当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
当社は、2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge2024」を策定いたしました。経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、「成長事業の加速化」「研究開発の拡充」「既存事業の収益性改善」「ESG経営の高度化」「事業インフラの再構築」という5つの戦略を推進しています。これらに加えて、経営環境の変化に柔軟に対応することで「Challenge2024」の達成をより確実とすることを目的に、ローリング方式にて中期経営計画の見直しを行い、2023年5月に「ローリングプラン2023」を、2024年3月に「グローアッププラン2024」を策定いたしました。資本コストや株価、PBRを意識した経営を推進し、企業価値の向上を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
①経営成績について
当中間連結会計期間の業績につきましては、化学品事業部門(化成品分野・電子材料分野)の販売が好調に推移いたしました。しかし、適正価格反映の遅れおよび人件費上昇等の影響が続き、利益率は低下しています。加えて、化学品事業部門において自動車型式認証問題の影響(化薬分野)や、いまだ半導体市場の生産調整が続いている影響(シリコンウェーハ分野)、ボトリング事業部門における定期修繕後の設備復旧遅れによる生産数量減の
影響等が第1四半期から継続し、当中間連結会計期間の業績は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
|
|
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
差 異 |
増減率 |
|
連結売上高 |
17,672 |
18,045 |
+372 |
+2.1% |
|
連結営業利益 |
1,384 |
1,194 |
△189 |
△13.7% |
|
連結経常利益 |
1,564 |
1,382 |
△182 |
△11.6% |
|
親会社株主に帰属する中間純利益 |
1,173 |
951 |
△221 |
△18.9% |
②セグメント別の状況
主な製品・サービスの状況は以下のとおりです。
「化学品事業部門」
化薬分野 =増収減益
・産業用爆薬は、石灰砕石需要の低迷が続き減収するも、今期より適正価格が反映され増益。
・自動車用緊急保安炎筒は、一部自動車メーカーにおける型式認証問題の影響による新車生産販売台数の減少に
伴い、減収減益。
・高速道路用信号焔管は、自動車交通量等に大きな変化なく堅調に推移。増収、利益は横ばい。
・煙火関連は、花火大会の増加等により需要が増え、増収増益。
受託評価分野 =減収減益
・電池開発の活況が継続し電池試験は増収するも、危険性評価試験において一部の試験体の搬入遅れ等が生じた
影響が継続し、減収減益。
化成品分野 =増収増益
・塩素酸ナトリウムは、紙パルプ漂白用途の需要に対し安定した供給を進め、増収増益。
・過塩素酸アンモニウム(ロケット・防衛用推進薬原料)の需要は前年同期と同様に推移し、売上・利益ともに
ほぼ横ばい。
・電極は、塩素発生系電極の交換需要が好調に推移し、増収増益。
・過塩素酸は、国内主要ユーザーの生産調整、および海外需要の低迷により、減収減益。
電子材料分野 =増収増益
・電子材料関連製品、機能材料関連製品ともに、国内外の顧客生産調整が概ね終了し、今期から需要が回復。
加えてEVなどの環境車、AIサーバー等の付随部品向け需要が増加しており、増収増益。
セラミック材料分野 =増収増益
・国内砥石・研磨布紙メーカーの需要低迷が続くも、適正価格の維持と高付加価値商品の販売推進により、
増収増益。
シリコンウェーハ分野 =減収減益
・半導体市場低迷に端を発する顧客の在庫過多や生産調整が継続し、減収減益。小口径ウェーハ市場の新規開拓
とシェア拡大、既存製品群の生産性向上といった活動に引き続き注力していく。
「ボトリング事業部門」
・ペットボトル飲料需要は前年並みに推移するも、定期修繕後の設備復旧の遅れ等により生産数量が減少。
当中間連結会計期間で生産の安定化に注力し挽回を図るも生産数が伸び切らず、減収減益。
「金属加工事業部門」
・耐熱炉内用金物のアンカー、集じん機用リテーナの販売は好調に推移し、増収。製造コストの上昇による影響を
受けたものの、適正価格交渉の推進により利益は横ばい。
・各種金属スプリングおよびプレス品は主要取引先(建設機械・自動車)の需要が落ち込み、減収減益。生産性
向上、適正価格維持に向けた活動を継続していく。
「エンジニアリングサービス事業部門」
・建築・設備工事は、外部工事獲得の競争環境激化が続いているものの、設備工事は増加しており、増収増益。
・塗料販売・塗装工事は、市場環境は引き続き堅調。販売品目の構成変化に伴い、増収。利益は横ばい。
・構造設計は、公共案件の獲得好調により増収したものの、民間案件の競争環境激化にともない、減益。
これらの結果、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
|
区 分 |
連 結 売 上 高 |
連 結 営 業 利 益 |
||
|
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
|
|
化学品 |
9,936 |
10,575 |
790 |
801 |
|
ボトリング |
2,463 |
2,272 |
119 |
6 |
|
金属加工 |
3,678 |
3,603 |
276 |
219 |
|
エンジニアリング サービス |
1,866 |
1,908 |
309 |
285 |
|
小 計 |
17,944 |
18,361 |
1,495 |
1,313 |
|
その他・消去 |
△271 |
△316 |
△111 |
△118 |
|
計 |
17,672 |
18,045 |
1,384 |
1,194 |
(2)財政状態の状況
総資産は540億6千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億7千8百万円減少いたしました。
資産の増減の主な内容は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少23億8千4百万円、その他流動資産のうち短期保証金の減少1億6千7百万円、投資有価証券の増加7億2千万円、現金及び預金の増加3億7千4百万円、建設仮勘定の増加2億8千9百万円等であります。
負債は166億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億5千3百万円減少いたしました。
負債の増減の主な内容は、支払手形及び買掛金の減少17億8千4百万円、有利子負債の減少3億5千3百万円、その他流動負債のうち前受金の増加3億3千5百万円等であります。
純資産は374億5千万円となり、前連結会計年度末に比べ6億7千4百万円増加いたしました。
純資産の増減の主な内容は、その他有価証券評価差額金の増加4億8千8百万円、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等による利益剰余金の増加1億6千万円等であります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.7%から69.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、31億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億6千1百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億3千9百万円の純収入(前年同期は9億4千7百万円の純収入)となりました。これは、主に収入として税金等調整前中間純利益13億8千9百万円、減価償却費8億4千1百万円、売上債権及び契約資産の減少23億4千万円、支出として仕入債務の減少17億円、棚卸資産の増加1億1千6百万円、法人税等の支払額6億8千2百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6億4千8百万円の純支出(前年同期は2億6千6百万円の純支出)となりました。これは、主に固定資産の取得による支出8億7百万円、利息及び配当金の受取額1億4千5百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億3千9百万円の純支出(前年同期は11億1千6百万円の純支出)となりました。これは、主に借入金の減少額2億6千7百万円、配当金の支払額7億8千8百万円等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は4億3百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。