文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間末現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の概況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、欧米等の先進国を中心に緩やかな回復傾向が続きましたが、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や、英国のEU離脱問題・米国次期大統領の諸政策など保護主義的な動きが高まるなど、先行き不透明な状況で推移しました。国内においては、雇用・所得環境の改善が続き緩やかな回復基調で推移しましたが、金利・為替相場の不安定さや海外経済の動向による影響が懸念され、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
当社が属するライフサイエンス業界においては、少子高齢化を背景として医療経済性の向上や健康寿命の延伸に寄与する医薬品・医療機器・健康関連商品等へのニーズが高まり、同分野の研究開発が活発に行われています。
このような状況の中、当社グループでは、メタボローム解析事業において、学会への出展やキャンペーンといった販促活動を中心に受注拡大に取り組むとともに、海外市場の深耕や新市場の開拓等に注力してまいりました。バイオマーカー事業においては大うつ病性障害(以下、「うつ病」といいます。)検査キットの開発を推進しました。また、平成28年6月にエムスリー株式会社(以下、「エムスリー」といいます。)との間で資本及び業務提携契約を締結するとともに、同社、株式会社平田牧場、株式会社山形銀行並びに株式会社荘内銀行を割当先とする第三者割当増資を実施し、メタボローム解析事業の拡大やうつ病バイオマーカーの実用化・事業化を加速させる活動に取り組んでまいりました。
これらの結果、前連結会計年度末に廃止した人材派遣事業の売上高(前年同期は35,020千円)の剥落等の影響があったものの、メタボローム解析事業の受注が好調に推移したことから、当第3四半期連結累計期間の売上高は510,061千円(前年同期比13.2%増)となりました。一方で、うつ病バイオマーカーの実用化・事業化に向けた投資を加速させたこと等から、営業損失は168,949千円(前年同期は167,843千円の営業損失)、経常損失は163,985千円(前年同期は163,861千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は165,681千円(前年同期は162,498千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの状況を示すと、次のとおりであります。
なお、「人材派遣事業」は前連結会計年度で廃止しており、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを従来の「メタボローム解析事業」、「バイオマーカー事業」及び「人材派遣事業」の3区分から、「メタボローム解析事業」及び「バイオマーカー事業」の2区分に変更しております。
① メタボローム解析事業
当事業セグメントにおいては、前期に引き続き、積極的な販促活動を展開し大口案件獲得に取り組んだ他、機能性表示食品関連等の新市場開拓に注力しました。海外においては、米国において営業担当者を増員したこと等を背景に製薬・臨床分野からの受注が増加した他、韓国・シンガポールなどアジア圏からの受注獲得にも注力しました。この他、試料受領後の解析・分析作業等の生産性向上や新サービスの開発に取り組みました。この結果、売上高は509,361千円(前年同期比32.3%増)、セグメント利益は207,783千円(前年同期比151.2%増)となりました。
なお、当社グループのメタボローム解析事業は、季節的な要因として多くの顧客の年度末にあたる当社第4四半期連結会計期間に売上高、利益ともに大きくなる傾向にあります。
② バイオマーカー事業
当事業セグメントにおいては、うつ病バイオマーカーの実用化・事業化に向け、うつ病検査キットの開発を推進し、平成28年11月より研究用試薬キット(β版)の提供を開始するとともに、当該試薬キットの販売開始に向けフィールドテスト(第三者機関による有用性の検証)を進めてまいりました。また、資本業務提携先であるエムスリー及び同社グループの総合力を活用し、うつ病バイオマーカーの普及に向けたプロモーション活動等に取り組む他、本格的な臨床開発に向けて協力医療機関の開拓等に取り組みました。この結果、売上高は700千円(前年同期比97.7%減)、セグメント損失は135,347千円(前年同期は35,731千円のセグメント損失)となりました。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,664,950千円となり、前連結会計年度末に比べ222,326千円増加しました。これは、売掛金が52,508千円、有価証券が200,378千円減少したものの、現金及び預金が461,344千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は199,113千円となり、前連結会計年度末に比べ7,905千円減少しました。これは、工具、器具及び備品が42,999千円、有形固定資産の減価償却累計額が37,795千円増加し、リース資産が13,506千円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は112,941千円となり、前連結会計年度末に比べ12,351千円増加しました。これは、1年内返済予定の長期借入金が11,360千円減少した他、その他に含め表示している未払消費税等が減少、未払費用及び前受金が増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は17,695千円となり、前連結会計年度末に比べ8,075千円減少しました。これは、リース債務が5,661千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は1,733,426千円となり、前連結会計年度末に比べ210,144千円増加しました。これは、新株予約権の行使により資本金が186,639千円、資本剰余金が186,639千円増加したものの、親会社株主に帰属する四半期純損失165,681千円を計上したこと等によるものであります。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、125,542千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)生産、仕入、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、以下のとおり受注残高の実績が著しく増加しております。
メタボローム解析事業
受注残高は301,472千円となり、前連結会計年度末に比べ201,249千円増加(200.8%増)しました。これは、当事業の特性上、売上高の計上が第4四半期連結会計期間にかけて増加し、当第3四半期連結会計期間末において受注残高が増加するためであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しに重要な変更事項はありません。