文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
当グループは企業理念を次のとおり定めております。
創業企業 つねに社会にとって必要な事業を創造しつづける
日々創業・・・初心を大切に日々創業精神で仕事をする
歴代創業・・・代々初代の志を持って新事業を創造する
全員創業・・・全社員が自分に合う第一人者の道を拓く
循環企業 助け合い、活かし合い、分かち合う喜びの環を回しつづける
快 労・・・助け合い、補い合って気持ちよく働く
活 財・・・あらゆるもののいのちを活かして使い回す
還 元・・・利益や喜びを共に生きる人たちと分かち合う
求道企業 永遠につづく企業の道、人の道を追求しつづける
選難の道・・・安易な道を選ばず求められる道を歩む
独自の道・・・特質を生かし人のやらないことをやる
感謝の道・・・生かされていることに感謝し慢心をしない
社会にとって求められている事業を創造し続け、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることはもとより、事業活動を通じて良い世の中を作ることを目指してまいります。
IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が2018年に公表した特別報告書「1.5℃の地球温暖化」では、地球温暖化を1.5℃以内に抑えることで、多くの気候変動影響を回避できるとされています。そのためにはCO2排出量を2030年までに2010年水準から約45%以上減少させ、2050年までに実質ゼロにする「脱炭素社会」の構築が必須の命題となっております。
一般社団法人日本鉄鋼連盟が公表した「日本鉄鋼連盟長期温暖化対策ビジョン-ゼロカーボン・スチールへの挑戦-」では、世界経済が成長していく中で、世界の鋼材需要は拡大し、それに伴う粗鋼生産の増大が想定されています。その鉄源は将来的に主としてスクラップの利用が想定され、鉄スクラップ需要は2050年には2015年に比べて約3倍になると推計されています。また以前より、鉄鋼生産における鉄スクラップの利用は鉄鉱石からの製造プロセスと比べてCO2排出量が低いとされ、脱炭素化においても鉄スクラップ需要の世界的な拡大が見込まれています。
IEA(国際エネルギー機関)が公表した特別報告書「クリーンエネルギー転換における重要鉱物資源の役割に関する報告書」では、2050年までにCO2排出量を実質ゼロとするシナリオにおいて、ニッケルやコバルト、銅等を含む重要鉱物の全体の需要は、2040年には最大で2020年比の6倍になると推計されています。また、パリ協定が定める2度未満目標でのシナリオにおいても、2040年にコバルトやニッケルの需要は約20倍になると推計されています。
これらのことから地上資源(都市鉱山)のリサイクルを通じた「循環型社会」の構築もまた必須の命題となっております。
当社は2018年に策定した社会と当グループの持続的発展を同時に実現させるための5ヵ年の中期経営計画「サステナビリティ戦略」を2021年8月に見直し、その中で2026年6月期の経営目標を売上高700億円、経常利益40億円、ROE15.0%に設定しております。当グループでは「脱炭素社会」「循環型社会」「分散型社会」実現に向けた課題解決を事業機会とし、様々な事業を推進してまいります。
当グループの資源循環事業、グローバルトレーディング事業、リチウムイオン電池リサイクル事業は、限りある資源を有効活用し、循環型社会の構築に寄与することができる事業です。これらの事業で消費する電力を再生可能エネルギー電力でまかなうことができれば、事業を行うプロセスにおいても脱炭素社会の構築に寄与することができます。当グループは事業そのものとプロセスの両面で持続可能社会の実現に寄与するために、2018年7月にリサ
イクル業界としては世界で初めて「RE100」に加盟しました。現時点では再生可能エネルギー電力100%というRE100目標のうち約95%(2019年度の使用電力割合により算出)を達成しております。
今後当グループが、同戦略に基づいて事業を推進していく上での課題は下記のとおりです。
①資源循環事業領域の課題
・原材料を安定的に確保するために、これまでに蓄積したノウハウ・技術・設備を深堀すると同時に、未利用資源を活用するための研究開発を継続して実施してまいります。
・再生利用、再生品、再資源化、再生原料製造までを一貫して行えるハイレベルな製造業への変革、広域での回収能力保有、デジタル化の推進により、静脈サプライチェーンモデルを構築しサーキュラーエコノミーの実現を目指します。
・資源価格の変動に左右されない安定した収益体制を作るために、廃棄物処理関連の事業領域を強化し、取扱量を増加させてまいります。また、廃棄物の処理に伴い増加するダスト量を減らすため、廃プラスチック等を主原料とした固形燃料や、鉄鋼副資材の製造等の既存のリサイクル商材に加え、新たなリサイクル商材の開発促進に取り組んでまいります。
②グローバルトレーディング事業領域の課題
・金属スクラップの取扱量を増やしスケールメリットを実現させるために、国内外の集荷拠点を拡張し、営業活動を強化いたします。
・金属スクラップの輸出と並ぶ売上の柱を作るために、輸出品目の増加、輸入商材の増加、三国間貿易などの施策を強化いたします。
・当グループのグローバル展開を推進するために、情報収集機能を強化いたします。
・日本企業の進出が少ない国に事業拠点がある事を強みに、これまでに培ったインフラを活用した新たな商材開拓を行ってまいります。
③リチウムイオン電池リサイクル事業領域の課題
・収益源の多様化並びに継続的な成長には、リチウムイオン電池等の今後市場が急速に拡大する様な成長分野の新規事業開発と推進が必要と認識しております。新事業領域へ積極的に経営資源を投下し、一方で、限られたリソースを有効に活用し最大限の成果を発揮する体制の構築に取り組んでまいります。
・2025年以降に予定する湿式製錬工場の稼働や、その後の前駆体製造を含めたリサイクルシステムの構築には、多額の投資が必要になります。他社との資本・業務提携等のあらゆる可能性を模索しながら事業領域の拡大に取り組んでまいります。
④その他の事業領域の課題
・環境経営コンサルティング事業においては、同領域における当グループの優位性を強化するために、既存の気候変動関連コンサルティングサービスの拡大に加えて、資源循環事業と連携したサーキュラーエコノミーのソリューション&コンサルティングサービスの拡大に注力いたします。
・障がい福祉サービス事業においては、事業基盤を強化するために、専門性の強化、既存事業所におけるサービス品質の向上に取り組みます。また、当グループの各種事業とのシナジーを高める取り組みを実施いたします。
⑤経営基盤と成長基盤の強化
・事業セグメントごとに迅速で適切な経営判断を実現するための体制を構築いたします。
・コア技術の研究促進のために設立した研究室を活用し、グループ各社の既存事業の生産性向上や、新規事業の側面支援を行います。
・生産性の向上のため、管理部門、営業部門、生産部門等会社のあらゆる場面でIT化を強く推進してまいります。
・創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団を目指し、社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた「場」を作るために、採用と人材開発及び目標管理含めた人材教育の強化を図ります。また、働き方の多様化等の環境改善にも取り組んでまいります。
⑥新型コロナウイルスの感染拡大対策
・新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により依然として厳しい状況にあり、今後の感染症の動向が経済に与える影響は不透明な状況が続いております。新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響を注視しながら様々な対策を柔軟に実施し、社員の健康・安全の確保と事業活動の維持の両立を図ります。
本書に記載した当グループにおける事業概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、当グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でおりますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。
当グループにおける原材料、製・商品である鉄スクラップや非鉄金属の価格は、鉄鉱石や銅鉱石といった資源価格や金属製品価格等の影響を受けます。
当グループの原材料、製・商品の仕入価格と販売価格は、基本的には相場に連動いたしますが、相場の急激な変化の影響を受けて、契約内容によっては利益の減少や損失が発生する場合があります。また、同様に製・商品在庫価値についても相場の影響を受ける可能性があります。
1トン当たりの鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格の平均)の推移は、下表のとおりであります。
(注) 鉄スクラップ価格は、東京製鐵田原海上特級の日々の価格を合計し各四半期会計期間の日数で除して算出しております。
当グループにおける原材料・商品は、主に工場の生産工程から発生する金属スクラップ及び産業廃棄物や市中発生の老廃屑(解体工事や工場ライン撤去に伴い発生する鉄スクラップや非鉄金属)となり、工場の生産動向、最終製品の消費動向等の影響により発生が減少する可能性があります。こうした原材料・商品の減少は、売買数量、生産設備の稼働率に影響を与え当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、原材料、製・商品の相場変動、為替変動、原材料・商品の増減等、各種要因により業績が大きく変動する可能性があります。
当グループの業績は、下表のとおりであります。
(注) 比率は、通期に対する四半期の割合であります。
当グループの2021年6月期の売上高に占める上位三社であるVAS STEEL TUE MINH JSC(ベトナム)、VINA KYOEI STEEL CO.,LTD.(ベトナム)及びHYUNDAI STEEL COMPANY(韓国)を合わせた売上高比率は21.1%であります。各社とは円滑な取引関係を継続しておりますが、取引先の個別の事情や相手国の事情、法規制や関税率の変化といった理由により、取引条件の悪化や取引関係の解消又は契約内容の大幅な変更等が生じる場合には、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは鉄スクラップ等の調達、加工、販売の流通において主に車両及び船舶を利用しております。原油価格や人件費の高騰、需給逼迫等による配車、配船難等により物流コストが上昇する可能性があります。また、船舶会社から傭船し販売する場合、一船あたりの販売量は1,500トンから5,000トン単位となり、売上高は数千万円から1億円以上となります。船舶を利用した販売において、悪天候等の不測の事態により適時に傭船が行えない可能性があります。これらにより当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの事業活動の前提となる事項に係わる主要な法規制は以下に記載のとおりであります。
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・使用済自動車の再資源化等に関する法律
・フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律
・古物営業法
・特定家庭用機器再商品化法
・使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律
・建設業法
・建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
・労働安全衛生法
・消防法
・貨物自動車運送事業法
・外国為替及び外国貿易法
・輸出入取引法
・安全保障貿易管理におけるキャッチオール規制
・計量法
・特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
・各種環境法令
等
当グループが事業活動を営むにあたり、事業会社又は役員等が廃棄物処理法等で定める欠格要件などに該当し、事業の停止命令や許認可が取り消されることになった場合、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、その廃棄物の中間処理等で、様々な環境関連法令に対応しているが、異常気象などの不測の事態により廃棄物が飛散、流出してしまうなどが起きてしまった場合に、賠償責任が発生する可能性があります。
この他、外国との貿易取引においては、バーゼル法の規制や、その国の許認可を要する場合もあり、大幅な法改正、制度変更があった場合など、既存事業がこれらの規制に抵触してしまう可能性があります。
当グループは、海外売上高比率が高く、輸入や三国間貿易を実施しております。また、アラブ首長国連邦、チリ及びウガンダに現地子会社が存在することから、取引先の各国の経済情勢に加え、貿易・通商規制、税制、予期しない法律又は規制の変更並びにそれらの解釈の相違、あるいは政変、戦争、感染症の流行等により、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの貿易取引では、円建のほか外貨建も含めて取引を行っている在外子会社も存在することから、取引、在庫価値並びに外貨預金残高について為替変動の影響を受けております。
このため外貨取引については、為替予約規程により為替予約等を利用することを規定し運用することで、為替変動リスクの低減に努めております。また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算しており、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受けます。しかしながら、事業活動において為替変動リスクを完全に排除することは困難でありますので、今後著しい為替変動があった場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、事業の拡大を図る手段としてM&Aを実施してまいりました。対象企業については、当該企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するよう努めております。しかしながら、M&Aを行った後に偶発債務や未認識債務が判明する場合等が考えられます。
また、M&Aの対象会社が外部環境の変化等各種の要因により、当初の期待どおりの成果をあげられない可能性もあります。これらの場合には、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの事業分野には大きなシェアを持つ全国的な企業が存在せず、地域別に中小企業が多数存在し、それぞれの得意分野・地域を持ち、価格、サービスを競っております。
今後は、法的規制を背景にした環境対応や廃棄物リサイクルへの社会的ニーズの高まりにより、より高度な廃棄物処理と再資源化が求められることから、全国一括受託のためのサービス提供地域の拡大や大規模な設備等を設置できる財務的な体力、ノウハウ、あるいは廃棄物の排出事業者から廃棄物由来のリサイクル品やリユース品を利用する企業までをも巻き込んだ総合的な廃棄物の循環処理サービス体制を構築することが重要になってくると予想しております。
当グループではこれらの社会的ニーズを取り込んだ事業展開をめざしておりますが、海外企業や異業種からの新規参入や業界再編成といった事業環境の変化によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
2021年6月期末において、当グループの有利子負債は8,264百万円、総資産に対する割合は31.1%となっております。引続き財務バランスを総合的に勘案してまいりますが、今後の経済情勢・金融環境の変化・市中金利動向等によって当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、役員の退職慰労金の目的並びに役員と従業員等へのインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。2021年6月末現在における潜在株式数は705,810株であり、2021年6月末の発行済株式総数の4.7%に相当いたします。この新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で同時期に大量に売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、企業価値向上に向けて、「社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた場を作る。」とのコンセプトを掲げ、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、企業理念に基づいた戦略を共有する仕組み、戦略に基づいた人事制度を導入しております。しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合、当グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、多くの生産設備、重機等を使用して業務を行っており充実した安全管理が不可欠であると認識しております。そのため、内部統制委員会の下部組織として環境安全推進委員会を設置し、従業員への安全教育、危険予知活動といった啓発活動並びにチーム活動等による点検パトロールの継続的な実施を通じ、事故を防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、万一、重大な事故・労働災害等が発生した場合、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社並びに当グループの中核企業である株式会社エコネコルの資源リサイクル工場は、静岡県富士宮市の富士山の麓に位置しており、富士山が噴火した場合、火山弾等による社屋や設備の損壊、周辺道路の寸断による孤立化及び電気や水道等の供給停止による操業停止の可能性があります。また、静岡県や愛知県においては東海大地震の発生、全世界的には気候変動に伴う異常気象の発生が懸念されております。当グループの株式会社NEWSCON、株式会社クロダリサイクル並びに株式会社3WM においては、船積みヤード(在庫保管基地)を有しておりますので、地震による津波や気候変動に伴う異常気象等による風水害により製・商品在庫においても大きな被害が出る可能性があります。
また、当グループの主要生産設備であるシュレッダー(大型破砕機)は、破砕資材からの発火等による爆発や火災のリスクが比較的高い設備であるため、自動消火装置や24時間自動監視システム等のセキュリティ対策を施しておりますが、同主要設備の稼動が火災や重大な事故損傷により長期間停止した場合には、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループではこのような自然災害、火災、重大事故、損傷といった非常事態に備え、グループ各社において災害・事故発生時の緊急体制・手順を整備し被害を最小限にとどめる対応を準備しております。しかしながら有事の際の被害状況は想定を超える場合があり、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、産業廃棄物等を扱っており、中間処理過程で騒音、振動、粉塵、排水が発生いたしますが吸音、防振、集塵、水質浄化設備等の環境対策設備を設置し環境汚染を防止しております。しかしながら、不測の事態により流出漏洩等の事態が生じた場合、汚染防止、汚染除去等の環境汚染防止のための改修費及び損害賠償や設備の修復等に多額の支出が発生し、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、主要ITシステムであるスケールシステム(計量システム)については、各拠点にサーバーを設置しておりバックアップデータを都内データセンターに保存しています。また、会計、人事、給与、就業、通関書類作成等のサブシステムについては、関東某所のクラウドサーバにて集中管理し総合的な対策を講じている状況にあります。
しかしながら自然災害等により関東拠点が壊滅的な被害を受けた場合には当グループの事業が停止することとなりますので、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、今後も引き続き、積極的に新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより先行した設備投資、人件費やその他の経費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新サービス、新規事業を開始した際には、そのサービス、事業固有のリスク要因が加わると共に、予測とは異なる状況が発生する等により新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)情報セキュリティにおけるリスク
当グループは、事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しております。このような機密情報に関し、万一、何らかの理由で紛失、破壊、漏洩等が生じた場合、当グループの社会的信用の低下や失墜、損害賠償責任の発生等と、社内情報システムへの外部から想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等などにより、社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。これらの事態が起きた場合には、適切な対応を行うための費用負担が生じ、当グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(20)固定資産の減損損失リスク
当グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化により事業の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合や時価が著しく下落した場合には、固定資産の減損損失の計上により、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(21)債権回収リスク
当グループが事業活動のなかで発生する売掛債権等については与信管理の強化に努めておりますが、取引先の財政状態が悪化し、支払遅延や売掛債権等の回収が行えない場合、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(22)労務に対するリスク
当グループは、ダイバーシティ経営を推進し労働力を確保していく考えであります。そのため、内部統制委員会の下部組織として人事労務改革委員会を設置し、雇用形態や勤務体制の整備、従業員への教育を実施し心理的安全性の高い職場を目指しております。関連する法規制違反や社会的責任が果たせなかった場合には当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、人種・宗教・性別・国籍・障がい等、個人の多様な価値観の相違により人格を無視するハラスメント行為が発生し、関連する法規制違反や社会的責任が果たせなかった場合には当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(23)知財・特許のリスク
当グループは、焼却灰やASRからの高度な選別技術による貴金属回収設備や、スクラップ等から再生原料を製造する「リマニュファクチャリング事業」などを推進しており、その選別技術や、その他の新規事業の技術開発等には、他者の特許権その他の知的財産権に抵触する可能性があります。一方、第三者が当グループの特許権、知的財産権を侵害する場合には、その保護のため訴訟提起等をすることがあります。
(24)ダスト処理費に関するリスク
当グループの資源リサイクルの処理工程において、受け入れた廃棄物等の原料は価値ある資源と当グループでは再生処理することのできない廃棄物(ダスト)に分かれます。諸外国における使用済プラスチック等の輸入禁止措置等の影響を受け、最終処分場の処理能力が逼迫しており、ダストの出荷先である管理型最終処分場、又は焼却処分場において受入の制限や処理費の値上げが発生する可能性が高い状況になります。市場環境の悪化により受け入れが制限される場合には、遠隔地の処分場への輸送コストが増加したり、処理費が上昇する場合や、当グループ事業場のダストの保管容量の関係から生産量が制限される場合もあり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(25)感染症流行のリスク
現在では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が国内外で進んでいます。しかしながら、今後も感染症等の流行があった場合には、サプライチェーンの停滞や事業環境の悪化により、当グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当グループでは、テレワーク、フレックスタイム制、WEB会議等の活用、感染防止行動、健康管理の徹底に取り組んでおります。引き続きお客様および社員とその家族の皆様の安全と健康を第一に対応してまいります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済及び我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により依然として厳しい状況にあり、今後の感染症の動向が経済に与える影響は不透明な状況が続いております。
当グループの事業領域においても、長引くコロナ禍に加え、世界的な輸送用コンテナ不足を背景とした貨物船の需給逼迫による海上運賃の高騰など不透明な状況が続いております。しかしながら、国内外の製造業における生産の持ち直しの動きから鋼材需要は堅調に推移しております。また、世界的な脱炭素の動きを背景に鉄スクラップ等のリサイクル原料を活用することへの評価が高まってきております。
これらのことから鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は前連結会計年度末24,500円から当連結会計年度末51,500円となり、当連結会計年度の平均価格は36,054円と前期の22,943円を上回って推移しました。非鉄金属価格においても、銅、アルミ及びニッケルの平均価格は、前期を上回って推移しました。
このような環境の中で、当連結会計年度においては「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、コロナ危機に対し「キャッシュ・イズ・キング」、「仕事のリストラ」、「存在意義の再確認」を基本方針に掲げ、基盤の強化を進めてまいりました。
リチウムイオン電池リサイクル事業では収益計画の見直しを実施し減損損失を計上しました。グローバルトレーディング事業ではコロナ禍による事業環境の変化等の影響から、中古自動車等を取り扱う連結子会社である株式会社3WMのウガンダ在外子会社の、事業譲渡等による進出形態変更の方針を決定し事業再編損を計上しました。加えて、バイオマス燃料取引における一部債権の回収可能性について慎重に判断した結果、貸倒引当金繰入額を計上しております。これら特別損失はその他項目を含めて834百万円となりました。一方、政策保有株式の売却により投資有価証券売却益を計上し、特別利益はその他項目を含めて427百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は40,933百万円(前年同期比20.8%増)、営業利益は2,130百万円(前年同期比169.6%増)、経常利益は2,508百万円(前年同期比168.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,491百万円(前年同期比147.8%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。なお、当期より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度の金額は変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを記載しております。
セグメント別業績の概要
≪売上高≫ (単位:百万円)
≪セグメント利益又は損失(△)≫ (単位:百万円)
(注)セグメント利益又は損失(△)は連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業
金属スクラップ価格は上昇し、また、取扱量においては大型解体物件から排出される鉄スクラップ仕入の影響も
あり、どちらも前年を上回って推移しました。加えて、前年度より取り組んでいる廃棄物処理受託価格の是正によ
り利幅は確保され、生産工程の効率化や持分法投資利益の増加等と相まって増収増益となりました。
以上の結果、資源循環事業の売上高は14,216百万円(前年同期比32.3%増)、セグメント利益は2,080百万円(前年同期比285.2%増)となりました。
②グローバルトレーディング事業
海上運賃高騰や配船難、新型コロナウイルスによる海外事業の制限が続く事業環境のなか、定期の販売スキーム
の活用と、物流代行サービスの価格転嫁により利幅を確保しました。加えて、国内集荷ヤードの増設や三国間貿易
により取扱量を確保したことで、増収増益となりました。
以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は31,033百万円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益は711百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業
コバルト、ニッケル、銅価格の上昇に加え、大手電池メーカー等からの仕入や、処分業許可を活用した廃電池の
処理受託等により取扱量は増加し収益性が向上しました。減損損失計上による減価償却費の減少もあり、第4四半
期連結会計期間に黒字化するなど、赤字幅が縮小しました。
以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は356百万円(前年同期比264.2%増)、セグメント損失は80百万円(前期はセグメント損失127百万円)となりました。
今後も積極的に経営資源を投下し、成長戦略の柱とすべく取り組んでまいります。
④その他
環境経営コンサルティング事業は、CDP評価向上支援、カーボンニュートラル戦略立案及びTCFD(気候変
動関連財務情報開示タスクフォース)対応支援等の継続受注に、サーキュラーエコノミー等のコンサルティングが
加わり堅調に推移し、増収増益となりました。
障がい福祉サービス事業は、長野エリアの事業所の利用率が堅調に推移したことに加え、関東エリアの事業所においても同様に推移したことから増収増益となりました。
以上の結果、その他事業の売上高は354百万円(前年同期比20.0%増)、セグメント利益は84百万円(前年同期比173.6%増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は26,548百万円(前連結会計年度末比635百万円の増加、前連結会計年度末比2.5%増)となりました。流動資産は17,500百万円(前連結会計年度末比970百万円の増加、前連結会計年度末比5.9%増)となりました。これは、現金及び預金が3,124百万円減少したものの、商品及び製品が2,374百万円、受取手形及び売掛金が1,887百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は9,048百万円(前連結会計年度末比335百万円の減少、前連結会計年度末比3.6%減)となりました。これは、繰延税金資産が271百万円増加したものの、機械装置及び運搬具が482百万円、建物及び構築物が78百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は13,215百万円(前連結会計年度末比685百万円の減少、前連結会計年度末比4.9%減)となりました。流動負債は9,765百万円(前連結会計年度末比2,265百万円の増加、前連結会計年度末比30.2%増)となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が907百万円減少したものの、短期借入金が1,270百万円、支払手形及び買掛金が1,061百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は3,450百万円(前連結会計年度末比2,950百万円の減少、前連結会計年度末比46.1%減)となりました。これは、長期借入金が3,010百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は13,333百万円(前連結会計年度末比1,320百万円の増加、前連結会計年度末比11.0%増)となりました。これは、利益剰余金が1,344百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,125百万円減少し、7,117百万円(前連結会計年度末比30.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,101百万円、仕入債務の増減額1,273百万円、減価償却費736百万円等の収入があったものの、たな卸資産の増減額2,473百万円、売上債権の増減額1,885百万円、等の支出により、252百万円の支出(前年同期は2,632百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入577百万円等の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出604百万円等の支出により、15百万円の支出(前年同期は1,001百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額1,270百万円、長期借入金の借入による収入333百万円等の収入があったものの、長期借入金の返済による支出4,250百万円等の支出により、2,866百万円の支出(前年同期は5,897百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
当グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」にて記載しております。
「(経営成績等の状況の概要)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手元流動性資金を勘案の上不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手元資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び無担保社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入に比較して有利な条件に限り社債発行を行うこととしております。また、株式の発行に関しては、資本政策に基づき株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手元流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。なお、当グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
該当事項はありません。
当グループは、都市ごみ焼却灰等からの貴金属回収、評価、販売及び回収残渣のセメント再資源化を行うことを目的として、太平洋セメント株式会社及びリバーホールディングス株式会社とともに、貴金属回収に関する研究開発を行っておりましたが、貴金属回収が技術的に可能なことは確認されたものの、商業生産するには投資効果が小さいこと等により、研究活動を終了いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は