文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループでは、「SAVE the DIGITAL WORLD」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、主力のソフトウェアテストサービスを中心に、受託開発や保守・運用、セキュリティ等、様々なサービスの提供を行うことで、増加するデジタルサービスの品質・安全性向上への貢献を目指しております。
(2)経営戦略
当社グループでは、高収益なエンターテインメント事業の安定成長の下支えのもと、需要が急増するエンタープライズ事業の加速度的な拡大に注力しております。
エンタープライズ事業においては、引き続き社内エンジニアの確保・育成に努めるとともに、ベトナムオフショア拠点のエンジニアやフリーランスエンジニア等多様な人材を活用することで、急増する需要に対応できる体制の構築に努めて参ります。また、中核子会社である株式会社AGESTを中心に、国内外のソフトウェアテストの権威の知見を凝縮したエンジニアトレーニングプログラムの提供や、業界有識者との産学連携による新たなテスト技法及び先端品質テクノロジーの活用に向けた研究開発等の推進により、ソフトウェアテストに関する専門性をより向上させ、従来にはないQA(Quality Assurance)ソリューションの提供を目指して参ります。さらに、M&Aを積極的に活用し、エンジニア人材プールの拡大やノウハウ・技術力の強化スピードを加速させて参ります。
一方、エンターテインメント事業においては、国内ゲームデバッグのマーケットリーダーとしての確固たる地位を維持するとともに、テストセンターであるLab.の業務改革等による収益性の向上に努めることで、引き続きキャッシュ創出力の最大化を図って参ります。また、ゲームタイトルの海外展開が活発化するなか、国内外のグループ会社の連携を強化し、翻訳・LQAからマーケティングまでワンストップでサービスを提供することで、グローバル領域での成長を目指して参ります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが属するデジタル関連市場は、環境変化のスピードが著しく速く、その変化に即した迅速かつ柔軟な経営判断を行う必要があることから、当社では、単年度毎の売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益を経営指標としております。
(4)当社グループを取り巻く経営環境
① 市場環境
当社グループが事業を展開しているデジタル関連市場においては、IoT(Internet of Things)の進展やDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速等を背景に、コンテンツやサービスの多様化が急速に進んでいる一方、各企業においては、その開発及び運用を支えるIT人材が慢性的に不足しています。このため、ソフトウェアの開発、テスト、保守・運用、セキュリティ等の支援サービスを提供している当社グループの収益機会は、今後も引き続き増加するものと見込んでおります。
② 主要サービス
当社グループでは、ソフトウェアの開発、テストから、保守・運用、プロモーション支援まで幅広いサービスを提供しておりますが、そのなかでも、以下2つを事業の柱となる主要サービスとして位置付けております。
|
サービス名 |
概要 |
|
システムテスト |
業務システムやWebシステム、IoT機器等エンタープライズシステムの不具合検出や脆弱性診断といったセキュリティ検査 |
|
国内デバッグ |
コンソールゲーム、モバイルゲーム、オンラインゲーム等の不具合検出 |
③ 顧客動向
エンタープライズシステムの開発や保守・運営を行う企業においては、昨今深刻化しているIT人材不足に加え、ソフトウェアの複雑化を背景にテストの専門性が高まっていることから、今後テスト工程のアウトソースが急激に加速していくことが見込まれております。一方、ゲームメーカーにおいては、デバッグ工程のアウトソースが既に進んでいることから、今後も安定的な受注が見込めます。
④ 競合他社の状況
システムテストにおいては、SIerやシステムの受託開発会社等、市場には多数の競合が存在しています。しかし、当社のようなテスト専門企業は少なく、市場が黎明期であり、今後爆発的な成長が見込まれていることから、当社ではシステムテスト市場をブルーオーシャンと認識しております。一方、国内デバッグにおいては、創業以来顧客企業と強固なリレーションを構築しており、また豊富なデバッグ専用機材を有していること等から参入障壁は高く、寡占市場のなかで当社は圧倒的なシェアを有しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、収益基盤の強化を図るとともにさらなる成長を実現するため、下記5点を主要な課題として認識し、その対応に取り組んで参ります。
① 人材の確保及び育成
当社グループが継続的に企業価値を向上させていくためには、優秀な人材の確保及び将来を担う人材の育成が経営上の重要な課題であると認識しております。
特に、注力事業であるシステムテストにおいては、エンジニアが計画・設計したテストの実施が求められるほか、マニュアルテストのみならず、脆弱性診断やテスト自動化等、品質向上に関する専門的な知見が必要となることから、エンジニア人材の確保や育成を通じた技術力・専門性の向上が不可欠となっております。
このため、当社グループでは、株式会社AGESTを中心にエンジニアにとって魅力的な環境を構築することで、新卒・中途採用を強化するとともに、国内外のソフトウェアテストの権威のノウハウ等を凝縮した独自のエンジニアトレーニングプログラムの提供を通じ、優秀な人材基盤の構築に努めております。さらに、フリーランスエンジニアやビジネスパートナー等、社外リソースも積極的に活用することで、急増する需要に対応できる体制を構築しております。
また、主力の国内デバッグにおいても、顧客企業の流動的な開発スケジュールに合わせて、高品質なサービスをスピーディかつ継続的に提供できる組織体制を整備するため、多数の臨時従業員であるテスターを常時確保することが不可欠となっております。このため、当社グループでは、株式会社デジタルハーツを中心に、テストセンターであるLab.(ラボ)を戦略的に展開することで、豊富なテスターを確保しております。
今後も、当社グループでは、多様な人材に合わせた働き方や教育体制等を整備することで、人材プールの拡大に継続的に取り組んで参ります。
② サービスの付加価値向上について
当社グループを取り巻くデジタル関連市場においては、IoTの進展やDXの加速等を背景に、新たなコンテンツ及びサービスの開発が活発化しているため、それらの市場環境の変化及び顧客ニーズの多様化に柔軟に対応することが経営上の重要な課題であると認識しております。
当社グループでは、エンターテインメント事業を中心に培ってきた競争優位性及び多様性を原動力としつつ、事業及び地域の垣根を越えたグループ全体のノウハウを結集することで、開発から保守・運用までの幅広い工程において包括的なサービスを顧客ニーズにあわせて提供して参ります。また、新サービスの開発にも積極的に取り組むことで、付加価値の高いサービスの提供に取り組んで参ります。
③ サービスの海外展開について
当社グループは、海外へのサービス展開も持続的な成長を遂げていくためには取り組まねばならない経営上の重要な課題であると認識しております。
そのため、当社グループでは、米国、英国、中国、韓国、台湾及びベトナム等の海外子会社を通じて、エンタープライズシステムのテストサービスやゲームのデバッグ及びローカライズサービス等の事業を展開しており、持続的な成長に向けた海外事業基盤の構築に努めております。
今後も、高い収益性と成長性が期待される市場に対してサービスを提供することを基本方針とし、事業運営をグローバルに展開して参ります。
④ 事業領域の拡大及び新規事業の推進について
当社グループでは、エンターテインメント事業を収益の軸としつつも、多様な収益源による安定的な成長を遂げていくためには、既存の事業領域を拡大するとともに新規事業を推進することが経営上の重要な課題であると認識しております。
そのため、M&A等を活用した多角的な事業規模の拡大や独自性を追求した新サービスの開発に積極的に取り組んで参りました。今後も、新たな事業領域の開拓や新規事業の創出・発展に注力するとともに、多様な収益源による安定的な事業ポートフォリオの形成を目指して参ります。
⑤ 安定的な財務基盤の維持について
当社グループでは、強いキャッシュ・フロー創出力を有するエンターテインメント事業を中心に高い収益性を維持しており、安定的な配当等の株主還元を実施しつつ健全な財務体質を維持して参りました。
しかしながら、世界的な経済の長期低迷リスク等、外部環境が激変するなか、財務基盤の強化は従来以上に経営上の重要な課題になっていると認識しております。引き続きキャッシュ・フローマネジメントを強化するとともに、必要に応じて金融機関からの資金調達を含めた機動的な対応を実施するなど、今後とも安定的な財務基盤の確保に努めて参ります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があるリスク要因として考えられる主な事項には、以下のものがあります。
当社グループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)システムテストサービスのアウトソーシングの動向について
当社グループは、ソフトウェアテストを主力事業として展開しており、ゲームソフトの不具合を検出するデバッグサービス及びWebシステムや業務システム等のエンタープライズシステムの不具合を検出するシステムテストサービスを提供しております。
従来、システムテスト業務は、主にソフトウェア開発会社の社内で行われてきましたが、近年、慢性的なエンジニア不足が深刻化していることに加え、テストに求められる知見が多様化し専門性も高まっていることから、精度の高いテストを効率的に実施できる専門会社にアウトソーシングする傾向が高まっております。当社グループでは、今後もシステムテスト業務のアウトソーシングが進展することを前提とした事業計画を策定しておりますが、当社グループの期待通りにシステムテスト業務のアウトソーシングが進展しなかった場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)業務の受託について
当社グループは、ソフトウェア開発業務等を顧客企業の開発案件単位で受託する形態で行っており、プロジェクト管理者が品質、納期、コスト、リスク等の管理を行っております。
しかしながら、受託案件においては、顧客企業の都合による開発途中での大幅な仕様変更や、納品物に対する顧客企業との認識の不一致等により生じるリスクを完全に排除することは困難であり、そのような事象が発生し、当初計画していた品質・コスト・納期を維持できずに案件が不採算化した場合、その規模によっては当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)市場環境の変化について
当社グループは、ソフトウェアテストサービスにおいて、そのノウハウの蓄積や人材育成等、他社との差別化に努めております。
しかしながら、今後テスト業務のアウトソーシングが進むことにより、業界の市場規模が拡大し、新規参入企業が増加する可能性が高まることに伴い、人材流出等による当社グループのノウハウ等が流出し、外部の第三者が当社グループの技術及びノウハウ等を模倣して当社グループと類似するサービスの提供を行う可能性があります。
また、デジタル関連市場においては技術革新の進歩も早く、テスト業務に求められる知見が多様化し専門性が高まっていることから、これら進歩し続ける技術等への対応が遅れた場合、当社グループの提供するサービスが陳腐化し、競争力の低下を招く可能性があります。そのため、このような市場環境の変化やそれに伴う競争の激化が生じ、高い顧客満足度を与えられる水準のサービス提供ができなくなった場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定業種への依存について
当社グループは、現在、エンタープライズ事業の拡大に注力しているものの、依然として、ゲーム業種向けにサービスを提供しているエンターテインメント事業の売上高が高い割合を占めております。
そのため、当社グループのゲーム業種以外への充分な売上拡大の前に、ゲーム業種に大規模な減衰が生じた場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の安定確保と育成について
当社グループは、継続的に企業価値を向上させ、高品質なサービスをスピーディかつ継続的に提供していくために、多数の臨時従業員であるテスターを常時確保することが非常に重要であり、当社グループでは、採用活動への積極的な取り組み、人材の育成と実務能力の向上を目的とした教育制度を充実させるとともに、コミュニケーションを強化することで人材の流出を防止するための諸施策を講じております。
しかしながら、テスターの確保が難しい場合や育成が進まない場合には、円滑なサービス提供や積極的な受注活動が阻害され、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)他社との業務提携について
当社グループは、既存サービスによる売上の増加やコスト削減が見込まれる場合、また、新サービスを提供すること等により将来的な成長が見込まれると判断した場合には、相互に協力体制を構築できる企業と、積極的に業務提携によるパートナーシップを強化し、取引深耕を図っていく方針であります。
しかしながら、提携先との友好的な協力関係に変化が生じ、期待したほどの相乗効果を得ることができない等の理由により、業務提携関係を維持することが困難となった場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)新規事業等の業容拡大について
当社グループは、ソフトウェアテストサービスの提供を事業の軸としつつ幅広いビジネス展開を積極的に行っていく方針であります。そのため、進出先の市場動向の調査や参入形態の考慮を十分に行い、事業リスクの軽減を図りながら、国内外において市場のニーズに呼応した新規事業への進出、子会社の設立等を推進しております。
しかしながら、これら事業展開等の状況を正確に予測することは困難であり、当該事業展開に係る投融資額を回収することが困難となった場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)企業買収による事業拡大について
当社グループは、事業規模の拡大及び多様な収益源の確保を目的として、ソフトウェアテストサービスの提供を事業の軸としつつ幅広いビジネス展開を積極的に行う考えであり、そのための有効な手段の一つとして企業買収を活用していく方針であります。企業買収においては、対象となる企業の財務内容、契約関係及び事業の状況等について事前にデューデリジェンスを実施し、可能な限りリスクの低減に努めております。
しかしながら、企業買収後に、事業環境に急激な変化が生じた場合やその他予期し得ない理由により当初の計画通りに事業が進展しない場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)海外における事業展開について
当社グループは、引き続き積極的に海外におけるサービス展開の拡大を図っていく方針であります。しかしながら、海外での事業活動においては、予期せぬ法律又は規制の変更、大規模な自然災害の発生、政治経済の変化、為替変動、商習慣の相違、雇用制度や労使慣行の相違、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報の漏洩等について
当社グループは、事業を行う上で、顧客企業及びその他の関係者より機密情報を預かるため、当該機密情報等の外部漏洩のないよう従業員と秘密保持契約を締結するとともに、とりわけ未公表の情報や顧客企業の情報を主に取り扱うソフトウェアテストサービスにおいては、指紋又は静脈認証システムによる入室管理、監視カメラの設置等、様々な漏洩防止施策を講じ、情報の適正な取扱いと厳格な管理を進めております。
しかしながら、これらの施策にもかかわらず、何らかの理由により機密情報が外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の喪失等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)知的財産権について
当社グループは、事業活動を行う過程において、第三者の知的財産権を侵害しないように、可能な限り調査を行うとともに、厳格な管理を実施しております。
しかしながら、意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害等について
当社グループは、施設の安全対策には万全の注意を払っておりますが、地震、水害、火災、爆発、テロ、汚染、コンピューターウイルスへの感染等の災害が発生した場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)法規制について
当社グループは、事業活動において、様々な法的規制の適用を受けております。特に、人材派遣においては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき、厚生労働大臣の「労働者派遣事業」の許可を取得し、人材派遣を行っております。
当社グループは、これらの法的規制を遵守し事業活動を行っておりますが、万一法令に抵触するような事態が生じた場合、又は関連法令やその解釈が変更された場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)社会保険について
当社グループは、多数の臨時従業員であるテスターを雇用しており、一定の条件を満たしたテスターは、社会保険に加入しておりますが、関連法令やその解釈の変更により、社会保険加入の適用範囲が拡大され、現在加入義務のないテスターにも加入が義務付けられた場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
|
|
2021年3月期 (千円) |
2022年3月期 (千円) |
増減率 (%) |
|
売上高 |
22,669,577 |
29,178,789 |
28.7 |
|
営業利益 |
1,908,694 |
2,701,031 |
41.5 |
|
経常利益 |
1,975,394 |
2,778,908 |
40.7 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
974,492 |
1,780,699 |
82.7 |
当社グループを取り巻くデジタル関連市場においては、IoT(Internet of Things)の進展やDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速等を背景に、コンテンツやサービスの多様化が急速に進んでおります。その一方、各企業においては、その開発及び運用を支えるIT人材が慢性的に不足していることから、ソフトウェアの開発、テスト、保守・運用、セキュリティ等の支援サービスを提供している当社グループの収益機会は、今後も引き続き拡大するものと見込んでおります。
このような状況のもと、当社グループでは、注力事業と位置付けるエンタープライズ事業において、これまで構築してきた人材・技術・顧客基盤をより強固なものへと進化させることで、引き続き高い成長を目指しております。当連結会計年度においては、好況な市場環境を追い風に、ソフトウェアの品質向上に関する提案型の営業活動を積極化させることで、システムテストやセキュリティサービスに対する潜在的なアウトソーシングニーズの顕在化に努めて参りました。これらの取り組みが奏功したことにより、新規顧客開拓や既存顧客との取引規模拡大を実現し、売上高・営業利益が大幅に伸長致しました。また、積極的なM&Aを通じ、エンジニア人材プールの拡大やERP領域における専門性の向上を図ることで、競争力強化に努めて参りました。さらに、エンタープライズ事業の成長をより加速させることを目的に、2022年4月1日付けで、主要子会社の一事業部門であるエンタープライズ事業本部をスピンアウトし、株式会社AGEST(以下、「AGEST」)を組成するとともに、同日付けでエンタープライズ事業を行っている国内企業の一部をAGESTに統合するグループ組織再編を実施することを決議致しました。このため、当連結会計年度の下期より、本組織再編に向け、従来当社グループが有する“ゲーム・エンターテインメント”とは異なる新しいブランディングをAGESTに確立するための戦略の策定や、品質に関する先端技術の追求等、エンジニアにとって魅力的な環境を構築するための準備を進めて参りました。
一方、主力のエンターテインメント事業では、国内デバッグサービスにおいてコンソールゲーム向けの大型タイトル案件を複数獲得したことやテストセンターであるLab.の効率化等により、大幅増収増益を達成致しました。また、エンターテインメント事業における成長の柱と位置付けるグローバルサービスにおいては、2021年3月にM&Aにより子会社化したDIGITAL HEARTS CROSS Marketing and Solutions Limited (旧:Metaps Entertainment Limited、以下、「DIGITAL HEARTS CROSS」) とのシナジーの早期発現に向けグループ連携を強化して参りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、エンタープライズ事業・エンターテインメント事業ともに高い成長を実現し、29,178,789千円(前期比28.7%増)、営業利益は2,701,031千円(前期比41.5%増)と過去最高の売上高・営業利益を更新致しました。これに伴い、経常利益は2,778,908千円(前期比40.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,780,699千円(前期比82.7%増)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ3,226,568千円増加し、17,565,361千円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,964,982千円増加し、9,989,021千円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,261,586千円増加し、7,576,339千円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
|
|
2021年3月期 (千円) |
2022年3月期 (千円) |
増減率 (%) |
|
売上高 |
22,669,577 |
29,178,789 |
28.7 |
|
エンタープライズ事業 |
7,021,610 |
11,491,525 |
63.7 |
|
エンターテインメント事業 |
15,647,967 |
17,687,264 |
13.0 |
|
営業利益 |
1,908,694 |
2,701,031 |
41.5 |
|
エンタープライズ事業 |
188,452 |
649,872 |
244.8 |
|
エンターテインメント事業 |
3,077,109 |
3,668,034 |
19.2 |
|
調整額 |
△1,356,867 |
△1,616,875 |
― |
なお、各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しており、セグメント利益は営業利益ベースとなっております。
Ⅰ.エンタープライズ事業
当セグメントでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するシステムテストサービス、システムの受託開発や保守・運用、セキュリティ検査・監視の提供を行うITサービス・セキュリティサービスを提供しております。
エンタープライズ事業におけるサービス別の売上高は以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告するサービス区分を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいて実施しております。
|
|
2021年3月期 (千円) |
2022年3月期 (千円) |
増減率 (%) |
|
システムテスト |
3,581,870 |
4,954,022 |
38.3 |
|
ITサービス・セキュリティ |
3,439,739 |
6,537,502 |
90.1 |
|
エンタープライズ事業 合計 |
7,021,610 |
11,491,525 |
63.7 |
(ⅰ)システムテスト
システムテストサービスでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するサービスを提供しております。
当連結会計年度は、従来得意とするマニュアルテストや脆弱性診断に加え、テスト自動化といった付加価値の高いサービスを組み合わせた、品質向上に関するトータルソリューションの提案を積極化させることで、新規顧客開拓及び既存顧客との取引規模拡大を実現致しました。また、エンジニア増員に向けた継続投資のほか、ベトナム拠点のエンジニアやフリーランスエンジニア等の活用といったグループ連携等を推進することで受注体制の強化を図るとともに、新たに採用した営業やマーケティング等の専門人材を中心に、サービスの認知度やブランディングの向上に努めて参りました。さらに、米国子会社のLOGIGEAR CORPORATIONでは、2022年1月に英国企業のDEVELOPING WORLD SYSTEMS LIMITEDを子会社化し、Oracle製品を導入している企業との取引拡大を図るなど、CRMやERP領域におけるテスト事業の拡大に努めて参りました。
その結果、当連結会計年度のシステムテストサービスの売上高は、4,954,022千円(前期比38.3%増)と大幅な増収を達成致しました。
(ⅱ)ITサービス・セキュリティ
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発や保守・運用支援サービス、セキュリティ検査・監視サービス等を提供しております。
当連結会計年度は、システムの受託開発、保守・運用、セキュリティサービスすべてにおいて増収を達成致しました。特に、受託開発サービスが、2021年6月に子会社化した株式会社アイデンティティーの業績寄与もあり、前期比2.5倍以上と大幅に伸長致しました。さらに、需要が急増しているSAP関連市場に対して幅広いサービスを提供できる体制を構築することを目的に、2022年3月にSAPの導入及び運用コンサルティングを行う株式会社CEGBを子会社化するなど、次期以降の事業拡大に向けた取り組みを推進致しました。
その結果、当連結会計年度のITサービス・セキュリティサービスの売上高は、M&Aの効果もあり、6,537,502千円(前期比90.1%増)と大幅に前年を上回る結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度のエンタープライズ事業の売上高は11,491,525千円(前期比63.7%増)と前期に続き高い成長を継続するとともに、セグメント利益は、649,872千円(前期比244.8%増)と大幅な増益を達成致しました。
Ⅱ.エンターテインメント事業
当セグメントでは、主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム、パチンコ・パチスロ等の不具合を検出する国内デバッグサービス、ゲームの翻訳・LQA(※)や2D/3Dグラフィック制作、マーケティング支援等を行うグローバル及びその他サービスを提供しております。
※Linguistic Quality Assuranceの略で、翻訳されたテキストや構成の品質を確認すること。
エンターテインメント事業におけるサービス別の売上高は以下のとおりであります。
|
|
2021年3月期 (千円) |
2022年3月期 (千円) |
増減率 (%) |
|
国内デバッグ |
11,536,375 |
12,123,492 |
5.1 |
|
グローバル及びその他 |
4,111,592 |
5,563,771 |
35.3 |
|
エンターテインメント事業 合計 |
15,647,967 |
17,687,264 |
13.0 |
(ⅰ)国内デバッグ
国内デバッグサービスでは、主に、国内のコンソールゲーム、モバイルゲーム、パチンコ・パチスロ等を対象に、ソフトウェアの不具合をユーザー目線で検出し顧客企業に報告するサービスを提供しております。
当連結会計年度は、コンソールゲーム市場を中心に顧客企業における新規タイトルの開発が活発化致しました。このような市場環境のもと、当社グループでは、流動的な開発スケジュールに柔軟に対応した質の高いサービスを提供することで、新規大型タイトル案件を多数獲得致しました。また、テストセンターであるLab.のオペレーション改善やデバッグ工程における独自の効率化を推進するなど、収益性の改善にも取り組んで参りました。
その結果、当連結会計年度の国内デバッグサービスの売上高は、12,123,492千円(前期比5.1%増)となりました。
(ⅱ)グローバル及びその他
グローバル及びその他サービスでは、ゲームタイトルを海外展開する際に必要な翻訳・LQAやマーケティング支援等を行うグローバルサービスのほか、ゲームの受託開発・2D/3Dグラフィック制作を行うクリエイティブサービス、総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の運営等を行うメディアサービスを主に提供しております。
当連結会計年度は、グローバル・クリエイティブ・メディアすべてのサービスで2桁増収を達成致しました。特にグローバルサービスでは、コンテンツのグローバル展開が活発化していることから、中国をはじめとする海外ゲームメーカーからの翻訳・LQAを中心としたローカライズ案件の獲得が進んだことにより、売上が好調に推移致しました。また、2021年3月に子会社化したDIGITAL HEARTS CROSSと連携を強化し、翻訳・LQAからマーケティング支援までワンストップでサービス提供できる体制を構築することで、新規案件獲得に努めて参りました。
その結果、当連結会計年度のグローバル及びその他サービスの売上高は、M&Aの効果もあり、5,563,771千円(前期比35.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度のエンターテインメント事業の売上高は、17,687,264千円(前期比13.0%増)、セグメント利益は、3,668,034千円(前期比19.2%増)と増収増益を達成致しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、5,173,746千円となり、前連結会計年度における資金5,041,396千円に対し、132,349千円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,077,118千円の収入(前連結会計年度は1,416,917千円の収入)となりました。
これは、主として税金等調整前当期純利益2,749,310千円、売上債権の増減額393,148千円等の資金増加項目によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は2,537,418千円の支出(前連結会計年度は1,813,519千円の支出)となりました。
これは、主として連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,813,502千円等の資金減少項目によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は546,569千円の支出(前連結会計年度は1,730,291千円の収入)となりました。
これは、主として連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出664,456千円等の資金減少項目によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
事業の特性上、該当事項はありません。
(ⅱ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前期比 (%) |
|
エンターテインメント事業 クリエイティブ |
1,419,138 |
48.6 |
1,331,471 |
82.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループの「エンタープライズ事業」及び「エンターテインメント事業」に含まれるクリエイティブ以外の事業は、受注から役務提供までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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金額(千円) |
前期比(%) |
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エンタープライズ事業 |
システムテスト |
4,954,022 |
38.3 |
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ITサービス・セキュリティ |
6,537,502 |
90.1 |
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小計 |
11,491,525 |
63.7 |
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エンターテインメント事業 |
国内デバッグ |
12,123,492 |
5.1 |
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グローバル及びその他 |
5,563,771 |
35.3 |
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小計 |
17,687,264 |
13.0 |
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合計 |
29,178,789 |
28.7 |
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(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来事象に関する予測・見通し等は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、それらには不確実性が内在し将来の結果とは大きく異なる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたりましては、部分的に資産・負債、収益・費用の数値に影響を与えるような見積り等の介在が不可避となりますが、当社グループの経営陣は過去の実績や提出日現在の状況等を勘案し、会計基準の許容する範囲内かつ合理的にそれらの判断を行っております。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1)吸収分割契約
当社は、2022年6月13日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社AGESTとソーバル株式会社が吸収分割契約を締結することについて決議致しました。
同契約により、株式会社AGESTは、ソーバル株式会社から、同社のエンジニアリング事業の一部であるソフトウェアの評価・検証等の事業について事業譲渡を受けることになります。
また、同日付をもって、株式会社AGESTは、ソーバル株式会社と本吸収分割契約を締結致しました。
(2)資本業務提携契約
当社は、2022年6月24日開催の取締役会において、株式会社GameWith(以下、「GameWith社」)と資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付けで資本業務提携契約を締結致しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。
主として、エンタープライズ事業において、先端品質テクノロジー活用に向けた研究開発等に継続的に取り組んでおります。