文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期累計期間(平成28年1月1日~平成28年6月30日)におけるわが国経済は、政府による経済政策および日銀による金融政策に停滞感が見られましたが、企業収益や雇用情勢に緩やかな改善の動きが見られ、緩やかな景気回復基調がみられました。一方で、英国のEU離脱による欧州経済・金融不安の高まりや中国をはじめとする海外景気の下振れ懸念により、先行きの不透明な状況が予想されています。
このような状況下、当社は経営の効率化を図り、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。
医薬品事業では、腫瘍殺傷ウイルスのOBP-301(テロメライシンⓇ)及び新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801、新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させました。また、検査事業では、OBP-401(テロメスキャンⓇ)およびOBP-1101(テロメスキャンF35)を中心に研究・開発・受託検査・ウイルス販売・ライセンス活動を推進させました。
当社活動の詳細に関しては、「(5)研究開発活動」をご確認ください。
以上の結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高44,680千円(前年同四半期は7,909千円)、営業損失410,596千円(前年同四半期は営業損失505,374千円)となりました。また、営業外収益として、受取利息3,044千円及び金銭の信託運用益3,450千円等を、営業外費用として為替差損11,462千円及び支払利息1,702千円を計上した結果、経常損失416,970千円(前年同四半期は経常損失405,259千円)、四半期純損失417,969千円(前年同四半期は四半期純損失406,496千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①医薬品事業
医薬品事業におきましては、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開し、江蘇恒瑞医薬股份有限公司(本社:中国 英語名:Jiangsu Hengrui Medicine Co., Ltd. 以下「Hengrui(ハンルイ)社」)との間で、OBP-301(テロメライシンⓇ)の中国におけるライセンスの基本合意書を締結すると共に、LBR Regulatory and Clinical Consulting Services, Inc.(本社:米国 以下「LBR社」)との間で、HIV感染症治療薬OBP-601(センサブジン)開発に関するオプション契約を締結いたしましたが、当第2四半期累計期間において計上すべき売上はありませんでした。
この結果、売上高なし(前年同四半期は売上高なし)、営業損失164,857千円(前年同四半期は営業損失222,493千円)となりました。
②検査事業
検査事業におきましては、血中浮遊癌細胞(CTC)検査薬として開発を進めていますテロメスキャンⓇを用いた研究用CTC受託検査収入、WONIK CUBE Corp(本社:韓国)との韓国エリアにおけるライセンス契約に基づくマイルストーン収入および新たに製造権の許諾を行ったことによる契約一時金収入、Liquid Biotech USA, Inc.(本社:米国 以下「Liquid Bio社」)との北米エリアにおけるライセンス契約に基づくマイルストーン収入、Deciphera Pharmaceuticals,LLC(本社:米国 以下「Deciphera」社)等へテロメスキャンⓇの販売収入の計上により、売上高44,680千円(前年同期は売上高7,909千円)、営業損失42,445千円(前年同期は営業損失75,358千円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期会計期間末における資産は、現金及び預金の減少及び固定資産の増加等により3,581,867千円(前事業年度末比10.6%減)となりました。負債は、未払金の増加等により517,306千円(前事業年度末比2.5%増)となりました。純資産は、四半期純損失等の理由により3,064,561千円(前事業年度末比12.5%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度の2,060,252千円から1,547,225千円へと513,027千円減少しました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは385,732千円(前年同期は419,486千円の支出)の支出となりました。これは主として、税引前四半期純損失416,970千円、為替差損12,375千円、売上債権の増加13,876千円、未払金の増加20,311千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは121,120千円(前年同期は2,000,157千円の収入)の支出となりました。これは主として、投資有価証券の取得112,620千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは6,200千円(前年同期は104,283千円の支出)の収入となりました。これは主として、借入金の返済19,446千円、株式の発行30,837千円によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期累計期間において、新たな事業上及び財務上の対処すべき課題の発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はございません。
(5)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発費は、医薬品事業115,673千円、検査事業4,192千円、両セグメント共通3,726千円、合計123,592千円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況は以下の通りです。
1)研究開発体制について
平成28年6月30日現在、研究開発部門は9名在籍し、これは総従業員数の22.9%に当たります。
2)研究開発活動について
当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。
①医薬品事業
腫瘍溶解ウイルスのOBP-301 (テロメライシンⓇ)につきましては、平成20年3月にMedigen Biotechnology Corp.(本社:台湾)と締結いたしました戦略的アライアンス契約に基づき、肝臓がんを対象としたPhase I/II臨床試験において、最高投与量群の投薬を完了し、データ安全性モニタリング委員会(DSMB:Data & Safety Monitoring Board)より、肝臓がんを対象とした最高投与量群での忍容性が確認されたとの報告を受領致しました。国内においては、平成25年12月から岡山大学による食道がんを対象とした医師主導の臨床研究が進んでいます。現在、食道がんを対象とした放射線やチェックポイント阻害剤等のがん免疫療法剤との併用効果を確認するための臨床試験の準備を行うと共に、皮膚がんを対象とした単独投与またはチェックポイント阻害剤等のがん免疫療法剤との併用効果を確認するための臨床試験の準備を並行して行っております。さらに、平成28年5月にHengrui社と中国ライセンスに関する基本合意書を締結し、Hengrui社による中国での本剤の研究開発も視野に入って参りました。
平成21年10月にアステラス製薬株式会社より導入いたしました新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801につきましては、Karmanos Cancer Center(米国ミシガン州)において、他の治療法に抵抗性を示す進行性の固形がん患者を対象とするPhase I臨床試験が進行中です。
新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)につきましては、LBR社との間で締結致しましたオプション契約に基づき、LBR社において、アメリカ食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)とのPhase III臨床試験の実施方針に関する打ち合わせ再開準備が進められています。また、新規徐放製剤の開発を武庫川女子大学薬学部と進めています。
その他、テロメライシン次世代候補品・新規B型肝炎治療薬候補品・新規抗癌剤候補品等の新しい医薬品開発シーズのパイプライン化を行うべく、アカデミア等との共同研究に積極的に取り組んでいます。
医薬品事業における主なパイプラインは以下の通りです。
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開発コード |
商標又は名称 |
適応疾患 |
開発地域 |
開発ステージ |
|
OBP-301 |
テロメライシンⓇ (腫瘍溶解ウイルス) |
|
米国 |
Phase I(終了) |
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肝臓がん |
台湾・韓国 |
Phase I/II |
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食道がん |
日本 |
臨床研究 |
||
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メラノーマ |
米国他 |
Phase II(準備中) |
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OBP-601 |
センサブジン(HIV感染症治療薬) |
HIV感染症 |
グローバル |
Phase IIb(終了) |
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OBP-801 |
エピジェネティックがん治療薬 |
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米国 |
Phase I |
②検査事業
テロメスキャンⓇを用いた血中循環がん細胞(CTC)検査として、各種がん患者を対象とした臨床研究を進めるとともに、全国のクリニックを対象に自由診療の範囲での受託検査を行っています。さらに、医療機関および製薬企業への検査用ウイルス販売も推進しています。
北米においては、ペンシルベニア大学及び同大学元教授等による研究開発成果の商業化を目的に設立されたLiquid Bio社による北米での承認取得を目指した開発が進捗しています。
韓国においては、WONIK CUBE Corp.による韓国での承認取得を目指した開発が進められると共に、韓国国内でのテロメスキャンGMP製造を目指して韓国における製造実施権を追加許諾しています。
さらに、Deciphera社は、開発中の新規分子標的抗がん剤の臨床試験において、副次的な有効性評価項目の一つとしてCTC検査を位置付けており、当社は引き続き同社に対するウイルス販売を行っています。