第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期累計期間(平成29年1月1日~平成29年6月30日)において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期会計期間(平成29年4月1日~平成29年6月30日)において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

当第2四半期累計期間(平成29年1月1日~平成29年6月30日)におけるわが国経済は、政府による経済対策及び金融政策等の影響もあり、雇用情勢の改善等緩やかな回復基調が続く一方で、米国の政策動向に伴う影響や、中国・新興国経済の成長鈍化懸念並びに中東・東アジアの地政学的リスク等、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

このような状況下、ウイルス学に立脚した技術を駆使して、がんや重症感染症の治療法にイノベーションを起こし、世界の医療に貢献することを使命としている当社は、経営の効率化を図り積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。

 

医薬品事業では、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)、新規B型肝炎治療薬OBP-AI-004、新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進しました。また、検査事業では、テロメスキャン(OBP-401)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進しました。当社活動の詳細に関しては、「(5)研究開発活動」をご確認ください。

 

以上の結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高19,904千円(前年同四半期は44,680千円)、営業損失509,662千円(前年同四半期は営業損失410,596千円)となりました。また、営業外収益として、受取利息1,969千円等を、営業外費用として為替差損7,780千円及び支払利息1,596千円を計上した結果、経常損失517,038千円(前年同四半期は経常損失416,970千円)、四半期純損失518,662千円(前年同四半期は四半期純損失417,969千円)となりました。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

①医薬品事業

医薬品事業におきましては、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしましたが、当第2四半期累計期間において計上すべき売上はありませんでした。この結果、売上高なし(前年同四半期は売上高なし)、営業損失211,272千円(前年同四半期は営業損失164,857千円)となりました。

 

②検査事業

検査事業におきましては、キナーゼ阻害剤の開発に特化したDeciphera Pharmaceuticals, LLC(米国)に対して、血中浮遊がん細胞(CTC)検査薬テロメスキャンを販売しました。同社は、抗がん剤臨床試験での有効性を検証する目的でCTC検査を位置付けています。その結果、売上高19,904千円(前年同四半期は売上高44,680千円)、営業損失54,125千円(前年同四半期は営業損失42,445千円)となりました。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

当第2四半期会計期間末における資産は、現金及び預金の増加や米ワシントン大学発バイオ企業Precision Virologics Inc.への投資による投資有価証券の増加等により3,602,743千円(前事業年度末比14.7%増)となりました。負債は、借入金の増加等により557,903千円(前事業年度末比6.7%増)となりました。純資産は、新株予約権の権利行使や四半期純損失等の理由により3,044,840千円(前事業年度末比16.3%増)となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度の1,418,993千円から2,277,291千円へと858,298千円増加しました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは519,460千円の支出(前年同四半期は385,732千円の支出)となりました。これは主として、税引前四半期純損失517,038千円、為替差損7,478千円、売上債権の減少61,872千円、前払金の増加15,974千円、未払金の減少44,389千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは343,218千円の収入(前年同四半期は121,120千円の支出)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入400,000千円、投資有価証券の取得による支出55,670千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1,042,018千円の収入(前年同四半期は6,200千円の収入)となりました。これは主として、長期借入れによる収入100,000千円、株式の発行による収入955,637千円等によるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期累計期間において、新たな事業上及び財務上の対処すべき課題の発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません

 

 

 

(5)研究開発活動

当第2四半期累計期間における研究開発費は、医薬品事業148,482千円、検査事業47,512千円、両セグメント共通12,686千円、合計208,680千円であります。

なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況は以下のとおりであります。

 

1)研究開発体制について

平成29年6月30日現在、研究開発部門は13名在籍し、これは総従業員数の39.4%に当たります。

 

2)研究開発活動について

当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。

 

①医薬品事業

1)テロメライシン(OBP-301)に関する活動

がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)は、①放射線併用食道がんPhase Ⅰ、②メラノーマPhase Ⅱおよび③肝細胞がんPhaseⅠ/Ⅱ、④抗PD-1抗体ペンブロリズマブ併用の固形がん医師主導治験、⑤放射線併用食道がん医師主導臨床研究の、5つの臨床試験が同時進行しています。

 

放射線併用食道がんPhase Ⅰ臨床試験は、平成29年7月に第1例目の被験者への投与が開始されました。本治験では、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者を対象にテロメライシンの放射線治療併用における安全性及び有効性を評価します。治験実施施設は岡山大学病院と国立がん研究センター東病院の2施設で、最大12例までの投与を行う予定です。

メラノーマPhase Ⅱ臨床試験は、平成29年7月に第1例目の被験者への投与が開始されました。本治験では、切除不能または転移性メラノーマ患者を対象とし、テロメライシンの有効性、安全性及び腫瘍免疫反応の評価を目的としており、米国5施設での実施を予定しております。

肝細胞がんPhase Ⅰ/Ⅱ臨床試験は、国立釜山大学(韓国)と国立台湾大学(台湾)を治験実施施設として、単回投与12例への投与が完了しました。今後、反復投与を進めてまいります。

食道がんを中心とする各種固形がんに対する医師主導治験は、進行性又は転移性固形癌患者を対象とし、抗PD-1抗体ペンブロリズマブを併用投与した際の安全性・忍容性などの評価検討を行います。既に国立がん研究センター東病院の院内IRBが開催され、平成29年6月に医師主導治験実施申請を提出しています。今後は、投与開始に向けた準備が進められていく予定です。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義教授研究グループによる放射線併用食道がんPhase Ⅰ臨床試験と同じ疾患を対象としたテロメライシンと放射線併用の医師主導臨床研究では、平成29年7月開催の日本消化器外科学会、日本臨床腫瘍学会、日本遺伝子細胞治療学会で10例中6例CR(完全奏功)の研究結果が発表されています。

 

ビジネス面では、平成29年3月にMedigen Biotechnology Corp.(本社:台湾 以下「メディジェン社」)とテロメライシンの戦略的アライアンスに関する改訂契約を締結し、肝細胞がんPhase Ⅰ/Ⅱ臨床試験を継続するとともに、新たに食道がん及びメラノーマの共同開発権をメディジェン社へ付与しました。この結果、メディジェン社は共同開発権の対価として本領域での研究開発費用を一部負担するため、当社の開発負担額は継続して圧縮されます。

また、平成28年11月にライセンス契約を締結したJiangsu Hengrui Medicine Co., Ltd. (本社:中国)では、中国でのテロメライシンの臨床試験開始に先立ち、テロメライシンのGMP自社製造準備が進められています。また、中国国内での開発方針につきCFDA(China Food and Drug Administration)との交渉が開始されました。

 

2)その他の医薬品事業に関する活動

アステラス製薬より導入した新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801は、米国で他の治療法に抵抗性を示す進行性固形がん患者を対象としてPhase I臨床試験が進行中です。更に、効能追加としての眼科用製剤の開発について、京都府立医科大学眼科の研究グループと共同研究が進行中です。

新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)は、現在の抗HIV薬市場の状況に鑑み開発優先順位を下げ、開発パートナーを模索しています。

その他、新規B型肝炎治療薬候補品・次世代テロメライシン候補品等の新しい医薬品開発シーズのパイプライン化を行うべく、アカデミアとの共同研究や製薬会社との情報交換に積極的に取り組んでいます。

 

医薬品事業における臨床試験の状況は以下のとおりであります。

開発コード

商標又は名称

適応疾患

開発地域

開発ステージ

OBP-301

 テロメライシン

 (がんのウイルス療法)

放射線併用

食道がん

日本

Phase Ⅰ

メラノーマ

米国

Phase II

肝臓がん

台湾・韓国

Phase Ⅰ/II

抗PD-1抗体併用

各種固形がん

日本

医師主導治験

治験届提出済

放射線併用

食道がん

日本

臨床研究

OBP-801

エピジェネティックがん治療薬

各種固形がん

米国

Phase Ⅰ

OBP-601

センサブジン(HIV感染症治療薬)

HIV感染症

欧米他

Phase IIb(終了)

 

②検査事業

当社が戦略的投資を行っているLiquid Biotech USA, Inc.(本社:米国)は、血中浮遊がん細胞(CTC)検査薬テロメスキャンのペンシルバニア大学との共同研究を進めています。また、日本国内では内臓腫瘍手術時の腹腔内洗浄液中のがん細胞(PTC)検出法の開発も進行しています。更に、WONIK CUBE Corp.(本社:韓国)は韓国でのCTC検査承認取得を目指して開発を進めています。

ビジネス面では、Deciphera Pharmaceuticals, LLCへCTC検査薬テロメスキャンを販売しました。同社は、テロメスキャンによるCTC検査を、新規分子標的抗がん剤の臨床試験における副次的有効性評価項目の一つに位置付けています。

当社は今後も事業会社やアカデミアへ積極的なコラボレーションを提案し、新規ライセンス契約やCTC検査薬テロメスキャンの販売を拡大させていく計画です。