研究開発費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損失が発生しております。
しかしながら、当社グループの当第2四半期連結会計期間末の現金及び預金残高は3,048,527千円、短期的な資金運用を行っている有価証券が1,999,764千円あり、財務基盤については安定しており、当該状況の解消を図るべく、グローバル展開に向けた販売基盤の整備を行っています。グループ経営体制の運営効率化のため、投資及びランニング費用を最小限に抑えつつ、地域特性に合わせた営業・マーケティング展開、営業面ならびに技術面での各社間の連携促進を進め、早期の黒字化を目指して当該状況の解消を図っていきます。