第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります。

 

(1)長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の策定について

 2021年5月に長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を策定、公表しました。将来の長期的な経営環境について、新型コロナウイルスのパンデミックや急激なデジタル化の加速、脱炭素社会の進展、生活スタイルの多様化など、「VUCA※」といわれる不確実で先が読みにくい時代が続くものと認識しています。このような環境認識のもと、サステナブルな成長を実現するため、従来型の積み上げ型による計画ではなく、バックキャスト発想で10年後の当社グループのありたい姿を見定め、長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の策定と理念体系の再整理を行いました。

※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなげた言葉で、予測不可能な社会経済環境を指す。

 

① 長期ビジョンスローガン「WE ARE GREEN」について

 コーポレートカラーであるグリーンを基調に、当社グループの事業や人財の多様性をグラデーションで表し、多様なグリーンの力で、2030年にありたい姿を実現していく姿勢を表現しています。グリーンは環境への取り組みやサステナビリティの象徴であるとともに、当社グループがめざす「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来」の象徴でもあります。「WE ARE GREEN」を旗印に、多様なグリーンの力を融合させ、魅力あふれる多彩なライフスタイルを創造していきます。

 

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② 理念体系

 当社グループの成り立ちを踏まえて理念体系を再定義し、「ありたい姿」、「社会との約束」、「創業の精神」を規定しております。

 ありたい姿は、「価値を創造し続ける企業グループへ」を継続して掲げます。そして、「魅力あふれる多彩なライフスタイルの創造を通じて、誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来を実現すること」が、社会的使命(ミッション)です。

 社会との約束では、6つのステークホルダーへの約束を定義しました。当社グループは、あらゆるステークホルダーの満足度の総和が企業価値になると考えています。

 

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③ マテリアリティ

 ありたい姿で規定した「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来の実現」に向け、「個人」「社会」「環境」それぞれの未来の理想像を描き、それらを実現するための4つの取り組みテーマ「多彩なライフスタイルをつくる」、「ウェルビーイングな街と暮らしをつくる」、「サステナブルな環境をつくる」、「デジタル時代の価値をつくる」をマテリアリティとして定めています。

 上記の4つの事業基盤に関するマテリアリティに加え、「多様な人財が活きる組織風土をつくる」、「成長を加速するガバナンスをつくる」の経営基盤に関するマテリアリティの2つを設定し、当社グループがめざす未来を実現するために、6つのマテリアリティに取り組んでまいります。

 

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④ 「GROUP VISION 2030」の位置づけ

 「GROUP VISION 2030」策定時の課題として4点を認識しております。順調な投資によるBS拡充の一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響により収益水準が低下した事業もあり、「BSマネジメントによる効率性向上」と、「強固な事業ポートフォリオ構築」が課題です。管理運営等の人手に頼った事業では、人手不足等の影響に左右されにくい体質へ転換するため、「労働集約型からの脱却」を進めることや、デジタル化など事業の高度化、複雑化への対応が急務であり、「自前主義の脱却、人財育成」に取り組むことも重要な課題です。

 4つの課題認識を踏まえ、2030年までの10年間のうち、前半期を「再構築フェーズ」として、アフターコロナの再成長に向けた稼ぐ力と効率性向上への取り組み期間とします。後半期では「強靭化フェーズ」として、新領域での事業育成など強固な事業基盤の確立を目指し、その後のサステナブルな成長につなげてまいります。

 

(2)長期経営方針について

 「GROUP VISION 2030」では、現状の課題認識を踏まえ、長期視点であらゆる事業を見直すとともに、経営の羅針盤となる考え方を明確化することで、サステナブルな成長を実現してまいります。

 グループの特色を強みに変えるため、全社方針として、「環境経営」と「DX」に取り組み、また、関与アセット拡大モデルの進化のため、知的資産の活用とパートナー共創を進め、強固で独自性ある事業ポートフォリオを構築します。ROE向上、EPS成長、ひいては株主価値・企業価値の向上を実現します。

 

① 全社方針

 イ.環境経営

 環境ビジョンに基づき、脱炭素社会、循環型社会の実現に向けた「クリーンエネルギー普及など、すべての事業を通じた環境負荷低減」と、ライフスタイル「環境に寄与する快適な街と暮らしの創造」に取り組みます。

 気候変動に関する目標については、自社のCO2排出については2025年カーボンマイナスへの貢献を実現します。カーボンマイナスについては、当社グループの強みである再生可能エネルギー事業によるCO2削減量が自社のCO2排出量を上回ることでグループ全体の2025年度の実現をめざす、当社独自の目標となっております。また、サプライチェーンのスコープ3まで含めたCO2については、科学的根拠に基づく削減目標のSBT1.5℃の認定を取得し2030年に実現、2050年ネットゼロエミッション達成をめざします。2100年に気候変動を1.5℃に抑える「1.5℃目標」は、パリ協定において「努力目標」とされるハードルの高い目標設定ですが、強い決意を持って取り組み、環境の取組みについては業界をリードしていきたいと考えております。

 

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ロ.DX

 もう一つの全社方針の「DX」では、3つの施策を推進します。

 ビジネスプロセスでは業務フローの電子化・業務自動化など、「省力化推進による創造的業務への転換」、CX(カスタマーエクスペリエンス)では、オンラインとオフラインの融合(いわゆるOMO)の推進など「顧客接点の高度化による感動体験の創出」、イノベーションでは「知的資産活用による新しい価値創造」を通じて、デジタル活用による事業の変革に取り組みます。

 当社グループは多くのBtoC事業を手掛けていることから豊富なお客さま接点を有しており、DXに取り組むことで新たな付加価値を提供できるものと考えております。BtoC事業を強みに変革するためにDXを推進いたします。

 

② 目標指標

 2030年度の目標指標は、マテリアリティごとにそれぞれのKPIを定めております。

 また財務指標としては、2030年度のありたい姿として、ROE10%以上、ROA5%以上、D/Eレシオ2.0倍以下、営業利益1,500億円以上、当期純利益750億円以上を参考指標として掲げました。なお、2030年度のありたい姿の具現化に向けて、「GROUP VISION 2030」に沿った中期経営計画を策定いたしました。

 

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(3)「中期経営計画2025」の策定について

 2022年5月に2025年度を目標年度とする「中期経営計画2025」を策定、公表いたしました。

 本計画は、長期経営方針における「再構築フェーズ」と位置付け、長期経営方針で定めた全社方針および事業方針に従い、アフターコロナの再成長に向けた稼ぐ力と効率性の向上を推進し、強固で独自性ある事業ポートフォリオの構築、ありたい姿の実現をめざします。

 

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①中期経営計画2025の概要

長期経営方針で定めた全社方針「環境経営」「DX」を通じた独自性のある価値創出を図ります。資産活用型ビジネス(都市開発事業/戦略投資事業)では、「資金の効率的投資や共創型開発等を通じた資産効率性の向上」、人財活用型ビジネス(管理運営事業/不動産流通事業)では、「労働集約型からの脱却と知的資産の有効活用による生産性の向上」をそれぞれ推進しつつ、DXを通じてグループのサービスをつなぐことで新たな収益モデルの確立、環境を起点とした事業機会を拡大し、グループの特色を強みに変えてまいります。

 

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②経営基盤の強化

 長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の達成に向けた経営基盤の強化を着実に推進いたします。財務資本戦略では、最適な財務資本構成のもと効率性を意識した利益成長の実現に向けた施策を実施していきます。人財・組織風土では、多様な人財が活躍できる組織づくりや健康経営の促進などによる働きがい・働きやすさの向上に加え、サプライチェーンの人権配慮にも取り組みます。ガバナンスでは、公正かつ透明性の高いガバナンス体制の構築に向けて、役員報酬制度の見直しや指名・報酬委員会の独立性強化などを推進します。

 

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③事業ポートフォリオマネジメント

 強固で独自性のある事業ポートフォリオの構築に向け、定量評価と定性評価の2軸で主要事業を評価し、各事業の方向性を「推進」「修正して推進」「抜本的再構築」に整理いたしました。「抜本的な再構築」と位置付けたハンズ事業は新しいパートナーへ株式を譲渡、レジャー事業は、TCFDシナリオなども踏まえ、アセットライト化を推進いたします。「修正して推進」とのボーダーに配置しているヘルスケア事業のフィットネス事業は、コロナ後の会員数回復は限定的となる想定のもと、店舗事業を中心に抜本的な再構築を進めます。商業施設事業は、EC化の進展に伴い、都心施設を中心に体験型消費・共感型消費に対応する施設への転換や、資産ポートフォリオの入れ替えを推進していく方針です。

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④2025年度の目標指標

 マテリアリティに基づき、財務・非財務を統合した目標指標を定めております。2025年度の財務指標は、効率性指標としてROE9%、ROA4%、EPS90円以上、利益目標として営業利益1,200億円、当期純利益650億円、財務健全性としてD/Eレシオ2.2倍以下、EBITDA倍率10倍以下の達成をめざします。

 また、効率性向上のKPIとして、資産活用型ビジネスのROA目標を3.6%と設定しております。大型開発案件の稼働、高効率な再生可能エネルギー事業の拡大、回転型事業の強化により実現します。人財活用型ビジネスでは、観光需要の回復やDXによる省力化・省人化を図り、営業利益率の目標を8.1%と設定しております。

 

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⑤キャピタルアロケーション

 2025年度末のD/Eレシオは2.2倍以下を前提として、ネット投資額は5,700億円の計画としています。グロス投資額は2兆2,000億円、そのうち2兆円を資産活用型の都市開発および戦略投資事業に投下する計画です。資産活用型事業の期待リターン目線として、保有型事業ではNOI利回り5.0%前後、回転型事業ではIRR6.5%前後を目指します。なお、記載の投資額は2021年度~2025年度の5年累計の数値です。

 

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(4)経営環境及び対処すべき課題

 長期経営方針の策定に伴い、2022年3月期より事業セグメントを旧来の7セグメントから4セグメントに集約再編しました。人財と資産活用の観点から事業を分け、社会的役割の親和性が高い事業領域に区分してセグメントを管理していきます。

 資産活用型ビジネスの都市開発事業及び戦略投資事業では、効率的投資や共創型開発等により資産効率性の向上を図りつつ、当社グループの強みである幅広いアセットの活用、事業プロデュース力を活かした施策を展開いたします。人財活用型ビジネスの管理運営事業及び不動産流通事業では、労働集約型からの脱却、知的資産の有効活用による生産性向上を図りつつ、当社グループの強みである豊富なお客さまとの接点、人財と運営ノウハウを活用した事業拡大を推し進めてまいります。

 

 また、事業環境認識について、長期経営方針で示した長期的な環境認識の視点に加え、コロナ禍での影響も加味した事業環境の変化として、「脱炭素化の加速/環境課題の多様化」、「デジタル化の加速」、「金融・経済の動向」、「ライフスタイルの多様化」の4点に着目しております。

 

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① 都市開発事業セグメント

 都市開発事業セグメントでは、独自性ある施設づくりと事業推進力、再開発・エリアマネジメントのノウハウ、総合デベロッパーの強みを活かし、まちのにぎわいを創出して、社会課題や地域課題の解決に貢献する「再開発事業や複合開発の強化」と、ライフスタイルの変化をとらえた「CX(カスタマー・エクスペリエンス)を高める都市ライフの提案」を推進します。

 

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② 戦略投資事業セグメント

 戦略投資事業セグメントでは、既に1GW超の発電能力を有する再生可能エネルギー事業、業界トップクラスのREIT・私募ファンド運用資産額、海外における自社開発の実績とノウハウを活かし、エネルギー政策、産業構造の変化なども踏まえ、「再生可能エネルギー事業の拡大」、「物流・産業施設の高度化」、「投資領域および規模の拡大」を推進します。

 

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③ 管理運営事業セグメント

 管理運営事業セグメントでは、業界トップクラスの管理戸数と幅広い管理領域、専門性の高い人財と運営ノウハウ、豊富なお客さま接点・地域接点を活かし、デジタル基盤整備による「管理業のソリューション提供型モデルへの進化」、顧客体験価値向上に取り組みながら「新たなウェルネス事業モデルの構築」を推進し、労働集約型から知的資産集約型への転換を図ります。

 

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④ 不動産流通事業セグメント

 不動産流通事業セグメントでは、高いブランド力と豊富なお客さま接点、豊富な不動産流通情報と情報加工力、多様なニーズに対するオーナー提案力を活かし、情報の最有効活用・提案力の強化やオペレーションの効率化などを進め「情報価値の変化を見据えた不動産仲介事業モデルの進化」、DXによる生産性向上と付加価値提案強化により「賃貸住宅サービス事業の規模拡大および効率性向上」を推進いたします。

 

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⑤ サステナビリティ戦略について

 E(環境)の分野においては、RE100への加盟やTCFDの提言への賛同を行い、気候変動についてのシナリオ分析に基づくリスクと事業機会の検証を実施しています。東急不動産は、2019年4月に不動産業では初となるRE100に加盟し、2021年2月にRE100の達成目標を2050年から2025年に大幅に前倒ししました。また2021年4月から、「渋谷ソラスタ」を含む本社事業所及び「広域渋谷圏」のオフィスビル・商業施設の計17施設で使用する電力の再生可能エネルギーへの切り替えをスタートし、本中期経営計画では、RE100の達成目標をさらに前倒して2022年としています。当社グループは、今後も再生可能エネルギー事業への取り組みを通じ、サステナブルな社会の実現に取り組んでまいります。

 S(社会)の分野では、働き方改革の推進に加え、2019年度に「東急不動産ホールディングスグループ 人権方針」及び「東急不動産ホールディングス サステナブル調達方針」の策定を行いました。当社グループでは、社会とともに、当社グループの持続的な成長を実現するための取り組みを進めています。

 G(ガバナンス)の分野では、サステナブルな成長に資するガバナンス体制へ継続的に改善しております。公正かつ透明性の高いガバナンス体制の構築に向けて、役員報酬制度の見直しや、指名・報酬委員会の独立性強化などを推進しています。2022年6月28日現在の取締役会の構成は、社外取締役38%となっております。また指名・報酬委員会は委員長を含む3名が社外取締役となっており、社外取締役の割合が過半数となっています。

 取り組みの社外評価として、GPIFが採用するESG銘柄全てに選定されているほか、ダウ・ジョーンズなど主要なESGインデックスに組み入れられており、高い評価を得ています。2022年3月期は、CDPにおいて、気候変動対策が初めてAリストに選定されました。さらに健康経営銘柄についても3期連続で選定を受けました。当社は引き続き、グループ全体でサステナブルな成長に向けて取り組みを進めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります。

 

(1)経営に重要な影響を及ぼすと想定されるリスク

 当社グループでは、「リスク管理基本規程」において、グループ各社の経営目標の達成を阻害する事象として7つの個別リスク(投資リスク、財務資本リスク、人事労務リスク、法務コンプライアンスリスク、IT戦略リスク・デジタル戦略リスク、情報セキュリティリスク、危機管理対応)を定め、加えて、重要性の高いリスクとして気候変動リスクを重要リスクとして認識しております。

 また「GROUP VISION 2030」において定めた6つのマテリアリティについて、機会及びリスクと、それに関連する重要リスクの特定を行いました。

 

マテリアリティ

主な機会とリスク

(○機会、●リスク)

主な変動要因

重要リスク

多彩なライフスタイルをつくる

○あらゆる生活シーンの融合
●消費者ニーズとのミスマッチ

・景気動向、不動産市況

・競合企業動向

・金融市場(金利、株価)

・消費者動向

投資リスク
財務資本リスク

ウェルビーイングな街と暮らしをつくる

○コミュニティ形成の重要性増大
○防災・減災ニーズの高まり
●都市間競争における劣後
●資産の維持管理不足により価値低下

サステナブルな環境をつくる

○脱炭素・循環型社会への対応ニーズ拡大
●気候変動・災害激甚化
●環境規制強化等によるコスト増

・移行リスク:炭素税など法規制の厳格化等

・物理リスク:建物被害や気温上昇による施設運営影響等

気候変動リスク

デジタル時代の価値をつくる

○toC接点活用の重要性増大
●既存事業のディスラプター出現

・デジタル技術・企業等の動向

IT戦略リスク・

デジタル戦略リスク

多様な人財が活きる組織風土をつくる

○多様な人財によるイノベーション創発
●人材獲得市場における競争激化

・人材の確保、育成

・長時間労働

人事労務リスク

成長を加速するガバナンスをつくる

○透明性向上によるステークホルダーとの関係強化
●法令違反、セキュリティ体制等不備による損失、信用低下

・サイバー攻撃

・安全対策、BCPの不備

・役職員の不正、法令違反

・取締役会の実効性

情報セキュリティリスク
危機管理対応
法務コンプライアンスリスク

 

 なお、これらのリスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合に当社グループの経営成績及び財務状況等に与える影響の定量的な内容については、合理的な予見が困難であるため記載しておりません。

 各リスクについての考え方は以下のとおりとなります。

 

① 投資リスク

 当社グループの事業の中で投資を伴う資産活用型の事業である都市開発事業セグメント、戦略投資事業セグメント等においては、国内外の景気動向や企業業績、個人消費動向、不動産市況、競合環境、政府や日本銀行の政策変更、東京都心を中心とした事業エリアの状況等の影響を受けやすい傾向があり、これらにより各事業における利益率の低下や収益性の悪化、保有資産の価値が下落する可能性があります。

 当該リスクについては当社のグループ経営企画部を主管部署とし、投資対象アセットごとのリスクファクターを定めた上でVaR値を算出、継続的なモニタリングを行うことでリスク量の管理を行っております。

② 財務資本リスク

 当社グループでは不動産の開発資金等を自己資本及び、金融機関からの借入金や社債発行による資金調達等で対応しております。今後金利が上昇した場合や株価が著しく下落した場合には、経営成績及び財務状況等に対して大きな影響を与える可能性があります。

 金融機関等からの資金調達については、金利変動による影響を軽減するため、有利子負債の大部分を長期による借入とし、さらに金融情勢を踏まえながら一部のプロジェクト融資以外については大部分の金利を固定化し、今後金利が上昇した場合の経営成績に与える影響を最小限に抑える取り組みを行っております。なお、当連結会計年度末の有利子負債における長期比率は96.8%、固定比率は94.1%です。また、当社のグループ財務部を主管部署とし、金融市場の動向分析及び金利上昇時の当社への影響の定量的なシミュレーションを行っております。

 自己資本については、資本市場の動向分析を行うとともに、IR活動による株主・投資家との対話内容の取締役会等へのフィードバック等を実施しており、引き続き株価の適正化を図ってまいります。

 

③ 気候変動リスク

 当社グループでは1998年に定めた環境ビジョンに基づき、事業活動を通じて、継続的に環境課題への取り組みを推進しており、中でも気候変動については重要な課題であると認識しています。気候変動における移行リスクと物理リスクは、当社グループの事業への影響を及ぼす可能性があります。移行リスクとしては、炭素税など法規制の厳格化といった政策動向の変化、低炭素社会に対応できない企業に対する需要低下やレピュテーション悪化、物理リスクとしては、地球温暖化による降雪量減少によるスキー場運営事業への影響や、異常気象の激甚化による建物被害や工事期間の延長によるコスト増などが想定され、事業へ悪影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては、当社のグループサステナビリティ推進部を主管部署とし、事業部門と協働してグループ横断的に取り組んでいます。取り組みの内容についてはサステナビリティ委員会で審議・協議し、必要に応じて取締役会に報告しています。

 当社は「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」に2019年より賛同し、その取り組みについて議論する「TCFDコンソーシアム」にも参加しております。気候変動の事業へのリスクと機会については、都市・リゾート・住宅・再生可能エネルギーの主要事業において、「1.5℃」「3℃」「4℃」の複数シナリオについて検証を実施し、経営戦略に反映しております。またTCFD提言に基づき、「ガバナンス」・「戦略」・「リスク管理」・「指標と目標」に分類した開示も実施いたしました。(詳細はhttps://tokyu-fudosan-hd-csr.disclosure.site/ja/themes/54をご参照ください)

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 さらに、「GROUP VISION 2030」では「環境経営」を全社方針に位置付けております。気候変動に関する目標として、当社グループの強みである再生可能エネルギー事業によるCO2削減量が、自社のCO2排出量を上回るという、当社グループ独自のカーボンマイナスの実現を目指します。また、当社グループは2021年5月に国内デベロッパー初となるSBT認定1.5℃水準を取得しました。パリ協定で努力目標とされる高水準の1.5℃目標でのCO2削減を目指し、2030年度には2019年度比で46.2%のCO2削減、更に2050年度にはCO2排出量ネットゼロを示すネットゼロエミッションの達成を目標としております 。

 

 

 

④ IT戦略リスク・デジタル戦略リスク

 当社グループ及び社会を取り巻くIT環境は目覚ましく進化しており、技術革新や顧客需要の変化に対して当社グループが適切かつ迅速に対応できなかった場合には、将来的に当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては当社のグループDX推進部を主管部署とし、新規技術の各事業への応用可能性等を検討しております。

 さらに、「GROUP VISION 2030」においては「DX」を全社方針と位置付け、3つの施策を推進します。まず、ビジネスプロセスでは業務フローの電子化・業務自動化などの「省力化推進による創造的業務への転換」、CX(カスタマーエクスペリエンス)では、オンラインとオフラインの融合(いわゆるOMO)の推進などの「顧客接点の高度化による感動体験の創出」、イノベーションでは「知的資産活用による新しい価値創造」を通じて、デジタル活用による事業の変革に取り組みます。当社グループは多くのBtoC事業を手掛けていることから豊富なお客さま接点を有しており、DXに取り組むことで新たな付加価値を提供できるものと考えております。BtoC事業を強みに変革するためにDXを推進いたします。

 

⑤ 人事労務リスク

 当社グループでは専門性の高い人財を強みの1つと認識しております。しかし、昨今の少子高齢化等の社会構造変化により人財の継続的な確保や育成が達成出来ない場合、当社グループの成長を阻害する大きな要因となる可能性があります。

 当該リスクについては当社のグループ人事部を主管部署とし、長時間労働の削減や有給休暇の取得奨励はもちろん、テレワークや在宅勤務制度等、社員の多様な働き方に対応した施策で、従業員に選ばれる企業を目指しております。なお、このような取り組みが評価され、経済産業省及び東京証券取引所が、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を選定する「健康経営銘柄2022」に3期連続で選定されました。

 「GROUP VISION 2030」においては人財と組織風土は経営基盤強化のテーマの1つとなっています。グループの変革・成長を実現するために最重要でありながら、外部から見えない資本が人財と組織風土であり、創業の精神である「挑戦するDNA」を継承し、一体感あるイノベーティブな組織風土の醸成を目指します。

 

⑥ 情報セキュリティリスク

 当社グループでは、都市開発事業セグメントや管理運営事業セグメント、不動産流通事業セグメント等において多くのお客さまの個人情報を取り扱っております。サイバー攻撃や当社グループ従業員によって情報漏洩が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては当社のグループ総務部及びグループDX推進部を主管部署とし、セキュリティ対策等による情報システムの強化や、標的型攻撃メール訓練等の研修実施による社員のリテラシー向上施策を行っております。

 

⑦ 危機管理対応

 国内外の地震、暴風雨、洪水その他の天災地変、テロ、事故、火災、疫病その他の人災等が発生した場合や、環境問題、不動産の瑕疵が判明した場合又は人口の変動が極端に進んだ場合等には、保有資産の毀損や補償の義務履行等に関連して紛争が発生する等、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては当社のグループ総務部を主管部署とし、災害等発生時に必要となる安全対策やBCPの整備や、各種災害を想定した訓練の実施により、影響を最小限に抑えるべく取り組みを行っております。

 

 なお前連結会計年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大が当社の業績に大きな影響を及ぼしましたが、当連結会計年度においては、事業への制約が限定的となりました。当社グループでは、政府や自治体からの要請等も踏まえ、商業施設・運営施設・営業店舗の臨時休業や営業時間の短縮、従業員の在宅勤務等、感染拡大防止に努めてまいります。

 

 

⑧ 法務コンプライアンスリスク

 当社グループの社員や事業活動において、法令等に抵触する事態が発生した場合や、発生した損害に対する賠償金の支払い等が必要となる場合には、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては当社のグループ法務部を主管部署とし、コンプライアンスを実現するための活動計画(コンプライアンス・プログラム)の策定・推進など、グループ各社においてコンプライアンス体制を構築し、コンプライアンス経営の徹底に努めております。具体的には、東急不動産ホールディングスグループの全役員及び従業員の行動の規範となる「東急不動産ホールディングスグループ行動基準」を定めるとともに、その理解・実践のための具体的マニュアルとして、「東急不動産ホールディングスグループ コンプライアンスマニュアル」を策定し、定期的に研修などを行うことで、全役員及び従業員に対しコンプライアンスの周知・徹底を図っています。

 

(2)リスク管理体制

 個別の重要リスクはリスクの種類に応じてリスクマネジメント委員会及びグループ経営会議が各々管理し、リスク全体の統括的な管理はリスクマネジメント委員会が行い取締役会へ報告いたします。

 リスクマネジメント委員会では、グループ横断的に管理が必要と考えられるグループ重点対策リスクの管理と、グループ各社のリスク管理状況の把握、評価を行います。

 グループ重点対策リスクには、主管部署を定めて、リスク管理のPDCAを徹底いたします。また、グループ各社のリスク管理状況をリスクマネジメント委員会において把握、評価することによりグループ全体のリスク管理体制を強化いたします。

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 また、内部監査を通じて管理体制および管理業務の十分性を確認するとともに、重大リスクに関する監査を優先度に応じて計画的に実施しています。緊急かつ重大な損失の危険に対しては、「緊急時対応基本規程」に基づいて情報伝達および意思決定を行い、被害を最小限にとどめる対応を行います。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 各セグメントの説明における前期の実績値については、新セグメントで組み替えた値を使用しております。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しておりますが、当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

財政状態

 当連結会計年度末の資産残高は2兆6,343億円となりました。資産の部では、販売用不動産への投資が進捗した一方、固定資産の売却や株式会社東急ハンズの連結除外等により、前連結会計年度末から合計180億円減少しました。当連結会計年度末の負債残高については1兆9,910億円となり、有利子負債の減少等から前連結会計年度末から合計525億円減少しております。当連結会計年度末の純資産残高については6,433億円となり、利益剰余金等の増加により、前連結会計年度末から合計346億円増加しております。

 

経営成績

 当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する中、ワクチン接種の進展や行動制限緩和等により、社会・経済活動の正常化に向けた取り組みが進捗し、力強さを欠きながらも持ち直す動きが見られました。一方、原油等の原材料価格の高騰等により、世界的な物価上昇と金融引き締めの動きが見られる等、経済全体の先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループにおいて、主に第1四半期連結会計期間は、政府からの緊急事態宣言や自治体からの要請等を踏まえ、商業施設・運営施設・営業店舗の臨時休業や営業時間の短縮、第2四半期連結会計期間以降も営業時間の短縮等、影響は継続しましたが、前連結会計年度に発令された緊急事態宣言に比べ、対象地域や規制内容が限定的であったため、業績は大幅に回復しております。また、賃貸オフィスは大型オフィスビルの通期稼働、アセット売却は活況な不動産売買市況により売却益が増加、住宅市場では、住まいに対する顧客ニーズの多様化、低金利環境の継続等により、住宅分譲や売買仲介が好調に推移する等、当連結会計年度の営業利益は、ホールディングス体制への移行前も含めて、過去最高となりました。

 当連結会計年度の業績は、売上高9,890億円(対前期+9.0%)、営業利益838億円(同+48.3%)、経常利益728億円(同+56.4%)、特別利益として関係会社株式売却益等71億円(前期は特別利益73億円)、特別損失として減損損失等240億円(前期は特別損失120億円)を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益351億円(同+62.1%)で増収増益となりました。

 

 

 

 

(単位:億円)

 

前期

当期

比較

売上高

9,077

9,890

813

営業利益

565

838

273

経常利益

466

728

263

親会社株主に帰属する当期純利益

217

351

135

 

 

 

 

有利子負債

14,788

14,217

△571

 

<セグメント別業績>

売上高

 

(単位:億円)

 

営業利益

 

(単位:億円)

 

前期

当期

比較

 

 

前期

当期

比較

合計

9,077

9,890

813

 

合計

565

838

273

都市開発

3,167

3,258

91

 

都市開発

417

519

102

戦略投資

469

670

200

 

戦略投資

121

147

27

管理運営

3,512

3,838

325

 

管理運営

△88

△1

87

不動産流通

2,123

2,345

222

 

不動産流通

189

261

72

全社・消去

△194

△220

△26

 

全社・消去

△73

△89

△16

 

イ.都市開発事業

 売上高は3,258億円(対前期+2.9%)、営業利益は519億円(同+24.5%)となりました。

 前連結会計年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令され、商業施設の休業や営業時間の短縮等、事業活動に大幅な制約が生じましたが、当連結会計年度は、前期に比べ影響は限定的となっております。

 下記売上高内訳の「都市(賃貸オフィス)」では、2020年9月に開業した「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」の通期稼働、「都市(賃貸商業施設)」では、東急プラザを始めとする当社グループの主要な商業施設の新型コロナウイルス感染拡大影響の一定の回復、「住宅分譲」では、分譲マンションの計上戸数の増加等により、増収となりました。一方で、「住宅その他」に含まれる賃貸住宅等のアセット売却の減少、「都市その他」に含まれるアセット売却は、物件数の減少により減収となったものの、活況な不動産売買市況により売却益は増加したこと等から、セグメント全体では増収増益となりました。

 オフィスマーケットは、テレワーク等の働き方の多様化により、オフィスビルの需要縮小等が懸念されておりましたが、当社が数多く保有する渋谷エリアを中心に堅調に推移しており、空室率(オフィスビル・商業施設)は1.3%と低水準を維持しております。

 分譲マンションは、住宅の質の改善ニーズ等により実需層が強く、引き続き堅調な販売動向となっております。当期の分譲マンションは、「ブランズタワー豊洲」(東京都江東区)や「ブランズタワー芝浦」(東京都港区)等を計上いたしました。なお、マンションの次期売上予想に対する契約済み割合は58%(同+4P)となっております。

 

 

 

 

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

 

通期予想

(11月4日公表)

対予想

売上高

3,167

3,258

91

 

3,350

△92

営業利益

417

519

102

 

516

3

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

都市(賃貸オフィス)

459

510

51

都市(賃貸商業施設)

386

396

10

都市その他

860

788

△72

住宅分譲

1,060

1,399

339

住宅その他

403

166

△237

 

賃貸オフィス・賃貸商業施設:賃貸床面積・空室率

 

2019年3月期末

2020年3月期末

2021年3月期末

2022年3月期末

賃貸床面積(㎡)

883,975

920,935

1,003,926

901,131

空室率

0.4%

0.6%

1.3%

1.3%

 

住宅分譲:分譲マンション

(戸)

 

前期

当期

比較

計上戸数

1,777

2,194

417

新規供給戸数

1,797

1,549

△248

契約戸数

1,767

1,833

66

期末完成在庫

827

661

△166

 

ロ.戦略投資事業

 売上高は670億円(対前期+42.7%)、営業利益は147億円(同+22.0%)となりました。

 下記売上高内訳の「インフラ・インダストリー」は、物流施設のアセット売却や再生可能エネルギー事業の稼働施設の増加、「海外」は、米国における物件の売却配当の増加等により、増収増益となりました。

 再生可能エネルギー事業は、稼働施設が計画通り増加する等、順調に拡大しており、全施設稼働後の総定格容量(持分換算前)は、1,311MWの規模となります。

 

 

 

 

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

 

通期予想

(11月4日公表)

対予想

売上高

469

670

200

 

740

△70

営業利益

121

147

27

 

134

13

 

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

インフラ・インダストリー

345

528

182

投資運用

78

83

5

海外

46

59

13

 

再生可能エネルギー発電施設

 

2019年3月期末

2020年3月期末

2021年3月期末

2022年3月期末

稼働施設数(件)

16

30

38

66

定格容量(MW)

246

487

730

882

※定格容量は、稼働済み発電施設の持分換算前の容量を記載しております。

 

 

ハ.管理運営事業

 売上高は3,838億円(対前期+9.3%)、営業損失は1億円となりました。

 前連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令され、運営施設の休業や営業時間の短縮等、事業活動に大幅な制約が生じました。事業活動の影響について、当連結会計年度は、前期に比べ、回復基調にあるものの、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、その影響は継続しました。

 下記売上高内訳の「マンション管理」「ビル管理」では、前連結会計年度の新型コロナウイルス感染拡大による営業活動の自粛や管理業務の休止等からの反動増となりました。「ホテル」「レジャー」では、前期に比べ、一定の回復をしており、「ウェルネスその他」におけるアセット売却収益の計上等により、セグメント全体では増収増益となりました。

 なお、2022年3月末のマンション管理ストックは832千戸(うち総合管理戸数528千戸)となっております。

 

 

 

 

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

 

通期予想

(11月4日公表)

対予想

売上高

3,512

3,838

325

 

3,900

△62

営業利益

△88

△1

87

 

0

△1

 

売上高内訳

 

(億円)

 

前期

当期

比較

マンション管理

1,227

1,273

46

ビル管理

710

786

77

ホテル

221

285

64

レジャー

143

160

18

ヘルスケア

233

238

4

ウェルネスその他

227

390

164

ハンズ

632

567

△65

環境緑化

121

138

18

※ホテル  :ハーヴェストクラブ、東急ステイ、リゾートホテル等

※レジャー :ゴルフ場、スキー場等

※ヘルスケア:シニア住宅、フィットネス施設等

※ハンズ  :2022年3月31日に株式会社東急ハンズの全発行済株式の譲渡に伴い、当社の連結範囲から除外

 

期末管理物件数

 

 

 

 

 

2019年3月期末

2020年3月期末

2021年3月期末

2022年3月期末

マンション(戸)

831,684

829,533

839,891

831,603

ビル等(件)

1,540

1,561

1,532

1,626

 

 

ニ.不動産流通事業

 売上高は2,345億円(対前期+10.5%)、営業利益は261億円(同+38.3%)となりました。

 東急リバブル㈱における売買仲介のリテール部門・ホールセール部門は、活況な不動産流通市場により取扱件数及び平均取扱価格の上昇、また不動産販売における大型物件の計上等により、大幅な増収増益となりました。

 

 

 

 

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

 

通期予想

(11月4日公表)

対予想

売上高

2,123

2,345

222

 

2,320

25

営業利益

189

261

72

 

238

23

 

売上高内訳

 

 

(億円)

 

前期

当期

比較

売買仲介

556

690

134

不動産販売

670

706

36

販売受託等

73

71

△2

賃貸住宅サービス

824

878

54

 

売買仲介

 

 

 

 

 

2019年3月期末

2020年3月期末

2021年3月期末

2022年3月期

取扱件数(件)

25,570

26,437

25,635

28,750

取扱高(億円)

12,455

13,159

12,265

15,780

※リテール、ホールセールの合計値です。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,539億円となり、前連結会計年度末と比較して356億円の減少となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払△353億円等により資金減少の一方、税金等調整前当期純利益559億円、減価償却費433億円等により、765億円の資金増加となりました。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の売却217億円、固定資産の売却202億円等の資金増加の一方、固定資産の取得△463億円、有価証券及び投資有価証券の取得△299億円等により、318億円の資金減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の調達760億円等により資金増加の一方、長期借入金の返済△1,428億円、社債の償還△201億円等により、813億円の資金減少となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等はこれらの見通しとは異なることがあります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における我が国経済は、変異株の出現により新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する一方、ワクチン接種や行動制限緩和など、社会・経済活動の正常化に向けた取り組みが進捗し、力強さを欠きながらも持ち直す動きが見られました。

 不動産業においては、オフィスビル市場は、テレワークの普及等に伴い、平均空室率の上昇や賃料水準の下落が続く一方、コミュニケーションの場として、またウェルビーイングの充実などの観点から、よりグレードの高いオフィスを求める動きも見られました。不動産投資市場では、金融緩和による良好な資金調達環境が維持されたことから、投資家の物件取得意欲は引き続き旺盛で、厳しい競争が継続いたしました。また分譲住宅市場は、低金利政策が継続するなか、2020年度にコロナ禍による販売活動への制約から供給が減少した反動もあって新築物件の販売が堅調であったほか、中古マンションの売買取引も活況を呈しました。

 一方、都市部の商業施設やホテル・リゾート関連市場では、行動制限の緩和により集客は徐々に回復しつつあるものの、長距離移動や人混みのリスクを避ける傾向は続いており、依然として厳しい状況となっております。

 財政状態については、当期末の資産残高は2兆6,343億円で、固定資産の売却や株式会社東急ハンズの連結除外等により、対前期末180億円減少、当期末の負債残高についても有利子負債の減少等により、1兆9,910億円と、対前期末525億円減少しております。当期末の純資産残高については利益剰余金等が増加し、6,433億円と、対前期末346億円増加しております。財務資本戦略として、「資産のコントロール」と「負債・自己資本のコントロール」を通じて、財務規律を維持しながら、効率性を意識した利益成長を実現し、ROE向上およびEPS成長、ひいては株主価値・企業価値向上を目指します。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

・都市開発事業セグメント

 都市事業では、「都市(賃貸オフィス)」では、2020年9月に開業した「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」の通期稼働、「都市(賃貸商業施設)」では、東急プラザを始めとする当社グループの主要な商業施設の新型コロナウイルス感染拡大影響からの一定の回復、アセット売却は活況な不動産売買市況により売却益が増加となっております。住宅事業では、賃貸住宅等のアセット売却の減少の一方で、「住宅分譲」では、分譲マンションの計上戸数の増加等により増収となり、セグメント全体では増収増益となりました。

 オフィス市場は、テレワーク等の働き方の多様化により、オフィスビルの需要縮小等が懸念されておりましたが、当社が数多く保有する渋谷エリアを中心に堅調に推移しており、当社グループ保有物件における2022年3月末時点での空室率(オフィスビル・商業施設)は1.3%と、引き続き低水準を維持しております。当社ポートフォリオにおいては、新型コロナウイルス感染拡大による空室率及び賃料の大きな悪化影響は見られませんが、オフィス市場の景気や経済に対する遅行性や、各テナント企業のアフターコロナのオフィス戦略には注視が必要です。またコロナ禍を受け従業員の働き方の多様化、企業の環境や健康経営への関心の高まりなど、社会から問われる課題は高度化している中、東急不動産㈱のオフィスでは、テナント企業に働く場所を提供するだけでなく、ハード・ソフトの両面で様々な付加価値サービスを提供するため、新しい働き方として「GREEN WORK STYLE」の提案を行っております。センターオフィスを中心にシェアオフィスなど様々なワークプレイスの提供や、再生可能エネルギーを活用した環境への取り組み、従業員の健康やライフスタイルを充実させる取り組みなど、当社グループのリソースを活用したワンストップでのご提案により、テナント企業の企業価値向上と従業員のウェルビーイングに貢献してまいります。

 大型開発プロジェクトについては、2020年9月に開業した当社グループ最大規模のオフィスビルである「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」は開業時より満室で稼働しており、今後の竣工物件としては、2022年7月竣工予定の「九段会館テラス」、2023年11月竣工予定の「渋谷駅桜丘口地区再開発計画」等、「広域渋谷圏」の内外において、複数の開発案件が進行しております。

 商業施設については、2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令され、商業施設の休業や営業時間の短縮等、事業活動に大幅な制約が生じましたが、2022年3月期は、前期に比べ影響は限定的であり、東急プラザを始めとする当社グループの主要な施設は一定の回復をしております。また新型コロナウイルスを契機として、EC化の更なる進展に伴い、都心施設を中心に体験型消費・共感型消費に対応するテナントの誘致にも注力しております。

 環境対応として、2022年には東急不動産㈱が単独で保有する全てのオフィスビル・商業施設における消費電力を、東急不動産の発電所等が供給する再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えることを決定したほか、2025年度に新築ビル(着工件数ベース)の約50%をZEB水準とすることを目標に掲げるなど、先駆的に取り組んでおります。

 分譲マンション市場は、都心立地や利便性を重視する顧客志向、在宅勤務を契機とした住宅の質の改善、住宅ローン金利の低位安定等、購買環境が引き続き良好なこともあり、実需層を中心に、当社グループのマンション販売は堅調に推移しており、2023年3月期の期初時点での分譲マンションの通期売上予想に対する契約済割合は58%となっております。「BRANZ(ブランズ)」のブランドで首都圏や関西圏を中心に分譲マンション事業を行っており、2021年12月に環境重視の取り組みを積極的に推進するため、「環境先進マンション」としてリブランディングいたしました。2030年度までに、全ての新築分譲マンションでZEHを標準仕様とし、また全物件に太陽光パネルを標準搭載してまいります。今後も好立地や希少性のある物件を厳選するとともに、持続的でより快適な暮らし心地と環境貢献したモノづくりに取り組んでまいります。建築工事費については、慢性的な人工不足や原材料価格の上昇によるコスト上昇の懸念等があり、引き続き状況を注視いたします。

 2023年3月期の当セグメントにおいては、新規物件の取得環境が過熱する状況の中での厳選投資及び、「九段会館テラス」や渋谷駅周辺では最大規模の開発となる「渋谷駅桜丘口地区再開発計画」など、開発中の大型プロジェクトの着実な推進が重点課題となっております。また、分譲マンションの市況は、堅調に推移しており、引き続き着実に販売を進める方針です。

 

・戦略投資事業セグメント

 「インフラ・インダストリー」は、物流施設のアセット売却や再生可能エネルギー事業の稼働施設の増加、「海外」は、米国における物件の売却配当の増加等により、増収増益となりました。

 当社グループが、近年事業規模を拡大させてきた再生可能エネルギー事業は、FIT制度によって売電価格が固定されており、景気変動等に対する影響が少なく、安定的に収益に寄与する事業です。「ReENE(リエネ)」のブランド名で太陽光発電所、風力発電所などの開発に注力しており、稼働案件も着実に増やしております。外部環境としては、政府が2030年度の電源構成において、再生可能エネルギーの割合を36~38%に増加させる方針に加え、2050年までに温室効果ガスの排出を0にする2050年カーボンニュートラルを掲げており、今後も市場が拡大していくと思われます。

 再生可能エネルギー事業の拡大では、積極投資による発電源の拡大と電力の地産地消など再生可能エネルギーの活用を進めるほか、パートナー共創による事業領域の拡大を図っていきます。さらなる規模拡大に向け、2022年3月末時点での定格容量1.3GW(持分換算前・開発中PJ含む)から2025年度には原子力発電所2基分相当となる2.1GWへ拡大させていきます。

 物流施設は、EC市場の成長により需要拡大が見込める環境であり、再生可能エネルギーの活用やCASBEE認証取得等の環境配慮型施設や東急スポーツオアシスによる健康サポートなど、当社グループならではの付加価値を創出し、他社との差別化を図りながら、回転型事業として今後も事業の拡大を進めてまいります。

 海外事業においては、米国投資事業のさらなる成長、アジアにおける事業領域の拡大など、対象国を厳選した上で、外部資金の積極活用により関与資産を拡大し、管理やアセットマネジメントなどのグループノウハウを活用した事業機会を創出するとともに、循環型再投資モデルの深化・発展を推進してまいります。

 

・管理運営事業セグメント

 ㈱東急コミュニティーにおける管理事業では、前連結会計年度の新型コロナウイルス感染拡大による営業活動の自粛や管理業務の休止等からの反動増となりました。東急不動産㈱のウェルネス事業では、「ホテル」「レジャー」では、前期に比べ、一定の回復をしており、「ウェルネスその他」におけるアセット売却収益の増加等により、セグメント全体では増収増益となりました。

 マンション管理やビル管理の管理事業における事業環境は、管理民営化の拡大や管理難易度が高い複合施設管理の増加、改修及びリフォーム需要の拡大等が追い風である一方、新規物件管理受注環境の悪化や、近年の働き方の多様化等による人材確保難等については、対応すべき課題として認識しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による、今後のデジタル化の進化を含めた省人化技術の活用等については、注視及び対応が必要です。重点課題としては、管理業においては、収益性や将来性を考慮した上でのストック拡大戦略の実行、工事業においては当社グループのシナジーを最大限活用した営業強化を進める方針です。

 ウェルネス事業においては、2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令され、運営施設の休業や営業時間の短縮等、事業活動に大幅な制約が生じました。2022年3月期は、前期に比べ、回復基調にあるものの、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、その影響は継続しましたが、今後は、ワクチン接種の進展等により国内需要の一定の回復が見込まれております。お客さまに安心してご利用いただけるよう感染症対策の徹底に努めながら、引き続き顧客体験価値向上を追求し、国内需要の取り込み強化と、スマート運営の実現など運営効率向上及びコスト構造改革に取り組んでまいります。

 ハンズ事業は、2022年3月31日に㈱東急ハンズの全発行済株式の譲渡に伴い、当社の連結範囲から除外されております。ハンズは、1976年に当社グループの中核会社である東急不動産㈱の100%子会社として創業しました。DIYを中心とした提案型ライフスタイルショップとして小売事業を行ってまいりましたが、小売業界の競争が激化する中、ハンズのお客さまへの提供価値及び事業価値の最大化を図るためには、㈱カインズがベストオーナーであると判断し、譲渡することを決定いたしました。

 

・不動産流通事業セグメント

 東急リバブル㈱における売買仲介のリテール部門・ホールセール部門は、活況な不動産流通市場により取扱件数及び平均取扱価格の上昇、また不動産販売における大型物件の計上等により、大幅な増収増益となりました。

 仲介事業における事業環境は、リテール・ホールセールともに活況な不動産流通市場により、取扱件数及び平均取扱価格など、新型コロナウイルス発生前の水準を上回っております。今後も新築分譲マンション市場の縮小により中古住宅市場の拡大が見込まれる一方で、長期的にはITの進化等による事業構造の変化への注視が必要と認識しております。DX活用による営業活動の効率化や、リテール部門における取引件数の更なる積み上げ、ホールセール部門における事業領域の拡大を目的とした法人戦略の強化等を重点課題として考えております。

 DX活用による営業活動の効率化として、「マンション価格査定AI」を導入いたしました。実際の査定データとデータサイエンスを活用し、誤差率を低水準に抑えたAIの開発に成功しました。東急リバブルでは年間30,000件超のマンション査定を首都圏エリアで受託しており、このAIを活用することで約15,000時間の削減効果を見込んでいます。削減された時間は、人の力でしか出来ない顧客接点の深化・拡大業務に充てることで、人的資源の最大化を図る方針です。そして将来的には、本システムの外部提供も検討してまいります。

 

 

 また、当連結会計年度における、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響は、以下のとおりです。主に第1四半期にBtoCの事業において、事業活動に影響が生じましたが、前連結会計年度に比べ、影響は限定的でした。

当連結会計年度における新型コロナウイルス感染拡大による主な影響

セグメント

事業への影響

業績への影響

都市開発事業

主要商業施設の臨時休業や営業時間の短縮

歩合賃料の減少

戦略投資事業

マンションギャラリーの営業制限

(インドネシア)

計上戸数の減少

(インドネシア)

管理運営事業

フィットネスクラブや各種ホテルの

臨時休業や営業時間の短縮

運営収益の減少

不動産流通事業

 

 2023年3月期は、新型コロナウイルスの感染拡大の長期化や、国際情勢の緊迫化に伴う、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等、不透明な事業環境下ではあるものの、引き続き活況な不動産売買市況によるアセット売却益の増加や売買仲介の拡大、管理運営事業は、ワクチン接種の進展等による国内需要の一定の回復等を見込んでおります。なお、新型コロナウイルスの感染拡大の終息時期等により、実際の業績等は変動する可能性があります。

 

ロ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 「GROUP VISION 2030」で掲げた財務資本戦略として、「資産のコントロール」と「負債・自己資本のコントロール」を通じて、財務規律を維持しながら、効率性を意識した利益成長を実現し、ROE向上およびEPS成長、ひいては株主価値・企業価値向上を目指します。

 「資産のコントロール」では、既存事業の効率性向上と事業ポートフォリオの最適化が課題です。既存事業の効率性向上の具体的な施策として、資産活用型事業においては、分譲事業、循環型再投資事業、高効率事業の拡大、大型開発プロジェクトの着実な稼働、外部資本活用やフィー収入の拡大、資産ポートフォリオ入替、低収益資産の売却などに取り組みます。人財活用型事業では、規模の成長と共に労働集約型からの脱却などにより効率性を向上します。

 「負債・自己資本のコントロール」では、財務規律を維持しながら、市況悪化時にも耐えうる財務基盤を構築し、円滑な資金調達を目的とした格付維持向上を図ります。引き続き、期間利益の積上げによりD/Eレシオを改善してまいります。

 なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの資産、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の内訳は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

都市開発

戦略投資

管理運営

不動産流通

調整額

連結

財務諸表

計上額

セグメント資産

1,627,515

463,590

403,441

221,824

△82,028

2,634,343

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

12,509

22,039

9,924

4,166

178

48,818

 

 当社グループの主要な資金需要は、都市開発事業セグメントにおけるオフィスビルや商業施設、マンション用地や賃貸住宅等の取得・開発資金、戦略投資事業セグメントにおける再生可能エネルギー発電施設、物流施設等の取得・開発資金、海外事業への出資、管理運営事業セグメントのウェルネス事業におけるリゾート施設等の取得・開発資金等であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行による資金調達等にて対応していくこととしております。また、手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。

 

 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費の増加等により765億円の資金増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得や有価証券及び投資有価証券の取得等により318億円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少等により813億円減少し、現金等の期末残高が1,539億円となりました。翌連結会計年度においても、オフィスビルや商業施設、再生可能エネルギー施設や物流施設等への投資が計画されておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、借入金の調達等の財務活動によるキャッシュ・フローで対応していく予定です。

 当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの実績及び、翌連結会計年度における予想は以下のとおりです。

 

 

(単位:億円)

 

2022年3月期

2023年3月期

(予想)

営業活動によるキャッシュ・フロー

765

411

投資活動によるキャッシュ・フロー

△318

△1,201

財務活動によるキャッシュ・フロー

△813

790

(注)2023年3月期(予想)の棚卸資産への投資は、投資活動によるキャッシュ・フローに含みます。

 

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2021年12月22日に開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社東急ハンズの発行済株式の全部及び株式会社東急ハンズに対して当社が有する貸付債権を株式会社カインズに譲渡することを決議し、同日付で本件譲渡に係る株式譲渡契約を締結し、2022年3月31日付で本件譲渡が完了しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)事業分離(子会社株式の譲

渡)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。