文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、その達成のために、ヘルスケア分野の研究開発に携わる人々のベストパートナーとして、画期的なヘルスケア製品・サービスの創造に貢献する[ヘルスケア・ソリューション・プロバイダー]を目指して活動をしてまいります。
これらの活動を通じて、産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力の向上(SDG’s目標9)に貢献していきます。その結果クライアント企業及び自社の製品化・サービス化により、健康危険因子の早期警告・緩和・管理、感染症などへの予防・対処、精神保健などの改善(SDG’s目標3)に貢献していきたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、当連結会計年度において2014年3月期以来の親会社株主に帰属する当期純利益を計上いたしました。上場以来多くの年度で投資先行により連結純損失を計上する結果となっておりましたが、今後は収益を伴う持続的な成長を遂げていくことがステークホルダーから期待されていると認識しております。
当連結会計年度の黒字達成を起点として、2026年6月期までの5年間の中期経営計画におきましては、当社の企業理念の実現に向けた道のりの通過点として、最終年度には以下の経営指標を目標としております。
1)連結売上高 16億円(5年間平均年率成長率7%以上)
2)親会社株主に帰属する当期純利益 2億円
3)財務体質 配当可能な財務体質への転換
(3) 経営環境
当社が属するライフサイエンス業界は、少子高齢化といった国内環境にあっても、成長が見込まれる数少ない分野の一つであります。また現在の新型コロナウイルス感染症対策のみならず将来の感染症予防・対策への関心も高く、研究開発投資が高水準で継続しており、今後も同様に推移することが想定されます。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したとおり、当連結会計年度での直接的な影響は軽微であったと考えております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループの中期経営戦略は、基盤となる先端研究開発支援事業(2021年6月期までのメタボロミクス事業及び新規解析受託サービスを含む)の持続的収益拡大とヘルスケア・ソリューション事業(2021年6月期までのバイオマーカー事業及び新規事業を含む)の早期確立です。
先端研究開発支援事業では、新サービスメニューの拡張や生産性の向上を通じて、さらなるオペレーショナル・エクセレンスを高めてまいります。この結果当面は当該セグメントからの利益が当社グループ全体の利益成長を牽引することになります。
ヘルスケア・ソリューション事業ではバイオマーカーに係る事業の早期収益化とヘルスケア産業に注力した新規ソリューション事業の早期立ち上げを目標として、イノベーションの創出を加速させてまいります。当該セグメントは当面セグメント損失が続きますが、費用対効果の高い開発投資を継続することで5年後には1億円程度の売上を計上し、全社共通配賦経費を除けばセグメント利益を計上できることを目指します。
上述の中長期的な会社の経営戦略に基づいて、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。
① 先端研究開発支援事業の持続的成長と収益力の向上
拡大が見込まれるヒト試験など企業向け受注拡大のために対応サービスメニュー拡充などを行い、またロボット化・新測定メソッドによるメタボロミクス受託サービスのさらなる生産性向上を図ってまいります。さらに最先端の研究開発を支援するための技術開発を行い、新解析サービスの拡充・拡販を進めてまいります。
また業務提携拡大・強化等により他のオミクス測定解析メニュー等の拡充を図り、お客様の先端研究を支援するサービス・プロバイダーを目指してまいります。
② ヘルスケア・ソリューション事業の推進
メンタルヘルスや軽度認知障害に関連するバイオマーカー等につきましては引き続き、アカデミアとの研究開発を拡充していくとともに、早期社会実装に向けて取り組んでまいります。
またヘルスケア研究開発支援として、バイオマーカー探索サービスや新規メニュー等の開発及び業務提携を含めた新規ソリューション事業を早期に立ち上げ、ヘルスケア・ソリューション・プロバイダーとして主に企業研究者の研究開発を支援してまいります。
③ リスク管理体制の強化
本経営方針のもと、事業を推進していく中においてはリスク管理体制を強化していくことも必要であり、2021年6月期にはリスク管理委員会を新設し、全社的なリスク管理を行う体制を整備いたしました。2022年6月期からは情報セキュリティ及びサイバーセキュリティリスクに対応するための組織も新設し、組織横断的なリスク管理を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のような事項があります。当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合には当該リスクによる影響が最小限となるよう対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスク及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は当社グループに関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、ご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 売上高の季節変動に関するリスク
当社グループの主力顧客である大学及び公的研究機関は、公的な補助金を活用し、研究開発活動を進めております。補助金の多くは、6月から7月にかけて徐々に予算の執行が始まります。近年は、早期に予算を執行する傾向にありますが、顧客は年度末までに予算を執行すればよいことや、測定試料の準備が遅延する場合もあり、依然下期に測定試料の到着が集中しております。その結果、当社グループの売上高は第3四半期(1月~3月)に集中する傾向があります。測定試料の受領が遅れた場合には年度内の解析が困難になり、受注がキャンセルされるリスクや、解析量が当社の能力を超え、機会損失が発生するリスクがあります。
当社グループはこのような季節変動による影響を抑えるため、補助金への依存度の低い民間企業や年度末の時期が異なる海外からの受注拡大を図ってまいります。
(2) 国内外での競合リスク
当社収益の中心となっているメタボロミクス受託サービスは国内外の競合が増加傾向にあり、価格競争も一部でみられるようになってきています。価格競争に巻き込まれると当社グループの収益性が損なわれる可能性があります。またメタボロミクス以外の解析受託サービスの拡大に関しても市場は拡大していますが、既存競合との競争は避けられず、当社グループがこれらの解析受託市場において一定のシェアを確保できるかどうかは当社グループの技術開発力、営業提案力次第となります。
メタボロミクス受託サービスについては生産性の改善を通じて、原価の引き下げを図り、価格競争力のある収益構造を構築すべく対応を進めております。メタボロミクス以外の解析受託サービスに関しては、当社グループの独自開発による解析サービスを中心に拡大を図り、またワンストップでの解析サービスの提供などにより、競争優位性を維持強化することで対応を進めてまいります。
(3) 事業化及び商品開発の遅延リスク
当社グループの成長は主に新規開発によるイノベーションによってもたらされます。新規性の高い開発には失敗がつきものであるため、開発が困難な障害によりとん挫すること、期待する成果を得るために克服すべき障害が想定より多く発生し、成果に至るまでの期間が長引く可能性があります。これらは当社グループの成長戦略に影響を与えることになります。
こうした開発遅延によるリスクを最小化するために、当社グループでは開発プロジェクトの優先度を精査し、毎月経営者による確認・意思決定を迅速に行うこととしております。また研究者・技術者による新規開発を促進するために、業務時間の一定割合を新規開発に費やすこと、新規アイデア創出に必要な費用を予算化するなどにより、イノベーション創出を促進してまいります。
(4) 知的財産権のリスク
当社グループは、メンタルヘルスや軽度認知障害に関するバイオマーカー探索研究を進めております。こうした研究開発活動において得られたバイオマーカーは積極的に権利化を進め、民間企業との提携による最終製品の共同開発、又はライセンス等により収益を獲得していく方針です。
しかしながら、何らかの理由により発見したバイオマーカーに関連する特許が成立しない場合には、バイオマーカー事業の収益獲得が困難になり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 学校法人慶應義塾から供与を受けているメタボローム解析ソフト「KEIO Master Hands」について
当社グループは、慶應義塾大学先端生命科学研究所が開発したメタボローム解析ソフト「KEIO Master Hands」の利用について学校法人慶應義塾よりライセンスを受けております。同解析ソフトは、メタボローム解析において基盤となる重要な解析ソフトウエアであることから、当社グループは複数年のライセンス契約を担保するため、別途学校法人慶應義塾と「「KEIO Master Handsソフトウエア」使用の更新に関する合意書」を締結しておりますが、今後何らかの理由により契約が終了した場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 災害によるリスク
現在の収益の中心である解析受託サービスはその大半が鶴岡本社にて実施されております。鶴岡本社が自然災害その他の事故などにより大きな被害を受けた場合には、その復旧に係る費用並びに一定期間営業が停止することによる機会損失など当社グループの経営に大きな影響を与える可能性があります。また当該期間中に顧客が競合に移管してしまう可能性なども考えられます。
当社グループではこうしたリスクに対応するために、復旧に要する費用については保険により対応をするべく体制を整備しております。また軽度の災害・事故による影響については、その影響が短期的な業績に影響を与えないような対策(停電対策など)を順次講じていますが、当社グループの規模では分析設備の分散などは業務生産性を大きく損なうためとりうる対策としては限界があります。
(7) 小規模組織のリスク
当社グループの役職員数は、当連結会計年度末現在、役員5名及び従業員69名と小規模組織であり、個々の役職員の果たす役割が大きく、一定数の人材が流出した場合に当該分野での事業が一定期間滞る可能性があります。
当社グループでは、こうした人材流出を抑制するために透明性の高い社風を構築し、社員と会社のおかれている環境・成果などを共有し、一体感の醸成に取り組んでおります。また2021年6月期より人事制度を改訂し、業績連動賞与を導入することで会社の利益と個々の役職員の利益の連動性を持たせ、利益配分が公正に行われる体系としております。
(8) 情報漏洩リスク
当社グループは顧客の研究開発支援としての解析受託サービスなどを行っているため、顧客の営業秘密にかかわる情報を扱う場合がございます。特に今後成長牽引を期待して展開・拡大を進めていくヘルスケア・ソリューション事業においては顧客からの秘密情報が多く含まれることが想定されるため、当社グループの重過失又はサイバーセキュリティ被害などによる情報漏洩は、顧客に多大なる損害を与える可能性があると同時に、当社グループ自身もその損害賠償リスク並びにレピテーションリスクにさらされる可能性があります。
当社グループではこうしたリスクに対応していくために、社内情報管理体制の強化並びにサイバーセキュリティ対策を進めるために情報システム部を新設して専任での対応を順次講じてまいります。
(9) 新型コロナウイルス感染症等について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症等について、当連結会計年度の業績に大きな影響は出ておりませんが、感染状況の収束が遅れることで学術講演会の中止・延期による営業活動の停滞、測定試料の入手遅れ、当社従業員の罹患によって業務に支障が出ること等により、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは政府・自治体のガイドラインに従い、感染拡大防止に向けた取り組みを実施し、リスクの最小化のための取り組みを行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化し、都市部等を中心に3度にわたり緊急事態宣言が発出される等厳しい状況となりました。2021年に入り徐々にワクチン接種が進み、景気回復の進む欧米・中国等での海外需要を背景とした需要の増加が一部の産業では回復の追い風になっていますが、国内における個人消費等はまだ十分な回復には至っていない状況です。
当社グループが属するライフサイエンス業界においては、新型コロナウイルス感染症対策としての治療薬・ワクチン等の開発に加え、免疫力向上等の感染症予防を促進するための機能性表示食品開発といった健康管理へのニーズの高まりを受けた研究開発が増加傾向になっています。一方で新型コロナウイルス感染症の影響により治験が遅延することや、研究施設等への入所制限等により、研究開発ニーズに対して十分な対応ができない状況も一部では散見されました。
このような状況の中、当社グループではWebを活用した営業活動を精力的に行うことでメタボロミクス事業の受注拡大を図るとともに、営業効率の向上及び一般管理費の削減にも取り組みました。当連結会計年度は大型のヒト試験等の研究計画の遅延等の影響を受け、予定していた受注の延期等が発生し、受注は前連結会計年度より減少いたしましたが、前連結会計年度受注残の売上計上に加え、アカデミア分野では研究開発の増加により受注・売上ともに増加したため、当連結会計年度の売上は微増となりました。
バイオマーカー事業においては引き続き大うつ病性障害(以下「うつ病」といいます。)バイオマーカーの事業化に向けた研究開発を継続するとともに、新規事業開発等にも継続して取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、1,124,067千円(前年同期比0.5%増)となりました。一般管理費削減等に努めた結果、当連結会計年度の営業利益は39,368千円(前年同期は17,039千円の損失)、経常利益は59,503千円(前年同期は16,502千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は58,214千円(前年同期は47,794千円の損失)と増収増益となり、2014年3月期以来の黒字化を果たすことができました。なお当社は当連結会計年度より繰延税金資産を計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したとおり、当連結会計年度での直接的な影響は軽微であったと考えております。
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2020年6月期 |
2021年6月期 |
増減率 |
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売上高 |
1,118,495千円 |
1,124,067千円 |
0.5% |
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営業利益又は営業損失(△) |
△17,039千円 |
39,368千円 |
- |
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経常利益又は経常損失(△) |
△16,502千円 |
59,503千円 |
- |
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親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△47,794千円 |
58,214千円 |
- |
セグメント別には、次のとおりであります。
<メタボロミクス事業>
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2020年6月期 |
2021年6月期 |
増減率 |
|
売上高 |
1,114,180千円 |
1,119,593千円 |
0.5% |
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(内国内売上高) |
933,727千円 |
926,362千円 |
△0.8% |
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(内海外売上高) |
180,453千円 |
193,230千円 |
7.1% |
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セグメント利益 |
457,128千円 |
423,485千円 |
△7.4% |
国内においてはアカデミア分野と食品分野での売上が増加いたしました。一方で化粧品等の化学分野、製薬分野では研究開発の遅延の影響を受けました。海外においては米国事業売上はアカデミア分野や、創薬ベンチャー、アグリテック企業等からの受注が増加し、売上も堅調に推移しました。新型コロナウイルス感染症による度重なるロックダウン等により欧州事業売上が減少しましたが、海外売上全体としては増加となりました。なお欧州事業は2021年4月に開示いたしました通り閉鎖することを決定し、現在現地法に基づく閉鎖に向けた手続きを進めております。この結果、売上高は1,119,593千円(前年同期比0.5%増)となりました。一方セグメント利益は、設備増強に伴う減価償却費及び新サービス売上増加に伴う外注費の増加等で、売上原価が増加したことにより減少し、423,485千円(前年同期比7.4%減)となりました。
<バイオマーカー事業>
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2020年6月期 |
2021年6月期 |
増減率 |
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売上高 |
4,314千円 |
4,474千円 |
3.7% |
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(内国内売上高) |
4,208千円 |
4,474千円 |
6.3% |
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(内海外売上高) |
106千円 |
-千円 |
- |
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セグメント損失(△) |
△160,824千円 |
△70,632千円 |
- |
当事業セグメントにおいては、PEA(うつ病バイオマーカー)の共同研究や測定メソッドの開発及び軽度認知障害バイオマーカーの共同研究等を効率的に継続しました。また、新規事業開発等にも継続して取り組みました。この結果、売上高は4,474千円(前年同期比3.7%増)、セグメント損失は効率的な研究開発経費支出に努めた結果、70,632千円(前年同期は160,824千円のセグメント損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ26,026千円増加し、1,245,050千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは34,171千円の支出となりました。これは主に税金等調整前当期純利益50,949千円を計上し、たな卸資産資産が35,842千円及び前払費用20,977千円が減少しましたが、主に売上債権の増加82,120千円、前受金18,154千円の減少、未払又は未収消費税等38,685千円の減少、法人税等の支払39,680千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは25,986千円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出26,584千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは86,218千円の収入となりました。これは短期借入金が100,000千円増加したこと等によるものであります。
③ 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,456,893千円となり、前連結会計年度末に比べ45,589千円増加しました。これは、満期保有目的債券の満期解約により有価証券が100,000千円、大型の前連結会計年度末仕掛品が当連結会計年度に売上計上されたことにより27,814千円減少しましたが、現金及び預金が126,026千円、売掛金が82,603千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は166,276千円となり、前連結会計年度末に比べ39,434千円増加しました。これは、当連結会計年度より繰延税金資産を認識したことにより28,200千円、工具、器具及び備品が23,659千円及びリース資産44,874千円が増加しましたが、減価償却累計額も49,493千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は317,327千円となり、前連結会計年度末に比べ17,214千円増加しました。これは未払法人税等が22,348千円、未払金が20,984千円、その他に含まれる未払消費税等が49,378千円減少しましたが、資本コストの低下を目的とした銀行からの短期借入金100,000千円、新人事制度導入に伴う賞与引当金36,985千円及び欧州子会社の閉鎖に伴う引当金16,302千円の計上により増加したためであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は45,712千円となり、前連結会計年度末に比べ22,944千円増加しました。これは、設備投資に伴いリース債務が23,254千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,260,129千円となり、前連結会計年度末に比べ44,864千円増加しました。これは、新株予約権が11,428千円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益58,214千円を計上したこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
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生産高(千円) |
生産高(千円) |
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メタボロミクス事業 |
5,253 |
1,920 |
|
合計 |
5,253 |
1,920 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.上記の金額は、メタボロミクス事業のうち、試薬キットに係る部分を記載しております。
3.バイオマーカー事業については、業務の性質上生産として把握することが困難であるため、記載しておりません。
(2) 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
|
仕入高(千円) |
仕入高(千円) |
|
|
メタボロミクス事業 |
16,456 |
17,976 |
|
合計 |
16,456 |
17,976 |
(注)1.金額は、仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.上記の金額は、メタボロミクス事業のうち、限外ろ過フィルターに係る部分を記載しております。
3.バイオマーカー事業については、業務の性質上仕入として把握することが困難であるため、記載しておりません。
(3) 受注実績
受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
||
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受注高(千円) |
受注残高(千円) |
受注高(千円) |
受注残高(千円) |
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メタボロミクス事業 |
1,172,300 |
321,950 |
996,967 |
199,325 |
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バイオマーカー事業 |
4,314 |
3,000 |
4,474 |
3,000 |
|
合計 |
1,176,615 |
324,950 |
1,001,442 |
202,325 |
(注)金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
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販売高(千円) |
販売高(千円) |
|
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メタボロミクス事業 |
1,114,180 |
1,119,593 |
|
バイオマーカー事業 |
4,314 |
4,474 |
|
合計 |
1,118,495 |
1,124,067 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載しておりません。
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高につきましては、メタボロミクス事業においては、前連結会計年度受注残を確実に売上計上したこと、Webを活用した営業活動を精力的に行うことで、アカデミアでの受注が増加したことなどにより売上が微増となりました。一方受注につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で従来の営業活動が困難となり、また主に食品・化粧品メーカーでの大型のヒト試験等の研究計画の遅延等の影響も受け、受注は前連結会計年度と比べて減少しました。これらの結果メタボロミクス事業において当連結会計年度末の受注残高は199,325千円(前連結会計年度末は321,950千円)となりました。バイオマーカー事業においては、PEAの研究検査受託等や検査手法開発企業からの共同研究一時金を計上しました。これらの結果、当社グループ全体の売上高は1,124,067千円となりました。
生産面ではメタボロミクス事業においては、設備増強に伴う減価償却費及び新サービス売上増加に伴う外注費の増加等で売上原価が増加しました。
販売費及び一般管理費につきましては、効率的な営業活動を推進したこと、人員配置の最適化を進めたこと、ストックオプションの新規発行を取りやめたこと、共同開発の見直しによる経費削減等により、大幅なコスト削減を行うことができました。これらの結果、営業利益は39,368千円、経常利益は59,503千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は58,214千円となりました。特別利益として新株予約権の戻入益が14,596千円あったものの、特別損失として欧州子会社の閉鎖に伴う関係会社整理損を23,115千円計上しております。また法人税等を21,372千円計上しておりますが、当連結会計年度より繰延税金資産を計上することとし、その法人税等調整額△28,637千円を計上しております。
当社グループ全体といたしましては、持続的に収益を計上できる企業体質へと転換が進んだと考えております。引き続き必要な投資は継続しつつ、収益の持続的成長に向けた取り組みを推進してまいります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、新サービス・新事業開発のための研究開発資金や、最先端の測定解析を可能とする設備購入のための資金、需要の繁閑に伴う短期的な運転資金などの資金需要が発生します。これらに対し、保有する現預金などの自己資本で研究開発投資、設備投資並びに運転資金需要に対応することを基本としています。必要に応じて主に新規研究開発事業への投資等に必要な資金は新株発行等により調達し、設備投資や短期的な運転資金については、銀行借入により調達いたします。
⑤ 新型コロナウイルス感染症による経営成績等への影響について
新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したとおり、当連結会計年度での直接的影響は生じておりません。
今後の状況につきましては、現在の感染状況を鑑みますと特に第2四半期までは学術講演会の中止・延期による営業活動の停滞、測定試料の入手遅れによる売上計上遅延などマイナスの影響も考えられますが、以降はこれまで遅延していた研究開発の再開も期待されます。全体としては影響は軽微と考えております。
新型コロナウイルス感染症の更なる拡大を考慮し、業績への影響については引き続き注視してまいります。
(1) メタボロミクス事業
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契約 会社名 |
相手先の名称 |
相手先の 所在地 |
契約品目 |
契約 締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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当社 |
国立大学法人弘前大学 |
日本 |
共同研究契約 |
2019年 4月1日 |
2019年4月1日から 2022年3月31日まで |
青森県弘前市(岩木地区)で実施している健康診断(岩木健康増進プロジェクト)により収集した健康情報データとメタボローム解析により得られたデータにより、新たな健康指標に繋がるバイオマーカーを探索し健康評価法を開発する。 |
(2) バイオマーカー事業
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契約 会社名 |
相手先の名称 |
相手先の 所在地 |
契約品目 |
契約 締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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当社 |
学校法人慶應義塾 |
日本 |
肝臓疾患のバイオマーカーのライセンス |
2013年 9月20日 |
契約締結日より発明に基づき取得された特許の最終存続期間満了日まで |
学校法人慶應義塾が開発した肝臓疾患のバイオマーカーに係る発明の通常実施権の供与。 |
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当社 |
シスメックス株式会社 |
日本 |
大うつ病性障害の血液バイオマーカーのライセンス |
2015年 9月28日 |
2015年9月28日から 特許の最終存続期間満了日まで
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当社が保有する大うつ病性障害の血液バイオマーカー(エタノールアミンリン酸)関連特許の通常実施権の許諾及び製造販売の実施。 |
(3) 事業全般に関する契約
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契約 会社名 |
相手先の名称 |
相手先の 所在地 |
契約品目 |
契約 締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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当社 |
学校法人慶應義塾 |
日本 |
特許のライセンス |
2003年 10月22日 |
2003年10月22日から 2004年10月21日まで (期間満了の1月前までに両者のいずれかから書面による申出があった場合を除き、1年ごとに延長される) |
学校法人慶應義塾は、当社に対し同大学が保有する特許「陰イオン性化合物の分離分析方法及び装置」(特許第3341765号)の全ての範囲について通常実施権を許諾する。また、同大学は本特許発明に関する改良技術について特許を取得した場合には、当社に対してその全ての範囲について通常実施権を許諾する。 |
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契約 会社名 |
相手先の名称 |
相手先の 所在地 |
契約品目 |
契約 締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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当社 |
学校法人慶應義塾 (先端生命科学研究所) |
日本 |
共同研究及び成果の相互利用 |
2007年 8月8日 |
2007年4月1日から 2008年3月31日まで (研究期間満了の30日前までに両者のいずれかから書面による申出があった場合を除き、1年ごとに延長される) |
当社と慶應義塾大学先端生命科学研究所は、メタボローム測定・解析法の改良及び新たな手法の開発のため、共同研究を行う。当社は、2016年4月1日からの3年間及び、2019年4月1日からの3年間の取扱について合意し、毎年400万円を本共同研究遂行のための費用として、慶應義塾大学先端生命科学研究所へ支払う。 本共同研究により得られた発明等は両者共有とし、その持分は両社双方の貢献度によりその都度協議の上決定する。 本契約に基づき両者が所有する測定機器等について、相手方の要請に基づき相互に利用できる。 |
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当社 |
学校法人慶應義塾 |
日本 |
ソフトウエアのライセンス |
2007年 8月8日 |
2007年4月1日から 2008年3月31日まで (研究期間満了の30日前までに両者のいずれかから書面による申出があった場合を除き、1年ごとに延長される) |
当社と学校法人慶應義塾は、前記契約第4条(機器等の相互利用)において規定される「KEIO Master Hands」のライセンス料について、2016年4月1日からの3年間及び、2019年4月1日からの3年間の取扱について合意し、当社は学校法人慶應義塾に対し、ライセンス料として年額300万円を支払う。 |
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当社 |
エムスリー株式会社 |
日本 |
資本及び業務提携契約 |
2016年 5月24日 |
2016年5月24日から 期間の定めなし |
当社の実施する第三者割当増資の引受、並びにうつ病バイオマーカーの実用化を中心とした業務面での協力及び協業体制の構築。 |
(4)完全子会社との吸収合併契約
当社は、2020年11月11日開催の取締役会において、当社の完全子会社であるHMTバイオメディカル株式会社の吸収合併を決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。この契約に基づき、当社は2021年1月1日付でHMTバイオメディカル株式会社を吸収合併いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、メタボローム解析のための基盤技術の開発、PEAの実用化・事業化に向けた製品開発、並びに新規バイオマーカーの探索研究等を中心に研究開発を進めてまいりました。当連結会計年度における研究開発費の総額は
セグメント別では、メタボロミクス事業において、生産と開発の連携強化に取組み、生産技術及び解析ソフトウエアの開発等を推進したこと等により、研究開発費の金額は