第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国では緩やかな回復基調が引き続いたものの、中国及び韓国等の新興国では経済が減速し始め、原油価格の下落や商品・製品価格への影響が出るなど弱含みで推移いたしました。

わが国経済は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要による反動が長引きましたが、政府の経済政策や日銀の金融緩和策を背景に円安や株高が進展し、企業収益が改善するなど景気は緩やかに回復してまいりました。

主要販売品目である鉄スクラップ価格(東京製鐵岡山海上特級価格)は、期初の1トンあたり33,500円から期中には一時23,500円にまで下落し、期末には25,000円となりました。

こうした環境下で主要商材である鉄スクラップ販売については、販売単価下落により売上予算は未達成となりましたが、コンテナでの販売等、従来からの主たる販売先である韓国以外の販売先確保に努め収益を確保いたしました。さらに、リサイクル資源を集荷・生産・販売する各工場での取引においては、一般消費者からの資源回収強化と廃棄物を利用した固形燃料等の製造強化、広域集荷営業の強化をすすめ、事業基盤の強化を推し進めました。非鉄金属については、相場が高値で推移するなか新たな販売形態を実施する等販売数量の増加により収益が拡大しました。また、太陽光発電所の開発による収益を計上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高32,538百万円(前年同期比9.1%減)、営業利益744百万円(前年同期比47.5%増)、経常利益1,001百万円(前年同期比37.9%増)、当期純利益685百万円(前年同期比24.3%増)となりました。

 

当社グループの報告すべきセグメントは、資源リサイクル事業のみであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ195百万円増加し、1,441百万円(前連結会計年度末比15.7%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増減額752百万円、持分法による投資利益190百万円及び法人税等の支払額183百万円等の支出があったものの、税金等調整前当期純利益が1,031百万円、減価償却費658百万円等の収入があったことにより、1,462百万円の収入(前連結会計年度比682.0%増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、出資金の回収による収入2,532百万円、有形固定資産の売却による収入88百万円等の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出633万円、出資金の払込による支出3,713百万円等の支出により、1,685百万円の支出(前連結会計年度比196.9%増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出782百万円等の支出があったものの、短期借入金の純増加額1,479百万円等の収入により408百万円の収入(前連結会計年度比3.5%減)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

 

品目

当連結会計年度

生産高(千円)

前年同期比(%)

リサイクル資源

6,447,203

84.9

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。

 

品目

当連結会計年度

仕入高(千円)

前年同期比(%)

リサイクル資源

20,147,091

87.9

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社は、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。

 

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

品目(地域)

当連結会計年度

販売高(千円)

前年同期比(%)

リサイクル資源
(日本)

10,104,153

95.3

 

リサイクル資源
(アジア)

19,998,801

87.4

リサイクル資源
(南米)

1,284,379

107.0

リサイクル資源
(アフリカ)

1,072,538

109.6

リサイクル資源
(その他)

78,580

60.5

リサイクル資源
(海外)

22,434,300

89.1

リサイクル資源合計

32,538,454

90.9

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

HYUNDAI STEEL COMPANY
(韓国)

6,645,175

18.6

3,985,805

12.2

POSCO (韓国)

5,133,981

14.3

2,295,458

7.1

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループのおかれている業界においては、一部企業の生産拠点の国内回帰が見られるものの、依然として海外移転等が主流となっており、原材料及び商品となる廃棄物の発生が減少してきていることから業界内における原材料及び商品確保の競争が一層激化してきております。一方で中国を中心とした新興国の金属・プラスチック資源の需要は底堅く、今後もアジアにおける資源需要は堅調に推移することが予想されます。
 こうした状況の中、アジア圏を当社グループの主要商圏と捉えて事業の構築等を推進していく必要があると考え、特に下記の9点を重要な経営課題として取り組んでおります。

 

① 事業領域の拡充及び新規事業開発

当社グループが現在行っている金属・プラスチック等のリサイクル事業を深堀し、リサイクル技術を高めることで廃棄物から有用金属、プラスチック等のリサイクル資源の回収率を高めるとともに、リサイクル過程で発生する廃棄物及び外部から受け入れた廃棄物を原材料とした燃料等の製造事業を強化し、リサイクル率と製品付加価値を高めてまいります。
 また、当社グループの既存事業には、市場が成熟化している事業もあります。当社グループの収益源の多様化並びに継続的な成長・拡大を図るためには、新規事業の開発と推進が必要であります。当社グループでは、新技術の導入、独自の商流や新商品・新サービスの開発、新規事業開発を進めあらゆる可能性を模索しながら更なる業容拡大と収益性の向上に努めてまいります。

 

② 自治体との連携強化

当社グループでは、株式会社エコネコル、株式会社クロダリサイクル及び株式会社しんえこの3社において自治体より一般廃棄物の中間処分を受託しておりますが、当社グループの売上に占める割合は僅少であります。今後、国内産業の空洞化により製造業が減少し金属スクラップ及び産業廃棄物の発生量が減少することが予想される中、地方自治体で処理される一般廃棄物は一定程度の規模が見込まれます。その市場を取り込むため、当社グループ独自のリサイクルシステムを活用し、小型家電、一般廃棄物の焼却炉からの焼却残渣等で自治体との協力体制を構築し、一般廃棄物の取扱量を増加させ営業基盤を強化いたします。

 

③ 集荷拠点の充実

当社グループの属する業界は、販売ロットを確保することが販売価格の交渉に優位に働きます。当社グループでは、販売ロット確保のため全国の港近くに鉄スクラップ、非鉄金属、中古自動車等の集荷拠点を設置し、金属リサイクル業者、商社、自動車解体業者等からリサイクル資源を集荷し輸出しております。

現在、集荷拠点は、鉄スクラップ9ヶ所、非鉄金属3ヶ所、中古自動車2ヶ所となっておりますが、集荷拠点を増やし取扱量を増加させ販売交渉力の向上と収益拡大を目指してまいります。

 

④ 事業地域の拡大(資本提携・経営統合)

当社グループの属する業界は、地域を押さえることで過当競争を緩和し高値での仕入れを抑制できる傾向があります。加えて、各地域に拠点展開することで全国規模でのマーケットシェアを高めることができます。
 また、全国に拠点展開する大手企業の場合、全国規模で発生する廃棄物を一括して一企業グループに委託したいという潜在的なニーズが存在します。このニーズは、広域での廃棄物処理の場合、煩雑な処理委託先管理の合理化、処理品質、コンプライアンス、価格の合理性といったものとなります。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」においては、許認可の行政区分が県、政令指定都市単位となっていることからも、各都道府県に拠点を持つことで大手企業の廃棄物処理ニーズへの対応が可能となります。加えて、大手企業のニーズは、環境保全といった社会ニーズにもつながります。企業ニーズ並びに社会ニーズに応えるため、鉄リサイクル業界を中心に業際領域をも巻き込んだ資本提携・経営統合等により全国に拠点展開することが求められており、当社グループの事業拡大につながるものと考えております。

 

⑤ 海外市場への進出

中国や東南アジア各国の経済は、今後も成長が維持拡大されることが予想される一方、成熟した日本経済は、大きな発展は期待できない状況下にあります。このことから、当社グループが将来においても成長していくためには、海外戦略が重要であると考えております。既に株式会社3WMではアラブ首長国連邦、チリ及びウガンダに現地法人を開設し各国の法令や諸制度、規制の変化等、ビジネスに係る情報や取引先ニーズに対して、臨機応変な対応をしています。株式会社エコネコルの貿易取引においては、ホーチミン駐在事務所(ベトナム)を設置し従来の販売先である韓国や中国に加え東南アジアの貿易相手国の情報を捉え、現地での営業事務所やスクラップヤードの立ち上げを模索する段階となっております。旺盛な新興国需要を取り込むために、海外現地法人の設立や海外企業との業務提携などを行うことによって海外市場での展開を更に拡大する必要があると考えております。

 

⑥ 高度化する排出事業者ニーズへの対応

当社グループは、年々規制強化される「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連の諸法令の遵守と当社グループの事業全般を取り巻く諸法令の遵守を最重要課題と位置づけております。環境関連の諸法令は、当社グループの属する廃棄物の処理事業者のみならず、廃棄物を排出する企業(以下、排出事業者)をも規制し、その規制は社会ニーズも反映して厳しさを増してきているといえます。このような状況の下、排出事業者は安心して廃棄物処理を委託できる処理事業者のみを選好する傾向が強くなってきております。これら業界関連諸法令等の規制に対し自らより厳しい基準を設定し、プラントオペレーション技術の向上と安全意識の向上、研究開発を通じてより高いレベルのリサイクルに挑戦し続けております。

また、上場会社として当然のことではありますが、内部統制やコンプライアンスに関して更に深く掘り下げることや、ISO14001、ISO9001、ISO27001等取得した認証の運用を通じた活動により、企業や行政からの信用と社会的信頼を高めてまいります。

 

⑦ 財務体制の強化

当社グループは、平成22年5月に純粋持株会社に移行いたしました。この体制への移行は、企業買収や経営統合、資本提携等といった手法により全国展開や海外拠点展開を図るうえで有効であると考えてのものです。その過程においては、当社グループ全体の財務体制の強化を促進していくことを並行して実施する必要があると感じております。当社グループ連結子会社における資金調達力と並行して、当社グループ全体の資金調達の幅を広げ、適切な資金管理により合理的な業務運営を進めてまいります。また、経営資源の最適な配分を行うことにより、資金効率の向上を図ってまいります。

 

⑧ ITシステムによる業務の効率化と顧客の囲い込み

当社グループにおいては、原材料及び商品の仕入れ販売においてその重量を業務系システムであるスケールシステムによって管理しております。スケールシステムは自社開発したものであり、顧客管理システムと顧客データベースを介して会計システムと複数の会計サブシステムに連動させております。これらの取り組みは、当社グループ連結各社のITシステムを共有化し業務の効率化と費用削減を進めるという目的と、共通業務を標準化しITシステムを利用して内部統制機能を充実させるという思想に基づいております。こうした取り組みの中で各社の経営判断材料を迅速に提供し、経営の透明性と正確性を確保しております。

当社グループでは、ITシステムを更に充実させ業務効率を向上させることのみならず、営業活動に対しても貢献していくことを目指しております。

 

 

⑨ 包括的な事業継続管理とリスク管理体制の強化

当社グループの事業である廃棄物の処理能力は、平時における事業活動が有事の際に被災地域の支援を行えるといった社会貢献の一環として変化する特性があります。そしてこの特性は、前述した課題のひとつである全国に拠点展開することでより一層強化されることとなります。即ち、当社グループ連結子会社の所在する地域が被災した場合、当社グループ各社の人的、物的資源を集合させ復興支援できる体制を目指すとともに、廃棄物処理においては広域で連携して対応する体制となるというものです。当社グループの事業拡大は、このような有事の際の支援体制の構築に資するものと考えております。

また、リスク管理体制の構築については、当社に内部統制委員会を設置し、その下部組織として小委員会を設けてグループ横断的、且つ機動的組織としております。このリスク管理体制は、包括的な事業継続管理体制を構築する中で、当社グループ連結各社の事業継続計画(business continuity plan)の策定から、その運用と見直しを定期的に行うことを目的としております。今後は、更に当社グループ全体を組織的に運営することでリスクマネジメント力を高めていく必要があると考えております。

 

4 【事業等のリスク】

 

本書に記載した当社グループにおける事業概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でおりますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。

 

(1) 原材料、製・商品の相場変動リスク

当社グループにおける原材料、製・商品である鉄スクラップや非鉄金属の価格は、鉄鉱石や銅鉱石といった資源価格や金属製品価格等の影響を受けます。

上記の様に、当社グループの原材料、製・商品の仕入価格と販売価格は、基本的には相場に連動するため、相場の急激な変化の影響を受けて、契約内容によっては利益の減少や損失が発生する場合があります。また、同様に製・商品在庫価値についても相場の影響を受ける可能性があります。

第6期における1トン当たりの鉄スクラップ価格(東京製鐵岡山海上特級価格の平均)の推移は、下表のとおりであります。

第6期(自 平成26年7月1日  至 平成27年6月30日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

 

(円/トン)

(円/トン)

(円/トン)

(円/トン)

鉄スクラップ価格

32,793

28,516

23,733

24,143

 

(注) 鉄スクラップ価格は、東京製鐵岡山海上特級の日々の価格を合計し各四半期会計期間の日数で除して算出しております。

 

(2) 原材料の調達環境リスク

当社グループにおける原材料は、主に工場発生の金属スクラップ及び産業廃棄物や市中発生の老廃屑(解体工事や工場ライン撤去に伴い発生する鉄スクラップや非鉄金属)となります。工場発生の金属スクラップ及び産業廃棄物は、工場の海外移転や生産数量の調整によって減少する可能性があります。また、老廃屑は、景気の悪化を受けて設備投資が縮小されたり、不動産売買が減少したりする場合に減少いたします。また、消費動向によっても原材料となる使用済自動車、使用済複写機といった金属及びプラスチック等の複合材の発生が減少する可能性があります。こうした原材料の減少は、設備稼働率の低下を伴いますので、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 業績の変動リスク

当社グループでは、原材料、製・商品の相場変動、為替変動、原材料の増減等、各種要因により業績が大きく変動する可能性があります。
 当社グループの業績は、下表のとおりであります。

第6期(自 平成26年7月1日  至 平成27年6月30日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

金額
(千円)

比率
(%)

金額
(千円)

比率
(%)

金額
(千円)

比率
(%)

金額
(千円)

比率
(%)

金額
(千円)

比率
(%)

売上高

8,431,094

25.9

7,834,518

24.1

7,650,073

23.5

8,622,767

26.5

32,538,454

100.0

経常利益

222,476

22.2

216,905

21.7

255,994

25.6

305,905

30.5

1,001,281

100.0

 

(注) 比率は、通期に対する四半期の割合であります。

 

 

(4) 特定の販売先への集中リスク

当社グループの平成27年6月期の売上高に占める上位三社であるHYUNDAI STEEL COMPANY(韓国)、POSCO(韓国)及びDONGKUK STEEL MILL Co.,LTD(韓国)を合わせた売上高比率は24.5%であります。各社とは円滑な取引関係を継続しておりますが、取引先の個別の事情や相手国の事情、法規制や関税率の変化といった理由により、取引条件の悪化や取引関係の解消又は契約内容の大幅な変更等が生じる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 適時に傭船が行えない場合の業績へのリスク

当社グループでは、鉄スクラップ等を船舶会社から傭船し、一船あたり1,500トンから5,000トン単位で国内外に販売しております。一船あたりの売上高は、数千万円から1億円以上になり天候等の不測の事態により適時に傭船できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制等について

当社グループの事業活動の前提となる事項に係わる主要な法的規制は以下に記載のとおりであります。

 ・ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
  ・ 貨物自動車運送事業法  
  ・ 使用済自動車の再資源化等に関する法律
  ・ 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律
  ・ 労働安全衛生法
  ・ 計量法
  ・ 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(通称、バーゼル法)  
    等

当社グループの事業活動においては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく廃棄物中間処理業や廃棄物収集運搬業の許認可を要します。また貿易取引においては、バーゼル法の規制を受けるほか海外の許認可を要する場合があります。これらの法的規制等のほかに事業を営む上で必要な法令許認可について、大きな制度変更があった場合や当社グループの子会社がこれらの規制に抵触することになった場合には、事業の停止命令や許認可の取り消し等の行政処分を受ける場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) カントリーリスク

当社グループは、海外売上高比率が平成27年6月期に68.9%と非常に高く、輸入や三国間貿易も実施しております。また、アラブ首長国連邦、チリ及びウガンダに現地子会社が存在することから、取引先の各国の経済情勢に加え、貿易・通商規制、税制、予期しない法律又は規制の変更並びにそれらの解釈の相違、あるいは政変や戦争等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 為替変動リスク

当社グループの貿易取引では、円建のほか外貨建も含めて取引を行っている在外子会社も存在することから、取引、在庫価値並びに外貨預金残高について為替変動の影響を受けております。

このため外貨取引については為替予約規程により為替予約等を利用することを規定し運用することで、為替変動リスクの低減に努めております。また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算しており、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受けます。しかしながら、事業活動において為替変動リスクを完全に排除することは困難でありますので、今後著しい為替変動があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) M&A戦略及びM&Aシナジーが十分に発揮されないリスク

当社グループでは、業容の拡大を図る手段としてM&Aを実施してまいりました。対象企業については、当該企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するよう努めております。しかしながら、M&Aを行った後に偶発債務や未認識債務が判明する場合等が考えられます。

また、M&Aの対象会社が外部環境の変化等各種の要因により、当初の期待どおりの成果をあげられない可能性もあります。これらの場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 競合リスク

当社グループの事業分野には大きなシェアを持つ全国的な企業が存在せず、地域別に中小企業が多数存在し、それぞれの得意分野・地域を持ち、価格、サービスを競っております。

今後は法的規制を背景にした環境対応や廃棄物リサイクルへの社会的ニーズの高まりにより、より高度な廃棄物処理と再資源化が求められることから、全国一括受託のためのサービス提供地域の拡大や大規模な設備等を設置できる財務的な体力、ノウハウ、あるいは廃棄物の排出事業者から廃棄物由来のリサイクル品やリユース品を利用する企業までをも巻き込んだ総合的な廃棄物の循環処理サービス体制を構築することが重要になってくると予想しております。

当社グループではこれらの社会的ニーズを取り込んだ事業展開をめざしておりますが、異業種からの新規参入や業界再編成といった事業環境の変化によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 有利子負債リスク

平成27年6月期末において、当社グループの有利子負債は3,958百万円、総資産に対する割合は27.4%であり、当社グループは、財務体質の改善に努力しておりますが、今後の金利動向が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 潜在株式による株価変動リスク

当社は、役員の退職慰労金の目的並びに役員と従業員等へのインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。平成27年6月末現在における潜在株式数は440,640株であり、平成27年6月末の発行済株式総数の6.8%に相当いたします。この新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で同時期に大量に売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 人材確保・育成に係るリスク

当社グループは、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、人材に報いるための研修制度等を導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 労働災害に係るリスク

当社グループでは、多くの生産設備、重機等を使用して業務を行っており充実した安全管理が不可欠であると認識しております。そのため、内部統制委員会の下部組織として環境安全委員会を設置し、従業員への安全教育、危険予知活動といった啓発活動並びにチーム活動等による点検パトロールの継続的な実施を通じ、事故を防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、万一、重大な事故・労働災害等が発生した場合、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(15) 自然災害・火災・事故等のリスク

当社並びに当社グループの中核企業である株式会社エコネコルの資源リサイクル工場は、静岡県富士宮市の富士山の麓に位置しており、富士山が噴火した場合、火山弾などによる社屋や設備の損壊、周辺道路の寸断による孤立化及び電気や水道等の供給停止による操業停止の可能性があります。また、静岡県や愛知県においては東海大地震の発生も懸念されております。当社グループの貿易部門並びに株式会社クロダリサイクルにおいては、船積みヤード(在庫保管基地)を有しておりますので地震による津波により製・商品在庫においても大きな被害が出る可能性があります。

また、当社グループの主要生産設備であるシュレッダー(大型破砕機)は、火災のリスクが比較的高い設備であります。自動消火装置や24時間自動監視システム等のセキュリティ対策を施しておりますが、同主要設備の稼動が火災や重大な事故損傷により長期間停止した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこのような自然災害や火災、重大事故、損傷といった非常事態に備え、グループ各社において災害・事故発生時の緊急体制・手順を整備し被害を最小限にとどめる対応を準備しております。しかしながら有事の際の被害状況は想定を超える場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 環境汚染等に係るリスク

当社グループでは、産業廃棄物等を扱っており、中間処理過程で騒音、振動、粉塵、排水が発生いたしますが吸音、防振、集塵、水質浄化設備等の環境対策設備を設置し環境汚染を防止しております。しかしながら、不測の事態により流出漏洩等の事態が生じた場合、汚染防止、汚染除去等の環境汚染防止のための改修費及び損害賠償や設備の修復等に多額の支出が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) ITシステムにおけるリスク

当社グループでは、主要ITシステムであるスケールシステム(計量システム)については、函館市の株式会社クロダリサイクルに、会計、人事、給与、就業、通関書類作成の各システム並びにサブシステムについては、長野県松本市の株式会社しんえこにバックアップシステムを構築しております。また、クラウドサーバを静岡県富士宮市で集中管理し総合的な対策を講じている状況にあります。しかしながら前項の自然災害により静岡県富士宮市の拠点が壊滅的な被害を受けた場合や、事務所の火災等によりバックアップデータまでもが損失し復旧が不可能な場合は、当社グループの事業が停止することとなりますので、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は14,464百万円(前連結会計年度末比1,373百万円の増加、前連結会計年度末比10.5%増)となりました。流動資産は6,888百万円(前連結会計年度末比425百万円の増加、前連結会計年度末比6.6%増)となりました。これは、受取手形及び売掛金が269百万円、商品及び製品が183百万円減少したものの、仕掛品が975百万円増加したことなどによります。固定資産は7,575百万円(前連結会計年度末比947百万円の増加、前連結会計年度末比14.3%増)となりました。これは、土地が226百万円減少したものの、出資金が1,181百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の負債合計は6,536百万円(前連結会計年度末比713百万円の増加、前連結会計年度末比12.3%増)となりました。流動負債は5,398百万円(前連結会計年度末比1,163百万円の増加、前連結会計年度末比27.5%増)となりました。これは、1年以内返済予定の長期借入金が361百万円減少したものの、短期借入金が1,479百万円増加したことなどによります。固定負債は1,137百万円(前連結会計年度末比449百万円の減少、前連結会計年度末比28.3%減)となりました。これは、長期借入金が420百万円減少したことなどによります。

当連結会計年度末の純資産合計は7,928百万円(前連結会計年度末比659百万円の増加、前連結会計年度末比9.1%増)となりました。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が588百万円増加したことなどによります。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、当社の原材料及び製・商品の価格が、日々の鉄スクラップ相場及び非鉄金属相場の影響を強く受けるため、これらの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び無担保社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。

長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入に比較して有利な条件に限り、社債発行を行うこととしております。また、株式の発行に関しては、資本政策に基づき、株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。

資金の流動性については、財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手元流動性の維持等により、流動性リスクを管理しております。なお、当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。