第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当期の業績は、売上高8,085億円(対前期△0.9%)、営業利益732億円(同+6.5%)、経常利益636億円(同+12.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益315億円(同+9.7%)となりました。

 都市事業セグメントにおいて投資家向けのビル等売却収益が減少したこと等により減収となったものの、住宅事業セグメントにおいて分譲マンションが増益となったこと、仲介事業セグメントやウェルネス事業セグメントにおける都市型ホテルの東急ステイが好調に推移したこと等により増益となりました。

 

 

 

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

 

売上高

8,155

8,085

△70

 

営業利益

688

732

45

 

経常利益

564

636

73

 

親会社株主に帰属する当期純利益

287

315

28

 

 

 

 

 

 

有利子負債

11,061

11,379

318

 

 

<セグメント別業績>

売上高

 

 

(億円)

 

営業利益

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

 

 

前期

当期

比較

合計

8,155

8,085

△70

 

合計

688

732

45

都市

2,587

2,490

△97

 

都市

448

449

1

住宅

1,177

1,085

△92

 

住宅

70

97

27

管理

1,452

1,486

34

 

管理

80

81

0

仲介

803

821

17

 

仲介

102

113

11

ウェルネス

902

944

42

 

ウェルネス

64

76

12

ハンズ

957

972

14

 

ハンズ

11

3

△8

次世代・関連

512

496

△16

 

次世代・関連

△30

△19

11

全社・消去

△237

△209

28

 

全社・消去

△57

△66

△9

 

① 都市事業

 売上高は2,490億円(対前期△3.8%)、営業利益は449億円(同+0.1%)となりました。

 投資家向けのビル等売却収益が減少したこと等により減収となりましたが、前期に開業した商業施設「東急プラザ銀座」等の稼動による寄与や既存物件の賃貸収益の改善等により増益となりました。

 なお、空室率(オフィスビル・商業施設)は既存物件でのテナント入替の影響等により2.0%と前期末から上昇しましたが、引き続き低水準を維持しております。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

2,587

2,490

△97

営業利益

448

449

1

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

比較

賃貸(オフィスビル)

381

377

△4

賃貸(商業施設)

393

438

45

資産運用等

1,266

1,022

△245

住宅賃貸等

547

653

107

 

賃貸床面積・空室率(オフィスビル・商業施設)

 

26年3月期末

27年3月期末

28年3月期末

29年3月期末

賃貸床面積(㎡)

1,026,453

981,636

975,792

892,854

空室率

1.8%

2.8%

0.9%

2.0%

 

② 住宅事業

 売上高は1,085億円(対前期△7.8%)、営業利益は97億円(同+38.8%)となりました。

 土地の一括売却が減少したこと等により減収となりましたが、分譲マンションにおいて高価格帯物件が増加したこと等により売上が増加、粗利益率も改善したことにより増益となりました。販売については引き続き順調に推移しており、マンションの次期売上予想に対する契約済み割合は54%(同△3P)となっております。

 なお、当期において分譲マンションは「ブランズタワーみなとみらい」(神奈川県横浜市)、「ブランズ ザ・ハウス一番町」(東京都千代田区)「ブランズ代々木」(東京都渋谷区)、「ブランズ三国ステーションレジデンス」(大阪府大阪市)等を計上いたしました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

1,177

1,085

△92

営業利益

70

97

27

 

売上高内訳

(消去前・億円)

 

 

前期

当期

比較

マンション

1,892戸

876

1,560戸

967

91

戸建

236戸

75

238戸

76

2

その他

227

42

△185

 

供給販売戸数

 

 

 

前期

当期

完成在庫数

新規供給

契約戸数

新規供給

契約戸数

28年3月期末

29年3月期末

マンション

2,013戸

2,095戸

1,285戸

1,312戸

396戸

457戸

戸建

130戸

158戸

116戸

154戸

31戸

15戸

 

③ 管理事業

 売上高は1,486億円(対前期+2.3%)、営業利益は81億円(同+0.6%)となりました。

 ㈱東急コミュニティーにおいて管理ストックがマンション、ビルともに拡大し増収増益となりました。マンションの居住者向けにカスタマーセンターを設置するなどサービス品質の向上に努めるとともに、指定管理者として公営住宅等の管理の受注を強化、平成29年3月末のマンション管理ストックは741千戸(うち総合管理戸数515千戸)となっております。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

1,452

1,486

34

営業利益

80

81

0

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

比較

マンション

1,056

1,084

28

ビル等

396

402

6

 

 

期末管理物件数

 

 

 

 

 

26年3月期末

27年3月期末

28年3月期末

29年3月期末

マンション(戸)

641,591

678,479

715,660

741,624

ビル (件)

1,305

1,360

1,453

1,483

 

④ 仲介事業

 売上高は821億円(対前期+2.2%)、営業利益は113億円(同+10.4%)となりました。

 東急リバブル㈱において、不動産流通市場の好調を背景に、リテール部門で14店舗の新規出店を進めるとともに、好評をいただいている「リバブルあんしん仲介保証」のサービス内容の拡充に努めるなど個人のお客様を対象とするサービスの充実にも努めております。売買仲介のうちリテール部門において、取引件数・成約価格が上昇、増収増益となりました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

803

821

17

営業利益

102

113

11

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

比較

売買仲介

484

519

35

販売受託

27

28

2

不動産販売

263

251

△12

その他

30

23

△8

 

⑤ ウェルネス事業

 売上高は944億円(対前期+4.7%)、営業利益は76億円(同+18.2%)となりました。

 都市型ホテルの東急ステイにおける客室単価の上昇により増収となったことに加え、別荘・会員権販売において当期から供給を開始した「東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIALA」の会員権登録金収入や別荘地の売上があったこと等から増収増益となりました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

902

944

42

営業利益

64

76

12

 

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

 

比較

 

リゾート運営

349

354

5

(ゴルフ場、ハーヴェストクラブ、スキー場等)

オアシス

164

167

3

(フィットネスクラブ等)

シニア住宅

65

65

0

 

東急ステイ

87

100

13

(ホテル)

福利厚生代行

77

89

12

 

別荘・会員権販売

42

48

7

 

その他

119

120

1

 

 

⑥ ハンズ事業

 売上高は972億円(対前期+1.5%)、営業利益は3億円(同△76.3%)となりました。

 ㈱東急ハンズにおいて、創業40周年を契機とした様々なキャンペーンを行うとともに、ヒントショーなど独自接客コンテンツの強化を通じて「ハンズ」ブランドの価値向上に努めました。新規店舗の寄与等により増収となりましたが、既存店の減収(同△4.5%)や記念キャンペーンに伴う販促費の増加等により減益となりました

 なお、新規店舗として平成28年4月に「東急ハンズ長崎店」、10月に「東急ハンズららぽーと湘南平塚店」、「東急ハンズ金沢店」、11月に海外3店舗目となる「東急ハンズサンテックシティ店」(シンガポール)が開業いたしました。また、平成29年4月に「東急ハンズあまがさきキューズモール店」を開業するなど着実な事業拡大に努めております。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

957

972

14

営業利益

11

3

△8

 

⑦ 次世代・関連事業

 売上高は496億円(対前期△3.2%)、19億円の営業損失となりました。

 前期に海外事業において物件売却があったこと等により減収となりましたが、リフォーム・注文住宅事業における完工高増加や費用の減少等により増益となりました。

 

(億円)

 

 

前期

当期

比較

売上高

512

496

△16

営業利益

△30

△19

11

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

比較

リフォーム・注文住宅

326

354

28

造園建設

122

117

△5

海外事業等

64

24

△40

 

(2)キャッシュ・フロー

 当期における現金及び現金同等物の残高は619億円となり、前期末と比較して220億円の増加となりました。

 当期における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加△257億円、法人税等の支払△191億円等による資金減少の一方、税金等調整前当期純利益459億円、減価償却費235億円、減損損失154億円等により、689億円の資金増加となりました。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却197億円等による資金増加の一方、固定資産の取得△533億円、子会社株式の取得△188億円、有価証券の取得△120億円等により、△710億円の資金減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済△1,921億円、長期預り敷金保証金の返還△276億円、社債の償還△200億円等による資金減少の一方、長期借入金1,483億円、社債の発行600億円、短期借入金の増加325億円、長期預り敷金保証金の受入293億円等により、230億円の資金増加となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

 生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは7つの事業アプローチから人と暮らしをトータルに見つめ、お客様とともに「美しい時代へ」の理念のもと、美しい生活環境の創造を目指す総合生活産業であり、東急グループの一員として「安心と信頼」の「東急ブランド」の価値向上に努めております。

 また、安定化した成長路線を着実に「継続」することと、大きく変化を遂げるであろう事業環境に対応しながら、常に新たな事業・課題の達成に取り組み、変わりゆく時代へ挑戦を続けていくことで、株主価値の拡大を図ってまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 当社グループは、持株会社体制への移行(平成25年10月)を踏まえ、平成26年11月にグループ中長期経営計画「『Value Frontier 2020』~価値を創造し続ける企業グループへ~」(平成26年度~平成32年度)を策定、東京オリンピック開催や東急グループの総力を挙げた再開発事業の推進により渋谷駅周辺が大きな変貌を遂げる2020年度(平成32年度)までを期間とし、「関与アセット拡大」と「新たな需要創出」により「価値を創造し続ける企業グループ」を目指してまいりました。

 平成29年5月に中長期経営計画の後半4ヵ年(平成29年度~平成32年度)の中期経営計画「Value Frontier 2020 Stage2 中期経営計画2017-2020」(以下、「本計画」といいます。)を策定いたしました。

 本計画では、中長期経営計画で定めた2つの基本方針である「関与アセット拡大」および「新たな需要創出」を継続し、事業環境の変化に対応した以下3つの成長戦略を推進、さらに「事業間シナジーの取り組み強化」とともに「グループ経営資源最適化およびESGマネジメント」に注力することで、収益水準の持続的成長を図り、ハコやモノの枠を超えてライフスタイルを創造・提案する企業グループを目指します。

成長戦略① ライフスタイル提案型の街づくり

成長戦略② 循環型再投資事業の領域拡大

成長戦略③ ストックの活用強化

 

(3)経営環境

 本計画策定にあたり、当社グループにとって長期的に重要な社会課題を特定するとともに、以下の8つを特に着目すべき事業環境の変化ととらえております。事業環境が大きく変化する中で、幅広い事業領域をもつ当社グループにとっては、様々な事業機会獲得のチャンスも高まっていくものと認識しております。

・グローバルな都市間競争及び東京におけるエリア間競争の激化

・過去最低水準のキャップレート

・米国の安定的経済成長

・インバウンド需要増大

・ストック関連市場拡大

・シニア関連需要拡大

・AI/IoT等の急速な技術革新(オープンイノベーション)

・ESGに関する意識の高まり

 

(4)目標とする経営指標

 本計画の最終年度2020年度(平成32年度)に、営業利益930億円、親会社株主に帰属する当期純利益420億円、DEレシオ2.3倍程度、EBITDA倍率(有利子負債/EBITDA)10倍水準を達成することを目標指標といたしました。株主価値の向上および自己資本の拡充に向けて、当期純利益の安定的な成長を目指すとともに、渋谷駅周辺での再開発計画をはじめとした大型プロジェクトの稼働をむかえる中で、キャッシュフロー創出力の強化も図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境変動のリスク

  当社グループの取り扱う不動産賃貸業、不動産販売業、施設運営業、不動産流通事業等については、景気動向や企業業績、個人消費動向などの影響を受けやすい傾向があり、これらにより各事業における利益率の低下や収益性の悪化、保有資産の価値が下落する可能性があります。

(2) 金利変動のリスク

  当社グループは、支払利息の負担軽減と金利変動による影響を軽減するために、有利子負債の大部分を長期による借入とし、金融情勢を踏まえながら一部のプロジェクト融資では変動金利を採用し、それ以外についてはほぼ金利を固定化しております。従って、今後金利が上昇した場合、経営成績に与える影響は、短期的には比較的限定されておりますが、中長期的には大きな影響が生じる可能性があります。

(3) 法制、税制等各種規制変更のリスク

  当社グループが取り扱う各事業に関しては、各種法令や規制、税制等の規制があります。今後、これらの規制が改廃される場合や新たな規制が設けられる場合、業務範囲の拡大により新たな法的規制を受ける場合に、当社グループの事業展開、業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。

(4) 情報システムに関するリスク

  当社グループでは、情報システムの整備、活用について、そのインフラの整備拡充を行うとともに、データバックアップの確保などさまざまな安全対策を行っておりますが、万が一システムリスクが顕在化した場合には、営業活動や業務処理に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5) 株式変動のリスクについて

  当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 自然災害、人災等の発生に関するリスク

  地震、暴風雨、洪水その他の天災地変、戦争、暴動、テロ、事故、火災その他の人災等が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態の分析

(資産)

 当期末の資産残高は2兆672億円で、828億円の増加となりました。
 固定資産は有形固定資産の売却や販売用不動産への振替等により133億円減少したものの、新規投資や固定資産からの振替等により販売用不動産が増加したこと等から流動資産が961億円増加してことによるものです。

(負債)

 当期末における負債の残高は1兆6,208億円で、588億円の増加となりました。
 短期借入金、長期借入金及び社債を合わせた有利子負債が1兆1,379億円で新規投資等に伴い318億円増加したこと等によるものです。

(純資産)

 当期末における純資産の残高は4,463億円で、239億円の増加となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益として315億円計上し、利益剰余金が233億円増加したこと等によるものです。

(2)経営成績の分析

 売上高は8,085億円で、都市事業セグメントにおける投資家向けのビル等売却収益の減少等により70億円の減収となったものの、営業利益は732億円で、住宅事業セグメントにおける分譲マンションが増益となったこと、仲介事業セグメントやウェルネス事業セグメントにおける都市型ホテルの東急ステイが好調に推移したこと等から45億円の増益となりました。経常利益も636億円で73億円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は315億円で28億円の増益となりました。なお、1株当たり当期純利益は51円77銭であります。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。