(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や日銀による金融緩和策の下支えもあり緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、中国をはじめとする新興国経済の減速や、英国のEU離脱問題を発端とした欧米経済の先行き不安も続き、国内の景気見通しは不透明な状況が続いております。
一方で当社を取り巻くインターネット業界については、その主たる指標である国内インターネット広告市場が平成27年に前年比10.2%増の約1兆1千594億円(出所:株式会社電通「2015年日本の広告費」)に達しました。また、同様にスマートフォンやタブレットの利用シーンは広がりを見せており、各企業はその対応のためにスマートフォンサイトやアプリケーションの制作・改善を続けております。
これに伴い、当社は特許技術を活かしたスマートフォン対応サービスや、Webサイト最適化に関するノウハウを活かし、顧客へ価値の高いサービスを提供しております。また、Webサイトの入口から出口までをワンストップで展開している強みを活かし、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を活用した運用型広告の事業強化を図りました。
また、第3四半期には当社の顧客基盤である金融業界を対象として、不正なログインやBot対策、フィッシング対策、暗号化によるセキュリティ強化などを目的としたセキュリティ関連サービスの開発・提供を進めました。
このような状況のもと、当事業年度における売上高は1,375,608千円(前年同期比11.2%増)、営業利益は331,989千円(前年同期比8.7%増)となりました。また、当期は営業外費用として東証一部市場変更に関わる費用を計上したたものの、経常利益は308,102千円(前年同期比5.5%増)となりました。しかし、自己新株予約権の消却が特別損失として発生したため、当期純利益は176,848千円(前年同期比1.6%減)となりました。
なお、セグメント別の状況は以下のとおりであります。
1)eマーケティング事業
(ナビキャストシリーズ)
Webサイト最適化技術により成約率を高める「ナビキャストシリーズ」については、入力フォームの最適化を行う「フォームアシスト」、Web接客を行う「サイト・パーソナライザ」、スマートフォンユーザの導線を改善する「スマートリンク」が売上を拡大しました。
「フォームアシスト」は、ユーザ端末に入力情報を記憶することでセキュリティを担保しながらも再入力の手間を省く「オートコンプリート機能」や、入力フォームのデザインを変更する「CSS変更機能」等により、売上・アカウント数ともに拡大しました。
また、利用者の属性・行動履歴・嗜好などにあわせて自動的にWebサイト内の表示を最適化する「サイト・パーソナライザ」は、特に表示速度の改善に取り組んだことで、既存顧客における利用量が増加しました。
スマートフォンサイトでユーザの導線を改善する「スマートリンク」は、コンバージョン(成約)率を上げる効果が認められると共に、注力商材として営業活動に取り組んだことで、売上げを拡大しました。
(DMP※・広告関連サービス)
DMP・広告関連サービスについては、当事業年度において、ナビキャストシリーズから得られた属性情報を蓄積・連携できるDMPサービス「ZUNOH(ズノウ)」をリリース・販売したことで売上を拡大しました。また、これと連携させた「ナビキャストAd」など、運用広告関連サービスが、その精度の高さから顧客の評価を得て案件数、出稿量ともに拡大しました。
※DMP(Data Management Platform)とは、インターネット上の様々なサーバに蓄積されるビックデータやWebサイト内のログデータなどを一元管理、分析し、広告配信等に活用するためのプラットフォームのことです。
(ProTechシリーズ)
当事業年度にリリースした「ProTech(プロテック)」シリーズは、金融機関を中心としたWebサイト運営企業に対して、不正なログインやBot対策、フィッシング対策、暗号化によるセキュリティ強化などを提供するクラウドサービスです。当事業年度においては、金融機関においてテスト導入が進みましたが、来期より本格的な収益拡大に貢献することが期待されます。
以上の結果、eマーケティング事業全体における売上高は1,163,779千円(前年同期比17.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は747,003千円(前年同期比10.0%増)となりました。
2)Webソリューション事業
(スマートフォンアプリ)
スマートフォンアプリ関連については、当事業年度において、クラウド型多言語オーディオガイドアプリシステム「Audio guide Q」をリリースしました。現在、急増するインバウンド(訪日外国人旅行者)に対応したガイドアプリのニーズが高まっています。「Audio guide Q」は博物館や美術館などの学術施設や企画展覧会、エンターテイメント施設をはじめとする観光施設などで利用できる、オーディオガイドアプリを作成するサービスです。東京ドームで開催された「ふるさと祭り東京2017」の公式アプリとしても導入が進み売上を拡大しました。
(ECサイト運営)
バスケットゴール専門のECサイトである「Basketgoal.com」については、運用型広告による集客とWebサイ
ト内のユーザビリティを改善したことで販売台数が伸び、売上を拡大しました。
(不動産業向けサービス)
不動産Webサイト管理システムである「仲介名人」は、機能拡張やユーザビリティの改善を行いましたが、アカウント数、売上はほぼ横ばいで推移しました。
(Flash変換サービス)
FlashコンテンツをHTML5へ変換する「Flash to HTML5」は大口顧客の受注もありましたが、当第2四半期より当初の販売計画を下回り、またその後も計画との乖離が広がると見込まれたため、新規営業を縮小する方針としました。その結果、当サービスは前年同期比で減収となっております。
以上の結果、Webソリューション事業全体における売上高は211,829千円(前年同期比14.9%減)となり、セグメント利益(営業利益)は8,206千円(前年同期はセグメント損失(営業損失)3,116千円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、14,380千円増加の776,415千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローとそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、297,904千円となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益279,464
千円、減価償却費35,359千円、一部指定関連費用25,750千円、のれん償却額21,721千円によるものであります。主な減少要因は、法人税等の支払額103,914千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、250,521千円となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出198,884千円、無形固定資産の取得による支出54,150千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、33,003千円となりました。主な増加要因は、ストック・オプションの行使による収入21,102千円によるものであります。主な減少要因は、配当金の支払による支出32,741千円、一部指定関連費用による支出25,750千円によるものであります。
(1) 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注実績
当社のサービスは、受注から納品までの期間がきわめて短いため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
eマーケティング事業 |
1,163,779 |
17.7 |
|
Webソリューション事業 |
211,829 |
△14.9 |
|
合計 |
1,375,608 |
11.2 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、顧客企業が既に持っているWebサイトやコンテンツを最大限に有効活用しながら、「豊かなネット社会を創る」という企業理念に基づき、インターネットに「おもてなし」の機能を付加することで「見やすく、わかりやすく、入力しやすく」するサービスを提供しております。
今後は、Webマーケティング企業としては勿論のこと、多様な人々のニーズに応え課題解決が可能なテクノロジーカンパニーとして、パフォーマンスの高いサービスを開発・提供し、顧客からの信頼を向上させ、収益基盤をより強化する必要があると認識しております。そのために、当社は以下の8点を主な経営の課題として認識しております。
(1)既存事業の収益の拡大
当社は現在、eマーケティング事業とWebソリューション事業が主な収益基盤の事業となっておりますが、これらの事業の安定的・継続的な発展が不可欠なものであると考えております。そのためにも継続的なユーザビリティの改善、安定的なサービス提供が必須であります。今後、機能面において継続的な改善、また、運用・品質管理体制の強化により、更に信頼性を高め既存事業の収益基盤の拡大を行ってまいります。
(2)知名度の向上
当社は、収益基盤強化のため、Webマーケティングの最適化に資する「ナビキャストシリーズ」やその他サービスの知名度の向上を図ることが必要であり、これらの知名度向上は新規の顧客開拓や優秀な人材の確保に寄与するものと考えております。当社としましては、積極的な広報活動やマーケティングを実施することにより知名度向上を目指してまいります。
(3)新規事業及び新商品開発による収益基盤の拡大
当社は、急激な事業環境の変化に対応し、競合他社に比して更なる収益の拡大を図るために、事業規模の拡大と新たな収益源の確保が必須であると考えております。このために、クライアントの潜在需要をいち早く読み取り、社内の商品戦略会議や研究所を活用し新規事業及び新商品開発に積極的に取り組むことで、更なる収益基盤の拡大を行ってまいります。
(4)グローバル展開への対応
当社は、今後の収益拡大を目指す上で、グローバルな事業展開への対応が必要不可欠と考えております。当社の既存顧客の中には、海外に進出している大手企業が多いことから、このような顧客が海外でも使用できるサービスを提供することが必要と考えております。そして、グローバル展開を本格化する上で、諸外国における特許取得を推進し、知的財産権の確保に努め、日本だけにとどまらないグローバルな事業展開を積極的に実施してまいります。
(5)システムの安定性の確保
当社は、インターネットを通じてサービスを提供することを主な事業としており、安定的なサービス提供を確保するにはサービス提供に係るシステムの安定的な稼働が重要であると認識しております。このため、データセンターにおけるサーバの稼働、常時監視、利用者数の増加に伴う負荷分散を行っておりますが、引き続き、更なるシステム管理やシステム基盤の強化に努めてまいります。
(6)技術革新への対応
当社は、新たなインターネット端末等の技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。当社としましては、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新情報を定期的に入手し、自社製品に迅速に反映することでサービスの先進性や安定性を確保していく方針であります。
(7)人材の確保
当社が、今後更に事業を拡大していくためには、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。特に技術者の採用においては、他社との獲得競争が激しさを増し、今後も安定した人材確保には厳しい状況が続くものと思われます。
当社としましては、採用における競争力の強化を図るとともに、魅力のある職場環境を構築し、社員の能力やモチベーション向上に資するため、研修制度の強化、福利厚生の充実、人事制度の整備・運用を進めてまいります。
(8)内部管理体制の強化
当社は、更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化と、確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化と効率化の徹底を図ることが重要であると考えております。
当社としましては、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を以下に記載しております。以下の記載のうち将来に関する事項については、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業内容等に関するリスク
①システムに関するリスクについて
当社が展開する事業は、インターネット環境を通じてサービス提供を行うことが主体となっております。当社はサービスを安定的に供給するために、耐震構造を備えたデータセンターへのサーバの設置、定期的なバックアップ、稼働状況の常時監視、脆弱性診断等により、システムトラブルの事前防止及び回避に努めております。しかしながら、自然災害や事故などにより通信ネットワークが遮断又は障害が生じた場合、また、急激なアクセス増加による負荷の増大によってサーバが停止した場合には、当社がサービスを提供することができなくなり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②知的財産権について
当社は、積極的な知的財産権の取得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害することのないよう、顧問弁護士等に事前調査等を委託しております。しかしながら、当社の知的財産権が侵害された場合、また、当社が第三者より知的財産権の侵害を主張する訴訟を提起された場合には、問題解決に多額の費用と時間がかかることが予想されるため、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)事業環境等に関するリスク
①インターネット関連市場について
当社は、Webマーケティングに関連したサービスの提供を中核事業としており、当社事業の拡大においてはインターネット関連市場の更なる拡大が必要であると考えております。しかしながら、インターネット関連市場に対する新たな規制や技術革新等の要因により、市場の拡大が困難となった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②競合他社の動向について
当社は、Webマーケティングに関連したサービス提供を行い、順調に市場を開拓しております。自社で蓄積されたノウハウや、サービスの技術的開発力、市場ニーズをいち早く汲み取ること等によって、当社サービスの優位性を更に強化してまいりますが、市場のニーズの的確な把握が困難となった場合や新規参入企業との競争が激化した場合においては、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③技術革新について
当社は、インターネット関連分野において事業を展開しておりますが、当該分野においては新技術及び新サービスの開発が急速に拡大しております。当社は、自社開発によって蓄積されたノウハウとクライアントのニーズをいち早くサービスに反映させるべく、このような技術革新に対応できる体制づくりを進めてきました。しかしながら、今後の技術革新への対応が遅れた場合においては、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④法的規制について
当社が行うインターネットでの通信販売は、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」等の規制対象となっております。当社は、これらの法規制を遵守すべく、インターネット上での物品の販売において消費者が適正な選択が行えるようにサイト上での表示方法、販売方法について十分検討するよう努めております。また、個人情報の取扱いなどについては、「個人情報の保護に関する法律」等が存在しておりますが、当社では、プライバシーマーク、ISMS(ISO27001:情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しており、書類の管理体制を強化、また、機密情報を含むデータについては、外部よりアクセスを遮断し、担当部門における一元管理を徹底するなど、細心の注意を払い、関連諸法令順守に努め、情報漏洩防止に取り組んでおります。しかしながら、将来的に当社の事業に関連する分野において、規制の改廃や新たな法律等の制定・施行によって当社の行う事業が制約を受けたり、新たな対応を余儀なくされたりする可能性があります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤コア事業への依存について
当社は、eマーケティング事業がコア事業であり、収益の多くは当事業に附帯するものであります。当社は、当事業におけるサービスが広く普及し、より多く活用されることが、事業規模拡大の基本的な前提条件であると考えており、引き続きのサービスの普及、そして当事業拡大に積極的に取り組んでまいります。一方、当事業に連携又は関連する新規サービスの開発・提供等を通して、サービスの多様化と高付加価値化に取り組みつつ、当事業単体への過度の依存を解消する取組を継続的に展開してまいります。しかしながら、当社が予測しない技術革新、社会情勢の変化、経営判断の誤謬等によって、想定するように当サービスの普及が進まない、あるいは、新規サービスが利用されないなどの場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑥M&A、資本業務提携について
当社は、今後も引き続き積極的に新規事業に取り組んでまいります。そのために、M&Aや資本業務提携を実施することにより当社の事業を補完・強化することが可能であると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後もM&Aや資本業務提携等を通じて事業拡大又は人員確保を継続していく方針であります。予想とは異なる状況が発生し想定どおりの成果を上げられない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦大規模災害等について
当社の本店所在地がある首都圏において、大地震等の自然災害及び火災等により、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合は、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織体制に関するリスク
①特定の人物への依存について
当社の代表取締役社長である森雅弘、取締役副社長である永田豊志の両氏は、Webマーケティングに関するノウハウや新規事業の立案、業界での情報収集等に関して豊富な知識と経験を有しており、当社の事業運営において重要な役割を果たしております。当社では両氏に過度に依存しないように、経営体制の整備、権限移譲及び次代を担う人材の育成強化を進めてまいりました。しかしながら、何らかの理由により両氏による事業運営が困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②小規模組織であること及び人材の確保や育成について
当社は、小規模組織であり、内部管理体制も現状の規模に応じたものとなっております。
当社が今後の更なる事業拡大を図るためには、営業、開発、管理をはじめとする部門において、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると認識しております。そのため、積極的な採用活動への注力及び社内教育体制の構築等、優秀な人材の確保及び育成に努めております。しかしながら、計画どおりに人材の採用や育成、又は、事業拡大に応じた管理体制の構築が進まなかった場合、当社の事業拡大の制約要因となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③情報セキュリティの管理について
当社は、ECサービスの展開による個人情報の取得、また、Webマーケティング事業における顧客情報の取得に対応し、プライバシーマーク、ISMS(ISO27001:情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しております。また、個人情報保護規程及び情報セキュリティ管理規程を制定し、その遵守とともに情報管理体制の整備強化に努めております。
しかしながら、不測の事態により、顧客の個人情報や重要情報が、外部へ流出した場合、第三者に損害が生じ、また、当社の信頼性が低下することにより、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、急激な事業環境の変化や、競合他社に比して更なる収益の拡大を図るために、利用者ニーズの急激な変化をいち早く察知し、新たな技術・サービスを提供することが必須であると考えております。そこで、当社では、この急激な変化に柔軟に対応しつつ顧客満足度の向上を目指すため、以下に掲げる研究開発活動を行っております。
(1)eマーケティング事業及びWebソリューション事業
新サービス及び既存サービス機能強化に関する研究開発
(2)全社共通
業務効率化向上等のための自社利用ソフトウエアに関する研究開発
以上の結果、当事業年度における研究開発費の総額は2,003千円となりました。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行う必要があります。経営者は、これらの見積りについての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度の資産合計は、前事業年度末に比べて201,698千円増加し、当事業年度末は1,448,340千円(前期比16.2%増)となりました。
このうち流動資産は、前事業年度末に比べて20,860千円増加し、当事業年度末は980,157千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金の増加14,380千円によるものであります。
また固定資産は、前事業年度末に比べて180,838千円増加し、当事業年度末は468,183千円となりました。その主な内訳は、投資有価証券の増加156,884千円、関係会社株式の増加31,934千円によるものであります。
(負債)
負債につきましては、前事業年度末に比べて5,228千円増加し、当事業年度末は165,919千円(前期比3.3%増)となりました。
その主な内訳は、買掛金の増加12,331千円、未払金の増加9,246千円、未払法人税等の減少13,430千円によるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前事業年度末に比べて196,470千円増加し、当事業年度末は1,282,421千円(前期比18.1%増)となりました。その主な内訳は、利益剰余金の増加143,882千円によるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比して138,365千円増加し1,375,608千円(前期比11.2%増)となりました。
eマーケティング事業においては、スマートフォン最適化サービスが、Google検索順位のアルゴリズム変更の影響により、「スマートフォン・コンバータ」及び「フォームコンバータ」の導入アカウント数が拡大しました。また、ECサイトなどでユーザを希望の商品ページへダイレクトに誘導することができる新サービス「スマートリンク」を提供開始したことにより、スマートフォン最適化関連の売上が総じて拡大しました。One to Oneマーケティングを行う「サイト・パーソナライザ」は、複数のDSPを組み合わせて広告配信するトレーディングデスクサービス「ターゲットオン」や、「ナビキャストAd」と連携させたことにより、Webサイト内の行動情報に基づいてサイト内表示するだけでははなく、広告分野の売上拡大にも寄与しました。入力フォーム最適化サービス「フォームアシスト」については、Yahoo!JAPANに登録した情報を反映することができる「Yahoo!ID連携機能」の搭載や、入力フォームで一度入力した情報を再訪問時に自動入力できる「オートコンプリート機能(応用技術が特許を取得)」を搭載するなど、積極的に機能の拡張を行ったことにより、順調に売上を拡大しました。その結果、前事業年度に比べて175,353千円増加し1,163,779千円(前期比17.7%増)となりました。
Webソリューション事業においては、不動産Webサイト管理システムである「仲介名人」が、eマーケティング事業と同様にGoogle検索順位のアルゴリズム変更の影響等により、スマートフォン対応へのニーズが高まり、堅調に売上を確保しました。また、バスケットゴール専門のECサイトである「Basketgoal.com」についても、特にスマートフォンユーザビリティを高めたことで、販売数が拡大しました。その他については、スマートフォンアプリ制作・運用サービス「Go!Store」や、大手教育系企業等でFlashコンテンツをHTML5へ変換することでスマートフォン表示を最適化するソリューションが順調の新規顧客を獲得したことにより、売上を拡大しました。その結果、前事業年度に比べて36,987千円減少し211,829千円(前期比14.9%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度に比べて68,970千円増加し290,729千円(前期比31.1%増)となりました。これは、業務拡大にともなうWebソリューション事業その他売上の増加及び広告関連事業売上の増加に伴う仕入の増加が主たる要因であります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べて69,395千円増加し1,084,878千円(前期比6.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて42,924千円増加し752,889千円(前期比6.0%増)となりました。これは、人員増加に伴う人件費をはじめとした一般管理費の増加及び売上増加に伴う販売費の増加が主たる要因であります。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比して26,470千円増加し331,989千円(前期比8.7%増)となりました。
経常利益は、前事業年度に比べて16,177千円増加し308,102千円(前期比5.5%増)となりました。
(当期純利益)
特別損失には自己新株予約権償却損を27,100千円計上しております。また、売上増加等による課税所得の稼得に伴い法人税、住民税及び事業税を88,401千円計上しております。
この結果、当期純利益は前事業年度に比べて2,846千円減少し176,848千円(前期比1.6%減)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況、1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているため省略しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、外部要因と内部要因に大別されます。
外部要因としては、自然災害によるサーバ停止、インターネット関連市場の新たな規制や技術革新、競合他社との競争激化、法的規制の変化等により影響を受ける可能性がありますが、このような環境下において、当社の売上は堅調に推移しております。
内部要因としては、システム障害、コア事業であるeマーケティング事業への依存、特定人物への依存、優秀な人材の確保や育成、情報漏洩による情報セキュリティの管理等の影響を受ける可能性がありますが、組織体制の整備及び内部管理体制の強化により、これらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりでありますが、収益拡大のためには既存事業の拡大及び知名度の向上のための広報活動、グローバル展開への対応、新規事業及び新商品の開発が必要不可欠であると認識しております。そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備をこれまで以上に強化し、これらの課題に対して企業価値向上を図るべく、当社経営陣は最善の事業戦略を立案するよう努めてまいります。
(7)経営戦略の現状と見通し
当社は、「豊かなネット社会をつくる」という企業理念のもと、インターネットにおもてなしの心を掛け合わせた、Webサイト最適化サービスの提供をコア事業として展開してまいりました。今後もインターネット広告市場やEC化率が急速に伸長するなかで、Webサイト最適化に関する企業のニーズもさらに高まっていくものと見込んでおります。
このような状況のもと、当社は顧客のニーズに応えるため、サービスの改良・開発に努めてまいりました。また、ユーザの属性情報や行動履歴などを蓄積した当社独自のDMPを活用した広告事業や、セキュリティ関連のサービスを開発・提供するなど、新たな分野での事業展開を進めてまいりました。さらに、これらのサービス開発を行うとともに、関連する独自技術に対しては、特許取得し権利化を進めております。
今後も、Webサイト最適化サービスをコア事業としながら、セキュリティやFintech分野でのサービス拡充、人工知能(AI)、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)技術などを活用した付加価値の高いサービスの開発・提供を進めてまいります。