第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

(1) 経営方針

当社グループの原点は情報通信における課題解決であり、在日外国人からのニーズに応え、国際電話回線の販売事業を起こしたことが始まりでした。

創業時の想いは、「世の中の情報通信産業革命に貢献します」の経営理念の元、インターネットを世界中で気軽に、安心して利用できる環境を提供する「グローバルWiFi事業」、企業の成長ステージにあった通信インフラを提供する「情報通信サービス事業」といった現在の事業に受け継がれております。

 

当社グループの強みは、創業以来25年を費やし構築したビジネスモデル「Vision Hybrid Synergy model」により、プル型営業、プッシュ型営業を高効率に展開している点にあります。

WEBマーケティングにて顕在需要を効率的に拾いあげ、CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)によるお客様とのコンタクトを通じて要望や課題を見出し、営業の提案力で受注率を高め、蓄積されたデータベースを分析して戦略立案につなげ、これらがシームレスに循環し、相互に作用します。

 

こうした強みを背景とし、次のような基本戦略をとって高成長を続けております。

 

① ニッチ&フォーカス戦略

市場の隙間すき間に生まれた課題を見出し、新たなマーケットを開拓します。厳選したターゲットへ経営資源を集中させ品質を向上し、市場シェアを獲得します。

 

② プライス&クオリティ/リーダ-シップ戦略

サービスの質の高さを保ちながら、生産効率の徹底的な追及、マネタイズポイントの多様化、ボリュームディスカウントによる仕入原価の低廉化などにより、価格競争力を強めます。

 

③ アップセル・クロスセル戦略

新たなニーズを拾いあげ、適切なタイミングで適正な価格でサービスを継続的に提供し、顧客との長期的なリレーションを構築します。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は本業における収益性を継続的に高めていくべく、営業利益を目標数値に掲げております。また取り扱い商材の構成比で左右されるため、お客様のニーズを損なうことのないよう目標としては定めておりませんが、営業利益率も経営判断における一定の判断材料とみなしております。

 

 

2017年度

実績

2018年度

実績

2019年度

実績

2020年度

計画

営業利益(百万円)

1,788

2,484

3,325

4,003

営業利益率(%)

10.2

11.6

12.2

12.8

 

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図り、中長期的な安定成長と企業価値向上を目指してまいります。

 

(グローバルWiFi事業)

当事業においては、安定したリピートユーザーを下支えに新規ユーザーによる申し込み数が好調に推移しております。こうして培ってきた顧客基盤を活用し、旅マエ(旅行前)・旅ナカ(旅行中)・旅アト(旅行後)における課題解決に役立つ情報・サービスを拡充する「旅行関連サービスプラットフォーム」構想を実現しつつ、年間海外渡航者数14億人(国連世界観光機関公表資料より)となる世界市場への参入を視野に入れてまいります。

 

(情報通信サービス事業)

新設法人・ベンチャー企業をターゲットとした川上戦略と、企業の成長ステージに応じたアップセル・クロスセルによる収益の増加を継続して図っていくとともに、景気に左右されないニーズである「売上向上」「経費削減」「業務効率改善」「コミュニケーション活性化」「デジタルトランスフォーメーション(DX)促進」に貢献できるサービスを、クラウドアプリケーションサービス(SaaS)で展開し、ラインナップの早期拡充とストック収益の増加を目指してまいります。

 

(4) 対処すべき課題

上記戦略を実現するために、以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

サービスラインナップの早期拡充

戦略推進のために、自社開発、企業買収、業務資本提携等の積極投資を展開してサービスラインナップを早期に拡充することが課題であると認識しております。お客様の声を適宜反映しサービス内容のブラッシュアップを重ね、付加価値を高めながらサービス利用を促進し、ライフタイムバリューを向上させてまいります。

 

新規事業の創出

新たな収益源の確保の方法として新規事業へのチャレンジをすることが重要であると認識しております。既存のグローバルWiFi事業、情報通信サービス事業に続く第三の事業へと発展させていくことが必要であり、その上で既存事業とのリソース配分の最適化を図ってまいります。

 

世界展開を見据えた認知度向上

グローバルWiFi事業における更なる世界展開を見据え、まずは子会社を中心に営業活動を営んでいる海外拠点(韓国、台湾、ハワイ、ロサンゼルス)からの訪日外国人客を対象に、日本以外への各国渡航時のサービス利用(Wi-Fiレンタル、SIM購入等)を促し、各海外拠点におけるアウトバウンド展開の認知度向上と共に収益増加を図ってまいります。

 

コンプライアンス経営体制の強化

当社グループは、コンプライアンス経営に徹することの重要性を認識し行動基準を定めております。そのため、役員及び従業員等は、行動基準を共有するとともに、常に倫理観と社会的良識をもって行動し、社会から信頼される会社として評価され、持続的に発展するよう努めてまいります。また、定期的にコンプライアンス委員会を開催しており、社内においてコンプライアンスの重要性を議論し発信しております。更に、必要に応じた社内教育を継続して実施するとともに、監査機能の充実を図るために、内部監査部門、監査役会、及び会計監査人との連携を強化してまいります。

 

人材の確保・育成 

戦略推進のために、優秀な人材を継続的に確保・教育することが課題であると認識しております。事業拡大及びサービス品質の向上等により、知名度を高めていくことで、当社グループが必要とする優秀な人材を継続的に確保・育成するべく取り組んでまいります。

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。

また、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。

以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 事業内容に関するリスクについて

① グローバルWiFi事業におけるリスク

 a 通信キャリア等からの仕入条件について

当社グループは、世界各国の通信キャリア等から通信サービスを仕入れておりますが、当社グループが、従前と同様の仕入条件で更新できるという保証はありません。更に、各通信キャリア等の事業方針の変更により、当社グループが従前より不利な仕入条件への変更を余儀なくされる可能性もあります。当社グループの各通信キャリア等からの仕入条件が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 b 為替レートの変動について

当社グループは、外貨建の取引を行っております。これに伴い外貨建の収益・費用及び資産・負債が発生しております。為替レートの変動による影響を軽減すべく為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

 c 競合他社の影響について

当社グループと同様に、国内外への渡航者向けにモバイルWi-Fiルーターのレンタル事業を営んでいる競合企業が存在しております。当社グループは、提供エリア数、サービス提供価格、通信速度及び通信品質、付加サービス等の差別化等の取り組みを行っており、今後も更にサービスの向上、ブランド力の強化を図ってまいります

かしながら、異業種からの新規参入者等を含め競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

 d 提携・協力関係について

当社グループは国際的な競争力を強化するために、販売代理店、協力企業等のビジネスパートナーと様々な提携・協力を行っており、それらを通じて商品やサービスの開発、販売・サービス体制の整備・拡充の展開を図っております。提出日現在においてビジネスパートナーとの関係性は良好でありますが、期待する効果が得られない場合や何らかの事情により提携・協力関係が解消された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

 e Wi-Fiルーターについて 

当社グループは、世界各国の通信キャリア及びメーカーからWi-Fiルーターを仕入れております。Wi-Fiルーターの使用年数は、電池劣化、基盤劣化、及び筐体劣化により平均2年程度※でありレンタル資産として計上し償却を行っております。仕入れたWi-Fiルーターの劣化速度が早まった場合や技術革新等によりWi-Fiルーターの開発サイクルが短期化された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また適切な販売予測に従い仕入を増加し、品切れによる販売機会のロスと過剰在庫の防止を図っておりますが、在庫の増加に伴う管理の煩雑化により、適切な管理に支障をきたす可能性がございます。

電池交換が可能なWi-Fiルーターは2年以上使用できる場合もありますが、傷が多くなるなどレンタル商品として見合わなくなる状態になることもあるため2年間程度の使用としております。

 

 

f その他事業を取り巻くリスク

上記のほか、事業を取り巻くリスクとして、テロや戦争など世界情勢の変化や地震・台風等自然災害による渡航インフラへの被害、世界的な感染症が発生・蔓延し、海外渡航に対する意欲の急激な減退が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

尚、現時点ではその範囲は不透明な状況でありますが、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、販売数量・価格などが影響を受け、当社グループの業績に悪影響を及ぼすリスクを一定程度想定しております。

 

② 情報通信サービス事業におけるリスク

 通信キャリア等からの受取手数料について

当社グループは、通信キャリアが提供する通信サービスへの加入契約の取次ぎ等を行うことにより、当該サービスを提供する通信キャリア又は一次代理店より、契約取次ぎの対価として手数料を収受しております。受取手数料の取引条件は、通信キャリアによって異なっており、通信キャリアの経営方針の変更等により、大幅な取引条件の変更が生じた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

その他事業におけるリスク 

 交通事故・交通違反について

当事業のハイヤータイムシェアリングサービスにおいては、空港送迎・役員送迎等ビジネス・日常共にあらゆる移動を快適にする送迎サービスを展開しております。事故を未然に防ぐべく、運行管理の徹底、システムツールでの監視、安全講習への参加をはじめとした安全運転教育の指導徹底等、交通事故・交通違反撲滅に取り組んでおります。

しかしながら、このような取り組みにも関わらず、交通事故・交通違反を引き起こした場合には、防止へその責任の所在にかかわらず事故に遭遇するした場合には、社会的信用の低下、損害賠償請求の発生等により、は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

売上債権の貸倒リスク 

当社グループでは、国内外の多くのお客様にサービス提供を行っておりますが、十分に与信管理を行うとともに、売上債権等に一定の貸倒引当金を計上することで、債権の貸倒れによる損失に備えております。

しかしながら、債務者の状況の変化によって、貸倒損失の発生や貸倒引当金の積み増しを行う場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

業務提携、M&Aに関するリスク

当社グループは、業務提携やM&Aを事業の早期拡大の有効な手段の一つと考えております。実施に際しては、対象企業や事業の財務・法務・ビジネス等について綿密なデューデリジェンスを行い、十分に投資対効果やリスクの把握に努めておりますが、事業環境の変化等で計画どおりに事業が進まない場合や、デューデリジェンスで認識していない問題等が発覚した場合、のれんの減損損失や評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

システム障害に係るリスク

当社グループの事業におきましては、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、データベース及び販売用WEBサイトの利用が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視等により未然防止対策を実施しております。

またプログラム上の欠陥等偶発的な障害が起こらないよう最善は期しておりますが、万一の場合に備えて迅速なリカバリー対策を構築し、完全オフライン対応が可能な体制を整備しております。

しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 人材の確保及び育成に係るリスク

当社グループの更なる販売活動強化及び事業拡大を図るため、新卒者・専門知識保有者・グローバル事業推進のための語学力を有する人材の採用活動の強化に加え、社員の階層に応じた研修を実施する等人的資源の活性化に引き続き注力する方針であります。また教育体制を強化し、評価の透明化・公平化に努め、専門家と連携して通報・相談窓口を設け、退職の防止に努めております。しかしながら、上記方針に基づく採用計画や人材育成が計画どおり進まない場合、また予測を超えて退職者が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 法的規制に係るリスク

当社グループの事業におきましては、「不当景品類及び不当表示防止法」「特定商取引に関する法律」「電気通信事業法」等の法的規制を受けております。また、グローバルWiFi事業においては、世界各国の現地通信キャリア等から通信サービスの仕入を行っており、各国の法律等の規制を受けております。今後、これらの法令や規則等の予測不可能な変更あるいは新設が、当社グループの事業活動の制限や法的規制の遵守のための費用の増大等につながり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) その他

① 配当政策について

当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための投資を優先し、更なる企業価値の向上を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、過去において配当を行っておりませんが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。

今後、将来の財務体質の強化と事業拡大のために必要な内部留保を確保しつつ、当社グループを取り巻く事業環境を勘案して、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、業績向上への意欲を高めることを目的として、当社グループの役員及び従業員に対して、ストック・オプションによる新株予約権の発行を行っております。2019年12月31日現在、新株予約権の目的となる株式数は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりですが、これらの新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当りの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、当面弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなか緩やかな回復が続くことが期待されておりますが、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税引き上げ後の影響等に留意する必要があります。

このような状況の中、当社グループはカスタマー・ロイヤリティ・チーム(CLT)を中心としてお客様サポートを徹底し、お客様の声を既存サービスの品質向上や新たなサービス開発につなげ、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を上げるべく事業活動を推進してまいりました。

 

当連結会計年度における実績は以下のとおり、売上高・利益ともに前期実績を上回り、5期連続での過去最高を更新することができました。

 

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

増減率

 

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(%)

売上高

27,318

21,503

5,814

27.0

営業利益

3,325

2,484

840

33.8

経常利益

3,358

2,499

859

34.4

親会社株主に帰属する当期純利益

2,226

1,529

696

45.6

 

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりです。

 

グローバルWiFi事業

日本政府観光局(JNTO)によると、当連結会計年度における日本人出国者数は、11月を除く全ての月で前年同月比増となり、初の2,000万人超えとなる前年比5.9%増の2,008万人となりました。

訪日外国人数も、同様に過去最高となる前年比2.2%増の3,188万人となり、2013年から7年連続となる過去最高値を記録いたしました。東アジアは航空座席供給量の増加で高い伸びを見せ、中国が初めて単一国で950万人を超えたほか、英国がラグビーワールドカップ開催期間中の9月と10月に前年同月比80%を超える伸長率を示し、初めて40万人を突破しております。

このような旅行市場を背景に受注が順調に伸びたことに加え、新たに提供を開始した通信容量無制限プランが好評を博し、ARPUを押し上げる結果となり、売上高・セグメント利益ともに前期実績を上回りました。

 

グローバルWiFi事業

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

増減率

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(%)

売上高

17,732

13,505

4,226

31.3

営業利益

3,301

2,413

887

36.8

 

 

当事業におきましては、お客様の満足度を徹底的に追求し、様々なサービスを構築・研磨しておりますが、当連結会計年度においては、前述の通信容量無制限プランを提供開始したほか、QRコード活用受付カウンター「スマートチェック」とクラウドWi-Fi、顧客データベースの連動で可能となった航空機出発直前需要の申込対応、クラウド対応スマートフォン型Wi-Fiルーター「GW01」のレンタル・OEM提供を開始いたしました。更に、QRコードを活用した無人受取専用ロッカー「スマートピックアップ」による無人店舗オープンなど、ユーザビリティの向上と差別化を図っております。

また利用ごとのレンタル手続きが不要となる社内常備型モバイルWi-Fiルーター「グローバルWiFi for Biz」の受注も堅調に推移し、出荷数が増加しております。

 

(情報通信サービス事業)

当事業では、新設法人・ベンチャー企業を主要ターゲットとし、企業の成長とニーズにあわせたクロスセル・アップセルを提案しております。更に、サポートサービス、メンテナンスサービスといった様々なストック型サービスに加入頂くことで、より長期的な取引と安定的な成長を目指してまいりました。

日本経済の緩やかな回復を背景に中小企業・小規模企業の業況は回復傾向にありますが、大企業に比べ仕入価格を販売価格に転嫁できず経常利益が伸び悩むといった課題を抱えております。また存続企業が付加価値を高める一方、廃業の多さで企業数が減少傾向にあります。これらのことから、後継者不足の経営者の事業や経営資源の引継ぎ、創業した企業が軌道に乗るまでの支援などにより、小規模事業者層の付加価値額を伸ばしていく事が極めて重要となっております(出典:2019年度版中小企業白書・小規模企業白書(中小企業庁))。

当連結会計年度においては、通信インフラ回線や新電力取次の受注は伸び悩みましたが、複数商材のセット販売による1件当たり販売単価の増加、内製化の推進によるOA機器設置等の工事原価やホームページ制作原価の低減等により、売上高・セグメント利益ともに前期実績を上回りました。

 

情報通信サービス事業

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

増減率

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(%)

売上高

8,955

7,775

1,180

15.2

営業利益

1,363

1,218

144

11.9

 

 

当事業におきましては、様々なニーズに対応するために取扱商材やサービスを増やしておりますが、それによりマネタイズポイントも多様化し、価格競争力が増しております。当連結会計年度におきましては、当社が開発した月額制のクラウド型ワークフローサービス「VWS」の販売強化などにより、全社を挙げてストック収益の増加を目指しております。

 

財政状態の分析

(資産)

資産合計は、15,173百万円(前連結会計年度末比1,621百万円増)となりました。流動資産は、11,792百万円(前連結会計年度末比1,529百万円増)となり、その主な要因は、現金及び預金が922百万円、受取手形及び売掛金が252百万円、それぞれ増加したことによるものです。固定資産は、3,381百万円(前連結会計年度末比91百万円増)となり、その主な要因は、建物及び構築物が78百万円、リース資産が62百万円、のれんが65百万円増加した一方で、投資有価証券が137百万円減少したことによるものです。

 

(負債)

負債合計は、4,268百万円(前連結会計年度末比519百万円増)となりました。

流動負債は、4,222百万円(前連結会計年度末比473百万円増)となり、その主な要因は、支払手形及び買掛金が325百万円、未払金が136百万円、それぞれ増加したことによるものです。

固定負債は、46百万円(前連結会計年度末比46百万円増)となり、その主な要因は、リース債務が38百万円増加したことによるものです。

 

(純資産)

純資産は、10,905百万円(前連結会計年度末比1,102百万円増)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,226百万円増加した一方で、自己株式の取得により1,120百万円減少したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年連結会計年度末に比べ922百万円増加し、8,485百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、3,549百万円(前連結会計年度は2,888百万円の資金の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益3,199百万円、減価償却費1,053百万円の計上、投資有価証券評価損137百万円の計上、仕入債務が329百万円の増加となった一方で、売上債権257百万円の増加、法人税等の支払額986百万円の支出があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、1,435百万円(前連結会計年度は1,457百万円の資金の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により1,183百万円、無形固定資産の取得により139百万円の支出があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、1,164百万円(前連結会計年度は312百万円の資金の減少)となりました。これは主として、自己株式取得により1,140百万円の支出があったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

該当事項はありません。

 

b. 仕入実績

仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

グローバルWiFi事業

3,999,319

134.1

情報通信サービス事業

3,155,148

120.2

合計

7,154,468

127.6

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 受注実績

該当事項はありません。

 

d. 販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

グローバルWiFi事業

17,732,581

131.3

情報通信サービス事業

8,954,898

115.2

  報告セグメント計

26,687,479

125.4

その他

630,688

281.5

合計

27,318,168

127.0

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

  至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱SKY

2,917,405

13.6

3,768,432

13.8

㈱メンバーズモバイル

2,960,927

 13.8

3,364,808

12.3

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループは期末日における資産及び負債、連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような会計上の見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社グループは過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り根拠となる仮定あるいは条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりですが、各事業セグメントにおいて売上・利益が増加した結果、2019年8月9日に期初計画を上方修正いたしました。そして最終的には修正計画も上回り、5期連続での過去最高益を更新するに至りました。

 

(単位:百万円)   

 

当連結会計年度

期初計画

修正計画

 

差異

増減率(%)

 

差異

増減率(%)

売上高

27,318

24,470

2,848

11.6

25,793

1,525

5.9

営業利益

3,325

3,012

313

9.4

3,264

61

1.8

営業利益率(%)

12.2

12.3

△0.1

12.7

△0.5

経常利益

3,358

3,013

345

11.4

3,248

110

3.3

親会社株主に帰属する当期純利益

2,226

2,003

223

11.1

2,116

110

5.1

 

 

 

セグメント利益

当連結会計年度

期初計画

差異

増減率

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(%)

グローバルWiFi事業

3,301

2,662

639

24.0

情報通信事業

1,363

1,422

△59

△4.1

 

 

当社は本業である営業活動における収益性を重要視していることから、営業利益を目標に掲げております。社内データベースのクレンジングや修繕等、来期の事業成長に向けた投資を実施したことで、情報通信事業は前期比増ではあるものの計画に至りませんでしたが、全体では前期比・計画比ともに増加いたしました。

営業利益率の微減につきましては、情報通信事業における、OA機器や移動体通信機器等仕入原価の発生する商材比率の増加も一因としてあげられ、市場のニーズが影響している側面もございます。

 

営業利益の目標達成の要因として、前述した各事業セグメントにおける取り組みの他、最新技術を積極的に活用し、労働集約型からの脱却を図っていることもあげられます。空港の無人店舗開発に加え、AI(BOT)を活用したコールセンターでの自動案内、バックヤード業務のロボット化(RPA)の推進等は、業務の効率化と生産性の向上につながっております。

また、緊密な事業部間連携による営業活動の効率化も、営業利益の達成に寄与しております。当社グループでは、各事業部がそれぞれの担当商材の販売と同時に、あまねくとらえたニーズを他の専門部署に橋渡しして受注につなげる体制をとっているため、営業機会損失や販売に係る費用が格段に低下しております。更に、長年に渡りこれを評価する体制を整えてきた結果、企業文化として根ざすまでに至っております。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、グローバルWiFiの通信仕入やデバイスの購入費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。

 

経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。