第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における日本経済は、政府による国内経済対策の効果を背景とした企業収益や雇用情勢の改善などにより、緩やかな回復基調が継続しましたものの、米国政権の経済政策、不安定な国際情勢などにより、先行きが不透明な状況にて推移いたしました。

 このような経済環境のなか、当社グループを取り巻く市場環境は、政府の対策により公共投資予算が一時的に増加しており、回復の傾向が継続しております。

 このような状況のもと、当社グループは多様化・高度化する顧客ニーズに対応すべく、営業基盤の強化ならびに品質の向上に努めてまいりました。また、さらなる生産効率および技術力の向上を図ることにより、市場競争力を強化してまいりました。

 これらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は112億2千9百万円(前連結会計年度比8.8%増)となり、損益面では、営業利益は6億7百万円(前連結会計年度比4.4%増)、経常利益は6億7千5百万円(前連結会計年度比2.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億7千5百万円(前連結会計年度比122.2%増)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

 

(総合建設コンサルタント事業)

 当社グループの主力事業であります総合建設コンサルタント事業におきましては、政府による公共事業は、大規模災害への対応、社会インフラの老朽化対策、地域社会の再生・活性化等の政策により、安定的な予算規模にて推移しています。

 当事業における顧客ニーズとして、社会インフラの老朽化対策の一環としての戦略的な維持管理計画の策定が必要とされており、これに対応すべく、ICT(情報通信技術)を活用した点検および診断の提案に加え、複数の超音波ビームにより、水底の地形の三次元計測が可能となるマルチビーム無人ボートを導入いたしました。

 また、高齢化・人口減少に伴う諸問題への対処など、多様化・高度化する顧客ニーズに対応するため、地域に根付いた営業活動を実施し、施設の長寿命化計画、信頼性の高い防災施設、新たな発想での町づくりなどの地域の利便性向上に資する提案を行うことに努めてまいりました。

 さらに、プロポーザル・総合評価落札方式等の発注形態に対応するため、社内技術交流会・研修会を積極的に開催し、技術力の向上に努めるとともに、当事業を構成する株式会社ウエスコ、株式会社西日本技術コンサルタント、株式会社アイコン、株式会社オーライズの4社では、会社間の人事交流ならびに技術研修などを通じて、技術面における連携を強化してまいりました。

 これらの結果、当連結会計年度の総合建設コンサルタント事業の売上高は97億5千7百万円(前連結会計年度比9.4%増)、損益面におきましては、営業利益が6億5千5百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。

 

(複写製本事業)

 複写製本事業におきましては、政府の景気対策により、官公庁ならびに民間事業者からの発注量は、従来の複写製本サービス、データスキャニングおよび電子ファイリング業務の案件を中心に、やや増加の傾向にて推移いたしました。しかしながら、事業環境の一部に回復の傾向は見られるものの、事業全体としては、引き続き厳しい状況にて推移しております。

 このような事業環境のなか、将来の顧客ニーズに対応すべく、3D機器(プリンタ、スキャナー)の販売強化、スキャナーによる三次元データの作成、編集、加工業務等を積極的に営業展開し、競合他社との差別化を図ってまいりました。

 また、3Dプリンタに関しましては、販路拡大を目的とし、これまでの石膏プリンタに加え、新たに樹脂プリンタを導入いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の複写製本事業の売上高は2億8千4百万円(前連結会計年度比1.8%増)、損益面におきましては、営業利益は3千万円(前連結会計年度比54.4%増)となりました。

 

(不動産事業)

 不動産事業におきましては、地元のハウスビルダーおよび大手住宅メーカーとより密接な連携のもと、顧客の具体的なニーズの掘り起こしをメインテーマとし、情報提供ならびに提案を行ってまいりました。また、PR活動の一環として、当社が岡山県北部に所有する販売用不動産の購入者を中心とした、地域住民との交流イベントを多数開催しております。

 なお、株式会社ウエスコ住販は平成29年3月31日を以て解散し、平成29年6月26日に清算手続きが結了いたしました。また、同社の不動産事業につきましては、株式会社ウエスコが引き継ぎ、事業を継続しております。

 これらの結果、当連結会計年度の不動産事業の売上高は3千5百万円(前連結会計年度比11.0%増)、損益面におきましては、営業利益は3百万円(前連結会計年度は4百万円の営業損失)となりました。

 

(スポーツ施設運営事業)

 スポーツ施設運営事業におきましては、新規入会者の定着率向上を最重要課題とし、職員と初心者会員とのコミュニケーションを重視した、きめ細やかなサービスの提供を行ってまいりました。

 また、スタジオプログラムを充実させることにより、顧客満足度の向上を図るとともに、PR活動におきましては、これまでの主力である新聞折り込みチラシの内容を充実させたことに加え、ホームページ・SNSでの情報発信ならびに新規入会者獲得のための各種キャンペーンを強化しております。

 さらに、新たな顧客層獲得を目的として、当社独自のノウハウを活かした65歳以上の高齢者向けの体操教室「からだスッキリ体操教室」を開催、また女性客をターゲットとしたホットヨガスタジオ「SAMATWA~サマトワ~」の1号店を5月にオープンいたしました。

 これらの結果、当連結会計年度のスポーツ施設運営事業の売上高は5億7千万円(前連結会計年度比5.1%増)、損益面におきましては、営業利益は3千8百万円(前連結会計年度比14.8%減)となりました。

 

(指定管理事業)

 指定管理事業におきましては、神戸市とのパートナーシップのもと、当社グループの環境・地域計画等の技術、ノウハウ等を最大限に融合し、観光施設・社会教育施設として付加価値の高い水族館の運営に努めております。

 集客活動といたしまして、冬季に半屋内型のイルミネーションイベントである「須磨アクアイルミナージュ」、春季に「春のふれあいフェスタ」を開催し、4月より「スマスイ開業60周年展」、7月より「アロハイルミナージュ」および「イルカライブとマッピングのコラボライブ」を開催いたしました。

 また、オリジナルグッズの開発販売、来園者参加型やアウトリーチ活動による各種イベントの開催、水族館運営に関連するコンサルタント業務の受託など、収益確保に向けた活動の多角化を行うとともに、「夜間の延長開園」や「貸し切り水族園」など通常の営業時間以外の施設の活用にも積極的に取り組んでおります。

 これらの結果、当連結会計年度の指定管理事業の売上高は5億8千万円(前連結会計年度比5.4%増)、損益面におきましては、営業利益は5千9百万円(前連結会計年度比51.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9億5千万円増加し、68億2千8百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は7億4千1百万円(前連結会計年度比9千8百万円の収入増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億7千5百万円、未成業務受入金の増加額2億7千1百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、増加した資金は3億8千8百万円(前連結会計年度比15億8千8百万円の支出減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出5億6千2百万円、投資有価証券の売却による収入10億6百万円、投資有価証券の償還による収入1億5千万円、有形固定資産の取得による支出1億6千7百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は1億7千9百万円(前連結会計年度比2千4百万円の支出増加)となりました。これは主に、配当金の支払額1億4千9百万円等によるものであります

2【受注及び販売の状況】

(1)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

総合建設コンサルタント事業

9,872,115

103.8

7,298,340

101.8

複写製本事業

284,941

101.8

不動産事業

35,964

111.0

合計

10,193,021

103.8

7,298,340

101.8

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

   2.スポーツ施設運営事業および指定管理事業の受注実績は、受注生産ではないため省略しております。

 

(2)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年8月1日

至 平成29年7月31日)

前年同期比(%)

総合建設コンサルタント事業(千円)

9,757,193

109.4

複写製本事業(千円)

284,941

101.8

不動産事業(千円)

35,964

111.0

スポーツ施設運営事業(千円)

570,411

105.1

指定管理事業(千円)

580,527

105.4

合計(千円)

11,229,039

108.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年8月1日

至 平成28年7月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年8月1日

至 平成29年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

国土交通省

1,890,682

18.31

1,631,960

14.53

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

 当社は、当社グループの経営体制ならびにガバナンスの強化を図り、これまで培った技術力やノウハウを活かし、「社会インフラ」、「社会教育」、「情報サービス」、「健康」などの分野を通じて地域社会へ貢献するとともに、更なる企業価値の向上に努めてまいります。さらに、情報管理の適正化、コンプライアンスの徹底を図り、内部統制の充実に努めてまいります。

 

(2) 経営戦略等

 当社は、持株会社制の導入により、持株会社である当社がグループ全体の経営戦略の立案機能および各グループ会社への経営指導・監視機能を担うことで、戦略的かつ機動的な意思決定および経営資源の効果的な配分を行うための機能を強化しております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、更なる高付加価値経営を推進しており、事業展開に際し重視している経営指標は、営業利益および利益率の向上であります。さらにROE(株主資本利益率)の向上を重要な経営指標と考えるとともに、CSR(企業の社会的責任)への取り組みも積極的に行ってまいります。

 

(4) 対処すべき課題

 今後の当社グループを取り巻く事業環境につきましては、政府の対策により、公共投資予算の総額は一時的に増加しており、当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業における官公庁からの発注量は、安定的に推移しております。

 このような外部環境において、当社グループでは、顧客ニーズの変化に対応した事業展開を図るとともに、原価管理ならびに品質管理の徹底を図り、競争力の強化と収益性の向上に邁進してまいります。

 また、これまでの新規雇用の抑制が影響し、技術の後継ならびに人手不足などの問題が次第に深刻化することが懸念されています。

 このため、計画的な採用の実施ならびにインターンシップの積極的な受け入れなど、長期的な観点での採用体制づくりを行います。さらに、より良い職場環境への改善、社員教育の充実、経験豊富な再雇用者の活用などにより、活力ある職場風土の実現を目指します。

 

(5) 会社の支配に関する基本方針

1.基本方針の内容

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値および株主共同の利益を継続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

公開会社である当社の株式については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められている以上、当社としては、当社の財務および事業活動を支配する者の在り方に関する判断は、最終的には当社株主の皆様の意思に基づき行われるべきものであると考えております。

そして、特定の者の大量買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には個々の当社株主の方々の判断に委ねられるべきものだと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付けがなされる場合であっても、これが当社の企業価値および株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

しかしながら、外部者である買収者から買収の提案を受けた際に、当社株主の皆様において、当該提案が当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果その他当社の企業価値を構成する要素に鑑み、当社の企業価値および株主共同の利益にいかなる影響を及ぼすかについて、短期間のうちに適切にご判断いただくことは必ずしも容易でないものと思われます。従いまして、大量買付けの提案に際しては、当社株主の皆様に買収の提案の内容を検討するための十分な情報や時間が提供されるべきであり、敢えてそれをせずに当社株式の大量取得や買収の提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えます。

また、株式の大量買付けの中には、その目的等から見て当社の企業価値および株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものや当社株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要するもの、当社取締役会において買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等もあり得ます。

特に、当社の企業価値は、株主の皆様、取締役のほか従業員、顧客、取引先あるいは地域社会の人々等の様々な関係者に支えられ、生み出されております。

また、当社グループにおいては、これまで、総合建設コンサルタント事業により培った技術力やノウハウを活かし、「社会インフラ」、「社会教育」、「情報サービス」、「健康」に関する分野を通じて地域社会に貢献しています。

当社グループの主業である総合建設コンサルタント事業は、主に地域社会に密着した公共・公益事業に関する業務を担っております関係上、当社の社会的評価が企業価値の向上のための非常に重要な要素であると考えます。

また、これらを踏まえ、当社グループでは、社会的評価の向上のため、国・地方自治体等の顧客および関係業者や地域住民等との信頼関係の強化はもとより、経済産業の成熟化・少子高齢化・地球環境問題等から派生する諸問題に取り組むとともに、それらを担う人材の確保・育成等を積極的に行っております。

これらに加え、健全で強固な財務体質の維持は、社会的評価の向上のために不可欠な要素であるとの観点から、財務体質の維持・向上に取り組んでおります。

従いまして、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、社会的使命および企業価値の源泉を充分に理解し、短期的な収益の確保のみならず、中長期的な視野に立ち、継続的に当社の企業価値を向上させ、株主共同の利益を維持させて行くことが必要と考えております。

当社の企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させることができなければ、当社の企業価値および株主共同の利益は毀損されることとなり、当社の企業価値および株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。

さらに、このような者による大規模な買付けに対し、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値および株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

 

2.基本方針の実現に資する特別な取組み

1)企業価値向上への取組みについて

当社グループは、総合建設コンサルタント事業を営む株式会社ウエスコを中心とした事業会社7社にて、複写製本事業、不動産事業、スポーツ施設運営事業、指定管理事業等の幅広い事業を展開しております。

これまで、当社グループは一丸となり、多様化・高度化する顧客ニーズに対応すべく品質ならびにサービスレベルの向上に努めてまいりました。

さらに、業務実績を通じて培われた顧客等との信頼関係をより一層、強固なものにすべく、地域に密着したきめ細やかな営業活動ならびに充実したサポートを実施し、顧客満足度の向上に努めております。

当社グループの主力事業であります総合建設コンサルタント事業は、「株式会社ウエスコ」、「株式会社西日本技術コンサルタント」、「株式会社アイコン」、「株式会社オーライズ」の4社にて構成されております。これらの4社は、公共事業における各種測量・調査・設計業務に加え、それぞれの得意分野に注力をすることにより、企業価値の向上に努めてまいりました。

「株式会社ウエスコ」は、「未来に残す、自然との共生社会」を企業理念に、人にやさしい未来の建設と地域社会への貢献を使命として、環境・地質・地盤・土木・水道等の幅広い分野の設計・調査等の業務を通じて社会インフラの整備・充実に寄与してまいりました。

近年では、道路・橋梁・トンネル等の長寿命化を図るためのコンサルティング業務、デジタル航空カメラを活用した地上の画像解析、防災関連業務、三次元高精度情報計測技術のコンサルティングサービスなどにより、同社の持つノウハウを最大限に利用した業務分野に注力をしてまいりました。

次に、「株式会社西日本技術コンサルタント」は、飲料水から排水、産業廃棄物、土壌、地下水などの分析および大気、振動・騒音、臭気等の測定ならびに環境コンサルティングに至るまでの総合的なサービスを行ってまいりました。

また、「株式会社アイコン」ならびに「株式会社オーライズ」は、豊富な測量業務の実績によって培われた信頼を背景に、低コスト・高品質の成果と地域に密着したサービスを提供してまいりました。

複写製本事業におきましては、紙メディアのスキャニング業務、スキャニングデータをイメージ化する電子ファイリング業務に加え、3Dプリンターの機器販売およびスキャナーによる三次元データの作成・編集加工業務等を積極的に営業展開し、競合他社との差別化を図ってまいりました。

不動産事業におきましては、所有の住宅用土地の販売を推進するため、地元のハウスビルダーおよび大手住宅メーカーとの連携を行い、様々なイベントを開催し、販路の拡大を行ってまいりました。

スポーツ施設運営事業におきましては、職員と初心者会員とのコミュニケーションを重視した、きめ細やかなサービスの提供を行ってまいりました。

また、健康志向の会員に向けたウェア、サプリメントなどの販売を行うことにより、顧客満足度の向上を図りつつ、企業向けの生活習慣病対策講習、公的施設での高齢者健康維持対策講習などのイベントを継続的に開催しております。

指定管理事業におきましては、神戸市とのパートナーシップのもと、当社グループが持つ環境・地域計画等の技術、ノウハウ等を最大限に融合し、観光施設・社会教育施設として付加価値の高い水族館の運営に努めてまいりました。

また、周辺観光施設や宿泊施設等と連携した商品開発、オリジナルグッズの企画開発、来園者参加型の各種イベントを開催するとともに、水族館の利用形態を高度化するため、「貸し切り水族園」や「お泊まり水族園」など、通常の営業時間以外の施設の活用にも積極的に取り組んでおります。

以上の各事業における時代の趨勢に即したコンサルティング能力を発揮するため、技術力の向上およびそれを担う高度な専門性を有する技術者の確保・育成は、企業価値向上のために不可欠な事項であると考えます。

今後とも、当社グループの持つ技術力、創造力、実践力を集結し、統合された組織力で、当社の企業価値および株主共同の利益の一層の向上に努めてまいります。

 

 

2)コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、企業価値を高めるためには、当社グループ全体でコーポレート・ガバナンスを充実させ、組織体制や監督体制を整備し適切に機能させていくことが重要な課題であると考えております。

当社は、平成26年2月に株式会社ウエスコの完全親会社として株式移転により設立され、東京証券取引所市場第二部に株式を上場いたしました。当社は、純粋持株会社としてグループ会社の経営の支配、指導、管理を行っており、業務執行における責任と権限を事業会社である子会社に委譲しておりますが、グループの経営方針および経営戦略に関する事項、重要な買収・合併等に関する事項等、グループ全体に影響する可能性がある経営上の重要事項については、当社取締役会の事前承認を要することとしています。

また、当社取締役、当社コンプライアンス室長ならびに各グループ会社社長にて構成する経営企画会議を定期的に開催し、コンプライアンス事象の情報共有と経営上のリスクに対する検討等を実施しております。

なお、環境の変化に迅速に対応できる体制の構築のため、取締役の任期は1年としております。

取締役会は、社外取締役2名を含む取締役4名で構成されており、コーポレート・ガバナンスの強化を目的とし、社外取締役を複数名選任する方針としております。また、社外取締役は取締役会において、その豊富な経験と幅広い見識から、様々な助言を行っております。

監査役会は、社外監査役2名を含む監査役3名で構成されており、監査役3名は、取締役会に出席するほか、当社の業務・財務状況に関する調査をはじめ、当社取締役の業務執行について監査を行っております。

さらに、「ウエスコグループ行動憲章」を定め、これに基づいて「コンプライアンス規則」、「個人情報保護方針」、「社内通報制度規定」、「IT基本方針」等を制定し、グループ会社を統制するとともに、コンプライアンス委員会を定期的に開催するなど、法令遵守に努めております。

このように当社経営陣は、当社の企業価値および株主共同の利益の最大化を目指し、緊張感と責任感を持って、日々の経営に当たっております。

 

 

3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するため の取組み

 当社は、上記1.に記載した基本方針に照らし、不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、平成29年9月13日開催の取締役会において、「当社が発行者である株券等の大量買付け等に関する規則(買収防衛策)」(以下、「本規則」と言います。)の改定および継続を決議し、本規則について平成29年10月27日開催の第4回定時株主総会に付議し、承認可決されました。

 

1)本規則の目的

当社は、当社の企業価値および株主共同の利益に資さない大量買付けを行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。そして、こうした不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付けを抑止するためには、当社株式に対する大量買付けが行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付けに応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とする仕組みが必要不可欠であると判断しました。具体的には、当社取締役会による事前の同意がないままに、当社経営権の取得や支配権の変動あるいは当社の財務および事業活動の支配または影響力の行使を目的として、当社が発行者である株券等(以下「当社株券等」といいます。)を議決権割合で20%以上取得することを目的とする大量買付けやかかる大量買付けの提案(以下、「大量買付け等」と総称し、大量買付け等を行う者を「大量買付者」といいます。)が行われた場合に、当該大量買付け等にいかなる対応を行うべきかについて、公正で透明性の高い手続を設定することを目的として、本規則を制定いたしました。

大量買付け等が行われた場合に、当社株主の皆様の意思を適正に反映させるためには、まず当社株主の皆様が適切な判断を行うことができる状況を確保する必要があり、そのためには、当社取締役会が当該大量買付け等について迅速かつ誠実な調査を行った上で、当社株主の皆様に対して必要かつ十分な判断材料(当社取締役会による代替案を含みます。)を提供する必要があるものと考えております。また、他方で、大量買付け等が行われた際に、その時点における当社取締役による自己保身等の恣意的判断が入ることを防ぐために、当社株主の皆様の意思を確認するための手続や当社取締役会による対抗措置が発動される場合の手続等をあらかじめ明確化しておくことも必要であると考えております。

そこで、本規則においては、大量買付け等が行われた場合に大量買付者や当社取締役会が遵守すべき手続、当社株主の皆様の意思を確認するための手続等について、客観的かつ具体的に定めることといたしました。なお、当社は、現時点において、特定の第三者から当社株券等の大量買付けを行う旨の提案や通告を受けているわけではありません。

 

2)本規則の概要

特段の記載がない限り、用語法は本規則に定めるものに従うものとします。

 

(本規則の骨子)

本規則は、①規則本文、②大量買付け等に際し、大量買付者およびそのグループ等が当社に提出するべき情報を例示した「附則1.情報開示を求める事項」、および③株主の皆様に対して無償割当てが行われる場合の新株予約権の概要を定めた「附則2.新株予約権の概要」から構成されています。

規則本文では、規則制定の目的、用語定義のほか大量買付け等に関する手続、非濫用的買付提案の要件、適正買付提案の要件、大量買付け等に関する情報提供および検討期間の定め、開示情報の使用と検討結果の開示、株主意思確認手続、本新株予約権の株主無償割当ての実施ならびに本規則の廃止、法令の改正等による修正等について定めております。

以下では、本規則の主要な事項について、その概要を説明いたします。また、本規則を適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するための諮問機関として、独立委員会を設置します。

 

(本規則の主要な事項)

①大量買付け等に関する手続

大量買付者およびそのグループ等が、当社取締役会の事前の同意がないままに、大量買付け等を行う場合には、当該大量買付け等の実施に先立って、本規則に定める意向表明書ならびに当社株主の皆様の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を当社取締役会宛に提出していただきます。

大量買付者およびそのグループ等から提出された情報の内容が不十分であると判断した場合には、大量買付者およびそのグループ等に対し、適宜合理的な回答期限を定めた上(最初に本必要情報を受領した日から起算して60日を上限とします。)、追加的に情報および資料を提供または提出するよう求めることがあります。この場合、大量買付者およびそのグループ等においては、当該期限までに、かかる情報および資料を当社取締役会に追加的に提供しなければならないものとします。

当社取締役会において、当該情報および資料が当社株主の皆様の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分なものであると判断した場合、当社取締役会は、その旨を公表し、当該公表日を起算日として進行する検討期間(大量買付け等の条件が、現金のみを対価(全額円貨)とし、かつ当社株券等の全てを対象とする公開買付けである場合は60日以内、それ以外の場合は90日以内とします。)において、大量買付け等が、下記②に定める非濫用的買付提案に該当するか否か、および、下記③に定める適正買付提案に該当するか否かについて検討するものとします。

当社取締役会が、大量買付け等が非濫用的買付提案の要件を満たしていないと判断した場合には、原則として、本規則附則2.にその概要を規定する新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てを行うものとします。

当社は、当社取締役会が、当該大量買付け等が非濫用的買付提案の要件を満たしており、かつ、適正買付提案の要件を満たしていないと判断した場合には、原則として本新株予約権の無償割当てを実施するか否かについて下記④に定める株主意思確認手続を行うものとします。なお、当該大量買付け等が、非濫用的買付提案の要件を満たしており、かつ、適正買付提案の要件を満たしていると当社取締役会が判断した場合には、原則として、当社は当該大量買付け等に関し新株予約権の無償割当ては行わないものとします。

当社取締役会は、大量買付け等が、非濫用的買付提案に該当するか否か、および適正買付提案に該当するか否かについて検討を行うに際しては、当社取締役会から独立した第三者機関である独立委員会に諮問するものとし、また必要に応じ専門家(弁護士、公認会計士、証券会社、企業価値評価コンサルタント等を含み、これらに限られません。以下「外部専門家」といいます。)と協議を行うことができるものとし、独立委員会からの勧告を最大限に尊重しつつ、誠実かつ慎重に検討するものとします。また必要に応じ、大量買付者およびそのグループ等との間で大量買付け等に係る条件の改善について交渉し、当社取締役会の代替案を提示することもできるものとします。

なお、大量買付者およびそのグループ等は、当社取締役会または株主意思確認手続において本新株予約権の無償割当ての不実施が決定されるまで、公開買付けを開始し、またはその他の方法による大量買付け等に着手してはならないものとします。

 

②非濫用的買付提案の要件

「非濫用的買付提案」とは、以下の各号に規定する要件の全てを満たす大量買付け等をいいます。

(ⅰ)本規則に定める手続を遵守するものであること。

(ⅱ)大量買付者およびそのグループ等が真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を当社若しくは当社の関係者に引き取らせる目的で当社株券等の大量買付け等を行っているもの(いわゆるグリーン・メーラー)ではないこと。

(ⅲ)大量買付者およびそのグループ等が当社の経営を一時的に支配して当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該大量買付者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で当社株券等の大量買付け等を行っているものではないこと。

(ⅳ)大量買付者およびそのグループ等が当社の経営を支配した後に、当社の資産等を当該大量買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済財源として流用する予定で当社株券等の大量買付け等を行っているものではないこと。

(v)大量買付者およびそのグループ等が当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券等の高額資産等を売却処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って株式の高値売り抜けをする目的で当社株券等の大量買付け等を行っているものではないこと。

(ⅵ)大量買付者およびそのグループ等が、最初の買付け条件を有利に、二段階目以降の買付条件を不利に若しくは明確にしないままの買付条件を設定し、最初の買付けに応じなければ既存株主が不利益を被るような状況をつくりだして、既存株主に株式の売却を売り急がせるような大量買付け等を予定しているものではないこと。

③適正買付提案の要件

「適正買付提案」とは、以下の各号に規定する要件の全てを満たす大量買付提案をいいます。

(ⅰ)大量買付け等に係る条件(対価の種類および金額、大量買付けの時期・方法を含む。)が、当社の本源的価値に照らして十分かつ適切なものであること。

(ⅱ)大量買付者およびそのグループ等の提案(大量買付け等に係る条件のほか、大量買付けの適法性・実現可能性、大量買付けの後の経営方針または事業計画、大量買付けの後における当社の他の株主の皆様、従業員、労働組合、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者に対する対応方針等を含む。)の内容が、当社の企業価値を生み出す上で必要不可欠な国・地方自治体その他の顧客および関係業者や地域住民等との信頼関係の維持・強化、経済産業の成熟化・少子高齢化・地球環境問題等から派生する課題に対応した新たなコンサルティング機能の創設・発揮や高度な技術の獲得とそれらを担う人材の確保・育成に資すること。

 

④株主意思の確認

当社取締役会が、大量買付け等が、非濫用的買付提案の要件を満たしており、かつ、適正買付提案の要件を満たしていないと判断した場合には、当該大量買付け等に関し本新株予約権の無償割当てを実施すべきか否かについて当社株主の皆様の意思を確認する手続(以下「株主意思確認手続」といいます。)を実施いたします。

当社は、株主意思確認手続において本新株予約権の無償割当てを実施することについて賛同が得られた場合には、本規則に従い本新株予約権の無償割当てを行います。他方、株主意思確認手続において本新株予約権の無償割当ての実施が否決された場合には、当該株主意思確認手続を実施する前提となった条件に従って大量買付け等が行われる限り、当該大量買付け等に関し本新株予約権の無償割当てを行いません。

 

⑤本規則の廃止

 本規則は、(1)当社の株主総会において、株主に対する本新株予約権の無償割当てに関する事項の決定についての取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた時点、(2)当社取締役会の決定により本規則の廃止が決議された時点、(3)平成29年10月27日開催の定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時点のうち最も早い時点に廃止されます。

 また、本規則は、法令の改正等があった場合には、本定時株主総会の決議の趣旨に反しない範囲で、当社取締役会において変更または修正を行う場合があります。

 

4.上記取組みが基本方針に沿い、当社株主共同の利益を損なうものでなく、当社の役員の地位の維持を目的とす るものでないことおよびその理由

本規則は、大量買付提案が行われた場合に、当社株主の皆様の意思を適正に反映させるために、当社株主の皆様が適切な判断を行うことができる状況を確保するためのものです。

その内容は、当社取締役会が当該大量買付提案について迅速かつ誠実な調査を行ったうえで、当社株主の皆様に必要かつ十分な判断材料を提供すること、その時点における取締役の自己保身等の恣意的判断が入らないよう当社とは独立した第三者機関である独立委員会に諮問することなど、独立委員会からの勧告を最大限に尊重しつつ、誠実かつ慎重に検討するために必要となる手続を予め明確に定めるものです。

 

本規則は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、大量買付者が当社株主総会で取締役複数名を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本規則を廃止することが可能です。従って、本規則は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役任期は1年間であり、本規則はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。さらに、当社は、本規則の策定に際しては外部専門家等の第三者からの助言を受けております。

以上により、この取組みは基本方針に沿うものであり、当社の企業価値および株主共同の利益の確保・向上に合致するものであって、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないものと考えております。

本規則の詳細につきましては、平成29年9月13日付当社プレスリリース「「当社が発行者である株券等の大量買付け等に関する規則(買収防衛策)」の継続について」(インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.wescohd.co.jp/)に掲載しております。)をご覧ください。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループは、事業遂行上において投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項について、以下のリスク発生の可能性を十分に認識し、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限られるものではありません。

 

1)公共事業の縮減

 当社グループの主要事業であります総合建設コンサルタント事業は、受注総額の9割程度を国および地方自治体が占めております。政府の財政状況、政策等により、公共事業が縮減され、当事業における受注環境が悪化した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

2)価格競争について

 当社グループにおいて、公共事業に関わる市場の変化に伴い、価格競争がさらに激化した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

3)流動性リスク

 当社グループにおいて、予期せぬ事象により財務内容が悪化等した場合、必要な資金が確保できなくなり、資金繰りが困難になる場合や、資金確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

4)金融商品の価格変動リスク

 当社グループにおいて、保有する上場株式の時価および非上場の株式の価値ならびに債券価格などの下落が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5)製品品質に係るリスク

 当社グループにおいて、独自の品質マネジメントシステムにより一貫した品質管理を体系的に行っておりますが、設計等に起因する瑕疵などの原因で生じる損害賠償等が発生する可能性があります。

 なお、瑕疵担保保険に加入しておりますが、行政処分、技術力およびサービスに対する信用の失墜等により売上高に影響を与えることも考えられ、その場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

6)不動産市況の下落リスク

 当社グループにおいて、景気の悪化や大幅な金利上昇、住宅および土地の販売価格の下落など経済情勢に変化があった場合は、顧客の購買意欲を減退させる可能性があり、その場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

7)情報システムとセキュリティ

 当社グループにおいて、情報セキュリティに関する社内規程を制定し、社員教育等を通じて情報システムのデータの保守・管理には万全を期しております。しかしながら、ソフトウェア・ハードウェアの不具合やコンピュータウイルス等による情報システムの停止等の重大な事故が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

8)自然災害等について

 当社グループにおいて、東北地区から九州地区までの各地区で事業展開を行っておりますが、地震、洪水等の自然災害や予測不能な事故等の事由による被害を受けた場合、事業活動が制限され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

9)季節変動について

 当社グループの主要事業である総合建設コンサルタント事業は、主要顧客先が国および地方自治体であり、受注契約の工期が顧客先の事業年度末である3月に集中する傾向があります。このため、当社グループの売上高も同様に連結会計年度の下半期に多く計上される季節的変動があり、投資者の判断に影響を与える可能性があります。

 

10)法的規制等について

 当社グループにおいて、コンプライアンス体制の整備およびその徹底に努めておりますが、法令違反等が発生した場合、業績、社会的信用に重要な影響を与える可能性があります。

 

11)訴訟等に関するリスク

 当社グループの事業活動等において、訴訟、仲裁その他の法的手続の対象となる可能性があります。その結果により、当社グループの財政状態や業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

12)持株会社のリスク

 当社は、当社の完全子会社である事業会社が当社に対して支払う経営指導料、不動産賃貸料および事業会社が業績に応じて支払う配当金を主な収入源としております。このため、各事業会社の業績、財政状態が悪化し、当社に対してこれらを支払うことができない状況が生じた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

13)人材の確保・育成に関するリスク

 当社グループが持続的に成長するために、関連する技術・ノウハウを担う人材の確保・育成が不可欠であります。しかしながら、人手不足の問題が顕在化しており、必要な人材を確保・育成し活用できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

14)繰延税金資産に係るリスク

 当社は、繰延税金資産について、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を慎重に検討したうえで計上しておりますが、将来の業績動向等により、計上額の見直しが必要となった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発は、高度化・多様化する顧客ニーズに対応すべく、技術力の向上を目的に、総合建設コンサルタント事業のみで取り組んでおります。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、5百万円となっております。

 当連結会計年度の主な研究開発内容は、以下のとおりであります。

 

(1)CIM技術の推進

 国土交通省が取り組むCIMへの対応を見据えて、3次元計測と3次元設計に係わる技術推進に取り組んでおります。その研究開発として、実効性のある3次元計測システムの提案を目指し、当社グループが保有する各種3次元計測機器を活用して多様な条件下での計測試験や計測結果の精度解析を行っております。また、3次元設計では複数のソフトウェアを連携活用する技術が必要なため、研究開発活動の中で、その技術習得を支援しております。

 

(2)人材開発の取り組み(社内外の研修、社会人大学院への派遣)

 上記の研究開発を推進するにあたり、外部の優れた技術の活用を図るために、公的研究機関や大学との共同研究に取り組んでおります。

 大学院での主な研究内容は次のとおりであります。

 ① 3次元計測および3次元設計関連

    ・道路アセットマネジメントのための3次元計測技術の活用に関する研究

    ・MMS計測技術画像からの路面ひび割れ自動抽出に関する研究

    ・MMSを使用した堤防天端変状把握、GISを活用した新たな技術開発に関する研究

 

 ② 河川関連

    ・固定床の河床変動および側岸浸食を考慮した河床変動に関する研究

 

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 (1)重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 当社グループの連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産を回収可能と考えられる金額まで減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得見込みおよび税務計画を検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩し、費用として計上いたします。

② 固定資産の減損会計

  当社グループは、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産及び遊休資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は各社に属する支社・支店等の独立した会計単位、賃貸用資産および遊休資産は物件単位にグルーピングしております。

 減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方を採用しております。

③ 投資有価証券の評価

 その他有価証券で時価のあるものについては、期末日の時価が取得原価に比べて著しく下落したものを減損の対象としております。

 今後の株式相場が変動した場合には、投資有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。

④ 販売用土地の在庫評価

 販売用土地の在庫評価は、路線価、公示価格等の市場価格を基に算定した販売予定価額から販売に要する費用を控除したものと取得原価のうちいずれか低い価額により評価しております。

⑤ 受注損失引当金の計上額

 受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注のうち発生する原価の見積額が受注額を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。将来、発生原価が見積額を上回ると予想される場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

 

⑥ 訴訟損失引当金の計上額

 当社グループは、係争中の訴訟に係る損失に備えるため、その経過等の状況に基づき負担見込額を計上しております。実際の訴訟の進行状況等が見積りと異なる場合、適宜損失負担見込額の見直しを実施しております。

 

 

(2)財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度に比べ8億5百万円増加し、168億9千2百万円となりました。

 流動資産については、売上高の増加により「現金及び預金」が6億6千2百万円、余剰資金運用のための信託受益権の新規購入等により「有価証券」が5億4千8百万円、将来減算一時差異の増加により「繰延税金資産」が2億5千4百万円増加し、「金銭の信託」が償還により3億円減少しております。結果として、流動資産合計では前連結会計年度に比べ12億1千5百万円増加となりました。

 固定資産については、不動産事業において「販売用不動産」の一部を賃貸に供したことによる振替えにより「土地」が3千2百万円増加し、複写製本事業においてマルチマテリアルカラー3Dプリンターの導入等により「リース資産」が1千2百万円増加しております。また、余剰資金運用のための公社債等の売却により「投資有価証券」が4億6千9百万円減少しております。結果として、固定資産合計では前連結会計年度に比べ4億1千万円の減少となりました。

(負債の部)

 当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ1千5百万円増加し、42億7千4百万円となりました。

 流動負債については、震災復興事業に係る複数年業務の終了による経費未払金の減少等により「未払金」が3億3千万円、株式会社ウエスコ住販の清算に伴い、株式会社ウエスコにおける法人税等が減少したことにより「未払法人税等」が1億5千9百万円それぞれ減少し、「未成業務受入金」が2億7千5百万円増加しております。結果として、流動負債合計では前連結会計年度に比べ1千9百万円減少しております。

 固定負債については、投資有価証券の時価評価差額が増加したことにより、「繰延税金負債」が2千4百万円増加しております。結果として、固定負債合計では前連結会計年度に比べ3千4百万円増加しております。

(純資産の部)

 当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ7億8千9百万円増加し、126億1千7百万円となりました。これは「利益剰余金」が剰余金の配当により1億5千万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により8億7千5百万円増加したこと、ならびに投資有価証券の時価評価額の増加に伴い「その他有価証券評価差額金」が5千6百万円増加したことが主な要因であります。

(3)経営成績の分析

 当社グループの経営成績は、当連結会計年度において売上高は112億2千9百万円(前連結会計年度比8.8%増)、営業利益は6億7百万円(前連結会計年度比4.4%増)、経常利益は6億7千5百万円(前連結会計年度比2.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億7千5百万円(前連結会計年度比122.2%増)となりました。

(売上高)

 当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業において、地域に根付いた提案型営業に積極的に取り組むとともに、品質および原価管理を徹底し、市場競争力を強化することによる受注拡大に努めてまいりました。前期からの繰り越し業務の完成に加え、これらの取り組みにより、各種土木構造物等の点検業務、防災・減災対策およびインフラの維持更新に関する業務の受注が堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度に比べ9億5百万円増加し、112億2千9百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。

(営業利益)

 売上高は増加したものの、人件費の増加などの要因により、営業利益は6億7百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。

(経常利益)

 営業外収益は、「受取利息」、「受取配当金」については、前連結会計年度と同様の状況で推移しておりますが、保有投資有価証券の売却により「投資有価証券売却損」が発生しております。

 これらの結果、経常利益は6億7千5百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度において株式会社ウエスコ住販を清算したことに伴い、同社の債務超過相当額の貸倒損失が実現し、株式会社ウエスコにおいて法人税等が減少しており、さらに発生した欠損金等に対する繰延税金資産の計上を行ったことにより、税金費用が前連結会計年度に比べ4億6千3百万円減少しております。

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8億7千5百万円(前連結会計年度比122.2%増)となりました。

(4)キャッシュ・フローの分析

 当社グループのキャッシュ・フローの分析については、1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フローに記載したとおりであります。

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

前々連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

 

平成27年7月期

平成28年7月期

平成29年7月期

時価ベースの自己資本比率(%)

34.2

25.0

36.9

債務償還年数(年)

インタレスト・カバレッジ・レシオ

 

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額/総資産

債務償還年数

:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を含まない)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

4.平成27年7月期、平成28年7月期および平成29年7月期は、有利子負債および利息の支払額がないため、債務償還年数およびインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。