第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度の業績は、売上高2,187百万円(前期比10.3%減)、営業損失654百万円(前期は営業利益126百

万円)、当期損失639百万円(前期は当期利益18百万円)となりました。なお、EBITDAは318百万円(前期比34.8%

減)となりました。

※EBITDA=営業利益+減価償却費+減損損失

 

事業毎の売上高は、以下の通りになります。

(ⅰ)ソーシャルクラウドサービス事業

(a) SaaSサービス

当サービスは、ソーシャル・ビッグデータの分析ツールである「クチコミ@係長」シリーズとソーシャル

リスクの監視ツールである「e-mining」シリーズから成り立っております。「クチコミ@係長」シリーズ及び「e-mining」シリーズとも堅調に新規受注を獲得できましたが、短期利用の申込が増加傾向にあるため、当サービスの売上高は795百万円(前期比0.9%増)となりました。

 

(b) ソリューションサービス

当サービスは、主にインバウンド消費支援サービスとソーシャル・ビッグデータの販売から成り立ってお

ります。インバウンド消費支援サービスは、レポートの販売は堅調に新規受注を獲得しております。また、プロモーションの販売を当年度より開始しております。

ソーシャル・ビッグデータの販売は、前連結会計年度は販売額(売上高)とデータ仕入れに係るロイヤリティー(売上原価)を両建て(総額表示)していましたが、当連結会計年度から顧客及びデータ仕入先と契約を変更し販売額(売上高)からロイヤリティー(売上原価)を差し引いた金額を売上計上とした(純額表示)ことやコンサルティング事業を縮小したことや円高の影響を受けました。

これらの要因により、売上高は1,384百万円(前期比15.8%減)となりました。

 

(ⅱ)その他事業

当事業は着メロ・着うたサービスであり、売上高は7百万円(前期比26.6%増)となりました。

 

主な費用の項目は以下の通りになります。

販売費及び一般管理費は1,115百万円(前期比0.6%減)となりました。

その他の費用は595百万円となりました。主な要因は、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施し、現

在の事業環境を踏まえて将来の回収可能性を検討した結果、Effyis,Inc.の買収時に発生したのれんに対する減損

損失593百万円を計上したことによるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べて329百万円増加し940百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、308百万円(前期は280百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前損失を671百万円計上したものの、減価償却費及び償却費379百万円、減損損失593百万円などの非資金項目の調整によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、405百万円(前期は3,129百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形固定資産の取得による支出329百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、429百万円(前期は710百万円の増加)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額1,025百万円、長期借入金の返済による支出191百万円があったものの、新株の発行による収入496百万円、ストックオプションの行使による資本の増加による収入735百万円、長期借入による収入550百万円によるものであります。

 

 

(3)並行開示情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

(のれんの償却と減損損失に関する事項)

 日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、のれん償却額(販売費及び一般管理費)が前連結会計年度241,763千円、当連結会計年度207,283千円減少しております。また当連結会計年度の減損損失額(その他の費用)は、日本基準に比べて241,662千円増加しております。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお、セグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソーシャルクラウドサービス事業

2,179,883

89.6

 

SaaS

795,151

100.9

 

ソリューション

1,384,732

84.2

その他事業

7,557

126.6

合計

2,187,441

89.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2015年1月1日

至 2015年12月31日)

当連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

salesforce.com,inc.

355,010

14.6

230,066

10.5

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

当社グループにおいて、業容の拡大及び経営の安定化を図っていくうえで、中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題は以下のとおりであります。

 

(課題)

当社は主力事業として、企業のソーシャルビッグデータ解析をサポートする分析ツール(サービス名「クチコミ@係長」「e-mining」)の販売やOEM供給をしておりますが、事業の成長率が低くなってきている状況です。そのため、現在の主力事業を強化・維持しつつ、次なる主力事業を立ち上げることが今後の課題となっております。

 

(中長期的な経営戦略)

①AI(人工知能)を活用した分析ツール事業の強化

当社は企業のソーシャルビッグデータ解析をサポートする分析ツールにおいて、2005年のブログ分析ツールの開発より、業界内でいち早く機械学習等のAI(人工知能)技術をツールに組み込むことで市場優位性を図ってきました。しかしながら、従来のAI(人工知能)技術だけでは顧客が求める期待とのギャップが散在しており、企業経営の改善や課題解決に資するためには、長年の研究開発を通じて得た知見とディープラーニング等の最先端のAI(人工知能)技術を融合させたツールやシステムの開発が必須であると考えております。

当社では世界的に引用される国際論文を発表するなど日本のAI(人工知能)学会をリードするメンバーが所属するR&Dチームが長年研究を重ねてきており、今後開発するツールやシステムに関しましては最先端のAI(人工知能)技術を搭載し、顧客への価値向上に努めてまいります。

 

②クロスバウンドマーケティング領域における新製品・サービスの拡充と拡販

次なる主力事業を立ち上げるために、インバウンドとアウトバウンドを含めたクロスバウンドマーケティング領域における新製品・サービスの拡充と拡販を推進していく方針です。具体的には、これまで「外国人や外国人観光客の購買力を引き寄せるにはどのようなマーケティング戦略を展開すればよいか」という問いに答えるべく、レポーティングサービスを提供して参りましたが、今後はレポーティングサービスに留まらず、クライアントの販売促進に直接繋がるプロモーションサービスの拡充・拡販に注力していく方針です。

さらに、国内事業で培ったAI(人工知能)技術をクロスバウンドマーケティング領域へ適応し、更なる付加価値の増大に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありません。

 

① ソーシャルメディアデータの法整備について

今般、ソーシャルメディアが増々浸透し、生活者がインターネット上に発信するデータが日々大量に生成されるようになりました。このような状況において、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、2010年1月に施行された改正著作権法でインターネット上の検索サービスを提供する事業者がその検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになりました。しかしながら、今後の新たな法律の制定や既存の法律の変更により、自主規制が求められるようになる可能性があります。このように当社グループのサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報の取得について

当社グループは、ソーシャルメディアから日々大量に生成されるソーシャルメディアデータを有償又は無償にて情報取得しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針転換により、情報提供の方針に変更が加えられた場合、サービスの品質が低下し、また、情報の取得に対して追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害について

当社グループの事業は、サービスの基盤を大規模なコンピュータサーバー群やインターネット通信網に依存しております。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視及びシステムの冗長化、セキュリティー対策等の未然防止策を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 投資先の経営について

2016年12月期現在、普千商務諮詢有限公司に12百万円を出資しております。これら投資先の経営の悪化あるいは運用成績の悪化により投資額の価値が著しく下落し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権におけるリスク

・当社グループ保有の知的財産権について

当社グループでは「ホットリンク/HOTTO LINK」「e-mining」「トレンドExpress」等の社名及びサービス名について商標登録を行っております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

・当社による第三者の知的財産権侵害について

当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材確保・維持について

当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材の採用と維持は当社にとって重要な課題であると認識しております。当社グループでは、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、優秀な人材を確保・育成できない場合、また事業変革に伴うニーズにマッチした人材の補充ができない場合、当社グループの経営成績や成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 内部管理体制について

当社グループは今後の業容拡大を踏まえ、内部管理体制の強化を進めており、具体的には規程・マニュアルの制定、監査役監査及び内部監査の実施により、法令やルールを順守する体制の充実を図っております。しかしながら、このような対応にもかかわらず法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ M&Aに関するリスク

当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを国内外において検討・実施しており、これにより企業価値の向上と成長の加速を目指しております。

M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っておりますが、買収後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、買収事業が当初の目標どおりに推移せず、場合によっては当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 配当政策について

当社グループは現在、成長過程にあると認識しており、獲得した資金については優先的にシステム等の設備投資、又は人材の採用、育成に充てるため、過去においては配当を行っておりませんでした。今後につきましては、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題の一つとして認識し、将来的には中間配当又は期末配当による株主への利益還元を予定しております。しかしながら、重要な事業投資を優先する場合やキャッシュ・フローの状況によっては、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性もあります。

 

⑩ 海外展開に伴うリスクについて

当社グループでは、グローバル展開を積極化しており、海外事業の存在感は徐々に高まってきております。海外事業においては、グローバル経済や為替などの動向、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係、国際政治など、さまざまなリスク要因があり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 2ちゃんねるデータの商用独占利用許諾契約

 ① 契約先

東京プラス株式会社、有限会社未来検索ブラジル

② 内容

2ちゃんねるサイトの掲載情報及び2ちゃんねるサイトのコンテンツの提供

③ 契約期間

2016年10月1日から2017年9月30日

契約終了または契約条件変更の意思表示がない限り、1年間自動更新

 

(2) Twitter データの商用利用許諾契約

 ① 契約先

Twitter, Inc.

② 内容

全Twitterデータの提供

③ 契約期間

2016年11月12日から2017年11月11日

契約終了または契約条件変更の意思表示がない限り、1年間自動更新

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは、既存サービス機能向上を図る目的で、ソーシャル・ビッグデータをAI(人工知能)技術によって分析し、兆候発見モデルの構築の研究を大学と共同で進めております。また、新規サービスの開発に向け、同じくAI(人工知能)技術を用いて、ソーシャル・ビッグデータに対するテキストマイニング機能、情報拡散分析機能、画像解析機能の開発を進めております。当連結会計年度における研究開発費は27百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、前連結会計年度(2015年1月1日から2015年12月31日まで)より、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は2,187百万円(前期比10.3%減)となりました。この主な要因は、ソーシャルビッグデータの販売額を総額表示から純額表示としたことやコンサルティング事業を縮小したことや円高の影響を受けたことによります。

 

(売上原価)

当連結会計年度の売上原価は1,131百万円(前期比5.0%減)となりました。この主な内訳は、減価償却費326百万円、支払手数料310百万円、賃借料118百万円、、業務委託費111百万円であります。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,115百万円(前期比0.5%減)となりました。この主な内訳は、人件費(役員報酬、従業員給料及び手当、賞与引当金繰入額、法定福利費)541百万円、業務委託費104百万円、支払報酬59百万円、地代家賃50百万円であります。

 

(金融収益及び金融費用)

金融収益及び金融費用の主な内訳は支払利息29百万円であります。

 

以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高2,187百万円(前期比10.3%減)、営業損失654百万円(前期は営業利益126百万円)、当期損失639百万円(前期は当期利益18百万円)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は1,246百万円となり、前連結会計年度末に比べて296百万円増加い
たしました。この主な要因は、第三者割当増資及び新株予約権の行使により、現金及び現金同等物が329百万円

増加したことによるものであります。

(非流動資産)

当連結会計年度末における非流動資産の残高は、3,083百万円となり、前連結会計年度末に比べて712百万円減

少いたしました。この主な要因は、Effyis社の買収に伴い発生したのれんに対して減損損失を計上し、のれんが

593百万円減少したことによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,676百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,039百万円減

少いたしました。この主な要因は、借入金が1,027百万円減少したことによるものであります。

(非流動負債)

当連結会計年度末における非流動負債の残高は、762百万円となり、前連結会計年度末に比べて194百万円増加

いたしました。この主な要因は、借入金が237百万円増加したことによるものであります。

(資本合計)

当連結会計年度末における資本合計の残高は、1,890百万円となり、前連結会計年度末に比べて428百万円増加

いたしました。この主な要因は、第三者増資及び新株予約権の行使により、資本金が672百万円、資本剰余金が

658百万円増加したものの、当期損失639百万円を計上したことによるものであります。

(4)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べて329百万円増加し940百万円となりました。

営業活動の結果得られた資金は、308百万円(前期は280百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引

前損失を671百万円計上したものの、減価償却費及び償却費379百万円、減損損失593百万円などの非資金項目の

調整によるものであります。

投資活動の結果使用した資金は、405百万円(前期は3,129百万円の使用)となりました。この主な要因は、無

形固定資産の取得による支出329百万円であります。

財務活動の結果得られた資金は、429百万円(前期は710百万円の増加)となりました。この主な要因は、短期

借入金の減少額1,025百万円、長期借入金の返済による支出191百万円があったものの、新株の発行による収入

496百万円、ストックオプションの行使による資本の増加による収入735百万円、長期借入による収入550百万円

によるものであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、業界の動向による影響や法的規制、人材の確保等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与えると認識しております。そのため、常に顧客ニーズに応えていくことにより、各リスク要因を把握し、そのリスクを分散・低減してまいります。