文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは7つの事業アプローチから人と暮らしをトータルに見つめ、お客様とともに「美しい時代へ」の理念のもと、美しい生活環境の創造を目指す総合生活産業であり、東急グループの一員として「安心と信頼」の「東急ブランド」の価値向上に努めております。
また、安定化した成長路線を着実に「継続」することと、大きく変化を遂げるであろう事業環境に対応しながら、常に新たな事業・課題の達成に取り組み、変わりゆく時代へ挑戦を続けていくことで、株主価値の拡大を図ってまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、持株会社体制への移行(2013年10月)を踏まえ、2014年11月にグループ中長期経営計画「『Value Frontier 2020』~価値を創造し続ける企業グループへ~」(2014年度~2020年度)を策定、東京オリンピック開催や東急グループの総力を挙げた再開発事業の推進により渋谷駅周辺が大きな変貌を遂げる2020年度までを期間とし、「関与アセット拡大」と「新たな需要創出」により「価値を創造し続ける企業グループ」を目指してまいりました。
2017年5月に中長期経営計画の後半4ヵ年(2017年度~2020年度)の中期経営計画「Value Frontier 2020 Stage2 中期経営計画2017-2020」(以下、「本計画」といいます。)を策定いたしました。
本計画では、中長期経営計画で定めた2つの基本方針である「関与アセット拡大」および「新たな需要創出」を継続し、事業環境の変化に対応した以下3つの成長戦略を推進、さらに「事業間シナジーの取り組み強化」とともに「グループ経営資源最適化およびESGマネジメント」に注力することで、収益水準の持続的成長を図り、ハコやモノの枠を超えてライフスタイルを創造・提案する企業グループを目指します。
成長戦略① ライフスタイル提案型の街づくり
成長戦略② 循環型再投資事業の領域拡大
成長戦略③ ストックの活用強化
(3)経営環境
本計画策定にあたり、当社グループにおけるマテリアリティ(重要な社会課題)を特定するとともに、以下の8つを特に着目すべき事業環境の変化ととらえております。事業環境が大きく変化する中で、幅広い事業領域をもつ当社グループにとっては、様々な事業機会獲得のチャンスも高まっていくものと認識しております。
(4)目標とする経営指標
本計画のうち前半の2ヵ年が終了いたしましたが、活況なオフィス市場をはじめとする堅調な事業環境、当初の計画を上回る事業実績、2018年10月の公募増資の実施等を踏まえ、本計画の最終年度である2020年度の数値目標の見直しを行いました。また従来から公表していた指標に加え、資本政策の観点から株主価値向上の指標として、EPS及びROEの目標を追加し、数値計画については以下のとおりといたしました。
|
|
2020年度目標 (策定当初) |
2020年度目標 (見直し後) |
|
2018年度 (実績) |
|
営業利益 |
930億円 |
950億円 |
|
802億円 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
420億円 |
500億円 |
|
375億円 |
|
D/Eレシオ※1 |
2.3倍程度 |
2.3倍以下 |
|
2.3倍 |
|
EBITDA倍率※2 |
10倍水準 |
10倍水準 |
|
11.7倍 |
|
EPS※3 |
- |
69.53円 |
|
56.84円 |
|
ROE※4 |
- |
8.0%超 |
|
7.3% |
|
※1. |
D/Eレシオ |
有利子負債/自己資本 |
|
※2. |
EBITDA倍率 |
有利子負債/EBITDA(償却前営業利益) |
|
※3. |
EPS |
1株当たり当期純利益 |
|
※4. |
ROE |
自己資本利益率 |
当社グループの経営成績、財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります。
(1)経営環境変動のリスク
当社グループの取り扱う不動産賃貸業、不動産販売業、施設運営業、不動産流通事業、不動産管理事業等については、国内外の景気動向や金利動向、企業業績、個人消費動向、雇用・所得環境、不動産市況、競合環境、政府や日本銀行の政策変更、東京都心を中心とした事業エリアの状況などの影響を受けやすい傾向があり、これらにより各事業における利益率の低下や収益性の悪化、保有資産の価値が下落する可能性があります。
(2)金利変動のリスク
当社グループでは不動産の開発資金等を自己資本のほか、金融機関からの借入金や社債発行による資金調達等で対応しており、2019年3月末現在の有利子負債残高は12,898億円、D/Eレシオは2.3倍となっています。資金調達にあたっては、支払利息の負担軽減と金利変動による影響を軽減するために、有利子負債の大部分を長期による借入とし、金融情勢を踏まえながら一部のプロジェクト融資では変動金利を採用し、それ以外についてはほぼ金利を固定化しております。従って、今後金利が上昇した場合、経営成績に与える影響は、短期的には比較的限定されておりますが、中長期的には大きな影響が生じる可能性があります。
(3)法制、税制等各種規制変更のリスク
当社グループが取り扱う各事業に関しては、国内外の各種法令や規制、税制等の規制があります。今後、これらの規制が改廃される場合や新たな規制が設けられる場合、業務範囲の拡大により新たな法的規制を受ける場合に、当社グループの事業展開、業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。
(4)情報システムに関するリスク
当社グループでは、情報システムの整備、活用について、そのインフラの整備拡充を行うとともに、データバックアップの確保などさまざまな安全対策を行っておりますが、万が一システムリスクが顕在化した場合や個人情報を含む機密情報の漏えいが発生した場合には、営業活動や業務処理、当社グループの社会的信用に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)株式変動のリスクについて
当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自然災害や環境問題等の発生に関するリスク
国内外の地震、暴風雨、洪水その他の天災地変、戦争、暴動、テロ、事故、火災その他の人災等が発生した場合や環境問題、不動産の瑕疵が判明した場合または人口の変動が極端に進んだ場合等には、保有資産の毀損や補償の義務履行等に関連して紛争が発生する等、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)不動産等の開発等に関するリスク
当社グループが不動産等の開発等を行う場合、国内外の様々な事由により当初計画通りに進捗せず、プロジェクトの遅延や計画変更等を余儀なくされる可能性があるほか、不動産開発においては、建設会社等の第三者に業務を委託している等、取得・開発コストの上昇や工事等の不備等を含む多くの外部要因に左右され、想定外の費用の発生または開発計画の遅延、変更もしくは中止を余儀なくされる可能性があります。
以上のような状況になった場合、中期経営計画の目標指標の達成や当社グループの業績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
財政状態
当期末の資産残高は2兆4,052億円で、現金及び預金や仕掛販売用不動産の増加等により前期末から合計2,320億円増加、当期末の負債残高についても1兆8,366億円、有利子負債の増加等から前期末から合計1,387億円増加しております。当期末の純資産残高については5,687億円、2018年10月に実施した公募増資に伴い資本剰余金及び資本金が増加し、合計934億円増加しております。
経営成績
当期の業績は、売上高9,019億円(対前期+4.1%)、営業利益802億円(同+3.5%)、経常利益707億円(同+3.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益375億円(同+6.5%)となりました。
不動産市況が堅調に推移する中、都市事業セグメントにおける投資家向けのビル等売却収益の減少や、住宅事業セグメントにおける分譲マンションの計上戸数の減少に伴う減収がありましたが、ウェルネス事業セグメントにおける新規施設の引渡し及び物件売却収益の増加、仲介事業セグメントの好調等により増収増益となりました。
|
|
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
売上高 |
8,661 |
9,019 |
358 |
|
営業利益 |
775 |
802 |
27 |
|
経常利益 |
687 |
707 |
21 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
352 |
375 |
23 |
|
|
|
|
|
|
有利子負債 |
12,104 |
12,898 |
794 |
<セグメント別業績>
|
売上高 |
|
|
(億円) |
|
営業利益 |
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
合計 |
8,661 |
9,019 |
358 |
|
合計 |
775 |
802 |
27 |
|
都市 |
2,698 |
2,564 |
△133 |
|
都市 |
507 |
499 |
△9 |
|
住宅 |
1,235 |
1,214 |
△21 |
|
住宅 |
76 |
54 |
△22 |
|
管理 |
1,609 |
1,739 |
130 |
|
管理 |
82 |
86 |
4 |
|
仲介 |
993 |
1,189 |
195 |
|
仲介 |
132 |
139 |
7 |
|
ウェルネス |
970 |
1,239 |
269 |
|
ウェルネス |
58 |
79 |
20 |
|
ハンズ |
971 |
974 |
3 |
|
ハンズ |
4 |
8 |
3 |
|
次世代・関連 |
417 |
416 |
△1 |
|
次世代・関連 |
△22 |
9 |
32 |
|
全社・消去 |
△233 |
△316 |
△83 |
|
全社・消去 |
△63 |
△71 |
△8 |
イ.都市事業
売上高は2,564億円(対前期△4.9%)、営業利益は499億円(同△1.7%)となりました。
既存物件での賃貸収益の改善があったものの、投資家向けのビル等売却収益の減少や前期に売却した物件の逸失利益、再開発事業における費用の増加等により減収減益となりました。
なお、空室率(オフィスビル・商業施設)は0.4%と引き続き旺盛な需要に支えられ低水準を維持しております。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
売上高 |
2,698 |
2,564 |
△133 |
|
営業利益 |
507 |
499 |
△9 |
|
売上高内訳 |
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
賃貸(オフィスビル) |
379 |
368 |
△11 |
|
賃貸(商業施設) |
429 |
415 |
△14 |
|
資産運用等 |
1,073 |
899 |
△175 |
|
住宅賃貸等 |
816 |
882 |
66 |
賃貸床面積・空室率(オフィスビル・商業施設)
|
|
2016年3月期末 |
2017年3月期末 |
2018年3月期末 |
2019年3月期末 |
|
賃貸床面積(㎡) |
975,792 |
892,854 |
910,774 |
883,975 |
|
空室率 |
0.9% |
2.0% |
0.5% |
0.4% |
ロ.住宅事業
売上高は1,214億円(対前期△1.7%)、営業利益は54億円(同△29.4%)となりました。
投資家向け賃貸住宅の売却収益の増加はあったものの、分譲マンションの計上戸数の減少に伴い減収減益となりました。販売については引き続き堅調に推移しており、マンションの次期売上予想に対する契約済み割合は54%(+22P)となっております。
なお、当期において分譲マンションは「ブランズ六番町」(東京都千代田区)、「ブランズ二子玉川テラス」(東京都世田谷区)、「ブランズ六本木 ザ・レジデンス」(東京都港区)、「ブランズ天王寺国分町」(大阪府大阪市)等を計上いたしました。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
通期予想 |
対予想 |
|
売上高 |
1,235 |
1,214 |
△21 |
|
1,245 |
△31 |
|
営業利益 |
76 |
54 |
△22 |
|
50 |
4 |
|
売上高内訳 |
(消去前・億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
||
|
マンション |
1,627戸 |
955 |
1,266戸 |
861 |
△94 |
|
戸建 |
71戸 |
31 |
111戸 |
22 |
△9 |
|
その他 |
- |
250 |
- |
331 |
81 |
|
供給販売戸数 |
|
|
|
前期 |
当期 |
完成在庫数 |
|||
|
新規供給 |
契約戸数 |
新規供給 |
契約戸数 |
2018年3月期末 |
2019年3月期末 |
|
|
マンション |
1,491戸 |
1,394戸 |
1,598戸 |
1,680戸 |
629戸 |
497戸 |
|
戸建 |
74戸 |
91戸 |
56戸 |
59戸 |
6戸 |
7戸 |
ハ.管理事業
売上高は1,739億円(対前期+8.0%)、営業利益は86億円(同+4.4%)となりました。
㈱東急コミュニティーにおけるマンション及びビル等の管理ストック拡大による管理収益の増加に加え、リフォーム事業の強化・拡大を目的に設立された㈱東急Re・デザインが2017年10月から営業を開始、ビル等の工事売上が増加したこと等により増収増益となりました。
なお、2019年3月末のマンション管理ストックは831千戸(うち総合管理戸数525千戸)と着実に拡大しております。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
通期予想 |
対予想 |
|
売上高 |
1,609 |
1,739 |
130 |
|
1,742 |
△3 |
|
営業利益 |
82 |
86 |
4 |
|
84 |
2 |
|
売上高内訳 |
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
マンション |
1,116 |
1,173 |
57 |
|
ビル等 |
493 |
566 |
72 |
|
期末管理物件数 |
|
|
|
|
|
|
2016年3月期末 |
2017年3月期末 |
2018年3月期末 |
2019年3月期末 |
|
マンション(戸) |
715,660 |
741,624 |
822,231 |
831,684 |
|
ビル (件) |
1,453 |
1,483 |
1,500 |
1,540 |
ニ.仲介事業
売上高は1,189億円(対前期+19.6%)、営業利益は139億円(同+5.1%)となりました。
東急リバブル㈱における売買仲介については、不動産流通市場が引き続き堅調に推移する中、リテール部門を中心に取引件数・成約価格が上昇いたしました。また売買仲介の売上増加に加え、買取再販事業と投資用一棟レジデンス等の不動産販売での売上増加等により増収増益となりました。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
通期予想 |
対予想 |
|
売上高 |
993 |
1,189 |
195 |
|
1,080 |
109 |
|
営業利益 |
132 |
139 |
7 |
|
140 |
△1 |
|
売上高内訳 |
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
売買仲介 |
549 |
577 |
28 |
|
販売受託 |
27 |
33 |
7 |
|
不動産販売 |
390 |
557 |
167 |
|
その他 |
27 |
21 |
△6 |
ホ.ウェルネス事業
売上高は1,239億円(対前期+27.7%)、営業利益は79億円(同+35.1%)となりました。
別荘・会員権販売が2018年7月に開業した会員制リゾートホテルの「東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIALA」(長野県北佐久郡)の共有持分引渡しや物件売却の実施により増収となったことに加え、都市型ホテルの東急ステイにおける新規稼働等により増収増益となりました。
新規施設としては「東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIALA」のほか、8月にリゾートホテルの「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」(沖縄県国頭郡)が開業、東急ステイも「東急ステイ札幌」(北海道札幌市)を始めとして計5店舗が開業し、着実に事業を拡大しております。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
通期予想 |
対予想 |
|
売上高 |
970 |
1,239 |
269 |
|
1,247 |
△8 |
|
営業利益 |
58 |
79 |
20 |
|
76 |
2 |
|
売上高内訳 |
|
(億円) |
|
|
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
|
リゾート運営 |
363 |
373 |
10 |
(ゴルフ場、ハーヴェストクラブ、スキー場等) |
|
オアシス |
171 |
179 |
8 |
(フィットネスクラブ等) |
|
シニア住宅 |
75 |
79 |
4 |
|
|
東急ステイ |
106 |
133 |
27 |
(都市型ホテル) |
|
福利厚生代行 |
92 |
97 |
5 |
|
|
別荘・会員権販売 |
25 |
219 |
194 |
|
|
その他 |
138 |
159 |
22 |
|
ヘ.ハンズ事業
売上高は974億円(対前期+0.3%)、営業利益は8億円(同+83.6%)となりました。
㈱東急ハンズにおいて既存店は減収(同△2.1%)となったものの、新店の開業や費用削減により増収増益となりました。なお、新規店舗として2018年4月に「東急ハンズ国分寺店」(東京都国分寺市)、2018年11月「東急ハンズ高崎店」(群馬県高崎市)が開業、店舗網の充実に努めております。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
通期予想 |
対予想 |
|
売上高 |
971 |
974 |
3 |
|
987 |
△13 |
|
営業利益 |
4 |
8 |
3 |
|
7 |
0 |
ト.次世代・関連事業
売上高は416億円(対前期△0.3%)、9億円の営業利益となりました。
2017年10月からリフォーム事業の一部を管理事業セグメントに移管した影響等により減収となりましたが、海外事業での物件売却の増加及びインドネシアでの分譲マンションの新規計上等により増益となりました。
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
通期予想 |
対予想 |
|
売上高 |
417 |
416 |
△1 |
|
491 |
△76 |
|
営業利益 |
△22 |
9 |
32 |
|
9 |
0 |
|
売上高内訳 |
|
|
(億円) |
|
|
前期 |
当期 |
比較 |
|
リフォーム・注文住宅 |
263 |
194 |
△69 |
|
造園建設 |
120 |
130 |
10 |
|
海外事業等 |
34 |
93 |
59 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,848億円となり、前連結会計年度末と比較して1,231億円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加△556億円、法人税等の支払△184億円等による資金減少の一方、税金等調整前当期純利益612億円、減価償却費246億円、受託販売預り金238億円等により、445億円の資金増加となりました。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却378億円等による資金増加の一方、固定資産の取得△750億円、有価証券及び投資有価証券の取得△247億円等により、△604億円の資金減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済△1,523億円、長期預り敷金保証金の返還△152億円、社債の償還△101億円等による資金減少の一方、長期借入金2,132億円、株式の発行472億円、長期預り敷金保証金の受入245億円、社債の発行200億円、自己株式の処分による収入191億円等により、1,391億円の資金増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.中期経営計画の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2019年5月に中期経営計画「Value Frontier 2020 Stage2 中期経営計画2017-2020」については、下記のとおり見直しを行いました。
|
|
2020年度目標 (策定当初) |
2020年度目標 (見直し後) |
|
2018年度 (実績) |
|
営業利益 |
930億円 |
950億円 |
|
802億円 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
420億円 |
500億円 |
|
375億円 |
|
D/Eレシオ※1 |
2.3倍程度 |
2.3倍以下 |
|
2.3倍 |
|
EBITDA倍率※2 |
10倍水準 |
10倍水準 |
|
11.7倍 |
|
EPS※3 |
- |
69.53円 |
|
56.84円 |
|
ROE※4 |
- |
8.0%超 |
|
7.3% |
|
※1. |
D/Eレシオ |
有利子負債/自己資本 |
|
※2. |
EBITDA倍率 |
有利子負債/EBITDA(償却前営業利益) |
|
※3. |
EPS |
1株当たり当期純利益 |
|
※4. |
ROE |
自己資本利益率 |
当連結会計年度における営業利益は802億円、親会社株主に帰属する当期純利益375億円、D/Eレシオ2.3倍、EBITDA倍率11.7倍となりました。事業全体としては、2019年度に開業を予定している渋谷フクラス(道玄坂一丁目駅前地区第一種市街地再開発事業)や2020年度竣工予定の「(仮称)竹芝地区開発計画(業務棟)」等の工事・リーシング活動が順調に進捗するなど、本計画目標値の達成に向けて順調に推移していると判断しております。
ロ.経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における我が国経済は、堅調な企業収益や雇用の着実な改善等を背景に緩やかな回復が続いたものの、海外経済の不確実性などから、期末にかけては輸出や生産の一部に弱さも見られました。不動産業におきましては、オフィスビル市場は、就業者数の増加等に伴う企業の活発な増床・拡張需要から、空室率の低下や賃料水準の上昇傾向が継続しております。不動産投資市場は、金融緩和による良好な資金調達環境のもと、投資家の物件取得意欲は引き続き旺盛で、厳しい物件取得競争のなか売買価格の高止まりが続き、また、分譲住宅市場は、販売価格が高値圏で推移するなかでも、都心や駅前再開発などの立地・利便性に優れた物件を中心に堅調な需要が見られました。
そのような事業環境の中、当連結会計年度の経営成績は、売上高9,019億円(対前期+4.1%)、営業利益802億円(同+3.5%)、経常利益707億円(同+3.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益375億円(同+6.5%)となりました。不動産市況が堅調に推移する中、都市事業セグメントにおける投資家向けのビル等売却収益の減少や、住宅事業セグメントにおける分譲マンションの計上戸数の減少に伴う減収がありましたが、ウェルネス事業セグメントにおける新規施設の引渡し及び物件売却収益の増加、仲介事業セグメントの好調等により増収増益となりました。
また、財政状態については、当期末の資産残高は2兆4,052億円で、現金及び預金や仕掛販売用不動産の増加等により前期末から合計2,320億円増加、当期末の負債残高についても1兆8,366億円、有利子負債の増加等から前期末から合計1,387億円増加しております。当期末の純資産残高については5,687億円、2018年10月に実施した公募増資に伴い資本剰余金及び資本金が増加し、合計934億円増加しております。
当社グループでは、2017年5月に策定した中期経営計画「Value Frontier 2020 Stage2 中期経営計画2017-2020」(以下、「本計画」といいます。)での「関与アセット拡大」および「新たな需要創出」といった基本方針のもと、事業環境の変化に対応した以下3つの成長戦略を推進しております。
成長戦略① ライフスタイル提案型の街づくり
成長戦略② 循環型再投資事業の領域拡大
成長戦略③ ストックの活用強化
本計画の2ヵ年を終了した当連結会計年度末現在において、本計画における成長戦略はおおむね計画通りに進捗していると判断しておりますが、主力事業セグメントである都市事業・住宅事業・管理事業・仲介事業における本計画の達成状況及び経営成績の状況については以下のとおりです。
・都市事業セグメント
当期の業績は、売上高は2,564億円(対前期△4.9%)、営業利益は499億円(同△1.7%)、既存物件での賃貸収益の改善があったものの、投資家向けのビル等売却収益の減少や前期に売却した物件の逸失利益、再開発事業における費用の増加等により減収減益となりました。その一方で、本計画における成長戦略①ライフスタイル提案型の街づくり(広域渋谷圏構想)にそって、2019年3月に竣工を迎えた渋谷ソラスタや2019年10月に竣工予定の渋谷フクラス等の着実な工事とリーシング等を進めました。また成長戦略②の循環型再投資事業の領域拡大についても、太陽光発電事業等の再生可能エネルギー分野や物流施設といったインフラ関連への投資を行い、本計画での成長戦略への取り組みが進捗しております。
・住宅事業セグメント
当期の業績は、売上高は1,214億円(対前期△1.7%)、営業利益は54億円(同△29.4%)、投資家向け賃貸住宅の売却収益の増加はあったものの、分譲マンションの計上戸数の減少に伴い減収減益となりましたが、住宅ブランド「BRANZ(ブランズ)」の浸透に取り組むほか、本計画における成長戦略①ライフスタイル提案型の街づくり(世代循環型の街づくり)にそって複合再開発案件などの取り組みを強化いたしました。また、成長戦略②の循環型再投資事業の領域拡大についても、2016年10月より連結子会社となった㈱学生情報センターとのシナジーを活かして学生レジデンス事業の展開を強化、成長戦略への取り組みが進捗いたしました。
・管理・仲介事業セグメント
当社グループでは、フロー型社会からストック型社会への環境変化を捉え、お客様との接点をもとにしたストックからの事業機会を最大限に取り込むべく、成長戦略③としてストックの活用強化を掲げ、管理・仲介事業の強化を図っております。
管理事業においては管理ストックの拡大を図っております。当期の業績は、売上高は1,739億円(対前期+8.0%)、営業利益は86億円(同+4.4%)となりました。㈱東急コミュニティーにおけるマンション及びビル等の管理ストック拡大による収益の増加に加え、リフォーム事業の強化・拡大を目的に設立された㈱東急Re・デザインが2017年10月から営業を開始、ビル等の完工高が増加したこと等により増収増益となりました。
仲介事業においては、東急リバブル㈱において引き続き新規店舗の出店やサービスメニューの拡充・強化に努めました。当期の業績は、売上高は1,189億円(対前期+19.6%)、営業利益は139億円(同+5.1%)となりました。不動産流通市場が引き続き堅調に推移する中、リテール部門を中心に取引件数・成約価格が上昇いたしました。また、売買仲介の売上増加に加え、買取再販事業と投資用一棟レジデンス等の不動産販売での売上増加等により増収増益となりました。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、都市事業セグメントにおけるオフィスビルや商業施設、再生可能エネルギー施設等の取得・開発資金やウェルネス事業セグメントにおけるリゾート施設等の取得・開発資金であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行による資金調達等にて対応していくこととしております。また、手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当社は大規模再開発が進行中である広域渋谷圏への継続的投資を目的とし、2023年度までに3,500億円の投資計画を設定したことにより、2018年10月に公募増資等を実施いたしました。
当連結会計年度においては、オフィスビルや商業施設などの固定資産への投資や有価証券及び投資有価証券の取得といった投資活動によるキャッシュ・フローが604億円の資金減少となりましたが、営業活動によるキャッシュ・フロー445億円と借入金及び公募増資による資金調達といった財務活動によるキャッシュ・フロー1,391億円で充当し、現金等の期末残高が1,848億円となりました。
また、来期においても都市事業セグメントにおいて渋谷再開発計画の建築工事金をはじめとしたオフィスビルや商業施設等への投資が計画されておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、借入金の調達等の財務活動によるキャッシュ・フローで対応していく予定です。
該当事項はありません。
該当事項はありません。