(1)業績
当社グループは、お客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、各社の知見を活かしたコスト革新による収益力強化や、グループ全体での品質の向上に取り組みました。また、将来の持続的な成長に向け、各エリアにおける事業基盤の強化や事業ポートフォリオの再構築にも注力しました。
これらの結果、当期の連結売上収益は1兆2,340億円(前年同期比2.1%増)、連結営業利益は1,180億円(前年同期比5.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は781億円(前年同期比9.2%増)となりました。
なお、当社は、当期決算から国際会計基準(IFRS)を適用しています。前年同期との比較は、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えています。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当社は、グローバル経営を強化し、更なる成長を加速させるため、2017年4月1日付で組織変更を実施しました。これに伴い、従来、「国内事業」「国際事業」としていた報告セグメントを、第2四半期連結累計期間より「日本事業」「欧州事業」「アジア事業」「オセアニア事業」「米州事業」に変更しました。また、各報告セグメントの業績をより適正に評価、管理するため、報告セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しています。
[日本事業]
日本では、重点ブランドの強化に加え、新たな価値を持つ商品の提案を通じ、新規需要の創造に取り組みました。その結果、販売数量は前年同期を上回りました。
「サントリー天然水」は、“清冽でおいしい水”“ナチュラル&ヘルシー”をブランド独自の価値として訴求し、主力のミネラルウォーター「サントリー天然水」が引き続き好調に推移しました。更に、新商品「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA」の寄与もあり、ブランド全体の販売数量は前年同期を大きく上回りました。
「BOSS」は、引き続き、主力商品である「プレミアムボス」「レインボーマウンテンブレンド」「贅沢微糖」「無糖ブラック」「カフェオレ」に注力したことに加え、「BOSS」の発売25周年を記念した「プライドオブボス」を9月に発売し、185g缶市場の活性化を図りました。また、コーヒーの新たな飲用スタイルを提案する商品として発売した、ペットボトルの「クラフトボス」が好調に推移しました。これらの結果、RTDコーヒー飲料の市場は185g缶を中心に伸び悩む中、「BOSS」ブランド全体の販売数量は大きく伸長しました。
「伊右衛門」は、3月に中味・パッケージをリニューアルし、お客様が求める「上質な急須のお茶」の色・香り・呈味をペットボトルのお茶で実現しました。積極的なマーケティング活動も奏功し、販売数量は前年同期を上回りました。
「サントリー烏龍茶」は、5月に中味・パッケージをリニューアルし、烏龍茶の独自の価値と美味しさをあらためて訴求したことにより、販売数量は前年同期を上回りました。
特定保健用食品は、前年同期を下回る販売数量となりました。6月に「サントリー 特茶 ジャスミン」を発売する等新たなユーザーの取り込みを図るとともに、積極的なマーケティング活動を継続しました。
自動販売機事業では、缶やペットボトルの自動販売機専用商品の発売やエリアごとのオリジナルキャンペーンの実施等、自動販売機チャネルの魅力を高める取組みを推進するとともに、法人営業に注力し、オフィス内の飲料需要の取り込みを図りました。
また、販売促進費・広告宣伝費を効率的に投入する等、収益性向上に向けた取組みにも引き続き注力しましたが、原材料市況の悪化や委託製造費用等生産コストの一時的な増加による利益へのマイナス影響がありました。
これらの結果、日本事業の売上収益は6,892億円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は573億円(前年同期比5.1%増)となりました。
[欧州事業]
欧州では、主力ブランドを中心に、積極的なマーケティング活動を展開しました。
フランスでは、小容量商品に注力し、果汁入り炭酸飲料「Orangina」と果汁飲料「Oasis」の販売数量が前年同期を上回りました。また、2016年5月に発売した低糖のプレミアムアイスティー「MayTea」の販売も好調に推移しました。一方、主力ブランドへの需要増に加え、自社製造ラインの一時的な停止に伴う供給能力の低下により、委託製造費用等のサプライチェーンコストが増加しました。
英国では、積極的なマーケティング活動により、スポーツ飲料「Lucozade Sport」が好調に推移しましたが、4月から低糖商品にリニューアルしたエナジードリンク「Lucozade Energy」が前年同期を下回り、「Lucozade」ブランドの販売数量は前年同期を下回りました。果汁飲料「Ribena」の販売数量も前年同期を下回りました。
スペインでは、引き続き業務用チャネルに注力し、トニックウォーターを中心に「Schweppes」の販売が堅調に推移しました。
アフリカにおいては、ナイジェリアを中心に事業基盤の整備に取り組みました。
これらの結果、欧州事業の売上収益は2,389億円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は346億円(前年同期比2.9%増)となりました。
[アジア事業]
アジアでは、主力ブランドの強化に加え、各国において営業・流通体制の強化に取り組みました。
清涼飲料では、ベトナムにおいて、エナジードリンク「Sting」と茶飲料「TEA+」の積極的なマーケティング活動を実施し、売上は前年同期を上回りました。インドネシアでは、ジャワ島を中心に配荷力の向上等、営業・流通体制の強化に取り組み、主力のカップ飲料「Okky」の販売が好調に推移しました。
健康食品では、主力市場のタイにおいて、流通体制を見直し小売店舗への配荷力を高めたこと等により、「BRAND'S Essence of Chicken」の販売が伸長しました。なお、「BRAND'S」ブランドの更なる強化と成長に向け、5月からCerebos Pacific Limited及びその子会社が、BRAND'S SUNTORYの名称で事業を開始しました。また、よりお客様のニーズを迅速かつ的確に捉えるため、6月にマーケティング等の主要な機能を、シンガポールからタイに移しました。
これらの結果、アジア事業の売上収益は1,771億円(前年同期比7.6%増)、セグメント利益は232億円(前年同期比34.5%増)となりました。
[オセアニア事業]
オセアニアでは、主力ブランドを中心に積極的なマーケティング活動を行い、販売拡大に取り組みました。
ニュージーランドでは、事業環境が厳しい中、エナジードリンク「V」と果汁飲料「Just Juice」「Simply Squeezed」を中心に、新フレーバーの投入や新パッケージの導入等のマーケティング活動を行いました。
オーストラリアでは、「V」でフレーバー展開を進めたほか、スポーツ飲料「Maximus」の店頭活動を強化し、販売拡大に取り組みました。
一方、収益面では、競争激化による販売促進費増加の影響を受けました。
これらの結果、オセアニア事業の売上収益は428億円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益は50億円(前年同期比13.8%減)となりました。
なお、グループ戦略をより一層強化するため、6月からニュージーランド及びオーストラリアにおける子会社が、FRUCOR SUNTORYの名称で事業を開始しました。
[米州事業]
米州では、ノースカロライナ州でペプシコブランドの更なる販売強化に取り組み、水やコーヒー飲料等、伸長している非炭酸カテゴリーに注力しました。
一方、収益面では、競争激化による炭酸カテゴリーの販売減と原材料等のコスト増の影響を受けました。
これらの結果、米州事業の売上収益は860億円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は93億円(前年同期比17.9%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ298億円増加し、1,139億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益1,144億円、減価償却費及び償却費639億円等があったものの、棚卸資産の増加79億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ136億円減少し、1,495億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出553億円等があったものの、前連結会計年度に発生した事業の取得による支出81億円がなくなったこと等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ45億円減少し、530億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出619億円等により、636億円の資金の支出(前連結会計年度は1,171億円の支出)となりました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2016年12月31日) |
当連結会計年度 (2017年12月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
374,544 |
424,685 |
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固定資産 |
991,353 |
991,010 |
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繰延資産 |
103 |
76 |
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資産合計 |
1,366,000 |
1,415,772 |
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負債の部 |
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流動負債 |
410,378 |
439,992 |
|
固定負債 |
353,174 |
328,892 |
|
負債合計 |
763,552 |
768,885 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
551,128 |
575,118 |
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その他の包括利益累計額 |
1,100 |
20,354 |
|
非支配株主持分 |
50,218 |
51,413 |
|
純資産合計 |
602,447 |
646,887 |
|
負債純資産合計 |
1,366,000 |
1,415,772 |
② 要約連結損益計算書及び連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
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売上高 |
1,410,765 |
1,451,520 |
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売上原価 |
629,276 |
645,793 |
|
売上総利益 |
781,489 |
805,726 |
|
販売費及び一般管理費 |
688,007 |
707,714 |
|
営業利益 |
93,481 |
98,011 |
|
営業外損益 |
△2,257 |
△4,613 |
|
経常利益 |
91,224 |
93,398 |
|
特別損益 |
△8,088 |
△9,029 |
|
税金等調整前当期純利益 |
83,135 |
84,368 |
|
法人税等合計 |
30,369 |
29,553 |
|
当期純利益 |
52,765 |
54,814 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
6,708 |
7,419 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
46,056 |
47,395 |
要約連結包括利益計算書
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|
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
|
当期純利益 |
52,765 |
54,814 |
|
その他の包括利益 |
△46,119 |
18,337 |
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包括利益 |
6,646 |
73,152 |
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(内訳) |
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親会社株主に係る包括利益 |
908 |
66,650 |
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非支配株主に係る包括利益 |
5,738 |
6,501 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
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(単位:百万円) |
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株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
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当期首残高 |
537,245 |
46,249 |
43,395 |
626,890 |
|
会計方針の変更による 累積的影響額 |
△1,945 |
△26 |
|
△1,971 |
|
会計方針の変更を反映した 当期首残高 |
535,300 |
46,223 |
43,395 |
624,918 |
|
当期変動額 |
15,828 |
△45,123 |
6,823 |
△22,470 |
|
当期末残高 |
551,128 |
1,100 |
50,218 |
602,447 |
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
551,128 |
1,100 |
50,218 |
602,447 |
|
当期変動額 |
23,989 |
19,254 |
1,194 |
44,439 |
|
当期末残高 |
575,118 |
20,354 |
51,413 |
646,887 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
|
|
|
(単位:百万円) |
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|
前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
161,860 |
148,820 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△57,849 |
△52,958 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△115,515 |
△62,900 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△2,118 |
265 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△13,622 |
33,226 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
97,718 |
84,096 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
84,096 |
117,322 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加3社、減少1社です。
持分法適用会社の異動はありません。
(会計方針の変更)
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年(平成25年)9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年(平成25年)9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年(平成25年)9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しています。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しています。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っています。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っています。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(3)、連結会計基準第44-5項(3)及び事業分離等会計基準第57-4項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の当連結会計年度の期首時点の累積的影響額を資本剰余金及び利益剰余金に加減しています。
この結果、当連結会計年度の期首において、のれん1,971百万円及び為替換算調整勘定26百万円が減少し、資本剰余金211百万円が増加するとともに、利益剰余金が2,157百万円減少しています。また、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微です。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法に変更しています。
当連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期首残高は211百万円増加するとともに、利益剰余金の期首残高は2,157百万円減少しています。
なお、当連結会計年度の1株当たり純資産額は6円38銭減少しています。また、1株当たり当期純利益金額に与える影響は軽微です。
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加3社、減少1社です。
持分法適用会社の異動は増加1社、減少6社です。
(会計方針の変更)
該当事項はありません。
(4)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却していましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が26,495百万円減少しています。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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日本 |
608,663 |
101.1 |
|
欧州 |
198,592 |
109.0 |
|
アジア |
195,509 |
120.6 |
|
オセアニア |
41,310 |
90.6 |
|
米州 |
79,660 |
94.3 |
|
合計 |
1,123,736 |
104.4 |
(注)1.金額は、最終販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.生産実績には外注分を含んでいます。
(2)受注状況
当社グループは、原則として見込み生産を主体としているため、記載を省略しています。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
689,192 |
100.2 |
|
欧州 |
238,943 |
104.2 |
|
アジア |
177,064 |
107.6 |
|
オセアニア |
42,767 |
103.8 |
|
米州 |
86,040 |
99.8 |
|
合計 |
1,234,008 |
102.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
当社グループは、「水と生きる」を掲げる会社として、自然を大切にし、社会を潤し、そして新たな挑戦を続けることを約束します。
また、社会情勢の変化や健康に対する消費者ニーズの高まりといった昨今の事業環境の変化を踏まえ、新たなビジョンとして「次世代の飲用体験を誰よりも先に創造し、人々のドリンキングライフをより自然で、健康で、便利で、豊かなものにする」を策定しました。
新たなビジョンのもと、グローバル飲料業界における「世界第3極」の地位を確立するとともに、2030年売上 2.5兆円を目指します。この目標を達成するために、以下のとおり長期経営戦略及び中期経営計画を策定しました。
1.長期経営戦略
当社グループは、以下の7つの重点項目を中心に積極的な事業活動を展開します。
①各国・各地域の嗜好と健康ニーズに合わせたポートフォリオの進化
②業界変化を捉え、技術革新を活用した飲み場・買い場(アベイラビリティ)拡大
③競争力を生み出すグローバルでのMONOZUKURIの革新
④成長市場にフォーカスしたエリア拡大戦略
⑤RTD(Ready To Drink)飲料にとどまらない次世代ビジネスモデルの確立
⑥サステナビリティ経営と地域社会への貢献
⑦「現場」が主役のユニークなグローバル経営体制(組織・人材・風土)の深化
2.中期経営計画(2018-2020年)
2030年長期経営戦略に基づく2020年までの目標は次のとおりです。
(2017年比、為替中立)
売上 既存事業で市場以上の成長に加え、新規成長投資で更なる増分を獲得する。
利益 営業利益で平均年率1桁台半ば以上の成長。
2018年度は引き続き、各報告セグメントにおいて基盤強化に取り組み、売上成長と利益成長を目指します。
[日本事業]
日本では、お客様の健康志向の高まりやライフスタイルの多様化等により、引き続き消費環境の変化が見込まれますが、当社は、重点ブランド及び主力カテゴリーの強化と新たな価値の提案によりお客様のニーズを捉え、市場を上回る成長を目指します。
なかでも、水・茶・コーヒーについては今後の注力カテゴリーと位置づけており、「サントリー天然水」、「BOSS」、そして「伊右衛門」や「サントリー烏龍茶」を含む無糖茶カテゴリーの三つを、活動の三本柱として取組みを強化してまいります。
「サントリー天然水」は、当社グループとして「水と生きる」を掲げる中、サントリーグループの環境保全・再生の取組みとも連動し、水源に焦点を当てたブランディング活動を実施することにより、“清冽でおいしい水”“ナチュラル&ヘルシー”という独自のブランド価値の更なる向上を図ります。また、新たな付加価値商品の投入により新規需要の獲得を図ります。
「BOSS」は、既存の缶コーヒーのコアユーザーに向けたマーケティング活動に引き続き注力するとともに、2017年、お客様にコーヒーの新たな楽しみ方を提案したペットボトルの「クラフトボス」の更なる成長を図ります。
無糖茶カテゴリーでは、2017年にリニューアルした「伊右衛門」「サントリー烏龍茶」の強化を継続することに加え、伸長する麦茶市場において「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」で確固たるポジションを構築すべく積極的なマーケティング活動に取り組みます。また、特定保健用食品の「特茶」にも引き続き注力します。
これらに加え、自動販売機チャネルにおいては、当社ならではの自動販売機専用商品の投入や、自動販売機向けキャンペーン等により、オフィスや工場等における需要獲得を図ります。
いずれの取組みも、収益性の向上を意識して活動するとともに、生産効率の向上をはじめとしたコスト削減活動や、販売促進費・広告宣伝費の効率的な投入にも引き続き取り組んでまいります。
[欧州事業]
欧州では、主要国において、低糖商品の強化によるブランドポートフォリオの拡充や営業活動の強化等による消費者接点の拡大を進めます。フランスでは、「Orangina」等の主力ブランドや低糖商品「MayTea」の更なる強化に取り組むとともに、需給管理等サプライチェーンマネジメントの向上を図ります。4月から砂糖税が導入される英国では、主力の「Lucozade Energy」と「Ribena」を中心に、低糖商品のプロモーションを積極的に展開します。スペインでは、「Schweppes」のマーケティング活動や業務用チャネルにおける営業活動を強化するとともに、低糖商品「MayTea」の投入によるポートフォリオの拡充を図ります。また、アフリカにおいても、引き続き事業基盤の整備に取り組み、成長の取り込みを進めていきます。
[アジア事業]
アジアでは、重点エリアにおける主力ブランドへの注力に加え、更なる成長に向け、タイでPepsiCo, Inc.と合弁会社を設立し、成長著しい市場で事業の拡大を図ります。
健康食品事業においては、主力の「BRAND'S Essence of Chicken」の販売拡大を進めるとともに、ミャンマー等の成長市場への取組みも強化します。飲料事業においては、ベトナムで、エナジードリンク「Sting」や茶飲料「TEA+」等の主力ブランドの成長を図り、都市部に加え地方における営業活動も強化します。インドネシアでも、主力ブランドの活性化と営業・流通体制の強化を図り、市場の成長を取り込みます。
[オセアニア事業]
オセアニアでは、主力のエナジードリンク「V」やスポーツ飲料「Maximus」等の主力ブランドを強化するほか、健康志向の新商品を投入し、ポートフォリオの拡充と販路の拡大を図ります。なお、2018年度より、これまでアジア事業に含まれていたフレッシュコーヒー事業をオセアニア事業に移管し、成長戦略を遂行していきます。
[米州事業]
米州では、炭酸カテゴリーの回復を図るとともに、伸びゆく非炭酸カテゴリーにも注力します。また、消費者の健康志向の高まりを踏まえ、新たなビジネスの展開に向けた取組みを強化していきます。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものが考えられます。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)商品開発及び商品供給に関するリスク
当社グループが事業を展開する飲料・食品市場は、消費者嗜好の変化による影響を非常に受けやすい市場です。当社グループが収益及び利益を確保するためには、消費者の嗜好にあった魅力的な商品を提供することが必要となります。当社グループは、市場の変化を的確に把握するよう努めていますが、当社グループが消費者の嗜好にあった魅力的な新商品を開発できる保証はありません。また、当社グループは、健康志向を有する消費者にとって魅力的な商品を開発することを重要な商品戦略の一つとしていますが、他社が同様に健康を訴求する商品に注力し競争が激化する可能性があります。消費者の嗜好に何らかの重大な変化が生じた場合や、当社グループがこのような変化を的確に把握し、又はこれに対応することができない場合、当社グループの商品の需要が減少し、また当社グループの競争力が低下し、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、商品の供給に関して、消費者の嗜好等を踏まえて需要を予測し、需給計画を立案していますが、当社グループの予測を超える需要が発生した場合等、需要に適切に応じられない可能性があります。この場合、当社グループは販売機会を喪失し、また、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、これらにより経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの事業の継続的な成否は、新商品の継続的な市場への投入、商品デザインや広告宣伝活動の更なる改善といった革新活動にも依存しています。当社グループは、ブランド力の強化及び新商品投入のために多大な経営資源を投入していますが、消費者環境の変化に伴い、当社グループの販売計画を達成できる保証はありません。当社グループが市場動向・技術革新に対応した有効な販売施策や適切な革新を実現できず、また、新たなヒット商品を市場に投入できなかった場合、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、また、これにより、棚卸資産の評価減その他の費用が発生する可能性もあります。
(2)競合に関するリスク
当社グループが事業を展開している飲料・食品市場の競争は厳しく、当社グループは、当社グループと同様に国際的に事業を展開する大手の飲料メーカーや、特定の地域に根ざした事業活動を行う多数の飲料メーカーと競合しています。大手競合企業は、その経営資源や規模の活用による、新商品の導入、商品価格の値下げ、広告宣伝活動の強化により、競争圧力及び消費者嗜好の変化に迅速に対応することができます。また、当社グループは、独自ブランドを有し、特定の商品カテゴリー等において従来から強みをもつ様々な飲料メーカーとも競合しています。当社グループがこれらの競合企業との競争において優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)企業買収及び事業提携・資本提携に関するリスク
日本や他の先進国市場及び新興国市場において新たな企業買収や市場参入の機会を見い出し、活用することは、当社グループの成長戦略の重要な要素であるため、当社グループは、大規模なものや重要性の高いものも含め、企業買収及び事業提携・資本提携の可能性を常に検討しています。このような企業買収等に関しては、以下に掲げるような問題が生じる可能性があります。
・ 企業買収等の適切な機会を見い出せないこと、又は、競合的な買収による場合を含め相手先候補との間で企業買収等に係る条件について合意できないこと
・ 企業買収等に関連して必要な同意、許認可又は承認を得ることができないこと
・ 必要資金を有利な条件で調達できないこと
・ 新たな地域又は商品カテゴリーに参入することにより、当社グループの事業内容が変化すること、また、当社グループが精通していない又は予測することができない課題に直面すること
・ 企業買収等の結果として、予期していた利益や経費削減効果を実現できないこと
当社グループの企業買収等が成功しない場合、当社グループの中長期的な成長目標を実現することができない可能性があります。
(4)国際事業に関するリスク
当社グループは、国際的に事業を展開しており、先進国市場のみならず、新興国市場に対しても投資を行っていますが、これにより、当社グループは以下に掲げるものを含む国際事業一般に内在するリスクを負っています。
・ 通常と大きく異なる又は十分に整備されていない法制度・税制
・ 経済、政治情勢の悪化
・ 為替レートの変動
・ テロリズム、政治不安若しくは暴動等の非常事態又は感染症の流行による混乱
また、当社グループは、当社又は当社の主要な海外子会社が有する商品開発技術及び既存の商品ラインナップを活用して、他の地域に商品を展開していくことを予定しています。しかしながら、当該地域における競争、価格、文化の相違その他の要因により、当社グループの商品が当該地域において受け入れられない可能性があります。当社グループにとって経験が乏しい新規市場において、消費者嗜好に合致した商品を開発することができない場合、当社グループの成長目標を達成できない可能性があります。
(5)事業計画及び経営戦略に基づく事業戦略に関するリスク
当社グループは、中長期的成長の実現のために長期経営戦略及び中期経営計画を策定していますが、長期経営戦略を実行し、中期経営計画を達成できる保証はありません。長期経営戦略の実行・中期経営計画達成のためには、企業買収、事業提携・資本提携による規模の拡大と、既存事業の成長とが必要となりますが、企業買収等の機会の獲得及び実行並びにその後の事業統合に際して当社グループが直面する上記(3)のリスクに加えて、既存事業の成長の実現に関しても、長期経営戦略を実現できないリスクがあります。
(6)当社商品の安全性に関するリスク
当社グループは、飲料・食品メーカーとして商品の安全性を最重要課題として認識し、適用される規制を遵守し商品に要求される全ての品質基準を満たすよう努めています。更に、当社グループは、品質、環境、健康及び安全に関する様々な基準を採用しています。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、商品がこれらの基準を満たさず、又は、その品質が低下し、安全性に問題が生じる可能性があります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先・製造委託先において生じる可能性があります。これにより、多額の費用を伴う製造中止、リコール又は損害賠償請求が発生し、また、当社グループのブランド及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの信用は、根拠のない若しくは僅少な金額の損害賠償の申立て又は限定的なリコールによっても低下する可能性があります。
(7)販売チャネルに関するリスク
当社グループは、卸売業者及び大手小売業者を含む多数の販売チャネルを通じて商品を販売しています。日本においては、自動販売機等もまた重要な販売チャネルとなっています。このような販売チャネルに関して、当社グループが直面する課題には以下のものが含まれます。
・ 多くの市場において卸売業者同士又は小売業者同士が合併・統合することにより、価格設定及び販売促進活動に関して強い交渉力を有する大規模卸売業者又は大規模小売業者が誕生し、当社グループがこれらの重要な販売先を何らかの理由で喪失したり、これらの業者との間の価格設定その他の条件について不利益な変更を余儀なくされたりすること
・ 国内外において、小売業者が価格競争力のあるプライベートブランド商品を導入しており、これにより価格競争が激化していること
・ 日本には多数の自動販売機が既に設置されており、今後の増設の余地が限られていること。更に、コンビニエンスストアの店舗数の増加に伴い、コンビニエンスストアでの商品の販売量が伸長することにより、自動販売機一台当たりの売上が減少する可能性のあること
販売チャネルに関するこのようなリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)経済情勢等に関するリスク
日本その他の主要市場における将来の景気後退又は経済減速等の経済不振は、当社グループの商品に対する購買力や消費者需要に影響を及ぼす可能性があります。低迷する経済情勢の下では、消費者が買い控えを行い、又は低価格帯商品を志向する可能性があります。日本その他の主要市場における当社グループの商品に対する消費者需要の低下は当社グループの収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本政府は、2019年10月に消費税率を現在の8%から10%に引き上げることを予定しています。かかる増税が日本における当社グループの売上にどのような影響を及ぼすか、また、かかる増税後も現在の利益水準を維持できるかについては現時点では明らかではありません。更に、日本の長期的な人口動向は、全体として高齢化及び減少の傾向にあり、消費者需要に影響を与える可能性があります。仮に、かかる増税又は日本の人口動向により当社グループの商品の需要が減少し、又は価格低下圧力が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替の変動に関するリスク
当社グループは、原材料の一部を、主に米ドルを中心とした、日本円以外の通貨建てで海外から調達しています。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するためにデリバティブ取引を利用しているものの、かかるヘッジ取引によっても全ての為替相場の変動リスクを回避できるわけではなく、為替の変動が当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの連結財務諸表は日本円により表示されているため、海外子会社の収益及び費用並びに資産及び負債の金額を、各決算期の期中平均又は期末における為替レートに基づき日本円に換算する必要があります。したがって、外国通貨の為替変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)金利の変動に関するリスク
当社グループは、必要資金の一部を有利子負債で調達しており、将来的な資金需要に応じて今後も金融機関からの借入や社債発行等による資金調達を行う可能性があります。また、当社グループは将来の企業買収等のための資金調達を行う可能性があります。金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)のれん、無形資産に関するリスク
2017年12月末日現在、当社グループののれんは2,540億円、無形資産は4,328億円あります。無形資産のうち商標権が3,469億円を占めています。
のれんの大部分はオランジーナ・シュウェップス・グループ及び㈱ジャパンビバレッジホールディングス等の株式の取得に関するものです。また、無形資産の大部分は商標権であり、商標権の大部分はGlaxoSmithKline plcより譲り受けた「Lucozade」「Ribena」の製造・販売事業に関するもの及びオランジーナ・シュウェップス・グループの買収により取得した「Schweppes」「Orangina」「Oasis」等の製造・販売事業に関するものです。
当社グループが将来新たに企業買収等を行うことにより、新たなのれん、無形資産を計上する可能性があります。当社グループは、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施し、その結果によって減損損失を計上する必要があり、かかる減損損失の計上は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)原材料調達に関するリスク
当社グループは原材料として主に、アルミニウム製・スチール製の缶及び缶蓋、ガラス瓶、ペットボトル、キャップ、段ボール、コーヒー豆、茶葉、果汁、果物、甘味料、添加物等を使用しています。かかる原材料の価格は、天候や市場における需給の変化により影響を受けます。また、原材料から商品を製造するには、電気や天然ガスを使用します。これらの原材料及びエネルギーに係る費用は著しく変動する可能性があります。これらの原材料及びエネルギーの価格が継続的に上昇した場合、当社グループの原価を押し上げる可能性があります。増加した原価を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが使用する原材料の中には、供給源が限られているものがあります。当社グループは、原材料の仕入先と強固な関係を築いていると考えていますが、仕入先が当社グループの要求に応えることができない場合、原材料不足に陥る可能性があります。仕入先が当社グループの要求に応えることができないという事態は、気候変動、天候、自然災害、火災、作物の不作、疾病、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、政治不安及びテロリズム等様々な要因により生じる可能性があります。かかるリスクは、仕入先又はその施設が、上記の事態が生じる危険性の高い国や地域に所在する場合により深刻な問題となる可能性があります。また、仕入先の変更には長期のリードタイムを要する可能性があり、原材料の供給が長期にわたり滞る場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13)水の供給に関するリスク
水は当社グループのほぼ全ての商品の主要な原料ですが、世界の多くの地域において、水資源は、人口増加による消費量の増加、水質汚染、管理不足や気候変動に起因するかつてない難題に直面しています。世界中で水資源の需要が高まるにつれて、当社グループを含む、豊富な水資源に依存している企業は、製造コストの増加や、生産量についての制約に直面する可能性があり、その結果、長期にわたって当社グループの収益性又は成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
(14)天候に関するリスク
当社グループが販売する商品の中には、天候により売上が大きく左右されるものがあります。当社グループの商品は、通常春から夏にかけての暑い時期に販売数量が最大となりますが、この時期に気温が低くなった場合、商品需要が落ち込み、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)企業の社会的責任に関するリスク
当社グループは、地球環境を経営資源の一つと認識して環境保全活動に真剣に取り組み、次の世代に持続可能な社会を引き渡すことができるよう努力しています。水使用量削減、CO2排出量削減、廃棄物再資源化、容器リサイクルの徹底を図り、事業を遂行していく上で、関連する各種環境規制を遵守しています。また、当社グループは、調達先と連携して、人権・労働基準・環境等の社会的責任にも配慮した調達活動を推進しています。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、事業活動及びサプライチェーンにおいて、地球規模での気候変動や資源枯渇等による地球環境問題、事故・トラブル等による環境汚染や、関係法令の改正等によって新規設備への投資によるコスト増加及び生産量の制約、労働安全衛生や児童労働等の人権に係る問題等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)サプライチェーンに関するリスク
当社グループ及び当社グループの取引先は、世界各国で原材料を調達し、製造を行っています。サプライチェーンマネジメントにより適切な品質管理、経費削減及び収益性の向上を実現することは、当社グループの事業戦略の一つですが、当社グループは、当社グループの管理が及ばない要因による場合を含め、目標とする効率性を達成できない可能性があります。気候変動、天候、自然災害、火災、作物の不作、疾病、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、感染症、労働衛生・労働安全上の問題、労働力不足、政治不安及びテロリズム等の事由により当社グループの製造又は販売活動に支障が生じる結果、当社グループの製造又は販売能力が損なわれる可能性があります。かかる事由の発生可能性を減少させその潜在的影響を低減するための十分な措置が取られない場合、又はかかる事由が発生したときに適切な対処ができない場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループのサプライチェーンを修復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
(17)経営陣及び従業員に関するリスク
当社グループが持続的に成長するためには、リーダーシップのある経営陣及び有能な従業員を継続して雇用し、かつ、育成することが必要となります。また、当社グループは、新たな従業員を雇用し、教育し、その技術及び能力を育成しなければなりません。計画外の退職が生じ、又は現経営陣の適切な後継者の育成に失敗した場合には、当社グループの組織的ノウハウが失われ、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。
従業員の雇用に関する競争の激化、従業員の退職率の上昇、従業員の福利厚生費の増加に起因するコストの増加又は適切な労務管理ができないことによる従業員の健康阻害等が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(18)退職給付債務に関するリスク
当社グループにおける従業員の退職給付費用及び退職給付債務並びに制度資産は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)情報システム及び情報サービスに関するリスク
当社グループは、取引業務の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成等を正確かつ効率的に行うため、情報システムを利用しています。また、当社グループは、主要な情報システムの多くを、サントリーホールディングス㈱の子会社を含む外部業者に依存しています。当社グループは、情報システムの安全性を高めるための方策及び手続を実施していますが、情報システムは、ハードウェア、ソフトウェア、設備若しくは遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、コンピュータ・ウイルス感染、ハッキング、悪意をもった不正アクセスその他のセキュリティ上の問題又は供給業者の債務不履行等に起因する障害又は不具合に対して脆弱です。セキュリティ、バックアップ及び災害復旧に係る対策は、これらの障害又は不具合を回避する手段として十分ではない可能性があり、また、これらが適切に実施されない可能性もあります。これらの障害又は不具合が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20)法規制の遵守に関するリスク
当社グループは、日本、欧州、アジア、オセアニア、米州その他当社グループが事業を行う地域において、様々な法令による規制を受けています。これらの規制は、当社グループによる商品の製造、表示、輸送、宣伝広告及び販売等の事業活動の様々な側面に適用されます。特にかかる規制の不遵守や事故により環境汚染が発生した場合、当社グループは損害賠償請求や行政処分により多額の費用を負担することがあります。また、当社グループは国際的に事業を展開していることから、日本法及び外国法における腐敗防止規定を遵守する必要があります。当社グループに適用のある法規制に違反した場合、当社グループの信用が失われ、また、厳格な罰則又は多額の損害を伴う規制上の処分又は私法上の訴訟提起が行われる可能性があります。更に、当該法規制の内容が大幅に改正され、若しくはその解釈に大幅な変更が生じ、又はより高い基準若しくは厳格な法規制が導入された場合、コンプライアンス体制構築に係る費用が増加する可能性があります。
また、近時、多くの地域において、健康上の理由から、炭酸飲料等の加糖飲料の販売に関して、特別物品税の課税及び新たな表示の義務化又は商品の販売サイズの制限その他の規制等の導入若しくは導入の検討がすすんでいます。当社グループは、商品ラインナップについて、他の国際的飲料メーカーと比べて、非炭酸商品及び健康志向商品の割合が大きいと考えていますが、かかる規制措置により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(21)当社ブランドの信用に関するリスク
当社グループにとって、当社グループの信用を維持することは極めて重要です。商品の汚染若しくは異物混入、供給元から調達する原材料及び含有物等に関するものを含め商品の品質、安全性及び完全性を高い水準で維持できないこと、真実であるか否かを問わず、商品の品質問題、不正表示若しくは汚染に関する疑惑、又は、マスメディアやインターネット上に流通するネガティブな評価により、当社グループの信用が損なわれ、また、当社グループの商品に対する需要の低下又は製造・販売活動への支障が生じる可能性があります。当社グループの商品が、一定の品質基準を満たさない場合、消費者等に損害を与えた場合又は商品について不正な表示がなされた場合、当社グループは商品を回収し、損害賠償責任を負わなければならない可能性があります。更に、当社グループの管理が及ばないサントリーホールディングス㈱及びそのグループ会社もサントリーブランドを使用して事業を行いますが、サントリーホールディングス㈱又はそのグループ会社において同様の問題が生じ、又はコンプライアンス違反があった場合や当社グループの業務委託先においてコンプライアンス上の問題等が生じた場合には、当社グループのブランドにも影響を及ぼす可能性があります。当社グループの信用が損なわれ、又は当社グループの商品に対する消費者の信頼を失った場合、当社グループの商品の需要の低下に繋がる可能性があり、また、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼし、更には当社グループの信用を回復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
(22)知的財産権等に関するリスク
当社グループは、サントリーホールディングス㈱からサントリーブランドの使用許諾を受けており、今後も引き続き使用許諾を受ける予定です。今後、当社がサントリーホールディングス㈱の子会社でなくなったこと等を理由として当該使用許諾が終了した場合、当社グループの企業イメージやマーケティング活動に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの独自ブランドを構築するために莫大な投資を行わなければならない可能性があります。
また、当社グループは他にも様々な商標に関する使用許諾を第三者から受けるとともに、当社グループが所有する商標の使用を第三者に許諾しています。
当社グループが第三者から使用許諾を受けている商標等については、ライセンス契約等が解約された場合、関連する商品が製造・販売できなくなる可能性があります。重要なライセンス契約等が解約された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが第三者に使用を許諾している商標等については、当該第三者による商標等の使用や関連商品に問題が生じた場合、当社グループによる当該商標等の使用や当社グループのブランドに影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが商標を登録していない地域において当社グループの商標と同じ又は類似する商標を、第三者が所有又は使用していることがあります。当該第三者による商標等の使用や関連商品に問題が生じた場合、当社グループのブランドに悪影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、当社の事業にとって重要な知的財産権を所有しています。かかる知的財産権には、商標権、著作権、特許権その他営業秘密が含まれます。当社グループと第三者との間で、知的財産権に関する紛争が生じる可能性があります。こうした紛争が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼし、当社グループの権利保護又は相手方からの主張に対する防御のために多額の費用を費やさなければならない可能性があります。当社グループは、その知的財産権保護のために講じる措置が十分であり、又は第三者が当社グループの権利を侵害し若しくは悪用しないことを保証することはできません。当社グループがその知的財産権を保護できない場合、当社グループのブランド、商品及び事業に損害が生じる可能性があります。
(23)親会社が支配権を有することに伴うリスク
本書提出日現在において、当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱は当社発行済普通株式の59.48%を所有し、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当等の当社の基本的事項についての決定権又は拒否権を有しています。株主総会の承認が必要となる全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらずサントリーホールディングス㈱が影響を与える可能性があります。なお、事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っています。
当社とサントリーホールディングス㈱及びその子会社との間の主な関係等についての詳細は、以下のとおりです。
① サントリーグループとの取引関係について
当社グループは、サントリーグループに属する会社と取引を行っています。
当連結会計年度における主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
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取引内容 |
取引先 |
金額 |
取引条件等の決定方法 |
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製品輸送業務の委託 |
サントリーロジスティクス㈱ |
23,784 |
品質及び類似サービスの市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
|
ブランドロイヤリティーの支払 |
サントリーホールディングス㈱ |
20,815 |
ブランド価値等を勘案し、両者協議のうえ使用対価として妥当な料率を決定 |
|
コーヒー豆の仕入 |
サントリーコーヒーロースタリー㈱ |
11,159 |
品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
サントリーグループとの取引については、法務部門及び経理部門において取引の必要性並びに取引条件及びその決定方法の妥当性について、事前に確認を行っています。また、サントリーホールディングス㈱からの独立性確保の観点も踏まえ、特に重要と考えられる取引については、複数の独立社外取締役を含んだ取締役会において、その取引の必要性及び妥当性について、十分に審議した上で意思決定を行っています。また、審議の内容に基づいた取引が行われているかどうかについて、内部監査部門における取引の内容等の事後的なチェック、監査等委員会による監査を行う等の健全性及び適正性確保の仕組みを整備しています。
② 当社グループ役員のサントリーホールディングス㈱の役員との兼任について
当社の取締役のうち取締役鳥井信宏氏がサントリーホールディングス㈱の代表取締役副社長を兼任しています。これは、2016年3月まで当社の代表取締役として当社グループの経営を担ってきた実績と経営全般における豊富な見識や職務経験が、当社の取締役会の更なる機能強化に資するためであります。
③ サントリーホールディングス㈱からの出向者(従業員)の受入れについて
当社従業員のうち、役職者以外の正社員の一定程度はサントリーホールディングス㈱からの出向社員です。2017年12月末日時点で、サントリーホールディングス㈱から当社へ出向している社員は約260名います。なお、当社グループの役職者は当社に在籍しており、サントリーホールディングス㈱からの出向者は、役職者へと昇進した時に当社へ転籍させるものとしています。
④ 商標権、特許権、包括ライセンス契約等について
当社グループは、サントリーホールディングス㈱との間でコーポレートブランド「サントリー」についての使用許諾契約を締結しており、これに基づき「サントリー」の名称・ブランドを使用することを許諾されています。当該契約に基づく「サントリー」の使用については、当社がサントリーグループに属していることが条件となっています。なお、当社は当該契約に基づきサントリーホールディングス㈱にロイヤリティーの支払を行っています。
また、当社グループの事業に関連する特許権、意匠権、商標権等の知的財産権については、サントリーグループにおける知的財産権の有効活用の促進及び維持管理集中化による効率化のため、一部をサントリーホールディングス㈱が保有し、当社はサントリーホールディングス㈱から独占的実施権等を付与されています。なお、当社はサントリーホールディングス㈱に当該独占的実施権等に伴うロイヤリティーの支払を行っていません。また、当該許諾関係が終了する場合には、これらの知的財産権についてはサントリーホールディングス㈱から当社に無償で譲渡されることになっています。
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
締結年月 |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
PepsiCo, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品の製造・販売に関するライセンス契約 |
1997年12月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
Pepsi Lipton Trading SARL |
Switzerland |
リプトンブランド紅茶飲料の製造・販売に関するライセンス契約 |
2000年9月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
㈱福寿園 |
日本 |
日本茶製品の共同開発と商品展開に関する業務提携契約 |
2003年7月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
STARBUCKS CORPORATION |
U.S.A. |
スターバックスブランドRTDコーヒーの製造・販売に関するライセンス契約 |
2005年3月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
サントリー ホールディングス㈱ |
日本 |
サントリーホールディングス㈱の有するコーポレートブランドの使用に関する契約 |
2009年4月 (※2) |
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Greatwall Capital PTE LTD |
PT DOMULYO MAJU BERSAMA PT SENTOSA TEKNIK MANDIRI |
Indonesia |
インドネシアにおける飲料の製造・販売に関する合弁契約 |
2011年10月 (※2) |
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Suntory Beverage & Food Asia Pte. Ltd. |
PepsiCo, Inc.他 |
U.S.A. |
ベトナムにおける飲料の製造・販売に関する合弁契約 |
2012年8月 (※1) |
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Suntory Beverage & Food Asia Pte. Ltd. |
PepsiCo, Inc.他 |
U.S.A. |
タイにおける飲料の製造・販売に関する合弁契約 |
2017年11月
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Pepsi Bottling Ventures LLC |
PepsiCo, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品に関するフランチャイズ契約 |
1999年7月 (※2) |
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Suntory International Corp. |
Pepsi Beverages Holdings, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品の製造・販売に関する合弁契約 |
1999年7月 (※2) |
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Pepsi Bottling Ventures LLC |
Dr.Pepper Snapple Group, Inc. |
U.S.A. |
ドクターペッパーブランド製品に関するフランチャイズ契約 |
1999年7月 (※2) |
※1 自動更新の定めがあります。
※2 契約の終期は定めていません。
当社は、2017年6月1日付で、サントリーホールディングス㈱との間で、サントリーグループにおける知的財産権の有効活用の促進及び維持管理集中化による効率化を目的として、当社グループの保有する知的財産権の一部を、サントリーホールディングス㈱に譲渡し、サントリーホールディングス㈱が当社に当社事業に関連する知的財産権について独占的実施権等を付与する旨の契約を締結しました。
当社グループでは、安全、安心に裏付けられた「おいしさ」を価値の中心に据え、国内・海外に研究開発を担当する部門・部署を設置し、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。
当社グループ横断での研究開発活動は、R&D部が行っています。
R&D部では、当社グループにおけるR&D戦略の立案・実施、R&Dに関する資源投入・配分計画の立案・実施、競争力の源泉となるグローバル中長期技術戦略の立案、関係部署との連携による技術戦略の推進と完遂、商品開発活動の支援を行っています。
また、グループ各社においても、研究開発部門を有するグループ各社が研究開発活動を行っています。
セグメント別の研究開発活動は次のとおりです。
[日本事業]
研究開発活動の担当部署は、ジャパン事業本部内の商品開発部及び開発生産推進部です。
商品開発部では、飲料の中味開発に関して、基本戦略に基づく中味開発戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、新規原料の探索・開発、香味評価及び安全性リスク評価による新価値創出、新製品中味の香味・品質・収益性の設計、新製品中味開発における研究開発投資効率の追求、既存製品中味の原価・品質チェック及び再設計、中味製造に関する標準規格類の起案を行っています。
開発生産推進部では、主に飲料の開発・設計・生産に関する基本戦略に基づく生産戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、基本戦略に基づく商品化戦略(容器開発含む)の立案・実施、新製品開発・生産計画の調整・実施及び収益性・投資効率の追求を行っています。
当社の研究開発活動は、神奈川県の商品開発センターにおいて行っています。
当連結会計年度は、「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」「サントリー烏龍茶」「オランジーナ」等のブランド強化を行うとともに、様々なカテゴリーにおいて新商品を投入しました。
ブランド別に見ると、「サントリー天然水」ブランドでは、「香り贅沢茶葉」の華やかな香りを贅沢に抽出し、清冽な「サントリー天然水」に有機レモン果汁による自然な酸味を加えることで、「紅茶のコクと香り」と「すっきりした後味」を実現した「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA レモン」を発売しました。「BOSS」ブランドでは、提携農園であるブラジルBAU農園こだわりの豆を使用し、更に、当社独自技術により抽出した超深煎りコーヒーオイルを使用することで、上質なコクと香りを実現した「プライドオブボス」を発売しました。また、満足感がありながらも、すっきり飲み続けられる味わいを実現するために、200を超える工程を経て仕上げた「クラフトボス」シリーズを発売しました。「伊右衛門」ブランドでは、伊右衛門本体史上最大量の一番茶を贅沢に使用し、また“微粉砕茶葉制御技術”を活用し、従来の抹茶微粒子に加え、新たに煎茶粒子を加えることで、口当たりのよいコクと心地よい余韻を引き出した「サントリー緑茶 伊右衛門」をリニューアルしました。「サントリー烏龍茶」は、独自の茶葉抽出技術を新規採用し、烏龍茶ならではのコクや香りは活かしながら、飲み続けても渋みが残らない、後味がよりすっきりとした味わいにリニューアルしました。「オランジーナ」は、オレンジを手で搾ったような爽やかな香りを強化し、果実繊維を強化することで、搾りたてのオレンジのような豊かな果実感のある味わいや自然なほろ苦さの中味にリニューアルしました。
[欧州事業]
欧州では、主力ブランドである「Orangina」「Schweppes」「Oasis」「Lucozade」「Ribena」等において、おいしさに加え、砂糖低減、容器の小容量展開や軽量化等により、お客様の健康や環境に配慮した中味設計・パッケージに関する研究開発活動を実施しました。英国では、Lucozade Ribena Suntory Limitedが、近年増加するお客様の健康志向に対し、主力ブランドである「Lucozade Energy」の「Orange」「Original」において、砂糖含有量を50%削減する刷新を実施しました。また、「Lucozade Sport」ブランドから、お客様の運動をサポートするために最適なミネラルバランスで設計した「Fit Water」を発売しました。スペインでは、多様化するお客様の嗜好に合わせ、「Schweppes」ブランドから新たなラインナップ、「Premium Mixer Tonic & Matcha」を発売しました。
[アジア事業]
インドネシアでは、PT SUNTORY GARUDA BEVERAGEが、日本のフレーバードウォーターの知見を活用し、インドネシアのお客様の嗜好に合わせた新ブランド「Good Mood」を「Orange」「Lemon & Honey」の2フレーバーで発売しました。また、インドネシアの子供たちに昔から親しまれている「Okky」ブランドのプレミアムラインナップとしてビッグカップの新たなフレーバー「Guava」「Blackcurrant」を発売しました。またSuntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.では、ベトナムの若い世代のお客様の嗜好に合わせ、ベトナム本来のミルクコーヒーに、抹茶を配合した新しいタイプのコーヒー飲料「MY CAFE」を発売しました。
[オセアニア事業]
オセアニアでは、高まるお客様の健康、ナチュラル志向に対応し、既存ブランドの小容量展開や低カロリー商品のラインナップ強化等、中味設計・パッケージに関する研究開発活動を実施しました。主力の「V」ブランドでは、2016年にニュージーランドにて発売した6種類の自然素材を用いたナチュラルエナジー飲料「V PURE」をオーストラリアにて発売しました。
[米州事業]
米州では、消費者の健康志向の高まりを踏まえ、新たなビジネスの展開に向けた取組みを行いました。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は、日本事業64億円、欧州事業17億円、アジア事業10億円、オセアニア事業2億円、米州事業1億円となり、研究開発費の総額は95億円となりました。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、売上収益は1兆2,340億円(前年同期比2.1%増)、売上総利益は5,362億円(前年同期比0.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、4,124億円計上しましたが、この主な内容は、広告宣伝及び販売促進費が1,554億円、従業員給付費用が1,347億円等であり、その結果、営業利益は1,180億円(前年同期比5.4%増)となりました。
金融収益は9億円となりました。また、金融費用は44億円となりました。この主な要因は、支払利息を27億円、為替差損を15億円計上したこと等によるものです。
以上の結果、税引前利益は1,144億円(前年同期比6.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は781億円(前年同期比9.2%増)となりました。また、1株当たり当期利益は252円79銭となりました。
また、報告セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。
[日本事業]
売上収益は6,892億円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は573億円(前年同期比5.1%増)となりました。
[欧州事業]
売上収益は2,389億円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は346億円(前年同期比2.9%増)となりました。
[アジア事業]
売上収益は1,771億円(前年同期比7.6%増)、セグメント利益は232億円(前年同期比34.5%増)となりました。
[オセアニア事業]
売上収益は428億円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益は50億円(前年同期比13.8%減)となりました。
[米州事業]
売上収益は860億円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は93億円(前年同期比17.9%減)となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、無形資産等が在外子会社の為替換算による影響で増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,006億円増加して1兆5,220億円となりました。
負債は、有利子負債の減少等があったものの、仕入債務及びその他の債務等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ172億円増加して7,758億円となりました。
資本合計は、配当金支出による利益剰余金の減少等があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度末に比べ834億円増加して7,462億円となりました。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は45.4%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,234円43銭となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ298億円増加し、1,139億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益1,144億円、減価償却費及び償却費639億円等があったものの、棚卸資産の増加79億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ136億円減少し、1,495億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出553億円等があったものの、前連結会計年度に発生した事業の取得による支出81億円がなくなったこと等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ45億円減少し、530億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出619億円等により、636億円の資金の支出(前連結会計年度は1,171億円の支出)となりました。