第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは複数のインターネット・紙メディアの情報を取りまとめ、ユーザーに提供するライフメディアプラットフォーム事業を中心に事業を行っております。今後につきましては、ライフメディアプラットフォーム事業の対象領域の充実による既存事業の拡大に加え、新しいビジネスモデルの事業への展開により、新たな収益源の確保が重要であると認識しております。なお、2021年4月より、ライフメディアプラットフォーム事業の名称を、ライフサービスプラットフォーム事業に変更しております。

当社グループは上記の内容を踏まえ、以下の点に取り組んで参ります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ライフメディアプラットフォーム事業の収益拡大

当社グループが取り組むライフメディアプラットフォーム事業は、ユーザーの利便性を向上するとともに、顧客企業へ効果的なマーケティング手法を提案することにより10年以上にわたり顧客・ユーザーの情報を蓄積して参りました。そして、データドリブンでユーザーの行動を促進する、高精度なマッチングテクノロジーを実現させ、多領域で事業を拡大させて参りました。また、M&Aにおいては、発掘・識別力、資金力及び豊富な経営資源を土台に、サービス・事業のCVRや集客チャネルの課題を特定し、マッチングテクノロジーによるマーケティング改善、結果として迅速な業績改善を実現させて参りました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う経済活動の制限により、人材領域や生活領域旅行分野の顧客においては広告出稿、システム利用の需要が減退し、当該事業において収益が減少しました。一方で、当社グループが営む事業において、堅調に市場拡大している領域も複数あり、DX需要の急速な向上とPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成する企業・サービスの業績拡大が見られました。

今後は、多領域で展開するプラットフォーマーとしての強みを活かし、テールリスクを踏まえたマーケットにおける事業の選択と集中、強みの拡張及び顧客基盤の拡大により、当社グループ業績の最適化を図ります。

 

(2)組織体制の強化

当社グループでは事業の拡大を達成するために、企画、エンジニアリング、デザイン、マーケティング、営業、及びコーポレートに関する主要な機能を社内に有することで、事業運営のノウハウを蓄積し、改善点の発見、仮説想定と検証、行動までの運営の高速化及びM&Aにおける迅速なPMIを行って参りました。今後の成長のためには、更なる組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。

当社グループはライフメディアプラットフォーム事業の各サービスが収益基盤となっており、顧客ニーズに即応するサービスの利便性及び機能向上が収益拡大にあたって重要であると認識しています。そのためには、サービス機能を拡大・成長させることができる企画・マネジメント人材と、開発を迅速に行える技術者、並びに高い専門性を有するコーポレート人材の採用が重要と認識しております。また、顧客企業数の増加に伴いきめ細やかな対応を実施するために、営業担当者についても合わせて適時に採用を進めていく必要があります。

これらの課題に対処し、事業及びサービス運営におけるバリューチェーンの内製化をより強化するため、従業員からの紹介制度の充実やソーシャルメディアの利用、正社員以外の人材の活用等、採用方法の多様化を図り、事業規模や社内からの要望に応じた採用を適時に行い、着実に組織体制の整備を進めて参ります。

 

(3)運営サービス及び自社の認知度向上

当社グループはこれまで、ユーザーの効率的な獲得を図るため、主にサービス構築やインターネット広告運用に係るノウハウを含むマッチングテクノロジーを有効活用して参りました。

一方で、既存のライフメディアプラットフォーム事業の更なる拡大のためには、独自性や便益の訴求による、顧客企業やユーザーへの自社サービスの認知度向上が必要であると考えております。

今後は、主力事業において外部・内部環境を踏まえて、顧客ニーズに即応するサービス機能の継続的な向上を進めるとともに、ブランディング・認知強化のための広告宣伝投資及び営業体制の強化を行うことにより、中長期的な収益拡大を目指します。

 

(4)システムの安定性の確保

当社グループの主要事業であるライフメディアプラットフォーム事業におきましては、主にインターネット上にてサービス提供を行っている関係上、安定した事業運営を行うために、既存事業の拡大や新規事業の立ち上げ等に伴うアクセス数の増加を考慮したサーバー設備の強化、並列処理システムの導入等による負荷分散等が重要になります。

 

(5)情報管理体制の強化

個人情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図って参ります。

なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しており、情報管理の徹底を図っております。

 

(6)メディアやデバイスの変化への対応

当社グループでは、今後の事業の拡大において、新たなメディアの出現、ユーザーにおけるメディアの活用方法の変化、スマートフォンやタブレットに限らない新たな端末の普及によるインターネット市場のトレンドを常に把握し迅速に対応することが重要になってくると考えております。

そのため今後は、メディアの活用シーンの変化に伴い展開しているサービス上の各種機能の向上及び新たな機能の追加、新たなデバイスにおける専用のユーザーインターフェイスの作成やアプリコンテンツの作成等を実施することで、更なるユーザーの獲得を図っていく方針です。

 

(7)海外市場への展開

当社グループでは、日本市場で蓄積したノウハウを活用して海外市場での展開を図り、サービスの多国展開を達成することが、事業の一層の発展に貢献し得る要素であると考えています。海外関連事業の一環として、主にアフリカ地域を対象とした中古車輸出メディアを営むほか、開発拠点としてベトナムに子会社を有しております。

今後も、海外事業の立ち上げと拡大・成長の機会を検討して参ります。

 

(8)SDGs・ESGへの対応

当社グループでは、株主、ユーザー、従業員、取引先、地域・社会及びそれらの先にある多様なステークホルダーを含めた価値共創に取り組み、長期的には社会的課題を解決する企業へと発展して参ります。

SDGs・ESG活動を推進するため、2021年4月よりサステナビリティ推進室を設置し、持続可能な社会の実現に向け、事業・組織・社会活動を推進して参ります。

当社グループの成長性、持続性及びステークホルダーの関心度合い等を勘案し、マテリアリティを選定し、DXによる社会・産業のアップデート、環境に配慮した事業活動、多様な人材の活躍や働き甲斐ある環境、地域社会の創生、ステークホルダーとの協働による持続的な発展、ガバナンスの強化や透明性確保、情報セキュリティやコンプライアンス強化等に取り組んで参ります。

 

 

2【事業等のリスク】

投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものが挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、これらのリスク発生の可能性を十分認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

① 広告市場について

株式会社電通発表の「2020年の日本の広告費」(2021年2月発表)によれば、我が国の総広告費は6兆1,594億円と、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により前年比△11.2%と、東日本大震災の2011年以来、9年ぶりに前年実績を下回りました。一方で、当社グループで関連性が大きいインターネット広告市場は2兆2,290億円と前年比+5.9%と推計され、堅調に成長しております。

しかしながら、広告市場は企業の景気動向に敏感であるため、今後急激な景気の変化等により広告の需要及びインターネット広告の需要に影響が及ぶ可能性があります。そのような事態が生じた場合や、顧客企業における広告媒体別の予算配分方針に変更が生じた場合には、掲載案件数の減少や単価の低下等を要因として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② メディア顧客企業との関係・情報提供について

ライフメディアプラットフォーム事業で用いている情報の一部は、インターネットメディアを運営する顧客企業より提供を受けているものであり、メディア顧客企業との広範かつ親密なネットワークは当社グループの重要な経営資源であります。当社グループは各社に対し、検索エンジン対策を中心としたWebマーケティング力やサービス構成力といったマッチングテクノロジーにより、継続的にメディア顧客企業の案件に対し応募や申し込みを発生させてきたことで信頼関係を構築して参りました。一方で、メディア顧客企業の提携方針の変更や予期せぬ要因等により、これらメディア顧客企業との関係性が変化する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新聞社との関係について

ライフメディアプラットフォーム事業を構成するグループ企業の1社である株式会社三光アドでは、東海地方において中日新聞社グループをはじめとする複数の新聞社と提携し、新聞折込求人広告媒体を運営しております。

今後、当社グループでは、新聞社グループとの更なる連携による既存事業の一層の強化や新規事業の検討を図っていく所存ですが、何らかの要因によって新聞社との提携関係に変化が生じ、折込可能地域や折込料が変更された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合について

現在、ライフメディアプラットフォーム事業と同様のビジネスモデルでメディアを運営する競合企業は複数存在しております。当社グループとしては、マッチングテクノロジーを活用して他社との差別化を図ることで、市場における優位性の構築を推進して参りました。

今後も、当社グループでは、ライフメディアプラットフォーム事業に属している各媒体の規模拡大と質的な充実を図ることにより、一層の強化を推進していく方針でありますが、大手媒体の運営事業者等の新規参入や、既存他社媒体の規模拡大等により顧客やユーザーの獲得競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 自然災害、事故について

当社グループでは、自然災害や大規模な事故に備え、定期的なバックアップや稼働状況の監視によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社グループの本社は東京都内に有り、当地域内における地震、津波等の大規模災害の発生や事故により本社及びデータセンターが被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染拡大を契機とした事業リスクについて

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や従業員を含むステークホルダーの安全確保を目的に、緊急事態宣言の発令等に合わせ、従業員に関しては在宅勤務(リモートワーク)での業務運営を行うほか、不要不急のイベント参加や国内外出張の取り止め、及び社内集会の中止または規模縮小を実施しております。ただし、当社グループの主力であるインターネットメディア事業やシステム事業は、テレマーケティングやウェブマーケティングとの親和性が高く、提出日現在において、上記の措置によって営業活動等に大きな影響は生じておりません。

しかしながら、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う経済活動の制限により、人材領域や生活領域旅行分野の顧客においては広告出稿、システム利用の需要が減退し、当該事業において収益が減少しました。これに伴い、連結子会社である株式会社アップルワールド及び株式会社三光アド及びその他人材領域の資産も含め、減損損失3,991百万円を計上しております。また、それ以外の事業においても、人材領域においては短期的に採用需要が減退し、生活領域の自動車分野においては特に海外における経済活動制限の影響によって、顧客企業やユーザーの動きが鈍化する等、一時的な業績の落ち込みが見られました。提出日現在において、事業毎に濃淡はあるものの今後のワクチン接種の普及等により収益環境は徐々に正常化するものと見込んでおりますが、新型コロナウイルスの感染終息後においても、長期的に企業やユーザーの行動は変容し続ける可能性があり、これらの需要を適切に捉える必要があると考えております。

 

(2)事業内容に関わるリスクについて

① ライフメディアプラットフォーム事業への依存について

2021年3月期における売上収益(12,564百万円)は、ライフメディアプラットフォーム事業による売上収益が約96%を占めております。

従って、各業界における広告費の支出動向や他の媒体との競合の激化、及び展開しているサイトの健全性が損なわれることによる顧客企業との信頼関係の低下等により、当社グループのライフメディアプラットフォーム事業の売上収益が減少した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 取引依存度の高い主要な取引先について

当社グループがライフメディアプラットフォーム事業で用いている情報の一部は、契約を結んだ上でインターネットメディアを運営する顧客企業より提供を受けているものであります。

当社は、これまで主要取引先とは信頼関係を構築し、継続的な取引関係を維持して参りましたが、将来において何らかの予期せぬ要因により、上記企業の事業戦略等に変化が生じ、契約の変更や取引の縮小等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、連結売上収益の10%以上を占める取引先はございません。

 

③ サイト機能の充実について

ライフメディアプラットフォーム事業のビジネスモデルは概ね媒体運営という点で共通しているものの、当社グループは、ユーザーのニーズに対応するため、ユーザーへの情報提供方法や、課金とは直接的には関係のないコンテンツ(例:口コミ情報)の拡充等は運営サービスごとに市場の環境変化等に即し行っております。

しかし、今後において、有力コンテンツの導入やユーザーのニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能拡充に支障が生じた場合、当社の業界における競争力が低下し当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 新規事業について

当社グループは今後も引き続き、積極的に新サービスないしは新規事業に取り組んで参ります。グループ内リソースを最大限活用し、立ち上げ効率並びに資金効率の最大化を図って参りますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。

また、展開した新領域でのライフメディアプラットフォーム事業ないしは新規事業の拡大・成長が当初の予測通りに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 海外市場への進出について

当社グループは今後、海外への事業展開に積極的に取り組む可能性があります。

海外事業展開を行っていく上で、各国の法令、制度・規則、政治・社会情勢、為替等をはじめとした潜在的リスクに対処できないこと等により、事業を推進していくことが困難となった場合に、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国において事業が計画通りに進捗しない場合等に、業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業運営体制について

① 特定人物への依存について

代表取締役 社長執行役員 CEOである平尾丈は、2008年1月より代表を務めております。同氏は、インターネット関連事業に関連する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

当社グループは、取締役会や事業運営のための定例会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図るとともに、権限の委譲も適宜行っていくことで、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を行うことが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の獲得及び育成について

当社グループは、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、既存事業や新規事業を拡大・成長させていくための事業開発力・マネジメント能力を有する人材や、システム技術分野のスキルを有する人材、及び高度な専門性を持つコーポレート人材の確保に努めるとともに、人事制度、教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げに努めております。

しかしながら、当社グループの求める人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 急速な組織規模拡大に応じた業務執行体制について

当社グループは、現在772名(2021年3月31日、正社員のほか契約社員を含み、人材派遣事業の派遣従業員178名を含む)と2020年3月31日の465名より、M&Aに伴うグループ会社及び事業数の増加に伴い、組織規模が急速に拡大しております。当社グループはこれに応じてマネジメント体制の充実、グループガバナンスの強化、従業員の育成等を行っておりますが、今後もこれらの施策が適時適切に進行しなかった場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 内部管理体制の強化について

当社グループは、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。

業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底して参りますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)システム等に関するリスクについて

① システム障害について

当社グループは運営サービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。

しかしながら、大規模なプログラム不良や当該地域での大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、及びその他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じることにより、顧客やユーザーとの信頼関係に悪影響を及ぼし、賠償責任の発生等によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、活発な技術革新が行われておりそのスピードが極めて速いことから、技術革新に応じたシステムの拡充、及び事業戦略の修正等も迅速に行う必要があると考えております。そのため、当社グループでは業界の動向を注視しつつ、迅速に既存サービスに新たな技術を展開できる開発体制を敷いております。

しかしながら、予期しない技術革新等があった場合、それに伴いシステム開発費用が発生する可能性があります。また、適時な対応ができない場合、当社グループが提供するサービスの競争力が相対的に低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 事業拡大に伴うシステム投資について

当社グループでは、サービスの安定稼動やユーザーの満足度向上を図るためには、サービスの成長に伴い先行的にシステムやインフラに投資を行っていくことが必要であると認識しております。

今後、現在展開している事業で予測されるユーザー数・アクセス数の拡大、及び新規事業の導入、及びセキュリティ強化のため継続的な費用拠出や設備投資を計画しておりますが、実際のユーザー数及びアクセス数が当初の予測から大幅に乖離する場合、費用拠出や設備投資の前倒しや当初計画よりも大規模な施策を行わなければならず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制について

① 一般的なインターネットにおける法的規制について

当社グループの事業を規制する主な法規則として「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等があります。

近年、インターネット上のトラブルへの対応として、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきており、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、当社グループ事業が制約を受ける可能性が有ります。その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報の保護について

当社グループでは、インターネット関連サービスの提供を通じ、利用者本人を識別することができる個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱業者としての義務が課されております。

当社グループでは個人情報を取り扱う際の業務フローや権限体制を明確化し、個人情報管理に関する規程を制定しております。併せて、役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図ることで、同法及び、関連法令等の法的規制の遵守に努めております。

また、当社グループのコンピューターシステムは、外部からの不正アクセスを防止するためのファイアウォール等のセキュリティ手段によって保護されております。

しかしながら、個人情報が当社グループの関係者や業務提携先等の故意又は過失により外部に流出したり、悪用されたりする事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループ並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権について

当社グループは、当社が運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権侵害の可能性については可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性、又は新たに当社の事業分野で第三者により著作権等が成立する可能性があります。

このような場合においては、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求、又は当社に対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)その他のリスクについて

① 新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスク

当社グループでは、取締役、従業員に対するインセンティブ等を目的とした新株予約権を発行しております。これらの新株予約権が権利行使された場合には、既存株主の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、2021年5月31日現在における新株予約権による潜在株式数は2,140,000株であり、発行済株式総数111,700,000株の1.9%に相当しております。

 

② のれんの減損に関するリスク

当社グループは2021年3月末時点で6,655百万円ののれんがございます。当連結会計年度において、のれんの減損損失3,613百万円を計上しました。今後、取得した会社の収益性が著しく低下し追加の損失の計上が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の売上収益は12,564百万円(前年同期比4.8%減)、売上総利益は10,484百万円(前年同期比5.8%減)、営業損失は1,062百万円(前年同期は営業利益3,806百万円)、税引前当期損失は1,069百万円(前年同期は税引前当期利益3,800百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は1,964百万円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益2,669百万円)となりました。

また、当連結会計年度末の資産合計は20,101百万円(前連結会計年度末比2,305百万円減)、負債合計は7,105百万円(前連結会計年度末比962百万円増)、資本合計は12,997百万円前連結会計年度末比3,267百万円減)となりました。

なお、セグメント情報との関連については、「その他」の規模が非常に小さく、開示情報としての重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,567百万円、投資活動による資金の減少は、1,746百万円、財務活動による資金の減少は、29百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注状況
当社グループは受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

前年同期比

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日

(%)

ライフメディアプラットフォーム事業

(百万円)

12,063

95.1

その他

(百万円)

501

96.6

合計

(百万円)

12,564

95.2

 

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。

この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分が有り、この結果は資産・負債、収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、一部過去の実績に基づく概算数値を用いるために、不確実性が伴っており実際の結果と異なる場合があります。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの業績は、外部要因として(ⅰ)インターネット関連市場の動向、(ⅱ)競合との競争の激化、(ⅲ)技術革新、(ⅳ)法的規制の変化、(ⅴ)自然災害、(ⅵ)経済状況の影響を受ける可能性があります。なお、近年のマクロ経済の変動に対して、当社グループの業績はインターネット市場の伸長等に伴い堅調に推移しております。

また、内部要因として(ⅰ)新サービスの開発、(ⅱ)外部からの人材登用や人材育成、(ⅲ)内部管理体制、(ⅳ)システム障害等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がありますが、組織体制の整備及び内部統制の強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めて参ります。なお、当社グループでは、「生活機会の最大化」との企業理念を実現するため、ライフメディアプラットフォーム事業のより広い周知と、対象となるデータベース領域の拡大を行うことが必要であると考えております。また、ライフメディアプラットフォーム事業で培ったWebマーケティングやサイト構築のノウハウをもとに、より日常生活に密着したサービスへの進出やグローバルなサービスの展開等を進めることも検討しています。そのためにはインターネット関連事業の変化に素早く対応できる組織体制の構築、システムの安定性の確保及び情報管理体制の強化等、組織としての健全性を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために、当社グループ経営陣は、最大限に入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めて参ります。

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う経済活動の制限により、人材領域や生活領域旅行分野の顧客においては広告出稿、システム利用の需要が減退し、当該事業において収益が減少しました。これに伴い、連結子会社である株式会社アップルワールド、株式会社三光アド及びその他人材領域の資産も含め、減損損失3,991百万円を計上しております。一方で、当社グループが営む事業において、堅調に市場拡大している領域も複数あり、DX需要の急速な向上とPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成する企業・サービスの業績拡大が見られました。当社グループでは、これらの市場環境の変化を機会と捉え、今後は、多領域で展開するプラットフォーマーとしての強みを活かし、テールリスクを踏まえたマーケットにおける事業の選択と集中、強みの拡張及び顧客基盤の拡大により、当社グループ業績の最適化を図ります。

 

a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は20,101百万円前連結会計年度末比2,305百万円減)となりました。これは主に、現金及び現金同等物が789百万円、繰延税金資産が385百万円増加した一方、その他の流動資産が220百万円、のれんが2,773百万円、使用権資産が285百万円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債総額は7,105百万円前連結会計年度末比962百万円増)となりました。これは主に、借入金が1,716百万円増加した一方、その他の金融負債が190百万円、その他の流動負債が116百万円、未払法人所得税等が112百万円、リース負債が259百万円減少したこと等によるものであります。

 

(資本)

当連結会計年度末の資本は12,997百万円前連結会計年度末比3,267百万円減)となりました。これは主に、利益剰余金が2,297百万円、自己株式の取得により998百万円減少したこと等によるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上収益)

当連結会計年度において、売上収益は12,564百万円前年同期比4.8%減)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響により、旅行分野である株式会社アップルワールドにおける海外渡航需要の低迷や、株式会社三光アドにおける紙メディアの市場規模縮小等により収益が減少したこと等によるものであります。

 

(売上総利益)

当連結会計年度において、売上原価は2,081百万円前年同期比0.6%増)となりました。これは主に、株式会社三光アドの減収に伴い広告制作費用が減少した一方で、当連結会計年度から連結子会社化した株式会社ミラクスにおいて、人材派遣事業の派遣費用が増加したこと等によるものであります。

この結果、当連結会計年度の売上総利益は10,484百万円前年同期比5.8%減)となりました。

 

(営業利益・税引前当期利益)

当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は7,661百万円前年同期比3.6%増)、その他費用は4,016百万円前年同期比60,614.7%増)となりました。これは主に、M&Aによる人件費等の増加や、非金融資産に係る減損損失を計上したこと等によるものであります。

この結果、当連結会計年度の営業損失は1,062百万円(前年同期は営業利益3,806百万円)、税引前当期損失は1,069百万円(前年同期は税引前当期利益3,800百万円)となりました。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

当連結会計年度において、法人所得税費用は889百万円前年同期比21.4%減)となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期損失は1,964百万円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益2,669百万円)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より790百万円増加し、7,420百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,567百万円となりました。これは主に、税引前当期損失の計上1,069百万円、減損損失の計上3,991百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,746百万円となりました。これは主に、無形資産の取得による支出584百万円、事業譲受による支出1,321百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、29百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,250百万円、長期借入金の返済による支出535百万円、リース負債の返済による支出428百万円、自己株式の取得による支出999百万円によるものであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びM&Aや資本提携等のための戦略投資資金です。運転資金については、原則として自己資金の活用等により調達し、投資資金等については、自己資金の活用に加えて借入金等により調達しています。資金調達に際しては、これら多様な調達手段から時機に応じて最適な手段を選択することで、安定的な財源の確保及び資本コストの最適化を図るほか、親会社所有者帰属持分比率40%以上、のれん対資本倍率1.0倍以下をあるべき財務水準と設定して健全性の維持に努めています。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等としては、当連結会計年度より、将来的な非経常ないしは非資金性の収益・費用等の計上可能性や国内外企業間の比較可能性の向上等に鑑み、利益目標をEBITDAに変更しております。2022年3月期の業績目標(不透明な外部環境に鑑み、引き続きレンジ形式により開示。連結売上収益15,500~17,000百万円、EBITDA※4,400百万円~5,100百万円)に加えて、2026年3月期における中期的な業績目標として連結売上収益35,000百万円超、EBITDA10,000百万円超を掲げております。EBITDAは、非資金項目の影響を除いた利益目標として、不透明な外部環境下においても、当社グループの事業の収益性をより効果的に測るための主要な経営指標であると考えております。なお、これらの指標を達成するための経営者の問題認識と今後の方向性については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

(※)EBITDA=営業利益(損失)+減価償却費及び償却費+減損損失+固定資産除却損及び評価損-負ののれん発生益

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)連結子会社の合併

 当社は、2020年5月14日開催の取締役会において、当社を吸収合併存続会社、当社の連結子会社である株式会社アイアンドシー・クルーズを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で吸収合併契約を締結し、2020年7月1日付で吸収合併いたしました。

 本合併の詳細については「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

(2)株式譲渡契約及び連結子会社間の合併契約

 当社は、HITOWAキャリアサポート株式会社の持株会社であるPCHホールディングス株式会社の株式を取得するため、HITOWAホールディングス株式会社と2020年9月18日付で株式譲渡契約を締結し、2020年9月30日付で、PCHホールディングス株式会社を子会社、HITOWAキャリアサポート株式会社を孫会社としました。なお、HITOWAキャリアサポート株式会社は2021年1月1日付で、株式会社ミラクスに商号を変更しております。

 また、当社は2021年2月10日開催の取締役会において、株式会社ミラクスを吸収合併存続会社、PCHホールディングス株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、両社は同日付で吸収合併契約を締結し、2021年4月1日付で吸収合併いたしました。

 

(3)事業譲渡契約

 当社は、2020年11月20日付で、株式会社ベーシックと事業譲渡契約を締結し、比較メディア事業に係る事業(①フランチャイズ比較ネット、②家庭教師・比較くらべ~る、③留学くらべ~る、④結婚相談所比較ネット)の全部を2020年12月15日付で譲り受けました。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。