当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1) 業績の状況
当社グループは、真のグローバル飲料企業として持続的な事業成長と企業価値向上を実現すべく“質の高い成長”を目標に掲げています。2024年からスタートした中期経営計画においては、「ブランド戦略」、「構造改革」、「DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」、「サステナビリティ」の4つを重要な戦略テーマに掲げ、積極的に事業を展開しています。
当中間連結会計期間においては、コアブランドを中心とした積極的なマーケティング活動を展開しましたが、アジアパシフィックでのマクロ経済低迷の影響を受け、当社グループ合計で減収減益となりました。
売上収益は、イギリスが牽引した欧州で増収、日本及び米州は前年同期並みとなりましたが、アジアパシフィックで減収となりました。営業利益は、日本における原材料高や主要国におけるマーケティング費用増、アジアパシフィックにおける売上収益の減少等により、欧州を除き減益となりました。
当中間連結会計期間の連結売上収益は8,064億円(前年同期比1.3%減、為替中立0.4%減)、連結営業利益は718億円(前年同期比11.2%減、為替中立10.4%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は411億円(前年同期比11.5%減、為替中立10.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[日本事業]
飲料市場(当社推定)は、物価上昇による消費マインドの冷え込みや価格改定の影響等により、前年同期を下回りました。当社販売数量は、飲料市場と同様の影響を受けましたが、継続的なコアブランド集中活動、新商品投入、マーケティング活動強化により、前年同期を下回ったものの想定どおりの着地となりました。
売上収益は、価格改定や商品構成の改善が寄与し、販売数量は減少したものの、前年同期並みの3,442億円(前年同期比0.2%増)となりました。
ブランド別の販売数量については、「サントリー天然水」は、特に大容量で価格改定の影響を受けましたが、引き続き多彩なマーケティング活動を展開し、昨年新しい容器にリニューアルした1Lペットボトルや、「サントリー天然水 特製レモンスカッシュ」が好調に推移しました。加えて、4月に発売した「サントリー天然水 きりっとヨグ」も販売数量増に寄与しました。「BOSS」は、3月から販売を開始した「世界のTEA」シリーズ、「甘くないイタリアーノ」は好調に推移しましたが、コーヒーカテゴリーでの競争激化の影響を受け、ブランド全体での販売数量は前年同期を下回りました。「伊右衛門」は、競争激化及び特に大容量で価格改定の影響を受け、販売数量は前年同期を下回りましたが、小容量を中心にマーケティング活動が奏功しました。「伊右衛門 濃い味(機能性表示食品)」、「伊右衛門 焙じ茶」、「伊右衛門 京都レモネード」、「伊右衛門 特茶」は、引き続き好調を維持しています。
自動販売機事業については、3月から全国展開を開始した自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」が想定を上回るダウンロード数を記録しています。「ジハンピ」対応自販機は、6月末時点で16万台となりました。
セグメント利益は、コストマネジメントを徹底しましたが、原材料高やマーケティング費用増の影響を受け、183億円(前年同期比18.2%減)となりました。
[アジアパシフィック事業]
売上収益は、オセアニアの飲料事業が好調に推移したものの、ベトナム及びタイの飲料事業における販売数量減により、1,856億円(前年同期比8.3%減、為替中立6.9%減)となりました。
飲料事業については、ベトナム及びタイでマクロ経済低迷の影響を受け、販売数量が前年同期を下回り、減収となりました。ベトナムでは、競争激化や水カテゴリー以外の飲料市場が縮小した影響を受け、タイでは、例年より低い気温の推移により、主力の炭酸カテゴリー市場が落ち込んだ影響を受けました。オセアニアは、エナジードリンク「V」の販売数量増が寄与し、増収となりました。
健康食品事業については、インバウンド需要減退の影響を受けたものの、主力ブランド「BRAND'S Essence of Chicken」及び「BRAND'S Bird's Nest」が堅調に推移し、売上収益は前年同期並みとなりました。
セグメント利益は、売上収益の減少に伴い221億円(前年同期比20.1%減、為替中立19.4%減)となりました。
[欧州事業]
売上収益は、イギリスが牽引し、1,893億円(前年同期比3.7%増、為替中立4.9%増)となりました。イギリスでは、前年同期に生じた工場稼働率低下の影響の反動に加え、「Lucozade」及び「Ribena」における積極的なマーケティング活動の効果や好天等もあり、想定を上回る増収となりました。フランスでは、砂糖税増税の影響を受け、主力商品の販売数量は前年同期を下回りましたが、売上収益では前年同期並みとなりました。スペインでは、業務用トニック市場鈍化の影響を他ブランドで補いきれず、販売数量が前年同期を下回り、減収となりました。
セグメント利益は、売上収益の増加及びコストマネジメントの徹底により、324億円(前年同期比17.2%増、為替中立18.4%増)となりました。
[米州事業]
売上収益は、堅調に推移した主力の炭酸カテゴリー以外での販売数量が減少したものの、価格改定を含めたRGM(レベニューグロースマネジメント)活動が寄与し、前年同期並みの873億円(前年同期比2.0%減、為替中立0.7%増)となりました。
セグメント利益は、人件費や製造コストが高騰した影響を受け、102億円(前年同期比7.1%減、為替中立4.6%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して、売上債権及びその他の債権の増加、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ457億円増加して2兆1,037億円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比較して、仕入債務及びその他の債務の増加、社債及び借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ396億円増加して7,824億円となりました。
資本合計は、前連結会計年度末と比較して、主要通貨の為替レートが円高になったことに伴うその他の資本の構成要素の減少の一方で、中間利益の稼得により、前連結会計年度末に比べ60億円増加して1兆3,213億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ146億円減少し、1,459億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益702億円、減価償却費及び償却費398億円、仕入債務及びその他の債務の増加306億円等に対し、売上債権及びその他の債権の増加382億円、棚卸資産の増加311億円等により、資金の収入は前年同期と比べ46億円減少し、420億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出421億円等により、資金の支出は前年同期と比べ75億円減少し、405億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加201億円に対し、配当金の支払額201億円、リース負債の返済による支出69億円等により、資金の支出は前年同期と比べ120億円減少し、134億円の支出となりました。
(4) 重要性がある会計方針及び見積り
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要性がある会計方針及び見積りについて重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は50億円です。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。