第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されたものの、企業収益や雇用・所得環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調で推移しました。
 こうしたなか、当連結会計年度の売上高については、主にガス事業の売上高が増加したことにより、5.6%増加の595億99百万円となりましたが、ガス仕入費用の増加やヨウ素販売価格の低下などにより、営業利益については5.7%減少の30億51百万円、経常利益については4.2%減少の34億76百万円となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益については、税金費用の減少などにより、0.5%増加の24億15百万円となりました。
 セグメントごとの業績は次のとおりであり、増減の比較については、全て「前連結会計年度」との比較となっております。なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称を変更しており、従来の「ヨード・かん水事業」を「ヨウ素事業」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
<ガス事業>
 輸入エネルギー価格の影響による一部のガス販売価格の上昇や発電用途でのガス販売量の増加などにより、売上高については7.6%増加の539億39百万円となりましたが、ガス仕入費用や天然ガスの新規開発による減価償却費の増加などにより、営業利益については3.0%減少の44億40百万円となりました。
<ヨウ素事業>
 国際的な価格低下の影響を受けヨウ素販売価格が低下したことや、ヨウ素販売量が減少したことなどにより、売上高については15.3%減少の32億97百万円、営業利益については13.4%減少の11億14百万円となりました。
<その他>
 器具販売事業の売上高が減少したものの、利益率が向上したことなどにより、売上高については2.0%減少の23億62百万円、営業利益については71.9%増加の1億59百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

<現金及び現金同等物の期末残高>
 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べ16.8%減少194億51百万円となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>
 税金等調整前当期純利益や減価償却費などにより、66億74百万円の収入(前連結会計年度に比べ15.0%増加)となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>
 有形固定資産の取得などにより、97億72百万円の支出(前連結会計年度に比べ70.6%増加)となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>
 配当金の支払いなどにより、8億32百万円の支出(前連結会計年度に比べ1.9%減少)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ガス事業

7,244

+0.0

ヨウ素事業

3,823

+24.7

合計

11,068

+7.4

 

(注) 1 上記の金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「ヨウ素事業」に含まれているかん水の生産高については、販売用だけでなく、原料用のものを含んでおります。

4 当連結会計年度より、報告セグメントの名称を変更しており、従来の「ヨード・かん水事業」を「ヨウ素事業」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

5 当連結会計年度より、ヨウ素生産スキームを「他社への原料販売、原料販売先からの製品購入」から「他社への製造委託」に変更したため、ヨウ素事業の生産実績が増加しています。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
 なお、当社グループの主たる事業であるガス事業においては、受注生産を行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ガス事業

53,939

+7.6

ヨウ素事業

3,297

△15.3

その他

2,362

△2.0

合計

59,599

+5.6

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

五井コーストエナジー㈱

6,812

11.4

出光興産㈱

6,155

10.3

 

(注)前連結会計年度において、総販売実績に占める五井コーストエナジー㈱および出光興産㈱の割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「天然ガスの生産と販売を中核に、快適で豊かな生活の実現と社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、国内における水溶性天然ガス開発のリーディングカンパニーとして国産天然ガスの開発・生産に携わるとともに、生産したガスを中心に、千葉県内のご家庭をはじめとしたお客様に都市ガスを販売してまいりました。
 近年、地球温暖化や大気汚染等の環境問題を契機に天然ガスがますます重要性を増しているなか、当社グループは「天然ガスの開発・生産といった上流部門から、お客様への販売という下流部門までをグループ内で一貫して行う」という最大の特長を活かし、持続可能な社会の実現に貢献しつつ競争力を持った企業として発展するため、「環境との調和、地域社会との共生」「安全・品質・サービスの向上」「活力ある企業風土の実現」という3つの経営方針に沿って事業を展開しております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

わが国のエネルギー源の海外依存度の高さや世界的な温室効果ガス排出量の増大が問題視されるなか、天然ガスは、地政学的リスクが相対的に低いこと、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少ないことなどから、各分野においてその役割を拡大していく重要なエネルギー源として位置づけられております。また、天然ガスの大部分を輸入に頼るわが国において、供給源の多角化による安定供給や柔軟で流動性の高いLNG市場の構築が喫緊の課題とされているなか、最も安定した天然ガス資源である国産天然ガスの開発はさらに重要性を増してきております。
 一方で、販売面では電力に引き続いて2017年に実施されたガスの小売全面自由化を受け、多様な事業者の新規参入や異業種間の提携などによってこれまで以上に競争が激化していくなか、従来の事業分野を越え、総合エネルギー事業者としてお客様のニーズに的確にお応えする様々なサービスをご提供することが必要となっております。

 

こうした事業環境のなか、当社グループは、100年企業に向けたステップとして2025年をターゲットに据えた「VISION 2025」、さらにその具体的な展開のために2018年度を最終年度とする3ヵ年中期経営計画をそれぞれ策定し、諸施策に取り組んでおります。
 これらの計画に基づき、2017年度においては新規エリア開発による生産量の拡大や既存エリア開発による生産量の維持・増進に加え、排水管などの生産基盤インフラやヨウ素製造設備の増強などに注力するとともに、グループ内再編などによる事業効率化策を実施いたしました。
 今後につきましては、ヨウ素価格が一時期よりも好転しているものの、計画策定当時の見込みにまでは達しないと予想されることなどから、3ヵ年中期経営計画の達成は非常に厳しいものと考えております。しかし、従来の取り組みに加え、既存井のガス・ヨウ素増産施策の実施などによる既存エリアでの生産量の維持・増進や、天然ガスやLPガス、電力の販売を一元化させるワンストップサービスの提供に向けた取り組みを推進することなどにより、3ヵ年中期経営計画や「VISION 2025」の達成に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

~「VISION 2025」で目指す方向性~

①「競争力ある県産ガスの開発」「効率的な導管網の整備」「都市ガス事業の更なる強化」を推進し、国内屈指のガスバリューチェーンを展開する。
②貴重な資源であるヨウ素の生産者として、積極的な増産・拡販を図り、世界の需要拡大に応える。
③千葉から世界へ。新興国を中心とした海外エネルギー市場の成長への貢献を通じて更なる発展を遂げる。
④お客様・時代のニーズ、環境の変化をとらえ、新たな事業に取り組み、社会とともに持続的に成長する。

 

 

(3) 目標とする経営指標

項  目

次期見通し

(2018年)

3ヵ年中期経営計画

数値目標
(2018年)

 

VISION 2025

数値目標
(2025年)

経常利益

31億円

35億円

 

65億円

営業活動による
キャッシュ・フロー

71億円

75億円

 

90億円

ROA(総資本当期純利益率)

2.2%以上

2.5%以上

 

4.5%以上

ガス販売量

10.9億㎥

11億㎥

 

15億㎥

ヨウ素販売量

1,600トン

1,700トン

 

2,100トン

ガス生産量

1.9億㎥

2億㎥

 

2億㎥

 

 

設備投資額 (注)

(2016年からの累計)

200億円

230億円

 

570億円

 

 (注) 各種目標達成のための計画値であります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 事故・災害等の発生

当社グループにおきまして、事故や災害等によるガス・ヨウ素設備への損害や、操業トラブルが発生した場合には、ガスの供給及びヨウ素の生産の支障になるほか、設備復旧等のために費用が発生する可能性があります。特にガス設備に大規模な漏洩・爆発事故等が発生した場合には、その直接的損害に加えて、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

一方、ガス・ヨウ素の調達先や販売先での事故や災害による稼働停止等が生じた場合には、調達支障や販売量減少の可能性があるほか、不測の停電や電力使用制限などが生じた場合には、同様の影響に加え、当社グループにおけるガス生産量やヨウ素生産量が減少する可能性があります。

(2) 経済状況

当社グループにおきまして、ガス需要のほか、受注工事や器具販売等について、事業地域における経済活動の影響を受け、ガス販売量及び受注工事・器具販売等の売上高が減少する可能性があります。

(3) 天候の変動

当社グループにおきまして、冷暖房及び給湯にかかる需要を中心として、ガス需要が気温・水温の影響を受けることから、天候の変動によって、ガス販売量が減少する可能性があります。

(4) 需要環境等の変化

当社グループにおきまして、ガス需要の大幅な伸びに対応する必要等が生じた場合には、設備の新設・増強や新規ガス源の確保等にかかる設備投資が発生するため、減価償却費等の増加の影響を受けて、一時的に利益が減少する可能性があります。また、長期売買契約等によってリスク軽減を図っているものの、他エネルギー企業との競合の激化や、大口販売先の需要減少、既存需要の他燃料への転換等によって、ガス販売量が減少する可能性があります。

(5) ガスの調達

当社グループは、千葉県で天然ガスを開発・生産しており、生産設備の老朽化や新規開発の不調等によるガス生産量の減少、老朽更新投資等によるガス生産コストの上昇が発生する可能性があります。また、当社グループが仕入れているガスの一部は、輸入エネルギー価格等に合わせた契約となっているため、仕入価格の変動により、利益が減少する可能性があります。

(6) 法令・制度の変更等

当社グループは、鉱業法及び鉱山保安法、ガス事業法、その他の法令に従って事業を行っているため、法令・制度の変更が事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境規制の動向

当社グループは、天然ガス・ヨウ素を含有したかん水を地下から汲み上げて、天然ガス及びヨウ素の生産を行っているため、排水にかかる水質規制や、開発地域である千葉県との排水限度量について定めた地盤沈下防止協定の動向等により、天然ガス及びヨウ素の生産量が減少する可能性があります。

(8) 個人情報の取り扱い

当社グループは事業の性格上、多くのお客様情報をはじめとする個人情報をお預かりしており、その社会的責任は極めて重いものと認識しております。個人情報の管理については、当社グループはもとより、業務委託先も含めて、情報管理に遺漏なきよう万全を期しております。しかし、万一情報漏洩等の事態が発生した場合には、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

(9) 基幹情報システムの支障

ガスの供給や料金計算等に関する基幹的な情報システムに重大な支障が発生した場合には、お客様への安定供給や円滑なサービスの提供が損なわれ、ガス販売量の減少や信用失墜が生じる可能性があります。

 

(10) 海外市況・為替の動向

当社グループにおきまして、大部分を海外に輸出しているヨウ素は、海外市況や為替の影響により、販売量の減少や販売価格の低下が生じる可能性があります。

(11) 資産価値・金利等の変動

当社グループが所有する金融資産・不動産等は、市況や金利、投資先の財政状態等の変動により利益の減少や損失が発生する可能性があります。

(12) コンプライアンス違反の発生

当社グループにおきまして、子会社も含めたコンプライアンス体制の整備を行っているものの、万一法令・規則違反や企業倫理に反する行為等が発生した場合には、その直接的損害に加えて、信用失墜や損害賠償責任等が生じる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は平成26年1月6日付で、連結子会社である関東天然瓦斯開発㈱、大多喜ガス㈱他との間で、経営管理・指導に関する「経営指導契約」を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、主にガス事業及びヨウ素事業に関するものを中心として、次のとおり実施いたしました。

なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は2億7百万円であり、特定のセグメントに帰属しない全社費用としております。

(1) ガス事業

環境に配慮した水溶性天然ガス適正採取技術の研究を行うほか、生産効率化・増産のための研究等を実施しております。

(2) ヨウ素事業

粒状ヨウ素の効率的製造のための研究や、かん水含有物質の研究及び製造過程における環境対策のための研究等を実施しております。

(3) その他

新規事業の開拓を図るための研究開発等を実施しております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

<資産の部>

 流動資産は、現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ2.6%減少351億60百万円となりました。また、固定資産は、設備投資による機械装置及び運搬具や建物及び構築物の増加などにより、前連結会計年度末に比べ5.5%増加564億83百万円となりました。以上の結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ2.3%増加916億44百万円となりました。

<負債の部>

流動負債は、設備投資に係る未払金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ0.4%減少93億78百万円となりました。また、固定負債は、退職給付に係る負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1.1%減少72億80百万円となりました。以上の結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ0.7%減少166億59百万円となりました。

<純資産の部>

純資産合計は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2.9%増加749億85百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況に関する分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。