第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、中国経済を始めとするアジア新興国経済の減速による影響が懸念されました。

こうしたなか、当連結会計年度の売上高については主にガス事業の売上高が減少したことにより、14.6%減少の735億47百万円、営業利益については2.6%減少の48億91百万円、経常利益については4.8%減少の58億24百万円、当期純利益については負ののれん発生益46億18百万円を特別利益に計上した前連結会計年度に比べ53.6%減少の39億41百万円となりました。

セグメントごとの業績は次のとおりであり、増減の比較については、全て「前連結会計年度」との比較となっております。

<ガス事業>

輸入エネルギー価格下落の影響による一部販売価格の低下や、発電用途でのガス販売量の減少などにより、売上高については16.0%減少の661億6百万円となりましたが、ガス仕入費用も減少したことなどにより、営業利益については2.3%減少の50億20百万円となりました。

<ヨード・かん水事業>

為替は円安で推移し、ヨード販売量も増加しましたが、販売価格が低下したことなどにより、売上高については1.6%減少の51億40百万円、営業利益については6.1%減少の24億26百万円となりました。

<その他>

器具販売事業の売上が増加したことなどにより、売上高については3.9%増加の23億円となり、営業利益については3.1%増加の1億61百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

<現金及び現金同等物の期末残高>

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べ9.1%増加の241億55百万円となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

税金等調整前当期純利益や減価償却費などにより、81億17百万円の収入(前連結会計年度に比べ14.2%増加)となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

有形固定資産の取得などにより、52億53百万円の支出(前連結会計年度に比べ41.8%増加)となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

配当金の支払いなどにより、10億43百万円の支出(前連結会計年度に比べ13.4%減少)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ガス事業

8,000

△4.9

ヨード・かん水事業

4,305

△8.3

合計

12,305

△6.1

 

(注) 1 上記の金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「ヨード・かん水事業」に含まれているかん水の生産高については、販売用だけでなく、原料用のものを含んでおります。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
 なお、当社グループの主たる事業であるガス事業においては、受注生産を行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ガス事業

66,106

△16.0

ヨード・かん水事業

5,140

△1.6

その他

2,300

+3.9

合計

73,547

△14.6

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

五井コーストエナジー㈱

13,123

15.2

9,662

13.1

出光興産㈱

9,247

10.7

 

(注)当連結会計年度において、総販売実績に占める出光興産㈱の割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 我が国のエネルギー源の海外依存度の高さや世界的な温室効果ガス排出量の増大が問題視されるなか、天然ガスは、地政学的リスクが相対的に低いこと、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少ないこと等から、各分野においてその役割を拡大していく重要なエネルギー源として位置づけられております。
 一方で、今後電力・ガスの小売全面自由化が実施されることで想定される新規参入者との競合や他エネルギーとの競争の激化のなか、販売者としてお客様のニーズに的確にお応えするサービスのご提供がこれまで以上に必要となっております。

こうした事業環境のなか、当社グループは、平成28年5月に創業85周年を迎えるにあたり、100年企業に向けたステップとして10年後をターゲットに据えた「10年ビジョン」を以下の通り策定し、海外情勢等に左右されにくく長期安定的な供給が可能な国産天然ガスと世界的にも貴重な資源であるヨードの生産・販売を柱としながら、更なる成長を目指してまいります。

<K&Oエナジーグループ10年ビジョン>
①「競争力ある県産ガスの開発」「効率的な導管網の整備」「都市ガス事業の更なる強化」を推進し、国内屈指のガスバリューチェーンを展開する。
②貴重な資源であるヨードの生産者として、積極的な増産・拡販を図り、世界の需要拡大に応える。
③千葉から世界へ。新興国を中心とした海外エネルギー市場の成長への貢献を通じて更なる発展を遂げる。
④お客様・時代のニーズ、環境の変化をとらえ、新たな事業に取り組み、社会とともに持続的に成長する。

この10年ビジョンを具体的に展開していくため、平成28年を初年度とする3年間を中長期的な視野でエネルギー供給企業グループとしての責任を果たすための基盤再構築の期間と位置付け、この3年間を対象に新たな中期経営計画を策定し、以下のようなグループ事業戦略のもと、諸施策に取り組んでまいります。

まず、天然ガス及びヨードの生産につきまして、国産天然ガスのLNGに対する価格優位性を保つことを前提に、新規開発はもとより既存設備の修繕・整備・拡充に重点的に取り組むことで、新規エリアでの生産量の拡大や既存エリアでの生産量の維持・増進に取り組んでまいります。
 さらに、全面自由化を控えたガス小売事業分野において、総合エネルギー産業の一員としてガス販売を中心にサービス内容の充実化を図り、より強力な営業体制を作り上げることによって需要の維持・拡大を図るとともに、ヨード分野においてもお客様のニーズに対する適切な対応をすすめ、継続的販売先を開拓してまいります。

また、多角的な仕入源からの競争力のある原料ガスの安定確保や、ガス需要や導管利用の拡大に向けた導管ネットワークの整備等によって、安定的・効率的な供給体制を作り上げるとともに、経営資源を効率的に活用することで新規事業への参入を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 事故・災害等の発生

当社グループにおきまして、事故や災害等によるガス・ヨード設備への損害や、操業トラブルが発生した場合には、ガスの供給及びヨードの生産の支障になるほか、設備復旧等のために費用が発生する可能性があります。特にガス設備に大規模な漏洩・爆発事故等が発生した場合には、その直接的損害に加えて、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

一方、ガス・ヨードの調達先や販売先での事故や災害による稼働停止等が生じた場合には、調達支障や販売量減少の可能性があるほか、不測の停電や電力使用制限などが生じた場合には、同様の影響に加え、当社グループにおけるガス生産量やヨード生産量が減少する可能性があります。

(2) 経済状況

当社グループにおきまして、ガス需要のほか、受注工事や器具販売等について、事業地域における経済活動の影響を受け、ガス販売量及び受注工事・器具販売等の売上高が減少する可能性があります。

(3) 天候の変動

当社グループにおきまして、冷暖房及び給湯にかかる需要を中心として、ガス需要が気温・水温の影響を受けることから、天候の変動によって、ガス販売量が減少する可能性があります。

(4) 需要環境等の変化

当社グループにおきまして、ガス需要の大幅な伸びに対応する必要等が生じた場合には、設備の新設・増強や新規ガス源の確保等にかかる設備投資が発生するため、減価償却費等の増加の影響を受けて、一時的に利益が減少する可能性があります。また、長期売買契約等によってリスク軽減を図っているものの、他エネルギー企業との競合の激化や、大口販売先の需要減少、既存需要の他燃料への転換等によって、ガス販売量が減少する可能性があります。

(5) ガスの調達

当社グループは、千葉県で天然ガスを開発・生産しており、生産設備の老朽化や新規開発の不調等によるガス生産量の減少、老朽更新投資等によるガス生産コストの上昇が発生する可能性があります。また、当社グループが仕入れているガスの一部は、輸入エネルギー価格等に合わせた契約となっているため、仕入価格の変動により、利益が減少する可能性があります。

(6) 法令・制度の変更等

当社グループは、鉱業法及び鉱山保安法、ガス事業法、その他の法令に従って事業を行っているため、法令・制度の変更が事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境規制の動向

当社グループは、天然ガス・ヨードを含有したかん水を地下から汲み上げて、天然ガス及びヨードの生産を行っているため、排水にかかる水質規制や、開発地域である千葉県との排水限度量について定めた地盤沈下防止協定の動向等により、天然ガス及びヨードの生産量が減少する可能性があります。

(8) 個人情報の取り扱い

当社グループは事業の性格上、多くのお客様情報をはじめとする個人情報をお預かりしており、その社会的責任は極めて重いものと認識しております。個人情報の管理については、当社グループはもとより、業務委託先も含めて、情報管理に遺漏なきよう万全を期しております。しかし、万一情報漏洩等の事態が発生した場合には、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

(9) 海外市況・為替の動向

当社グループにおきまして、大部分を海外に輸出しているヨードは、海外市況や為替の影響により、販売量の減少や販売価格の低下が生じる可能性があります。

(10) 資産価値・金利等の変動

当社グループが所有する金融資産・不動産等は、市況や金利、投資先の財政状態等の変動により利益の減少や損失が発生する可能性があります。

(11) コンプライアンス違反の発生

当社グループにおきまして、子会社も含めたコンプライアンス体制の整備を行っているものの、万一法令・規則違反や企業倫理に反する行為等が発生した場合には、その直接的損害に加えて、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)経営指導契約

当社は平成26年1月6日付で、連結子会社である関東天然瓦斯開発㈱、大多喜ガス㈱他との間で、経営管理・指導に関する「経営指導契約」を締結しております。

 

(2)㈱房総コンピューターサービス(非連結子会社)との合併

当社の100%子会社(非連結子会社)であった㈱房総コンピューターサービスは、平成27年8月10日開催の取締役会での決議に基づき、当社グループにおける業務の効率的な運営及びIT部門の体制強化を図ることを目的として、平成27年10月1日付で当社に吸収合併を行いました。
 合併の概要は次のとおりであります。

①合併の方法

当社を存続会社とする吸収合併で、㈱房総コンピューターサービスは解散しました。また、本合併は、当社においては会社法第796条第2項に定める簡易合併の手続きにより、㈱房総コンピューターサービスにおいては会社法第784条第1項に定める略式合併の手続きにより、株主総会決議は経ずに行いました。

②合併に際して発行する株式及び割当など

㈱房総コンピューターサービスは、当社の100%子会社であったため、本合併による新株式の発行、資本金の増加、合併交付金の交付は行っておりません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、主にガス事業及びヨード・かん水事業に関するものを中心として、次のとおり実施いたしました。

なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は1億92百万円であり、特定のセグメントに帰属しない全社費用としております。

(1) ガス事業

環境に配慮した水溶性天然ガス適正採取技術の研究を行うほか、生産効率化・増産のための研究等を実施しております。

(2) ヨード・かん水事業

ヨードの特性を生かした新規利用分野の開拓や、かん水含有物質の研究及び製造過程における環境対策のための研究等を実施しております。

(3) その他

新規事業の開拓を図るための研究開発等を実施しております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産、負債、純資産の状況は、次のとおりであります。

<資産合計>

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末並の893億16百万円となりました。主な内訳は、流動資産は、現金及び預金は増加したものの、有価証券や受取手形及び売掛金の減少などにより、7.4%減少の362億67百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物の増加などにより、5.7%増加の530億49百万円となりました。

<負債合計>

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて16.1%減少の175億37百万円となりました。主な内訳は、流動負債は、支払手形及び買掛金の減少などにより、22.4%減少の103億77百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債の減少などにより、5.1%減少の71億60百万円となりました。

<純資産合計>

当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて4.9%増加の717億79百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況に関する分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。