第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当期の業績は、売上高8,155億円(対前期+5.5%)、営業利益688億円(同+8.6%)、経常利益564億円(同+9.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益287億円(同+13.8%)となりました。

 仲介事業セグメントの好調や住宅事業セグメントにおいて土地の一括売却が増加したこと等により増収、都市事業セグメントにおける投資家向けのビル等売却益の増加等により増益となりました。

 また、当社グループでは組織変更に伴い、当連結会計年度より一部事業の報告セグメントの区分を変更しております。以下の各セグメントの説明における前期の実績値については変更後のセグメントで組み替えた数値を使用しております。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

 

 

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

 

売上高

7,731

8,155

423

 

営業利益

633

688

55

 

経常利益

517

564

47

 

親会社株主に帰属する当期純利益

252

287

35

 

 

 

 

 

 

有利子負債

11,254

11,061

△193

 

 

<セグメント別業績>

売上高

 

 

(億円)

 

営業利益

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

 

 

前期

当期

比較

合計

7,731

8,155

423

 

合計

633

688

55

都市

2,674

2,587

△86

 

都市

387

448

61

住宅

1,048

1,177

129

 

住宅

55

70

14

管理

1,361

1,452

91

 

管理

91

80

△11

仲介

614

803

190

 

仲介

94

102

8

ウェルネス

896

902

6

 

ウェルネス

60

64

4

ハンズ

879

957

78

 

ハンズ

9

11

2

次世代・関連

475

512

37

 

次世代・関連

△6

△30

△25

全社・消去

△216

△237

△21

 

全社・消去

△57

△57

△0

 

① 都市事業

 売上高は2,587億円(対前期△3.2%)、営業利益は448億円(同+15.8%)となりました。

 減収は投資家向けのビル等売却収益の減少等によるものですが、ビル等売却益は増加、新規稼動物件の寄与等もあり増益となっております。

 また、平成27年4月に「CROSS PLACE浜松町」(東京都港区、オフィスビル)を取得、同じく4月に「もりのみやキューズモールBASE」(大阪府大阪市、商業施設)及び「二子玉川ライズ(第2期事業)」(東京都世田谷区、オフィスビル・商業施設)、平成28年3月に「東急プラザ銀座」(東京都中央区、商業施設)が開業、高稼動にて順調に運営を開始しております。

 なお、空室率(オフィスビル・商業施設)は新規稼動物件の入居が進んだこと等から0.9%に改善しました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

2,674

2,587

△86

営業利益

387

448

61

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

比較

賃貸(オフィスビル)

388

381

△7

賃貸(商業施設)

363

393

30

資産運用等

1,424

1,266

△158

住宅賃貸等

498

547

48

 

賃貸床面積・空室率(オフィスビル・商業施設)

 

25年3月期末

26年3月期末

27年3月期末

28年3月期末

賃貸床面積(㎡)

994,773

1,026,453

981,636

975,792

空室率

2.1%

1.8%

2.8%

0.9%

 

主な新規開業案件

 

 

 

用途

開業時期

延床面積

CROSS PLACE浜松町

オフィス

27年4月(取得)

12千㎡

もりのみやキューズモールBASE

商業

27年4月

24千㎡

二子玉川ライズ(第2期事業)

オフィス・商業

27年4月

157千㎡

マーケットスクエア川崎イースト(借上)

商業

28年2月

30千㎡

東急プラザ銀座

商業

28年3月

51千㎡

 

② 住宅事業

 売上高は1,177億円(対前期+12.3%)、営業利益は70億円(同+26.0%)となりました。

 分譲マンションは計上戸数の減少等により減収となりましたが、土地の一括売却の増加等により増収増益となりました。

 なお、分譲マンションは「ブランズシティ品川勝島」(東京都品川区)、「ブランズ戸塚」(神奈川県横浜市)、「ブランズタワー・ウェリス心斎橋NORTH」(大阪府大阪市)等を計上いたしました。販売については引き続き堅調に推移し、マンションの次期売上予想に対する契約済み割合は57%(同+23P)となりました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

1,048

1,177

129

営業利益

55

70

14

 

売上高内訳

(消去前・億円)

 

 

前期

当期

比較

マンション

2,027戸

897

1,892戸

876

△21

戸建

142戸

55

236戸

75

19

その他

96

 

227

131

 

供給販売戸数

 

 

 

前期

当期

完成在庫数

新規供給

契約戸数

新規供給

契約戸数

27年3月期末

28年3月期末

マンション

2,061戸

1,919戸

2,013戸

2,095戸

303戸

396戸

戸建

140戸

137戸

130戸

158戸

45戸

31戸

 

③ 管理事業

 売上高は1,452億円(対前期+6.7%)、営業利益は80億円(同△11.7%)となりました。

 ㈱東急コミュニティーにおいて管理ストックがマンション、ビルともに拡大し増収となりましたが、管理体制の整備や強化などを戦略的に実施したことによる費用の増加等により減益となりました。なお、平成28年3月末のマンション管理ストックは715千戸(うち総合管理戸数504千戸)と着実に増加しております。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

1,361

1,452

91

営業利益

91

80

△11

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

比較

マンション

1,028

1,056

28

ビル等

333

396

63

 

 

期末管理物件数

 

 

 

 

 

25年3月期末

26年3月期末

27年3月期末

28年3月期末

マンション(戸)

617,687

641,591

678,479

715,660

ビル (件)

1,330

1,305

1,360

1,453

 

④ 仲介事業

 売上高は803億円(対前期+30.9%)、営業利益は102億円(同+9.0%)となりました。

 東急リバブル㈱において、不動産流通市場の好調を背景に、買取再販等の不動産販売が増加、売買仲介においてもリテール部門・ホールセール部門ともに取引件数・成約価格が上昇、増収増益となりました。リテール部門においては新規出店を進めるとともに、個人のお客様を対象とするサービスの充実に努め、ホールセール部門においても大型案件への取り組みを引き続き強化しました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

614

803

190

営業利益

94

102

8

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

比較

売買仲介

415

484

68

販売受託

39

27

△12

不動産販売

135

263

128

その他

24

30

6

 

⑤ ウェルネス事業

 売上高は902億円(対前期+0.7%)、営業利益は64億円(同+7.1%)となりました。

 前期に別荘の売上として平成26年10月に開業した会員制リゾートホテルのハーヴェストクラブ「京都鷹峯」・「VIALA annex 京都鷹峯」(京都府京都市)の計上があったことによる減収があったものの、中長期滞在型ホテルの東急ステイにおけるインバウンド需要の増加に加え、ハーヴェストクラブやフィットネスクラブ、東急ステイの新規稼動の寄与等により増収増益となりました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

896

902

6

営業利益

60

64

4

 

 

売上高内訳

 

(億円)

 

 

前期

比較

 

リゾート運営

340

349

8

(ゴルフ場、ハーヴェストクラブ、スキー場等)

オアシス

155

164

9

(フィットネスクラブ等)

シニア住宅

64

65

1

 

東急ステイ

72

87

15

(ホテル)

福利厚生代行

71

77

6

 

別荘・会員権販売

83

42

△42

 

その他

111

119

8

 

 

⑥ ハンズ事業

 売上高は957億円(対前期+8.9%)、営業利益は11億円(同+19.8%)となりました。

 ㈱東急ハンズにおいて、既存店が改善(同+0.7%)、新規店舗の寄与等もあり増収増益となりました

 なお、新規店舗として平成27年4月に「東急ハンズららぽーと富士見店」及び「東急ハンズ大分店」、10月に「東急ハンズ松山店」、12月に「東急ハンズららぽーと立川立飛店」、平成28年3月に「東急ハンズ仙台店」が開業いたしました。また、平成28年3月には新規開業施設である東急プラザ銀座に新業態の「HANDS EXPO(ハンズエキスポ)」を開業するなど着実な事業拡大に努めております。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

879

957

78

営業利益

9

11

2

 

⑦ 次世代・関連事業

 売上高は512億円(対前期+7.7%)、30億円の営業損失となりました。

 増収は海外事業における物件売却の増加等によるものです。

 リフォーム・注文住宅については、消費増税以降、受注不振が継続しており、当期は完工高減少により、営業損失が拡大いたしました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

475

512

37

営業利益

△6

△30

△25

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

比較

リフォーム・注文住宅

360

326

△34

造園建設

101

122

22

海外事業等

15

64

49

 

(2)キャッシュ・フロー

 当期における現金及び現金同等物の残高は399億円となり、前期末と比較して541億円の減少となりました。

 当期における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益468億円、減価償却費210億円、たな卸資産の減少194億円等による資金増加の一方、法人税等の支払217億円、仕入債務の減少143億円等により、879億円の資金増加となりました。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得850億円、有価証券の取得351億円等により、1,124億円の資金減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金2,874億円、長期預り敷金保証金の受入260億円、社債の発行200億円、短期借入金の増加183億円等による資金増加の一方、長期借入金の返済3,237億円、長期預り敷金保証金の返還259億円、コマーシャル・ペーパーの減少150億円、社債の償還100億円等により、305億円の資金減少となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

 生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

3【対処すべき課題】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは7つの事業アプローチから人と暮らしをトータルに見つめ、お客様とともに「美しい時代へ」の理念のもと、美しい生活環境の創造を目指す総合生活産業であり、東急グループの一員として「安心と信頼」の「東急ブランド」の価値向上に努めております。

 また、安定化した成長路線を着実に「継続」することと、大きく変化を遂げるであろう事業環境に対応しながら、常に新たな事業・課題の達成に取り組み、変わりゆく時代へ挑戦を続けていくことで、株主価値の拡大を図ってまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標、会社の対処すべき課題

 当社グループは、持株会社体制への移行(平成25年10月)並びに前中期経営計画の達成を踏まえ、平成26年11月にグループ中長期経営計画「『Value Frontier 2020』~価値を創造し続ける企業グループへ~」(平成26年度~平成32年度)を策定いたしました。

 本計画では、東京オリンピック開催や東急グループの総力を挙げた渋谷駅周辺での再開発事業をはじめとした大型開発事業が完成する2020年度(平成32年度)までを期間とし、お客様目線を基本とした上で、「関与アセット拡大」と「新たな需要創出」により「価値を創造し続ける企業グループ」を目指します。

 都市・住宅・管理・仲介のコア4事業を中心に渋谷再開発事業など優良アセットの開発や、拡大する既存ストック関連市場からの外部アセットの獲得・関与に取り組み、関与アセットの拡大による事業機会拡大・創出を通じてグループ収益基盤の安定的な成長を図ります。さらに、ウェルネス・ハンズ・海外事業等でグループの強みを最大限発揮し、事業モデル進化による新たな需要創出を通じて更なる成長の源泉を獲得していきます。

 目標指標※は中期経営計画の最終年度2016年度(平成28年度)において、営業利益730億円、DEレシオ2.6倍、渋谷再開発事業などが完成する2020年度(平成32年度)には営業利益1,000億円を目標とし、利益成長を図りながらDEレシオを2倍台前半まで改善させ、さらなる財務健全化にも努めてまいります。

 

※将来に関する事項についてはその達成を保証するものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境変動のリスク

  当社グループの取り扱う不動産賃貸業、不動産販売業、施設運営業、不動産流通事業等については、景気動向や企業業績、個人消費動向などの影響を受けやすい傾向があり、これらにより各事業における利益率の低下や収益性の悪化、保有資産の価値が下落する可能性があります。

(2) 金利変動のリスク

  当社グループは、支払利息の負担軽減と金利変動による影響を軽減するために、有利子負債の大部分を長期による借入とし、金融情勢を踏まえながら一部のプロジェクト融資では変動金利を採用し、それ以外についてはほぼ金利を固定化しております。従って、今後金利が上昇した場合、経営成績に与える影響は、短期的には比較的限定されておりますが、中長期的には大きな影響が生じる可能性があります。

(3) 法制、税制等各種規制変更のリスク

  当社グループが取り扱う各事業に関しては、各種法令や規制、税制等の規制があります。今後、これらの規制が改廃される場合や新たな規制が設けられる場合、業務範囲の拡大により新たな法的規制を受ける場合に、当社グループの事業展開、業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。

(4) 情報システムに関するリスク

  当社グループでは、情報システムの整備、活用について、そのインフラの整備拡充を行うとともに、データバックアップの確保などさまざまな安全対策を行っておりますが、万が一システムリスクが顕在化した場合には、営業活動や業務処理に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5) 株式変動のリスクについて

  当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 自然災害、人災等の発生に関するリスク

  地震、暴風雨、洪水その他の天災地変、戦争、暴動、テロ、事故、火災その他の人災等が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(資産)

 当期末の資産残高は1兆9,844億円で、106億円の増加であります。
 流動資産は販売用不動産の減少等により807億円減少した一方、固定資産は新規投資等から913億円増加しております。

(負債)

 当期末における負債の残高は1兆5,620億円で、135億円の減少であります。
 短期借入金、長期借入金及び社債を合わせた有利子負債は物件売却等に伴い1兆1,061億円で193億円減少いたしました。

(純資産)

 当期末における純資産の残高は4,224億円で、241億円の増加であります。
 親会社株主に帰属する当期純利益として287億円計上するとともに、その他有価証券評価差額金が16億円増加いたしました。

(2)経営成績の分析

 売上高は8,155億円で、仲介事業セグメントの好調や住宅事業セグメントにおいて土地の一括売却が増加したこと等により423億円の増収であります。営業利益は688億円で、都市事業セグメントにおける投資家向けのビル等売却益の増加等により55億円の増益、経常利益も564億円で、47億円の増益となっております。

 親会社株主に帰属する当期純利益は287億円で、特別損失の減少等により35億円の増益となりました。なお、1株当たり当期純利益は47.18円であります。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。