第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度の業績は、売上高2,583百万円(前期比18.1%増)、営業利益125百万円(前期は営業損失654百万円)、当期利益138百万円(前期は当期損失639百万円)となりました。なお、EBITDAは486百万円(前期比52.7%増)となりました。

※EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費

 

事業毎の売上高は、以下の通りになります。

(ⅰ)ソーシャルクラウドサービス事業

(a) SaaSサービス

 当サービスは、ソーシャル・ビッグデータの分析ツールである「クチコミ@係長」シリーズとソーシャルリスクの監視ツールである「e-mining」シリーズから成り立っております。

 「クチコミ@係長」シリーズは前期と比較し好調だったものの「e-mining」シリーズ実績は前期より減少し、当サービスの売上高は795百万円(前期比0.9%減)となりました。

 なお、前年度までその他事業と表示していた着メロ・着うたサービスは、当連結会計年度より金額的重要性が乏しくなったためSaaSサービスに含めております。参考として、当連結会計年度のその他事業の売上高は、4百万円(前期比41.1%減)であります。

 

(b) ソリューションサービス

 当サービスは、主にソーシャル・ビッグデータの販売から成り立っております。

 当社の米国子会社であるEffyis.Incのソーシャル・ビッグデータの新規アクセス権販売の増加により、当サービスの売上高は1,536百万円(前期比21.8%増)となりました。なお、前年度までソリューションサービスに含めて表示していたインバウンド消費支援サービスは、質的重要性が増したため当連結会計年度よりクロスバウンドサービスとして表示しております。参考として、前連結会計年度のインバウンド消費支援サービスの売上高は122百万円であります。

 

(c) クロスバウンドサービス

 当サービスは、主にソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費行動を分析するレポーティングサービスとプロモーション支援サービスから成り立っております。

レポーティングサービスは堅調な売上を維持しております。プロモーションサービスは前年度の後半よりサービスを開始しておりますが、売上は順調に推移しております。以上のことから、当サービスの売上高は251百万円(前期比104.6%増)となりました。

 

主な費用の項目は以下の通りになります。

 販売費及び一般管理費は1,087百万円(前期比2.6%減)となりました。減少した主な要因は、前連結会計年度に計上した販売権償却費の計上が無くなったことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べて133百万円増加し1,074百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、470百万円(前期は308百万円の増加)となりました。この主な要因は、減価償却費及び償却費360百万円の非資金項目の調整によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、389百万円(前期は405百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出390百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、80百万円(前期は429百万円の増加)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額264百万円、長期借入金の返済による支出230百万円があったものの、新株の発行による収入180百万円、ストック・オプションの行使による資本の増加による収入389百万円によるものであります。

 

 

(3)並行開示情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

(のれんの償却に関する事項)

 日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、のれん償却額(販売費及び一般管理費)が前連結会計年度207,283千円、当連結会計年度164,222千円減少しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお、セグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソーシャルクラウドサービス事業

 

 

 

SaaS

795,343

99.08

 

ソリューション

1,536,598

121.76

 

クロスバウンド

251,142

204.56

合計

2,583,084

118.09

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

salesforce.com,inc.

230,066

10.5

268,428

10.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループにおいて、業容の拡大及び経営の安定化を図っていくうえで、会社の対処すべき課題と中長期的な成長戦略は以下のとおりであります。

 

(課題)

当社の主力事業である企業のソーシャルビッグデータ解析をサポートする分析ツール(サービス名「クチコミ@係長」「e-mining」)の販売は足許堅調に推移しておりますが、事業の成長率が低くなってきている状況です。そのため、現在の主力事業を強化・維持しつつ、次なる主力事業を立ち上げることが今後の課題となっております。

 

(成長戦略)

当社グループは「ビッグデータ×ソーシャル×クラウド」を事業コンセプトとし、ソーシャル・ビッグデータを活用するツールを提供するSaaS事業、及びソーシャル・ビッグデータの流通や解析エンジンを供給するソリューション事業を展開してまいりました。現在、ソーシャル・ビッグデータ市場における顧客要望は、従来のデータ流通や分析ツールの活用から、その先のマーケティング活用支援へと変わってきている状況にあります。その顧客要望の変化に対応すべく、長年のソーシャル・ビッグデータの解析事業で培った知見や経験をもとに、マーケティング活用支援領域におけるサービス開発を重視し、積極的な投資を継続していく方針です。具体的な内容は以下のとおりです。

 

①AI(人工知能)を活用したマーケティング活用支援ツールの開発

当社グループでは、長年の研究開発を通じて得た知見とディープラーニング等の最先端のAI(人工知能)技術を融合させ、分析サービスに留まらないマーケティング活用支援ツールを開発してまいります。

 

②クロスバウンド・マーケティング領域における新製品・サービスの拡充と拡販

次なる主力事業を立ち上げるために、インバウンドとアウトバウンドを含めたクロスバウンドマーケティング領域における新製品・サービスの拡充と拡販を推進していく方針です。これまでは分析サービスを中心に提供してまいりましたが、クライアントの販売促進に直接繋がるプロモーションサービスの拡充と拡販にさらに注力することで、更なる付加価値の増大に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありません。

 

① ソーシャルメディアデータの法整備について

今般、ソーシャルメディアが増々浸透し、生活者がインターネット上に発信するデータが日々大量に生成されるようになりました。このような状況において、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、2010年1月に施行された改正著作権法でインターネット上の検索サービスを提供する事業者がその検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになりました。しかしながら、今後の新たな法律の制定や既存の法律の変更により、自主規制が求められるようになる可能性があります。このように当社グループのサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報の取得について

当社グループは、ソーシャルメディアから日々大量に生成されるソーシャルメディアデータを有償又は無償にて情報取得しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針転換により、情報提供の方針に変更が加えられた場合、サービスの品質が低下し、また、情報の取得に対して追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害について

当社グループの事業は、サービスの基盤を大規模なコンピュータサーバー群やインターネット通信網に依存しております。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視及びシステムの冗長化、セキュリティー対策等の未然防止策を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 投資先の経営について

2017年12月期現在、普千商務諮詢有限公司に12百万円を出資しております。これら投資先の経営の悪化あるいは運用成績の悪化により投資額の価値が著しく下落し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権におけるリスク

・当社グループ保有の知的財産権について

当社グループでは「ホットリンク/HOTTO LINK」「e-mining」「トレンドExpress」等の社名及びサービス名について商標登録を行っております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

・当社による第三者の知的財産権侵害について

当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材確保・維持について

当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材の採用と維持は当社にとって重要な課題であると認識しております。当社グループでは、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、優秀な人材を確保・育成できない場合、また事業変革に伴うニーズにマッチした人材の補充ができない場合、当社グループの経営成績や成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 内部管理体制について

当社グループは今後の業容拡大を踏まえ、内部管理体制の強化を進めており、具体的には規程・マニュアルの制定、監査役監査及び内部監査の実施により、法令やルールを順守する体制の充実を図っております。しかしながら、このような対応にもかかわらず法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ M&Aに関するリスク

当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを国内外において検討・実施しており、これにより企業価値の向上と成長の加速を目指しております。

M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っておりますが、買収後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、買収事業が当初の目標どおりに推移せず、場合によっては当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 配当政策について

当社グループは現在、成長過程にあると認識しており、獲得した資金については優先的にシステム等の設備投資、又は人材の採用、育成に充てるため、過去においては配当を行っておりませんでした。今後につきましては、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題の一つとして認識し、将来的には中間配当又は期末配当による株主への利益還元を予定しております。しかしながら、重要な事業投資を優先する場合やキャッシュ・フローの状況によっては、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性もあります。

 

⑩ 海外展開に伴うリスクについて

当社グループでは、グローバル展開を積極化しており、海外事業の存在感は徐々に高まってきております。海外事業においては、グローバル経済や為替などの動向、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係、国際政治など、さまざまなリスク要因があり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、新規サービスの開発に向け、AI(人工知能)技術を用いてソーシャル・ビッグデータを分析し、ソーシャルメディアマーケティングや広告出稿を支援する機能の開発を進めております。AI(人工知能)技術のうち、特にテキストマイニング、情報拡散分析、画像解析に注力しております。また、同じく新規サービスの開発及び既存サービスの機能向上を図る目的で、AI(人工知能)技術を用いてソーシャル・ビッグデータから社会課題を発見する手法を大学及びPR会社と共同で進めております。当連結会計年度における研究開発費は28百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は2,583百万円(前期比18.1%増)となりました。この主な要因は、米国子会社のソーシャル・ビッグデータの新規アクセス権販売の増加と国内のプロモーションサービスの売上が順調に推移したことによります。

 

(売上原価)

当連結会計年度の売上原価は1,371百万円(前期比21.2%増)となりました。この主な内訳は、減価償却費及び償却費351百万円、支払手数料386百万円、賃借料138百万円、業務委託費193百万円であります。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,087百万円(前期比2.6%減)となりました。この主な内訳は、人件費(役員報酬、従業員給料及び手当、賞与引当金繰入額、法定福利費)551百万円、業務委託費100百万円、支払報酬61百万円であります。

 

(金融収益及び金融費用)

金融収益及び金融費用の主な内訳は支払利息29百万円であります。

 

以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高2,583百万円(前期比18.1%増)、営業利益125百万円(前期は営業損失654百万円)、当期利益138百万円(前期は当期損失639百万円)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は1,426百万円となり、前連結会計年度末に比べて180百万円増加いたしました。この主な要因は、第三者割当増資及び新株予約権の行使により、現金及び現金同等物が増加したことによるものであります。

 

(非流動資産)

当連結会計年度末における非流動資産の残高は、3,165百万円となり、前連結会計年度末に比べて81百万円増加いたしました。この主な要因は、投資有価証券の評価額が90百万円増加したことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,456百万円となり、前連結会計年度末に比べて220百万円減少いたしました。この主な要因は、借入金が298百万円減少したことによるものであります。

 

(非流動負債)

当連結会計年度末における非流動負債の残高は、524百万円となり、前連結会計年度末に比べて237百万円減少いたしました。この主な要因は、長期借入金が215百万円減少したことによるものであります。

 

(資本合計)

当連結会計年度末における資本合計の残高は、2,610百万円となり、前連結会計年度末に比べて720百万円増加いたしました。この主な要因は、新株予約権の行使により、資本金が197百万円、資本剰余金が197百万円増加したことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べて133百万円増加し1,074百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、470百万円(前期は308百万円の増加)となりました。この主な要因は、減価償却費及び償却費360百万円の非資金項目の調整によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、389百万円(前期は405百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出390百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、80百万円(前期は429百万円の増加)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額264百万円、長期借入金の返済による支出230百万円があったものの、新株の発行による収入180百万円、ストック・オプションの行使による資本の増加による収入389百万円によるものであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、業界の動向による影響や法的規制、人材の確保等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与えると認識しております。そのため、常に顧客ニーズに応えていくことにより、各リスク要因を把握し、そのリスクを分散・低減してまいります。