第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境に改善が見られ、緩やかな回復基調が続いているものの、新興国経済の減速懸念に加え、米国新政権の政策への警戒感等が影響し、先行きに不透明感を残す状況で推移いたしました。

当不動産業界におきましては、住宅ローン減税等の住宅取得支援制度や低金利を背景として、住宅投資に持ち直しの動きがみられたものの、足元では弱含みの状況で推移しております。

このような状況のもと、当社グループは「誰もがあたり前に家を買える社会」の実現を目指し、徹底した原価管理と品質の向上に努め、高品質の住宅を低価格で供給することに注力してまいりました。

また、2014年度からスタートした「第1次中期経営計画」の最終年度として、①コア事業の競争力強化、②事業ポートフォリオの拡大、③財務・経営体質の強化を基本戦略に、営業拠点の効率的な展開や、全国展開に向けたエリア拡大を図るとともに、新工法・新技術の開発や住宅関連事業の内製化、共同購買によるコストダウンやブランド戦略の推進など、各種施策に取り組んでまいりました。更に、リフォーム事業や不動産賃貸事業(不動産再生事業)、海外事業など新たな収益源確保に向けた取組みを実施し、総合不動産住宅メーカーとして、更なる成長を遂げるための基盤整備を図ってまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上収益は1兆2,324億76百万円(前期比8.5%増)、営業利益は1,136億47百万円(前期比20.1%増)、税引前利益は1,108億78百万円(前期比21.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は767億41百万円(前期比18.2%増)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

件数

売上収益(百万円)

前期比(%)

一建設グループ(注)4

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

11,302

284,115

7.7

マンション分譲事業

520

31,292

△16.7

請負工事事業

2,466

41,907

15.0

その他

3,029

5.1

小計

14,288

360,345

5.7

飯田産業グループ

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

6,773

219,551

7.7

マンション分譲事業

168

5,316

14.6

請負工事事業

164

1,967

57.4

その他

6,092

20.5

小計

7,105

232,928

8.5

東栄住宅グループ

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

3,710

125,362

8.9

マンション分譲事業

請負工事事業

234

6,210

2.6

その他

1,080

8.5

小計

3,944

132,653

8.6

タクトホームグループ

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

3,874

109,711

12.9

マンション分譲事業(注)5

1

5,160

51.5

請負工事事業

94

1,434

0.3

その他

621

△13.5

小計

3,969

116,926

13.9

 

 

セグメントの名称

件数

売上収益(百万円)

前期比(%)

アーネストワン

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

10,740

247,534

2.7

マンション分譲事業

810

29,427

50.8

請負工事事業

292

3,688

32.8

その他

372

△1.9

小計

11,842

281,022

6.6

アイディホーム

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

4,341

105,954

19.1

マンション分譲事業

請負工事事業

10

189

37.5

その他

469

3.6

小計

4,351

106,613

19.1

その他(注)6

 

 

 

(区分)その他

1,985

△19.0

(区分計)戸建分譲事業

40,740

1,092,230

8.2

マンション分譲事業

1,499

71,196

9.3

請負工事事業

3,260

55,398

15.2

その他

13,651

5.5

総合計

45,499

1,232,476

8.5

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.戸建分譲事業には、戸建住宅のほか、建築条件付戸建住宅及び宅地等が含まれます。マンション分譲事業

には、分譲マンションのほか、マンション用地等が含まれます。請負工事事業には、注文住宅のほか、リ

フォームやオプション工事等が含まれます。

4.一建設グループの住宅情報館㈱における戸建住宅、建築条件付戸建住宅及び宅地等については、前連結会計年度までは同セグメントの請負工事事業に含めて記載しておりましたが、当連結会計年度より、同セグメントの戸建分譲事業に含めて記載しており、前連結会計年度においても同セグメントの戸建分譲事業に含めたうえで前期比を算定しております。

5.タクトホームグループにおけるマンション分譲事業の件数は、オフィスビルの一棟販売を1件として記載しております。

6.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ファーストウッド及び当社の事業に係るものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は2,607億45百万円となり、前連結会計年度末比で309億94百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は296億16百万円(前連結会計年度は639億57百万円の獲得)となりました。

これは主に、税引前利益1,108億78百万円、棚卸資産の増加額979億17百万円及び法人所得税の支払額373億94百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は133億27百万円(前連結会計年度は81億49百万円の使用)となりました。

これは主に、固定資産の取得による支出93億90百万円、投資の取得による支出31億20百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は739億56百万円(前連結会計年度は91億16百万円の使用)となりました。

これは主に、借入金の増加876億10百万円、配当金の支払額132億59百万円があったことによるものであります。

 

(3) 並行開示情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。

 

(のれんの償却停止)

当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。

この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が10,151百万円減少しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

件数

金額(百万円)

前期比(%)

一建設グループ(注)5

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

11,365

285,432

21.8

マンション分譲事業

531

31,765

△9.2

請負工事事業(注文住宅)

2,451

39,832

13.5

小計

14,347

357,029

17.3

飯田産業グループ

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

7,032

229,583

21.7

マンション分譲事業

112

4,048

△54.4

請負工事事業(注文住宅)

163

1,954

58.7

小計

7,307

235,586

18.6

東栄住宅グループ

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

3,978

137,151

35.3

マンション分譲事業

請負工事事業(注文住宅)

234

4,308

△1.5

小計

4,212

141,459

33.8

タクトホームグループ

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

3,798

112,006

21.5

マンション分譲事業

請負工事事業(注文住宅)

86

1,143

△17.3

小計

3,884

113,149

21.0

アーネストワン

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

10,137

238,051

1.2

マンション分譲事業

844

29,711

28.9

請負工事事業(注文住宅)

295

3,659

36.0

小計

11,276

271,422

4.0

アイディホーム

 

 

 

(区分)戸建分譲事業

4,387

108,328

22.3

マンション分譲事業

請負工事事業(注文住宅)

10

189

50.3

小計

4,397

108,518

22.4

(区分計)戸建分譲事業

40,697

1,110,553

18.1

マンション分譲事業

1,487

65,524

△2.1

請負工事事業(注文住宅)

3,239

51,088

13.8

総合計

45,423

1,227,166

16.6

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2.金額は、販売価額によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.戸建分譲事業には、戸建住宅のほか、建築条件付戸建住宅及び宅地等が含まれます。

5.一建設グループの住宅情報館㈱における戸建住宅、建築条件付戸建住宅及び宅地等については、前連結会計年度までは同セグメントの請負工事事業に含めて記載しておりましたが、当連結会計年度より、同セグメントの戸建分譲事業に含めて記載しており、前連結会計年度においても同セグメントの戸建分譲事業に含めたうえで前期比を算定しております。

(2)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期末比(%)

一建設グループ

請負工事事業(注文住宅)

43,023

9.6

30,669

11.8

飯田産業グループ

請負工事事業(注文住宅)

1,936

16.6

686

△4.3

東栄住宅グループ

請負工事事業(注文住宅)

4,935

15.6

3,153

19.2

タクトホームグループ

請負工事事業(注文住宅)

1,073

△35.3

419

△26.5

アーネストワン

請負工事事業(注文住宅)

3,515

10.3

1,317

7.5

アイディホーム

請負工事事業(注文住宅)

268

12.1

78

△22.6

合計

54,753

8.9

36,325

11.1

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2.金額は、請負金額によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績につきましては、前述の「1.業績等の概要(1)業績」をご参照ください。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、「誰もがあたり前に家を買える社会」を目指し、理想の住まいづくりを通じて社会の発展に貢献していくことを経営の基本方針としております。更に、今後展開を進める海外市場においては、「良質で安全、安価な住宅を供給して社会に貢献する」という経営理念を掲げ、「時代の変革をいち早く読み、素早く対応できる企業集団」として、常に変革に挑みながら、世界中により良い住まいを提供できるよう、更なる発展・成長を続けてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは営業利益率を重要な経営目標のひとつと捉え、株主資本の有効活用を目指しつつ、安定的に成長投資資金を調達できる強固な財務基盤の確保を目指すために、在庫回転率年2回転を目標値としており、これを実現することで、高い資本効率と持続的なキャッシュ・フロー創出を目指しております。

目標とする経営指標

目標値

在庫回転率(戸建)(注)

年2回転

営業利益率

10%以上

(注)在庫回転率:365日/土地の仕入決済~物件のお客様への引渡しまでの日数

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループの主要な事業である不動産事業は、人口・世帯数の減少による住宅市場の縮小、他業界からの戸建分譲市場への新規参入による競争激化、中古住宅リフォーム等のストック市場の拡大等、今後も厳しい事業環境が続くものと予想されます。また、人工知能やIoT等のテクノロジーの進化や、女性の社会進出の進展に伴い、個人のライフスタイルや企業の競争環境にも、さまざまな変化が続いております。その他、新興国の経済成長やグローバル化の加速といった動きも、当社グループの事業環境に大きな影響を及ぼすことが見込まれます。

このような状況下において、当社グループでは「『より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会作りに貢献する』という経営理念に基づき、経営統合による経営資源・ノウハウを結集させた新しい顧客価値の創造と、海外市場展開をはじめとする新たな収益源の確保により構築する新しいビジネスモデルで、総合不動産住宅メーカーとして成長する」ことを経営ビジョンとして掲げ、国内においては「現状のビジネスモデルの更なる強化」、海外においては「発展途上国を中心にその国に合ったビジネスモデルの構築」を重要な経営課題と位置付けました。これらの経営課題を踏まえ、土地仕入から設計、施工、販売、アフターまで一貫して自社で行うという当社グループのビジネスモデルに加え、研究開発や商社機能等にも注力し、総合不動産住宅メーカーとしての新しいビジネスモデル構築に向けた各種施策に取り組んでまいります。

また、当社グループでは2017年5月に「第2次中期経営計画」(2018年3月期~2020年3月期)を策定し、上記経営ビジョンの実現に向けた長期経営計画の第2ステージをスタートいたしました。本計画では、第1次中期経営計画に引き続き、「コア事業の競争力強化」と「事業ポートフォリオの拡大」を基本戦略に掲げ、安定的に収益を見込める事業及び成長分野への重点投資を追及してまいります。

 

① コア事業の競争力強化

戸建分譲事業では、未進出エリアへの展開やブランド戦略、新商品開発等により、更なるシェア拡大を目指してまいります。マンション分譲事業については、土地仕入価格の高騰や工事原価の高騰等の市場環境を注視し、採算性を考慮しながら臨機応変に対処してまいります。請負工事(注文住宅)事業については、当社グループのノウハウ、経営(顧客)資源、不動産業界における情報ネットワーク、グループ間ネットワークを最大限に利用し、戸建分譲事業に次ぐコア事業として確立することを目指してまいります。

 

② 事業ポートフォリオの拡大

総合不動産住宅メーカーを目指し、不動産賃貸事業、リフォーム・中古住宅(流通)事業等の新規事業の育成に取り組み、ノウハウの蓄積を図るとともに、提携、M&Aによる事業ポートフォリオの拡大、成長の加速も選択肢として検討してまいります。また、海外市場においても中長期的に安定成長が図れるよう、積極的な事業展開を進めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、これらのリスク情報につきましては、当連結会計年度末日現在の判断によるものであり、また、当社グループの事業等に関するリスクの全てを網羅するものではありません。

 

(1)消費者の需要動向について

当社グループの主要な事業である不動産分譲事業の業績は、景気動向、金利動向、地価動向及び税制等に基づく購買者の購入意欲や需要動向に影響を受けやすいため、景気の見通しの悪化や大幅な金利の上昇、地価の上昇、税制の変更等があった場合には、購買者の購入意欲が減退し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは建物が完成する前に顧客と販売契約を結ぶことを基本方針としておりますが、未契約の完成物件が長期化すると消費者より売れ残りと判断され、また、1年以上経過すると未入居でも中古物件扱いとなり価格の大幅引き下げによる対応を強いられるため、建物の工事進捗状況や完成在庫の販売経過時期等を総合的に考慮しながら、消費者の需要動向を的確に捉えて価格判断をする必要があります。需要が極端に少なかったり、判断を誤り長期化してしまった場合等は、採算が悪化する可能性があります。

 

(2)法的規制について

当社グループは、「宅地建物取引業法」に基づく宅地建物取引業、「建設業法」に基づく建設業、更には「建築士法」及び「建築基準法」に基づく建築士事務所として不動産分譲事業及び住宅建設を行っております。

また、事業用地の仕入れから企画・設計・施工・販売業務を一貫して行っているため、上記以外にも「都市計画法」、「土地区画整理法」、「農地法」、「宅地造成等規制法」、「国土利用計画法」、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」、「消費者契約法」、「個人情報の保護に関する法律」その他業務に関する法令等、並びにその他関係告示及び地方公共団体の条例等も含め様々な規制を受けております。これらの法令等に違反し行政処分等を受けた場合には、業務の円滑な遂行に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)住宅品質保証について

住宅供給業者は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分については住宅の引渡日から10年間、その他の部分については、「宅地建物取引業法」により住宅の引渡日から最低2年間について瑕疵担保責任を負います。加えて「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」により、住宅の瑕疵担保責任履行のための資力の確保が義務付けられており、当社グループでは、「保証金の供託」または「保険加入」による資力の確保を行い、その保証責任を十分履行できるような体制を整えております。

当社グループは、保証体制の整備及び品質の確保のため、施工を充実させ、品質管理に万全を期すとともに、販売後のクレーム等に関しましても十分に対応しておりますが、万一、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があることが判明した場合には、その直接的な原因が当社グループの責めに帰すべきものでない場合であっても、売主としての瑕疵担保責任を負わなければならない場合があります。その結果として生じる保証工事費の引当金の増加や、信用の低下等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業用地の仕入れについて

当社グループは、分譲用の事業用地の仕入れに際して、立地条件、面積、地盤、周辺環境及び仕入価格等について事前に十分調査し、その結果を踏まえて事業用地の仕入れを行っております。この事業用地の仕入れの成否によっては業績に多大な影響を及ぼしますが、他社との競争激化や地価の上昇等により、採算が合う土地の仕入れが計画通りとならない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)外注先について

当社グループでは、不動産分譲事業における施工面の大部分を外注に出しているため、選定基準に合致する外注先や工事従事者等の人的資源を十分に確保できない場合や、外注先の経営不振等により工期が遅延した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の市場の動向等により、資材価格が上昇し、外注先の原材料調達状況に影響が及び、その状況を販売価格へ転嫁することが難しい場合にも、外注費の上昇により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)借入金への依存度について

事業用地の仕入資金の一部は金融機関からの借入金によって調達しております。事業資金の調達及び返済は、金利情勢その他の外的環境に左右されるため、これにより当社グループの業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

また、当社グループの信用力低下等何らかの理由により調達に制約を受けた場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)個人情報等の情報管理について

当社グループは、個人情報のほか、多くの重要情報を保有しております。これらの情報管理については、管理体制の構築、システム上のセキュリティ対策、社内規程の整備、社員教育の徹底等に努めておりますが、システム障害や災害等により情報の漏洩等が発生した場合には、当事者への賠償や当社グループに対する社会的信頼の失墜、更なる情報管理体制構築のための支出等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)自然災害、事故等について

地震、台風、洪水等の自然災害のほか、当社グループの工場等において、火災・爆発等の産業事故が発生した場合、対応費用の発生や生産活動の停止による機会損失又は当社グループが所有する不動産価値の下落等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)海外事業について

海外での事業活動には、経済状況の変化・景気の後退、為替レートの変動、法律・規制・税制等の予期せぬ変更、政情の悪化、テロ・戦争・暴動等による社会的又は政治的混乱のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)M&Aについて

当社グループは、既存事業の規模拡大や新規事業進出に際し、事業戦略の一環としてM&Aを実施しております。M&A実施に当たっては、相手先企業の入念な調査、検討を行いますが、市場環境や競争環境の著しい変化等により買収した事業が計画通りに展開できなくなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度のグループ全体の研究開発費は183百万円であります。

研究開発の主な内容は下記のとおりであり、報告セグメントに帰属しない当社において発生した研究開発費であります。

① 日本とは異なる高温多湿な国での住宅建築向けに、独自のコンクリートブロック工法を開発し、2016年12月に国内特許査定を受け、現在は国際特許を出願中であります。

② 当社が国内で採用する在来軸組工法よりも海外適応性を高めた「木質系新工法」を開発中で、2016年11月に国内特許出願を行いました。

③ 木材加工工場が無い地域において、現場技術者の技能の高低によらずに高い品質の木造住宅を供給することを目的とした「移動式木材加工設備」の開発が完了いたしました。

④ インフラ状況に依存しないことで、世界の如何なる場所でも住宅供給が可能になる「ゼロエネルギーハウス」の実現の具体策として、人工光合成技術によって生成した水素で発電する研究に取り組んでおり、先般、この基本技術が完成し、2017年1月に3件の国内特許出願を行いました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  売上収益

売上収益は前連結会計年度に比べて964億64百万円増加し1兆2,324億76百万円となりました。

②  売上原価、売上総利益

売上原価は前連結会計年度に比べて680億72百万円増加し1兆177億93百万円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて283億91百万円増加し2,146億82百万円となりました。

③  販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用、営業利益

販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて104億91百万円増加し1,017億7百万円、その他の営業収益は前連結会計年度に比べて2億39百万円減少し16億85百万円、その他の営業費用は前連結会計年度に比べて13億25百万円減少し10億11百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて189億86百万円増加し1,136億47百万円となりました。

④  金融収益、金融費用、税引前利益

金融収益は前連結会計年度に比べて1億10百万円増加し2億44百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて2億14百万円減少し30億13百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて193億11百万円増加し1,108億78百万円となりました。

⑤  法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益

法人所得税費用は前連結会計年度に比べて74億22百万円増加し339億95百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて118億27百万円増加し767億41百万円となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「4.事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当不動産業界におきましては、引き続き、住宅ローン減税やすまい給付金、贈与税非課税措置等の各種住宅取得支援策や、住宅ローン金利の低下などにより、住宅投資は底堅く推移していくと期待されますが、一方では、他社との価格競争の激化など依然として厳しい状況が続くと予想されます。

このような環境の下、当社グループは、用地仕入の厳選、事業サイクルの短縮、原価管理の徹底等ビジネスモデルの原点に立ち返り、事業効率と収益性の向上に努めるとともに、経営統合による経営資源・ノウハウを結集させ、更なる競争力強化と新しいビジネスモデルの構築を図ってまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資産

当連結会計年度末の資産合計は1兆1,683億89百万円となり、前連結会計年度末比で1,548億62百万円の増加となりました。

流動資産については8,790億9百万円となり、前連結会計年度末比で1,444億79百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加322億69百万円、棚卸資産の増加980億59百万円等によるものであります。

非流動資産については2,893億79百万円となり、前連結会計年度末比で103億82百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産の増加46億59百万円、その他の金融資産の増加62億円等によるものであります。

 

② 負債

当連結会計年度末の負債合計は5,131億12百万円となり、前連結会計年度末比で905億78百万円の増加となりました。

流動負債については3,811億44百万円となり、前連結会計年度末比で287億96百万円の増加となりました。これは主に、社債及び借入金の増加266億83百万円等によるものであります。

非流動負債については1,319億68百万円となり、前連結会計年度末比で617億82百万円の増加となりました。これは主に、社債及び借入金の増加607億75百万円等によるものであります。

③ 資本

当連結会計年度末の資本合計は6,552億76百万円となり、前連結会計年度末比で642億83百万円の増加となりました。これは主に、剰余金の配当132億79百万円に対し、当期利益768億83百万円を計上したこと等によるものであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況

「1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。