第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比の記載はしておりま

せん。

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の低迷による国内需要の弱さがみられたものの円安による輸出の増加

等によって緩やかな回復基調で推移しました。平成28年2月に導入された日銀のマイナス金利政策は1年を経過して、当

社グループの主要顧客先である金融業に大きく影響を及ぼし、利ザヤの縮小、運用難による収益悪化により、設備投資は

当初計画からの抑制、見送りなど大幅な減額修正がなされました。

 このような経済状況のもとで、当社グループは、製品開発では自治体情報システム強靭性向上(注1)の一環としてフ

ァイル無害化ソリューション「ESS FileGate(EFG)」をリリース、更にトレンドマイクロ社のウィルス、マルウエア駆

除ソフトウエア「Trend Micro Deep Security」と連携した「EFG V1.1」をリリースし発売いたしました。また、既存製

品の拡張・改良として、特権ID(注2)管理ソリューションである「ESS AdminControl(EAC)」にデータベースへの不審

なアクセスの発見を容易にした「EAC V1.5」をリリースするなど、製品の拡張・改良、品質向上に努めました。

 営業面では、高度化する標的型サイバー攻撃による大規模な情報漏えい事件の増加が続き、大企業を中心に対策製品の

導入が優先課題として取り組まれてきましたが、社内システムへの不正侵入を防ぐ水際(入口)対策の限界も見えはじ

め、当社のソリューションであるシステム運用における証跡管理や特権ID管理が多層防御の要であるとの認識が一部の企

業で見えはじめました。当社は引き続きセミナーやイベント出展を通じて、多様化するセキュリティリスクに対する特権

ID認証と証跡管理についての当社ソリューションのPRに努め、株式会社ナノオプト・メディア主催「Security Days

Spring 2017」では3日間にわたって金融以外の幅広い業種からの来場顧客の情報収集を行い、そのフォローアップを実

施しました。

 代理店施策では、金融専門セミナーである日本金融通信社主催「FIT大阪フォーラム」での共同出展を実施したほか、

福岡ではプライベートセミナーを共催し参加した九州地区の金融関係顧客への共同フォローを実施しました。当社製品を

使用されているお客様を対象とした「活用塾セミナー」も「ESS REC」以外の製品へと幅を広げ、また「活用塾セミナ

ー・冬」ではセミナー会場へ来場出来ないお客様にWebを利用したライブ配信での提供を実施いたしました。以上の結

果、当連結会計年度の売上高は1,871,634千円、営業利益は471,605千円、経常利益は472,319千円、親会社株主に帰属す

る当期純利益は336,824千円となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

①パッケージソフトウエア事業

 当連結会計年度におけるパッケージソフトウエア事業のライセンス売上は、地方銀行や信用金庫でのFISC(公益財団法

人金融情報システムセンター)の安全対策基準準拠への対応やシステム更改に伴う増強などがありましたが、メガバンク

のシステム統合案件が一段落したことやマイナス金利政策による収益の悪化から主要顧客先である銀行業のソフトウエア

投資が抑制された影響を強く受けました。金融業では、システムの統制強化を図る一部の保険業やPCI DSS(注3)準拠

のためクレジットカード・信販会社で、システム証跡管理製品「ESS REC」及び特権ID管理製品「ESS AdminControl

(EAC)」の導入が堅調に推移しましたが、銀行業向けライセンス売上の減少を補うまでには至りませんでした。また、

当連結会計年度においては年初より標的型サイバー攻撃対策が課題となり、6月には大手旅行業者のサーバーへの標的型

メールによる不正アクセスにより大量の個人情報が流出する事件が発生したこともあって、多くの企業で標的型サイバー

攻撃対策製品の導入が優先されました。新製品であるファイル無害化ソリューション「ESS FileGate(EFG)」の販売に

つきましては、株式会社電算との協業の成果として信越地域及び周辺地域の25市町村で受注し導入が開始されました。

 EFGは自治体のみならず企業への拡販を企図して登録パートナー制度「ESS FileGateベンダーコミュニティ」を立ち

上げEFGに関する製品情報の提供を行うとともに、中小規模システムを有する企業をターゲットとしたシステム管理製

品「ESS AdminGate(EAG)」の販売促進を図りました。

 保守サポートサービスは、保守契約更新率95%を確保し堅調に売上を伸長しましたほか、コンサルティングサービス

も地方銀行でのSIO製品(注4)の導入に伴う構築サービスの売上が増加いたしました。

 以上の結果、セグメント売上高は1,656,428千円(前年同期比は単体決算のため参考となりますが2.1%増)となりま

した。セグメント利益は、定期採用及びキャリア採用による人員増と待遇改善、確定拠出年金制度の導入など福利施策

に伴う人件費増加、研究開発部門での派遣技術者受入費用の増加などにより売上原価及び一般管理費が増加した結果

803,951千円となりました。

②システム開発サービス事業

 システム開発サービス事業は、既存顧客先向け売上は横ばいで推移しましたが、エンカレッジ・テクノロジ株式会社の

技術要員不足に対処して製品開発並びに品質保証部門等への要員派遣増加によりシナジー強化に努めました。

 以上の結果セグメント売上は248,634千円、セグメント利益は23,473千円となりました。

(注1)自治体情報システム強靭性向上:日本年金機構の情報漏えい事件を受けて、総務省が地方自治体情報セキュリティの抜本対策として

        検討し、決定した「自治体セキュリティ強靭性向上」対策のことをいいます。

(注2)特権ID:システム運用管理においてプログラムの変更やデータベースの変更等で使用する高いアクセス権限を持つシステム運用管理

        者用のIDのことをいいます。

(注3)PCI DSS:Payment Card Industry Data Security Standardの略で国際ブランドのカード会社が共同策定したカード情報保護のセキ

        ュリティ基準のことをいいます。クレジットカード発行会社、カード決済処理会社、加盟店などの企業で準拠が求められています。

(注4)ESS SmartIT Operation(略称:SIO):システムの変化や形態に影響されず、様々なオペレーション・システム(OS)が混在する環境

        であっても一貫性のある運用管理、運用統制が実現できるパッケージソフトウエア技術の在り方を定義した技術戦略です。当社のシ

        ステム運用管理ソフトウエアは、基本的にこの戦略に基づいて開発しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,627,487千円となりました。当連結会

計年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末において営業活動の結果得られた資金は445,602千円となりました。主な収入要因は、税金等調整前

当期純利益472,319千円、前受金の増加額35,430千円であり、主な支出要因は売掛金の増加24,415千円、法人税等の支払

額238,998千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末において投資活動の結果支出した資金は278,249千円となりました。主な支出要因は、無形固定資

産、主に製品の拡張・改良に伴う市場販売目的ソフトウエアの取得による支出208,206千円、連結の範囲の変更を伴う

子会社株式の取得による支出50,323千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末において財務活動の結果支出した資金は86,624千円となりました。主な支出要因は、配当金の支払

額86,551千円によるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、パッケージソフトウエア事業とシステム開発サービス事業を主たる事業としており、生産の概念を有

しないため生産実績の記載を省略しております。

 

(2)受注状況

 当社グループは、受注確定から売上日までの期間は1ヶ月程度であります。よって、期末日現在の受注残高は、年間売

上高に比して僅かであるため、その記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

  至 平成29年3月31日)

 

 

 

(参考情報)

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

 

 

 

  うちESS REC(REC)

356,882

 

481,471

 

 

  うちその他ライセンス

200,518

 

193,662

 

ライセンス

 

557,400

 

675,133

 

保守サポートサービス

 

823,262

 

695,497

 

クラウドサービス

 

31,819

 

13,082

 

コンサルティングサービス

 

136,545

 

127,772

 

SIO常駐サービス

 

60,569

 

59,202

 

その他

 

46,830

 

51,814

 

パッケージソフトウエア事業 計

 

1,656,428

 

1,622,503

 

     システム開発サービス事業

 

215,205

 

合  計

1,871,634

 

1,622,503

 (注)1.当社は、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期の単体ベース実績を参考情報とし

      て表示しております。

    2.その他の主なものはSEER INNERのタームライセンス及び保守37,044千円、レンタル売上6,204千円でありま

      す。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

285,724

15.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「お客様にとってあるべきコンピュータシステムの運用を実現する」をテーマにパッケージソフトウ

エアの開発・販売、製品のサポートサービス、コンサルティングの提供を通じて社会に貢献することを経営方針としてお

ります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

①ライセンス売上の拡大

 当社グループは、主力製品「ESS REC」によって「システム証跡監査ツール市場」を創出し、金融機関など高度なシス

テム統制を要請される大規模システムを中心に導入され7年連続トップシェア(株式会社ミック経済研究所調べ)を維持

しております。

 近年の情報漏えい事件・事故の増加に伴い、システム証跡監査のみならずセキュリティ脅威から重要システムを保護す

る特権ID管理の必要性は高まっています。また、外部からの標的型サイバー攻撃から社内システムへの侵入を防ぐ水際対

策としての入口対策や出口対策の限界もあり、多層防御の要としての特権ID管理とシステム証跡管理の重要性が再認識さ

れています。システム証跡管理製品「ESS REC」と特権ID管理製品「ESS AdminControl」による新規顧客の開拓及び「ESS

REC」を導入されている顧客システムへ「ESS AdminControl」の導入や新規システムへの営業(クロスセル)を積極的に

行って参ります。

 また、政府は2020年の東京五輪開催に向けて「内閣サイバーセキュリテイセンター(NISC)」を設置して重要インフラ

13分野に対する情報セキュリティ対策を明示しており、この情報セキュリティ要件への取り組みを強化して販売拡大を図

って参ります。

 

②クラウドサービスの推進

 当社グループは金融や情報通信などの大規模システムで実績をあげておりますが、システム管理者の不足や外部ベンダ

ーに管理を委託しているためセキュリティやシステム管理に不安を持つ中規模システムを有する企業に向けて、クラウド

型情報セキュリティ製品「ESS AdminGate」を提供し拡販を図って参りました。

 一方、クラウドを利用したサービス市場は拡大の一途をたどっており、当社グループは、データセンターやクラウド事

業者、また、それらサービスを利用する企業のセキュリティ対策製品としての拡販も課題であり取り組みを強化しており

ます。

 地方自治体の情報システム強靭性向上モデルに対応したファイル受渡し・無害化製品「ESS FileGate」は、自治体のみ

ならずネットワーク分離環境が必要な一般企業向けとしても販売を促進するとともに、地域のシステムインテグレーター

や代理店との新たな販売網の構築が課題です。

これらの取り組みを通じて、クラウドサービスを推進し、事業拡大を図って参ります。

 

③人材の育成及び経営組織の強化

 当社グループは、事業の拡大に伴って新卒定期及びキャリア採用、さらに株式会社アクロテックの完全子会社化により

不足する技術系社員を主体に増強を図るとともに、業界水準への処遇改善を目指して参りました。

 システム技術者をはじめ人材の不足は依然として続くものとみられ、社員教育充実によるプロフェッショナル集団の育

成とそれをマネジメントする経営組織の強化が課題です。

 このため、平成29年度より人事制度を改定し、システム資格の取得推進とスキルマップにより目指すべき水準を明確に

するなどの諸施策を講じるとともに、管理・監督者層に対しては役割と責任を明確にした給与体系に移行するなど人事施

策を強化し、経営目標の達成に努めて参ります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、平成31年3月期までに達成すべき経営目標を下記のとおり定め事業運営にあたっております。

   ・連結売上高経常利益率 30%以上

   ・ライセンスの売上高 対前期比20%UP

   ・クラウドサービスの売上高(単体)比率 20%

   ・次世代版「ESS SmartIT Operation」製品のリリース

   ・保守契約更新率 95%

   ・株主還元 配当性向 25%

   ・上場市場の変更(東京証券取引所一部への市場変更を目指す)

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性

のある事項には、以下のようなものがあります。

 当社グループはこれらの事業等のリスクを認識した上で、その回避及び発生した場合の対応に努めておりますが、当社

株式への投資判断は本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1)製品及びサービスについて

 ①製品競争力について

 「ESS REC(REC)」は、克明な操作記録と優れた検索性によって、システム証跡監査ツール市場で7年連続トップシェアを誇る主力製品でありますが、近年、システム証跡監査ツール市場の認知度が高まるとともに、海外製品も含めた新たな類似製品の参入が続いております。また、「ESS AdminConrol(EAC)」は、より市場規模の大きい特権ID管理ツール市場で、後発ながら「REC」と組み合わせることにより総合的な特権ID管理を実現するソリューションとして提案し、国内外の他社製品との激しい競合のなか、「REC」との連携で差別化を図っております。このように「REC」はキラー製品として絶対的な強みを有するものの、ライセンス売上は「REC」に依存しており、強力なライバル製品の出現によって「REC」の優位性が失われた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす惧れがあります。

 

 ②製品開発について

 当社グループの製品開発の基本スタンスは、システム運用の安全と安定を実現するためのパッケージソフトウエアを提供することにあります。システム運用のあるべき姿を汎用的に捉えて製品を企画し開発を行うため、開発した製品やサービスが運用現場の環境や実運用に適さないことにより市場に受け入れられない場合や、機能や価格面において他社製品に劣るなどの理由によって売上貢献できない場合は、開発費用の回収を図ることが出来ず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす惧れがあります。

 

 ③ライセンスに付随する保守サポートサービス及び品質について

 当社製品の使用許諾(ライセンス)契約をされた顧客に対しては、原則として保守サポートサービス契約を締結していただき、当社製品の最新バージョンの提供と顧客のシステム環境下で安定的に使用いただけるようサポートを行っております。顧客のシステム更改で新システムに当社製品が採用されない場合や、システムの縮小・廃止などによる保守契約の解除や変更、また重大な製品の欠陥やインシデントの解決が長期化するなどによって顧客の信頼を損ね保守契約の更新に繋がらない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす惧れがあります。

 

 ④コンサルティングサービスについて

 当社グループはコンサルティングサービス業務として、当社製品の導入にあたっての導入支援やシステム構築支援をメニュー化して提供しております。「ESS SmartIT Operation(SIO)」の展開に伴って、従来の単体製品のインストールや各種支援からIT全般統制に向けたシステム構築の支援へと、システム要件の拡大や役務提供範囲が拡大しております。

 したがって、要件実現に向けて当社の役務提供範囲や検収条件及び納期設定、提出書類の品質に至るまでのマネジメントが要求されます。何らかのトラブルによって検収の遅れや見積以上の工数が発生した場合、あるいは顧客の要求仕様との齟齬が生じ、損害賠償や補償作業を要求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績や事業展開に影響を及ぼす惧れがあります。

 (2)人材の確保及び組織的経営について

 ①人材確保について

 当社グループは、次世代型新製品の開発、既存製品の拡張・改良及び製品の統合化などの研究開発テーマに取り組んでおり、これらの業務にあたる開発技術者の増強を図っております。またコンサルティング業務やサポートサービス業務に従事するシステム技術者の増員も喫緊の課題となっております。株式会社アクロテックの完全子会社化によるシステム技術者の連携も課題解決の一環として実施しました。しかしながら、少子化による新卒採用の売り手市場化、キャリア採用で必要とするレベルのIT技術者の不足など採用が困難な状況が続いております。新卒採用者に対する専門技術教育とOJTによる育成を図っておりますが、育成に時間を要すなかで社員の定着化も課題であり、処遇改善や福利厚生の充実などの施策を進めております。

 このため、IT技術者の確保が計画通りに進まない場合、研究開発の遅れによる製品リリースの遅延、それに連携する営業施策の変更などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす惧れがあります。

 

 ②組織的経営について

 当社グループが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るためには、事業計画の立案と実行、その業務進捗管理や部門間の連携などを担うマネジメント層の育成強化が課題となっております。

事業基盤の拡大に併せて組織を成長させていくためには、業務執行レベルで部門責任者が意思決定を迅速に行い、全社横断的な課題や問題解決にあたっては部門間連携が図れるマネジメントスキルの向上や実務経験を有した人材の外部からの獲得も必要となっております。必要とするマネジメント層の人材の確保ができず、また、育成の遅れなどによって経営計画や事業戦略の推進に支障をきたした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす惧れがあります。

 

 (3)知的財産権の侵害による訴訟リスクについて

 当社グループは自ら開発した製品に係わる技術要件、商標、ビジネスモデル等について知的財産権を登録申請することによって、他社からの権利侵害の防止を図っておりますが、一方において、当社グループが認識していない知的財産権が既に成立している可能性や、使用しているフリーソフトウエアが第三者の知的財産権を侵害している可能性は否定できず、当社グループ製品を使用する顧客あるいは当社グループの侵害について、第三者からの請求に対応する義務を当社グループは負っております。

 このような知的財産権に関しての損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティ支払要求が発生した場合、その訴訟対応や費用負担により当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす惧れがあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、システム運用を安全かつ安定的に稼動させるために、システムリスクとヒューマンリスクの両面から

のアプローチによって、最適なソリューションをパッケージソフトウエアで提供しております。

 当連結会計年度における研究開発活動は、クラウド化対応製品、次世代対応の製品開発の一環として国際大学グローバ

ルコミュニケーションセンターと産学連携研究に注力しており、研究開発費は45,314千円になりました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 (1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりま

す。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金

額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理

的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 (2)経営成績の分析

 (売上高)

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、主要顧客先である銀行業向けライセンス売上の減少により、ライセンス

売上が対前期比17.4%減少し、売上高は1,871,634千円となりました。

 

 (売上原価)

 当連結会計年度における売上原価は、693,544千円となりました。これは主に、原価部門の採用による人員増加と派遣

社員増加による外注費の増加によるものです。

 

 (販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、706,483千円となりました。この結果、営業利益は471,605千円とな

りました。

 

 (営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は746千円となりました。これは主に投資有価証券に係わる受取配当金によるもの

です。営業外費用は32千円となりました。この結果、経常利益は472,319千円となりました。

 

 (特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益及び特別損失はありませんでした。法人税等(法人税等調整額を含む)は、135,494

千円であります。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は336,824千円となりました。

 

 (3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループを取り巻く事業環境は、主として企業のIT投資の動向によって影響を受け、とりわけ、金融業界への依存

度が比較的高いため、規制当局の監査や指針による影響は無視できないものがあります。また、クラウド化の進展に伴っ

てデータセンター事業者の顧客情報保護のためのセキュリティ投資などが当社グループの経営成績に影響を及ぼす一因と

なります。その他当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況

4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、3,446,772千円となりました。主な内訳といたしましては、現金及び預金2,837,603千

円、売掛金291,427千円、敷金73,742千円であります。

 当連結会計年度末の負債合計は、570,805千円となりました。主な内訳といたしましては、未払金63,629千円、未払法

人税等73,467千円、前受金342,493千円であります。

 当連結会計年度末の純資産合計は、2,875,967千円となりました。主な内訳といたしましては、利益剰余金1,877,979千

円によるものであります。

 

② キャッシュ・フロー

 当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロ

ーの状況」をご参照ください。