第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界的な金融引締めに伴う影響や急激な為替変動、物価上昇等により、景気の先行きは依然として不透明な状況にて推移いたしました。

このような経済環境の中、中核セグメントの総合建設コンサルタント事業では、防災・減災対策や老朽化した社会インフラの維持・管理等の国土強靭化の必要性から公共事業関係費が安定的に推移しており、外部環境は堅調に推移しております。

一方で、スポーツ施設運営事業および水族館運営事業のセグメントにおきましては、経済活動の正常化に伴い需要の回復が期待されますが、燃料費等の資源価格の高騰が業績に影響を及ぼしております。

当社グループでは、当連結会計年度である2024年7月期を初年度とする「中期経営計画2024-2026」を策定いたしました。第一次中期経営計画では、事業基盤の再構築を行う期間と位置づけ、事業課題に対する人材戦略、技術戦略、市場戦略を定め、各セグメントにおける主要KPIの目標達成に向けて取組んでおります。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの売上高は119億5千万円(前年同四半期比1.1%増)となりました。損益面におきましては、営業利益は7億7千5百万円(前年同四半期比7.0%増)となり、経常利益は9億6千4百万円(前年同四半期比3.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億1千8百万円(前年同四半期比12.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

《総合建設コンサルタント事業》

当社グループの主力事業であります総合建設コンサルタント事業におきましては、政府による国土強靭化を背景に、防災・減災対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた社会インフラの老朽化対策等の対応が求められており、外部環境は堅調に推移しております。

このような状況の中、総合建設コンサルタント事業では、第一次中期経営計画において、技術継承、研究開発・DXの促進、エリア拡大の3項目を重点目標と定めております。

当第3四半期連結累計期間においては、全体的に受注環境等、前連結会計年度に比べ大きな変化はないものの、都市計画分野で公園整備基本計画や公園長寿命化などの大型業務を受託したことや、全国的に発注されている基礎調査業務等の受託、また、鳥取県の豪雨災害による災害復旧業務による道路設計部門や測量部門の業務が増収に寄与いたしました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の総合建設コンサルタント事業の売上高は、100億7千万円(前年同四半期比3.6%増)、損益面におきましては、高原価業務の減少や短期間での災害復旧業務対応等が増益に寄与し営業利益は8億2千9百万円(前年同四半期比11.7%増)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間において、受注高は90億7千7百万円(前年同四半期比0.5%減)、受注残高は66億5千3百万円(前年同四半期比1.5%減)となりました。

 

《スポーツ施設運営事業》

スポーツ施設運営事業におきましては、総合フィットネスジムのエイブルおよび24時間運営のフィットネスジムのW-FIT24を中心に事業を展開し、スポーツ施設の指定管理事業等も行っております。

スポーツ施設運営事業の市場環境としては、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年を境に大幅に会員数が減少しておりましたが、経済活動の再開に伴い緩やかに回復してきております。

このような状況の中、スポーツ施設運営事業では、第一次中期経営計画において、施設会員数の増加およびフランチャイズ店舗の拡大を重点目標として定めております。

当第3四半期連結累計期間の会員数は、6,175名(2023年7月期末対比3.4%減)、休会者数は127名(2023年7月期末対比1.6%減)となりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間のスポーツ施設運営事業の売上高は、2023年4月より開始した指定管理事業のたけべの森公園における夏季プールイベント等が増収に寄与し、5億7千7百万円(前年同四半期比12.1%増)となりました。損益面におきましては、売上の増収に加え、施設修繕の減少や省エネ設備への更新による電力費の節減等により、営業利益は2千4百万円(前年同四半期は1千2百万円の営業損失)となりました。

 

《水族館運営事業》

水族館運営事業におきましては、香川県の四国水族館および兵庫県のアトアの主要2施設を中心に事業を展開しております。

水族館運営事業における市場環境としては、団体観光需要や円安に伴うインバウンド需要が期待されております。

このような状況の中、水族館運営事業では、第一次中期経営計画において、来館者数増加および新規出店を重点目標として定めております。

当第3四半期連結累計期間の四国水族館およびアトアの合計来館者数は、909,398名(前年同四半期比17.8%減)となりました。オープン効果の薄まりから経年により来館者が減衰しておりますが、アトアにおいては展示ゾーンのリニューアルとして新たにアトアLABを3月にオープンするなど、展示内容の見直しや魅力的な各種企画展やイベント等を実施することで引き続き集客対策の強化や知名度向上に努めております。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の水族館運営事業の売上高は、10億8千万円(前年同四半期比19.8%減)、損益面におきましては、営業利益は5千1百万円(前年同四半期比40.9%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億7千5百万円増加し、206億2千5百万円となりました。

流動資産については「現金及び預金」が29億5千9百万円増加しております。これは当社グループの主体である総合建設コンサルタント事業の主要顧客である官公庁からの入金が4月に集中するためです。一方、入金および業務の納品完了に伴い「受取手形及び完成業務未収入金」が3億5千6百万円、未請求の債権である「契約資産」が2億8千9百万円それぞれ減少しております。また、「有価証券」が6億9千9百万円、「金銭の信託」が4億円それぞれ償還により減少しております。結果として、流動資産合計では前連結会計年度末に比べ10億8千3百万円の増加となりました。

固定資産については、余剰資金運用のための公社債等の売買に伴い「投資有価証券」が4億1千8百万円減少した一方、支社の移転等に伴い、投資その他の資産の「その他」に含めております「敷金」が1千6百万円増加しております。結果として、固定資産合計では前連結会計年度末に比べ4億8百万円の減少となりました。

 

(負債の部)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7千5百万円増加し、43億2千8百万円となりました。

流動負債については、「未成業務受入金」が6億9千9百万円、「賞与引当金」が9億5千1百万円それぞれ増加した一方、「業務未払金」が2億6千2百万円、「その他」に含めております「未払金」が12億5千4百万円、同じく「その他」に含めております「未払消費税」が1億2千6百万円それぞれ減少しております。結果として、流動負債合計では前連結会計年度末に比べ1千万円の減少となりました。

固定負債については、投資有価証券の時価評価差額が増加したことにより「その他」に含めております「繰延税金負債」が7千9百万円、一部支社の移転に伴い「資産除去債務」が1千3百万円それぞれ増加した一方、「その他」に含めております「受入保証金」が7百万円減少しております。結果として、固定負債合計では前連結会計年度末に比べ8千6百万円の増加となりました。

 

(純資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億9千9百万円増加し、162億9千7百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益6億1千8百万円の計上と配当金2億3千5百万円の支払等により「利益剰余金」が3億8千3百万円、投資有価証券の時価評価差額の増加に伴い「その他有価証券評価差額金」が1億8千万円それぞれ増加したことや、自己株式の消却等により「資本剰余金」が7億9千9百万円、「自己株式」が8億3千5百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更および新たに定めたものはありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は3千6百万円であります。

 

総合建設コンサルタント事業

社内のイノベーションによる新たな事業展開・拡大のため、当第3四半期連結累計期間より下記に示す技術研究開発に取り組んでおります。

・防災・減災対策等のための3次元データシミュレーションに関する研究

・マルチセンシングによる森林資源量解析技術の開発

・流砂形態の連続性を考慮した土砂・洪水氾濫解析モデルの構築

・衛星関連解析アプリケーションの研究

・AI(人工知能)を用いた橋梁点検支援業務の開発

・PPP-RTKによる低コスト林内測位技術の開発

・小型PCを用いた現地データの自動転送装置の開発

・洪水浸水シナリオ体験型避難支援Webアプリの開発、ならびに関係する地元での社会実験

・プラトー業務支援研究プロジェクト

・Iot音声自動転送システムの高度化と効率的な環境調査技術の開発

・生成AIによるミス防止および報告書作成システムのプロトタイプ開発

当第3四半期連結累計期間の総合建設コンサルタント事業における研究開発費は、3千6百万円であります。

 

(6) 受注及び販売の実績

① 受注実績

当第3四半期連結累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同四半期比(%)

受注残高(千円)

前年同四半期比(%)

総合建設コンサルタント事業

9,077,574

99.5

6,653,105

98.5

 報告セグメント計

9,077,574

99.5

6,653,105

98.5

その他

221,992

89.8

合計

9,299,567

99.3

6,653,105

98.5

 

(注) スポーツ施設運営事業および水族館運営事業の受注実績は、受注生産ではないため省略しております。

 

② 販売実績

当第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年8月1日

至 2024年4月30日)

前年同四半期比(%)

総合建設コンサルタント事業(千円)

10,070,562

103.6

スポーツ施設運営事業(千円)

577,223

112.1

水族館運営事業(千円)

1,080,526

80.2

 報告セグメント計(千円)

11,728,312

101.3

その他(千円)

221,992

89.8

合計(千円)

11,950,305

101.1

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。