文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期累計期間(平成27年1月1日~平成27年9月30日)におけるわが国経済は、政府による経済再生と財政健全化の各種政策を背景として企業収益や雇用・所得環境に改善が見られる等、景気は緩やかな回復基調が続いています。しかしながら、中国経済をはじめとした海外景気の下振れや為替相場の変動による原材料、製品価格の高騰等に対する懸念により、先行きの不透明な状況が予想されています。
このような状況下、当社は経営の効率化を図り、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。
医薬品事業では、腫瘍溶解ウイルスのOBP-301 (テロメライシンⓇ)及び新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801、新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させました。また、検査薬事業では、OBP-401(テロメスキャンⓇ)およびOBP-1101(テロメスキャンF35)を中心に研究・開発・受託検査・ウイルス販売・ライセンス活動を推進させました。
活動の詳細は、「(4)研究開発活動」に記載しております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高19,935千円(前年同四半期は7,126千円の売上高)、営業損失698,772千円(前年同四半期は523,220千円の営業損失)となりました。また、営業外収益として、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)やJST(科学技術振興機構)等からの助成金収入89,065千円及びMedigen Biotechnology Corp.(本社:台湾)からの受取研究開発負担金10,190千円等を計上し、営業外費用として支払利息3,316千円等を計上した結果、経常損失599,164千円(前年同四半期は436,218千円の経常損失)、四半期純損失601,124千円(前年同四半期は446,881千円の純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①医薬品事業
医薬品事業におきましては、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしましたが当第3四半期累計期間において計上すべき売上はありませんでした。
この結果、売上高なし(前年同四半期は売上高なし)、営業損失286,813千円(前年同四半期は126,160千円の営業損失)となりました。
②検査薬事業
検査薬事業におきましては、血中浮遊癌細胞(CTC)検査薬として開発を進めていますOBP-1101(テロメスキャンF35)を用いた研究用CTC受託検査を継続して実施しています。その結果、当第3四半期累計期間におきまして、平成27年7月にDeciphera Pharmaceuticals,LLC(本社:米国カンサス州。以下Deciphera社)へのOBP-401(テロメスキャン)及びOBP-1101(テロメスキャンF35)の販売を行いましたことに加え、平成27年9月にWONIK CUBE Corp(本社:韓国)よりOBP-1101(テロメスキャンF35)のライセンス契約に基づくマイルストーン収入を受領しております。
この結果、売上高19,935千円(前年同四半期は7,126千円)、営業損失102,971千円(前年同四半期は114,785千円の営業損失)となりました。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期会計期間末における資産は、現金及び預金の減少及び固定資産の減少等により4,254,035千円(前事業年度末比84.9%)となりました。負債は、短期借入金・未払金の減少等により493,228千円(前事業年度末比77.4%)となりました。純資産は、四半期純損失等の理由により3,760,807千円(前事業年度末比86.0%)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、新たな事業上及び財務上の対処すべき課題の発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発費は、348,470千円であります。
当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。
①医薬品事業
腫瘍溶解ウイルスのOBP-301 (テロメライシンⓇ)につきましては、平成20年3月にMedigen Biotechnology Corp.(本社:台湾。以下、Medigen社)との間で締結いたしました戦略的アライアンス契約に基づくアジア圏での肝臓がんを対象としたPhase I/II臨床試験は、最高投与量群への投薬を開始致しました。また、国内においては、平成25年12月から岡山大学による食道がんを対象とした医師主導の臨床研究が進んでいます。同大学はその中間成果を、米国癌学会(AACR)を初め積極的に学会発表しています。当社は、これらの活動を背景にライセンス活動を促進しています。
平成21年10月にアステラス製薬株式会社より導入いたしました新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801につきましては、Karmanos Cancer Center(米国ミシガン州デトロイト)において、他の治療法に抵抗性を示す進行性の固形がん患者を対象とするPhaseI臨床試験が進行中です。
新規抗HIV剤OBP-601につきましては、終了しましたPhase IIb臨床試験結果から本剤の有効性及び安全性が確認されたことを受け、Phase III臨床試験の実施方針につき、アメリカ食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)との打ち合わせを継続するとともに、新規徐放製剤の開発を武庫川女子大学薬学部と進め、引き続き新たな提携パートナーの獲得に向けた交渉を進めています。
医薬品事業における主なパイプラインは以下の通りです。
|
開発コード |
商標又は名称 |
適応疾患 |
開発地域 |
開発ステージ |
|
OBP-301 |
テロメライシンⓇ (腫瘍溶解ウイルス) |
肝臓がん |
台湾・韓国 |
Phase I/II |
|
|
米国 |
Phase I(終了) |
||
|
食道がん |
日本 |
臨床研究 |
||
|
OBP-601 |
センサブジン(HIV感染症治療薬) |
HIV感染症 |
グローバル |
Phase IIb(終了) |
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OBP-801 |
エピジェネティックがん治療薬 |
腎臓がん他 |
米国 |
Phase I |
②検査薬事業
OBP-1101(テロメスキャンF35)を用いた血中循環がん細胞(CTC)検査として、各種がん患者を対象とした臨床研究を進めるとともに、全国のクリニックを対象に自由診療の範囲での受託検査を行っています。さらに、医療機関および製薬企業への検査用ウイルス販売も推進しています。
また、平成26年12月にWONIK CUBE Corp.(本社:韓国)と締結した韓国におけるライセンス契約に基づき、同社よりマイルストーン収入を受領すると共に、さらにライセンス先を拡大する活動を積極的に進めています。
加えて、Deciphera社が実施する新規分子標的抗がん剤の臨床試験もおいて、副次的な有効性評価項目の一つとしてCTC検査を用いるため、当社のOBP-401(テロメスキャンⓇ)及びOBP-1101(テロメスキャンF35)技術の活用検討が行われ、当社は、同社に対するテロメスキャン及びテロメスキャンF35の販売を開始しています。