(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、企業業績・雇用情勢・所得が改善傾向にあり、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国をはじめとする新興国における景気減速の影響、英国のEU離脱や米国の政権移行など先行きは不透明な状況となっております。
このような状況のもと、当社は経営の効率化を図り、研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。
医薬品事業では、腫瘍殺傷ウイルスのOBP-301 (テロメライシンⓇ)及び新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801、新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させました。また、検査事業では、がん検査薬テロメスキャンⓇの研究・開発・受託検査・ウイルス販売・ライセンス活動を推進させました。
当社活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。
以上の結果、当事業年度は、売上高178,313千円(前期は売上高121,303千円)、営業損失861,311千円(前期は営業損失951,575千円)を計上しました。また、営業外収益として、受取利息4,894千円等を計上し、営業外費用として為替差損3,501千円、支払利息3,221千円及び金銭の信託運用損1,408千円等を計上した結果、経常損失864,241千円(前期は経常損失854,701千円)、当期純損失931,397千円(前期は当期純損失857,290千円)を計上しました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 医薬品事業
医薬品事業におきましては、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開し、Hengrui社との間で、OBP-301(テロメライシンⓇ)の中国におけるライセンス契約を締結し契約一時金を受領しました。
この結果、売上高118,512千円(前期は売上高なし)、営業損失318,238千円(前期は営業損失471,320千円)となりました。
② 検査事業
検査事業におきましては、血中浮遊癌細胞(CTC)検査薬として開発を進めていますテロメスキャンⓇを用いた研究用CTC受託検査収入、WONIK CUBE Corp.(本社:韓国)との韓国エリアにおけるライセンス契約に基づくマイルストーン収入及び新たに製造権の許諾を行ったことによる契約一時金収入、Liquid Biotech USA, Inc.(本社:米国 以下「Liquid Bio社」)との北米エリアにおけるライセンス契約に基づくマイルストーン収入、Deciphera Pharmaceuticals, LLC(本社:米国 以下「Deciphera社」)等へのテロメスキャンⓇの販売収入の計上により、売上高59,801千円(前期は売上高121,303千円)、営業損失105,058千円(前期は営業損失59,168千円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,418,993千円(前期比31.1%減)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは903,424千円の支出(前期は755,756千円の支出)となりました。これは主
として、税引前当期純損失928,344千円、減損損失58,461千円、売上債権の増加65,228千円、減価償却費15,364千
円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは256,627千円の収入(前期は1,754,808千円の収入)となりました。これ
は、主に定期預金の払戻による収入400,000千円、投資有価証券の取得による支出112,620千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは6,423千円の収入(前期は120,060千円の支出)となりました。これは主に
株式の発行による収入36,878千円、長期借入金の返済による支出33,320千円等によるものです。
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注状況
該当事項はありません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬品事業(千円) |
118,512 |
- |
|
検査事業 (千円) |
59,801 |
49.3 |
|
合計(千円) |
178,313 |
147.0 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
|
|
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
A社 |
98,248 |
81.0 |
|
B社 |
10,000 |
8.2 |
|
相手先 |
当事業年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
|
|
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
ア社 |
62,322 |
35.0 |
|
イ社 |
56,190 |
31.5 |
|
ウ社 |
26,024 |
14.6 |
|
エ社 |
18,500 |
10.4 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。
当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高い基盤技術であるウイルス遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬、新規がん検査薬の開発を行い、さらに重症感染症などの難病に対する治療薬の開発と事業化を推進しています。
特にがん領域においては、固形がんの治療を行う腫瘍溶解ウイルスOBP-301(テロメライシンⓇ)、転移がんの治療を行うエピジェネティックがん治療薬OBP-801、がんの早期発見または再発予測を行うテロメスキャンⓇを揃え、がんの発見から治療までを網羅するパイプラインを構築しました。また、感染症領域では、HIV感染症治療薬OBP-601(センサブジン)を軸に、重症感染症領域のパイプラインを構築しています。更に、医療現場のニーズが高い希少疾病治療薬のパイプラインの拡充に取り組んでいます。
「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献していきたいと考えています。
当社は、これらを実現するため、組織戦略において下記の課題を重要な課題として取り組んでおります。
a.経営理念の浸透
当社のミッションは「医療にイノベーションを起こすこと」であり、そのための経営理念は、次の通りです。
「私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみません。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業に出来ないことこそ、私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有してゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常にコンプライアンスの遵守を心がけます。」
経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を行動レベルに細分化した行動規範を策定し、役職員に行動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その上で、研究開発部門とアライアンス締結を実施する事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さらに、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況を初めとするモニタリング機能を充実させていきます。
b.人財の確保と成長
役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積極的に推進します。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せてOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。
c.研究開発体制の強化
当社の研究開発は、医薬品及び検査薬候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験までを対象としています。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財の確保並びに育成が重要な課題です。従いまして、引き続き研究開発部門の質的・量的充実化に努めます。また、研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図ると共に、経営理念を共有できるアウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。
d.事業開発部門の強化
当社は、がん治療薬領域においてウイルス製剤を用いており、この業界においては非常に特殊な製品の事業化を目指しています。従って、この領域に明るい事業開発担当者を確保・育成し、世界の製薬企業とのネットワークをより強固なものとし、当社のキャッシュ・フロー獲得に貢献する事業開発体制を構築します。
e.検査事業の独立採算化
検査事業は、韓国と北米の2エリアでライセンス契約を締結していますが、各ライセンス国において開発が進展し、経常的な売上計上に至るまでには数年の時間がかかる見通しです。検査事業の単年度黒字化を早期に達成すると共に経常的な独立採算実現に向け、迅速にグローバルなライセンスエリアの拡大を図り、将来の検査キットの販路確保に努めます。
f.アウトソーシング戦略
アウトソーシングを主体とする当社のビジネスにおいて、その効率化は重要な課題であります。必要且つ十分な研究開発及び製造力の確保に向け、外部委託会社であるCRO(Contract Research Organization)及びCMO(Contract Manufacturing Organization)との関係を強化するために、定期訪問等による綿密なコンタクト体制をとるべく全組織に啓蒙しています。また、常に最良のアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存にならぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行います。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因には、以下のようなものがあります。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本書提出日時点において、当社が判断したものであります。
医薬品及び検査薬の研究開発について
(1) 事業の内容について
① 研究開発投資が多額であることにかかる事項
当社が行う医薬品及び検査薬の研究開発は、その期間が長期にわたり、コストも多額であります。
当社は、保有するパイプラインにおいて初期の臨床試験までの開発を効率的に進める事に注力し、そこで得られた有効性と安全性のデータを以って製薬企業へのライセンス契約締結を実現することを基本的な事業活動と位置付けています。また、各種政府補助金を利用して経費を下げるとともに、ライセンス契約締結後の後期臨床試験以降の開発費用はライセンス先の拠出となりますことで、当社が負担する開発コストを最小限に抑えるとともに、契約一時金収入及びマイルストーン収入を確保することで、新規パイプラインへの再投資が実現することを事業サイクルとしております。
しかしながら、万一、ライセンス契約締結及び維持に支障が発生した場合は、当社の事業収入が減少し、新規パイプライン開発への再投資が困難になる可能性があります。また、ライセンス対象となるパイプラインの開発費用をライセンス先が負担しないため、当社に発生する多大な研究開発費負担が当社業績を圧迫し、結果として開発の大幅な遅れや開発中止といった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
② パイプラインの安全性及び有効性にかかる事項
当社が開発する医薬品及び検査薬のパイプラインにおいて、安全性や有効性の評価に問題が発見された場合は、開発が大幅に遅れる可能性もしくは開発そのものを中止する可能性があります。
当社は、保有するパイプラインの安全性及び有効性の評価を確実なものとするために、
ⅰ)科学評価顧問等のネットワークを最大限活用したパイプライン価値の適正な評価
ⅱ)非臨床・前臨床段階における徹底的な安全性及び有効性の検証
ⅲ)PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)やFDA(米国食品医薬品局)等の監督官庁との治験申請
事前ミーティング
等を実施し、パイプラインの安全性及び有効性評価のための情報をより効率的に収集できるように努めております。また、臨床試験の実施に当たっては、臨床試験のモニタリングを委託致しますCRO(受託臨床試験機関)と綿密なコンタクトを取り、常に最新の臨床現場情報を収集するとともに、医学専門家を交えたSRB(安全性評価委員会)を設置する等、臨床試験の安全な実行に対して最大の努力を図っております。加えまして、治験保険への加入による損害賠償リスクの移転を図っております。
上記のような対策を行ってはおりますが、予期せぬ副作用による開発の遅滞・中止のリスクを完全に排除することは困難であり、開発の大幅な遅れや開発中止もしくは国内外の監督官庁の承認が得られないといった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 法的規制にかかる事項
医薬品製造に関連する規制と致しまして薬機法があります。医薬品の前臨床試験においてはGLP(Good Laboratory Practice)、原薬等の製造においてはGMP(Good Manufacturing Practice)ならびに臨床試験においてはGCP(Good Clinical Practice)がそれぞれ定められており、その操作手順やQA/QCが確実に実施されている事が必須条件になっております。また、当社の検査薬についても、臨床現場でがんの診断に用いられるようにする為には、臨床性能試験を実施し、体外診断用医薬品として承認を受ける必要があります。当社はこれらの試験を全てアウトソーシングしております。
また、当社は遺伝子組換えウイルス製剤を開発しておりますが、日本においては、平成12年に生物多様性条約特別締約国会議で採択された「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(カルタヘナ議定書)」に準拠した国内法「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)の定めるところに従って開発・製造・販売を行っていく必要があります。当社は、国内のウイルス取扱施設において、文部科学大臣より「遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする間に執る拡散防止措置の確認」について確認を得るとともに、日本国内でOBP-301(テロメライシンⓇ)の臨床試験を実施するために、カルタヘナに関する厚生労働大臣の承認を得ております。
また、臨床施設では厚生労働省等の監督官庁への届出および承認を確認しています。
しかしながら、将来医薬品・ウイルス製造等に関する新たな法律や条例などが制定・施行される可能性があり、それにより当社の事業が何らかの制約を受ける可能性があります。
④ 技術革新にかかる事項
当社が推進する医薬品事業及び検査事業にかかる技術分野においては、いずれも技術革新及び進歩の度合いが著しく速いと考えられます。当社は、常に最新の技術情報の収集・集積に注力しておりますが、万一、医薬品及び検査薬の競合技術等が、当社の対応の及ばない状況下で格段の進歩を遂げた場合、当社の事業に影響を与える可能性があります。また、当該技術の導入等に多大な費用や時間を要する場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 競合にかかる事項
当社の業務領域と完全に一致する企業は国内に見当たりませんが、国内創薬系バイオ企業の研究開発の動向を適宜確認するとともに、海外も含めたウイルス製剤の研究・開発・販売の動向は注視しています。
医薬品事業において本書提出日時点で当社にて把握できている競合品としては、世界の多数企業が腫瘍溶解ウイルスの開発を行っている中、中国が最も先行しており、Shanghai Sunway Biotech Co.,Ltd.(中国)が有する当社と同じ増殖型アデノウイルス製剤Oncorineが、頭頸部がん治療薬としてすでに上市されております。また、遺伝子改変ヘルペスウイルス製剤Talimogene laherpareovec :T-VEC (Amgen社:米国)が、進行性黒色腫治療薬として平成27年10月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けるとともに欧州医薬品庁(EMA)の諮問委員会の承認推奨を受けました。これにより、欧米で初めて、ウイルス製剤が医療現場で使用されることとなりました。
上記以外に、現在、遺伝子改変レオウイルスReolysin(oncolytic Biotechnology社:カナダ)、遺伝子改変ワクシニアウイルスJX-594(Sillajen社:韓国)、遺伝子改変ヘルペスウイルスHF10(タカラバイオ社:日本)などが開発されています。当社では、開発スピードを早め、悪性黒色腫(メラノーマ)以外にも食道がん・肝臓がんなど他社のウイルスとは異なる適応を目標とすることで、差別化を図って参ります。
また、OBP-601(Censavudine)の対象疾患であるHIV感染症領域やOBP-801のがん疾患領域は未だに患者数は増え続けており、世界での開発競争が繰り広げられています。これらについては、作用機序が同じ医薬品が既に多数上市されておりますが、当社は既存の競合品と比して優れた有用性を発揮できる戦略を踏まえて開発を進めております。
しかしながら、これらは未だ研究開発途中であり、将来、医薬品として上市される保証はなく、臨床試験において、重篤な副作用の発生等で競合品と比して差別化が図れないと判断しうるデータを取得した場合、開発中止の可能性や開発の遅延の可能性もあります。また、将来、他社との開発販売契約を締結した場合、提携先の開発戦略の変更や契約解消による開発活動の遅延が生じることで、当社の開発計画及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
検査事業において、当社が対象としている血中循環がん細胞(CTC)の検出分野では、現在Veridex社(J&Jグループ)のCTC検出機器CellSearchシステムが唯一米国にて薬事承認されており、その後多数の企業によるCTC検査系の開発競争が激化しております。しかしながら、CellSearchをはじめとする競合の多くは、EpCAMと呼ばれる細胞表面マーカーを検出する方法を用いており、その細胞表面マーカーの発現が低いと言われている肺がん細胞等の検出が困難であるという欠点を持っております。
一方、当社のウイルス改変検査薬においては、肺がん細胞をはじめとするほとんどの種類のがんにおいて、まだ血中で生きたままのがん細胞を蛍光発光させることが可能であることが判明しており、競合品との差別化ができており、その臨床有用性を確認していく予定です。
いずれの開発領域におきましても、本書提出日時点、当社が把握する競合の存在及びその研究開発進捗が必ずしも当社にとって直接マイナスの影響をもたらすものではありませんが、競合品が飛躍的に市場を寡占化した場合等、当社のパイプライン導出や将来のロイヤリティ収入に影響を与える可能性があります。
⑥ アライアンスにかかる事項
当社の収益構造は、当社が研究開発する医薬品ならびに臨床検査薬について、その研究開発の進捗に伴って評価された製品的価値の初期評価であるProof of Concept(POC)に基づいて製薬企業等とのライセンス契約を締結し、その対価として契約一時金・研究協力金・開発協力金・マイルストーン収入及び製品の上市以降その販売に伴って発生するロイヤリティ収入等を段階的に見込むものであります。
当社は、現時点において、HIV感染症治療薬OBP-601(Censavudine)がPhase IIb臨床試験終了の段階にありますが、その他のパイプラインは製品的価値の初期評価であるProof of Concept(POC)獲得に向けた研究開発段階にあります。現時点において導出が完了しているのは、医薬品事業におけるHengrui社(中国)とのOBP-301(テロメライシンⓇ)の中国における独占的実施許諾と、検査事業におけるWONIK CUBE Corp.社(韓国)とのOBP-1101(テロメスキャンF35)の韓国における独占的実施権許諾およびLiquid Biotech USA, Inc.社(米国)とのOBP-401(テロメスキャンⓇ)の北米エリアにおける独占的実施権許諾です。
導出前の各パイプラインにおきましては、導出先候補となる製薬企業や検査薬企業等のニーズを考慮し、研究開発の進捗状況を効果的に情報提供する等の活動を続けており、既にアライアンス交渉下にあるものも存在しております。しかしながら、当社のパイプラインが導出先候補企業のニーズを満たす保証はなく、導出に至らない、または導出契約の時期や条件が当社の想定するものと大幅に乖離した場合等において、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
また、パイプラインを導出した場合、導出後の研究開発・承認申請・製造及び販売活動を導出先企業が行なう事になるため、当社の収益は導出先企業の戦略及び開発進捗等に依存することとなります。導出先企業が実施する臨床試験において予期せぬ副作用が発生した場合、及び導出先企業における戦略変更によるポートフォリオの見直し等により、導出済みパイプラインの開発中止等の決定がなされた場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、予期せぬ副作用により開発中止された場合を除き、当社は速やかに引継導出先を見つける活動を行いますが、引継導出先が早期に決定しない場合は、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 為替相場変動リスクにかかる事項
現在、当社の業務委託先及び提携先については、欧米の企業・機関がその大半を占めております。外貨建取引は、財務諸表上全て円換算しております。これらの項目は、現地通貨における価値が変化しなかった場合も、換算時のレートによって円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
為替相場の変動に起因する影響を軽減するために、必要に応じて為替予約などのリスクヘッジを行って参りますが、これによって全てのリスクを回避することは困難であり、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
(2) 知的財産権について
① 特許にかかる事項
当社は、本書提出日時点において、当社の事業に対する特許権等の知的財産権に関する第三者との間での苦情及び訴訟等といった問題は認識しておりません。さらに、社内に知的財産権の専任担当者を設置するとともに、顧問弁護士及び弁理士との連携を以って可能な限り特許侵害・被侵害のリスクを軽減すべく活動しております。 また、発明者、TLO法に基づく大学等の知的財産管理機関、企業及び研究機関から、「特許権又は特許を受ける権利」を正当に譲り受け、又は「実施権の許諾」を受け、事業化が推進できる体制を築いております。
しかし、当社の展開する医薬品・検査事業の一般的なリスクとして、自社で出願した特許以外にも第三者特許が関連する可能性があります。なお、今後、当社が第三者との間で係争に巻き込まれた場合、当社は弁護士や弁理士との協議の上、その内容に応じて対応策を検討していく方針でありますが、係争の解決に労力、時間及び費用を要する可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
主力パイプラインにかかる主要な特許の状況は以下のとおりです。
|
対象 |
適応症 |
特許権者 |
当社 |
備考 |
|
OBP-301(テロメライシンⓇ) |
固形がん(食道がん・肝臓がん・メラノーマなど) |
当社、関西ティー・エル・オー株式会社 |
特許権者 (*注) |
日本・米国・欧州を含む24カ国で物質に関する特許が成立。 |
|
OBP-801(新規分子標的抗がん剤) |
各種がん 眼科領域 |
アステラス製薬株式会社 |
世界における独占的実施権 |
日本・米国・欧州を含む20カ国で物質に関する特許が成立。 |
|
OBP-601 (Censavudine) |
HIV感染症 |
Yale University他 |
世界における独占的実施権 |
日本及び米国を含む13カ国で物質に関する特許が成立。 |
|
OBP-401(テロメスキャンⓇ) |
がんの体外検査 |
当社 |
特許権者 |
日本及び欧州を含む10カ国で物質に関する特許が成立。更に、OBP-301(テロメライシンⓇ)の項目に記載の特許によっても保護される。 |
|
OBP-1101(テロメスキャンF35) |
がんの体外検査 |
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
世界における独占的実施権 |
日本を含む4カ国で物質に関する特許が成立。更にOBP-301(テロメライシンⓇ)及びOBP-401(テロメスキャンⓇ)の項目に記載の特許によっても保護される。 |
|
OBP-401(テロメスキャンⓇ) OBP-1101(テロメスキャンF35) |
がんの体外検査 |
Geron Corporation |
世界における実施権 |
Geron Corporationが保有する複数の検査薬目的での全世界のhTERTプロモーター特許により保護される。 |
注:日本特許は当社と関西ティー・エル・オー株式会社との共有、日本以外の指定国における特許は当社単独保有であります。
② OBP-301(テロメライシンⓇ)にかかる事項
OBP-301(テロメライシンⓇ)は、関西ティー・エル・オー株式会社(日本)より「特許権又は特許を受ける権利」を正当に譲り受け、事業化が推進できる体制を築いておりますが、一部の要素について他社が保有する特許に関連しています。そのため、当該他社特許期間の満了前に製造販売承認を受け、製造販売を開始する場合には、当該他社特許のライセンスを受ける必要があります。また、当該他社特許期間の満了前にOBP-301(テロメライシンⓇ)を他社にライセンス導出する場合には、当該他社特許のライセンス導入を受ける必要性を、ライセンス導出契約先が考慮することになります。
OBP-301(テロメライシンⓇ)は、現在の臨床開発計画上、順調に開発が進んだとしても、製造販売承認を受ける時期は当該他社特許期間の満了以降であります。また、当社は、本書提出日時点において、当該他社特許権者との間での苦情及び訴訟等といった問題は認識しておりません。
当社は、必要に応じて当該他社特許のライセンス導入に努めてまいりますが、万一、適時に当該他社特許のライセンス導入を受けることができない場合には、当該他社特許の満了時期まで製造販売を開始する時期やライセンス導出する時期を遅らせなければならないことも想定され、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 職務発明にかかる事項
当社における職務発明の取扱に関しては、取締役・従業員が協議の上、取締役会決議により「職務発明規程」を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性についての係争が発生した場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) 経営上の重要な契約について
当社の経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、もしくは当社にとって不利な改定が行なわれた場合、または契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 社内体制について
① 特定人物への依存にかかる事項
当社の事業活動においては、当社代表取締役社長である浦田泰生の製薬企業での経験・知識に基づく研究開発及び事業開発戦略に依るところが多く存在しております。浦田泰生の経営ビジョンを、企業理念・経営戦略として明確化して組織に浸透させること、及び後継者育成に専心し、浦田泰生に一元依存しない体制を構築することに努めております。
しかしながら、組織強化や後継者育成が遅れをきたし、事業承継が円滑に実施できない場合には、それにより当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
② 小規模組織である事にかかる事項
当社は、小規模な組織であり、社内における管理体制についてもこの規模に応じたものとなっております。当社においては、業務上必要な人員の増員及び育成等を図っていく方針でありますが、各部門において従業員に業務遂行上の支障が生じた場合、人財流出が生じかつ代替要員の不在等の問題が生じた場合には、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人財育成・確保にかかる事項
当社が成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人財の確保であります。
当社はアウトソーシングを活用したファブレス経営モデルを構築することで、必要人員の絶対数を削減し、統括的なプロジェクトマネジメント能力を有する人財を重点的に確保しつつ、将来当社を担う人財の育成に注力しております。
また、経営理念を社内に浸透させ、その崇高な目的に共感できる従業員を育成すること、トップが率先して基幹人財間のコミュニケーションの充実に関与すること、及び社内の評価制度や人事制度を充実させること等により、社内人財の定着率向上に努めております。
しかしながら、人財育成が円滑に進まない場合、又は各部門において中心的役割を担う特定の従業員が万一社外に流出した場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
(5) 業務上の事故やトラブル等のリスクについて
① 研究施設における事故等の発生にかかる事項
当社は、神戸に検査センター施設を保有しております。同センターで遺伝子組み換えウイルスを検査薬として取り扱うにあたっては、いわゆるカルタヘナ法の定めに基づき、必要な設備を監督官庁に届け出てその確認を受けております。また、遺伝子組み換えウイルスの取扱に関して、その管理方法を教育指導し徹底した予防管理に努めております。しかしながら、何らかの要因により火災や環境汚染事故等が発生した場合には、重大な損失を招くリスクがあり、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
② 自然災害等にかかる事項
当社は、東京都港区に本社を設置しており、事業活動に関わる資料・データ及び人員の半数以上が本社に集中しております。万一、首都圏直下型の大型地震の発生・台風・津波等の自然災害や大規模な事故・火災・テロ行為等により本社社屋の倒壊、資料・データの散逸、人員の死傷等不測の事態が発生した場合には、事業活動の継続が困難となる状況が生じ、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 訴訟にかかる事項
当社は知的財産権及びその実施権をビジネスの基盤としておりますため、事業を展開する上で、当社の責任の有無に関わらず、第三者から権利または利益を侵害したとの主張による損害賠償請求訴訟を提起される可能性があります。また、臨床試験において被験者の健康被害が発生した場合、取引関係や労使関係において不測のトラブルが発生した場合等においても、損害賠償請求等の訴訟を提起される可能性があります。当社では、十分な知的財産権の管理や治験保険への加入等リスクの回避・低減に努めております。しかしながら、訴訟が提起された結果、金銭的負担の発生や当社に対する信頼・風評の低下により、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。
(6) その他
① 新株予約権及び株式にかかる事項
当社は役員、従業員及び社外協力者等に対して、当社事業及び研究開発へのモチベーションの向上を目的として、新株予約権(ストック・オプション)を発行しました。また、金融機関に対して、事業推進のための資金調達を目的として、新株予約権を発行しました。今後も優秀な人財・社外協力者の確保や事業推進のための資金調達を目的として、同様の施策を実施する可能性があります。これらの新株予約権の行使や株式発行が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、当社株価形成に影響を与える可能性があります。また、今後も優秀な人財の確保のためにストック・オプションをはじめとするインセンティブプランや必要に応じた資金調達を実施するために、新たな新株予約権や株式が発行される可能性があります。なお、新株予約権の状況及び内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1.株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご覧下さい。
② 資金使途及び資金調達にかかる事項
当社が保有する資金は、主に既存パイプラインの研究開発費用、新規パイプラインの導入及びその研究開発費用、戦略的な投資に充当する考えです。当社が本書提出日時点で計画している資金使途は上記の通りですが、急激な事業環境の変化等により、計画通りに使用した場合においても、当初の想定どおりの成果が得られない場合があります。
また、当社株価が下落した場合には、必要資金を計画通りに調達できない可能性があります。計画通りに必要資金を調達できない場合には、資金使途を変更する可能性があるとともに、当初の想定通りの成果を得られない可能性があります。
(1) 当社が開発許諾を受けたライセンス契約
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契約締結日 |
契約の名称 |
相手先 |
契約の概要 |
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平成17年3月31日 |
特許を受ける権利の譲渡に関する契約 |
藤原俊義、田中紀章、京哲、水口裕之、早川堯夫 |
OBP-401(テロメスキャンⓇ)の特許を受ける権利の譲渡契約 契約期間:特許存続期間 |
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平成18年12月22日 |
特許持分譲渡契約 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
OBP-301(テロメライシンⓇ)の特許に関する、日本国および指定国における一切の特許出願について、その持分の2分の1を当社へ譲渡する契約 契約期間:特許存続期間 |
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平成21年10月2日 |
YM753ライセンス契約 |
アステラス製薬株式会社 |
OBP-801の特許の全世界における独占的な実施権の許諾に関する契約 1.当社は、OBP-801の特許の全世界における独占的な実施権の許諾を受け、開発段階に応じた一時金、販売マイルストーン及びロイヤリティを支払う。 2.契約期間:特許の最長存続期間又は販売マイルストーンの支払い全てが履行されるまでのいずれか遅い方まで |
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平成23年2月16日 |
特許権譲渡契約書 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
OBP-301(テロメライシンⓇ)の特許出願(日本を除く)の持分(2分の1)を当社へ譲渡する契約(*注) |
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平成23年4月28日 |
特許実施許諾契約書 |
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
OBP-1101(テロメスキャンF35)の特許の全世界における独占的な実施権の許諾に関する契約 1.OBP-1101(テロメスキャンF35)の特許の全世界における独占的な実施権の許諾を受け、開発段階及び販売実績等に応じた一時金及びロイヤリティを支払う。 2.契約期間:特許存続期間 |
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契約締結日 |
契約の名称 |
相手先 |
契約の概要 |
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平成25年2月15日 |
EXCLUSIVE COMMERCIAL LICENSE AGREEMENT |
Geron Corporation |
Geron Corporationが保有するhTERTプロモーター特許の全世界におけるがんに関連する検査用途での実施権の許諾に関する契約 1.当社が第三者に対してライセンス製品を販売するか、ライセンス製品販売のためにパートナーと契約を締結した場合、マイルストーン及びロイヤリティを支払う。 2.契約期間:当社の最終支払い義務の履行まで |
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平成25年4月3日 |
Amended and Restated Exclusive License Agreement |
Yale University |
OBP-601の特許の全世界における独占的な実施権の許諾に関する契約 1.当社は、OBP-601の特許の全世界における独占的な実施権の許諾を受け、開発段階に応じたマイルストーン、ロイヤリティ及びサブライセンシーから受領した金銭の一定割合を支払う。また、当社株式上場時に一定の金銭を支払う。 2.契約期間:国ごとに特許存続期間または許諾製品の販売開始から10年間のいずれか遅い方まで |
(注) 平成18年12月22日付け特許持分譲渡契約及び本契約により、日本の特許は当社と関西ティー・エル・オー株式会社の共有、海外指定国における特許及び特許出願は当社単独保有となりました。
(2) アライアンス契約ならびに当社が許諾するライセンス契約
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契約締結日 |
契約の名称 |
相手先 |
契約の概要 |
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平成25年6月12日 |
Strategic Business Agreement |
Wonik Co., Ltd. |
当社パイプラインの一部について、韓国でのオプション権と中国での第一拒否権に関する契約 契約期間:契約日から10年間。但し、平成27年12月末までに権利行使しない場合、あるいは何ら資金提供しなかった場合は自動的に解約 |
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平成26年1月24日 |
Amended and Restated Strategic Alliance and License Agreement |
Medigen Biotechnology Corp. |
OBP-301(テロメライシンⓇ)の特定適応症に関する共同開発契約 1.Medigen社主導の臨床試験実施 2.両社で開発費用を按分するが、当社負担が70万ドルを 超えるまではその負担が免除される。 3.契約期間:平成20年3月6日から特許満了日または先発 権(データ保護期間、再審査期間等)満了日のどちら か遅い方まで |
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平成26年12月1日 |
License and Commercialization Agreement |
Wonik Cube Corporation |
OBP-1101(テロメスキャン F35)を用いた血中循環がん細胞の検出に関する事業について、韓国において独占的に事業化し事業を行う権利を許諾する契約 契約期間:平成26年12月1日から当該事業の終了日まで |
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平成27年11月25日 |
License Agreement |
Liquid Biotech USA, Inc. |
OBP-401(テロメスキャンⓇ)を用いた血中循環がん細胞の検出に関する事業について、北米において独占的に事業化し事業を行う権利を許諾する契約 契約期間:平成27年11月25日から当該事業の終了日まで |
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平成28年11月30日 |
Exclusive License Agreement |
Jiangsu Hengrui Medicine Co., Ltd. |
OBP-301(テロメライシンⓇ)に関する事業について、中国(中国、香港、マカオ)において独占的に事業化し事業を行う権利を許諾する契約 契約期間:平成28年11月30日から製品上市後10年間または特許満了日もしくは先発権(データ保護期間、再審査期間等)満了日のどちらか遅い方まで |
当社の当事業年度における研究開発費は、医薬品事業336,773千円、検査事業9,725千円、両セグメント共通14,370 千円、合計360,869千円となりました。
なお、当事業年度における研究開発活動の状況は以下の通りです。
(1) 研究開発体制について
平成28年12月31日現在、研究開発部門は15名在籍しておりこれは総従業員数の44%に当たります。
(2) 研究開発活動について
当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。
① 医薬品事業
腫瘍溶解ウイルスのOBP-301 (テロメライシンⓇ)につきましては、平成28年8月30日にアメリカ食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)に切除不能または転移性悪性黒色腫(メラノーマ)を対象としたPhaseII臨床試験の臨床試験実施計画書(プロトコール)が承認され、現在米国において被験者登録準備を開始しています。本試験は、テロメライシンの腫瘍内投与における有効性、安全性及び腫瘍免疫反応の評価を目的としています。また、本試験結果をもとに、今後、免疫チェックポイント阻害剤との併用試験の実施も検討する予定です。平成20年3月にMedigen Biotechnology Corp.(台湾)と締結いたしました戦略的アライアンス契約に基づく肝臓がんを対象としたPhase I/II臨床試験は、データ安全性モニタリング委員会(DSMB:Data & Safety MonitoringBoard)より、肝臓がんを対象とした最高投与量群での忍容性が確認されたとの報告を受領したことを受け、FDAに対してさらに高い投与量群に関するプロトコール修正を申請し承認されました。現在、台湾と韓国にて被験者登録を開始しています。国内においては、平成25年12月から岡山大学による食道がんを対象とした医師主導の臨床研究が進んでいます。同時に食道がんを対象とした放射線療法やチェックポイント阻害剤等のがん免疫療法剤との併用効果を確認するための臨床試験の治験申請準備を行っています。さらに、平成28年11月にHengrui社(中国)と中国エリアのライセンス契約を締結し、Hengrui社による中国での本剤の研究開発が開始されました。
平成21年10月にアステラス製薬株式会社より導入いたしました新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801につきましては、Karmanos Cancer Center(米国ミシガン州)において、他の治療法に抵抗性を示す進行性の固形がん患者を対象とするPhase I臨床試験が進行中です。
新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)につきましては、LBR Regulatory and Clinical Consulting Services,
Inc.(米国)との間で締結致しましたオプション契約に基づき、Phase III臨床試験の実施方針を検討して参りましたが、現在の抗HIV薬市場の状況に鑑み開発優先順位を下げることと致しました。一方、市場ニーズが見込める可能性がある新規徐放製剤の開発を武庫川女子大学薬学部と進めています。
その他、テロメライシン次世代候補品・新規B型肝炎治療薬候補品・新規抗癌剤候補品等の新しい医薬品開発シーズのパイプライン化を行うべく、アカデミア等との共同研究に積極的に取り組んでいます。
医薬品事業における主なパイプラインは以下の通りです。
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開発コード |
商標又は名称 |
適応疾患 |
開発地域 |
開発ステージ |
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OBP-301 |
テロメライシン® (腫瘍溶解ウイルス) |
各種固形がん |
米国 |
Phase I(終了) |
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肝臓がん |
台湾・韓国 |
Phase I/II |
||
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食道がん |
日本 |
臨床研究 |
||
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メラノーマ |
米国 |
Phase II |
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OBP-601 |
センサブシン(HIV感染症治療薬) |
HIV感染症 |
欧米他 |
Phase IIb(終了) |
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OBP-801 |
エピジェネティックがん治療薬 |
各種固形がん |
米国 |
Phase I |
② 検査事業
テロメスキャンⓇを用いた血中循環がん細胞(CTC)検査として、各種がん患者を対象とした臨床研究を進めるとともに、全国のクリニックを対象に自由診療の範囲での受託検査を行っています。さらに、医療機関および製薬企業への検査用ウイルス販売も推進しています。
北米においては、ペンシルベニア大学による研究成果商業化を目的に設立されたLiquid Bio社による北米での承認取得を目指した開発が進捗しています。
韓国においては、WONIK CUBE Corp.(韓国)による韓国での承認取得を目指した開発が進められると共に、韓国国内でのテロメスキャンGMP製造を目指して韓国における製造実施権を追加許諾しています。
さらに、Deciphera社(米国)は、開発中の新規分子標的抗がん剤の臨床試験において、副次的な有効性評価項目の一つとしてCTC検査を位置付けており、当社は引き続き同社に対するウイルス販売を行っています。
文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積もりが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積もりを行なっております。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は前事業年度末より927,184千円減少し、2,746,518千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金2,564,045千円、売掛金66,351千円、前払金52,556千円です。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は前事業年度末より61,538千円増加し、393,795千円となりました。その主な内訳は、投資有価証券351,940千円、敷金及び保証金29,980千円、関係会社株式10,173千円です。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は前事業年度末より27,882千円増加し、204,849千円となりました。その主な内訳は、未払金89,739千円、短期借入金63,202千円、未払法人税等24,634千円です。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は前事業年度末より9,441千円減少し、318,080千円となりました。その主な内訳は、長期借入金300,000千円、リース債務15,297千円です。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末より884,086千円減少し、2,617,383千円となりました。その主な内訳は、資本金5,090,981千円、資本剰余金5,083,481千円、利益剰余金△7,569,313千円です。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照下さい。
(4) 経営成績の分析
経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照下さい。
(5) 利益配分に関する基本方針
当社は、研究開発型ベンチャー企業として、先行投資的な事業資金等を支出してまいりました事により、これまで利益配当を実施しておりません。しかしながら、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、経営基盤の一層の強化と積極的な事業展開に備えた内部留保の充実を勘案しながら、各期の経営成績を考慮に入れて配当政策を決定して参ります。
(6) 将来の見通し
当社の事業ステージは先行投資の段階にあり、現時点では当期純損失を計上しております。今後、保有しているプロジェクトのライセンス導出、事業化を成功させて得られる収益により損益が改善され、さらに売上に応じたロイヤリティ収入により、利益を拡大する計画です。これらの見通しについては、入手可能な情報及び将来の業績に与える不確実要因に関しての仮定を前提としております。
また、経営者の問題意識と今後の方針については「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載の通りです。