第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の基本的な経営方針

当社グループは、以下の「企業使命」を達成するために、「事業展望」を目指し、「価値観」に沿った活動・行動を行ってまいります。

<企業使命>

お客様のニーズを徹底的に追求し、価値ある不動産を届けます

<事業展望>

① 正々堂々市場に向き合い、社会の信頼を得ます

② 慣習や常識にとらわれない発想で成長を目指します

③ 地域の活力向上に積極的に貢献し、街の元気を作ります

<価値観>

① 全てを決めるのはお客様です

② 誠実さと情熱を持ちお客様に向き合います

③ 明るく前向きな態度で、元気よく礼儀正しい行動をとります

④ やる気のある人を広く受け入れ、結果に報いる組織を作ります

⑤ 愚直に泥臭く取り組む社員に挑戦の場を提供します

⑥ 全ての人が未来に期待できる職場環境を作ります

 

(2) 経営環境

わが国経済の先行きにつきましては、雇用、所得環境の着実な改善並びに各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されております。ただし、主要国による対外的な経済政策の変更に加えて、国内物価の上昇による消費マインドの低下が個人消費に及ぼす影響は、わが国の景気を下押しするリスクとなるほか、金融資本市場の動向には、引き続き注意が必要であります。

当社グループが属する不動産業界につきましても、緩やかな景気回復のもと、マンション価格の高騰が続く一方で、販売戸数は限定的であることから、利便性の高い都心部におけるマンション並びに手頃な価格の戸建住宅に対するニーズが、より高まることが想定されております。また、都市部における家賃上昇も顕著となるなか、緩和的な金融環境を背景として、収益不動産等の投資用不動産に対する高い需要が見込まれております。加えて、富裕層においては円からドルへの資産分散ニーズから、アメリカ不動産への需要も高まっております。

このような事業環境のもと、当社グループにつきましては、戸建及びマンションによって構成される実需不動産並びに収益不動産及びアメリカ不動産によって構成される投資不動産によるポートフォリオ経営により、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(3) 中期的な経営方針及び対処すべき課題

① 3カ年の基本方針

当社グループは、2023年11月に3カ年の基本方針(2024年9月期~2026年9月期)を発表いたしました。当時の事業環境が不透明であったため、基本方針においては一定の利益前提のもとで、財務方針、投資方針、株主還元方針を策定いたしました。

利益前提につきましては、当初、3カ年累計の当期純利益を2,500億円と設定いたしました。その後、足元の事業進捗を踏まえ段階的に引き上げ、2025年11月には3,055億円に上方修正いたしました。

財務方針につきましては、重視する指標として、自己資本比率をこれまでの30%以上から35%以上に引き上げました。ネットD/Eレシオは1.0倍以下を継続いたします。いずれも、不透明な経済環境の中で、より安全性の高い財務体質を維持することを企図しております。引き続き資本効率を重視しつつ、M&A等の成長投資にも機動的に対応できる資金調達力を保持することを目指しております。

 

成長投資方針につきましては、3カ年で5,000億円の成長投資を想定しております。内訳としましては、国内、海外を合わせたM&Aに3,500億円(2023年11月のメルディア社の完全子会社化に伴う投資額約1,000億円を含んでおります。)、棚卸資産の増加並びに米国開発事業、DX、サステナビリティ等の既存事業への投資に1,500億円を想定しております。

株主還元方針につきましては、当初、3カ年累計の株主還元額を1,000億円と設定しておりました。その後、当期純利益の伸長に伴い、2025年11月には1,300億円に上方修正いたしました。これは、2025年3月に株主還元指標を配当性向20%以上から総還元性向40%以上へ、より株主還元重視の指標への変更も踏まえたものであります。

以上のとおり、財務の健全性維持、成長投資及び株主還元の3点について経営資源の適切な配分を重視した企業運営を行ってまいります。

 

② 重要課題(マテリアリティ)

  当社グループは、2023年11月発表の3カ年の基本方針の策定にあたり、以下のマテリアリティを設定しております。

<重要課題(マテリアリティ)>

(ⅰ) ガバナンス、コンプライアンスの改革

(ⅱ) 顧客満足の向上

(ⅲ) 人材採用の強化

(ⅳ) サステナビリティの推進(サステナブルな社会及び企業の成長)

  (イ) 人的資本の価値最大化

  (ロ) 健康及び安全な暮らしの実現

  (ハ) 脱炭素への貢献

 

なお、その他の事業推進にかかる対処すべき課題につきましては、以下のとおりであります。

 

③ 戸建関連事業を中心とする継続的な成長
イ.戸建を主軸とする既存事業の成長

当社グループは、戸建関連事業を主力事業と位置付けており、土地の仕入れから、設計・施工、販売までの業務をグループ内で行う製販一体体制を特徴としています。同事業においては、好立地の用地を適正価格で仕入れる仕入力、良質な住宅を低コストで建設し、マーケットインの発想でお客様のニーズにあった商品をリーズナブルな価格で提供する商品力、現住居の徒歩圏内で購入されるお客様の比率が高いという特性に合致した多店舗展開に支えられた営業力の全てが当社グループ独自の経営資源として重要であります。今後も、仕入力、商品力、営業力を更に強化し、戸建を主軸とする既存事業の成長を図ってまいります。

 

ロ.戸建関連事業の関西圏への進出

当社グループの戸建関連事業を今後も拡大させるためには、新築一戸建住宅の販売拠点となる営業センターの出店を継続することが重要であります。これまで、東京都23区、神奈川県川崎市及び横浜市から周辺エリアに加え、愛知県名古屋市並びに福岡県福岡市等への出店に取り組んでまいりました。加えて、2022年9月期より関西圏においても販売を開始いたしました。今後も、4大都市圏における市場シェアの拡大を目指してまいります。

 

ハ.マンション事業の着実な成長

当社グループは、利便性の高い都心立地でコンパクトタイプの居室を中心としたマンション事業を展開しており、お客様から立地と価格に関しての高いご支持をいただいております。これまで、首都圏、名古屋圏、福岡圏の都心部において事業を展開してまいりました。引き続き、マンション事業の拡大を視野に入れつつ、物件ごとの採算も重視し着実な成長を目指してまいります。

 

 

ニ.収益不動産事業の持続的成長

金融緩和政策の継続により、引き続き投資用不動産に対する需要は高水準で推移することが見込まれております。今後も、当社グループが展開する収益不動産事業においては、規模が小さく、事業期間の短い物件を中心として展開することにより、事業リスクをコントロールし、短期的には金融機関の融資姿勢等に鑑み慎重に事業を運営しつつ、収益不動産事業の持続的成長を図ってまいります。

 

④ プレサンス社及びメルディア社とのグループシナジーの追求
イ.プレサンス社との首都圏での新築投資用マンション事業の展開

当社グループが持つ首都圏での膨大な土地情報とプレサンス社が持つ投資用マンション事業のノウハウ及び強力な販売力を活用するために、両者が協力して首都圏での投資用マンション事業の展開に向け、取組みを進めております。引き続き、プレサンス社とのシナジー効果の実現を追求してまいります。

 

ロ.メルディア社との販売協力による戸建事業全体の底上げ

当社グループが持つ販売力を活用することにより、メルディア社の物件供給量が増えることとなります。また、当社グループの販売においても、これまでのOHD、ホーク・ワンに加えて、同社が開発するデザイン性に優れた物件を取り扱うことにより、顧客の選択の幅を拡げる等両者の戸建事業全体の底上げに繋がっております。引き続き、メルディア社とのシナジー効果の実現を追求してまいります。

 

⑤ M&Aの推進
イ.M&Aの進捗状況

当社は、更なる成長に向けて、事業シナジーを発現できるM&Aに積極的に取り組んでおります。例えば、2015年1月にはOHAを、2018年10月にはホーク・ワンを、それぞれ完全子会社化いたしました。OHAについては、引渡棟数が2,173棟から4,307棟へ2,134棟(注)増加し、ホーク・ワンについては、引渡棟数に占めるOH仲介件数が25棟から1,725棟へ1,700棟(注)増加するなど、いずれも、当社の連結子会社となって以降、受注棟数の大幅な増加等による売上高の増加を実現しています。また、当社グループとしてのスケールメリットの実現による調達コストの低減や仕入れの効率化を通じた営業利益の大幅な伸長も実現しており、更に、当社グループの採用ノウハウ、リソースを相互に活用することで、より多くの人材採用にも成功しております。このように、当社は、M&Aを通じた当社グループ全体としての着実な業績拡大及び経営効率の改善を実現してまいりました。

加えて、当社は、地域補完及び商品補完関係の構築等を目指し、当社とプレサンス社の経営資源や経営ノウハウを融合することによる事業シナジーを発現させること等により、両者並びに両者のお客様、株主、従業員、取引先及び関係者の皆様にとっての利益の最大化を図るべく、2020年4月にプレサンス社との間で資本業務提携契約を締結し、その後、2020年5月にはプレサンス社の総議決権数(2020年3月31日現在)の31.9%の取得を完了し、プレサンス社を当社の持分法適用関連会社といたしました。しかしながら、2020年9月時点で、プレサンス社の足許の事業環境については、取引金融機関のプレサンス社に対する融資姿勢は依然として慎重になっており、加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大は沈静化するに至っておらず、更なる感染の流行により、コロナ禍の影響がより深刻化するおそれもあることが改めて認識されました。かかる状況を受け、当社はプレサンス社の信用補完及び資金調達の安定化、並びにシナジーの実現可能性の更なる向上のために、プレサンス社を連結子会社とすることの検討を開始し、2021年1月には第三者割当増資及び金融商品取引法に基づく公開買付により、2020年5月の取得分と合わせてプレサンス社の総議決権数(2020年9月30日現在)の64.45%を取得し、プレサンス社を当社の連結子会社といたしました。
 また、プレサンス社に対して、当社は2025年1月、金融商品取引法に基づく公開買付を開始し、同年3月、従来の保有分と合わせてプレサンス社の総議決権数(2024年9月30日現在)の94.74%を取得いたしました。なお、プレサンス社は同年3月に東京証券取引所スタンダード市場を上場廃止となり、その後の株式売渡請求の効力発生により、同年4月に当社の完全子会社となりました。これにより、当社グループはプレサンス社との親子上場を解消し、ともにグループ利益の最大化を目指してまいります。

 

更に、メルディア社に関しては、物件供給力と販売力を相互に活用した両社の戸建事業全体の底上げ、同社のデザイン性に優れた戸建を加えることによる当社の商品ラインナップの拡充、スケールメリットを活かした各種購買力強化によるコスト競争力向上、同社の金融機関取引の円滑化・安定化等、同社の再建及び両社の企業価値を向上させるため、2023年8月に金融商品取引法に基づく公開買付を開始し、同年10月には同社の総議決権数(2023年5月31日現在)の93.02%の取得を完了し、当社の連結子会社といたしました。その後、同年11月に株式売渡請求により当社の完全子会社としております。

当社は、これらの連結子会社化が実現したことを受けて、独立系総合不動産会社として、当社グループの連結売上高を競合の大手不動産会社に迫る規模とすること及び業界におけるポジショニングの更なる向上を目指してまいります。

(注)それぞれ、OHAにおける、株式取得完了日(2015年1月15日)の直前決算期(2014年12月期)から当社の直近決算期(2025年9月期)までの引渡棟数の増加数、ホーク・ワンにおける、株式取得完了日(2018年10月1日)の直前決算期(2018年9月期)から当社直近決算期(2025年9月期)までの当社仲介件数の増加数を記載しております。

 

ロ.既存領域及び新領域への積極的な投資

当社グループは、戸建関連事業を主力事業と位置付けるとともに、外部環境の変化を踏まえた成長分野への新規参入を図ることにより、効率的な事業ポートフォリオを構築することを目指しております。今後も、既存領域での規模の拡大並びに収益力の改善に加え、新領域への進出等により成長スピードの加速を目的とするM&Aに取り組んでまいります。

 

⑥ 住居系を中心とする私募リート事業の展開

当社グループ及びプレサンス社の投資用不動産の開発力及び情報収集力を活用し、株式会社オープンハウス不動産投資顧問が資産運用委託を受けるオープンハウスリート投資法人(私募REIT)のスポンサー企業として、賃貸マンション並びにホスピタリティアセット等の投資用不動産を継続して供給することにより成長をサポートする事業を展開しております。2022年9月期に投資法人を設立し、一定の資産規模にて運用しております。

 

⑦ アフターコロナにおける環境の変化に伴う新たな事業機会の獲得

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当社が属する不動産業界においては賃料の低下及び不動産売買市場の状況悪化が散見され、当社においても2020年4月の戸建の仲介契約件数は前年同月比で相当程度減少するなど、一定の影響がみられました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による環境の変化をきっかけとして、家族が揃って自宅で過ごす時間が増えたこと並びにテレワークの機会が増えたことにより、住まいに対する新たなニーズが発生し、戸建に対する需要は一気に高まりました。このように、新型コロナウイルス感染症が拡大する環境下においても、当社グループの主要事業である戸建関連事業が牽引する形で、中期経営計画における取組み事項は、順調に進捗いたしました。

その後、ウィズコロナからアフターコロナに至る環境の変化に伴い、戸建に対する極めて高い需要は平準化する傾向を示したものの、都心部の利便性の高い戸建に対する需要は堅調に推移しております。かかる環境下においても当社グループにとっての新たな事業機会を獲得するべく、引き続き、当社グループの主要事業である戸建関連事業を推進してまいります。

 

(4) 目標とする経営指標

当社グループは、安全性の高い財務体質を保持するため、2023年11月に発表した3カ年の基本方針にて、自己資本比率35.0%以上及びネットD/Eレシオ1.0倍以内を維持することを、目標とする経営指標として定めております。当連結会計年度においては、自己資本比率は38.1%、ネットD/Eレシオは0.6倍となりました。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、持続可能な社会の実現に事業活動を通じて貢献するとともに、企業の持続的成長を目指す「サステナビリティ」を推進しております。当社グループでは、企業理念に掲げる「お客様のニーズを徹底的に追求し、価値ある不動産を届けます」を実践し続けるとともに、「都心部で手の届く価格の住宅を提供する」ことをミッションとして事業に取り組んでまいりました。当社グループのミッションを時代の変化の中で実現し続けることで、社会価値と事業価値の両立を目指す共有価値の創造を実践しております。また、当社グループは、事業活動に伴う社会的責任やSDGs達成に向けた貢献を強く意識し、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関連する課題に対して、事業活動を通じた取組みを推進しております。

 

(1) サステナビリティの取組み

① ガバナンス(推進体制)

当社グループでは、取締役・執行役員等から構成されるサステナビリティ委員会を設置しております。取締役会の監督のもとに運営される当委員会においては、サステナビリティに関するリスク及び機会について識別・評価するとともに、各事業部門及びグループ各社における対応について情報を収集し、管理しております。進捗状況及び結果についてはサステナビリティ委員会に報告され、議論されます。議論された重要事項については、取締役会に報告されております。

また、2024年10月にサステナビリティ推進部を新設いたしました。サステナビリティの推進を強化し、更なる企業価値の向上を図ってまいります。

 


 

② リスク管理

前項のとおり、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンスにおいてリスク管理を実行しておりますが、3カ年の基本方針において新たに設定した重要課題(マテリアリティ)におけるサステナビリティに関する重要課題のうち、「ガバナンス・コンプライアンスの改革」及び「脱炭素への貢献」に関して、リスク管理を含む取組みを進めております。

 

 

(2) 人的資本の価値最大化

当社グループは、持続的成長の実現にあたり、「人材」を企業における最も重要な資本と位置付け、優秀人材の採用を強化するとともに、従業員の能力開発へ向けた教育研修を継続的に実施しています。企業理念に掲げるとおり、「やる気のある人を広く受け入れ、結果に報いる組織」を実現するべく、経歴等に捉われず人材登用を行い、事業成長の原動力となる人材並びに将来の経営を担う人材の育成に努めております。

 

① 戦略

(ⅰ) 能力の発揮及び賃上げ

当社グループでは、適切な人材登用を行うために、年4回の昇格査定を実施しております。スピーディーに成果が反映される制度設計により、能力に適した職位・ポジションへの迅速な登用を可能とし、各自が能力を最大限に発揮できる環境の整備に努めております。

(ⅱ) 健康経営

当社グループでは、従業員の健康保持及び増進が、組織の活性化と生産性の向上に寄与すると考え、代表取締役を健康経営責任者として、健康経営の推進体制を構築し、健康に関する目標設定や施策を実施しています。法令で定められている衛生管理に加え、健康経営に資する福利厚生の拡充への取組みを行い、また、長時間労働の是正等、働き方改革の施策を企画・実施するなど、従業員が健康に過ごし高いパフォーマンスを継続して発揮できる環境づくりに努めております。これらの取組みの結果、当社は経済産業省および日本健康会議主催の「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に初めて認定されました。

(ⅲ) ダイバーシティの推進

当社グループでは、従業員一人一人の人権を尊重し、性別、年齢、国籍、障がいの有無等の属性にとらわれない多様性を活かした組織づくり・働きやすい職場環境づくりに努めています。これまで人事部を中心に、各部署で進めてきた取組みを、全社的な推進へと発展させるため、2024年4月にワークデザイン推進委員会を設置いたしました。本委員会は「女性活躍推進」「障がい者雇用推進」「介護支援」を重点取組項目に設定し、ダイバーシティの推進に向けて以下のとおり、取組みを進めております。

 


 

(イ) 女性活躍推進

当社グループでは、女性社員が持続可能なキャリアを築くためには、妊娠、出産、育児等によるライフステージの変化に柔軟に対応できる制度・環境が必要と考えております。そのため、休職前から復帰後に至るまで、各段階に応じたサポートを提供する支援制度を設計しております。その一環として、勤務時間や休日数を社員自身が選択できる「オープンキャリアデザイン制度」を導入しております。また、制度面以外の取組みとして、若手層を中心に各種研修を実施し、女性の長期的なキャリア形成支援に注力しております。

 

 

(ロ) 障がい者雇用と活躍の推進

当社グループでは、障がいのある人もない人もともに働きやすい職場づくりを目指し、2022年、「オペレーションセンター」という障がいのある人の活躍支援に特化した部署を設置いたしました。また、2024年9月には、障がい者雇用を目的とした子会社として、株式会社オープンハウス・オペレーションズを設立し、同年10月に特例子会社の認定を取得いたしました。2025年6月時点の雇用率については、法定雇用率の2.5%を上回る3.06%となっております。人材の獲得や活躍をしていただくための主要な取組みとして、バリアフリー設計の事務所を3拠点開設しており、定期通院のための月1回の半休制度(有給)を設けているほか、7名の専任支援者を配置するなど、障がいのある人でも安定したパフォーマンスを発揮できる環境や制度の整備に取り組んでおります。

 

          (ハ)介護支援

当社グループでは介護に直面した従業員が、仕事と介護を両立しながら安心して長く働くことができるよう、1か月あたり最大5万円を会社が支援する「介護支援手当」や、介護開始時に最大20日間の特別有給休暇を付与する「介護スタート休暇」などの各種介護支援制度や、介護に関する相談窓口などを整備し、仕事と介護の両立支援を行っております。

 

(ⅳ)子育て支援

ワークデザイン推進委員会において重点取組として設定している事項以外にも、当社グループでは、次世代を担う子どもたちこそが、持続的社会の実現において最も重要な宝であると考えております。

また、当社グループの従業員は大多数が子育て世代であることから、「子育て支援」に特に注力しております。具体的には、「100万円の出産祝金」や「ひとり親に対する手当」等の複数の経済的支援策に加え、「企業主導型保育園の共同利用」等を行っております。今後も、従業員の生活や働きやすさの向上を支援することで能力の発揮を促し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

② 指標及び目標

当社グループにおける人的資本に関する目標及び指標については、「オープンハウスグループ女性活躍推進宣言」において、2030年9月期までに主要4社(注)の女性管理職比率を15%迄引き上げることとしています。なお、2025年9月期までに女性管理職比率10%目標については2025年9月末時点では9.51%となりましたが、2025年10月1日時点では11.11%となりました。

なお、実績につきましては、「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、(5)男性労働者の育児休業取得率、(6)労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。
 (注)当社、OH、OHD、OHREを対象としております。

 

(3) ガバナンス・コンプライアンスの改革

当社グループは、2023年9月期に売上高1兆円を超え、その企業規模に適したガバナンス・コンプライアンス体制を整備することが重要な経営課題であると認識し、主要子会社を対象としてガバナンス・コンプライアンスの改革に取組みました。

 

① ガバナンス

代表取締役社長直属の組織としてグループ改革推進本部を設立し、代表取締役社長が務める本部長の下、 関係部署の担当により構成され、組織横断的な視点で活動いたしました。

 

② 戦略

社外の専門家の支援を受けつつ当社グループの組織統治上の課題、法令上の課題を洗い出し、改革方針立案、制度・プロセスの見直しと改善策の提示を行い、グループ全体への浸透徹底を図りました。また、グループ全体の問い合わせ及びクレームの窓口として、お客様が把握された問題の解決を主導するとともに、それを通して得られた知見を事業部門に還元し、顧客満足向上のための施策を実施いたしました。

 

 

③ リスク管理

当社グループは社外の専門家である法律事務所と協力して、コンプライアンスリスクアセスメントを通じて課題の洗い出しを実施いたしました。

 

④ 目標

当社グループは、ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の強化に関する施策として、既に着手している施策も含め、以下の項目を実施いたしました。

(ⅰ)長期的な顧客満足の追求

(ⅱ)戸建ての施工における品質管理体制の強化

(ⅲ)組織風土の改革

(ⅳ)ハラスメント防止のための研修

(ⅴ)内部通報体制の拡充

(ⅵ)子会社のガバナンス強化のための体制整備

 

⑤ 活動結果について

(ⅰ)これまでグループ内でお客様が照会をする事項に応じて、戸建の購入、マンションの購入、設計に関す

  るご相談が別の窓口となっておりましたが、2024年4月あらゆる問合せを一つの窓口で行うことができ

  る『お客様相談窓口』を開設いたしました。これによりお客様の利便性と顧客満足度の向上を図ること

  ができました。

(ⅱ)長島・大野・常松法律事務所に委任をして『パワーハラスメントに関するリスクと防止体制』、『主要

  契約内容・契約管理体制』、『発注業務及び施工管理に関するコンプライアンス体制』をターゲットと

  したコンプライアンスリスクアセスメントを実施いたしました。

(ⅲ) (ⅱ)により発見された課題の改善担当部署を設定し、当該部署で主体的に改善を行うことといたしま

  した。

(ⅳ) 2024年8月グループ改革推進本部の活動において課題の発見及び改善に向けての道筋を付けることが

  できましたので、同本部を廃止いたしました。以降は、改善担当部署で各課題への取組みを推進し、リ

  スク管理委員会において担当部署の各課題への取組み状況を管理しております。

 

⑥ 内部監査体制の強化

当社グループは、内部監査部門の人員を前連結会計年度末の7名から14名(注)に増員し、内部監査機能を強化いたしました。内部監査部門は社長直轄の部署であり、当社グループ全部署を対象として、経営全般にわたる社内制度の運用状況及び業務遂行状況につき、その適法性及び妥当性に関する内部監査を実施しております。内部監査体制を強化したことにより、内部管理体制の強化及びより健全な企業運営によるガバナンスの向上が見込まれるとともに、不正並びに不祥事の防止及び法令順守の徹底によるコンプライアンスの強化にも寄与するものであります。

なお、内部監査部門の概要につきましては、第4提出会社の状況 4コーポレートガバナンスの状況等   (1)コーポレート・ガバナンスの概要「②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」「イ.コーポレート・ガバナンス体制の概要」に記載のとおりであります。

(注)有価証券報告書提出日の人員を記載しております。

 

(4) 脱炭素への貢献(TCFD提言に沿った開示)

当社は、2021年1月に「TCFD」(注1)への賛同を表明し、「TCFDコンソーシアム」(注2)に参加し、同年11月に「戸建関連」事業(注3)に関する気候変動に伴う財務影響を評価し、TCFD提言に沿った情報開示を行いました。その後、2025年8月に対象範囲を「戸建」「マンション」「収益不動産」「アメリカ不動産」事業に拡大いたしました。これにより当社グループが展開する全ての事業を網羅して、気候変動に伴う財務影響を評価することとなりました。 当社グループは、「脱炭素への貢献」をマテリアリティ(重要課題)に掲げており、引き続き環境保全活動並びに脱炭素プロジェクトを推進してまいります。

(注1)「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)Task Force on Climate-related Financial  Disclosures」:G20 財務大臣及び中央銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)により設立されたイニシアチブ。気候変動によるリスク及び機会が及ぼす財務的影響を評価、開示することを推奨しております。

(注2)「TCFDコンソーシアム」:TCFDに賛同を表明する企業、金融機関等が一体となって取組みを推進  し、企業の効果的な情報開示、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげるための取組みを議論する目的で設立された組織であります。

(注3)「戸建関連」事業:OH及びOHDにおいて展開する戸建関連事業を対象としております。

 

① ガバナンス

当社グループは、気候変動によるリスクと機会を始めとするサステナビリティに係る組織のガバナンス体制を整備しています。全社的な企業の持続可能性に関する方針や取組みを推進するため、取締役会の監督のもと、「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティの推進の強化を図っています。

 

② 戦略

当社グループは、TCFDが提唱するフレームワークに基づき、既存の全事業を対象に気候変動がもたらすリスクと機会を特定しました。さらに、1.5℃シナリオ(移行リスク中心)と4℃シナリオ(物理的リスク中心)の2つのシナリオ分析の手法を用いて、将来の財務影響を評価しました。

(ⅰ)シナリオ分析の前提(定義)

■1.5℃シナリオ及び4℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施し、重要な気候関連のリスク・機会を特定

 

移行リスク・機会

脱炭素社会への移行期において、政策、規制、技術、市場及び顧客の嗜好等の変化に伴うリスク及び機会。

物理的リスク

気候変動に伴う自然災害の頻発、激甚化等の急性的なリスク、平均気温の上昇、異常気象等の慢性的なリスク。

 

   

1.5℃シナリオ

世界中で気候変動に対する厳格な対策が徹底され、地球温暖化を抑えることに成功する。

その結果、2050年の平均気温は、18世紀の産業革命前に比べて、1.5℃上昇にとどまる。

4℃シナリオ

温暖化に関する様々な注意喚起にも関わらず、各国の足並みが揃わず、厳格な対策は導入されない。

その結果、温暖化はさらに進行し、平均気温は4℃上昇、自然災害が激甚化、頻発化する。

 

 

   ■対象事業 当社グループの全事業(戸建事業、マンション事業、収益不動産事業、米国不動産事業)

   ■想定期間 短期:2027年まで 中期:2030年まで 長期:2050年まで

   ■財務影響 小: 絶対値5億円未満  中:絶対値5億円以上50億円未満  大:絶対値50億円以上

 

 

  (ⅱ)シナリオ分析結果

   (イ)移行リスクの財務影響および今後推進すべき対応策

移行リスク

影響

該当事業

財務影響

影響

時期

今後推進すべき

対応策

戸建

マン

ション

収益

不動産

米国

不動産

1.5℃

4℃

カーボン

プライシングの導入

カーボンプライシング導入に基づく資材等の調達コスト上昇

 

中期

・サプライチェーンとの

 取組み推進

・CO2排出削減に資する 

 代替資材の検討

カーボンプライシング導入に基づく営業車両の燃料コスト上昇

 

小 

小 

中期

・ハイブリッド、EV車の

 導入

カーボンプライシング導入に基づく電気使用コスト上昇

小 

小 

中期

・事務所の省エネ、再エ

 ネ導入

住宅に関する環境規制

の強化

戸建・マンションに関する環境規制の強化への対応コスト上昇

 

 

中 

中期

・効率の高いサプライチ

 ェーンの構築

・補助金の活用

・顧客に対するZEH等の

 価値提案

・最新技術の導入の検討

 

 

   (ロ) 物理的リスクの財務影響および今後推進すべき対応

物理的リスク

影響

該当事業

財務影響

影響

時期

今後推進すべき

対応策

戸建

マン

ション

収益

不動産

米国

不動産

1.5℃

4℃

台風や洪水の激甚化による影響

台風や洪水に伴う作業停止期間の発生によるコスト上昇

 

 

中期

・リスクを考慮した工

 期の設定

・被害拡大の予防措置

台風や洪水に伴う建設中住宅の収益減少

 

 

 

中期

 同上

台風や洪水の被害の予防対策コストの上昇

 

 

中期

 同上

引き渡しまでの保有期間中の不動産の火災保険料コストの上昇

 

短期

・状況に合わせた事業

 エリアの考慮

浸水想定区域の拡大に伴う建設可能エリアの縮小による収益の減少

 

 

長期

・浸水リスクの低いエ

 リアへの市場変更

酷暑による

生産性低下

酷暑による建設技能者の作業効率低下による収益の減少

 

 小

中期

・建設中のウインドウ

 エアコンの導入

・勤務体制、服装の見

 直し

酷暑による営業社員の営業効率低下による収益の減少

 

 

 小

中期

・勤務体制、服装の見

 直し

・飲料代補助制度

 

 

  (ハ)機会の財務影響および今後推進すべき対応策

機会

影響

該当事業

財務影響

影響

時期

今後推進すべき

対応策

戸建

マン

ション

収益

不動産

米国

不動産

1.5℃

4℃

環境負荷の低い住宅需要の

高まり

環境負荷の低い戸建住宅やマンションの提供による収益増加

 

 

中期

・マーケティング戦

 略の最適化

・製品ラインの拡充

・価格戦略の見直し

環境負荷の低いサービス需要の高まり

再エネ由来電力を利用可能なおうちリンクでんきサービスによる収益増加

 

 

中期

・顧客に対する利便

 性、環境価値の訴求

・マーケティングの強

 化

 

 

③ リスク管理

当社グループは、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を設置し、気候変動に関連するリスク をはじめとするサステナビリティに関するリスクと機会について識別・評価するとともに、各事業部門及び グループ各社における情報を収集・管理しています。サステナビリティ委員会にて議論された内容について は、取締役会に定期的に報告をする体制を整備しています。

サステナビリティ委員会では、社外有識者との情報交換を行う等、気候変動対応の世界的な動向を踏まえ た当社グループの課題を把握し、必要な施策について協議し、その進捗を定期的にモニタリングしていま す。当社グループのGHG排出削減目標及び削減に向けた取組みについても、サステナビリティ委員会において 進捗を管理しています。

加えて、住宅事業における法規制等の影響によるリスクについては、サステナビリティ委員会直下にグ ループ各社からなる建設部会を設置し、顧客動向や対応について議論するとともに、経営会議やサステナビ リティ委員会に適宜報告されています。

このように、グループ経営に関する重要なリスクや取組みの進捗状況は定期的に取締役会に報告されており、今後多様化・広域化・激甚化が予想される気候変動に伴うリスク及び機会に適切に対処する体制を整備しています。

 

④ 指標及び目標

当社グループは、脱炭素社会の実現に向けて、中長期の温室効果ガス(GHG)排出削減目標を設定しています。事業活動におけるGHG排出量の低減を図り、スコープ1、2、3におけるGHG排出量(原単位)を2021年度比で2030年度までに46%削減することを目指しています。2023年度には、GHG排出量の算定範囲を連結ベース(海外事業等を除く)に拡大し、当社グループ一体となって脱炭素社会への貢献に向けて取組みを進めています。


 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業を取り巻く経営環境について

① 景気動向、金利動向等の影響

当社グループが属する不動産業界の企業業績は、景気動向、金利水準、地価の水準、為替相場等のマクロ経済要因の変動等と密接に関係しております。そのため、不動産市況、住宅ローン金利及び消費税増税の動向、人口動向、不動産に係る税制の改正等の経済状況や政策動向並びに住宅取得希望者の心理動向等が、当社グループの業績及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

 

② 営業エリアが首都圏に集中していること並びに競合及び災害等の影響

当社グループは、首都圏を中心として、不動産の仲介のほか、新築一戸建住宅、新築マンション並びに中古収益不動産の販売並びに建築請負等を行っております。

首都圏は、住宅及び収益不動産に対する需要が高いことから、競合他社が多く競争が今後更に激化する可能性があります。近年は名古屋圏、福岡圏及び関西圏で事業を展開しておりますが、これらの地域においても競合他社との競争に晒されています。当社グループよりも仕入力、販売力、ブランド力等において競争優位に立つ競合他社の影響等により、当社グループの土地の仕入力及び販売力の相対的な低下並びに価格変動等により急激に需要が低下する場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの営業活動は首都圏を中心として都市部で展開しているため、首都圏その他の都市部の人口動向、地理的変化、平均収入の変化、地域経済、不動産市況等の影響を特に受けやすく、それにより当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

更に、当社グループが事業を展開する地域において地震、台風その他の災害が発生した場合、人的・物的被害のほか、工事の遅延、開発・販売ができなくなるおそれ、不動産の価値が減少するおそれ、修復等に費用を要するおそれなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

③ 気候変動について

当社グループは、不動産を顧客に提供する事業を展開していることから、気候変動に伴う政策及び法規制の強化並びに自然災害の多発及び激甚化は、当社グループの事業に影響を与える可能性があるものと認識しております。そのため、サステナビリティ委員会においてTCFD提言に沿ったシナリオ分析に基づき、当社グループに及ぼすリスク及び機会の特定、重要度の評価、財務影響の算出並びに今後推進すべき対応策の検討を実施いたしました。

その詳細につきましては、2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)脱炭素の貢献(TCFD提言に沿った開示)に記載のとおりであります。
 しかしながら、今後、想定を超える気候変動に伴う政策及び法規制の強化並びに自然災害の多発及び激甚化により、対応する費用が多大となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 感染症等の流行について

新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の位置づけが第5類感染症に分類され、感染拡大による経済活動等の停滞リスクは低減いたしました。

しかしながら、今後新型コロナウイルス感染症以外の治療方法が確立されていない感染症が流行した場合には、当社グループの事業、業績、流動性及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。

 

また、感染予防対策として、当社グループ、顧客、外注先、仕入先及び提携先において活動が制限される結果、当社グループの強みである営業活動への支障やサプライチェーンの混乱等が生じる可能性があります。加えて、感染予防対策が有効である保証はなく、当該対策が奏功しない場合には当社グループの事業活動及び事業計画の遂行に悪影響を及ぼすおそれがあります。

一方で、新たな感染症の感染拡大は、当社グループにとって新たな事業機会でもあると考えておりますが、事業機会が今後も継続する保証はありません。

なお、当該感染症が当社グループに与える最終的な全体の影響の程度は、感染症の収束時期など今後の事態の進展によるため、極めて不透明であり、予測することが困難です。その影響の程度によっては、当社グループの事業、業績、流動性及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 土地の仕入れ、木材・建材などの調達や人件費等について

当社グループは、首都圏その他の都市部の物件を中心に用地を仕入れており、当該仕入れのコストが開発コストの相当部分を占めておりますが、首都圏その他の都市部における物件の供給不足等の当社グループがコントロールできない外部要因により、仕入価格が高騰する可能性があります。また、当社グループが提供している新築一戸建住宅並びにマンション等は、木材・建材その他の原材料を使用しております。これらの原材料が、為替相場の変動並びに当該原材料の生産国におけるカントリーリスク等により価格高騰する可能性があります。更に、建築業界における人材不足等を背景として建築工事に係る人件費が高騰する可能性もあります。これらのコストの上昇を販売価格に転嫁することが難しい場合には、当社グループの業績に重大な悪影響を与える可能性があります。

 

(3) 事業戦略について

当社グループは、成長のための事業戦略を掲げて様々な取組みを行っておりますが、将来の業績や市場環境には不確実性が内在しており、多様な要因により事業戦略が奏功しない可能性や事業戦略を変更せざるを得ない可能性があります。

例えば、当社グループが戸建関連事業を展開する、首都圏、名古屋圏、福岡圏並びに関西圏において、出店候補地の立地条件、競合企業の動向、エリア特性及び採算性等の総合的な判断に基づき、店舗展開を行っていく方針であります。今後、当社グループの出店条件に合致する物件が見つからず、新規出店が進まない場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

 

(4) M&Aについて

当社グループは、事業拡大のため事業戦略の一環として企業買収、戦略的出資、提携等のM&Aを行っており、今後も推進してまいります。しかしながら、今後、当社グループの事業戦略に合致する適切な対象企業候補が見つかり、当該対象企業候補との間で、適切な条件でM&Aを実施することができる保証はありません。また、2023年11月にメルディア社、2025年4月にプレサンス社を完全子会社化いたしましたが、このようにM&Aを実施した場合においても様々なリスクがあり、例えば、対象企業との事業統合が計画通り進まない可能性、想定していたシナジー効果が実現しない可能性、M&Aに必要な業務にリソースが割かれることにより当社グループの通常の事業活動に支障が生じる可能性、対象企業の優秀な人材が流出する可能性、当社グループのコンプライアンスに係る水準と同等の水準で対象企業を運営できない可能性、対象企業の価値評価等を見誤る可能性、将来の減損の対象となりうる多額ののれんを計上する可能性、M&Aに関連して当社グループの負債が増加する可能性があります。一方、当社グループが対象企業の非支配株主持分のみを取得する場合には、対象企業の経営を有効に監督、コントロールすることができず、戦略的投資の効果を実現する上で当社グループが最適と考える対象企業の経営方針、事業戦略が実行されない可能性があり、かかる場合には、当社の事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、提携先との提携関係が存在することによって、将来における他の潜在的な提携候補先との協働に関する自由度が制限される可能性があります。以上のようなリスクにより、場合によっては当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(5) 有利子負債への依存について

当社グループは、事業用地並びに物件取得資金及び運転資金は、主として金融機関からの借入金によって賄っております。当連結会計年度末(2025年9月30日)現在、当社グループの連結有利子負債残高は720,063百万円となり、前連結会計年度末(2024年9月30日)と比較して108,291百万円増加しました。また、総資産に占める有利子負債の比率は51.0%となっております。

現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を与える可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変動等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

 

(6) 不動産開発における収益認識までの期間の長期化等について

当社グループが営む不動産の販売事業では、用地の仕入れから一般消費者への販売までに相当の期間を要し、また、当該期間中において複数回にわたり多額の投資を行う必要があります。一般消費者への販売完了までの間には、原材料の価格高騰や人材不足、顧客の需要の変化などといった当社グループがコントロールのできない外部要因によって、想定外の期間や費用を要する可能性があります。また、開発が遅延することによって、当社グループが在庫を当初の計画よりも長く抱えざるをえず、その間に市況が悪化した場合には、棚卸資産の評価損の計上にもつながりうるほか、収益の認識にも遅れが生じ、当社グループの業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。更に、当初の計画通りに開発を完了できない場合には、当社グループの信用毀損や顧客に対する責任が生じる可能性もあります。

 

(7) 棚卸資産について

当社グループは、不動産の販売事業を行っており、棚卸資産として販売用不動産、仕掛販売用不動産を計上しております。なお、2025年9月末現在における状況は以下のとおりであります。

 

販売用不動産及び仕掛販売用不動産の内訳

内訳

販売用不動産(百万円)

仕掛販売用不動産(百万円)

戸建関連

62,461

243,665

マンション

1,266

100,118

収益不動産

60,917

25,914

その他

21,615

39,471

プレサンスコーポレーション

21,290

193,274

総計

167,551

602,444

 

 

当社グループが保有する棚卸資産の不動産価値は様々な要因により下落する可能性があります。また、当社グループでは、想定していた価格での販売が困難な場合には、在庫リスクを軽減するため、販売価格の値引きにより販売を促進させる施策をとることがあります。それら施策の実行に伴う利益の減少並びに棚卸資産の評価損が多額となる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 外注管理について

当社グループは、新築一戸建住宅の建設に際して、施工監理業務(品質・安全・工程・コストの各監理)を除き、原則として請負業者に分離発注の上、外注をしております。また、マンション建設業務においては、施工監理業務も含め大部分を建設業者に外注をしております。

このように施工業務の大部分を外注に依存しているため、外注先を十分に確保できない場合、外注先による工事の品質に問題がある場合又は外注先の経営不振並びに工期遅延が発生する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(9) 人材の確保について

当社グループは、今後も戸建関連事業を中心に展開してまいります。お客様のニーズに合った良質の商品及びサービスを提供していくためには、高い潜在能力を持ち、お客様にご満足いただける商品提案等のできる人材に、教育訓練を実施して戦力化していくことが経営上の重要な課題であります。

当社グループは、今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を数多く採用していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合、又は現在在籍している人材が流出する場合、人材確保に関してコストが増加する場合等には、事業の展開や業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 瑕疵担保責任又は契約不適合責任について

当社グループでは、住宅の品質確保の促進等に関する法律により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負っています。万が一、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、その直接的な原因が当社グループ以外の責によるものであっても、当社グループは売主としてその責任を負うことがあります。その場合には、補償工事費の増加や当社グループの信用力低下により、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

 

(11) 法的規制について

当社グループは、事業運営上、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、国土利用計画法、貸金業法、環境規制等による法的規制を受けております。

当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。今後、これらの関連法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられる場合、又はこれらの法令等の規制について遵守できなかった場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

 

(12) 個人情報の管理について

当社グループは、各事業において、見込顧客情報及び取引顧客情報等、当社グループ事業を通して取得した個人情報を保有しており、個人情報の保護に関する法律等による規制を受けております。

これらの個人情報については、個人情報を有する当社グループの各社にて細心の注意を払って管理しております。しかしながら、万が一、外部漏洩等の事態が発生する場合には、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び事業の展開に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況の概要は、以下のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態

a.資産

当社グループの当連結会計年度末における総資産は1,412,001百万円となり、前連結会計年度末と比較して129,910百万円増加しました。これは主として、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が合わせて85,817百万円増加したほか、投資その他の資産が16,518百万円、現金及び預金が11,941百万円増加したこと等によるものであります。

 

b.負債

負債は873,167百万円となり、前連結会計年度末と比較して126,995百万円増加しました。これは主として、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)及び社債(1年内償還予定の社債を含む)が合わせて108,291百万円増加したほか、未払法人税等が13,216百万円増加したこと等によるものであります。

 

c.純資産

純資産は538,834百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,915百万円増加しました。これは主として、株式会社プレサンスコーポレーションの完全子会社化等により非支配株主持分が70,988百万円減少したほか、自己株式の取得により純資産が24,999百万円減少した一方で、利益剰余金が81,324百万円、資本剰余金が13,378百万円増加したこと等によるものであります。

 

ロ.経営成績

当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高は1,336,468百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益は145,933百万円(同22.5%増)、経常利益は139,491百万円(同16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は100,670百万円(同8.3%増)となりました。

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「メルディア」セグメントを廃止し、既存の事業セグメントに集約することにより、報告セグメントの区分を変更しております。また、前連結会計年度のセグメント情報についても変更後の区分方法により作成しており、その数値を用いて前連結会計年度比を算出しております。その他セグメント情報の詳細につきましては、連結財務諸表「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

 (戸建関連事業)

戸建関連事業につきましては、当社グループの展開エリアにおける戸建住宅に対する需要の回復に加え、前連結会計年度に取り組んだ在庫の入替えが奏功したことにより、売上高は伸長し、売上総利益率の改善が顕著となっております。

その結果、売上高は671,339百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は69,507百万円(同36.9%増)となりました。

 

 (マンション事業)

マンション事業につきましては、マンション用地及び建設費の上昇を受けて仕入を厳選したため、売上高は前連結会計年度を下回りましたが、マンションに対する需要は高く、売上総利益率は改善しております。また、翌連結会計年度の引渡予定物件にかかる販売費及び一般管理費が先行して発生しております。

その結果、売上高は68,810百万円(前連結会計年度比22.9%減)、営業利益は8,047百万円(同24.5%減)となりました。

 

(収益不動産事業)

収益不動産事業につきましては、当社グループが顧客とする事業法人、富裕層が投資対象とする賃貸マンション、オフィスビル等に対する高い需要を背景として、売上総利益率が改善いたしました。

その結果、売上高は218,420百万円(前連結会計年度比5.9%減)、営業利益は23,196百万円(同31.4%増)となりました。

 

 (その他)

その他につきましては、日本の富裕層における資産分散を目的とするアメリカ不動産に対する投資需要が高く、販売は順調に推移いたしました。

その結果、売上高は151,111百万円(前連結会計年度比24.5%増)、営業利益は15,743百万円(同41.0%増)となりました。

 

 (プレサンスコーポレーション)

プレサンスコーポレーションにつきましては、主要販売エリアの近畿圏、東海・中京圏において、好立地の投資用及びファミリーマンションの販売に注力いたしました。

その結果、売上高は226,755百万円(前連結会計年度比13.2%増)、営業利益は28,720百万円(同1.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて16,565百万円増加し、407,682百万円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、29,530百万円(前連結会計年度は104,764百万円の獲得)となりました。これは主として、棚卸資産の増加額が70,678百万円、法人税等の支払額が32,307百万円あった一方、税金等調整前当期純利益が144,796百万円あったこと等によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、11,107百万円(前連結会計年度は22,584百万円の使用)となりました。これは主として、貸付金の回収による収入が1,864百万円あった一方、関係会社出資金の払込による支出が13,878百万円あったこと等によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、2,959百万円(前連結会計年度は69,253百万円の使用)となりました。これは主として、借入れによる収入と借入金の返済及び社債の償還による支出に係る純収入が102,892百万円あった一方、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が61,013百万円あったことに加え、自己株式の取得による支出及び配当金の支払額が合わせて44,345百万円あったこと等によるものであります。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

 

① 生産実績

当社グループの生産実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、生産実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

② 受注実績

当連結会計年度における建築請負の受注状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前連結会計年度比

増減率(%)

受注残高

(百万円)

前連結会計年度比

増減率(%)

 

戸建関連事業

82,481

13.1

58,279

23.3

プレサンスコーポレーション

236,066

60.2

97,690

19.3

 

(注) 上記以外のセグメントについては、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

販売実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメント別の業績にて示しております。

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響はあるものの、日経平均株価は2年続けて最高値を更新するなど総じて良好な状況が続いております。個人消費は、雇用、所得環境の改善を受けて持ち直しの動きがみられ、消費者物価も上昇しております。また、企業収益は改善傾向にあり、業況判断は良好な水準を維持しつつ、設備投資も緩やかに持ち直しております。加えて、公共投資は堅調に推移するなど、一部に弱めの動きはみられるものの、景気は緩やかに回復しております。

当社グループが属する不動産業界につきましても、景気の緩やかな回復並びに緩和的な金融環境を背景として、全国平均の地価は住宅地、商業地のいずれも4年連続の上昇となり、その上昇幅も拡大しております。中でも、三大都市圏の上昇幅は大きく、上昇基調が続いております。住宅地におきましては、都市中心部で生活利便性に優れた地域における住宅需要は引き続き堅調であり、特に東京、大阪の中心部の地価は高い上昇を示しております。商業地におきましては、主要都市の店舗、ホテルの需要が堅調なほか、オフィス賃料の上昇による収益性の向上もあり、地価の上昇は継続しております。

このような事業環境のもと、当社グループは2023年11月に策定した「3カ年の経営方針(2024年9月期~2026年9月期)」に掲げる経営目標の達成を目指して業務に取り組んでまいりました。

 

 

ロ.経営成績の分析

a.売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して40,606百万円増加1,336,468百万円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。これは、主としてアメリカ不動産事業を主とするその他セグメントが29,794百万円増加して151,261百万円(同24.5%増)となったことに加えて、プレサンスコーポレーションが26,829百万円増加して227,316百万円(同13.4%)となったこと等によるものであります。

 

b.売上原価、売上総利益

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して4,356百万円増加1,093,301百万円(前連結会計年度比0.4%増)となり、売上総利益は36,250百万円増加243,167百万円(同17.5%増)となりました。売上総利益率は、2.2ポイント改善して18.2%(前連結会計年度は16.0%)となりました。これは、主として戸建関連事業において前連結会計年度より在庫の入れ替えに取り組み、販売時に想定した利益率が見込める在庫内容に改善したことにより、売上総利益率が3.1ポイント改善して17.1%(前連結会計年度は14.0%)となったこと等によるものであります。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して、9,404百万円増加して97,233百万円(前連結会計年度比10.7%増)となり、販売費及び一般管理費率は0.5ポイント上昇7.3%(前連結会計年度は6.8%)となりました。これは、主として事業拡大に伴う人員増加により人件費が4,049百万円増加して35,604百万円(同31,555百万円)となったほか、これまで売上原価に計上していた広告宣伝にかかる費用の一部を、販売費および一般管理費の広告宣伝費への計上に変更したこと等により2,622百万円増加して8,247百万円(同5,625百万円)となったこと等によるものであります。

営業利益は26,845百万円増加して145,933百万円(同22.5%増)となりました。なお、売上高営業利益率は、1.7ポイント超過して10.9%(前連結会計年度は9.2%)となりました。

 

d.営業外損益、経常利益

営業外収益は、前連結会計年度と比較して4,702百万円減少4,450百万円(前連結会計年度比51.4%減)となりました。これは、主として前連結会計年度に非継続的な投資有価証券売却益を3,518百万円計上していたこと等によるものであります。

営業外費用は、2,935百万円増加して10,892百万円(同36.9%増)となりました。これは、主として事業拡大に伴う借入金の増加及び金利の上昇に伴い支払利息が2,192百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、経常利益は、19,207百万円増加して139,491百万円(前連結会計年度比16.0%増)となりました。なお、売上高経常利益率は、1.1ポイント改善して10.4%(前連結会計年度は9.3%)となりました。
 

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

株式会社永大ホールディングスの連結子会社化に伴い、企業結合時の時価純資産が取得原価を上回ったため、その差額5,147百万円を負ののれん発生益として特別利益に計上いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、7,748百万円増加して100,670百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。なお、売上高当期純利益率は、0.3ポイント改善して7.5%(前連結会計年度は7.2%)となりました。

 

 

② 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが2023年11月に策定した3カ年の基本方針(2024年9月期~2026年9月期)に掲げる経営目標に対する当連結会計年度における達成状況は以下のとおりです。

前提となる3カ年累計の当期純利益を、当初の2,500億円から3,055億円に上方修正いたしました。

財務方針につきましては、自己資本比率は38.1%(目標35.0%に対して3.1ポイント超過)、ネットD/Eレシオは0.6倍(目標1.0倍に対して0.4倍低位)と達成しております。また、重視している資本効率においてもROEは20.1%を確保しております。

成長投資方針につきましては、3カ年累計の成長投資額5,000億円に対してその半分を実行しております。

株主還元方針につきましては、3カ年累計の株主還元額を、当初の1,000億円から1,300億円に上方修正いたしました。株主還元指標においても、配当性向20%以上から総還元性向40%以上に強化しており、前連結会計年度の総還元性向も45.0%に達しております。

以上のように目標とする全ての経営指標において、上方修正もしくは超過達成しております。

なお、経営方針の概要につきましては、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等「(3)中長期的な経営方針及び対処すべき課題」「①3カ年の基本方針」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの主な資金需要は、各セグメントにおける事業用地、物件取得、建設資金、事業拡大のための投資資金並びに運転資金であります。それらの財源については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、自己資本、金融機関からの借入金並びに社債の発行による有利子負債等を充当することに加え、資金使途に応じた幅広い資金調達手段の確保に努めております。

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。