(1)業績
当連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)の世界経済は、一部に弱さが見られたものの、全体として緩やかに回復しました。わが国経済においても、一部、個人消費や企業収益等に弱さも見られましたが、緩やかな回復基調が続きました。
このような状況の中、当社グループは、“ナチュラル&ヘルシー”“ユニーク&プレミアム”をコンセプトとして商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、各社の知見を活かしたコスト革新による収益力強化や、グループ全体での品質の向上に取り組みました。また、将来の持続的な成長に向け、各エリアにおける事業基盤の強化にも注力しました。
国内セグメントでは、「サントリー天然水」や「BOSS」を中心とした重点ブランドの強化に加え、「ブラッドオランジーナ」等の新しい価値を持つ商品の投入や、「伊右衛門 特茶」等の高付加価値商品の強化を通じ、新たな需要の創造に取り組みました。
国際セグメントでは、各エリアにおいて重点ブランドの一層の強化やコスト削減等を実施しました。欧州では、引き続き「Orangina」「Oasis」「Schweppes」「Lucozade」「Ribena」等の主力ブランドへの注力に加え、欧州全体でのブランドポートフォリオの拡充を進めるとともに業務用チャネルへの取組みを継続しました。また、アジアにおいては、販売体制や生産体制等、事業基盤の更なる強化に注力しました。
これらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は1兆4,108億円(前年同期比2.2%増)、営業利益は935億円(前年同期比1.6%増)、経常利益は912億円(前年同期比10.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は461億円(前年同期比8.5%増)となりました。なお、平成28年熊本地震による特別損失33億円を計上しましたが、損失に対する保険金32億円を受け取り、特別利益に計上しております。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[国内セグメント]
日本では、重点ブランドの強化に加え、特定保健用食品等の高付加価値商品への注力を通じ、新規需要の創造に取り組みました。その結果、前年同期を上回る販売数量を達成しました。
「サントリー天然水」は、“清冽でおいしい水”“ナチュラル&ヘルシー”をブランド独自の価値として訴求しました。なかでも、「サントリー ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」が好調に推移し、ブランド全体の年間販売数量は当社ブランドとして初めて1億ケースを突破し、対前年で大きく伸長しました。
「BOSS」は、引き続き、主力商品である185g缶の「プレミアムボス」「レインボーマウンテンブレンド」「贅沢微糖」「無糖ブラック」「カフェオレ」に注力したことに加え、伸長著しいボトル缶の「プレミアムボス ブラック」「プレミアムボス 微糖」が大幅に販売数量を伸ばし、ブランド全体の伸びを牽引しました。9月には、多様化するお客様の嗜好に対応するべく、「プレミアムボス」ブランドから、185g缶の新商品「プレミアムボス リミテッド」及びボトル缶の新商品「プレミアムボス ザ・マイルド」「プレミアムボス ザ・ラテ<砂糖不使用>」を発売し、商品ラインナップを拡充しました。
「伊右衛門」は、四季の変化に合わせて味わいを変えるという提案を継続し、ブランド強化に注力したほか、特定保健用食品「特茶」が大幅に販売数量を伸ばし、ブランド全体の販売数量は大きく伸長しました。
健康志向の高まりを背景に注目を集める特定保健用食品は、当社が市場拡大を牽引し、確固たる地位を築いています。引き続き、「伊右衛門 特茶」「サントリー 黒烏龍茶」「サントリー 胡麻麦茶」等の積極的なマーケティングに取り組んだほか、8月には「伊右衛門 特茶」ブランドから「特茶 カフェインゼロ」を発売し、カフェインゼロという新たな付加価値により、これまで以上に多くのお客様からの支持を獲得しました。その結果、特定保健用食品合計の販売数量は、前年同期を大きく上回りました。
収益性向上に向けた取組みにも注力しました。3月に発売した「プレミアムボス ザ・ラテ」「ブラッドオランジーナ」等の新しい価値を持つ商品の投入や特定保健用食品等の高付加価値商品、500mlペットボトル等の小容量商品の販売を強化したことにより、商品構成は改善し、利益増に繋がりました。また、引き続き、包材費や製造経費等の低減に取り組み、生産コストは前年同期を下回りました。販売促進費・広告宣伝費は前年同期を上回りましたが、売上高に対しては、効率的な費用投入を継続しました。
また、お客様と直接接点を持つ自動販売機事業、ファウンテン事業及びウォーター事業等において、更に高い付加価値をお客様に提供するため、サントリービバレッジソリューション㈱が4月に事業を開始しました。小売チャネルに特化して事業を行うサントリーフーズ㈱とともに、それぞれの顧客対応力・販売力の強化に取り組みました。
これらの結果、国内セグメントの売上高及びセグメント利益は、次のとおりとなりました。
国内セグメント売上高 8,900億円(前年同期比10.3%増)
国内セグメント利益 547億円(前年同期比17.1%増)
[国際セグメント]
欧州では、「Orangina」「Oasis」「Schweppes」「Lucozade」「Ribena」等の主力ブランドを中心に積極的なマーケティング活動を展開しました。フランスでは、事業環境が厳しい中、「Orangina」の販売数量は前年並みとなったものの、「Oasis」の販売数量は前年同期を下回りました。英国では、5月に発売したゼロカロリーの「Lucozade Zero」が好調に推移し、「Lucozade」の販売数量は前年同期を上回りました。また、「Ribena」の販売数量は前年を若干上回りました。スペインでは、2015年に開始した業務用チャネルにおけるPepsiCo, Inc.との協業を更に推進しました。また、健康志向が強まる中、ブランドポートフォリオの強化にも取り組みました。英国では、2015年12月に取扱いを開始したスプリングウォーターの「Highland Spring」を積極的に販売し、フランスでは、低糖のプレミアムアイスティー「May Tea」を5月に発売しました。
更に、アフリカ事業の強化のため、アフリカにおいて経済規模が最大のナイジェリアで、GlaxoSmithKline Consumer Nigeria Plcより「Lucozade」「Ribena」の2ブランドの製造・販売に関する事業基盤を9月30日付で譲り受けました。
アジアでは、各国において事業基盤の強化や主力ブランドを中心としたマーケティング活動に取り組みました。健康食品事業では、主力市場のタイにおいて「BRAND'S Essence of Chicken」等の販売が堅調に推移しました。飲料事業では、ベトナムにおいて、年後半は飲料市場の減速が続いたものの、4月に発売した緑茶飲料の「TEA+ MATCHA」等、サントリーブランドのマーケティング強化に取り組み、ペプシコブランドとともに、販売は前年同期を上回りました。インドネシアでは、営業体制及びマーケティング戦略の再構築に取り組みました。
オセアニアでは、主力のエナジードリンク「V」ブランドから、天然素材を主成分とした「V Pure」をニュージーランドで5月に発売したほか、スポーツ飲料の「Maximus」や緑茶の抗酸化成分を配合した水分補給飲料「OVI」で積極的なマーケティング活動を行い、販売拡大に取り組みました。
米州では、ノースカロライナ州でペプシコブランドの更なる販売強化に加え、物流拠点の統廃合等事業効率の改善を進めました。また、「OVI」の販売を1月に開始しました。
各エリアにおける売上拡大の活動に加え、グループ会社間で研究開発技術やコスト改善のためのノウハウを共有し、品質の更なる向上及び収益力強化に取り組みました。
これらの結果、国際セグメントの売上高及びセグメント利益は、次のとおりとなりました。
国際セグメント売上高 5,207億円(前年同期比9.3%減)
国際セグメント利益 674億円(前年同期比8.9%減)
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ136億円減少し、841億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益831億円、減価償却費587億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ161億円増加し、1,619億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出518億円等があったものの、前連結会計年度に発生した連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出1,343億円がなくなったこと等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ1,310億円減少し、578億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,051億円等により、1,155億円の資金の支出(前連結会計年度は385億円の収入)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
国内 |
766,831 |
101.0 |
|
国際 |
435,857 |
87.1 |
|
合計 |
1,202,689 |
95.5 |
(注)1.金額は、最終販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.生産実績には外注分を含んでいます。
(2)受注状況
当社グループは、原則として見込み生産を主体としているため、記載を省略しています。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
国内 |
890,048 |
110.3 |
|
国際 |
520,716 |
90.7 |
|
合計 |
1,410,765 |
102.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
当社グループは、“A quest for the best tastes & quality to bring happiness & wellness into everyday life.”をお客様に提供したい価値として、また、“To be the leading global soft drink company recognized for our premium and unique brands.”を目指す姿として掲げ、清涼飲料を中心に「おいしさと健康を追求した商品」「安全で安心な商品」「たくさんのお客様に愛される魅力的な商品」をお客様に提供できるよう、お客様の嗜好・ニーズを捉えた商品を開発し続けています。商品を通じて、世界各国のお客様に常に新しい価値を提供し続ける企業グループを目指します。
当社グループは、東京証券取引所への株式上場やM&A等を経て、事業基盤を拡充してきました。この事業基盤を活かし、世界各エリアでの自律的成長を加速させつつ、シナジーを創出し、統合的発展へと進化していくことを目指し、以下のとおり2015年‐2017年経営戦略を策定しています。
1.重点エリアにフォーカス
継続強化する既存エリアに、アジア、アフリカ等の新たなエリアを加えた約20カ国に重点的に経営資源を投入していきます。
2.各エリアで存在感のあるポジションを確立
①各エリアの既存重点ブランドを継続強化するとともに、消費者のニーズを捉えた新たな価値を持つ商品を提案し、需要を創造していきます。
そのために、研究開発、マーケティング、生産技術の絶えざる革新に取り組んでいきます。
②エリアに合わせた流通基盤、生産基盤の更なる強化に注力します。
③コスト削減に継続して取り組み、成長投資に必要な原資を確保します。
3.統合的な発展への進化
エリア間、グループ会社間で、売上とコスト両面でのシナジーを創出し、統合的な発展を目指します。また、グローバルマーケットでの販売を目指すブランドを設定し、展開していきます。
既存事業に係る数値目標は次のとおりです。(いずれも2014年比、為替中立)
営業利益 平均年率1桁台半ば以上の成長(Mid single digit or above)
売上高営業利益率の改善を進める
ROE のれん償却前当期純利益で10%以上を維持、利益成長により改善を進める
※2016年度以降の当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益
売上高 持続的な成長を目指す
2017年度は引き続き、国内・国際事業ともに基盤強化に取り組み、各エリアでの売上成長と利益成長を目指します。
国内セグメントでは、お客様の健康志向や品質に対する意識の高まり等、飲料業界を取り巻く消費環境は更なる変化が予想されますが、当社はブランド強化とイノベーションを軸に、これらの変化に対応した様々な取組みを進め、更なる成長を図ります。
具体的には、「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」「サントリーウーロン茶」を中心にブランド投資を行い、これらロングセラーブランドの価値をより高めるためのマーケティング活動を展開してまいります。また、お客様に安定的に商品をお届けするため、サントリー天然水奥大山ブナの森工場やサントリー九州熊本工場等で生産能力の増強を進めます。
加えて、「伊右衛門 特茶」「サントリー ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」といった当社独自の新たな付加価値を持った商品を今後も継続して投入し、新たな需要創造を図ります。そのために、マーケティング・研究開発・生産設備に積極的に投資するとともに、その原資を生み出すべくコスト削減に取り組む等、事業一貫でのイノベーションに取り組んでまいります。
お客様と直接接点を持つ自動販売機事業、ファウンテン事業及びウォーター事業等においては、顧客対応力・販売力の強化とともに、オフィス需要を取り込むための積極的な提案活動を推進し、「総合飲料サービス提供事業」を発展させてまいります。
いずれの取組みについても、収益性の向上を意識し活動してまいります。
国際セグメントでは、2016年の英国におけるEU離脱に係る国民投票や、米国大統領選挙の結果等に見られるように、世界各地において政治や経済の不確実性が増しています。また、飲料業界においては、各国で糖摂取に対する社会的関心が高まっています。こうした中、当社グループは、各エリアにおいて重点ブランドと事業基盤の強化やコスト削減を通じた収益性の向上を図るとともに、統合的発展に向けてグループ会社間の連携やエリア統括機能を強化していきます。
欧州では、主力の「Orangina」「Oasis」「Schweppes」「Lucozade」「Ribena」等のブランド強化を進めるとともに、伸長カテゴリーへの新商品投入や主要な小売チャネルにおける販売活動の強化及び業務用チャネルでの取組みを一層加速していくことにより、売上拡大を図ります。フランスでは、店頭活動の強化や小容量商品の展開に取り組みます。英国では、砂糖含有量を削減した商品の展開を積極化します。スペインでは、業務用チャネルの強化を継続します。また、アフリカにおいてもナイジェリアを中心に事業基盤の整備に取り組んでいきます。
アジアでは、重点ブランドへの注力に加え、店舗への配荷力を強化し、各国において高成長を目指してまいります。健康食品事業においては、主力市場のタイにおいて営業・流通体制の強化を図り、主力の「BRAND'S Essence of Chicken」の販売を拡大するとともに、新たな成長市場への取組みも強化します。飲料事業においては、ベトナムで、品質の高さを訴求したマーケティングを実施するとともに、都市部に加え地方における営業活動も強化し、成長加速を目指します。また、インドネシアでは、営業・流通体制及びマーケティング戦略を再構築し、主力ブランドの活性化に引き続き注力していきます。加えて、マレーシア等においても、「Ribena」「Lucozade」に注力し、事業拡大を図ります。
オセアニアでは、主力のエナジードリンク「V」やスポーツ飲料の「Maximus」の強化を継続するほか、新商品の開発やコスト削減にも積極的に取り組み、収益性の向上を図ります。
米州では、炭酸カテゴリーで確固たる地位を維持するとともに、成長著しい非炭酸カテゴリーにも注力し、新商品投入による売上拡大を図ります。また、物流等事業効率の改善に取り組み、コスト削減を進めてまいります。
なお、当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱を中心とするサントリーグループは、「人と自然と響きあう」という理念のもと、環境経営を推進し、持続可能な地球環境を育むサントリー「天然水の森」の活動等、様々な環境負荷低減活動を行っています。当社グループも、サントリーグループの一員として、容器・包装の省資源活動や自動販売機における消費電力量の削減等を通じたCO2排出量の削減及び工場における水使用量の削減等、環境負荷低減に向けた積極的な取組みを継続していきます。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものが考えられます。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)商品開発及び商品供給に関するリスク
当社グループが事業を展開する飲料・食品市場は、消費者嗜好の変化による影響を非常に受けやすい市場です。当社グループが収益及び利益を確保するためには、消費者の嗜好にあった魅力的な商品を提供することが必要となります。当社グループは、市場の変化を的確に把握するよう努めていますが、当社グループが消費者の嗜好にあった魅力的な新商品を開発できる保証はありません。また、当社グループは、健康志向を有する消費者にとって魅力的な商品を開発することを重要な商品戦略の一つとしていますが、他社が同様に健康を訴求する商品に注力し競争が激化する可能性があります。消費者の嗜好に何らかの重大な変化が生じた場合や、当社グループがこのような変化を的確に把握し、又はこれに対応することができない場合、当社グループの商品の需要が減少し、また当社グループの競争力が低下し、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、商品の供給に関して、消費者の嗜好等を踏まえて需要を予測し、需給計画を立案していますが、当社グループの予測を超える需要が発生した場合等、需要に適切に応じられない可能性があります。この場合、当社グループは販売機会を喪失し、また、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、これらにより経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの事業の継続的な成否は、新商品の継続的な市場への投入、商品デザインや広告宣伝活動の更なる改善といった革新活動にも依存しています。当社グループは、ブランド力の強化及び新商品投入のために多大な経営資源を投入していますが、消費者環境の変化に伴い、当社グループの販売計画を達成できる保証はありません。当社グループが市場動向・技術革新に対応した有効な販売施策や適切な革新を実現できず、また、新たなヒット商品を市場に投入できなかった場合、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、また、これにより、棚卸資産の評価損その他の費用が発生する可能性もあります。
(2)競合に関するリスク
当社グループが事業を展開している飲料・食品市場の競争は厳しく、当社グループは、当社グループと同様に国際的に事業を展開する大手の飲料メーカーや、特定の地域に根ざした事業活動を行う多数の飲料メーカーと競合しています。大手競合企業は、その経営資源や規模の活用による、新商品の導入、商品価格の値下げ、広告宣伝活動の強化により、競争圧力及び消費者嗜好の変化に迅速に対応することができます。また、当社グループは、独自ブランドを有し、特定の商品カテゴリー等において従来から強みをもつ様々な飲料メーカーとも競合しています。当社グループがこれらの競合企業との競争において優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)企業買収及び事業提携・資本提携に関するリスク
日本や他の先進国市場及び新興国市場において新たな企業買収や市場参入の機会を見い出し、活用することは、当社グループの成長戦略の重要な要素であるため、当社グループは、大規模なものや重要性の高いものも含め、企業買収及び事業提携・資本提携の可能性を常に検討しています。このような企業買収等に関しては、以下に掲げるような問題が生じる可能性があります。
・ 企業買収等の適切な機会を見い出せないこと、又は、競合的な買収による場合を含め相手先候補との間で企業買収等に係る条件について合意できないこと
・ 企業買収等に関連して必要な同意、許認可又は承認を得ることができないこと
・ 必要資金を有利な条件で調達できないこと
・ 新たな地域又は商品カテゴリーに参入することにより、当社グループの事業内容が変化すること、また、当社グループが精通していない又は予測することができない課題に直面すること
・ 企業買収等の結果として、予期していた利益や経費削減効果を実現できないこと
当社グループの企業買収等が成功しない場合、当社グループの中長期的な成長目標を実現することができない可能性があります。
(4)国際事業に関するリスク
当社グループは、国際的に事業を展開しており、先進国市場のみならず、新興国市場に対しても投資を行っていますが、これにより、当社グループは以下に掲げるものを含む国際事業一般に内在するリスクを負っています。
・ 通常と大きく異なる又は十分に整備されていない法制度・税制
・ 経済、政治情勢の悪化
・ 為替レートの変動
・ テロリズム、政治不安若しくは暴動等の非常事態又は伝染病の流行による混乱
また、当社グループは、当社又は当社の主要な海外子会社が有する商品開発技術及び既存の商品ラインナップを活用して、他の地域に商品を展開していくことを予定しています。しかしながら、当該地域における競争、価格、文化の相違その他の要因により、当社グループの商品が当該地域において受け入れられない可能性があります。当社グループにとって経験が乏しい新規市場において、消費者嗜好に合致した商品を開発することができない場合、当社グループの成長目標を達成できない可能性があります。
(5)事業計画及び経営戦略に基づく事業戦略に関するリスク
当社グループは、中期の経営戦略を策定し、長期の事業戦略及び目標を定めています。当社グループは、中長期的成長の実現のためにかかる経営戦略並びに事業戦略及び目標を策定していますが、これらの戦略を実行し、目標を達成できる保証はありません。戦略の実行・目標達成のためには、企業買収、事業提携・資本提携による規模の拡大と、既存事業の成長とが必要となりますが、企業買収等の機会の獲得及び実行並びにその後の事業統合に際して当社グループが直面する上記(3)のリスクに加えて、既存事業の成長の実現に関しても、高付加価値商品の投入又はサプライチェーンの費用削減目標の達成等の事業戦略を実現できないリスクがあります。
(6)当社商品の安全性に関するリスク
当社グループは、飲料・食品メーカーとして商品の安全性を最重要課題として認識し、適用される規制を遵守し商品に要求される全ての品質基準を満たすよう努めています。更に、当社グループは、品質、環境、健康及び安全に関する様々な基準を採用しています。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、商品がこれらの基準を満たさず、又は、その品質が低下し、安全性に問題が生じる可能性があります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先・製造委託先において生じる可能性があります。これにより、多額の費用を伴う製造中止、リコール又は損害賠償請求が発生し、また、当社グループのブランド及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの信用は、根拠のない若しくは僅少な金額の損害賠償の申立て又は限定的なリコールによっても低下する可能性があります。
(7)販売チャネルに関するリスク
当社グループは、卸売業者及び大手小売業者を含む多数の販売チャネルを通じて商品を販売しています。日本においては、自動販売機等もまた重要な販売チャネルとなっています。このような販売チャネルに関して、当社グループが直面する課題には以下のものが含まれます。
・ 多くの市場において小売業者同士が合併・統合することにより、価格設定及び販売促進活動に関して強い交渉力を有する大規模小売業者が誕生し、当社グループがこれらの重要な販売先を何らかの理由で喪失したり、これらの業者との間の価格設定その他の条件について不利益な変更を余儀なくされたりすること
・ 国内外において、小売業者が価格競争力のあるプライベートブランド商品を導入しており、これにより価格競争が激化していること
・ 日本には多数の自動販売機が既に設置されており、今後の増設の余地が限られていること。更に、コンビニエンスストアの店舗数の増加に伴い、コンビニエンスストアでの商品の販売量が伸長することにより、自動販売機一台当たりの売上が減少する可能性のあること
販売チャネルに関するこのようなリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)経済情勢等に関するリスク
日本その他の主要市場における将来の景気後退又は経済減速等の経済不振は、当社グループの商品に対する購買力や消費者需要に影響を及ぼす可能性があります。低迷する経済情勢の下では、消費者が買い控えを行い、又は低価格帯商品を志向する可能性があります。日本その他の主要市場における当社グループの商品に対する消費者需要の低下は当社グループの収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本政府は、2019年10月に消費税率を現在の8%から10%に引き上げることを予定しています。かかる増税が日本における当社グループの売上にどのような影響を及ぼすか、また、かかる増税後も現在の利益水準を維持できるかについては現時点では明らかではありません。更に、日本の長期的な人口動向は、全体として高齢化及び減少の傾向にあり、消費者需要に影響を与える可能性があります。仮に、かかる増税又は日本の人口動向により当社グループの商品の需要が減少し、又は価格低下圧力が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替の変動に関するリスク
当社グループは、原材料の一部を、主に米ドルを中心とした、日本円以外の通貨建てで海外から調達しています。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するためにデリバティブ取引を利用しているものの、かかるヘッジ取引によっても全ての為替相場の変動リスクを回避できるわけではなく、為替の変動が当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの連結財務諸表は日本円により表示されているため、海外子会社の収益及び費用並びに資産及び負債の金額を、各決算期の期中平均又は期末における為替レートに基づき日本円に換算する必要があります。したがって、外国通貨の為替変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)金利の変動に関するリスク
当社グループは、必要資金の一部を有利子負債で調達しており、将来的な資金需要に応じて今後も金融機関からの借入や社債発行等による資金調達を行う可能性があります。また、当社グループは将来の企業買収等のための資金調達を行う可能性があります。金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)のれん、商標権に関するリスク
2016年12月末日現在、当社グループの連結無形固定資産は6,223億円であり、そのうちのれんが4,073億円、商標権が1,508億円を占めています。のれんの大部分はオランジーナ・シュウェップス・グループ及び㈱ジャパンビバレッジホールディングス等の株式の取得に関するものです。また、商標権の大部分は、GlaxoSmithKline plcより譲り受けた「Lucozade」「Ribena」の製造・販売事業に関するものです。
当社グループが将来新たに企業買収等を行うことにより、新たなのれん、商標権を計上する可能性があります。当社グループは、かかる連結無形固定資産について定期的に減損の兆候の有無を評価することが求められています。当該連結無形固定資産について減損が生じていると判断される場合、当社グループは減損損失を計上する必要があり、かかる減損損失の計上は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)原材料調達に関するリスク
当社グループは原材料として主に、アルミニウム製・スチール製の缶及び缶蓋、ガラス瓶、ペットボトル、キャップ、段ボール、コーヒー豆、茶葉、果汁、果物、甘味料、添加物等を使用しています。かかる原材料の価格は、天候や市場における需給の変化により影響を受けます。また、原材料から商品を製造するには、電気や天然ガスを使用します。これらの原材料及びエネルギーに係る費用は著しく変動する可能性があります。これらの原材料及びエネルギーの価格が継続的に上昇した場合、当社グループの原価を押し上げる可能性があります。増加した原価を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが使用する原材料の中には、供給源が限られているものがあります。当社グループは、原材料の仕入先と強固な関係を築いていると考えていますが、仕入先が当社グループの要求に応えることができない場合、原材料不足に陥る可能性があります。仕入先が当社グループの要求に応えることができないという事態は、気候変動、天候、自然災害、火災、作物の不作、疾病、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、政治不安及びテロリズム等様々な要因により生じる可能性があります。かかるリスクは、仕入先又はその施設が、上記の事態が生じる危険性の高い国や地域に所在する場合により深刻な問題となる可能性があります。また、仕入先の変更には長期のリードタイムを要する可能性があり、原材料の供給が長期にわたり滞る場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13)水の供給に関するリスク
水は当社グループのほぼ全ての商品の主要な原料ですが、世界の多くの地域において、水資源は、人口増加による消費量の増加、水質汚染、管理不足や気候変動に起因するかつてない難題に直面しています。世界中で水資源の需要が高まるにつれて、当社グループを含む、豊富な水資源に依存している企業は、製造コストの増加や、生産量についての制約に直面する可能性があり、その結果、長期にわたって当社グループの収益性又は成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
(14)天候に関するリスク
当社グループが販売する商品の中には、天候により売上が大きく左右されるものがあります。当社グループの商品は、通常春から夏にかけての暑い時期に販売数量が最大となりますが、この時期に気温が低くなった場合、商品需要が落ち込み、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)環境問題に関するリスク
当社グループは、地球環境を経営資源の一つと認識して環境保全活動に真剣に取り組み、次の世代に持続可能な社会を引き渡すことができるよう努力しています。水使用量削減、CO2排出量削減、廃棄物再資源化、容器リサイクルの徹底を図り、事業を遂行していく上で、関連する各種環境規制を遵守しています。しかしながら、地球規模での気候変動や資源枯渇等による地球環境問題、事故・トラブル等による環境汚染や、関係法令の改正等によって新規設備への投資によるコスト増加が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)サプライチェーンに関するリスク
当社グループ及び当社グループの取引先は、世界各国で原材料を調達し、製造を行っています。サプライチェーンマネジメントにより経費削減及び収益性の向上を実現することは、当社グループの事業戦略の一つですが、当社グループは、当社グループの管理が及ばない要因による場合を含め、目標とする効率性を達成できない可能性があります。気候変動、天候、自然災害、火災、作物の不作、疾病、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、伝染病、労働衛生・労働安全上の問題、労働力不足、政治不安及びテロリズム等の事由により当社グループの製造又は販売活動に支障が生じる結果、当社グループの製造又は販売能力が損なわれる可能性があります。かかる事由の発生可能性を減少させその潜在的影響を低減するための十分な措置が取られない場合、又はかかる事由が発生したときに適切な対処ができない場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループのサプライチェーンを修復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
(17)経営陣及び従業員に関するリスク
当社グループが持続的に成長するためには、リーダーシップのある経営陣及び有能な従業員を継続して雇用し、かつ、育成することが必要となります。また、当社グループは、新たな従業員を雇用し、教育し、その技術及び能力を育成しなければなりません。計画外の退職が生じ、又は現経営陣の適切な後継者の育成に失敗した場合には、当社グループの組織的ノウハウが失われ、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。
従業員の雇用に関する競争の激化、従業員の退職率の上昇、従業員の福利厚生費の増加に起因するコストの増加又は適切な労務管理ができないことによる従業員の健康阻害等が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(18)退職給付債務に関するリスク
当社グループにおける従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)情報システム及び情報サービスに関するリスク
当社グループは、取引業務の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成等を正確かつ効率的に行うため、情報システムを利用しています。また、当社グループは、主要な情報システムの多くを、サントリーホールディングス㈱の子会社を含む外部業者に依存しています。当社グループは、情報システムの安全性を高めるための方策及び手続を実施していますが、情報システムは、ハードウェア、ソフトウェア、設備若しくは遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、コンピュータ・ウイルス感染、ハッキング、悪意をもった不正アクセスその他のセキュリティ上の問題又は供給業者の債務不履行等に起因する障害又は不具合に対して脆弱です。セキュリティ、バックアップ及び災害復旧に係る対策は、これらの障害又は不具合を回避する手段として十分ではない可能性があり、また、これらが適切に実施されない可能性もあります。これらの障害又は不具合が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20)法規制の遵守に関するリスク
当社グループは、日本、欧州、アジア、オセアニア、米州その他当社グループが事業を行う地域において、様々な法令による規制を受けています。これらの規制は、当社グループによる商品の製造、表示、輸送、宣伝広告及び販売等の事業活動の様々な側面に適用されます。特にかかる規制の不遵守や事故により環境汚染が発生した場合、当社グループは損害賠償請求や行政処分により多額の費用を負担することがあります。また、当社グループは国際的に事業を展開していることから、日本法及び外国法における腐敗防止規定を遵守する必要があります。当社グループに適用のある法規制に違反した場合、当社グループの信用が失われ、また、厳格な罰則又は多額の損害を伴う規制上の処分又は私法上の訴訟提起が行われる可能性があります。更に、当該法規制の内容が大幅に改正され、若しくはその解釈に大幅な変更が生じ、又はより高い基準若しくは厳格な法規制が導入された場合、コンプライアンス体制構築に係る費用が増加する可能性があります。
また、近時、多くの地域において、健康上の理由から、炭酸飲料等の加糖飲料の販売に関して、特別物品税の課税及び新たな表示の義務化又は商品の販売サイズの制限その他の規制等の導入若しくは導入の検討がすすんでいます。当社グループは、商品ラインナップについて、他の国際的飲料メーカーと比べて、非炭酸商品及び健康志向商品の割合が大きいと考えていますが、かかる規制措置により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(21)当社ブランドの信用に関するリスク
当社グループにとって、当社グループの信用を維持することは極めて重要です。商品の汚染若しくは異物混入、供給元から調達する原材料及び含有物等に関するものを含め商品の品質、安全性及び完全性を高い水準で維持できないこと、又は、真実であるか否かを問わず、商品の品質問題、不正表示若しくは汚染に関する疑惑により、当社グループの信用が損なわれ、また、当社グループの商品に対する需要の低下又は製造・販売活動への支障が生じる可能性があります。当社グループの商品が、一定の品質基準を満たさない場合、消費者等に損害を与えた場合又は商品について不正な表示がなされた場合、当社グループは商品を回収し、損害賠償責任を負わなければならない可能性があります。更に、当社グループの管理が及ばないサントリーホールディングス㈱及びそのグループ会社もサントリーブランドを使用して事業を行いますが、サントリーホールディングス㈱又はそのグループ会社において同様の問題が生じ、又はコンプライアンス違反があった場合には、当社グループのブランドにも影響を及ぼす可能性があります。当社グループの信用が損なわれ、又は当社グループの商品に対する消費者の信頼を失った場合、当社グループの商品の需要の低下に繋がる可能性があり、また、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼし、更には当社グループの信用を回復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
(22)知的財産権等に関するリスク
当社グループは、サントリーホールディングス㈱からサントリーブランドの使用許諾を受けており、今後も引き続き使用許諾を受ける予定です。今後、当社がサントリーホールディングス㈱の子会社でなくなったこと等を理由として当該使用許諾が終了した場合、当社グループの企業イメージやマーケティング活動に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの独自ブランドを構築するために莫大な投資を行わなければならない可能性があります。
また、当社グループは他にも様々な商標に関する使用許諾を第三者から受けるとともに、当社グループが所有する商標の使用を第三者に許諾しています。
当社グループが第三者から使用許諾を受けている商標等については、ライセンス契約等が解約された場合、関連する商品が製造・販売できなくなる可能性があります。重要なライセンス契約等が解約された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが第三者に使用を許諾している商標等については、当該第三者による商標等の使用や関連商品に問題が生じた場合、当社グループによる当該商標等の使用や当社グループのブランドに影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが商標を登録していない地域において当社グループの商標と同じ又は類似する商標を、第三者が所有又は使用していることがあります。当該第三者による商標等の使用や関連商品に問題が生じた場合、当社グループのブランドに悪影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、当社の事業にとって重要な知的財産権を所有しています。かかる知的財産権には、商標権、著作権、特許権その他営業秘密が含まれます。当社グループと第三者との間で、知的財産権に関する紛争が生じる可能性があります。こうした紛争が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼし、当社グループの権利保護又は相手方からの主張に対する防御のために多額の費用を費やさなければならない可能性があります。当社グループは、その知的財産権保護のために講じる措置が十分であり、又は第三者が当社グループの権利を侵害し若しくは悪用しないことを保証することはできません。当社グループがその知的財産権を保護できない場合、当社グループのブランド、商品及び事業に損害が生じる可能性があります。
(23)親会社が支配権を有することに伴うリスク
本書提出日現在において、当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱は当社発行済普通株式の59.48%を所有し、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当等の当社の基本的事項についての決定権又は拒否権を有しています。株主総会の承認が必要となる全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらずサントリーホールディングス㈱が影響を与える可能性があります。なお、事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っています。
当社とサントリーホールディングス㈱及びその子会社との間の主な関係等についての詳細は、以下のとおりです。
① サントリーグループとの取引関係について
当社グループは、サントリーグループに属する会社と取引を行っています。
当連結会計年度における主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
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取引内容 |
取引先 |
金額 |
取引条件等の決定方法 |
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製品輸送業務の委託 |
サントリーロジスティクス㈱ |
23,803 |
品質及び類似サービスの市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
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ブランドロイヤリティーの支払 |
サントリーホールディングス㈱ |
19,726 |
ブランド価値等を勘案し、両者協議のうえ使用対価として妥当な料率を決定 |
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コーヒー豆の仕入 |
サンカフェ㈱ (現 サントリーコーヒーロースタリー㈱) |
12,290 |
品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
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間接業務の委託(物流、調達、お客様対応等) |
サントリービジネスエキスパート㈱ |
12,093 |
品質及び類似サービスの市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
サントリーグループとの取引については、総務部門及び経理部門において取引の必要性並びに取引条件及びその決定方法の妥当性について、事前に確認を行っています。また、サントリーホールディングス㈱からの独立性確保の観点も踏まえ、特に重要と考えられる取引については、複数の独立社外取締役を含んだ取締役会において、その取引の必要性及び妥当性について、十分に審議した上で意思決定を行っています。また、審議の内容に基づいた取引が行われているかどうかについて、内部監査部門における取引の内容等の事後的なチェック、監査等委員会による監査を行う等の健全性及び適正性確保の仕組みを整備しています。
② 当社グループ役員のサントリーホールディングス㈱の役員との兼任について
当社の取締役のうち取締役鳥井信宏氏がサントリーホールディングス㈱の代表取締役副社長を兼任しています。これは、2016年3月まで当社の代表取締役として当社グループの経営を担ってきた実績と経営全般における豊富な見識や職務経験が、当社の取締役会の更なる機能強化に資するためであります。
③ サントリーホールディングス㈱からの出向者(従業員)の受入れについて
当社従業員のうち、役職者以外の正社員の一定程度はサントリーホールディングス㈱からの出向社員です。2016年12月末日時点で、サントリーホールディングス㈱から当社へ出向している社員は約260名います。なお、当社グループの役職者は当社に在籍しており、サントリーホールディングス㈱からの出向者は、役職者へと昇進した時に当社へ転籍させるものとしています。
④ 商標権、特許権、包括ライセンス契約等について
当社グループは、サントリーホールディングス㈱との間でコーポレートブランド「サントリー」についての使用許諾契約を締結しており、これに基づき「サントリー」の名称・ブランドを使用することを許諾されています。当該契約に基づく「サントリー」の使用については、当社がサントリーグループに属していることが条件となっています。なお、当社は当該契約に基づきサントリーホールディングス㈱にロイヤリティーの支払を行っています。
当社の事業のみに関連する特許権、意匠権、商標権については当社が保有していますが、コーポレートブランドである「サントリー」が含まれている商標等については、「サントリー」がサントリーグループ全体の資産ともいえるコーポレートブランドであることを鑑み、引き続きサントリーホールディングス㈱が保有することとしています。
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
締結年月 |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
PepsiCo, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品の製造・販売に関するライセンス契約 |
1997年12月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
Pepsi Lipton Trading SARL |
Switzerland |
リプトンブランド紅茶飲料の製造・販売に関するライセンス契約 |
2000年9月 |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
㈱福寿園 |
日本 |
日本茶製品の共同開発と商品展開に関する業務提携契約 |
2003年7月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
STARBUCKS CORPORATION |
U.S.A. |
スターバックスブランドRTDコーヒーの製造・販売に関するライセンス契約 |
2005年3月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
サントリー ホールディングス㈱ |
日本 |
サントリーホールディングス㈱の有するコーポレートブランドの使用に関する契約 |
2009年4月 (※2) |
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Greatwall Capital PTE LTD |
PT Garudafood Beverage JAYA |
Indonesia |
インドネシアにおける飲料・食品の製造・販売に関する合弁契約 |
2011年10月 (※2) |
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Suntory Beverage & Food Asia Pte. Ltd. |
PepsiCo, Inc.他 |
U.S.A. |
ベトナムにおける飲料・食品の製造・販売に関する合弁契約 |
2012年8月 (※2) |
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Pepsi Bottling Ventures LLC |
PepsiCo, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品に関するフランチャイズ契約 |
1999年7月 (※2) |
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Suntory International Corp. |
NCJV, LLC |
U.S.A. |
ペプシブランド製品の製造・販売に関する合弁契約 |
1999年7月 (※2) |
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Pepsi Bottling Ventures LLC |
Dr.Pepper Snapple Group, Inc. |
U.S.A. |
ドクターペッパーブランド製品に関するフランチャイズ契約 |
1999年7月 (※2) |
※1 自動更新の定めがあります。
※2 契約の終期は定めていません。
研究開発部門では、安全、安心に裏付けられた「おいしさ」を価値の中心に据え、国内・海外に研究開発を担当する部門・部署を設置し、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。当社独自開発のエスプレッソ抽出製法を用いた「BOSS」、非加熱無菌充填製法を用いた「伊右衛門」をはじめ、特定保健用食品の「伊右衛門 特茶」「サントリー 黒烏龍茶」「ペプシ スペシャル」、東南アジアで発売した「MYTEA」「TEA+」等は、当社の研究開発力が土台になっています。
当社グループ横断での研究開発活動を担う部署は、当社の商品開発推進本部及び研究開発部です。
商品開発推進本部では、当社グループにおける研究開発戦略の立案・実施、研究開発に関する資源投入・配分計画の立案・実施、商品開発・研究開発イノベーションの推進、海外での商品開発活動の支援を行っています。
研究開発部では、グローバル中長期技術戦略の立案、関係部署との連携による技術戦略の推進と完遂、商品開発機能との連携による技術戦略の事業化推進、新規「素材」「プロセス」「微生物制御技術」の開発導入を行っています。
当連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)の研究開発活動は次のとおりです。
[国内セグメント]
当連結会計年度において、国内セグメントにおける研究開発活動は当社で実施しました。
研究開発活動の担当部署は、食品事業本部内の商品開発部及び開発生産推進部です。
商品開発部では、飲料の中味開発に関して、基本戦略に基づく中味開発戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、新規原料の探索・開発、香味評価及び安全性リスク評価による新価値創出、新製品中味の香味・品質・収益性の設計、新製品中味開発における研究開発投資効率の追求、既存製品中味の原価・品質チェック及び再設計、中味製造に関する標準規格類の起案を行っています。
開発生産推進部では、主に飲料の開発・設計・生産に関する基本戦略に基づく生産戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、基本戦略に基づく商品化戦略(容器開発含む)の立案・実施、新製品開発・生産計画の調整・実施及び収益性・投資効率の追求を行っています。
当社の研究開発活動は、神奈川県の商品開発センターにて行っています。
当連結会計年度は、「BOSS」「伊右衛門」「PEPSI」「GREEN DA・KA・RA」「オランジーナ」「C.C.レモン」等のブランド強化を行うとともに、様々なカテゴリーにおいて新商品を投入しました。
ブランド別に見ると、「BOSS」ブランドでは、熱による劣化を半減し、フレッシュな味わいを引き出す新製法「プレボスフレッシュ製法」を採用した缶コーヒー「プレミアムボス ザ・ラテ」を発売しました。また、家庭内でのコーヒー消費(“イエナカ”市場)に着目し、自宅でも、牛乳で割るだけでお店で飲むような贅沢な味わいのカフェラテが手軽に作れる、濃縮タイプのコーヒー「ボス ホームエスプレッソ ラテミックス」を発売しました。「伊右衛門 特茶」ブランドでは、脂肪分解酵素を活性化させる働きがある「ケルセチン配糖体」を配合し、“体脂肪を減らすのを助ける”特定保健用食品「特茶 カフェインゼロ」を発売しました。「PEPSI」ブランドでは、最高ガスボリューム5.0GVに耐えられるボトルを新たに採用することで、今までを越える高いガスボリュームでの充填が可能となり、ペプシ史上最強炭酸を実現した「ペプシストロング5.0GV」「ペプシストロング5.0GV<ゼロ>」を発売しました。また、「GREEN DA・KA・RA」をリニューアルし、果実アロマの粒子化技術を応用した「果実マイクロ微粒子化」により、果実アロマを従来よりも微粒子化し分散させることで、すっきりと飲みやすく果実のみずみずしさを体感できる中味を実現しました。「オランジーナ」ブランドでは、厳選された希少なシチリア産ブラッドオレンジを使用し、濃厚でプレミアムな味わいに仕上げた「ブラッドオランジーナ」を発売しました。「C.C.レモン」ブランドでは、スポーツ時に汗等で失われる水分とミネラル(ナトリウム・カリウム)に加え、ビタミンC(1本当たりビタミンC1000mg配合)を補給でき、スポーツ後はもちろん、スポーツ中でもゴクゴク飲める柔らかな炭酸感が心地よい、後口スッキリとした「C.C.スポーツ」を発売しました。
[国際セグメント]
国際セグメントにおいては、グループ各社の研究開発部門が研究開発活動を担当しています。
欧州では、主力ブランドである「Orangina」「Schweppes」「Oasis」「La Casera」等において、おいしさに加え、砂糖低減や容器の軽量化等、よりお客様の健康や環境に配慮した中味設計・パッケージに関する研究開発活動を実施しました。フランスにおいては、ティーとフルーツフレーバーの爽やかな味わいの組み合わせを楽しめる、初のお茶ブランド「May Tea」を「Green tea-based mint」「Black tea-based peach」「Green tea-based lemon」「White tea-based raspberry」の4フレーバーで発売しました。また、「Schweppes」ブランドからは、お客様の多様化する嗜好に対応した新フレーバー商品「Cocktail Mojito」「Cocktail Cosmo」を発売しました。Lucozade Ribena Suntory Limitedでは、近年増加するお客様の健康志向に対応し、ゼロカロリー飲料の「Lucozade Zero」を「Orange」「Pink Lemonade」の2フレーバーで発売しました。「Ribena」ブランドからは、天然甘味料ステビアを配合した「Very Berry」を発売しました。アジアでは、Suntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.が、健康価値を主軸においたお茶ブランド「TEA+」から、日本での知見を活用し、ベトナムのお客様の嗜好に合わせた「TEA+ MATCHA」を発売しました。オセアニアでは、フルコア・グループがニュージーランドにおいて「V」ブランドから、6種類の自然素材を用いたナチュラルエナジー飲料「V Pure」を発売しました。「Sparkling OH!」ブランドからは新フレーバー商品「Pineapple Coconut」を発売しました。米州では、オーストラリア及びニュージーランドで販売を行ってきた、サントリーブランドのハイドレーション飲料の「OVI」を新たに米国で展開しました。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は、国内セグメント65億円、国際セグメント29億円となり、研究開発費の総額は94億円となりました。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、売上高は1兆4,108億円(前年同期比2.2%増)、売上総利益は7,815億円(前年同期比3.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、6,880億円計上しましたが、この主な内容は、販売促進費及び手数料が3,135億円、広告宣伝費が503億円、労務費が1,251億円等であり、その結果、営業利益は935億円(前年同期比1.6%増)となりました。
営業外損益は、23億円の損失となりました。この主な要因は、支払利息が44億円、持分法による投資利益が7億円、受取利息が4億円等であり、その結果、経常利益は912億円(前年同期比10.1%増)となりました。
特別損益は、81億円の損失となりました。この主な要因は、組織再編関連費用を54億円、震災関連費用を33億円、受取保険金を32億円、固定資産廃棄損を26億円計上したこと等によるものです。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は461億円(前年同期比8.5%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は149円5銭となりました。
また、報告セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。
[国内セグメント]
売上高は8,900億円(前年同期比10.3%増)、セグメント利益は547億円(前年同期比17.1%増)となりました。
[国際セグメント]
売上高は5,207億円(前年同期比9.3%減)、セグメント利益は674億円(前年同期比8.9%減)となりました。
なお、当社グループは、グループにおける経営成績の推移を把握するための重要な経営指標の一つとして「EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)」を採用しています。当連結会計年度のEBITDAは1,808億円(前年同期比3.0%増)となり、国内セグメントは914億円(前年同期比14.5%増)、国際セグメントは894億円(前年同期比8.1%減)となりました。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、のれん及び商標権等が在外子会社の為替換算による影響で減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,184億円減少して1兆3,660億円となりました。
負債は、有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ940億円減少して7,636億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等があったものの、配当金支出による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末に比べ244億円減少して6,024億円となりました。以上の結果、自己資本比率は40.4%となり、1株当たり純資産額は1,787円15銭となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ136億円減少し、841億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益831億円、減価償却費587億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ161億円増加し、1,619億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出518億円等があったものの、前連結会計年度に発生した連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出1,343億円がなくなったこと等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ1,310億円減少し、578億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,051億円等により、1,155億円の資金の支出(前連結会計年度は385億円の収入)となりました。